JP2990300B2 - 帯電防止された平版印刷版 - Google Patents

帯電防止された平版印刷版

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JP2990300B2
JP2990300B2 JP2244191A JP2244191A JP2990300B2 JP 2990300 B2 JP2990300 B2 JP 2990300B2 JP 2244191 A JP2244191 A JP 2244191A JP 2244191 A JP2244191 A JP 2244191A JP 2990300 B2 JP2990300 B2 JP 2990300B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銀塩拡散転写法を利用し
た平版印刷版に関し、更に詳しくは帯電防止された平版
印刷版に関する。
【0002】
【発明の背景】銀塩拡散転写法によって得られる転写画
像を直ちにインキ受理性として利用できる平版印刷版
は、特公昭48-30562、等に記載されている。
【0003】上記の平版印刷版の製版方法に適した銀塩
拡散転写法の代表的な実施法によれば、支持体及びその
上にハレーション防止をかねた下引層、ハロゲン化銀乳
剤層、物理現像核層からなる感光材料を画像露光し、現
像処理を行うと潜像が形成されハロゲン化銀は乳剤層中
で黒化銀となる。同時に潜像が形成されていないハロゲ
ン化銀は現像液中に含まれるハロゲン化銀溶剤の作用で
溶解し、感光材料の表面に拡散してくる。溶解拡散して
来た銀錯塩が、表面層の物理現像核の上に現像主薬の還
元作用によって銀画像として折出する。得られた銀画像
のインキ受理性を強化させるために親油化処理が施され
た後に、オフセット印刷機にセットされ、紙等の印刷物
へとインキ画像が転写される。
【0004】例えば、特開昭59-71055、同59-71056、同
60-61752、には、ヘリウム・ネオンレーザー、アルゴン
レーザー、半導体レーザー等を用いる平版印刷版が開示
されている。その中でも、ヘリウム・ネオンレーザー及
び赤外半導体レーザーは、アルゴンレーザーに比べ、低
コスト、コンパクトという利点から広く使われてきてい
る。
【0005】近年、印刷性の向上に伴い印刷中の版伸び
を防止する目的で、支持体としてプラスチックベースが
用いられるようになった。その中でもポリエステルフィ
ルムは寸法安定性、機械的強度等に優れているため、使
われることが多くなってきた。
【0006】支持体としてポリエステルフィルムを用い
た上記のレーザー露光用平版印刷版を露光する場合に
は、平版印刷版上にゴミが付着していると、その部分に
銀画像ができ、不要な部分にインキが付着してしまうと
いう問題がある。
【0007】
【発明の目的】本発明の目的は、ゴミの付着が少ない銀
塩拡散転写法を利用した平版印刷版を提供することにあ
る。
【0008】
【発明の構成】本発明の上記目的は、ポリエステルフィ
ルム支持体上に、少なくとも1層の下塗層及び少なくと
も1層のハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核を含む受像
層を設けてな、前記下塗層と支持体の間及び/又は該
乳剤層に対して支持体の反対側に、水溶性導電性ポリマ
ーと疎水性ポリマー粒子と硬化剤を含有する導電層、又
は金属酸化物を含有する導電層を設けたことにより達成
される。
【0009】
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明に用いられるポリエステルフィルム
は種々方法でつくることができる。その厚さは、好まし
くは150μm〜1000μm、更に好ましくは200μm〜500μm
である。
【0012】導電性層を形成する代表的方法としては、
水溶性導電性ポリマー、疎水性ポリマー粒子、硬化剤等
を用いて形成する方法と金属酸化物を用いて形成する方
法がある。
【0013】水溶性導電性ポリマーについては、スルホ
ン酸基、硫酸エステル基、4級アンモニウム塩、3級ア
ンモニウム塩、カルボキシル基から選ばれる少なくとも
1つの導電性基を有するポリマーが挙げられる。導電性
基はポリマー1分子当たり5重量%以上を必要とする。
水溶性の導電性ポリマー中には、ヒドロキシ基、アミノ
基、エポキシ基、アジリジン基、活性メチレン基、スル
フィン酸基、アルデヒド基、ビニルスルホン基を含んで
いてもよい。
【0014】ポリマーの数平均分子量は、3000〜100000
であり、好ましくは3500〜50000である。
【0015】本発明に用いられる水溶性導電性ポリマー
の化合物例を挙げるがこれに限定されるものではない。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】尚、上記A−1〜A−10において、Mnは平
均分子量(本明細書中、平均分子量とは数平均分子量を
示す。)を表し、ポリエチレングリコール換算で表した
GPCによる測定値によるものである。
【0020】水溶性導電性ポリマーとしては上記の他特
願平2-226971号第35頁〜第40頁記載のA−1〜A−21を
使用することができる。
【0021】本発明の水溶性導電性ポリマー層中に含有
させる疎水性ポリマー粒子は、実質的に水に溶解しない
ラテックスで構成されている。この疎水性ポリマーは、
スチレン、スチレン誘導体、アルキルアクリレート、ア
ルキルメタクリレート、オレフィン誘導体、ハロゲン化
エチレン誘導体、ビニルエステル誘導体、アクリルニト
リル等の中から任意の組み合わせで選ばれるモノマーを
重合して得られる。特にスチレン誘導体、アルキルアク
リレート、アルキルメタクリレートが少なくとも30モル
%含有されているのが好ましい。特に50モル%以上が好
ましい。
【0022】本発明のラテックスはアミド基或はポリア
ルキレンオキシド鎖を有するものが好ましい。
【0023】疎水性ポリマーをラテックス状にするには
乳化重合をする、固体状のポリマーを低沸点溶媒に溶か
して微分散後、溶媒を溜去するという2つの方法がある
が、粒径が細かくしかもそろったものができるという点
で乳化重合することが好ましい。
【0024】疎水性ポリマーの数平均分子量は3000以上
であれば良く、分子量による透明性の差はほとんどな
い。
【0025】以下に本発明のラテックスの具体例を挙げ
る。
【0026】
【化4】
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】ラテックスとしては上記の他特願平2−2
26971号第49頁〜第55頁記載のB−1〜B−2
6を使用することができる。硬化剤としてはエポキシ化
合物が挙げられる。エポキシ化合物としては、ヒドロキ
シ基又はエーテル縮合を含有するものが好ましい。
【0030】本発明のエポキシ化合物の具体例を挙げ
る。
【0031】
【化7】
【0032】
【化8】
【0033】帯電防止層に含まれる疎水性ポリマーラテ
ックスの添加量は、好ましくは10mg/m2〜1000mg/m2
特に好ましくは100mg/m2〜500mg/m2、水溶性導電性ポ
リマーの添加量は、好ましくは50mg/m2〜2000mg/m2
特に好ましくは100mg/m2〜1000mg/m2、エポキシ系化
合物の添加量は、好ましくは10mg/m2〜500mg/m2、特
に好ましくは50mg/m2〜300mg/m2である。
【0034】帯電防止層には分散剤を用いることがで
き、かかる分散剤としてはノニオン活性剤が用いられ、
ポリアルキレンオキサイド化合物が好ましく用いられ
る。
【0035】ポリアルキレンオキサイド化合物とは、分
子中に少なくとも2以上、多くとも500以下のポリアル
キレンオキサイド鎖を含む化合物をいい、例えばポリア
ルキレンオキサイドと脂肪族アルコール、フェノール
類、脂肪酸、脂肪族メルカプタン、有機アミンなどの活
性水素原子を有する化合物との縮合反応により、または
ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
重合体などのポリオールに脂肪族メルカプタン、有機ア
ミン、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなど
を縮合させて合成することができる。
【0036】上記ポリアルキレンオキサイド化合物は、
分子中のポリアルキレンオキサイド鎖は1個ではなく2
ケ所以上に分割されたブロック共重合体であってもよ
い。
【0037】この際、ポリアルキレンオキサイドの合計
重合度は3以上で100以下が好ましい。
【0038】本発明において任意に用いられる上記ポリ
アルキレンオキサイド化合物の具体例を以下に示す。
【0039】〔例示化合物〕
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】次に金属酸化物を用いて導電性層を形成す
る方法を説明する。
【0043】金属酸化物として好ましいのは、結晶性の
金属酸化物粒子であるが、酸素欠陥を含むもの及び用い
られる金属酸化物に対してドナーを形成する異種原子を
少量含むもの等は一般的に言って導電性が高いので特に
好ましく、特に後者の用いられる金属酸化物に対してド
ナーを形成する異種原子を少量含むものは、ハロゲン化
銀乳剤にカブリを与えないので特に好ましい。
【0044】金属酸化物の例としては、ZnO2、TiO2、Sn
O2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、M0O3、V2O5等或は
これらの複合酸化物が好ましく、特にZnO2、TiO2、SnO2
が好ましい。
【0045】異種原子を含む例としては例えばSnO2に対
してSb等の添加あるいはTiO2に対してはNb、Ta等の添加
が効果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜30モ
ル%の範囲が好ましいが、0.1〜10モル%の範囲が特に
好ましい。
【0046】本発明に用いられる金属酸化物の粒子は、
導電性を有するものであり、その体積抵抗率は107Ωcm
以下、特に105Ωcm以下であることが好ましい。
【0047】金属酸化物はバインダー中に分散させて用
いられる。使用できるバインダーは例えば、ゼラチン、
カゼイン等の蛋白質、カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、アセチルセルロース、ジア
セチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロ
ース化合物、デキストラン、寒天、アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体等の糖類、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エ
ステル、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリ-N-
ビニルピロリドン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポ
リアクリル酸等の合成ポリマー等を挙げることができ
る。
【0048】特にゼラチン(石灰処理ゼラチン、酸処理
ゼラチン、酸素分解ゼランチ、フタル化ゼラチン、アセ
チル化ゼラチン等)、アセチルセルロース、ジアセチル
セルロース、トリアセチルセルロース、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸ブチル、ポリ
アクリルアミド、デキストランが好ましい。
【0049】金属酸化物をより効果的に使用して導電性
層の抵抗を下げるために、導電性層中における金属酸化
物の体積含有率は高い方が好ましいが、層としての強度
を十分に持たせるために最低5%程度のバイダーが必要
であるので、金属酸化物の体積百分率は5〜95%の範囲
が好ましい。
【0050】金属酸化物の使用量は0.05〜10g/m2が好ま
しく、より好ましくは0.01〜5g/m2である。これにより
帯電防止性が得られる。
【0051】本発明において、導電性層はハロゲン化銀
乳剤層と支持体の中間および/または該乳剤層に対して
支持体の反対側に設けられる。即ち透明支持体の感光性
乳剤面側に設けられてもよいし、あるいは感光性乳剤面
に対し透明支持体の反対側、いわゆる背面に設けられて
もよい。
【0052】かかる導電性層は、透明ポリエステル支持
体上に塗布によって形成される。
【0053】これらの透明ポリエステル支持体は、当業
者に良く知られた方法で作成されるものであるが、場合
によっては光透過を実質的に阻害しないように染料を若
干添加して青味付けしたりしても良い。
【0054】支持体は、コロナ放電処理をした後ラテッ
クスポリマーを含有する下引層が塗設されていてもよ
い。コロナ放電処理は、エネルギー値として1mW〜1kw
/(m2・min)が特に好ましく適用される。又特に好ましく
は、ラテックス下引層塗布後導電性層を塗設する前にコ
ロナ放電処理を再度行うとよい。
【0055】前記の導電性層を有する支持体の上には少
なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層が設けられ
る。
【0056】上記の帯電防止層に用いられる水溶性導電
性ポリマー、疎水性ラテックス、硬化剤については特願
平2-226971号第34頁〜第66頁記載の具体的化合物を用い
ることができる。
【0057】本発明に用いられる下塗層は、特開昭48-5
503、同昭48-100203、同昭49-55402、同昭53-21602ある
いは同昭53-9603号明細書に記載されている如く、親水
性高分子としてゼラチンを用いた下塗層である。下塗層
に用いるゼラチンとしては、各種ゼラチンを用いること
ができ、又、ゼラチンの一部を特公昭55-100554号明細
書等に記載されている親水性コロイドやアルギン酸ナト
リウム、PVA、PVPなどに置き換えることができ
る。又、該下塗層は、ハレーション防止層を兼ねても良
く、その他通常当分野で用いられる各種活性剤、硬膜
剤、マット剤、添加剤が必要に応じて用いることができ
る。又、特開昭63-228167号明細書に示された、多官能
エポキシ化合物を含有させることもできる。
【0058】本発明に用いられる乳剤層は、走査型露光
光源に適用可能な感度を有するハロゲン化銀乳剤が塗布
されたものである。
【0059】本発明の平版印刷版のハロゲン化銀乳剤は
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩臭ヨウ化銀
等が使用でき、好ましくは塩化銀が50モル%以上のハロ
ゲン化銀である。これらのハロゲン化銀粒子の平均粒径
は、好ましくは0.2〜0.8ミクロンの範囲であるが、これ
以外の範囲でも使用することができる。さらにハロゲン
化銀は全粒子数の90パーセント以上が平均粒径の±30%
以内の粒径を有しているモノディスパーズド乳剤である
ことが好ましい。また、ハロゲン化銀は実質的に立方体
ないし14面体の粒子が好ましいが、それ以外の晶癖のハ
ロゲン化銀でも使用することができる。
【0060】本発明の平版印刷版のハロゲン化銀乳剤に
用いられる結合剤は、通常ゼラチンであるが、ゼラチン
は、その一部をデンプン、アルブミン、アルギン酸ナト
リウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボ
キシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル
−無水マイレン酸共重合体等の親水性高分子結合剤の一
種または二種以上で置換することもできる。さらにビニ
ル重合体水性分散物(ラテックス)を用いることもでき
る。
【0061】ハロゲン化銀乳剤はそれが製造されるとき
又は塗布されるときに種々な方法で増感されることがで
きる。例えばチオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素に
よって、または金化合物、例えばロダン金、塩化金によ
って、またはこれらの両者の併用など当該技術分野にお
いてよく知られた方法で化学的に増感されることが好ま
しい。
【0062】また、ハロゲン化銀乳剤を製造する任意の
時期に周期律表の第VIII族に属する金属の化合物、例え
ばコバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、イリジ
ウム、白金などの塩を使用することによって、特に高感
度で高シャープネス、高解像力のダイレクト製版用印刷
版にとって好ましい特性を得ることができる。添加量
は、ハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モルの範囲であ
る。
【0063】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤は、
走査型露光光源に適用可能な感度を得るために色素増感
が施される。
【0064】好ましい増感色素の具体例を以下に挙げる
が、本発明はこれに限定されない。
【0065】
【化11】
【0066】
【化12】
【0067】
【化13】
【0068】また、これらの化合物の他にも、特開昭62
-242932号(4)〜(5)頁記載の一般式(I)及び(I
I)で表される化合物の具体例I−1〜I−17及び特開平1
-77049号(3)〜(4)頁記載の一般式〔I−a〕及び
〔I−b〕で表される化合物の具体例I−1〜I−14が挙
げられる。
【0069】本発明において、増感色素は、好ましくは
ハロゲン化銀1モル当たり1mg〜2g、更に好ましく
は5mg〜1gの範囲でハロゲン化銀写真乳剤中に含有
される。
【0070】本発明に用いる増感色素は、直接乳剤中へ
分散することができる。また、これらはまず適当な溶
媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチ
ルセロソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれら
の混合溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤へ添加
することもできる。
【0071】本発明に用いる増感色素は、単独で用いて
もよく、2種類以上併用してもよい。また、本発明以外
の増感色素を組み合わせて用いることもできる。増感色
素を併用する場合、総量で上記含有量になることが好ま
しい。
【0072】本発明においてハロゲン化銀乳剤層には、
その他の添加剤、例えば塗布助剤、硬膜剤、カブリ防止
剤、マット剤(保水化剤)、現像主薬など通常の添加剤
を含むことができる。
【0073】ハロゲン化銀乳剤層の下側(支持体側)に
は接着性を良くするための下塗層を設けることもでき、
この層には現像主薬やマット剤などを含むことも出来
る。
【0074】銀錯塩拡散転写法を利用する感光性平版印
刷版は、物理現像核を含む受像層を有している。受像層
は、ハロゲン化銀乳剤層の上側、即ち最外表面層として
設けられる。
【0075】物理現像核としては、アンチモン、ビスマ
ス、カドミウム、コバルト、パラジウム、ニッケル、
銀、鉛、亜鉛などの金属およびそれらの硫化物など公知
のものが使用しうる。受像層には、ゼラチン、カルボキ
シメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリ
ウム、ヒドロキシエチル澱粉、ジアルデヒド澱粉、デキ
ストリン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレン
スルホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共
重合体、ポリビニルアルコール等の親水性コロイドを1
種もしくは2種以上含んでいてもよい。受像層を表面層
とする平版印刷版の場合には、受像層に含まれる親水性
コロイドは、0.1g/m2以下であることが好ましい。
【0076】受像層中には、吸湿性物質、例えばソルビ
トール、グリセロールなどの湿潤剤を存在させてもよ
い。さらに受像層中には、硫酸バリウム、二酸化チタ
ン、チャイナクレーおよび銀などのスカミング防止のた
めの顔料、ハイドロキノンの如き現像主薬およびホルム
アルデヒドやジクロロ-s-トリアジンの如き硬化剤も含
有しうる。
【0077】本発明で使用する現像処理液には、アルカ
リ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム等、保恒剤として
の亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チ
オシアン酸塩、環状イミド、チオサリチル酸、アミン
等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、かぶり防止剤、例えば臭化カ
リウム、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、特開
昭47-26201に記載の化合物、現像剤、例えばハイドロキ
ノン、1-フェニル-3-ピラゾリドン、現像変性剤、例え
ばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等を含
むことができる。
【0078】銀錯塩拡散転写法を実施するに当っては、
例えば英国特許1,000,115号、同1,012,476号、同1,017,
273号、同1,042,477号等の明細書に記載されている如
く、ハロゲン化銀乳剤層および/または受像層またはそ
れに隣接する他の水透過性像層中に現像剤を混入するこ
とが行われている。従って、このような材料に於いて
は、現像段階で使用される処理液は、現像剤を含まぬ所
謂「アルカリ性活性化液」を使用しうる。
【0079】本発明により製造された平版印刷版は、例
えば特公昭48-29723、米国特許3,721,539号等明細書に
記載されている如き化合物でインキ受理性に変換ないし
は増強しうる。
【0080】印刷方法あるいは使用する不感脂化液、給
湿液などは普通によく知られた方法によることができ
る。
【0081】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。
【0082】実施例1 (導電性層を有する支持体の調製)下引き処理した厚さ
300μmのポリエチレンテレフタレートに8W/(m2・min)の
エネルギーでコロナ放電した後、下記構成の帯電防止液
を、下記の付量になる様に70m/minの速さでロールフィ
ットコーティングパン及びエアーナイフを使用して塗布
した。
【0083】 水溶性導電性ポリマー A(表1) 0.6g/m2 疎水性ポリマー粒子B(表1) 0.4g/m2 ポリエチレンオキサイド化合物A0−4 0.06g/m2 硬化剤E(表1) 0.2g/m2 これを90℃、2分間乾燥し、140℃、90秒間熱処理し
た。この導電性層を支持体の片側のみ及び両側に塗布し
たものをそれぞれ表1のように調製した。
【0084】(乳剤層塗布液の調製)(試料の作成)上記
帯電防止層を有する支持体を用いて、支持体上の片側に
15W/(m2・min)のエネルギーでコロナ放電した後、帯電防
止層上に平均粒子サイズ6μmのシリカ粒子を含有する
マット化層を塗布した。また上記帯電防止層の反対側に
15W/(m2・min)のエネルギーでコロナ放電した後、カーボ
ンブラック及びハイドロキノン0.5g/m2を含み写真用ゼ
ラチンに対して20重量%の平均粒径7μmのシリカ粉末
を含む下塗層(pH4.0に調整)と、チオ硫酸ナトリウム
及び金化合物で化学増感された後に平均粒径7μmのシ
リカ粉末を写真用ゼラチンに対して5重量%の割合で含
むスペクトル増感された高感度単分散塩ヨウ化銀乳剤層
(I: 0.4モル%、Cl:99.6モル%でpH4.0に調整、単
分散度10%、ヘキサイリジウム酸カリウム8×10-7モル
/銀1モル)とを設けた。
【0085】下塗層のゼラチンは3.5g/m2、乳剤層のゼ
ラチンは1.0g/m2、硝酸銀に換算したハロゲン化銀1.0g/
m2の割合で塗布された。
【0086】この下塗層と乳剤層は硬化剤としてホルマ
リンを45mg/m2含んでおり、乾燥後、40℃で5日間加温
した後、この乳剤層の上に特開昭53-21602号の実施例2
に記載の物理現像核塗布液を塗布、乾燥し、表1に示す
ごとき平版印刷版を製造する。ハロゲン化銀乳剤に用い
る増感色素として例示化合物10及び11の色素を硝酸銀1
モル当たり100mgずつ添加した。
【0087】こうして得られた試料(表1に示す)を環
境温度23℃、環境相対湿度20%の条件下に2時間調湿し
たのち、下記ゴミ付着テストを実施した。
【0088】(ゴミ付着テスト)前記の様に調湿された
試料を環境温度23℃、20%の相対湿度で、ゴムローラー
にて強制的に帯電させ、タバコの灰を強制帯電させた乳
剤面側に接触させた。その後、付着したタバコの灰をハ
ケで軽くはらった後、乳剤面にタバコの灰が付着してい
る程度を下記の基準で評価した。
【0089】○:付着なし △:わずかに付着しているが、程度は微小であり、実用
上は問題ないレベル ×:付着しており、実用不可レベル 結果を表1に示す。
【0090】(印刷テスト)一方、半導体レーザー搭載
の出力機であるU1tre*社製U1tre* Setterを用いて、
上記のゴミ付着テストを実施した。各サンプルに150lpi
で約50%の網点になるような網点パターンを出力し、印
刷試験用サンプルとした。
【0091】露光後、下記の拡散転写現像液で現像し
た。
【0092】 <転写現像液> 水 700ml 水酸化ナトリウム 18g 水酸化カリウム 7g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2-メルカプト安息香酸 1.5g 2-メチルアミノエタノール 15g 水で1lとする。
【0093】現像処理後、該原版を2本の絞りローラー
間を通し、余分の現像液を除去し、直ちに下記組成を有
する中和液で25℃、20秒間処理し、絞りローラーで余分
の液を除去し、室温で乾燥した。
【0094】 <中和液> 水 600ml クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g コロイダルシリカ(20%液) 5ml エチレングリコール 5ml 水を加えて全量を1lとする。
【0095】各サンプルを1枚のシートに貼り付け、こ
のシートをオフセット印刷機に装着し、下記の不感脂化
液を版面にくまなく与え、下記の給湿液を用いて印刷を
行った。
【0096】印刷後、100倍のルーペで網点内を観察し
て、白地の部分にインキが付着している程度を下記の基
準で評価した。
【0097】○:付着なし △:わずかに付着しているが、程度は微小であり、実用
上は問題ないレベル ×:付着しており、実用不可レベル 結果を表1に示す。
【0098】 <不感脂化液> 水 600ml イソプロピルアルコール 400ml エチレングリコール 50g 3-メルカプト-4-アセトアミド-5-n-ヘプチル-1,2,4-トリアゾール 1g <給湿液> O−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硫酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロダイルシリカ(20%液) 28g 水を加えて2lとする。
【0099】
【表1】
【0100】実施例2 増感色素例示化合物10及び11の代りに、増感色素例示化
合物4 200mg/m2を用いる以外は実施例1に準じてサン
プルを作成した。
【0101】ヘリウム=ネオン・レーザー搭載の出力機
である、Linotype 社製 Linotronic300を用いて、各サ
ンプルに150lpiで約50%の網点になるように網点パター
ンを出力し、印刷試験用サンプルとした。以下、同様の
評価を実施した。
【0102】その結果、実施例1と同様の結果が得られ
た。
【0103】実施例3 (導電性層を有する支持体の調製)厚さ100μの下引処
理したポリエチレンテレフタレート支持体上にコロナ放
電した後、下記構成の導電性層を塗布した。
【0104】 ゼラチン 35mg/m2 SnO2/Sb(8/2)(粒径0.3μm) 250mg/m2 ポリアルキレンオキサイドA0-4 5mg/m2 これを90℃、2分間乾燥し、140℃で90秒間熱処理し
た。この導電層を支持体の片側のみ及び両側に塗布した
ものをそれぞれ調製した。
【0105】実施例1と全く同様にして得られた試料を
用いてゴミ付着テスト及び印刷テストを行った。
【0106】その結果、本発明の上記導電層を設けた試
料は設けない試料に比べてゴミの付着がなく、良好な結
果が得られることが判った。
【0107】
【発明の効果】本発明により、ゴミ付着が少ない銀塩拡
散転写法を利用した平版印刷版を提供することができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/00 G03F 7/07 G03F 7/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルム支持体上に、少な
    くとも1層の下塗層及び少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層及び物理現像核を含む受像層を設けてな、前記
    下塗層と支持体の間及び/又は該乳剤層に対して支持体
    の反対側に、水溶性導電性ポリマーと疎水性ポリマー粒
    子と硬化剤を含有する導電層を設けたことを特徴とする
    銀塩拡散転写法平版印刷版。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルム支持体上に、少な
    くとも1層の下塗層及び少なくとも1層のハロゲン化銀
    乳剤層及び物理現像核を含む受像層を設けてなり、前記
    下塗層と支持体の間及び/又は該乳剤層に対して支持体
    の反対側に金属酸化物を含有する導電層を設けたことを
    特徴とする銀塩拡散転写法平版印刷版。
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