JP2989347B2 - 青果物鮮度保持装置及び貯蔵室簡易設置型青果物鮮度保持ユニット - Google Patents

青果物鮮度保持装置及び貯蔵室簡易設置型青果物鮮度保持ユニット

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜、果物などの青果
物を家庭用冷蔵庫などの青果物専用貯蔵室において長期
間の貯蔵を可能とする青果物鮮度保持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭において青果物を貯蔵する方法とし
ては、冷蔵庫による貯蔵が一般的である。これは、比較
的密閉度の高い貯蔵室内に乾燥した冷気を直接吹き込ま
ないで周囲からの間接冷却により庫内温度を約5℃に保
つと共に庫内の青果物からの水分の蒸散により保湿する
もである。
【0003】青果物は収穫されると酸素を吸って炭酸ガ
スを放出する呼吸作用を開始して生命を維持している。
このとき、呼吸作用にともなう代謝産物としてエチレン
ガスを生成する。このエチレンガスは成熟ホルモンで青
果物の追熟、老化を促進するため、品質低下を招き、貯
蔵期間を短縮させてしまう。エチレンガス生成量は青果
物の種類によって異なり、また、エチレンガスによる老
化作用も青果物の種類によって被り易いものとそうでな
いものがある。したがって、エチレンガス生成量が少な
く、エチレンガスの影響を受けにくい青果物だけを貯蔵
する場合は問題ないが、エチレンガス生成量の多い青果
物と他の青果物を一緒に貯蔵する場合には、アレロパシ
ー(他感作用)が重要な問題となり、エチレンガスの影
響を受け易い青果物の鮮度低下を促進するだけでなく、
本来あまりエチレンガスを放出しない青果物でも傷がつ
いたりするとエチレンガスを放出し、周囲の新鮮な青果
物の追熟、退色、老化、軟化を促進させる。したがっ
て、青果物を保存する時に排出されるエチレンガスを除
去することが青果物の鮮度保持において重要である。た
とえば、特開平1−252244号には、光触媒を光照
射によって励起させてエチレン分解させる鮮度保持方法
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】家庭用青果物貯蔵装置
においては能動的にエチレンガスを除去する対策は取ら
れておらず、個々の青果物をラッピングしてエチレンガ
スの外部への放出を防ぐか、自然拡散・減衰によるエチ
レンガス濃度低下に期待するしかなかった。また、特開
平1−252244号の方法は分解速度が遅く実用的で
ない。これらの問題点に鑑み、本発明の目的は、従来の
方法以外の方法で青果物から発生するエチレンガスを分
解除去し、エチレンガスの影響をまったく受けることが
ない青果物鮮度保持装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の青果物鮮度保持
装置は、上記課題を解決するために、請求項1記載の発
明は、塩化パラジウムを担体の表面に担持してなる第一
種触媒と金属酸化物からなる第二種触媒とを混合してな
る通気性のあるエチレン分解触媒のユニットを、青果物
保鮮室の上部に備えてなることを特徴とする青果物鮮度
保持装置である請求項2記載の発明は、青果物保鮮室
の上部に、塩化パラジウムを担体の表面に担持してなる
第一種触媒と塩化第二銅を担体の表面に担持してなる第
二種触媒とを混合してなるエチレン分解触媒の下側を多
孔質板、上側を伝熱板によって挟んだ触媒ユニットと、
該触媒ユニットの下部に酸化チタンを担体の表面に担持
した光触媒と、該触媒ユニットと光触媒の空間部に、該
光触媒に紫外線を照射する紫外線ランプとを配設し、更
に、該伝熱板の上面に紫外線ランプの蛍光灯安定器を備
えてなることを特徴とする青果物鮮度保持装置である。
請求項3記載の発明は、塩化パラジウムを担体の表面に
担持してなる第一種触媒と塩化第二銅を担体の表面に担
持してなる第二種触媒とを混合してなるエチレン分解触
媒を多孔質板で挟んだ触媒ユニットと、酸化チタンを担
体の表面に担持した光触媒と、前記触媒ユニットと光触
媒の空間部に配設した光触媒を照射する紫外線ランプ
と、エチレンを含む空気を該エチレン分解触媒に送る送
風機とを備えてなることを特徴とする青果物鮮度保持装
である。
【0006】また、請求項2記載の発明は、酸化チタン
を担体の表面に担持した光触媒と、該光触媒に紫外線を
照射する紫外線ランプとを備えてなる。さらに、請求項
3記載の発明は、上記紫外線ランプの蛍光灯安定器から
発生する熱を、上記エチレン分解触媒に伝導する伝熱板
を備え、該蛍光灯安定器の熱により該エチレン分解触媒
を加熱する
【0007】本発明の青果物鮮度保持装置に用いるエチ
レン分解触媒は、粒状活性炭の表面に塩化パラジウムを
担持した第1種触媒と粒状活性炭の表面に塩化第二銅を
担持した第2種触媒とを混合したものであり、その混合
重量比は、1:50〜1:100の範囲である。エチレ
ン分解触媒の使用量は青果物保鮮室の容積、青果物の種
類によって異なるが通常容積10〜30リットルに対し
て30〜300gである。本発明の装置に用いる触媒ユ
ニットは、片面または両面を多孔質板として中間を該触
媒層としたサンドイッチ状平板のユニットであり、青果
物保鮮室の内壁に配設するが、天井部に設置するのが好
ましい。
【0008】この触媒ユニットに更に送風機、吸湿フィ
ルター、および吸水タンクを付設し、後述するエチレン
分解に必要な水分を強制的にエチレン分解触媒に供給す
ることができる。(実施例3参照)
【0009】本発明の第二の青果物鮮度保持装置に用い
る光触媒は、活性炭担体の表面に酸化チタンを担持した
ものであるが、青果物保鮮室内のガスが流通しやすい形
状がよい。たとえば、ハニカム状活性炭担体の表面に酸
化チタンを担持したものが好ましい。ハニカムのセル数
は100〜400セル/in2 が好ましい。
【0010】本発明の第二の装置に用いる紫外線ランプ
は、特に限定しないが併設する反射板と共に光触媒に集
光する形状であればよく、通常4〜10ワットのものを
用いる。また、紫外線ランプの蛍光灯安定器をエチレン
分解触媒に伝熱板を介して接触させ、蛍光灯安定器の放
熱によりエチレン分解触媒を加熱することにより、さら
に効果的なエチレン分解を行う装置を示すことができる
(実施例4参照)。また、水分を強制的に供給し、か
つ、光触媒を紫外線と照射する装置(実施例6参照)を
示すことができる。
【0011】
【作用】本発明の青果物鮮度保持装置において、青果物
から生成したエチレンガスを含んだ空気は、まず、青果
物からの蒸散による水分とエチレン分解触媒により主に
下記反応式(1) 〜(4) に示すようなワッカー反応により
アセトアルデヒドを主とする分解生成物に急速に分解す
る。このときアセトアルデヒド分子に取り込まれる酸素
は水分から供給されるため、アセトアルデヒドは水分に
溶解した状態で生成し、エチレン分解触媒の表面に付着
する。付着したアセトアルデヒドは沸点が低いため、蛍
光灯安定器の放熱による加熱により急速に蒸発してガス
化する。こうして生成されるアセトアルデヒドを主とす
るあらゆる分解生成成分は、いったん、光触媒に吸着さ
れた後、紫外線ランプの照射によって励起されて例えば
(5)式の反応によるCO2 に分解する。 C2 4 +PdCl2 →Pd(C2 4 )Cl2 (1) Pd(C2 4 )Cl2 +H2 O→CH3 CHO+2HCl+Pd0 (2) Pd0 +2CuCl2 →PdCl2 +2CuCl (3) 2CuCl+2HCl+ 1/2O2 →2CuCl2 +H2 O (4) CH3 CHO+ 5/2O2 →2CO2 +2H2 O (5)
【0012】
【実施例】
(実施例1)図1に基づいて説明すれば以下のとおりで
ある。図1の(a) は青果物鮮度保持装置の全体図であ
り、密閉度が高く周囲全体を断熱材7でとりかこんだ青
果物保鮮室6の天井部に図のように間隙をおいて触媒ユ
ニット5を取り付けたものである。図1の(b) はその触
媒ユニット5の詳細図であり、粒状活性炭の表面に塩化
パラジウムを担持した第1種触媒1と粒状活性炭の表面
に塩化第二銅を担持した第2種触媒2とを重量比で1対
100に混合してなるエチレン分解触媒3を通気性に優
れた多孔質樹脂板4によって上下方向から囲んで平板状
のユニットにしたものである。
【0013】青果物保鮮室6の中に置かれた青果物20
からは、エチレンガス及び水分が蒸発する。青果物から
の水分の蒸発により保鮮室6内の相対湿度は85%以上
に加湿される。また触媒ユニット5の中のエチレン分解
触媒3も多孔質樹脂板4を介する水分の拡散によって加
湿される。しかし、保鮮室6の内壁は、外周が断熱材7
で覆われているために外気温度の変化に対する温度変化
が極めて小さく、結露せず、保鮮室の底に水分が溜るこ
とがない。また、青果物の表面に結露がないため呼吸を
妨げられることがなく腐敗は抑制される。
【0014】また、同時に、青果物から生成されるエチ
レンガスも触媒ユニット5のエチレン分解触媒3に拡散
してゆく、エチレン分解触媒3に達したエチレンガス
は、適度な水分とエチレン分解触媒3の中の第1種触媒
1によって(1)式および(2) 式の反応が進行しアセトア
ルデヒドの異性体に変化し第1種触媒1の塩化パラジウ
ムは還元されて金属パラジウムとなり、塩化パラジウム
は消費される。しかし第2種触媒2の塩化第二銅と酸素
により(3) 式及び(4) 式の酸化反応が進行し塩化パラジ
ウムが再生される。こうしてエチレンをアセトアルデヒ
ドに分解する反応を繰り返し、見かけ上つぎの(6) 式の
反応が進行する。 C2 4 + 1/2O2 →CH3 CHO (6) こうしてエチレンガスはアセトアルデヒドを主とする異
性体に分解されて、青果物のエチレンによる老化は促進
することなく、青果物の保存期間を延ばすことができ
る。
【0015】(実施例2)実施例1の青果物鮮度保持装
置の触媒ユニットのエチレン分解触媒の量を55g、青
果物保鮮室6の容積を12リットル、相対湿度85〜9
0%、温度25℃、エチレン濃度2000ppm としてエ
チレン分解性能を調べた。その結果を図2に示す。
【0016】(実施例3)図3に示す青果物鮮度保持装
置は、触媒ユニット5に更に送風機8、吸湿フィルター
10、および吸水タンク9を備えたものである。エチレ
ン分解に必要な水分を青果物からの蒸発に頼らないで、
吸水タンク9により吸湿された吸湿フィルター10に送
風機8で送風することにより、触媒ユニット5を強制加
湿する。また、これを常温で使用する場合には家庭の床
下に設置して床下を保鮮室として、あるいは冷凍サイク
ルと組み合わせて冷蔵保鮮室として使用することも可能
である。
【0017】(実施例4)図4および図5に基づいて説
明すれば以下のとおりである。図4は青果物鮮度保持装
置の全体図であり、この装置は青果物貯蔵室6′の周囲
を断熱材7によってとりかこみ、エチレン分解ユニット
17を天井部に配設したものである。図5はそのエチレ
ン分解ユニット17の詳細図であり、このエチレン分解
ユニット17は最上部にエチレン分解触媒3を含む触媒
ユニット5′を、下部に光触媒14を配設し、それらの
間の空間部に上部反射板16を付設した紫外線ランプ1
5を配設し、光触媒14の下面側に隙間をあけて下部反
射板13が設置したものである。エチレン分解触媒3は
通気性に優れた多孔質樹脂板4によって下方向から、ア
ルミニウムなどの熱伝導率に優れた伝熱板12で上方向
から挟まれ平板状の触媒ユニット5′を形成する。
【0018】このエチレン分解触媒3は、粒状活性炭の
表面に塩化パラジウムを担持した第1種触媒1と、粒状
活性炭の表面に塩化第二銅を担持した第2種触媒2とを
重合比で1対100に混合したものである。光触媒14
は、ハニカム状活性炭担体の表面にTiO2 などを担持
したものであり、青果物貯蔵室6′とエチレン分解ユニ
ット17との境にあるガスの出入口に位置する。上部反
射板16は、紫外線ランプ15からの光を反射して光触
媒14へ集光するように設置する。下部反射板13は、
紫外線が青果物20を照射しないように配設する。ま
た、紫外線ランプの安定器11は前記伝熱板12の上部
に取り付けられる。
【0019】青果物貯蔵室6’の中に置かれた青果物2
0からは、エチレンガス及び水分が蒸発する。青果物か
らの水分の蒸発により貯蔵室6’内を相対湿度85%以
上に加湿される。エチレン分解触媒3も多孔質樹脂板4
を介する水分の拡散によって加湿される。しかし、外周
が断熱材7で覆われているために外気温度の変化に対す
る温度変化が極めて小さく、貯蔵室6’の内壁は結露せ
ず、貯蔵室6’の底に水分が溜ることがない。また、青
果物の表面が結露しないため呼吸を妨げることがなく腐
敗は抑制される。また、同時に青果物から生成するエチ
レンガスは空気よりも比重が軽いために次第に上昇し、
エチレン分解ユニット17の光触媒14を通ってエチレ
ン分解ユニット内に拡散してゆく。このとき、エチレン
ガスの一部は光触媒14に吸着し、紫外線照射により分
解してCO2 となるがこの反応速度は極めて遅いため、
エチレンガスの大部分が分解されることなく光蝕媒14
を通過し、さらにその上部の多孔質樹脂板4を通過し、
エチレン分解触媒3に拡散して行く。エレチン分解触媒
3に達したエチレンガスは、適度な水分とエチレン分解
触媒3の中の第1種触媒1によって(1)式および(2)式
の反応が進みアセトアルデヒドを主とする分解生成物
変化する。このとき、第1種触媒1の塩化パラジウムは
還元されて金属パラジウムとなり、塩化パラジウムは消
費される。しかし第2種触媒2の塩化第二銅と酸素によ
り(3)式及び(4)式の酸化反応が進み塩化パラジウムが
再生される。
【0020】こうして、エチレンをアセトアルデヒドに
分解する反応を繰り返し、見かけ上(6) 式の反応が進行
する。 C2 4 +1/2 O2 →CH3 CHO (6) このとき反応に費やされる酸素は、水分の中の酸素分子
が費やされるため、(6)式で生成するアセトアルデヒド
は水分に溶解した形で生成し、沸点の低いアセトアルデ
ヒドは徐々に貯蔵室内に蒸散してゆくが、このままであ
るとアセトアルデヒドの多くはエチレン分解触媒3の表
面に付着したままとなり、エチレン分解性能が低下して
しまう。また、エチレン分解触媒3でエチレンガスを分
解して生成するアセトアルデヒドを主とする分解生成成
分はまだ青果物に対して悪影響を及ぼすガス成分とされ
ており、このようなガスを貯蔵室6′内に拡散すること
は好ましくない。
【0021】そのために、まず前記紫外線ランプの安定
器11の放熱を伝熱板12を介してエチレン分解触媒3
に伝熱させて加熱し、水分に溶解したアセトアルデヒド
などの蒸散を促進させてエチレン分解触媒3の分解性能
の低下を防止する。次に、こうして生成されるガス状ア
セトアルデヒドなどは空気よりも比重が重いためにエチ
レン分解ユニット17の中を降下し、そのほとんどが光
触媒14の主に上面付近で容易に吸着され、光触媒14
の下部の貯蔵室6′へは拡散しない。次に、光触媒14
は紫外線ランプ15による紫外線の連続照射または間欠
照射によって励起され、吸着したアセトアルデヒドなど
は(5) 式の反応により容易にCO2 に分解される。
【0022】(実施例5)実施例4の青果物の鮮度保持
装置において、エチレン分解触媒3の量を55g、光触
媒は幅100mm×奥行100mm×厚み20mm、200セ
ル/in2 のハニカム活性炭担体にTiO2 を担持した
ものであり、紫外線ランプ15は4W、貯蔵室の容積2
5リットル、相対湿度90〜95%、温度27〜28
℃、エチレン濃度1400ppm としてエチレン分解性能
を調べた。その結果を図6に示す。図6の●はエチレン
ガス、○はCO2 、△はアセトアルデヒドを示す。
【0023】(実施例6)図7は貯蔵室簡易設置型の青
果物鮮度保持ユニットの例を示す。この例において、3
はエチレン分解触媒、10は多孔質樹脂板による吸湿フ
ィルター、14は光触媒、15は紫外線ランプ、16は
反射板、11は蛍光灯安定器、12は熱伝導率に優れた
材質のパンチングメタルによる伝熱板、8は送風機、1
8は紫外線透過窓、19は本体キャビネット、9は吸水
タンクである。
【0024】このような構成の青果物鮮度保持ユニット
は、青果物と共に貯蔵室内に設置して使用する。すなわ
ち、青果物から生成されるエチレンガスを含んだ空気は
送風機8によって本体キャビネット19の中に送られ、
吸水タンク9の水分を吸水している吸湿フィルター10
によって加湿され、エレチン分解触媒3に達する。ここ
で前記実施例4と同様にエチレンガスのすべてがアセト
アルデヒドなどに分解される。このとき紫外線ランプ1
5の安定器11の放熱を伝熱板12によって回収され、
エチレン分解触媒3を加熱しているため、アセトアルデ
ヒドの蒸散を促進する。ガス化したアセトアルデヒドは
光触媒14に一旦吸着された後、紫外線ランプ15の紫
外線照射によって光触媒14が励起されてCO2に分解
し、貯蔵室内へ排出される。また、紫外線ランプからの
紫外線の一部は紫外線透過窓18を通って吸水タンク9
の中の水に照射されるため、加湿用の水が殺菌されて衛
生的である。こうしてエチレンガスは装置内でCO2
分解され、同時に加湿されて貯蔵室内の青果物の鮮度を
保持する。この実施例において吸水タンク9はなくても
良く、エチレン分解に必要な水分は青果物からの蒸散に
よる水分に依存してもよい。このユニットを常温で使用
する場合には家庭の床下に設置して床下貯蔵室として、
あるいは冷凍サイクルと組み合わせて冷蔵貯蔵室として
使用することも可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明の青果物鮮度保持装置は、上記の
ように構成するものであり、請求項1記載の発明は、
化パラジウムを単独で用いる場合より、エチレンガスの
分解を促進することができる。従って、青果物の追熟、
褪色、老化、軟化を阻止でき、鮮度保持期間が延びる。
それ故、例えばエチレン生成量の大きな青果物とそうで
ない青果物をラッピングすることなく同一の貯蔵庫で貯
蔵することもできる。請求項2記載の発明は、エチレン
ガスをほとんどCO2に分解することにより、アセトア
ルデヒドによる刺激臭の発生を防止できる。請求項3記
載の発明は、紫外線ランプの蛍光灯安定器から発生する
熱を、伝熱板に伝達してエチレン分解触媒を加熱するた
め、加熱されたエチレン分解触媒ぶより効果的なエチレ
ン分解を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の青果物鮮度保持装置の断面図で
ある。(b)はその装置に設置する触媒ユニットの断面図
である。
【図2】触媒ユニットのエチレン分解性能を示す図であ
る。
【図3】強制加湿ユニットを付設した触媒ユニットを有
する本発明の青果物鮮度保持装置の断面図である。
【図4】本発明の青果物鮮度保持装置の断面図である。
【図5】図4の青果物鮮度保持装置に設置するエチレン
分解ユニットの断面図である。
【図6】エチレン分解ユニットの性能を示す図である。
【図7】貯蔵室簡易設置型の青果物鮮度保持ユニット。
【符号の説明】
1 第1種触媒 2 第2種触媒 3 エチレン分解触媒 4 多孔質樹脂板 5 触媒ユニット 5′ 触媒ユニット 6 青果物保鮮室 6′ 青果物貯蔵室 7 断熱材 8 送風機 9 吸水タンク 10 保湿フィルター 11 蛍光灯安定器 12 伝熱板 13 下部反射板 14 光触媒 15 紫外線ランプ 16 上部反射板 17 エチレン分解ユニット 18 紫外線透過窓 19 本体キャビネット 20 青果物 UV 紫外線

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化パラジウムを担体の表面に担持して
    なる第一種触媒と金属酸化物からなる第二種触媒とを混
    合してなる通気性のあるエチレン分解触媒のユニット
    を、青果物保鮮室の上部に備えてなることを特徴とする
    青果物鮮度保持装置。
  2. 【請求項2】 青果物保鮮室の上部に、塩化パラジウム
    を担体の表面に担持してなる第一種触媒と塩化第二銅を
    担体の表面に担持してなる第二種触媒とを混合してなる
    エチレン分解触媒の下側を多孔質板、上側を伝熱板によ
    って挟んだ触媒ユニットと、該触媒ユニットの下部に酸
    化チタンを担体の表面に担持した光触媒と、該触媒ユニ
    ットと光触媒の空間部に、該光触媒に紫外線を照射する
    紫外線ランプとを配設し、更に、該伝熱板の上面に紫外
    線ランプの蛍光灯安定器を備えてなることを特徴とする
    青果物鮮度保持装置。
  3. 【請求項3】 塩化パラジウムを担体の表面に担持して
    なる第一種触媒と塩化第二銅を担体の表面に担持してな
    る第二種触媒とを混合してなるエチレン分解触媒を多孔
    質板で挟んだ触媒ユニットと、酸化チタンを担体の表面
    に担持した光触媒と、前記触媒ユニットと光触媒の空間
    部に配設した光触媒を照射する紫外線ランプと、エチレ
    ンを含む空気を該エチレン分解触媒に送る送風機とを備
    えてなることを特徴とする青果物鮮度保持装置。
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