JP2989596B1 - 車両の荷役補助装置におけるパレットストッパ機構 - Google Patents

車両の荷役補助装置におけるパレットストッパ機構

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Abstract

【要約】 【課題】 荷台床面からローラー機構が突出していると
きのパレットの荷台傾斜に起因する逆走、転落事故を防
止する。 【解決手段】 荷台床部に取付枠5を固着し、ローラー
フレーム7に荷役補助ローラー13を回転自在に装着し
てなるローラー機構8を取付枠5内に昇降自在に設けた
荷役補助装置において、ローラーフレーム7の荷台の後
部積降ろし側に位置する部分に傾動自在なパレットスト
ッパ部材30の基端部を枢着し、パレットストッパ部材
30の昇降端部にリンク部材34を枢着し、取付枠5の
後端部にリンク部材34の下端部が係合自在な係合部材
40を固着している。ローラーフレーム7が取付枠5の
後方側に移動しながら上昇するのに伴い係合部材40に
係合状態のリンク部材34によりパレットストッパ部材
30の昇降端部が荷役補助ローラー13よりも高くなる
ように上昇する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数の荷役補助ロ
ーラーを荷台床面から出入自在に備えていて、貨物自動
車の荷台床部に装着されて荷台上での貨物の荷役補助に
使用される車両の荷役補助装置において、荷台上に積載
したパレットが荷台後方側に逆走して荷台から転落する
事故を防止するための車両の荷役補助装置におけるパレ
ットストッパ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、貨物自動車の荷台床面上での貨物
の積み降ろしの便宜を図るため、車両の荷台床部に、ロ
ーラーフレームに多数のローラーを回転自在に装着して
なるローラー機構を昇降自在に設けた車両の荷役補助装
置が知られている。
【0003】図5はパレットストッパ機構を有しない従
来の車両の荷役補助装置の全体構成を、図6はその要部
構成を示す。図5の全体構成に示すように、貨物自動車
1は車両シャーシに対して固定された荷台(荷箱)2を
有しており、この荷台床部3には複数(例えば4個)の
凹部4が長手方向に平行に形成されている。これらの凹
部4には取付枠5がそれぞれ固着されており、該取付枠
5の底部には複数のリフト用ローラー受け部材6が等間
隔で固定され、取付枠5内にはローラーフレーム7に多
数のローラーを回転自在に装着してなるローラー機構8
が昇降自在に設けられている。そして、各取付枠5下方
側には、図6の如く前記ローラー機構8を昇降駆動する
駆動手段9がそれぞれ設けられている。
【0004】前記リフト用ローラー受け部材6は、図6
に示すように側面形状が三角形状であり、後述のローラ
ー機構8のリフト用ローラー14が乗り上げる一定傾き
の傾斜面6aを持つもので、前記取付枠5の内側底面に
固着されている。
【0005】前記ローラー機構8のローラーフレーム7
は、正断面がコ字状の一対の平行フレーム10同士をブ
ラケット11で連結一体化し、平行フレーム10に多数
のピン12を等間隔で固定したものである。ピン12に
は荷役補助ローラー13がそれぞれ回転自在に取り付け
支持され、ピン12の数個おきに(図6では5個おき
に)、荷役補助ローラー13の両側に荷役補助ローラー
13よりやや小径で幅狭の一対のリフト用ローラー14
が回転自在に取り付け支持されている。つまり、荷役補
助ローラー13の両側のリフト用ローラー14が取付枠
5側の受け部材6の傾斜面6aに載置されるように、ロ
ーラーフレーム7に荷役補助ローラー13及びリフト用
ローラー14を回転自在に装着したローラー機構8が取
付枠5内に収納されている。
【0006】前記駆動手段9は、図6に示すように、取
付枠5の底面に固定されているシリンダボックス21内
に設けられた駆動シリンダ(油圧シリンダ)22及び回
動アーム23を具備している。前記駆動シリンダ22
は、先端側の伸縮自在のロッド22aが斜め上方に突出
可能な如く、後端側(本体側)がシリンダボックス21
内側に固定され、外部の油圧駆動源(図示省略)に接続
されている。
【0007】前記回動アーム23は、上端側の丸棒状当
接部27の両側に一対のアーム部28が一体に連結され
たものであり、アーム部28の下端側がシリンダボック
ス21に固定された支持軸29に回転自在に取り付けら
れている。そして、丸棒状当接部27は前記駆動シリン
ダ22のロッド22aの伸縮に伴い支持軸29を回動中
心として移動できるようになっている。
【0008】平行フレーム10同士を連結一体化したブ
ラケット11の背面には側断面が略L字状の当接部受け
部材15が固着され、当接部受け部材15と駆動シリン
ダ22のロッド22a先端とが対向し、両者間に回動ア
ーム23上端の丸棒状当接部27が挟まれる如く当接し
ている。この回動アーム23は駆動シリンダ22のロッ
ド22aの伸縮に伴い支持軸29を中心に回転し、丸棒
状当接部27前側に当接している当接部受け部材15を
介してブラケット11を押したり戻したりすることで、
ローラー機構8を昇降駆動することができる。
【0009】ここで、この従来の車両の荷役補助装置の
動作説明を行う。
【0010】荷役作業時以外の通常の車両走行時等、荷
役補助装置を使用しないときは、図6に図示の状態で、
駆動シリンダ22を作動させずにロッド22aが収縮し
た状態にあり、ローラー機構8は、自重によりリフト用
ローラー14がリフト用ローラー受け部材6の傾斜面6
a下側に当接する如く下降位置まで下がり、図5の荷台
床面3Aより荷役補助ローラー13が引っ込んだ状態で
取付枠5内に収納されている。
【0011】今、図6の状態から駆動シリンダ22を作
動させてロッド22aを伸長させると、該ロッド22a
先端が丸棒状当接部27を押して回動アーム23を矢印
X方向に回転させる。これに伴い、丸棒状当接部27は
当接している当接部受け部材15を滑りながらブラケッ
ト11を押し、ブラケット11に横向き(図6の右向
き、荷台の後方向き)の力が加えられる。この結果、ロ
ーラー機構8の複数箇所に設けられたリフト用ローラー
14が対応するリフト用ローラー受け部材6の傾斜面6
aを登り、ローラー機構8は矢印Y方向に移動され、取
付枠5内より押し上げられて荷役補助ローラー13の上
部が荷台床面3Aより突出した状態となる。従って、こ
のとき、パレットに載置された貨物をローラー機構8上
に載置することにより、貨物は荷役補助ローラー13に
よって前後方向に容易に水平移動させることができる。
従って、荷台床面上での荷役作業を簡略化かつ省力化す
ることができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の車
両の荷役補助装置は、貨物自動車の荷台に対するパレッ
トを用いた貨物の搬入、搬出の効率化に有用であるが、
傾斜地等での荷役の場合、荷台が傾斜してしまうと、ロ
ーラー機構上のパレットが荷台後方に逆走して遂には荷
台から転落する事故が発生する危険性がでてくる。
【0013】本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、
荷台床面からローラー機構が突出しているときのパレッ
トの荷台傾斜に起因する逆走、転落事故を防止可能な車
両の荷役補助装置におけるパレットストッパ機構を提供
することにある。
【0014】本発明の第2の目的は、パレットの逆走を
緩やかに停止させることでパレット落下阻止時における
パレット上の貨物の転倒事故を防止可能な車両の荷役補
助装置におけるパレットストッパ機構を提供することに
ある。
【0015】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述
の実施の形態において明らかにする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、車両の荷台床部の凹部に取付枠を固着
し、ローラーフレームに多数の荷役補助ローラーを回転
自在に装着してなるローラー機構を該取付枠内に昇降自
在に設け、駆動手段で前記ローラー機構を昇降駆動する
車両の荷役補助装置において、前記ローラーフレームの
前記荷台の後部積降ろし側に位置する部分に傾動自在な
パレットストッパ部材の基端部を枢着し、該パレットス
トッパ部材の昇降端部にリンク部材を枢着し、前記取付
枠の後端部に前記リンク部材の下端部が係合自在な係合
部を有する係合部材を固着した構成を備え、前記ローラ
ーフレームが前記取付枠の後方側に移動しながら上昇す
るのに伴い前記係合部材に係合状態の前記リンク部材に
よって前記パレットストッパ部材の昇降端部が前記荷役
補助ローラーよりも高くなるように上昇することを特徴
としている。
【0017】前記パレットストッパ機構において、前記
リンク部材に係合設定、係合解除のためのつまみを取り
付けるとよい。
【0018】前記パレットストッパ部材は前記昇降端部
の上昇状態において後方に向かって高くなる緩斜面を形
成するとよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る車両の荷役補
助装置におけるパレットストッパ機構の実施の形態を図
面に従って説明する。
【0020】図1乃至図4において、ローラーフレーム
7に多数の荷役補助ローラー13を取り付けてローラー
機構8が構成されており、そのローラーフレーム7の荷
台の後部積み降ろし側に位置する部分に、パレットスト
ッパ部材30の基端部が枢着されている。すなわち、パ
レットストッパ部材30は傾斜したストッパ面をなす、
ストッパ板31の基部両側に取付アーム32を固着一体
化したもので、取付アーム32にて最後尾の荷役補助ロ
ーラ13を取り付けたピン12に回転自在に設けられて
いる。ストッパ板31の昇降端部下側には、リンク取付
ブラケット33が固着され、このブラケット33によ
り、リンク部材34(アーム部材)がピン35を支点と
して回転自在に取り付けられている。
【0021】一方、ローラー機構8を昇降自在に収納し
た取付枠5の後端部に前記リンク部材34の下端部が係
合自在な係合部41を有する係合部材40がボルト5
0、ナット51で固定されており、その係合部材40の
係合部41に至るまでの当接面42は、リンク部材34
の下端部を円滑に係合部41に導くような緩やかな傾斜
面となっている。リンク部材34の下端部には、係合部
41への係合設定または係合解除のための操作つまみ3
6が取り付けられている。
【0022】なお、図1乃至図4において、ローラーフ
レーム7の最後尾のピン12にはリフト用ローラ14が
枢着され、取付枠5側の受け部材6の傾斜面6aを上る
ようになっている。なお、取付枠5に対し、ローラー機
構8を昇降させる機構部分は従来の図5及び図6に示し
た荷役補助装置と同様の構造でよい。
【0023】この実施の形態において、荷役補助装置の
不使用時、すなわちローラー機構8を荷台床面3Aよ
り、引っ込めた状態においては、図1実線のようにロー
ラーフレーム7は取付枠5に対して幾分前進状態にあ
り、パレットストッパ部材30に取り付けられたリンク
部材34の下端部は係合部材40の係合部41より幾分
手前の位置にある。従って、ストッパ板31の昇降端は
下降状態であり、ストッパ板31底部がリフト用ローラ
ー14を取り付けるピン12の上に当たった状態で支え
られ、ストッパ板31はローラーフレーム7と平行で、
荷役補助ローラー13の上面よりも下がった位置となっ
ている。この結果、荷役補助装置不使用時において、パ
レットストッパ機構が貨物の配置の妨げになったりする
ことがない。
【0024】今、図6の駆動シリンダー22を作動させ
て、ローラー機構8を荷台後方に移動させながらリフト
用ローラー14が、受け部材6の傾斜面6aを上昇する
ように駆動すれば、図1仮想線のようにローラーフレー
ム7及び荷役補助ローラー13は、車両床面3Aよりも
突出した高さとなる。これと同時にストッパ板31の昇
降端部に枢着されたリンク部材34が、取付枠側の係合
部材40の係合部41に係合して起き上がり、ストッパ
板31の昇降端側を上昇させる。この結果、ストッパ板
31は基端側から昇降端側に向かう途中位置において、
荷役補助ローラー13の上面よりも高くなるような緩斜
面となる。従って、貨物自動車の荷台後部が、傾斜地に
停止した等の理由で下がった状態となり、パレットが荷
台後部開口側に逆走してきても、ストッパ板31の傾斜
面により荷台からの脱落を阻止することが出来る。ま
た、ストッパ板31は傾斜角度45度未満の緩斜面であ
り、貨物を乗せたパレットの逆走を緩やかに停止させる
ことができるから、パレット上の貨物の荷崩れ、転倒を
引き起こすことがない。
【0025】パレットストッパ機構を使用しない場合に
は、図4仮想線の如く、係合部41への係合設定または
係合解除のための操作つまみ36を持ち上げて、リンク
部材34と係合部41との係合を外せばよい。これによ
り、ストッパ板31はローラーフレーム7と平行で、荷
役補助ローラー13の上面よりも下がった位置となり、
パレットストッパ機構が荷下ろしの妨げになったりする
ことがない。
【0026】なお、リンク部材34と係合部41との係
合を外した後、ローラー機構8を下げれば、リンク部材
34は係合部41の手前位置の当接面42に接した状態
となり、次にローラー機構8を上昇させるときにパレッ
トストッパ機構が有効となる状態にて待機する。
【0027】この実施の形態によれば、次の通りの効果
を得ることができる。
【0028】(1) ローラーフレーム7の荷台の後部積
降ろし側に位置する部分に傾動自在なパレットストッパ
部材30の基端部を枢着し、該パレットストッパ部材3
0の昇降端部にリンク部材34を枢着し、取付枠5の後
端部にリンク部材34の下端部が係合自在な係合部41
を有する係合部材40を固着した構成を備えているの
で、ローラーフレーム7が取付枠5の後方側に移動しな
がら上昇するのに伴い係合部材40に係合状態のリンク
部材34によりパレットストッパ部材30の昇降端部が
荷役補助ローラー13よりも高くなり、パレットの逆走
による荷台からの転落事故を確実に阻止することができ
る。
【0029】(2) リンク部材34に係合部41への係
合設定、係合解除のためのつまみ36を取り付けてお
り、パレットストッパ機構の使用、不使用の切り替えを
簡単に実行可能である。
【0030】(3) パレットストッパ部材30は昇降端
部の上昇状態において後方に向かって高くなる緩斜面を
形成するから、貨物を乗せたパレットの逆走を緩やかに
停止させることが可能で、パレット上の貨物の荷崩れ、
転倒を引き起こすことがない。
【0031】なお、ローラー機構の細部、ローラー機構
を昇降させる機構等は適宜変更可能である。
【0032】以上本発明の実施の形態について説明して
きたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記
載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当
業者には自明であろう。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
の荷役補助装置におけるパレットストッパ機構によれ
ば、荷台床面からローラー機構が突出しているときのパ
レットの荷台傾斜に起因する逆走、転落事故を簡単な機
構で確実に防止可能である。
【0034】また、パレットの逆走を緩やかに停止させ
ることが可能で、パレット落下阻止時におけるパレット
上の貨物の転倒、荷崩れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両の荷役補助装置におけるパレ
ットストッパ機構の実施の形態を示す側断面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】同じく荷台後方よりみた正断面図である。
【図4】実施の形態において、パレットストッパ機構を
解除したときを仮想線で示す側断面図である。
【図5】貨物自動車の荷台床部に従来の車両の荷役補助
装置を設けた構成を示す(但し、荷台の屋根を除いた)
平面図である。
【図6】従来の車両の荷役補助装置のローラー機構を下
げた状態を示す要部側断面図である。
【符号の説明】
1 貨物自動車 2 荷台 3 荷台床部 4 凹部 5 取付枠 6 リフト用ローラー受け部材 7 ローラーフレーム 8 ローラー機構 9 駆動手段 10 平行フレーム 11 ブラケット 12 ピン 13 荷役補助ローラー 14 リフト用ローラー 15 当接部受け部材 21 シリンダボックス 22 駆動シリンダ 23 回動アーム 27 丸棒状当接部 30 パレットストッパ部材 31 ストッパ板 34 リンク部材(アーム部材) 36 操作つまみ 40 係合部材 41 係合部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の荷台床部の凹部に取付枠を固着
    し、ローラーフレームに多数の荷役補助ローラーを回転
    自在に装着してなるローラー機構を該取付枠内に昇降自
    在に設け、駆動手段で前記ローラー機構を昇降駆動する
    車両の荷役補助装置において、 前記ローラーフレームの前記荷台の後部積降ろし側に位
    置する部分に傾動自在なパレットストッパ部材の基端部
    を枢着し、該パレットストッパ部材の昇降端部にリンク
    部材を枢着し、前記取付枠の後端部に前記リンク部材の
    下端部が係合自在な係合部を有する係合部材を固着した
    構成を備え、 前記ローラーフレームが前記取付枠の後方側に移動しな
    がら上昇するのに伴い前記係合部材に係合状態の前記リ
    ンク部材により前記パレットストッパ部材の昇降端部が
    前記荷役補助ローラーよりも高くなるように上昇するこ
    とを特徴とする車両の荷役補助装置におけるパレットス
    トッパ機構。
  2. 【請求項2】 前記リンク部材に係合設定、係合解除の
    ためのつまみを取り付けてなる請求項1記載の車両の荷
    役補助装置におけるパレットストッパ機構。
  3. 【請求項3】 前記パレットストッパ部材は前記昇降端
    部の上昇状態において後方に向かって高くなる緩斜面を
    形成する請求項1又は2記載の車両の荷役補助装置にお
    けるパレットストッパ機構。
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