JP2986173B2 - N―アセチルキトオリゴ糖鎖を有するスチレン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

N―アセチルキトオリゴ糖鎖を有するスチレン誘導体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は主に生医学用材料、特に細胞培養用材料とし
て使用されるスチレン誘導体、ポリスチレン誘導体、お
よびそれらの製造方法に関する。
細胞培養技術の進歩により、細胞の増殖、分化、老
化、ガン化などの仕組みの研究が進むとともに、ワクチ
ン、ホルモン、インターフェロン等の生理活性物質の生
産が容易になってきている。また、肝細胞、血管壁細
胞、皮膚繊維芽細胞等の各種細胞の培養研究から、人工
肝臓、人工血管、人工皮膚といったバイオ型人工臓器へ
の応用も期待されている。細胞のもつ多岐にわたる機能
を生体外で長期的に発現させるために、細胞培養するこ
との意義は大きい。
一例として肝細胞を例に挙げる。肝臓は脊椎動物にお
いては体内最大の腺性器官であり、物質代謝とその調節
の大部分が行われる代謝中枢部である。肝細胞は本来、
数年に及ぶ長い寿命と、肝臓の一部を切除したときには
活発に増殖するように潜在的な増殖能とをもっている。
しかし、生体外で細胞培養を行うと寿命が短くなり、増
殖能をほとんど示さず、代謝活性も急速に失われる。細
胞を培養するためには細胞が接着するための固体表面が
必要である。肝細胞は、通常用いられる表面処理を施し
たガラスやポリスチレン製の培養皿には接着しにくいの
で、機能を保持したまま接着、増殖できる生医学材料の
開発が望まれている。
[従来の技術] 近年、細胞培養や細胞膜情報伝達機構等の分子レベル
での理解が進むにつれて、糖タンパク質や糖脂質として
細胞膜表面に存在する糖鎖が細胞の認識機能に重要な役
割を演じていることが明らかになってきた。
本発明者らは既に、グルコース、マルトース、ラクト
ース、マルトトリオース等の単糖やオリゴ糖を側鎖にも
つポリスチレンを合成し、これらを塗布した培養皿の上
でラット肝細胞の接着実験を行った。その結果、これら
の重合体、中でも特にラクトースを側鎖にもつポリスチ
レンは、血清の有無にかかわらず、肝細胞の接着能を飛
躍的に増大させることがわかり、ハイブリッド型生医学
材料として優れた特性をもつことが明らかになっている
(高分子論文集、Vol.42,No.11,pp719−724(198
5))。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、これらの単糖やオリゴ糖を側鎖にもつ
ポリスチレンは優れた細胞認識機能をもつが故に、特定
の細胞、例えば肝細胞等のいくつかの細胞には良好な接
着、増殖能を発現するが、その他の細胞には接着、増殖
能を示さない。従って、生医学材料として幅広い用途展
開をはかるためには、さらに別の細胞に対する接着、増
殖能をもった種々の生医学材料の提供が望まれている。
本発明は、新規な生医学材料、特に細胞の認識機能や
接着機能を有することが期待される新規な生医学材料お
よびその製造方法を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記課題につき鋭意検討を重ねた結果、
N−アセチルキトオリゴ糖の誘導体とビニルベンジルア
ミン又はその誘導体との反応により新規なスチレン誘導
体を得ることができ、更にそのスチレン誘導体の重合に
より新規な重合体が得られることを見出し本発明に到達
した。
すなわち本発明は、N−アセチルキトオリゴ糖鎖を有
するスチレン誘導体、N−アセチルキトオリゴ糖鎖を側
鎖に有するポリスチレン誘導体、およびそれらの製造方
法に関する。
本発明におけるN−アセチルキトオリゴ糖鎖とは、下
記の一般式(7)で表わされる連鎖を言う。
(式中、nは1〜数十、好ましくは1〜10の整数であ
る) N−アセチルキトオリゴ糖はキチンの加水分解生成物
である。構造式(8) (式中、nは1〜数十、好ましくは1〜10の整数であ
る) で表されるキチンは、アミノ基のアセチル化されたD−
グルコサミンがβ(1→4)結合したアミノ糖の一種
で、甲殻類、昆虫類、貝類および菌類の細胞壁等、下等
動物の外皮骨格組織の成分であり、セルロースに匹敵す
る生産量(1011トン/年)をもつと推定される生物資源
である。キチンは、このような資源としての豊富さに加
えて体内消化性や生体適合性に優れ、さらに傷口治癒効
果もあるため、医用材料として大きな可能性を秘めた多
糖でもある。
さらに、キチンを低分子化、あるいはオリゴ糖化する
ことにより抗菌性、生分解性、生理活性等が増加する。
また、キチンの構成単糖であるN−アセチルグルコサ
ミンは糖タンパク、糖脂質、プロテオグリカン、リボ多
糖やペプチドグリカン等の成分として普遍的に存在する
糖であり、生体認識や生理活性に深くかかわっている。
したがって、キチン類、あるいはN−アセチルキトオ
リゴ糖鎖をもつ化合物あるいはその重合体は新規な生医
学材料として有益である。
本発明にかかるN−アセチルキトオリゴ糖鎖を有する
スチレン誘導体の製造方法において、先駆物質であるN
−アセチルキトオリゴ糖は、キチンの部分加水分解によ
って得られる。その重合度は1から数十まで任意に選ば
れるが、反応性その他の見地から10量体までのものが好
ましい。
このN−アセチルキトオリゴ糖の1位のヒドロキシル
基を適当な酸化剤によって酸化することにより、一般式
(5) (式中、nは1〜数十、好ましくは1〜10の整数であ
る) で表されるN−アセチルキトオリゴ糖ラクトンが得られ
る。
N−アセチルキトオリゴ糖の酸化反応の際、酸化剤に
は公知のものが使用できるが、あまり強い酸化剤を用い
ると6位のヒドロキシメチル基が酸化されてしまうので
好ましくない。好ましくはヨウ素あるいは臭素が用いら
れる。また、溶媒には原料であるN−アセチルキトオリ
ゴ糖および酸化剤が溶けるものであれば何でも良いが、
好ましくは水、あるいは水/メタノール混合溶媒が用い
られる。
上記のN−アセチルキトオリゴ糖ラクトンを、ビニル
ベンジルアミン又はその誘導体と反応させることにより
本発明のN−アセチルキトオリゴ糖鎖を有するスチレン
誘導体を製造することができる。
N−アセチルキトオリゴ糖ラクトンとビニルベンジル
アミン又はその誘導体との反応の際には、溶媒としてメ
タノールが好ましく使用される。
上記のビニルベンジルアミン誘導体として、ビニル基
のα位及び/又はβ位に低級アルキル基等の置換基を有
するもの、ベンゼン環に低級アルキル基、低級アルコキ
シ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、脂環式基等の置
換基を有するもの等がある。
N−アセチルキトオリゴ糖ラクトンと反応させるビニ
ルベンジルアミン又はその誘導体は好ましくは一般式
(6) (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
子である) で表されるものである。
従って、本発明の好ましいN−アセチルキトオリゴ糖
鎖を有するスチレン誘導体は一般式(1) (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
子であり、nは1〜10の整数である) で表される。
使用するビニルベンジルアミン又はその誘導体は、p
(パラ)−体、m(メタ)−体、o(オルソ)−体のい
ずれでもよく、好ましくはp−体が用いられる。p−ビ
ニルベンジルアミンは例えば文献(Polymer Journal,Vo
l.15,667(1983))に示されているように、N−p−ビ
ニルベンジルフタリミドとヒドラジン水和物との反応に
より調製される。
本発明により得られるN−アセチルキトオリゴ糖鎖を
有するスチレン誘導体は新規であり、核磁気共鳴スペク
トルや赤外吸収スペクトル等によりその構造は確認され
る。スチレン部分とN−アセチルキトオリゴ糖鎖とは、
−CH2−NH−結合を介してつながっており、その結合様
式は、p−,m−,o−のいずれでもよい。たとえば、p−
ビニルベンジルアミンとnが1〜10の整数である一般式
(5)のN−アセチルキトオリゴ糖ラクトンとを反応さ
せると、一般式(2) (式中、nは1〜10の整数である) で表されるスチレン誘導体が得られる。このスチレン誘
導体は特に好ましいものである。
本発明にかかるN−アセチルキトオリゴ糖鎖を側鎖に
有するポリスチレン誘導体は、本発明により提供される
N−アセチルキトオリゴ糖鎖を有するスチレン誘導体の
重合によって得られる。
本発明にかかるN−アセチルキトオリゴ糖鎖を側鎖に
有するポリスチレン誘導体の製造方法においては本発明
により提供されるN−アセチルキトオリゴ糖鎖を有する
スチレン誘導体に加えて、他のビニル化合物、例えばス
チレン類を併用して共重合を行うこともできる。スチレ
ン類としては例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
p−ヒドロキシスチレン等が挙げられる。共重合を行な
う場合には、その共重合体が細胞に対する接着、増殖能
を示すことが必須であり、そのためには上記スチレン誘
導体5モル%以上、その他のビニル化合物95モル%以下
を用いる。
重合溶媒としては、モノマーであるN−アセチルキト
オリゴ糖鎖を有するスチレン誘導体やスチレン類を溶解
しうるものであれば良いが、好ましくは、水、ジメチル
スルホキシドが用いられる。
重合触媒には、スチレンの重合触媒として公知のもの
を使用できるが、好ましくはラジカル開始剤、例えば過
硫酸カリウム、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−
アゾビス(アミジノプロパン)塩酸塩等が使用される。
重合温度は、使用する触媒の種類、量等により適宜決
定されるが、0〜90℃付近が好ましい。
本発明の好ましいN−アセチルキトオリゴ糖鎖を側鎖
に有するポリスチレン誘導体は一般式(3) (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
子であり、nは1〜10の整数である) で表される単量体単位を2〜500個含むポリスチレン誘
導体である。
重合体を構成する単量体単位の数が500個を越える
と、水、その他の溶媒に対する該重合体の溶解性が低下
する傾向にある。
本発明の特に好ましいN−アセチルキトオリゴ糖を側
鎖に有するポリスチレン誘導体は一般式(4) (式中、nは1〜10の整数であり、mは2〜500の整数
である) で表されるポリスチレン誘導体である。
[実施例] 次に本発明の実施例を示してさらに具体的に説明す
る。なお、実施例中の物性値その他は以下のように測定
した。
赤外吸収スペクトル(IR) 臭化カリウム錠剤法にて測定した。
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR) 試料を、メタノールを約1%含む重水に溶解(濃度約
10%)して測定した。
旋光度 試料を水に溶解し(濃度、1g/100ml)、光源にはナト
リウムD線を用い、旋光度計で25℃にて測定した。
参考例1 N−アセチルキトオリゴ糖ラクトン{[O−β−2−
アセタミド−2−デオキシ−D−グルコピラノシル−
(1→4)]n-1−2−アセタミド−2−デオキシ−D
−グルコノラクトン、前記の一般式(5)、以後AGLと
略記}の合成。
N−アセチルキトオリゴ糖(3,4および5量体の混合
物、平均重合度3.3〜4.0)2.1gを水100mlに溶解し、そ
こへ0.1Nヨウ素水溶液75mlおよび0.1N水酸化カリウム水
溶液75mlをゆっくり滴下した。遊離のヨウ素の色が消え
るまでさらに0.1N水酸化カリウム水溶液を滴下した。反
応液を数mlになるまで濃縮した後、150mlのメタノール
中に注ぎ、撹拌した。生じた白色沈澱を遠心分離により
捕集し、真空乾燥した後、10mlの水に溶解した。炭酸銀
0.1g加えて撹拌し、生じた黒灰色の沈澱を除去した後、
アンバーライトIR−120をつめたカラムに通した。減圧
濃縮したあと、メタノールに溶解し、エタノールを加え
て乾固する操作を3回繰り返した。真空乾燥して黄白色
粉末状物質を得た。赤外吸収スペクトル(IR)測定およ
び核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトル測定により生成物
がAGLであることを確認した。
N−アセチルキトオリゴ糖からAGLへの転化はほぼ定
量的であった。
実施例1〜5 N−p−ビニルベンジル−[O−β−2−アセタミド
−2−デオキシ−D−グルコピラノシル−(1→4)]
n-1−2−アセタミド−2−デオキシ−D−グルコナミ
ド(前記の一般式(2)、以後VGNAと略記)の合成。
第1表に示すように、所定量のAGLを、メタノール、
ジメチルスルホキシドにて溶解した後、p−ビニルベン
ジルアミンのメタノール溶液を添加し、所定温度で所定
時間反応させた。反応液を濃縮した後、水に溶解してク
ロロホルムで数回洗浄した。水層の濃縮液をアセトン中
に投入し、生じた白色沈澱を分離回収した。乾燥して得
られた白色粉末をメタノールおよびアセトンで洗浄した
後、水に溶解してから凍結乾燥して黄白色粉末状のVGNA
を得た。
IR測定:3400cm-1(O−H伸縮)、2920cm-1(C−H
伸縮)、1640cm-1(アミドC=O伸縮)、1540cm-1(ア
ミドN−H変角)。
13C−NMR:174.6ppm(アセトアミド基のカルボニル炭
素)、172.1ppm(ビニルベンジルアミド基のカルボニル
炭素)、114.5〜137.5ppm(ベンゼン環およびビニル基
の炭素)、101.5ppm(キトオリゴ糖のβアノマー炭
素)、55〜80ppm(オリゴ糖残基炭素)、22.3ppm(アセ
トアミド基のメチル炭素)。
旋光度[α]:+0.2゜。
実施例6〜9 p−ビニルベンジルアミンの代わりにo−ビニルベン
ジルアミン、m−ビニルベンジルアミン、p−α−メチ
ルビニルベンジルアミン又はp−ビニル−m−メチルベ
ンジルアミンを用いた以外は実施例1と同様にしてスチ
レン誘導体を得た。収率はそれぞれ13%、21%、32%及
び28%であった。
実施例10〜14 第2表に示すように、所定量のVGNAおよび2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩(触媒)を重合
用試験管にとり、水に溶解させた。脱気コックを取り付
けて凍結脱気を3回行った後、試験管を熔封した。60℃
で所定時間重合させた後、管を開き、溶液をメタノール
中に注ぎ込んだ。析出した白色粉末を水に溶解してメタ
ノールに再沈澱させる操作を3回行った後、再び水に溶
解し、セルロースチューブに入れて3日間透析した。水
溶液を濃縮して凍結乾燥し、重合体を得た。
IR測定:3400cm-1(O−H伸縮)、2930cm-1(C−H
伸縮)、1640cm-1(アミドC=O伸縮)、1540cm-1(ア
ミドN−H変角)。
13C−NMR:174.4ppm(アセトアミド基のカルボニル炭
素)、172.0ppm(ビニルベンジルアミド基のカルボニル
炭素)、145.1,135.5,128.3ppm(ベンゼン環の炭素)、
101.1ppm(キトオリゴ糖のβアノマー炭素)、55〜80pp
m(オリゴ糖残基炭素)、41.6ppm(ポリスチレン鎖およ
びベンジル基のメチレン炭素)、22.3ppm(アセトアミ
ド基のメチル炭素)。
実施例15 実施例8で得た、即ちp−α−メチルビニルベンジル
アミンを用いて得たスチレン誘導体を出発モノマーとし
て用いた以外は実施例10と同様にして2時間重合を行な
った。得られたポリマーの収率は12%であった。
実施例16 実施例14で得たVGNA重合体(PVGNA)を蒸留水に溶解
し(1%)、4日間室温で磁気撹拌した。Milliporフィ
ルターで濾過した後、その1mlを培養皿(ポリスチレン
製、φ100mm)に注入し、室温で10分間静置して重合体
を培養皿に吸着させた。上澄み液を除き、1mlのリン酸
緩衝液で3回すすいで、重合体の塗布された培養皿を得
た。
この培養皿に、5%のFCSを含むDME培地10mlを加え、
次に培養皿1個当たり500個の細胞になるようにマウスC
127細胞を播種した。5%炭酸ガス培養装置内で静置
し、37℃にて2週間培養を行った後培養皿上で生育した
細胞(コロニー)をクリスタルバイオレットで染色し、
細胞の生育状況およびコロニー数を確認した。その結果
を第3表に示す。
N−アセチルキトオリゴ糖を側鎖にもつポリスチレン
を塗布した培養皿は、良好なマウスC127細胞の接着・増
殖能を有している。
比較例1〜4 比較として、ラクトース、メリビオース、マルトース
をそれぞれ側鎖にもつポリスチレン(それぞれ、PVLA、
PVMeA、PVMAと略記)を培養皿に塗布したもの(それぞ
れ比較例1、2、3)および何も塗布しない市販のポリ
スチレン製培養皿(Falcon1001、一般細菌用)(比較例
4)を用いて、実施例16と同様に細胞付着実験を行っ
た。その結果を第3表に示す。
[発明の効果] 本発明により、新規な生医学材料であるN−アセチル
キトオリゴ糖鎖を有するスチレン誘導体、N−アセチル
キトオリゴ糖を側鎖にもつポリスチレン誘導体、および
これらの製造方法が提供される。本発明のポリスチレン
誘導体はマウスC127細胞の接着、増殖能を有しており生
医学用材料として有益である。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】N−アセチルキトオリゴ糖鎖を有するスチ
    レン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(1) (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原
    子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
    子であり、nは1〜10の整数である) で表される請求項1記載のスチレン誘導体。
  3. 【請求項3】一般式(2) (式中、nは1〜10の整数である) で表される請求項2記載のスチレン誘導体。
  4. 【請求項4】N−アセチルキトオリゴ糖鎖を側鎖に有す
    るポリスチレン誘導体。
  5. 【請求項5】一般式(3) (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原
    子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
    子であり、nは1〜10の整数である) で表わされる単量体単位を2〜500個含む請求項4記載
    のポリスチレン誘導体。
  6. 【請求項6】一般式(4) (式中、nは1〜10の整数であり、mは2〜500の整数
    である) で表される請求項5記載のポリスチレン誘導体。
  7. 【請求項7】N−アセチルキトオリゴ糖ラクトンとビニ
    ルベンジルアミン又はその誘導体とを反応させることを
    特徴とする請求項1〜3項のいずれかに記載のスチレン
    誘導体の製造方法。
  8. 【請求項8】一般式(5) (式中、nは1〜10の整数である) で表されるN−アセチルキトオリゴ糖ラクトンと一般式
    (6) (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は水素原
    子、低級アルキル基、低級アルコキシ基又はハロゲン原
    子である) で表されるビニルベンジルアミン又はその誘導体とを反
    応させることを特徴とする請求項7記載のスチレン誘導
    体の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜3項のいずれかに記載のスチレ
    ン誘導体5〜100モル%及びその他のビニル化合物0〜9
    5モル%を重合させることを特徴とする請求項4〜6項
    のいずれかに記載のポリスチレン誘導体の製造方法。
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