JP3828782B2 - トルクカム機構 - Google Patents

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    • F16D25/0638Fluid-actuated clutches in which the fluid actuates a piston incorporated in, i.e. rotating with the clutch the clutch having friction surfaces with clutch members exclusively moving axially with flat friction surfaces, e.g. discs with more than two discs, e.g. multiple lamellae

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共通の軸線まわりに相対回転自在に配置された第1、第2カム部材と、第1、第2カム部材の相対向する対向面にそれぞれ形成された第1、第2カム溝の両方に嵌合するカムボールとから構成されたトルクカム機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるトルクカム機構は、例えば特開2001−213185号公報により公知である。
【0003】
この種のトルクカム機構は、第1、第2カム部材が一方向に相対回転すると、カムボールが第1、第2カム溝のカム部に乗り上げて両カム部材を離反させる軸方向のスラスト力を発生し、また第1、第2カム部材が他方向に相対回転すると、カムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に係止されて前記他方向の相対回転を抑制するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものは、第1、第2カム部材が前記他方向に相対回転したときに、カムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に乗り上げる可能性があった。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、トルクカム機構において、第1、第2カム部材が他方向に相対回転したときに、カムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に乗り上げるのを防止することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、共通の軸線まわりに相対回転自在に配置された第1、第2カム部材と、第1、第2カム部材の相対向する対向面にそれぞれ形成された第1、第2カム溝の両方に嵌合するカムボールとから構成されており、第1、第2カム溝は、カムボールの円周方向の移動を抑制するストッパ部と、カムボールの円周方向の移動を許容するカム部とを備え、第1、第2カム部材の一方向の相対回転によりカムボールが第1、第2カム溝のカム部に乗り上げて両対向面を離反させる軸方向のスラスト力を発生するとともに、第1、第2カム部材の他方向の相対回転によりカムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に係止されて前記他方向の相対回転を抑制するトルクカム機構において、第1、第2カム溝の一方の深さがカムボールの半径よりも大きく、他方の深さがカムボールの半径よりも小さく、かつ第1カム部材はその対向面から突出して第1カム溝のストッパ部と協働する突起を備えるとともに、第2カム部材はその対向面から突出して第2カム溝のストッパ部と協働する突起を備えることを特徴とするトルクカム機構が提案される。
【0007】
上記構成によれば、第1、第2カム溝の一方の深さをカムボールの半径よりも大きくし、他方の深さをカムボールの半径よりも小さくしたので、第1、第2カム部材と共にカムボールが回転して該カムボールに遠心力が作用しても、その遠心力を第1、第2カム溝の深い方のカム溝で受け止めることで、第1、第2カム部材の対向面を相互に離反させるスラスト力が発生するのを抑制することができる。また第1カム部材の対向面に第1カム溝のストッパ部と協働する突起を形成し、かつ第2カム部材の対向面に第2カム溝のストッパ部と協働する突起を形成したので、第1、第2カム部材が前記他方向に相対回転してカムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に当接したとき、両突起の作用でカムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に乗り上げる事態を確実に防止することができる
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1は四輪駆動車両の動力伝達系を示す図、図2は四輪駆動車両の多板クラッチおよび油圧回路の構造を示す図、図3は多板クラッチの拡大断面図、図4は図3の4−4線矢視図、図5は図3の5−5線矢視図、図6は図5の6方向矢視図、図7は図3の7−7線拡大断面図、図8は作用を説明するグラフである。
【0009】
図1に示すように、四輪駆動車両の前部に搭載されたエンジンEの出力は変速機1を介して前輪側の差動装置2に入力され、その差動装置2の出力はドライブシャフト3,3を介して左右の前輪Wf,Wfに伝達される。差動装置2に入力されたエンジンEの出力は傘歯車装置4を介して後述の動力伝達装置Tに入力され、その動力伝達装置Tの出力は傘歯車装置5を介して後輪側の差動装置6に伝達され、更に差動装置6の出力はドライブシャフト7,7を介して左右の後輪Wr,Wrに伝達される。
【0010】
動力伝達装置Tは、前輪側の傘歯車装置4から延びる入力軸8により駆動される第1油圧ポンプPfと、後輪側の傘歯車装置5に接続する出力軸9により駆動される第2油圧ポンプPrと、前記入力軸8と出力軸9との間の駆動力の伝達・遮断を司る湿式の多板クラッチCと、該多板クラッチCを制御する後述の油圧回路とから構成される。
【0011】
次に、図2および図3を参照して多板クラッチCおよび油圧回路の構成を説明する。第1油圧ポンプPfはトロコイドポンプからなり、車両の前進時には吐出ポートとなり後進時には吸入ポートとなる第1ポート10と、前進時には吸入ポートとなり後進時には吐出ポートとなる第2ポート11とを有している。第2油圧ポンプPrは同じくトロコイドポンプからなり、車両の前進時には吸入ポートとなり後進時には吐出ポートとなる第3ポート12と、前進時には吐出ポートとなり後進時には吸入ポートとなる第4ポート13とを有している。両油圧ポンプPf,Prの1回転あたりの吐出量は、第2油圧ポンプPrの方が第1油圧ポンプPfよりも僅かに(例えば2.5%)大きくなるように設定される。そして、第1ポート10と第3ポート12とが第1連結油路14を介して接続され、第2ポート11と第4ポート13とが第2連結油路15を介して接続される。尚、トロコイドポンプよりなる両油圧ポンプPf,Prの吐出方向はその回転方向により決定されるため、車両の前進時と後進時とでは前記吐出方向が逆転する。図2における両油圧ポンプPf,Prの矢印は、それぞれ前進時の吐出方向を示している。
【0012】
前記多板クラッチCは、入力軸8に固着されたクラッチハウジング41と、入力軸8の後端にローラベアリング29を介して同軸かつ相対回転可能に嵌合する出力軸9に固着されたクラッチハブ42とを備えており、クラッチハウジング41の内周に形成したスプライン41aに摺動自在に支持された複数枚のクラッチ板43…と、クラッチハブ42の外周に形成したスプライン42aに摺動自在に支持された複数枚のクラッチ板44…とが、相互に当接可能に重ね合わされる。ケーシング45に形成されたクラッチシリンダ46にはクラッチピストン47がシール部材48,48を介して摺動自在に嵌合しており、このクラッチピストン47の後面には該クラッチピストン47を駆動するための圧油が供給される作動油圧室16が形成される。
【0013】
多板クラッチCの後部に配置されたトルクカム機構61は、第1カム部材62、第2カム部材63および複数のカムボール64…から構成される。前側に位置する第2カム部材63はクラッチハブ42の内周面に軸方向移動可能、かつ相対回転不能にスプライン結合される一方、後側に位置する第1カム部材62の外周のスプライン62cとクラッチハウジング41の内周のスプライン41aとの間に摩擦クラッチ67が配置される。摩擦クラッチ67は第1カム部材62とクラッチハウジング41との間に所定値以上のトルクが作用するとスリップするようにプリロードが与えられている。
【0014】
トルクカム機構61の後方において、クラッチハウジング41のスプライン41aと第1油圧ポンプPfに連なるスリーブ65との間にエンドプレート71が軸方向移動可能、かつ相対回転不能に支持されており、エンドプレート71の前面と第1カム部材62の後面との間にスラストベアリング72が配置され、エンドプレート71の後面とクラッチピストン47の前面との間にスラストベアリング73が配置される。
【0015】
尚、エンドプレート71からクラッチハブ42の内部に向けて延びる円筒部材69は多数の小孔を有しており、出力軸9の内部に形成した油通路9aおよび油孔9bから供給された潤滑油を、遠心力で分散させて多板クラッチCのクラッチ板43…,44…を均等に潤滑する機能を有している。このとき、出力軸9を中実軸とし、出力軸9とスリーブ65との間に油通路を形成し、円筒部材69を介して潤滑しても良い。
【0016】
図4〜図7から明らかなように、トルクカム機構61の第1カム部材62の対向面62aには、円周方向に配置された複数個(例えば60°間隔で6個)の第1カム溝74…が形成される。各々の第1カム溝74は深さが次第に浅くなるように傾斜したカム部74aと、カム部74aの最も深い部分に連なる部分球面状のストッパ部74bとから構成されており、ストッパ部74bの半径はカムボール64の半径と同一に設定されている。そして対向面62aには前記ストッパ部74bと協働してカムボール64の移動を阻止する突起62bが突設される。
【0017】
同様に、トルクカム機構61の第2カム部材63の対向面63aには、円周方向に配置された複数個(例えば60°間隔で6個)の第2カム溝75…が形成される。各々の第2カム溝75は深さが次第に浅くなるように傾斜したカム部75aと、カム部75aの最も深い部分に連なる部分球面状のストッパ部75bとから構成されており、ストッパ部75bの半径はカムボール64の半径と同一に設定されている。そして対向面63aには前記ストッパ部75bと協働してカムボール64の移動を阻止する突起63bが突設される。 図7(A)に示すように、第1カム部材62および第2カム部材63が矢印A方向に相対回転すると、第1、第2カム部材62,63の第1、第2カム溝74,75のストッパ部74b,75bにカムボール64が当接し、第1、第2カム部材62,63の対向面62a,62bは最も接近した状態となる。この状態から、図7(B)に示すように、第1、第2カム部材62,63が矢印B方向に相対回転すると、第1、第2カム部材62,63の第1、第2カム溝74,75のカム部74a,75aにカムボール64が乗り上げることで、軸方向のスラスト力fが発生して第1、第2カム部材62,63の対向面62A,62bは相互に離反する方向に移動する。
【0018】
尚、第1、第2カム部材62,63が相互に接近したとき、第1カム部材62の突起62bが第2カム部材63の第2カム溝75に嵌合し、かつ第2カム部材63の突起63bが第1カム部材62の第1カム溝74に嵌合することで、第1、第2カム部材62,63の対向面62a,63aを充分に接近させることができる。
【0019】
図3および図7(A)から明らかなように、第1、第2カム部材62,63の第1、第2カム溝74,75の深さは異なっている。即ち、第1カム溝74の深さD1はカムボール64の半径Rよりも大きく設定され、第2カム溝75の深さD2はカムボール64の半径Rよりも小さく設定される。これにより、第1、第2カム部材62,63の対向面62a,63aの位置はカムボール64の中心から第2カム部材63側に偏心している。
【0020】
図2から明らかなように、多板クラッチCの作動油圧室16と前記第1連結油路14とは第3連結油路17を介して接続され、また作動油圧室16と前記第2連結油路15とは第4連結油路18を介して接続される。第3連結油路17には第2油圧ポンプPrから作動油圧室16への油の流れのみを許容する第1一方向弁19が設けられるとともに、第4連結油路18には第2連結油路15から作動油圧室16への油の流れのみを許容する第2一方向弁20が設けられる。また、オイルタンク21と第1連結油路14および第2連結油路15とを接続する第5連結油路36には、オイルタンク21から第1連結油路14への油の流れのみを許容する第3一方向弁22と、オイルタンク21からポート33cへの油の流れのみを許容する第4一方向弁23がそれぞれ設けられる。
【0021】
前記多板クラッチCの作動油圧室16の上流位置にはチョーク型絞り24が設けられる。また作動油圧室16の下流位置にはオリフィス型絞り25および第1リリーフ弁26が直列に設けられ、それらオリフィス型絞り25および第1リリーフ弁26の下流側は出力軸9の内部に形成した油通路9aに接続される。油通路9aは出力軸9を半径方向に貫通するの油孔9bを介して多板クラッチCの潤滑部、すなわちクラッチ板43…,44…が収納されたクラッチハウジング41の内部空間に連通する。
【0022】
前記第1リリーフ弁26は、入力軸8および出力軸9の偏心回転により多板クラッチCのクラッチピストン47が揺動したときに、多板クラッチCの潤滑部から作動油圧室16にエアが逆流するのを防止する機能を有する。
【0023】
チョーク型絞り24の上流位置とオリフィス型絞り25の下流位置との間には、作動油圧室16に伝達される油圧の上限値を規制する第2リリーフ弁28が設けられる。この第2リリーフ弁28には油温の上昇時に該第2リリーフ弁28を強制的に開弁させるサーモスイッチ51が設けられる。
【0024】
前記第2連結油路15には、ハウジングの内部にスプリング30で右方向に付勢されたスプール31を収納してなるスプール弁32が設けられる。スプール31が図示した右位置にあるとき、そのスプール31によってポート33cとポート33dとの連通が遮断されるとともにポート33aとポート33bとが連通し、スプール31がスプリング30に抗して左位置に移動したとき、そのスプール31によってポート33aとポート33bとの連通が遮断されるとともにポート33cとポート33dとが連通する。前記ポート33aとポート33dとの間には、ポート33dからポート33aへの油の流れのみを許容する第5一方向弁34が設けられるとともに、前記ポート33bとポート33cとの間には、ポート33bからポート33cへの油の流れのみを許容する第6一方向弁35が設けられる。
【0025】
したがって、車両の前進時すなわち第2油圧ポンプPrの第4ポート13が油を吐出している時には、スプール31は左位置に移動して第2連結油路15と第1連結油路14とはポート33cとポート33dとの連通により接続される。また、車両の後進時すなわち第1油圧ポンプPfの第2ポート11が油を吐出している時には、スプール31は図示した右位置にあり、第2連結油路15と第1連結油路14とはポート33aとポート33bとの連通により接続される。
【0026】
スプール弁32のスプール31が右位置にあるとき、該スプール31によってポート33cとの連通が遮断されるポート33eは第7一方向弁52を設けた潤滑油路53を介して出力軸9の油通路9aに連通する。
【0027】
次に、前述した本発明の実施例の作用を説明する。
【0028】
前進発進時には、エンジンEの駆動力が変速機1、差動装置2およびドライブシャフト3,3を介して前輪Wf,Wfに伝達されるとともに、その駆動力は差動装置2から傘歯車装置4および入力軸8を介して第1油圧ポンプPfに伝達され、この第1油圧ポンプPfを駆動する。このとき多板クラッチCは非係合状態にあり、出力軸9に接続した第2油圧ポンプPrは停止した状態にある。したがって、オイルタンク21から第5一方向弁34を介して第1油圧ポンプPfの第2ポート11に吸入された油は、第1ポート10から第1連結油路14へ吐出される。このとき、第5連結油路36の第3一方向弁22が閉じているため、第1連結油路14に吐出された油の全量が第3連結油路17に流入し、そこで第2一方向弁20に阻止されて第1一方向弁19およびチョーク型オリフィス24を介して多板クラッチCの作動油圧室16に供給される。
【0029】
上述のようにして多板クラッチCが係合すると、出力軸9、傘歯車装置5、差動装置6およびドライブシャフト7,7を介して後輪Wr,Wrが駆動され、前記出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrが回転する。その結果、後輪Wr,Wrの回転速度の増大に応じて第1油圧ポンプPfの吐出油が第1連結油路14を介して第2油圧ポンプPrに吸入され、第2油圧ポンプPrの吐出油がスプール弁32のスプール31をスプリング30に抗して左動させながらポート33c,33dおよび第5一方向弁34を介して第1油圧ポンプPfに吸入されるようになる。そして第1油圧ポンプPfの吐出量と第2油圧ポンプPrの吸入量との差に応じて多板クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧、すなわち多板クラッチCの係合力が自動的に変化し、前後輪間の回転速度差が実質的に0になる例えば前進定速走行状態に達すると、多板クラッチCの作動油圧室16に油圧が作用しなくなって後輪Wr,Wrへのトルク分配が断たれる。尚、前進定速走行状態において、前述のように第2油圧ポンプPrの吐出量は第1油圧ポンプPfの吐出量を僅かに上回っているが、第2油圧ポンプPrの吐出油はスプール弁32のスプール31をスプリング30に抗して左動させ、第2油圧ポンプPrの余剰の吐出油はポート33c,33dおよび第5連結油路36の第3一方向弁22を介して第2油圧ポンプPrの第3ポート12に還流する。
【0030】
上述した前進定速走行状態において、第1油圧ポンプPfおよび第2油圧ポンプPrの吐出油が第1連結油路14および第2連結油路15を循環するとき、第2油圧ポンプPrの吐出油がスプール弁32のスプール31をスプリング30に抗して左動させることにより、第4ポート13とポート33cとの間の第2連結油路15にスプリング30の付勢力に応じた油圧が発生する。その結果、両油圧ポンプPf,Prのロータのサイドクリアランスから循環する油の中に吸入されるエアは、この油圧により圧縮されて第2油圧ポンプPrの第4ポート13寄りのサイドクリアランスから逐次排出されるため、循環する油の中にエアが滞留することがない。これにより、その後に前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrに回転数差が発生し、第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量(吸入量)差が生じた時に、滞留するエアにより油圧の立ち上がりが遅れ、結果として多板クラッチCの応答性に遅れが生じるという不都合が確実に防止される。
【0031】
さて、第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量(吸入量)差が生じると、多板クラッチCの作動油圧室16には第1リリーフ弁26のセット荷重に対応する油圧が直ちに作用する。前記第1リリーフ弁26が開いた後は、第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量差、オリフィス型絞り25およびチョーク型絞り24の圧力降下特性、あるいは油の粘度等により決定される油圧が多板クラッチCの作動油圧室16に作用する。そして、その油圧の上限値は第2リリーフ弁28のセット荷重により制限されるため、前記第2リリーフ弁28のセット荷重を適宜設定することにより多板クラッチCの伝達トルクの上限値を調整することができる。
【0032】
ところで、前記チョーク型絞り24を通過する油量は油の粘度による影響を受け、低温状態で油の粘度が増加するとチョーク型絞り24を流れる油量が減少するため、多板クラッチCの作動油圧室16とオリフィス型絞り25を通過する油量も減少する。このとき、オリフィス型絞り25の前後に発生する圧力降下量は該オリフィス型絞り25を通過する油量の2乗に比例するため、通過する油量が減少するとオリフィス型絞り25における圧力降下量が小さくなり、その分だけ上流のチョーク型絞り24における圧力降下量が増加することになる。これにより、低温状態で作動油圧室16に作用する油圧、すなわち第2リリーフ弁28で設定された圧力から前記チョーク型絞り24による圧力降下量を差し引いた圧力が小さくなる。したがって、油の粘度上昇により摩擦係数が増加しても、その分だけ油圧によるクラッチ板43…,44…の押し付け力が減少するため、全体として低温時における多板クラッチCの係合力の増大が防止される。一方、高温状態では油の粘度が低下して摩擦係数が低下するが、この場合にはチョーク型絞り24による圧力降下量が逆に減少して多板クラッチCの作動油圧室16に作用する油圧が増加するため、その分だけクラッチ板43…,44…の押し付け力が増加して多板クラッチCの係合力の低下が防止される。
【0033】
而して、車両の前進発進時および前進急加速時に多板クラッチCの作動油圧室16からオリフィス型絞り25および第1リリーフ弁26を介して排出された油と、作動油圧室16の上流位置から第2リリーフ弁28を介して排出された油とは、出力軸9の油通路9aおよび油孔9bから多板クラッチCの内部に供給され、そこで出力軸9に対して相対回転する円筒部材69の油孔から遠心力で半径方向外側に飛散して各クラッチ板43…,44…を均等に潤滑する。クラッチ板43…,44…を潤滑した油は、図示せぬ油路を通ってオイルタンク21に還流する。
【0034】
ところで、前述したように車両の前進定速走行時には多板クラッチCの作動油圧室16に圧油が供給されないため、作動油圧室16を経由して多板クラッチCの潤滑部に潤滑油が供給されなくなる。しかしながら、車両の前進定速走行時に第2油圧ポンプPrの第4ポート13からの吐出油がスプール弁32のスプール31をスプリング30に抗して左動させる際に所定の油圧が発生し、しかも両油圧ポンプPf,Prの1回転あたりの吐出量差によって第2連結油路15に過剰の油が吐出されるため、その余剰の油の一部が前記スプール弁32を開弁させる際に発生した圧力で潤滑油路53から出力軸9の油通路9aに供給され、そこから油孔9bを介して多板クラッチCの潤滑部に供給される。このようにして多板クラッチCが非係合状態にある前進定速走行時においても、多板クラッチCの潤滑部に潤滑油を供給してクラッチ板43…,44…を効果的に潤滑することが可能となり、これにより多板クラッチCの過熱を防止することができる。
【0035】
尚、潤滑油路53に設けた第7一方向弁52は以下のような機能を発揮する。すなわち、車両の前進発進時や前進急加速時に第2連結油路15に負圧が発生したとき、多板クラッチCの潤滑部から吸引されたエアーが潤滑油路53、ポート33e、ポート33d、第5一方向弁34および第2連結油路15を介して第1油圧ポンプPfに吸入されるのを防止することができる。
【0036】
前進定速走行時に前輪Wf,Wfのみが摩擦係数の低い路面を踏んだ場合、あるいは急加速しようとした時には、前輪Wf,Wfが過渡的にスリップ状態になることがある。このような状態においては、入力軸8に接続された第1油圧ポンプPfの吐出量が出力軸9に接続された第2油圧ポンプPrの吸入量を上回り、且つ第3一方向弁22が閉じて第5連結油路36を介しての第1連結油路14と第2連結油路15の連通が阻止されるため、前述と同様に多板クラッチCが係合して後輪Wr,Wrに対して駆動トルクが分配される。
【0037】
車輪に制動力が作用すると、前後輪の制動力配分は一般に前輪Wf,Wf側が後輪Wr,Wr側より高く設定されているので、急制動時等において前輪Wf,Wfが後輪Wr,Wrよりも先にロックする。また、定速走行からのエンジンブレーキは前輪Wf,Wfのみ作用するので、この場合も過渡的には前輪Wf,Wfの回転速度が後輪Wr,Wrのそれよりも低くなる。このような場合には、第2油圧ポンプPrの吐出量が第1油圧ポンプPfの吸入量を上回り、第2連結油路15に過剰なオイルが吐出される。更に、前輪Wf,Wfが完全にロックした場合には、第1油圧ポンプPfが停止して第2油圧ポンプPrのみが回転するため、この第2油圧ポンプPrの吐出油の全量が過剰となる。しかしながら、この過剰な吐出油はスプール弁32のポート33c、ポート33dおよび第5連結油路36の第3一方向弁22を介して第2油圧ポンプPrの第3ポート12に還流する。このようにして、後輪Wr,Wrの回転速度が前輪Wf,Wfの回転速度を上回っても多板クラッチCの作動油圧室16に第1、第2油圧ポンプPf,Prの吐出量差に基づく油圧が作用しないため、該多板クラッチCは非係合状態に保持されて前輪Wf,Wfから後輪Wr,Wrへの制動力の伝達が阻止され、これにより前後輪の制動力配分に変化が生じることはない。
【0038】
尚、前述した車両の前進制動時には多板クラッチCが係合しないため、第1リリーフ弁26を通過した油による多板クラッチCの潤滑は行われない。しかしながら、前述した車両の前進定速走行時と同様に、第2油圧ポンプPrの吐出油の一部がスプール弁32および潤滑油路53を介して多板クラッチCに供給され、多板クラッチCの潤滑部の潤滑は支障なく行われる。
【0039】
車両の後進時には、第1、第2油圧ポンプPf,Prの回転方向が共に逆になり、吐出ポートと吸入ポートとの関係が上記とは逆の関係になる。
【0040】
すなわち、後進発進時あるいは後進急加速時等に前輪Wf,Wfの回転速度が後輪Wr,Wrの回転速度より大きくなると、第1油圧ポンプPfの吐出量が第2油圧ポンプPrの吸入量を上回るため、第2連結油路15に油圧が発生する。このとき、スプール弁32のスプール31はスプリング30によって図示位置に保持されており、第1油圧ポンプPfの第2ポート11からの吐出量と第2油圧ポンプPrの第4ポート13からの吸入量との差によって第2連結油路15に吐出された油は、前述のように第4一方向弁23と第5一方向弁34とによって第5連結油路36への流入が阻止されて第4連結油路18に流入し、そこで第2一方向弁20を通過し且つ第1一方向弁19により阻止されて多板クラッチCの作動油圧室16に供給され、後輪Wr,Wrに駆動トルクを分配すべく多板クラッチCが係合される。後輪Wr,Wrの回転速度が増大して後進定速走行状態になると第1油圧ポンプPfと第2油圧ポンプPrとの回転速度は同一になるが、第2油圧ポンプPrの1回転あたりの吐出量が第1油圧ポンプPfの1回転あたりの吐出量よりも大きいため、その差に相当する油が第1連結油路14に供給される。その結果、後進時には定速走行状態においても、前輪Wf,Wf側から後輪Wr,Wr側へトルクが分配されることになる。
【0041】
この後進定速走行状態では、第1連結油路14および第2連結油路15よりなる循環油路を循環する油に、スプール弁32のスプリング30による負荷は作用しない。しかしながら、一般に後進定速走行状態が長時間継続することはないため、両油圧ポンプPf,Prのロータのサイドクリアランスからのエア吸入と、多板クラッチCへの潤滑油の供給停止とは、実質的に問題とならない。
【0042】
また、後進制動時には第1油圧ポンプPfの回転速度が第2油圧ポンプPrのそれを下回るため、第2油圧ポンプPrの第3ポート12からの吐出量と第1油圧ポンプPfの第1ポート10からの吸入量との差によって第1連結油路14に油圧が発生する。このとき、第3一方向弁22が閉じるために第3連結油路17の第1一方向弁19を介して多板クラッチCが係合し、前輪Wf,Wfの制動力が後輪Wr,Wrに伝達される。
【0043】
以上説明した車両の後進時において、第1油圧ポンプPfの第2ポート11は吐出ポートとなり第2油圧ポンプPrの第4ポート13は吸入ポートとなるため、スプール弁32のスプール31は常に図示の右位置に保持される。このとき、何らかの原因でスプール31が左位置にロックしたとしても、第1油圧ポンプPfの第2ポート11からの吐出圧が第5一方向弁34に阻止されてスプール弁32のポート33aに作用し、前記ロックしたスプール31は正常位置である右位置に押し戻される。このときスプール31のロックが解消されない場合であっても、第2連結油路15に発生した油圧は第4連結油路18を介して第2リリーフ弁28から逃がされるため、第1油圧ポンプPfに過剰な負荷が加わることが無い。
【0044】
以上説明した多板クラッチCの係合は、作動油圧室16に供給された油でクラッチピストン47、スラストベアリング73、エンドプレート71、スラストベアリング72およびトルクカム機構61が前進し、第2カム部材63の押圧部66がクラッチ板43…,44…を押圧することにより行われる。このとき、クラッチピストン47とクラッチ板43…,44…との間に介在するトルクカム機構61は、以下のような機能を発揮する。
【0045】
油圧回路の構造を説明する際に述べたように、また図8にも示されるように、車両の前進加速時と、車両の後進加速時と、車両の後進減速時とに多板クラッチCが係合して前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wr間のトルク伝達が行われ、車両の前進減速時だけに多板クラッチCが係合せずに前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wr間のトルク伝達が行われない。前述したように、トルクカム機構61は一方向カムの機能を兼備えており、車両の前進加速時にトルクカム機構61の第1カム部材62および第2カム部材63は図7(A)の状態から図7(B)の状態に相対回転し、多板クラッチCを係合させるスラスト力fを発生する。従って、図8の右上に示すように、車両の走行中に高い頻度で発生する前進加速時の初期にトルクカム機構61を作動させて油圧による多板クラッチCの係合をアシストし、四輪駆動状態に移行する応答性を高めることができる。
【0046】
しかもトルクカム機構61により発生する多板クラッチCの係合力は、油圧による発生する多板クラッチCの係合力の増加に応じて次第に減少するため、トルクカム機構61だけで多板クラッチCが完全に係合するのを防止してデフロックの発生を回避することができる。
【0047】
また図8の右下に示すように、車両の前進減速時には油圧による多板クラッチCの係合は行われず、しかも第1、第2カム部材62,63の相対回転方向が逆になるために、一方向カムの機能でトルクカム機構61が多板クラッチCを係合させるスラスト力fを発生することはない。したがって、車両の前進減速時には二輪駆動状態に維持され、ABS装置との干渉が回避されて車両の制動性能が確保される。
【0048】
また図8の左上に示すように、車両の後進加速時には油圧による多板クラッチCの係合が行われるが、一方向カムの機能でトルクカム機構61が多板クラッチCを係合させるスラスト力fを発生することはない。
【0049】
また図8の左下に示すように、車両の後進減速時には油圧による多板クラッチCの係合が行われ、かつ一方向カムの機能でトルクカム機構61が多板クラッチCを係合させるスラスト力fを発生するため、トルクカム機構61のスラスト力fが油圧による多板クラッチCの係合をアシストする状態になる。
【0050】
而して、実用上の発生頻度の高い前進加速時の初期にトルクカム機構61および油圧の両方で多板クラッチCを係合させ、車両を四輪駆動状態にする応答性を高めるとともに後輪Wr,Wrに充分な駆動力を配分することができ、同様に実用上の発生頻度の高い前進減速時に車両を二輪駆動状態に維持してABS装置との干渉を回避することができる。
【0051】
尚、トルクカム機構61が作動して図7(B)の状態になり、第1カム部材62および第2カム部材63の相対回転が規制された後も、更に前輪Wf,Wfおよび後輪Wr,Wrの相対回転が継続するが、摩擦クラッチ67がスリップしてクラッチハウジング41と第1カム部材62との相対回転を許容し、かつスラストベアリング72の作用で、クラッチハウジング41と一体に回転するエンドプレート71と、クラッチハブ42と一体に回転する第1カム部材62との相対回転を許容する。尚、クラッチピストン47とエンドプレート71との間に配置されたスラストベアリング73は、ハウジング45に対して回転しないクラッチピストン47に対するエンドプレート71の相対回転を許容する。
【0052】
ところで、第1、第2カム部材62,63と共にカムボール64が回転すると、遠心力によってカムボール64…が半径方向外側に付勢されるため、カムボール64が楔のように作用して第1、第2カム部材62,63の対向面62a,63aを相互に離反させる荷重が発生する。しかしながら、本実施例では第1カム部材62の第1カム溝74の深さD1がカムボール64の半径Rよりも大きく設定されているため(図3および図7(A)参照)、カムボール64に作用する遠心力を深さの深い第1カム溝74の壁面で受け止めることにより、第1、第2カム部材62,63の対向面62a,63aを相互に離反させる荷重の発生を最小限に抑えることができる。これにより、多板クラッチCに無用な引きずりトルクが発生するのを未然に防止し、走行抵抗の低減および燃料消費量の節減に寄与することができる。
【0053】
また第1、第2カム部材62,63が図7(B)の矢印B方向に相対回転してカムボール64が第1、第2カム溝74,75のストッパ部74b,75bに当接したとき、カムボール64がストッパ部74b,75bを乗り越えようとするのが突起62b,63bによって阻止されるので、カムボール64がストッパ部74b,75bを乗り越えて多板クラッチCが不必要に係合するのを防止することができる。
【0054】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0055】
例えば、実施例では第1カム部材62の第1カム溝74を深くし、第2カム部材63の第2カム溝75の深さを浅くしているが、その関係を逆にすることもできる。このように、第1、第2カム溝74,75の深さの関係を実施例と逆に設定すると、次のような付加的な効果を達成することができる。
【0056】
第2カム部材63はクラッチハブ42にスプライン結合され、クラッチハブ42は出力軸9にスプライン結合されているため、第2カム部材63の支持剛性は比較的に高くなっている。それに対して、第1カム部材62はカムボール64…およびスラストベアリング72に挟まれて支持されているだけなので、支持剛性が第2カム部材63よりも低くなっている。従って、支持剛性が高く移動し難い第2カム部材63にカムボール64…に作用する遠心力を支持させた方が有利となる。
【0057】
また実施例ではトルクカム機構61を多板クラッチCの係合用として用いているが、請求項1および請求項2に記載されたトルクカム機構は他の任意の用途に適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、第1、第2カム溝の一方の深さをカムボールの半径よりも大きくし、他方の深さをカムボールの半径よりも小さくしたので、第1、第2カム部材と共にカムボールが回転して該カムボールに遠心力が作用しても、その遠心力を第1、第2カム溝の深い方のカム溝で受け止めることで、第1、第2カム部材の対向面を相互に離反させるスラスト力が発生するのを抑制することができる。また第1カム部材の対向面に第1カム溝のストッパ部と協働する突起を形成し、かつ第2カム部材の対向面に第2カム溝のストッパ部と協働する突起を形成したので、第1、第2カム部材が前記他方向に相対回転してカムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に当接したとき、両突起の作用でカムボールが第1、第2カム溝のストッパ部に乗り上げる事態を確実に防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 四輪駆動車両の動力伝達系を示す図
【図2】 四輪駆動車両の多板クラッチおよび油圧回路の構造を示す図
【図3】 多板クラッチの拡大断面図
【図4】 図3の4−4線矢視図
【図5】 図3の5−5線矢視図
【図6】 図5の6方向矢視図
【図7】 図3の7−7線拡大断面図
【図8】 作用を説明するグラフ
【符号の説明】
62 第1カム部材
62a 対向面
62b 突起
63 第2カム部材
63a 対向面
63b 突起
64 カムボール
74 第1カム溝
74a カム部
74b ストッパ部
75 第2カム溝
75a カム部
75b ストッパ部
D1 第1、第2カム溝の一方の深さ
D2 第1、第2カム溝の他方の深さ
R カムボールの半径

Claims (1)

  1. 共通の軸線まわりに相対回転自在に配置された第1、第2カム部材(62,63)と、第1、第2カム部材(62,63)の相対向する対向面(62a,63a)にそれぞれ形成された第1、第2カム溝(74,75)の両方に嵌合するカムボール(64)とから構成されており、
    第1、第2カム溝(74,75)は、カムボール(64)の円周方向の移動を抑制するストッパ部(74b,75b)と、カムボール(64)の円周方向の移動を許容するカム部(74a,75a)とを備え、第1、第2カム部材(62,63)の一方向の相対回転によりカムボール(64)が第1、第2カム溝(74,75)のカム部(74a,75a)に乗り上げて両対向面(62a,63a)を離反させる軸方向のスラスト力を発生するとともに、第1、第2カム部材(62,63)の他方向の相対回転によりカムボール(64)が第1、第2カム溝(74,75)のストッパ部(74b,75b)に係止されて前記他方向の相対回転を抑制するトルクカム機構において、
    第1、第2カム溝(74,75)の一方の深さ(D1)がカムボール(64)の半径(R)よりも大きく、他方の深さ(D2)がカムボール(64)の半径(R)よりも小さく、
    かつ第1カム部材(62)はその対向面(62a)から突出して第1カム溝(74)のストッパ部(74b)と協働する突起(62b)を備えるとともに、第2カム部材(63)はその対向面(63a)から突出して第2カム溝(75)のストッパ部(75b)と協働する突起(63b)を備えることを特徴とするトルクカム機構
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