JP2990039B2 - アゾ顔料の製造方法 - Google Patents

アゾ顔料の製造方法

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JP2990039B2
JP2990039B2 JP7111059A JP11105995A JP2990039B2 JP 2990039 B2 JP2990039 B2 JP 2990039B2 JP 7111059 A JP7111059 A JP 7111059A JP 11105995 A JP11105995 A JP 11105995A JP 2990039 B2 JP2990039 B2 JP 2990039B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0001Post-treatment of organic pigments or dyes
    • C09B67/0014Influencing the physical properties by treatment with a liquid, e.g. solvents
    • C09B67/0015Influencing the physical properties by treatment with a liquid, e.g. solvents of azoic pigments

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アゾ顔料の製造方法に
関し、更に詳しくは塗料や印刷インキ、プラスチック、
文具等の用途に適したアゾ顔料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンズイミダゾロン系アゾ顔料は、アゾ
顔料の中でも特に耐性に優れ、耐候性、耐溶剤性等が要
求される塗料やグラビアインキ等の用途にも、多環式高
級顔料の代替えとして使用することが出来る。
【0003】しかしながら、これらの顔料は、概ねカッ
プリング直後はその粒子が微細で結晶性が低く固い粒子
形態で得られる。通常行われている様な、カップリング
後の粗製顔料の水性懸濁液をそのまま80〜150℃の
温度に数時間加熱しただけでは粗製顔料の粒子が十分に
結晶成長せず、得られる顔料の色相に濁りを生じたり、
分散性、耐光性、隠蔽性等が不足して実際に使用するに
は不適当な形態である。
【0004】上記の如き顔料を特に塗料用として使用す
る場合には、顔料のバインダー吸収性が高すぎて塗料の
流動性が低くなる為に、この様な用途には使用すること
が出来ない。従って、これらの顔料は、最適な顔料形態
を得る為に何らかの後処理が必要となってくる。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】この様な問題を
解決する方法として、例えば、粗製顔料を極性の有機溶
剤中で高温で処理する方法(特公昭38−16048号
公報)が知られている。しかしながら、この方法では、
結晶の伸びが十分ではなかったり、得られた顔料の粒子
形態が堅く、分散不良の懸念が生じたり、又、使用する
有機溶剤は処理後に概ね水蒸気蒸留によって除去される
が、その際、有機溶剤を顔料から完全に除去することは
難しく、顔料中に難揮発性溶剤が残存し、顔料の品質が
低下する懸念がある。その為に濾過して得られたプレス
ケーキをメタノール等の洗浄溶剤で解膠洗浄することが
必要になったり、これらの有機溶剤の回収設備や歩留ま
り等の点で経済的にも満足し得る方法ではない。
【0006】又、例えば、水と全く混和しないか、又は
制限的にしか混和しない有機溶剤と水との混合液からな
る水性懸濁液中で粗製顔料を80〜150℃の温度に加
熱する方法(特開昭49−116131号公報)では、
残留溶剤の問題や、高圧下で加熱処理を行う為の特別な
加圧装置が必要となるという難点がある。
【0007】又、例えば、カップリングによって得られ
るα−変態の顔料粒子の結晶を加熱処理によってβ−変
態の結晶構造に変換させた後に分離して、更に当該粗製
顔料を水中に懸濁させて130〜160℃で加熱処理す
る方法(特公昭64−5624号公報)や、例えば、特
定のアゾ顔料を、安息香酸又は安息香酸と無機塩の存在
する中性又は酸性水性懸濁液中で加熱処理する方法(特
開昭56−67370号公報)では、顔料の構造によっ
ては加熱処理時、圧力を相当高くしないと目的の粒子形
態まで結晶が成長せず、得られる顔料の色相が不鮮明で
且つラッカーに分散させたときの粘度が非常に高く、実
際上塗料に使用することが出来る顔料が得られない。
【0008】又、有機溶剤中では、得られた顔料の粒子
形態が固く分散不良の懸念や、結晶化に用いた溶剤をに
除去する為、メタノ−ル等で洗浄する等の問題が生じ
る。又、これらの方法はいずれも、粗顔料を水性ペ−ス
トや乾物の形態で使用しており、この為にカップル後の
粗顔料を一旦濾過しなければならない。従って本発明の
目的は、上記従来技術の問題点を解決し、塗料や印刷イ
ンキ、プラスチック、文具等の用途に適したアゾ顔料を
提供することである。
【0009】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、粗製アゾ顔料を
水可溶性基を有する芳香族化合物と共に80℃以上の温
度で十分な時間加熱処理を行って粗製顔料の結晶を顔料
形態に変換させた後、上記水可溶性基を有する芳香族化
合物を、アルカリ性水溶液によって水に溶解させて、当
該顔料形態生成物を分離するアゾ顔料の製造方法におい
て、粗製アゾ顔料が構造中にベンズイミダゾロン基を有
するアセト酢酸アニリド系アゾ顔料の場合には、該顔料
の酸性又は中性の水性懸濁液を、又、粗製アゾ顔料が構
造中にベンズイミダゾロン基を有するナフトール系アゾ
顔料の場合には、該顔料の中性の水性懸濁液を、それぞ
れ上記温度に昇温する過程で水相中の該顔料を水可溶性
基を有する芳香族化合物相に移行させてマグマを形成さ
せた後、更に昇温して上記温度でマグマを加熱処理する
ことを特徴とするアゾ顔料の製造方法である。
【0010】又、本願発明は、粗製アゾ顔料を水性懸濁
液として水可溶性基を有する芳香族化合物と共に80℃
以上の温度で十分な時間加熱処理を行って粗製顔料の結
晶を顔料形態に変換させた後、上記水可溶性基を有する
芳香族化合物を、アルカリ性水溶液によって水に溶解さ
せて、当該顔料形態生成物を分離するアゾ顔料の製造方
法において、粗製アゾ顔料が構造中にベンズイミダゾロ
ン基を有するアセト酢酸アニリド系及びナフトール系ア
ゾ顔料であり、該顔料のアルカリ性の水性懸濁液を上記
温度で加熱処理することを特徴とするアゾ顔料の製造方
法である。
【0011】更に、本発明は、粗製アゾ顔料を水性懸濁
液として水可溶性基を有する芳香族化合物と共に80℃
以上の温度で十分な時間加熱処理を行って粗製顔料の結
晶を顔料形態に変換させた後、上記水可溶性基を有する
芳香族化合物を、アルカリ性水溶液によって水に溶解さ
せて、当該顔料形態生成物を分離するアゾ顔料の製造方
法において、粗製アゾ顔料が構造中にベンズイミダゾロ
ン基を有するナフトール系アゾ顔料であり、該顔料の中
性の水性懸濁液を加圧下に100℃以上の温度 で加熱処
理することを特徴とするアゾ顔料の製造方法である。
【0012】
【作用】本発明によれば、粗製アゾ顔料をヒドロキシナ
フタレン又はその誘導体と共に、一般的には常圧下で8
0℃以上の温度で加熱処理することによって、粗製顔料
を、塗料やグラビヤインキに用いるのに適した形態にま
で結晶を成長させることが出来る。
【0013】即ち、カップリングによって得られた粗製
のアゾ顔料を、ヒドロキシナフタレン又はその誘導体と
共に加熱することによって、塗料やグラビヤインキ適性
を有する顔料形態に変換させることが出来る。この為に
は、粗製アゾ顔料の結晶化剤としてヒドロキシナフタレ
ン又はその誘導体を用いることが重要で、粗製顔料の水
性懸濁液を、ヒドロキシナフタレン又はその誘導体と共
に加熱することによって、顔料を水相から有機相(ヒド
ロキシナフタレン又はその誘導体)に移行させ、更に、
80℃以上の温度で数時間保持することによって塗料や
印刷インキ、プラスチック等の用途に最適な結晶形態の
顔料を得ることが出来る。
【0014】加熱処理後は、ヒドロキシナフタレン又は
その誘導体を、あまり高くない温度でアルカリ剤、例え
ば、苛性ソーダ水溶液等のアルカリ水溶液を添加して水
に溶解させて、濾過によって当該顔料形態生成物を分離
する。顔料を分離した後のアルカリ濾液は、鉱酸によっ
て中和することによってヒドロキシナフタレン又はその
誘導体を析出再生させ、回収して再使用することが出来
る。
【0015】又、本発明において、先に述べた特許公報
に記載されている様に、粗製顔料を加圧下で加熱処理を
行えば、先の方法よりも格段に顔料粒子の結晶が成長し
やすく、目的とする結晶形態の顔料を得るのにヒドロキ
シナフタレン又はその誘導体の使用量を大幅に削減する
ことが出来る。又、場合によっては、粗製顔料の水性懸
濁液を、ヒドロキシナフタレン又はその誘導体と共に加
熱する際に、先にアルカリ剤を添加してスラリー状態で
処理する方法も可能である。
【0016】本発明は全ての粗製アゾ顔料の処理に適用
することが出来るが、特に好適な顔料は、ベンズイミダ
ゾロン構造を有するアセト酢酸アニリド系アゾ顔料又は
ナフトール系アゾ顔料であり、この顔料としては、ジア
ゾ成分に5−アミノベンズイミダゾロンを用い通常のア
ゾ顔料に用いられる既存のアセト酢酸アニリドとカップ
リングして得られるもの、及びカップリング成分に5−
アセトアセチルアミノベンズイミダゾロンを用い、通常
のアゾ顔料に用いられる既存のジアゾ成分とカップリン
グして得られるもの、及び、ジアゾ成分に5−アミノベ
ンズイミダゾロンを用い通常のアゾ顔料に用いられる既
存のナフトールAS類とカップリングして得られるも
の、及びカップリング成分に5−(2’,3’−オキシ
ナフトイルアミノ)ベンズイミダゾロンを用い通常のア
ゾ顔料に用いられる既存のジアゾ成分とカップリングし
て得られるもの、及びこれらの顔料の用途適性を改良す
る目的で、これらの顔料にこれらの顔料のスルホン化
物、カルボキシル化物を混合した混合物等が挙げられ
る。更には本発明の方法は、公知のジアンスラキノニル
系顔料、置換キナクリドン系顔料、及びキナクリドン固
溶体系顔料にも有効である。
【0017】本発明において粗製顔料の結晶化剤として
使用するヒドロキシナフタレン又はその誘導体の好まし
い具体例としては、α−ナフトール、β−ナフトールの
他に、α−ナフトール又はβ−ナフトールのハロゲン化
物、スルホン化物、カルボキシル化物、或はこれらの混
合物が挙げられ、経済的にはβ−ナフトールを用いるの
が有利である。
【0018】本発明によれば、顔料粒子の結晶化剤とし
て、有機溶剤の代わりにヒドロキシナフタレン又はその
誘導体を用いる為に、結晶化剤の回収に蒸留設備等の特
別な装置や設備を使用する必要がなく、結晶化剤の回収
が有機溶剤に比べて著しく容易である。又、結晶化剤と
して有機溶剤を使用する場合、溶剤は概ね水蒸気蒸留に
よって処理顔料中より除去されるが、その際有機溶剤を
顔料から完全に除去することは難しく、メタノール等の
洗浄溶剤を用いて顔料中の難揮発性溶剤を除去しなけれ
ばならない場合もある。更に本発明においては加熱処理
は一般的には常圧下で行われる為に、加圧設備等の特別
な装置や設備が不要であり、通常のカップリング槽での
処理も可能である。この為、処理作業が簡略化され、特
別な設備も不要であることから、塗料やグラビヤインキ
適性を有する形態の顔料を安価に製造することが出来
る。
【0019】本発明の方法は、カップリングによって得
られた粗製アゾ顔料、特にベンズイミダゾロン構造を有
するアセト酢酸アニリド系アゾ顔料又はナフトール系ア
ゾ顔料のカップリングスラリー中に、直接、又は粗製顔
料を一旦濾過した後、このプレスケーキを再度水中に解
膠したスラリー中に、アゾ顔料に対して10〜300重
量%の量のヒドロキシナフタレン又はその誘導体を添加
して、一般的には常圧下で80℃以上の温度、好ましく
は85℃〜100℃の温度まで昇温し、更にこの温度で
希望する顔料形態となるまで数時間保持する。尚、ベン
ズイミダゾロン構造を有するナフトール系アゾ顔料の場
合には、加圧下に100℃以上の温度で、中性雰囲気下
で処理を行うことが特に好ましい。
【0020】処理後の顔料懸濁液は90〜70℃の温度
まで冷却した後、アルカリ剤、例えば、10重量%の苛
性ソーダ水溶液を添加してヒドロキシナフタレン又はそ
の誘導体をアルカリ水中に溶解させて、濾過によって当
該顔料形態生成物を分離し、分離物を中性になるまで温
水又は水で洗浄する。得られた顔料形態生成物は通常の
方法によって乾燥及び粉砕され、塗料や印刷インキ、プ
ラスチック等の用途に使用される。又、処理後の顔料の
熟成の条件によって顔料の透明性を調整し、カラーフィ
ルター、電子写真用トナー等の透明性が要求される用途
に使用する顔料とすることが出来る。
【0021】又、処理後顔料形態生成物を分離したアル
カリ性の濾液からは、酸による中和で容易にヒドロキシ
ナフタレン又はその誘導体を回収することが出来る。回
収したヒドロキシナフタレン又はその誘導体の着色が激
しいときは、活性炭を用いて脱色し、再使用することも
出来る。
【0022】この様にして得られた顔料は、色相が鮮明
で、且つ非常に柔らかい粒子形態で仕上がる為に、塗料
や印刷インキ、プラスチック等の着色に用いたときに、
驚くべき良好な分散性を示す。又、処理後の熟成条件に
よって透明性を調整して、カラーフィルター、電子写真
用トナー等の透明性を要求される用途に用いた場合で
も、柔らかい粒子形態で得られる為に、極めて良好な分
散性を示す。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるのは特
に断りのない限り、それぞれ重量部及び重量%のことで
ある。 [アセト酢酸アニリド系顔料に関する実施例] 実施例1 34.5部の2−ニトロ−4−クロルアニリンを200
部の4N塩酸水溶液中に加えて室温で3時間以上分散さ
せた後0℃まで冷却する。次いでこれに48.3部の3
0%亜硝酸水溶液を加えてジアゾ化させた後、過剰の亜
硝酸をスルファミン酸で分解し、ケイソウ土を加えて不
溶物を濾過によって取り除き、澄んだ淡黄色のジアゾニ
ウム塩溶液を得た。
【0024】同時に46.6部の5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを305部の2N苛性ソーダ水
溶液に溶解させた後冷却して、320部の2N酢酸水溶
液で析出させ、温度を20℃に調整する。このカップラ
ー懸濁液に前記のジアゾニウム塩溶液を20℃で80分
間かけて滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリ
ング反応を完結させる。このカップリング反応によって
得られた黒褐色の懸濁液を90℃まで昇温し、更に90
〜95℃で2時間熟成すると橙色味を帯た褐色の粗製顔
料が得られる。この粗製顔料懸濁液に水を加えて70℃
まで冷却した後、吸引濾過及び水洗を行って粗製顔料の
ウェットケーキ430部(乾物分19.4%)を得た。
【0025】上記のウェットケーキ103部を150部
の水に分散させた後、β−ナフトール40部を加えて攪
拌しながら加熱する。温度が上昇するに従って褐色のス
ラリーに橙色味がさし始め、80〜90℃で「フラッシ
ュ」が起こり、初め水中に懸濁していた粗製顔料が、溶
融したβ−ナフトール中に移行して小粒状に凝集し、更
に集合して大きな橙褐色のマグマを形成する。この混合
物を更に95℃で5時間攪拌した後85℃まで冷却し、
150部の2N苛性ソーダ水溶液を加えて混合物中のβ
−ナフトールを水中に溶解させる。
【0026】得られた橙色の顔料懸濁液を吸引濾過し、
水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮やかで
且つ柔らかな橙色の顔料19.6部を得た。又、顔料を
分離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液を、冷却後
塩酸によって酸性化し、析出及び濾過によって37.5
部のβ−ナフトールが回収された。
【0027】実施例2 17.3部の2−ニトロ−4−クロルアニリンを100
部の4N塩酸水溶液中に加えて、室温で3時間以上分散
させた後0℃まで冷却する。次いでこれに24.2部の
30%亜硝酸水溶液を加えてジアゾ化させた後、実施例
1と同様にして不溶物をケイソウ土で取り除き、更に過
剰の亜硝酸をスルファミン酸で分解し、澄んだ淡黄色の
ジアゾニウム塩溶液を得た。
【0028】同時に23.3部の5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを153部の2N苛性ソーダ水
溶液に溶解させた後、160部の2N酢酸水溶液で析出
させ、温度を20℃に調整する。このカップラー懸濁液
に前記のジアゾニウム塩溶液を20℃で60分間かけて
滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリング反応
を完結させる。このカップリング反応によって得られた
黒褐色の懸濁液を90℃まで昇温し、更に90〜95℃
で2時間熟成すると橙色味を帯た褐色の粗製顔料が得ら
れる。
【0029】この粗製顔料懸濁液を70℃まで冷却した
後、β−ナフト−ル42部を添加して、攪拌しながら1
6.5部の苛性ソーダを加えて温度を90℃まで上昇さ
せるとスラリーは懸濁状態のまゝ褐色味を帯た橙色とな
る。この懸濁液を90〜95℃に保持して攪拌を続ける
とスラリーは徐々に褐色味が薄れ、次第に赤味の橙色に
変化していく。この状態で5時間保持した後、80℃ま
で冷却し、吸引濾過及び洗浄によって39.3部の非常
に鮮やかで且つ柔らかな赤味のある橙色の顔料を得た。
顔料を分離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液を冷
却し、塩酸によって酸性化することによって40.3部
のβ−ナフトールが回収された。
【0030】実施例3 実施例1と同様の方法で得られた黒褐色の粗製顔料のカ
ップリング懸濁液にβ−ナフトール85部を添加して、
撹拌しながら加熱する。温度が上昇するに従って黒褐色
のスラリーは次第に褐色化し始め、80〜90℃で懸濁
物が褐色の小粒となった後集合して大きな褐色のマグマ
を形成する。この混合物を更に95℃で8時間攪拌した
後85℃まで冷却し、25部の苛性ソーダを含む水溶液
を加えてβ−ナフトールを溶解させると橙色の顔料懸濁
液が得られる。
【0031】得られた顔料懸濁液を吸引濾過し、水で中
性になるまで洗浄した後乾燥して鮮やかで且つ柔らかな
橙色の顔料79.2部を得た。又、顔料を分離した後の
アルカリ母液及び最初の水洗液からは、冷却後塩酸によ
って酸性化することによって81.5部のβ−ナフトー
ルが回収された。
【0032】比較例1 次に上記本発明の顔料と比較する為に、実施例1と同様
の方法で得られた粗製顔料のウェットケーキ106部
(乾物分20g)を実施例1と同様の方法で150部の
水に分散した後、40部のo−ニトロフェノールを加え
て攪拌しながら加熱し、90〜95℃で10時間熟成を
行った。85℃まで冷却後、155部の2N苛性ソーダ
水溶液を加えてo−ニトロフェノールを溶解し、濾過及
び温水洗を行って19.8部の橙色の顔料を得た。
【0033】比較例2 比較例1と同様の方法でo−ニトロフェノールの代わり
に安息香酸40部を用いて90〜95℃で10時間熟成
を行った。85℃まで冷却後、160部の2N苛性ソー
ダ水溶液を加えて安息香酸を溶解し、濾過及び温水洗を
行って19.6部の橙色の顔料を得た。
【0034】比較例3 比較例1と同様の方法でo−ニトロフェノールの代わり
にm−ニトロベンゼンスルホン酸40部を用いて90〜
95℃で10時間熟成を行った。85℃まで冷却後、1
25部の2N苛性ソーダ水溶液を加えてm−ニトロベン
ゼンスルホン酸を溶解し、濾過及び温水洗を行って1
9.8部の橙色の顔料を得た。
【0035】比較例4 更に上記本発明の顔料と比較する為に、特公平3−69
382号公報の実施例1の方法によって、本発明の実施
例1の顔料相当品である橙色の顔料を得た。
【0036】比較例5 更に上記本発明の顔料と比較する為に、市販の顔料であ
るノバパームオレンジHL−70(ヘキスト社製、本発
明の実施例1の顔料相当品、商標)を用いた。
【0037】比較例6 実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例4で得たアゾ
顔料を、サンプルミル(協立理工(株)製)を用いて粉
末化し、比較例5のアゾ顔料と共にメラミンアルキド塗
料にてエナメル化し、下記の方法にて、分散粒度、粘
度、色調、隠蔽性及び耐候性を測定し、下記表1に示す
結果を得た。
【0038】(1)エナメルの作成方法 顔料:ワニス:溶剤を10:170:20の割合に配合
し、ボールミル中で12時間分散して濃色エナメルを作
成した。(2)分散粒度 濃色エナメルをグラインドゲージにて測定した。判定は
5段階(1=劣→5=優)で行った。
【0039】(3)粘度 回転粘度計を用い、20℃、回転数12r.p.m.に
て測定した。 (4)色調 濃色エナメルを、アゾ顔料:チタンホワイトが1:20
となる様に白エナメルで稀釈し、アプリケーター(6ミ
ル)を用いてアート紙上に展色し、140℃で30分間
焼付を行った後、光電色彩計(スガ試験機(株)製)に
て各々のa、b値を測定した。
【0040】(5)隠蔽性 濃色エナメルをアプリケーター(6ミル)を用いて隠蔽
力試験紙(日本テストパネル工業(株)製)上に展色
し、140℃で30分間焼付を行った後肉眼にて判定し
た。判定は5段段階1=劣→5=優)
【0041】(6)耐候性 (4)の色調試験と同様にして作成した淡色エナメルを
溶剤にて吹付塗装に適した粘度に調整し、ブリキ板上に
塗布及び焼付を行って着色塗板を得た。この着色塗板を
サンシャインウエザオメータ−(スガ試験機(株)製)
で500時間曝露し、未曝露の塗板との色差ΔEを測定
した。
【0042】表1(メラミンアルキド焼付塗料試験)
【0043】実施例4 32.2部のo−アミノベンゾトリフルオライドを20
0部の3N塩酸水溶液中に加えて、攪拌しながら氷60
0部を加えて0℃以下まで冷却する。次いでこれに5
0.6部の30%亜硝酸水溶液を加えてジアゾ化させた
後、過剰の亜硝酸をスルファミン酸で分解し、ケイソウ
土を加えて不溶物を濾過によって取り除き、澄んだ淡黄
色のジアゾニウム塩溶液を得た。
【0044】同時に46.6部の5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを250部の2N苛性ソーダ水
溶液に溶解させた後冷却して、260部の2N酢酸水溶
液で析出させ、温度を20℃に調整する。このカップラ
ー懸濁液に前記のジアゾニウム塩溶液を20℃で1時間
かけて滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリン
グ反応を完結させると緑味黄色の顔料懸濁液が得られ
る。
【0045】得られた顔料懸濁液に40部のβ−ナフト
ールと苛性ソーダ31.5部を加えて攪拌しながら加熱
する。温度が90℃まで上昇したらそのまゝ80〜90
℃で5時間熟成を行った後、85℃まで冷却し、吸引濾
過し、水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮
やかで且つ柔らかな緑味黄色の顔料78.6部を得た。
又、顔料を分離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液
を冷却し、塩酸によって酸性化することによって38.
3部のβ−ナフトールが回収された。
【0046】実施例5 21.3部の1−アミノ−3,5−ジ(カルボン酸メチ
ルエステル)ベンゼンを60部の5N塩酸水溶液中に加
えて、室温で3時間以上分散させた後氷200部を加え
て0℃以下まで冷却する。次いでこれに23部の30%
亜硝酸水溶液を加えてジアゾ化させ、ケイソウ土を加え
て不溶物を濾過した後、過剰の亜硝酸をスルファミン酸
で分解する。
【0047】同時に23.3部の5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを150部の2N苛性ソーダ水
溶液に溶解させた後冷却して、160部の2N酢酸水溶
液で析出させた後、更に24.6部の酢酸ナトリウムを
加えて温度を20℃に調整する。このカップラー懸濁液
に前記のジアゾニウム塩溶液を20℃で1時間かけて滴
下した後、更に1時間以上攪拌してカップリング反応を
完結させる。このカップリング反応によって得られた懸
濁液を90℃まで昇温し、更に90〜95℃で2時間熟
成すると緑味黄色の粗製顔料が得られる。この粗製顔料
懸濁液に水を加えて70℃まで冷却した後、吸引濾過及
び水洗を行って粗製顔料のウェットケーキ240部(乾
物分19.0%)を得た。
【0048】上記のウェットケーキ105部を150部
の水に分散させた後、β−ナフトール41部を加えて攪
拌しながら加熱する。温度が80〜90℃になると水中
で「フラッシュ」が起こり、初め水中に懸濁していた粗
製顔料が、溶融したβ−ナフトール中に移行してマグマ
を形成する。この混合物を更に95℃で5時間攪拌した
後85℃まで冷却し、150部の2N苛性ソーダ水溶液
を加えてβ−ナフトールを溶解させる。
【0049】得られた黄色の顔料懸濁液を吸引濾過し、
水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮やかで
且つ柔らかな黄色の顔料19.4部を得た。又、顔料を
分離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液を冷却し、
塩酸によって酸性化することによって38.3部のβ−
ナフトールが回収された。
【0050】実施例6 12.0部のアンスラニル酸を85部の3N塩酸水溶液
中に加えて、更に氷で液量を200容量部とし、0℃以
下まで冷却する。次いでこれに23.3部の30%亜硝
酸水溶液を加えてジアゾ化させた後、ケイソウ土を加え
て不溶物を濾過する。更に氷を加えた後、過剰の亜硝酸
をスルファミン酸で分解し、澄んだ淡黄色のジアゾニウ
ム塩溶液を得た。
【0051】同時に21.5部の5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを80部の2N苛性ソーダ水溶
液に溶解させた後水で液量を450容量部とする。これ
を冷却し、31.5部の30%酢酸水溶液で析出させ、
温度を20℃に調整する。このカップラー懸濁液に前記
のジアゾニウム塩溶液を20℃で1時間かけて滴下した
後、更に2時間以上攪拌してカップリング反応を完結さ
せると、緑味黄色の顔料懸濁液が得られる。
【0052】得られた顔料懸濁液に15部のβ−ナフト
ールを加えて攪拌しながら加熱する。温度が80〜90
℃になると水中で「フラッシュ」が起こり、初め水中に
懸濁していた粗製顔料がβ−ナフトールとマグマを形成
する。この混合物を更に90℃で3時間攪拌した後85
℃まで冷却し、75部の2N苛性ソーダ水溶液を加えて
β−ナフトールを溶解させる。
【0053】得られた緑味黄色の顔料懸濁液を吸引濾過
し、水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮や
かで且つ柔らかな緑味黄色の顔料34.9部を得た。
又、顔料を分離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液
を冷却し、塩酸によって酸性化することによって14.
3部のβ−ナフトールが回収された。
【0054】実施例7 24.4部の1,2−ビス−(2−アミノフェノキシ)
−エタンを120部の5N塩酸水溶液中に加えて、室温
で3時間以上分散させた後氷で0℃以下まで冷却する。
次いでこれに47.5部の30%亜硝酸水溶液を加えて
ジアゾ化させ、ケイソウ土を加えて不溶物を濾過した
後、過剰の亜硝酸をスルファミン酸で分解する。同時に
46.6部の5−アセトアセチルアミノベンズイミダゾ
ロンを250部の2N苛性ソーダ水溶液に溶解させた後
水を加えて液量を800容量部とする。冷却して280
部の2N酢酸水溶液で析出させた後、更に41部の酢酸
ナトリウムを加えて温度を10℃に調整する。
【0055】このカップラー懸濁液に前記のジアゾニウ
ム塩溶液を10〜15℃で2時間かけて滴下した後、更
に3時間以上攪拌してカップリング反応を完結させる。
更に、カップリング反応によって得られた黄色懸濁液を
90℃まで昇温し、更に90〜95℃で1時間熟成する
と黄色の粗製顔料が得られる。この粗製顔料懸濁液に水
を加えて70℃まで冷却した後、吸引濾過及び水洗を行
って粗製顔料のウェットケーキ353部(乾物分20.
3%)を得た。
【0056】上記のウェットケーキ98.5部を150
部の水に分散させた後、β−ナフトール40部を加え
て、更に場合によっては必要量の界面活性剤を加えて攪
拌しながら加熱する。温度が80〜90℃になると粗製
顔料はβ−ナフトールとマグマを形成する。この混合物
を更に95℃で5時間攪拌した後85℃まで冷却し、1
50部の2N苛性ソーダ水溶液を加えてβ−ナフトール
を溶解させる。得られた顔料懸濁液を吸引濾過し、水で
中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮やかで且つ
柔らかな黄色の顔料19.4部を得た。又、顔料を分離
した後のアルカリ母液及び最初の水洗液を冷却し、塩酸
によって酸性化することによって38.3部のβ−ナフ
トールが回収された。
【0057】実施例8 32.8部の2−ニトロ−4−クロルアニリンを200
部の4N塩酸水溶液中に加えて、室温で3時間以上分散
させる。更に1.4部のアントラニル酸を加えた後氷で
0℃まで冷却する。次いでこれに48.3部の30%亜
硝酸水溶液を加えてジアゾ化させた後、過剰の亜硝酸を
スルファミン酸で分解し、ケイソウ土を加えて不溶物を
濾過によって取り除き、澄んだ淡黄色のジアゾニウム塩
溶液を得た。
【0058】同時に46.6部の5−アセトアセチルア
ミノベンズイミダゾロンを適量の界面活性剤と共に、3
05部の2N苛性ソーダ水溶液に溶解させた後冷却し
て、320部の2N酢酸水溶液で析出させ、温度を20
℃に調整する。このカップラー懸濁液に前記のジアゾニ
ウム塩溶液を20℃で80分間かけて滴下した後、更に
2時間以上攪拌してカップリング反応を完結させる。得
られた粗製顔料の懸濁液にβ−ナフトール41.5部を
加えて攪拌しながら加熱する。温度が上昇するに従って
懸濁していた粗製顔料が凝集し始め、80〜90℃でβ
−ナフトールと大きなマグマを形成する。この混合物を
更に95℃で3時間攪拌した後85℃まで冷却し、16
0部の2N苛性ソーダ水溶液を加えてβ−ナフトールを
溶解させる。
【0059】得られた橙色の顔料懸濁液を吸引濾過し、
水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮やかで
且つ柔らかな橙色の顔料79.6部を得た。又、顔料を
分離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液を冷却し、
塩酸によって酸性化することによって39.5部のβ−
ナフトールが回収された。
【0060】実施例9 実施例1と同様の方法で得られた粗製顔料のウェットケ
ーキ106部(乾物分20g)を実施例1と同様の方法
で150部の水に分散した後、18部のβ−ナフトール
及び2.5部の1−ナフトール−5−スルホン酸を加え
て攪拌しながら加熱し、95℃で3時間処理を行った。
この様にして19.6部の鮮やかで且つ柔らかな橙色の
顔料を得た。アルカリ母液及び水洗液からは20部のβ
−ナフトール及び1−ナフトール−5−スルホン酸の混
合物が回収された。
【0061】比較例7 実施例4と同様の方法で得られた粗製顔料のカップル懸
濁液をそのまま90℃まで昇温し、更に90〜95℃で
2時間熟成させた後、水を加えて70℃まで冷却し、吸
引濾過及び水洗を行って黄色の顔料のウェットケーキ1
81部(乾物分44%)を得た。
【0062】上記のウェットケーキ45.5部を150
部のイソプロパノールに分散させ、攪拌しながら温度を
85℃まで上昇させる。そしてそのまゝ還流下で5時間
熟成を行った後、温度を40℃以下まで下げ、濾過及び
洗浄を行って18.6部の緑味黄色の顔料を得た。
【0063】比較例8 比較例7と同様の方法で得られた粗製顔料のウェットケ
ーキ45.5部を250部の水に分散させ、攪拌しなが
ら温度を130℃まで上昇させ、そのまゝ5時間熟成を
行った後、温度を80℃以下まで下げ、濾過及び洗浄を
行って19.6部の緑味黄色の顔料を得た。
【0064】比較例9 実施例5と同様の方法で得られた粗製顔料のウェットケ
ーキ105部を200容量部のジメチルホルムアミド中
に分散し還流下で3時間熟成する。40℃まで冷却した
後、濾過及びメタノール洗浄を乾燥を行って黄色の顔料
17.6部を得た。
【0065】比較例10 実施例6で得られたカップル後の顔料懸濁液を90℃ま
で昇温させ、そのまま90〜95℃で2時間熟成した後
70℃まで冷却して濾過及び水洗を行い、粗製顔料のウ
ェットケーキ95部(乾物分35%)を得た。このウェ
ットケーキ57.1部を170部の水に分散させ、30
部のニトロベンゾールと1.6部のソルビタンラウレー
トを加えて95℃まで加熱する。そのまま5時間沸騰さ
せた後、75℃まで冷却し、濾過及び水洗した後、出来
るだけ水分を切ってから更にメタノールで顔料中に残留
するニトロベンゾールを取り除き、乾燥して18.6部
の顔料を得た。
【0066】比較例11 実施例7と同様の方法で得られた粗製顔料のウェットケ
ーキ98.5部を200容量部の水に分散させ、比較例
10と同様の方法で黄色の顔料18.6部を得た。
【0067】比較例12 実施例4及び比較例7〜比較例8で得られた顔料を、サ
ンプルミル(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、
市販の顔料であるホスターパームエローH3G(ヘキス
ト社製、本発明の実施例4の顔料相当品、商標)と共
に、比較例6と同様の方法でメラミンアルキド塗料にて
エナメル化し、濃度、隠蔽性及び耐候性を測定して、下
記表2に示す結果を得た。
【0068】(1)濃度 濃色エナメルを、アゾ顔料:チタンホワイトが1:20
となる様に白エナメルで稀釈し、アプリケーター(6ミ
ル)を用いてアート紙上に展色し、140℃で30分間
焼付を行った後、肉眼にて着色力を判定した。判定は1
0段階(1=劣→10=優)で行った。 (2)隠蔽性 濃色エナメルをアプリケーター(6ミル)を用いて隠蔽
力試験紙(日本テストパネル工業(株)製)上に展色
し、140℃で30分間焼付を行った後肉眼にて判定し
た。判定は5段階(1=劣→5=優)で行った。
【0069】(3)耐候性 濃色エナメル及び、濃色エナメルを、アゾ顔料:チタン
ホワイトが1:20となる様に白エナメルで稀釈した淡
色エナメルを溶剤にて吹付塗装に適した粘度に調整し、
ブリキ板上に塗布及び焼付を行って着色塗板を得た。こ
の着色塗板をサンシャインウエザオメーター(スガ試験
機(株)製)で500時間曝露し、未曝露の塗板との色
差ΔEを測定した。
【0070】表2(メラミンアルキド焼付塗料試験)
【0071】比較例13 実施例5及び比較例9で得たアゾ顔料を、サンプルミル
(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、市販のC.
I.P.Y.−120(例えば、PVファーストエロー
H2G、ヘキスト社製、本発明の実施例5の顔料相当
品、商標)と共にDOPと3本ロールで混練りしてカラ
ーペーストを作成する。各々のカラーペーストを2本ロ
ール上で、160℃でゲル化した塩化ビニル樹脂コンパ
ウンドに混練り後、170℃の温度で50Kg/cm
の荷重をかけて比較シートを作成し、分散性、耐熱性、
耐光性及び耐マイグレーション性を測定して、下記表3
の結果をた。判定は各試験項目とも5段階(1=劣←→
5=優)で行った。
【0072】表3(ポリ塩化ビニル試験)
【0073】比較例14 実施例6及び比較例10で得られた顔料を、サンプルミ
ル(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、市販の
C.I.P.Y.−151(例えば、ホスターパームエ
ローH4G、ヘキスト社製、本発明の実施例6の顔料相
当品、商標)と共に、比較例6と同様の方法でメラミン
アルキド塗料にてエナメル化し、濃度、分散性、隠蔽
性、耐候性及び鮮明性を測定して、下記表4に示す結果
を得た。判定は各試験項目とも5段階(1=劣←→5=
優)で行った。
【0074】表4(メラミンアルキド焼付塗料試験)
【0075】比較例15 実施例7及び比較例11で得られた顔料を、サンプルミ
ル(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、市販のP
VファーストエローHG(ヘキスト社製、本発明の実施
例7の顔料相当品、商標)と共に、下記方法でインキ化
し、濃度、分散性及び鮮明性を測定して、下記表5に示
す結果を得た。
【0076】(1)ベースインキの作成方法 顔料:ポリアミドワニス:硝化綿ワニス:溶剤を10:
58:17:15部の割合に配合する。これをマヨネー
ズビンにスチールボール200部と共に入れ、ペイント
シェーカーで40分間分散してベースインキとした。 (2)粘度 回転粘度計を用い、20℃、回転数12r.p.m.に
て測定した。 (3)濃度 ベースインキをアゾ顔料:チタンホワイトが1:20と
なる様に白インキで稀釈し、#6バーコーターを用いて
アート紙上に展色し、その着色力を比較例15の顔料を
100%として肉眼で判定した。
【0077】(4)分散性 濃色エナメルをグラインドゲージにて測定しその分散粒
度で判定した。判定は5段階(1=劣←→5=優)で行
った。 (5)鮮明性 ベースインキを#6バーコーターを用いてアート紙上に
展色し、その鮮明性を肉眼で比較して判定した。判定は
[◎:鮮明性大〜〇〜△〜×:鮮明性劣]で行った。
【0078】表5(グラビヤインキ試験)
【0079】比較例16 実施例8〜実施例9で得られた顔料を、サンプルミル
(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、市販のPV
ファーストオレンジHL(ヘキスト社製、本発明の実施
例9の顔料相当品、商標)と共に、下記方法でインキ化
し、透明性、濃度及び流動性を測定して、下記表6に示
す結果を得た。
【0080】(1)オフセットインキの作成方法 アゾ顔料10部とロジン変性フェノール樹脂をバインダ
ーとするオフセットインキワニス90部を混ぜ、3本ロ
ールでオフセットインキを作成した。 (2)透明性 上記オフセットインキの一定量をとり、RIテスター
((株)明製作所)で黒帯ア−ト紙上に印刷し、光電色
彩計(スガ試験機(株)製)にて各々のL値を測定し
た。
【0081】(3)濃度 上記の濃色オフセットインキを、アゾ顔料:チタンホワ
イトが1:20となる様に白インキで稀釈し、ヘラを用
いて展色紙上に展色し、その着色力を比較例16の顔料
を100%として肉眼で判定した。 (4)流動性 (1)で作成したオフセットインキの一定量を、スプレ
ドメーター測定器(東洋精機製作所製)にとり、60秒
時のインキの広がり(mm)を測定した。
【0082】表6(オフセットインキ試験) 尚、上記実施例においてβ−ナフトールに代えてα−ナ
フトール又はβ−オキシナフトエ酸を用いても同様な結
果が得られた。
【0083】[ナフトール系顔料に関する実施例] 実施例1 19.3部のアンスラニル酸n−ブチルエステルを20
0部の2N塩酸水溶液中に加えて、攪拌溶解させた後、
温度を5℃まで冷却する。次いでこれに23.0部の3
0%亜硝酸水溶液を加えてジアゾ化させた後、過剰の亜
硝酸をスルファミン酸で分解し、不溶物をケイソウ土で
取り除いて澄んだ無色のジアゾニウム塩溶液を得た。次
いで、2N酢酸ナトリウム水溶液と混合した後、温度を
10〜15℃として、34.0部の5−(2’,3’−
オキシナフトイルアミノ)ベンズイミダゾロンを130
部の2N苛性ソーダ水溶液に溶解させた溶液を滴下す
る。
【0084】このカップリング反応で得られた顔料懸濁
液を90℃まで昇温し、20分間熟成して赤色の粗製顔
料が得られる。この粗製顔料懸濁液に水を加えて70℃
まで冷却した後、吸引濾過及び水洗を行って粗製顔料の
ウェットケーキ350部(乾物分15.0%)を得た。
【0085】上記のウェットケーキ175部を450部
の水に分散させた後、β−ナフトール52.4部を加え
て攪拌しながら加熱する。80〜90℃で「フラッシ
ュ」が起こり、初め水中に懸濁していた粗製顔料が、溶
融した又は溶融されたβ−ナフトール中に移行して小粒
状に凝集し、更に集合して大きな赤褐色のマグマを形成
する。この混合物を更に95℃で5時間攪拌した後85
℃まで冷却し、250部の2N苛性ソーダ水溶液を加え
てβ−ナフトールを溶解させる。
【0086】得られた赤色の顔料懸濁液を吸引濾過し、
水で中性になるまで洗浄した後乾燥して、非常に鮮やか
で且つ柔らかな赤色の顔料26.2部を得た。又、顔料
を単離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液からは、
冷却後塩酸によって酸性化、析出及び濾過によって4
9.2部のβ−ナフトールが回収された。
【0087】実施例2 実施例1で得られたウェットケーキ175部を450部
の水に分散させた後、β−ナフトール13.1部を加え
て攪拌しながら加熱し、140℃で2時間攪拌した後8
5℃まで冷却し、120部の2N苛性ソーダ水溶液を加
えてβ−ナフトールを溶解させる。
【0088】得られた赤色の顔料懸濁液を吸引濾過し、
水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮やかで
且つ柔らかな赤色の顔料26.2部を得た。又、顔料を
単離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液からは、冷
却後塩酸によって酸性化、析出及び濾過によって12.
3部のβ−ナフトールが回収された。
【0089】実施例3 実施例1と同様の方法で得られた赤色の粗製顔料のカッ
プリング懸濁液にβ−ナフトール26.2部を添加して
攪拌しながら加熱し、140℃で2時間攪拌した後85
℃まで冷却し、18部の苛性ソーダを含む水溶液を加え
てβ−ナフトールを溶解させると赤色の顔料懸濁液が得
られる。
【0090】得られた顔料懸濁液を吸引濾過し、温水で
中性になるまで洗浄した後乾燥して鮮やかで且つ柔らか
な赤色の顔料52.4部を得た。又、顔料を単離した後
のアルカリ母液及び最初の水洗液からは、冷却後塩酸に
よって酸性化することによって24.0部のβ−ナフト
ールが回収された。
【0091】比較例1 次に上記本発明の顔料と比較する為に、実施例1と同様
の方法で得られた粗製顔料のウェットケーキ175部
(乾物分15%)を実施例1と同様の方法で450部の
水に分散した後加熱し、140℃で2時間熟成を行っ
た。85℃まで冷却後、濾過及び水洗を行って26.2
部の赤色の顔料を得た。
【0092】比較例2 実施例1と同様の方法でβ−ナフトールに代わりにN,
N−ジメチルホルムアミド13.1部を用いて140℃
で2時間熟成を行った。85℃まで冷却後、濾過及び水
洗を行って26.2部の赤色の顔料を得た。
【0093】比較例3 実施例2と同様の方法で得られた赤色の粗性顔料懸濁液
を、そのまま140℃で2時間熟成を行った。85℃ま
で冷却後、濾過及び水洗を行って52.4部の赤色の顔
料を得た。
【0094】比較例4 実施例1〜実施例3及び比較例1〜比較例3で得たアゾ
顔料を、サンプルミル(協立理工株式会社製)を用いて
粉末化し、DOPと共に3本ロールで混練りしてカラー
ペーストを作成する。各々のカラーペーストを2本ロー
ル上で160℃で、ゲル化した塩化ビニル樹脂コンパウ
ンドに混練り後、170℃の温度で50Kg/cm
荷重をかけて比較シートを作成し、分散性、隠蔽性及び
耐光性を測定した。
【0095】判定は各試験項目とも5段階(1=劣←→
5=優)で行った。 表1(ポリ塩化ビニル試験)
【0096】実施例4 11.5部の1−アミノ−2−メトキシ−5−メチルベ
ンゾール−4−スルホン酸メチルアミドを75部の2N
塩酸水溶液中に加えて、撹拌しながら氷を加えて0℃ま
で冷却する。次いで、これに11.6部の30%亜硝酸
水溶液を加えてジアゾ化させた後、過剰の亜硝酸をスル
ファミン酸で分解し、不溶物をケイソウ土を加えて濾過
によって取り除き、澄んだジアゾニウム塩溶液を得た。
【0097】同時に17.0部の5−(2’,3’−オ
キシナフトイルアミノ)ベンズイミダゾロンを75部の
2N苛性ソーダ水溶液に溶解させて下漬溶液とする。こ
のジアゾ溶液及び下漬溶液を同じ容量になる様に調整
し、激しく攪拌しながら、200部の水と50部の2N
酢酸水溶液及び100部の2N酢酸ソーダ水溶液からな
る緩衝溶液中に、室温で30分かけて滴下し、更に1時
間以上攪拌して、青味赤色の顔料懸濁液が得られる。
【0098】得られた顔料懸濁液に14部のβ−ナフト
ールを加えて攪拌しながら加熱する。その後140℃で
2時間熟成を行った後、85℃まで冷却し、9.5部の
苛性ソーダを含む水溶液を加えてβ−ナフトールを溶解
させる。この赤色の顔料懸濁液を吸引濾過し、温水で中
性になるまで洗浄した後、乾燥して非常に鮮やかで且つ
柔らかな青味赤色の顔料28.0部を得た。又、顔料を
単離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液からは、冷
却後塩酸によって酸性化することによって9.0部のβ
−ナフトールが回収された。
【0099】実施例5 24.2部の3−アミノ−4−メトキシ安息香酸アニリ
ドを150部の2N塩酸水溶液中に加えて0℃まで冷却
する。次いでこれに24部の30%亜硝酸水溶液を加え
てジアゾ化させ、不溶物をケイソウ土を加えて濾過した
後、過剰の亜硝酸をスルファミン酸で分解する。更にこ
の中に60部の2N酢酸水溶液及び80部の2N酢酸ソ
ーダ水溶液を加えてよく撹拌してジアゾニウム塩溶液と
する。
【00100】同時に34部の5−(2’,3’−オキ
シナフトイルアミノ)ベンズイミダゾロンを150部の
2N苛性ソーダ水溶液に溶解させて下漬溶液とし、先に
作成したジアゾニウム塩溶液中に激しく撹拌しながらこ
の下漬溶液を滴下する。得られたカップリング懸濁液に
β−ナフトール28.6部を加えて、撹拌しながら14
0℃で2時間加熱する。その後85℃まで冷却し、1
9.8部の苛性ソーダを含む水溶液を加えてβ−ナフト
ールを溶解させる。
【0101】得られた赤色の顔料懸濁液を吸引濾過し、
水で中性になるまで洗浄した後乾燥して非常に鮮やかで
且つ柔らかな赤色の顔料57.1部を得た。又、顔料を
単離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液からは、冷
却後塩酸によって酸性化することによって26.8部の
β−ナフトールが回収された。
【0102】比較例5 実施例4と同様の方法で得られた粗製顔料のカップル懸
濁液をそのまま140℃で2時間加熱した後、水を加え
て70℃まで冷却した。この赤色の顔料懸濁液を吸引濾
過し、充分水洗を行った後乾燥して赤色の顔料28部を
得た。
【0103】比較例6 実施例4と同様の方法で得られた粗顔料のカップル懸濁
液に、8.4部のN,N−ジメチルホルムアミドを加え
て、撹拌しながら温度を140℃まで上昇させ、そのま
ま2時間熟成させた後、温度を80℃以下まで下げ、吸
引濾過及び洗浄を行って28.0部の青味赤色の顔料を
得た。
【0104】比較例7 実施例4及び比較例5〜6で得たアゾ顔料を、サンプル
ミル(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、DOP
と共に3本ロールで混練りしてカラーペーストを作成す
る。各々のカラーペーストを2本ロール上で160℃
で、ゲル化した塩化ビニル樹脂コンパウンドに混練り
後、170℃の温度で50Kg/cmの荷重をかけて
比較シートを作成し、分散性、隠蔽性及び耐光性を測定
した。
【0105】判定は各試験項目とも5段階(1=劣←→
5=優)で行った。 表2(ポリ塩化ビニル試験)
【0106】比較例8 実施例4及び比較例5〜6で得られた顔料を、比較例7
と同様の方法で粉末化し、市販のノバパームカーミンH
F4C(ヘキスト社製、本発明実施例4顔料相当品、商
標)と共に、下記方法でインキ化し、粘度、分散性及び
鮮明性を測定して下記に示す結果を得た。
【0107】(1)ベースインキの作成方法 顔料:硝化綿ドープ:溶剤を10:10:15部の割合
に配合する。これをマヨネーズビンにスチールボール1
50部と共に入れ、ペイントシェーカーで40分間分散
する。これにウレタンワニス:溶剤を30:35部の割
合で混合した稀釈ワニスを加えて、更にペイントシェー
カーで5分間分散してベースインキとした。
【0108】(2)粘度 ベースインキを回転粘度計を用い、20℃、回転数12
r.p.m.にて測定した。 (3)分散性 ベースインキをグラインドゲージにて測定しその分散粒
度で判定した。判定は5段階(1=劣←→5=優)で行
った。
【0109】(4)鮮明性 ベースインキを#6バーコーターを用いてポリエステル
フィルム上に展色し、その鮮明性を肉眼で比較して判定
した。判定は[◎:鮮明性大〜〇〜△〜×:鮮明性劣]
で行った。
【0110】表3(グラビヤインキ試験)
【0111】比較例9 実施例5と同様の方法で得られた粗製顔料のカップル懸
濁液をそのまま140℃で2時間加熱した後、水を加え
て70℃まで冷却した。この赤色の顔料懸濁液を吸引濾
過し、充分水洗を行った後乾燥して、赤色の顔料57.
1部を得た。
【0112】比較例10 実施例5及び比較例8で得たアゾ顔料を、サンプルミル
(協立理工株式会社製)を用いて粉末化し、DOPと共
に3本ロールで混練りしてカラーペーストを作成する。
各々のカラーペーストを2本ロール上で160℃で、ゲ
ル化した塩化ビニル樹脂コンパウンドに混練り後、17
0℃の温度で50Kg/cmの荷重をかけて比較シー
トを作成し、分散性、隠蔽性及び耐光性を測定した。
【0113】判定は各試験項目とも5段階(1=劣←→
5=優)で行った。 表4(ポリ塩化ビニル試験)
【0114】実施例6 17.0部の2,5−ジクロロアニリンを100部の温
水中に加えてホットプレート上で加熱して熔融させる。
次いで、この中に温めた4N塩酸水溶液100部を加え
て加熱を続けて油滴を溶解させた後、氷で0℃以下まで
冷却し、24.5部の30%亜硝酸ソーダ水溶液を加え
てジアゾ化を行う。過剰の亜硝酸をスルファミン酸で分
解し、不溶物をケイソウ土で取り除いて澄んだ無色のジ
アゾニウム塩溶液を得た。
【0115】次いで、125部の2N酢酸ナトリウム水
溶液と混合し、場合によっては乳化剤を加えた後、温度
を5〜10℃として、31.9部の5−(2’,3’−
オキシナフトイルアミノ)ベンズイミダゾロンを145
部の2N苛性ソーダ水溶液に溶解させた溶液を滴下し、
更に1時間撹拌してカップリングを完結させる。
【0116】この黒色の粗製顔料のカップリング懸濁液
中にβ−ナフトール37.5部を添加して攪拌しながら
加熱する。そしてこの懸濁液を更に140℃で2時間攪
拌した後85℃まで冷却し、20部の苛性ソーダを含む
水溶液を加えてβ−ナフトールを溶解させると黒褐色の
顔料懸濁液が得られる。
【0117】得られた顔料懸濁液を吸引濾過し、温水で
中性になるまで洗浄した後乾燥して柔らかな黒褐色の顔
料48.5部を得た。又、顔料を単離した後のアルカリ
母液及び最初の水洗液からは、冷却後塩酸によって酸性
化することによって36.2部のβ−ナフトールが回収
された。
【0118】実施例7 実施例6と同様の方法で得られた黒色の粗製顔料のカッ
プリング懸濁液をそのまま90℃まで昇温し、更にこの
温度で1時間熟成して黒味色の粗製顔料を得る。この粗
製顔料懸濁液に水を加えて70℃まで冷却した後、吸引
濾過及び水洗を行って粗製顔料のウェットケーキ365
部(乾物分13.4%)を得た。
【0119】上記のウェットケーキ187部を450部
の水に分散させた後、β−ナフトール25.0部を加え
て攪拌しながら加熱する。この懸濁液を更に140℃で
2時間攪拌した後85℃まで冷却し、120部の2N苛
性ソーダ水溶液を加えてβ−ナフトールを溶解させる。
【0120】得られた黒味がかった褐色の顔料懸濁液を
吸引濾過し、温水で中性になるまで洗浄した後乾燥し
て、柔らかな黒褐色の顔料24.2部を得た。又、顔料
を単離した後のアルカリ母液及び最初の水洗液からは、
冷却後塩酸によって酸性化、析出及び濾過によって2
4.3部のβ−ナフトールが回収された。
【0121】比較例11 次に上記本発明の顔料と比較する為に、実施例7と同様
の方法で得られた粗製顔料のウェットケーキ187部
(乾物分13.4%)を実施例6と同様の方法で450
部の水に分散した後加熱し、140℃で2時間熟成を行
った。85℃まで冷却後、濾過及び水洗を行って24.
6部の黒褐色の顔料を得た。
【0122】比較例12 実施例7と同様の方法で得られた粗製顔料のウェットケ
ーキ187部(乾物分13.4%)を、108部のN,
N−ジメチルホルムアミド中に分散させた後、加熱して
140℃で2時間熟成を行った。85℃まで冷却後、濾
過及び水洗を行って19.8部の黒褐色の顔料を得た。
【0123】比較例13 実施例6と同様の方法で得られた黒色の粗性顔料懸濁液
を、そのまま140℃で2時間熟成を行った。85℃ま
で冷却後、濾過及び水洗を行って49.0部の黒褐色の
顔料を得た。
【0124】比較例14 実施例6〜7及び比較例11〜14で得たアゾ顔料を、
サンプルミル(協立理工(株)製)を用いて粉末化し、
市販のC.I.P.Br.−25(例えば、ホスターパ
ームブラウンHFR、ヘキスト社製、本発明実施例6顔
料相当品、商標)と共にメラミンアルキド塗料にてエナ
メル化し、下記の方法にて分散粒度、粘度、色調、隠蔽
性及び耐候性を測定し、下記に示す結果を得た。
【0125】(1)エナメルの作成方法 顔料:ワニス:溶剤を10:170:20の割合に配合
し、ボールミル中で12時間分散して濃色エナメルを作
成した。 (2)粘度回転粘度計を用い、20℃、回転数12r.
p.m.での粘度及びTI値(η/η60)を測定し
た。
【0126】(3)濃度 濃色エナメルを、アゾ顔料:チタンホワイトが1:20
となる様に白エナメルで稀釈し、アプリケーター(6ミ
ル)を用いてアート紙上に展色し、140℃で30分間
焼付を行った後、肉眼にて着色力を判定した。判定は1
0段階(1=劣→10=優)で行った。
【0127】(4)分散性 濃色エナメルをグラインドゲージにて測定しその分散粒
度で判定した。判定は5段階(1=劣←→5=優)で行
った。 (5)耐候性 濃色エナメル及び濃色エナメルを、アゾ顔料:チタンホ
ワイトが1:20となる様に白エナメルで稀釈した淡色
エナメルを溶剤にて吹付塗装に適した粘度に調整し、ブ
リキ板上に塗布及び焼付を行って着色塗板を得た。この
着色塗板をサンシャインウエザオメーター(スガ試験機
(株)製)で600時間曝露し、未曝露の塗板との色差
ΔEを測定した。
【0128】表5(メラミンアルキド焼付塗料試験)
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、粗製アゾ顔料をヒドロ
キシナフタレン又はその誘導体と共に、一般的には常圧
下で80℃以上の温度で加熱処理することによって、粗
製顔料を、塗料やグラビヤインキに用いるのに適した形
態までに結晶を成長させることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 民明 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 土屋 弘司 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−3838(JP,A) 特開 平5−222314(JP,A) 特開 昭58−120673(JP,A) 特開 平5−9400(JP,A) 特公 昭45−14425(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 67/20 C09B 67/10 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製アゾ顔料を水性懸濁液として水可溶
    性基を有する芳香族化合物と共に80℃以上の温度で十
    分な時間加熱処理を行って粗製顔料の結晶を顔料形態に
    変換させた後、上記水可溶性基を有する芳香族化合物
    を、アルカリ性水溶液によって水に溶解させて、当該顔
    料形態生成物を分離するアゾ顔料の製造方法において、
    粗製アゾ顔料が構造中にベンズイミダゾロン基を有する
    アセト酢酸アニリド系アゾ顔料の場合には、該顔料の酸
    性又は中性の水性懸濁液を、又、粗製アゾ顔料が構造中
    にベンズイミダゾロン基を有するナフトール系アゾ顔料
    の場合には、該顔料の中性の水性懸濁液を、それぞれ上
    記温度に昇温する過程で水相中の該顔料を水可溶性基を
    有する芳香族化合物相に移行させてマグマを形成させた
    後、更に昇温して上記温度でマグマを加熱処理すること
    を特徴とするアゾ顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 粗製アゾ顔料を水性懸濁液として水可溶
    性基を有する芳香族化合物と共に80℃以上の温度で十
    分な時間加熱処理を行って粗製顔料の結晶を顔料形態に
    変換させた後、上記水可溶性基を有する芳香族化合物
    を、アルカリ性水溶液によって水に溶解させて、当該顔
    料形態生成物を分離するアゾ顔料の製造方法において、
    粗製アゾ顔料が構造中にベンズイミダゾロン基を有する
    アセト酢酸アニリド系及びナフトール系アゾ顔料であ
    り、該顔料のアルカリ性の水性懸濁液を上記温度で加熱
    処理することを特徴とするアゾ顔料の製造方法。
  3. 【請求項3】 粗製アゾ顔料を水性懸濁液として水可溶
    性基を有する芳香族化合物と共に80℃以上の温度で十
    分な時間加熱処理を行って粗製顔料の結晶を顔料形態に
    変換させた後、上記水可溶性基を有する芳香族化合物
    を、アルカリ性水溶液によって水に溶解させて、当該顔
    料形態生成物を分離するアゾ顔料の製造方法において、
    粗製アゾ顔料がベンズイミダゾロン基を有するナフトー
    ル系アゾ顔料であり、該顔料の中性の水性懸濁液を加圧
    下に100℃以上の温度で加熱処理することを特徴とす
    るアゾ顔料の製造方法。
  4. 【請求項4】 水可溶性基を有する芳香族化合物が、ヒ
    ドロキシナフタレン又はその誘導体である請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 ヒドロキシナフタレン又はその誘導体
    が、α−ナフトール、β−ナフトール、α−ナフトール
    又はβ−ナフトールのハロゲン化物、スルホン化物、カ
    ルボキシル化物或はそれらの混合物である請求項に記
    載の方法。
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