JP2991394B2 - ポリエステルイミド絶縁塗料 - Google Patents

ポリエステルイミド絶縁塗料

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JP2991394B2
JP2991394B2 JP4282311A JP28231192A JP2991394B2 JP 2991394 B2 JP2991394 B2 JP 2991394B2 JP 4282311 A JP4282311 A JP 4282311A JP 28231192 A JP28231192 A JP 28231192A JP 2991394 B2 JP2991394 B2 JP 2991394B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルイミド絶
縁塗料に関し、更に詳しくは、ハンダ剥離性、軟化温
度、耐熱性並びに加工性に優れた絶縁電線を与えること
が出来る新規なポリエステルイミド絶縁塗料に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】近年、モーターやトラン
ス等の電気機器の小型化及び軽量化は著しいものがあ
る。このことは、家電製品のみならず自動車並びに航空
機における小型化及び軽量化の一翼を担っている。更
に、電気機器の信頼性向上も強く望まれている。これら
の見地から、モーターやトランス等の電気機器に用いら
れている絶縁電線の被覆材料としては耐熱性の優れた材
料が求められている。又、機器の小型化及び軽量化には
電線の細線化を必要とし、細線化された絶縁電線には、
従来以上の負荷がかかる為、当然その絶縁電線にはより
高性能なものが要求される様になった。
【0003】この結果、絶縁電線に適用される絶縁塗料
は耐熱化が進み、熱的に安定な材料であるF種(155
℃)のグリセリン含有ポリエステルイミド絶縁塗料、H
種(180℃)のトリス−(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート(以下THEICと省略する)含有ポリエス
テルイミド絶縁塗料、H種(180℃)のTHEIC 含有ポ
リエステルアミドイミド絶縁塗料、H種(180℃)の
THEIC 含有ポリエステル絶縁塗料、K種(200℃)の
芳香族ポリアミドイミド絶縁塗料並びにM種(220
℃)のポリイミド絶縁塗料が開発された。
【0004】又、これらの諸絶縁塗料を用いた絶縁電線
は過酷な環境下で使用される為、耐熱性の他に耐化学薬
品性、耐溶剤性、耐加水分解性並びに耐アルカリ性が求
められている。又、絶縁塗料の耐熱性等の向上と共に、
電気機器メーカーでは、コストダウンを目的として工程
の合理化を図ると共に、絶縁塗料に対して従来以上の高
性能化を求めている。その一環として、絶縁電線の端末
剥離処理の省力化及びライン化がある。しかしながら、
前記の絶縁塗料からなる絶縁電線は耐化学薬品性が優れ
ている為、かえってこれらの絶縁電線の端末剥離処理の
ライン化が阻害されている。
【0005】現在、この端末剥離の処理方法には、
(1)機械剥離、(2)熱分解剥離、(3)薬品剥離、
(4)ハンダ剥離等の諸方法があるが、作業時間、細線
の導体の無傷化並びに連続処理化等を考慮すると上記の
(4) のハンダ剥離処理方法が最も好ましい。この為、電
気機器メーカーからはハンダ剥離処理が出来る、いわゆ
るハンダ剥離が可能で、且つ耐熱性がF種(155℃)
乃至H種(180℃)の絶縁電線を与える絶縁塗料が強
く望まれている。この目的の為に、ハンダ剥離が可能な
ポリエステルイミド絶縁塗料が開発された。
【0006】尚、この分野においてハンダ剥離処理が可
能なという表現は、加熱されたハンダ浴中に絶縁電線を
浸漬した時、絶縁皮膜がその浸漬部分で分解及び除去さ
れ、この時点において導体にはハンダが付いた状態にな
っている為、ハンダ付けが容易となることであり、直接
ハンダ付けが出来るということではない。又、最近、多
数の撚り合せ絶縁電線をハンダ付けする場合には、絶縁
皮膜が被ったままの絶縁電線を直接ハンダ浴に浸漬する
ことによって絶縁皮膜の剥離とハンダ付けを一挙に行う
端末処理が増えてきた。この為には、ハンダ浴への浸漬
に続いて絶縁皮膜は出来るだけ速やかに即ち瞬時に除去
されねばならない。ハンダ浴への浸漬が短時間であれば
ある程好ましいことは言うまでもない。
【0007】ハンダ剥離においては、溶融ハンダ浴の温
度が400℃を越えるとハンダ浴の酸化劣化が一段と進
み、且つ導体である銅がハンダに溶解する速度が速くな
る為に絶縁電線の線細りの問題が生じて来る。しかしな
がら、前述の従来のハンダ剥離性を有するポリエステル
イミド絶縁塗料は、F種以上の耐熱性を有しているもの
の、ハンダ浴中で絶縁皮膜を完全に分解して、炭化皮膜
を導体上に残さない為には、ハンダ浴の温度を450℃
以上とし且つ浸漬時間も10秒以上が要求され、しかも
軟化温度は290〜300℃止まりであった。
【0008】従ってハンダ浴の温度が450℃以下で且
つ浸漬時間も10秒以内であっても、導体上に何らの炭
化皮膜も残さずにハンダ剥離処理が可能であり、その上
優れた軟化温度を有する絶縁電線を与える絶縁塗料が要
望されている。本発明者は上記要望に応えるべく鋭意研
究の結果、特定のポリエステルイミド樹脂を用いること
により、上記の要望に応える絶縁塗料が得られることを
見い出した。
【0009】
【問題点を解決する為の手段】即ち、本発明は、(A)
五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸或いはその
誘導体或いはこれらの混合物と、(B)三価カルボン酸
或いはその誘導体或いはこれらの混合物とを、(C)二
価アルコールとを、(A)か5乃至30当量%、(B)
が10乃至40当量%、及び(C)が50乃至75当量
%の比量で反応せしめて得られたポリエステルイミド樹
脂を含むことを特徴とするポリエステルイミド絶縁塗料
である。
【0010】
【作用】本発明の絶縁塗料は、特定のポリエステルイミ
ド樹脂を使用することによって、優れた熱的、機械的、
電気的、化学的特性を有すると共に、良好なハンダ剥離
性を有する絶縁電線を与えることが出来る。すなわち、
従来技術ではハンダ剥離性と耐熱性は全く相反する特性
であると考えられていたが、本発明では300℃以上の
軟化温度と450℃以下及び10秒以下というハンダ剥
離処理とが両立する絶縁電線を与えることが可能である
ポリエステルイミド絶縁塗料が提供される。
【0011】
【好ましい実施態様】次に好ましい本発明の実施態様を
挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明のポリエス
テルイミド絶縁塗料の主成分であるポリエステルイミド
樹脂は、酸成分として前記の(A)成分及び(B)成分
を使用し、アルコール成分として上記の(C)成分を使
用し、これらを常法に従ってエステル化して得られるも
のである。一般的には上記の原料はそのまま用いられる
場合が殆どであるが、これらの前駆体を用いることも出
来る。上記ポリエステルイミド樹脂の構成要因としての
(A)、(B)ならびに(C)は、(A)が5乃至30
当量%、(B)が10乃至40当量%、及び(C)が5
0乃至75当量%で反応して得られたものを主成分とす
るのが好ましい。
【0012】上記使用量において、(A)が5当量%未
満であると、本発明の絶縁塗料により得られる絶縁電線
のハンダ剥離性と耐熱衝撃性が不十分となり、一方、3
0当量%を越える場合には、原材料面からみてコスト高
になり、又、皮膜の可撓性も低下するので好ましくな
い。又、(B)が10当量%未満であると、得られる絶
縁電線のハンダ剥離性が不十分となり、一方、40当量
%を越える場合には、樹脂合成時に困難が伴なう上に、
被膜の可撓性が低下するので好ましくない。又、(C)
が50当量%未満であると、得られる絶縁電線の皮膜の
可撓性が著しく低下し、一方、75当量%を越える場合
には、得られる絶縁電線の皮膜の軟化温度が低下するの
で好ましくない。
【0013】従って、本発明のポリエステルイミド絶縁
塗料による絶縁電線のハンダ剥離性と軟化温度並びにF
種の耐熱性をバランス良く満たす為に、最も好ましくは
(A)及び(B)が合計で30乃至45当量%で、且つ
(C)が55乃至70当量%となる様に反応させて得ら
れる樹脂を用いるのが好ましい。本発明において用いる
五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸或いはその
誘導体或いはこれらの混合物(A)としては、従来公知
の方法によって次の(イ)と(ロ)或いは(イ)と
(ハ)とを反応せしめて得られるものが挙げられる。 (イ)五員環のカルボン酸無水物基の外に更に少なくと
も1個のその他の反応性基を含有する芳香族カルボン酸
無水物。この後者の反応性基はカルボキシル基、カルボ
ン酸無水物基又はヒドロキシル基等である。
【0014】上記五員環のカルボン酸無水物基の代り
に、隣接した炭素原子に結合した2個のカルボキシル基
又はそのエステル並びに半エステル並びにイミド基を形
成することの出来る限りにおいて、下記(ロ)に挙げら
れた第一級アミンとの半アミドも使用し得る。 (ロ)第一級アミノ基の外に少なくとも1個のその他の
反応性基を有する第一級アミン。この後者の反応性基は
カルボキシル基、ヒドロキシル基又は更に第一級アミノ
基等である。第一級アミノ基の代りに、その結合してい
る第一級アミノ基がイミド基を形成することの出来る限
りにおいて、そのアミンの塩、アミド、ラクタム又はポ
リアミドも使用し得る。
【0015】(ハ)ポリイソシアネート 五員環のカルボン酸無水物基及びその他の官能性基を有
する化合物(イ)の例としては、トリカルボン酸無水
物、例えば、トリメリット酸無水物、ヘミメリット酸無
水物、1,2,5−ナフタリントリカルボン酸無水物、
2,3,6−ナフタリントリカルボン酸無水物、1,
8,4−ナフタリントリカルボン酸無水物、3,4,4
´−ジフェニールトリカルボン酸無水物、3,4,4´
−ジフェニールメタントリカルボン酸無水物、3,4,
4´−ジフェニールエーテルトリカルボン酸無水物、
3,4,4´−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物等
が挙げられる。
【0016】テトラカルボン酸二無水物としては、例え
ば、ピロメリット酸二無水物、メロファニ酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタリンテトラカルボン酸二無水
物、1,8,4,5−ナフタリンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタリンテトラカルボン酸二
無水物、3,3´,4,4´−ジフェニールテトラカル
ボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ジフェニールエ
ーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´
−ジフェニールメタンテトラカルボン酸二無水物、3,
3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物等が挙げられ、特に有用なものは、トリメリット酸
無水物である。
【0017】第一級アミノ基及びその他の官能性基を少
なくとも1個有する化合物(ロ)の例としては、エチレ
ンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン等の脂肪族ジアミン、4,4´−ジアミノジフェニル
メタン、4,4´−ジアミノジフェニルプロパン、4,
4´−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4´−ジア
ミノジフェニルスルホン、
【0018】4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3´−ジアミノジフェニル、3,3´−ジアミノジ
フェニルスルホン、3,3´−ジメチル−4,4´−ビ
スフェニルジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、
1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミ
ン、p−キシリレンジアミン、
【0019】1−イソプロピル−2,4−メタフェニレ
ンジアミン等の芳香族第1級ジアミン、更に、例えば、
3−(p−アミノシクロヘキシル)メタンジアミノプロ
ピル、3−メチル−ヘプタンメチンジアミン、4,4´
−ジメチルヘプタメチンジアミン、2,5−ジメチルヘ
キサメチレンジアミン、
【0020】2,5−ジメチルヘプタメチンジアミンの
如き分枝状脂肪族ジアミン、更に、例えば、1,4−ジ
アミノシクロヘキサン、1,10−ジアミノ−1,10
−ジメチルデカン等の脂環族ジアミン、更に、例えば、
モノエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジメ
チルエタノールアミンの如きアミノアルコール並びに、
例えば、グリココール、アミノプロピオン酸、アミノカ
プロン酸、アミノ安息香酸の如きアミノカルボン酸も使
用し得るが、特に好ましいものは芳香族ジアミンであ
る。
【0021】ポリイソシアネート(ハ)の化合物の例と
しては、単一核のポリイソシアネート、例えば、m−フ
ェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシ
アネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート等が挙げられ、多数の核を有する
芳香族ポリイソシアネート化合物の例としては、ジフェ
ニルエーテル−4,4´−ジイソシアネート、ジフェニ
ルメタン−4,4´−ジイソシアネート、ジフェニルメ
タン−2,4´−ジイソシアネート、ジフェニルメタン
−2,2´−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−
4,4´−ジイソシアネート、ジフェニルチオエーテル
−4,4´−ジイソシアネート、ナフタリンジイソシア
ネート等があり、更に、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト等が挙げられる。
【0022】又、これらのポリイソシアネートのイソシ
アネート基をフェノール性水酸基で安定化したいわゆる
安定化イソシアネートも用いることも出来る。五員環の
イミド基を含有する二価カルボン酸として最も好ましい
のは、トリメリット酸無水物2モルと4,4´−ジアミ
ノジフェニルメタン1モル、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテル1モル、ジフェニルメタン−4,4´−ジ
イソシアネート1モル或いはジフェニルエーテル−4,
4´−ジイソシアネート1モルより得られる二価カルボ
ン酸である。これら五員環のイミド基を含有する二価カ
ルボン酸としては、通常は溶剤中で(イ)と(ロ)或い
は(イ)と(ハ)を反応させて得られる。
【0023】五員環のイミド基を含有する二価カルボン
酸を溶剤中で得る際に用いる溶剤としては、N−メチル
−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、クレゾール
酸、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレ
ノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノー
ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、脂
肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、
エーテル類、ケトン類並びにエステル類も用いることが
出来、これらの例としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピ
ルベンゼン、石油ナフサ、コールタールナフサ、ソルベ
ントナフサ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられ
る。これらは単独のみならず混合溶剤として用いること
も出来る。五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸
の誘導体としては、エステル或いはハライド等がある。
【0024】三価カルボン酸或いはその誘導体(B)の
例としては、例えば、トリメリット酸、トリメシン酸の
他に、更に、トリメリット酸無水物、ヘミメリット酸無
水物、1,2,5−ナフタリントリカルボン酸無水物、
2,3,6−ナフタリントリカルボン酸無水物、1,
8,4−ナフタリントリカルボン酸無水物、3,4,4
´−ジフェニールトリカルボン酸無水物、3,4,4´
−ジフェニールメタントリカルボン酸無水物、3,4,
4´−ジフェニールエーテルトリカルボン酸無水物及び
3,4,4´−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物等
が挙げられる。これらの三価カルボン酸の誘導体として
は、そのエステルがあるも、特に有用なものは、トリメ
リット酸無水物とトリメリット酸である。
【0025】二価アルコール(C)の例としては、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−
プロパンジオール、
【0026】各種のブタン−、ペンタン−、又はヘキサ
ンジオール、例えば、1,3−又は1,4−ブタンジオ
ール 1,5−ペンタンジオール 1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブテン−2−ジオ
ール、2,2−ジメチルプロパンジオール−1,3、2
−エチル−2−ブチル−プロパンジオール−1,3、
1,4−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ブテン
ジオール、
【0027】水添加ビスフェノール類(例えば、水添加
P,P´−ジヒドロキシジフェニールプロパン又はその
同族体)、環状グリコール、例えば、2,2,4,4−
テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、ヒドロ
キノン−ジ−β−ヒドロキシエチル−エーテル、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサ
ンジエタノール、トリメチレングリコール、ヘキシレン
グリコール、オクチレングリコール等が挙げられる。特
に好ましいのは、エチレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール又はこれらの混合
物である。
【0028】本発明においてこれらの原料化合物を用い
てポリエステルイミド樹脂を合成する場合の態様として
は次の如き方法が挙げられる。 (1)五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸
(A)を、先に五員環のイミド基を含有する二価カルボ
ン酸(A)の項において述べた原材料(イ)と(ロ)或
いは(イ)と(ハ)とを溶剤中で反応させて形成する。
この系中に、他の原材料である(B)及び(C)を添加
し、200乃至210℃にて3乃至7時間エステル化反
応を進めることにより、ポリエステルイミド樹脂溶液を
合成する方法。 (2)五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸
(A)を、この五員環のイミド基を含有する二価カルボ
ン酸(A)の項において述べた原材料(イ)と(ロ)或
いは(イ)と(ハ)とを溶剤中で反応させて形成する。
【0029】この系中に、他の原材料である(B)並び
に(C)より合成したポリエステル中間体を添加し、2
00乃至210℃にて3乃至5時間エステル化反応を行
なうことにより、ポリエステルイミド樹脂溶液を合成す
る方法。 (3)上記(2) の方法で得られたポリエステル中間体の
系中に、前記の原材料(イ)と(ロ)又は(イ)と
(ハ)とより合成した五員環のイミド基を含有する二価
カルボン酸(A)を添加し、200乃至210℃にて3
乃至5時間エステル化反応を進めることによりポリエス
テルイミド樹脂溶液を合成する方法。
【0030】(4)前記(2)の方法で得られるポリエス
テル中間体溶液を100℃以下に冷却し、五員環のイミ
ド基を含有する二価カルボン酸(A)の出発原材料であ
る前記の(イ)と(ロ)とを添加し、120乃至160
℃にてイミド基を含有する二価カルボン酸(A)を形成
すると共に、200℃迄昇温し、200乃至210℃に
て3乃至5時間エステル化反応を進めることによりポリ
エステルイミド樹脂溶液を合成する方法。 (5)五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸
(A)の出発原材料である前記原材料の(イ)と(ロ)
と、他の原材料である(B)及び(C)とを一斉に混合
し、この系中で120乃至160℃にてイミド化反応を
行うと共に、200℃迄昇温し、200乃至210℃に
て3乃至5時間直接エステル化反応を行うことによりポ
リエステルイミド樹脂溶液を合成する一斉反応方法があ
る。
【0031】原材料である(A)、(B)及び(C)の
反応によって得られたポリエステルイミド樹脂は、溶剤
により溶解或いは適当な濃度に調整し、本発明の絶縁塗
料を得る。溶剤の例としてはフェノール性水酸基を有す
る溶剤、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−ク
レゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、
2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6
−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシ
レノール、o−n−プロピルフェノール、2,4,6−
トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノ
ール、2,4,5−トリメチルフェノール、4−エチル
−2−メチルフェノール、5−エチル−2−メチルフェ
ノール及びこれらの混合物であるクレゾール酸を用いる
のが好ましい。その他、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド等の極性溶剤を用いるこ
とが出来る。又、稀釈溶剤として、例えば、脂肪族炭化
水素、芳香族炭化水素、エーテル類、アセタール類、ケ
トン類、エステル類等を用いる事が出来る。
【0032】脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素として
は、例えば、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキ
サン、デカリン、ジペンテン、ピネン、p−メンタン、
デカン、ドデカン、テトラデカン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テ
トラリン或いはこれらの混合物、石油ナフサ、コールタ
ールナフサ、ソルベントナフサが挙げられる。本発明の
ポリエステルイミド樹脂絶縁塗料に最も有用な溶剤はク
レゾール酸である。クレゾール酸は180乃至230℃
の沸点範囲を有しており、これは、フェノール、o−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノ
ール類を含有している。
【0033】このクレゾール酸の一部を芳香族炭化水
素、例えば、石油ナフサ、コールタールナフサ、ソルベ
ントナフサ等で稀釈することによって、絶縁塗料を導体
上に塗布及び焼付けて絶縁電線を製造する際の作業性を
向上させることが出来る。これら稀釈溶剤としては、例
えば、キシレン、ソルベントナフサ2号、ソルベッソ#
100並びにソルベッソ#150等が挙げられ、これら
の使用量は溶剤の重量の0乃至30%であるが、好まし
くは10乃至20%である。
【0034】この様にして得られた本発明の絶縁塗料を
導体上に塗布及び焼付けて絶縁電線を製造する際、少量
の金属乾燥剤を用いることは絶縁電線の表面平滑性を改
善すると共に、引き取り速度を速くすることが出来、そ
の作業性を一段と向上させるので好ましい。これら金属
乾燥剤としては、亜鉛、カルシウム又は鉛のオクトエー
ト、リノレート等が有用であり、例えば、亜鉛オクトエ
ート、カルシウムナフテネート、亜鉛ナフテネート、鉛
ナフテネート、鉛リノネート、カルシウムリノレート、
亜鉛レジネート等であり、その他にはマンガンナフテネ
ート、コバルトナフテネート等が挙げられる。
【0035】しかしながら、更に有利なのはこれら金属
乾燥剤の代りにチタン酸及びジルコン酸の化合物を用い
ることである。代表的なチタン酸化合物としては、例え
ば、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタ
ネート、テトラヘキシルチタネート、テトラメチルチタ
ネート、テトラプロピルチタネート、テトラオクチルチ
タネート等のテトラアルキルチタネート類が挙げられ
る。又、テトラアルキルチタネートをオクチレングリコ
ール、トリエタノールアミン、2,4−ペンタジエン、
アセト酢酸エステル等と反応させて得られるテトラアル
キルチタニウムキレート類も有用である。
【0036】又、テトラアルキルチタネートをステリア
リン酸等と反応させて得られるテトラアルキルチタニウ
ムアシレートも有用である。ジルコン酸の化合物として
は、上記チタン酸化合物に対応するテトラアルキルジル
コネート類、ジルコニウムキレート類、ジルコニウムア
シレート類が挙げられる。これらの金属化合物の添加量
は、前記絶縁塗料の固形分に対して0.1乃至6.0重
量%、好ましくは1乃至3重量%である。又、硬化剤と
してポリイソシアネートのイソシアネート基をフェノー
ルやクレゾール等でブロックした安定化ポリイソシアネ
ートを用いることが出来る。これらの例としては、
【0037】2,4−トリレンジイソシアネートの環状
三量体、2,6−トリレンジイソシアネートの環状三量
体、ジフェニールメタン−4,4´−ジイソシアネート
の三量体、3モルのジフェニールメタン−4,4´−ジ
イソシアネートと1モルのトリメチロールプロパンとの
反応生成物、3モルの2,4−トリレンジイソシアネー
トと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生成物、
3モルの2,6−トリレンジイソシアネートと1モルの
トリメチロールプロパンとの反応生成物、3モルの2,
4−トリレンジイソシアネートと1モルのトリメチロー
ルエタンとの反応生成物、
【0038】3モルの2,6−トリレンジイソシアネー
トと1モルのトリメチロールエタンとの反応生成物、混
合した3モルの2,4−及び2,6−トリレンジイソシ
アネートと1モルのトリメチロールプロパンとの反応生
成物、混合した2,4−及び2,6−トリレンジイソシ
アネートの環状三量体等をフェノール或いはクレゾール
でブロックした安定化ポリイソシアネート等が挙げられ
る。更に、ジフェニールメタン−4,4´−ジイソシア
ネートをキシレノールでブロックした安定化イソシアネ
ートも有用である。
【0039】その他、フェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール−ホ
ルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹
脂、エポキシ樹脂並びにシリコーン樹脂を1乃至5重量
%添加することにより絶縁電線の外観作業性を更に向上
することが出来る。これら樹脂が1重量%に満たない場
合には、作業性の改善には効果がない。5重量%以上添
加した場合には、ハンダ剥離の際炭化物を著しく形成す
るので好ましくない。特に好ましい樹脂はフェノール−
ホルムアルデヒド樹脂とキシレン−ホルムアルデヒド樹
脂であり、これらの樹脂を1乃至2重量%添加すること
により絶縁電線のハンダ剥離性を損なうことなく、外観
作業性を向上させることが出来る。
【0040】以上が本発明のポリエステルイミド絶縁塗
料の内容であり、該絶縁塗料による耐熱性絶縁電線は、
上記の本発明のポリエステルイミド絶縁塗料を導体上に
塗布及び焼付けて所定の皮膜厚さとすることによって提
供される。この際に使用する導体とは、例えば、銅、銀
又はステンレス鋼線であり、適用される導体径は極細線
から太線までいずれの径のものでもよく、特定の導体径
のものに限定されるものではない。一般的には径が約
0.050乃至2.0mm程度の銅線に主として適用され
ている。
【0040】上記導体上に絶縁皮膜を形成する方法は従
来公知の方法に準拠すればよく、例えば、フェルト絞り
方式やダイス絞り方式の如き方法により絶縁塗料を塗布
し、連続的に約350乃至550℃の温度の焼付炉中を
数回又は十数回通すことによって所望の絶縁皮膜が形成
される。その絶縁皮膜の厚さは、JIS、NEMA或い
はIEC等の規格に規定された皮膜厚さである。
【0041】
【実施例】以下の参考例、比較例及び実施例で本発明の
内容を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。 参考例1 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)をクレゾー
ル600gの中に加え、次いで4,4´−ジアミノジフ
ェニールメタン99g(0.5 モル)を添加し、この混合
物を140℃にて6時間反応した。冷却後淡黄色で微細
結晶の沈殿物が得られた。これをアルコールで数回洗浄
し濾別して五員環のジイミドジカルボン酸を得た。
【0042】参考例2 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)をクレゾー
ル600gの中に加え、次いで4,4´−ジアミノジフ
ェニールエーテル100g(0.5 モル)を添加し、この
混合物を180℃にて4時間反応した。冷却後褐色の結
晶沈殿物が得られた。これをアルコールで数回洗浄し濾
別して五員環のジイミドジカルボン酸を得た。
【0043】参考例3 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)をクレゾー
ル600gの中に加え、次いで4,4´−ジアミノジフ
ェニールスルホン124g(0.5 モル)を添加した後、
この混合物を160℃にて4時間反応した。冷却後白色
の結晶沈殿物が得られた。これをアルコールで数回洗浄
し濾別して五員環のジイミドジカルボン酸を得た。
【0044】参考例4 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)をクレゾー
ル600gの中に加え、次いでp−フェニレンジアミン
108g(0.5 モル)を添加し、この混合物を180℃
にて4時間反応した。冷却後緑褐色の結晶沈殿物が得ら
れた。これをアルコールで数回洗浄し濾別して五員環の
ジイミドジカルボン酸を得た。
【0045】参考例5 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)をクレゾー
ル600gの中に加え、次いでヘキサメチレンジアミン
58g(0.5 モル)を添加し、この混合物を180℃に
て4時間反応した。冷却後白色の結晶沈殿物が得られ
た。これをアルコールで数回洗浄し濾別して五員環のジ
イミドジカルボン酸を得た。
【0046】参考例6 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)とp−アミ
ノ安息香酸137g(1.0 モル)とをクレゾール600
gの中に加えて分散させた。この混合物を150℃にて
4時間反応した。冷却後白色粉末の微粒状沈殿物が得ら
れた。これをアルコールで数回洗浄し濾別して五員環の
ジイミドジカルボン酸を得た。
【0047】参考例7 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)とジフェニ
ールメタン−4,4´−ジイソシアネート125g(0.
5 モル)とをソルベントナフサ(日石化学ハイゾール#1
00)150gの中に添加し、この混合物を150℃にて
4時間反応した。反応が進行するにつれて著しい発泡が
起こり、次いで固化した。この固化物を粉砕し、五員環
のジイミドジカルボン酸を得た。
【0048】参考例8 トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)とジフェニ
ールエーテル−4,4´−ジイソシアネート126g
(0.5 モル)とをソルベントナフサ(日石化学ハイゾー
ル#100)150gの中に添加し、この混合物を150℃
にて4時間反応した。反応が進行するにつれて著しい発
泡が起こり、次いで固化した。この固化物を粉砕し、五
員環のジイミドジカルボン酸を得た。
【0049】実施例1 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び冷却管を備えた
2,000ccの四つ口フラスコに、参考例1と同様にし
て、トリメリット酸無水物192g(1.0 モル)をクレ
ゾール500gの中に加えて分散させた。次に、4,4
´−ジアミノジフェニールメタン99g(0.5 モル)を
添加し、この混合物を150℃にて3時間反応させて、
五員環のジイミドジカルボン酸273g(1.0 当量)を
得る。この系を100℃以下に冷却した後、トリメリッ
ト酸無水物64g(1.0 当量)及びエチレングリコール
105g(3.4 当量)を添加し、混合撹拌して200℃
まで6時間かけて昇温し、尚この温度で5時間反応させ
た。
【0050】この五員環のジイミドジカルボン酸は、生
成したポリエステル成分と反応し透明な樹脂溶液が得ら
れる。反応の度合は、粘度上昇で測定することとし経時
的に試料採取を行った。反応の終点は樹脂試料の粘度が
40%クレゾール中でZ3(ガードナー粘度計)となった
時に、クレゾールを加え不揮発分40%とし、これに前
述の日石化学ハイゾール#100を加え不揮発分35%
の樹脂溶液とする。更に樹脂分に対して2%のテトラブ
チルチタネートとtert−ブチルフェノールとを主成分と
するフェノール−ホルムアルデヒド樹脂を2%加え本発
明の絶縁塗料とした。
【0051】実施例2 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び冷却管を備えた
1,000ccの四つ口フラスコに、トリメリット酸無水
物192g(1.0 モル)をクレゾール500gの中に加
えて分散させた。次に4,4´−ジアミノジフェニール
メタン99g(0.5 モル)を添加し、150℃で3時間
反応させて五員環のジイミドジカルボン酸273g(1.
0 当量)を得る。この混合物を100℃以下に冷却す
る。 別途、上述と同様の500ccの反応容器にてトリ
メリット酸無水物64g(1.0 当量)、エチレングリコ
ール105g(3.4 当量)及びキシレン30gを混合撹
拌して200℃まで6時間かけて昇温し、この温度で5
時間反応させた。
【0052】このポリエステル成分を80℃まで冷却し
た後、前述の五員環のジイミドジカルボン酸の分散溶液
中に添加すると共に再び反応を開始する。反応は200
℃まで5乃至7時間かけて行う。五員環のジイミドジカ
ルボン酸は、ポリエステル成分と反応し透明な樹脂溶液
が得られる。反応の度合は、粘度上昇で測定することと
し経時的に試料採取を行った。反応の終点は樹脂試料の
粘度が40%クレゾール中でZ3+(ガードナー粘度計)
となった時に、クレゾールを加え不揮発分40%とし、
これに日石化学ハイゾール#100を加え不揮発分35
%の樹脂溶液とする。かくして得られた樹脂溶液を実施
例1における如く処理して本発明の絶縁塗料とした。
【0053】実施例3 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び冷却管を備えた
2,000ccの四つ口フラスコに、トリメリット酸無水
物64g(1.0 当量)及びエチレングリコール105g
(3.4 当量)及びキシレン30gを混合撹拌して200
℃まで6時間かけて反応させ、ポリエステル成分を合成
した。これにクレゾールを500g添加すると共に80
℃まで冷却した後、トリメリット酸無水物192g(1.
0 モル)及び4,4´−ジアミノジフェニールメタン9
6g(0.5 モル)を添加し、反応温度を200℃にまで
昇温する。この間140乃至150℃にて五員環のジイ
ミドジカルボン酸(1.0 当量)が生成及び析出する為こ
の系は濁って高粘性となるが、昇温するに従ってポリエ
ステル成分に吸収されて溶液状となり、次いで透明な樹
脂溶液となる。反応温度を200℃にて1乃至2時間保
温する。
【0054】反応の度合は、粘度上昇で測定することと
し経時的に試料採取を行った。反応の終点は樹脂試料の
粘度が40%クレゾール中でZ2(ガードナー粘度計)と
なった時に、クレゾールを加え不揮発分40%とし、こ
れに日石化学ハイゾール#100を加え不揮発分35%
の樹脂溶液とする。かくして得られた樹脂溶液を実施例
1における如く処理して本発明の絶縁塗料とした。
【0055】実施例4 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び冷却管を備えた
2,000ccの四つ口フラスコに、トリメリット酸無水
物256g(1.33当量)、4,4´−ジアミノジフェニ
ールメタン99g(0.5 モル)、エチレングリコール1
05g(3.4 当量)及びクレゾール500gを添加し、
混合撹拌して200℃まで6時間かけて昇温する。この
間140℃で五員環のジイミドジカルボン酸が生成し、
析出することで濁って高粘性を呈する。昇温するにつれ
析出した五員環のジイミドジカルボン酸は徐々にポリエ
ステル成分に吸収される。200℃で5時間反応を継続
する。
【0056】反応の度合は、粘度上昇で測定することと
し経時的に試料採取を行った。反応の終点は樹脂試料の
粘度が40%クレゾール中でZ2+(ガードナー粘度計)
となった時に、クレゾールを加え不揮発分40%とし、
これに前述の日石化学ハイゾール#100を加え不揮発
分35%の樹脂溶液とする。かくして得られた樹脂溶液
を実施例1における如く処理して本発明の絶縁塗料とし
た。
【0057】実施例5 実施例3の配合例におけるエチレングリコール105g
(3.4 当量)の代わりに、1,6ヘキサンジオール20
0g(3.4 当量)を用いて実施例3と同様の方法で本発
明の絶縁塗料を得た。
【0058】実施例6 実施例3の配合例におけるエチレングリコール105g
(3.4 当量)の代わりに、エチレングリコール74g
(2.4当量)と1,2−プロピレングリコール38g(1.
0 当量)を用いて実施例3と同様の方法で絶縁塗料を得
た。 実施例7 実施例3の配合例におけるエチレングリコール105g
(3.4 当量)の代わりに、エチレングリコール84g
(2.7当量)と1,3−ブタンジオール32g(0.
7当量)を用いて実施例3と同様の方法で絶縁塗料を得
た。
【0059】実施例8 実施例3の配合例におけるエチレングリコール105g
(3.4 当量)の代わりに、エチレングリコール53g
(1.7当量)と1,6−ヘキサンジオール100g
(1.7当量)を用いて実施例3と同様の方法で絶縁塗
料を得た。 実施例9 トリメリット酸無水物64g(0.9 当量)、エチレング
リコール155g(5.0 当量)、キシレン20g、クレ
ゾール900g、トリメリット酸無水物384g(2.0
モル)及び4,4´−ジアミノジフェニールメタン19
8g(1.0 モル)[即ちジイミドジカルボン酸(2.0 当
量)]とを実施例3と同様の方法で反応させると共に同
様に本発明の絶縁塗料を得た。
【0060】実施例10 トリメリット酸無水物256g(4.0当量)、エチレ
ングリコール310g(10.0当量)、キシレン20g、
クレゾール1,100g、トリメリット酸無水物192
g(1.0 モル)及び4,4´−ジアミノジフェニールメ
タン99g(0.5 モル)[即ちジイミドジカルボン酸
(1.0 当量)]とを実施例3と同様の方法で反応させる
と共に同様に本発明の絶縁塗料を得た。
【0061】実施例11乃至15 実施例2の配合例におけるトリメリット酸無水物192
g(1.0 モル)と4,4´−ジアミノジフェニールメタ
ン99g(0.5 モル)の代わりに参考例2乃至6の五員
環のジイミドジカルボン酸を用いて以下実施例2と同様
にして本発明の絶縁塗料を得た。
【0062】実施例16 実施例3の配合例におけるトリメリット酸無水物192
g(1.0 モル)と4,4´−ジアミノジフェニールメタ
ン99g(0.5 モル)の代わりに参考例8の五員環のジ
イミドジカルボン酸を用いて以下実施例3と同様にして
本発明の絶縁塗料を得た。
【0063】比較例1 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び冷却管を備えた
2,000ccの四つ口フラスコ中に、ジメチルテレフタ
レート340g(3.5 当量)、エチレングリコール15
5g(5.0 当量)、グリセリン154g(5.0 当量)、
リサージ0.4g及びキシレン300gを添加して混合
撹拌し、180℃まで昇温し、この温度で5時間反応さ
せた。これに参考例7で得られた五員環のジイミドジカ
ルボン酸410g(1.5 当量)を徐々に添加し、反応温
度を200℃にまで昇温する。
【0064】この間五員環のジイミドジカルボン酸はポ
リエステル成分と反応し透明な樹脂溶液が得られる。次
いで反応温度を240℃まで昇温すると共に1乃至2時
間保温した後、減圧蒸留を行い十分粘稠になった時点で
クレゾールを加え不揮発分40%とし、これに日石化学
ハイゾール#100を加え不揮発分35%の樹脂溶液と
する。更に樹脂分の3%のテトラブチルチタネートを加
え比較例の絶縁塗料とした。
【0065】比較例2 撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び冷却管を備えた
2,000ccの四つ口フラスコ中に、ジメチルテレフタ
レート340g(3.5 当量)、エチレングリコール15
5g(5.0 当量)、グリセリン154g(5.0 当量)、
リサージ0.4g及びキシレン300gを添加して混合
撹拌し、180℃まで昇温し、この温度で5時間反応さ
せた。
【0066】これを80℃まで冷却した後、トリメリッ
ト酸無水物288g(1.5 モル)と4,4´−ジアミノ
ジフェニールメタン149g(0.75モル)とを添加し、
反応温度を200℃にまで昇温する。この間140乃至
150℃にて生成した五員環のジイミドジカルボン酸は
ポリエステル成分と反応し透明な樹脂溶液が得られる。
次いで反応温度を240℃まで昇温すると共に1乃至2
時間保温した後、減圧蒸留を行い十分粘稠になった時点
でクレゾールを加え不揮発分40%とした。これに日石
化学ハイゾール#100を加えて不揮発分35%の樹脂
溶液とする。更に樹脂分の3%のテトラブチルチタネー
トを加え比較例の絶縁塗料とした。
【0067】これら絶縁塗料の性能試験を行うにあたっ
ては、本発明及び比較例の絶縁塗料を次の条件で塗布及
び焼付けを行って絶縁電線を製造した。 導体径;0.32m/m 焼付炉;有効炉長2.5mの横型焼付炉 焼付温度;500℃(最高温度) 絞り方式;ダイス方式 塗布回数;6回
【0068】皮膜厚さ;0.020乃至0.025m/
m 試験方法はJIS C 3003−1984のエナメル
銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法に準じて行っ
た。試験結果は第1表の通りである。上記の試験結果か
ら明らかな如く、本発明によるポリエステルイミド絶縁
塗料を用いた場合には、従来のポリエステルイミド絶縁
塗料を用いたものに対して、軟化温度並びにハンダ剥離
性が著しく向上していることが明らかである。
【0069】
【表1】
【0070】
【効果】以上の如き本発明によれば、軟化温度及びハン
ダ剥離性が著しく改善されたハンダ処理可能な耐熱性絶
縁電線が経済的に提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 滋 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 八木田 孝志 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−289711(JP,A) 特開 昭48−34996(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)五員環のイミド基を含有する二価
    カルボン酸或いはその誘導体或いはこれらの混合物と、
    (B)三価カルボン酸或いはその誘導体或いはこれらの
    混合物と、(C)二価アルコールとを、(A)が5乃至
    30当量%(B)が10乃至40当量%、及び(C)
    か50乃至75当量%の比率で反応せしめて得られたポ
    リエステルイミド樹脂を含むことを特徴とするポリエス
    テルイミド絶縁塗料。
  2. 【請求項2】 更にアルキルチタネート、フェノール−
    ホルムアルデヒド樹脂及び/又はキシレン−ホルムアル
    デヒド樹脂を含む特許請求の範囲第(1) 項に記載のポリ
    エステルイミド絶縁塗料。
  3. 【請求項3】 五員環のイミド基を含有する二価カルボ
    ン酸が、2モルのトリメリット酸無水物と1モルのジア
    ミン又はジイソシアネートとを反応させて得られる二価
    カルボン酸である特許請求の範囲第(1) 項に記載のポリ
    エステルイミド絶縁塗料。
  4. 【請求項4】 三価のカルボン酸がトリメリット酸又は
    その無水物である特許請求の範囲第(1) 項に記載のポリ
    エステルイミド絶縁塗料。
  5. 【請求項5】 二価アルコールがエチレングリコール、
    1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
    ル又は1,6−ヘキサンジオール或はそれらの混合物で
    ある特許請求の範囲第(1) 項に記載のポリエステルイミ
    ド絶縁塗料。
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