JP2571966B2 - スチレン系重合体及び接着性細胞培養用担体 - Google Patents

スチレン系重合体及び接着性細胞培養用担体

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規なスチレン系重合体及びその塩並びに之
等を素材とする接着性細胞培養用担体に関する。
従来の技術 生物体を構成する数百種の細胞は、外因性及び内因性
の異常に対する代謝調節、免疫応答等の諸反応に関与す
る情報伝達物質を生産したり、ホルモンを始めとする多
数の生理活性物質の生産を分担しており、現在知られて
いる有用な生理活性物質の多くは、生体細胞の培養によ
り生産されるものである。しかして、生体外(in vitr
o)で培養され得る上記細胞は、培養器壁に比較的強
く接着して存在し、該器壁との接着を阻止すると死滅す
るもの、器壁に比較的弱く接着し、弱い物理的操作に
より器壁から脱離するが、生存のためには上記接着が必
要であるもの及び器壁と弱く結合することもできる
が、浮遊して生存できるものの3種に大別でき、有用な
生理活性物質の生産性を有する細胞は、主に生存のため
に器壁との接着が必要な上記及びに属しており、之
等の細胞は接着性細胞(anchorage dependent cells)
と呼ばれている。
上記接着性細胞の代表例としては、肝細胞(肝実質細
胞)を挙げることができる。該肝細胞は、生体内の最大
の物質交代の場ともいうべき肝臓の重要な機能である血
漿蛋白質の合成分泌、糖新生、血糖調節(グリコーゲン
代謝)、脂質合成、尿素合成、胆汁合成分泌、解毒作用
等の全機能を担っており、また他の生体細胞に比して驚
くべき自己増殖能を有している。しかしながら之等の肝
細胞の機能等はあくまで生体内で発現され、主として血
漿中の物質により調節され、肝臓自体の多様構造乃至機
構に制御されているのであり、また肝細胞は内因性、外
因性の環境変化に非常に敏感で、細胞死に至らなくとも
容易にその代謝機能等を失い非実質化することが知られ
ており、従って該肝細胞を生体外で長期に亘って培養維
持して、所望の機能を発現させることは従来非常に困難
であった。
上記肝細胞の生体外培養における困難性は、肝細胞自
体の特性に依存するのみならず、その培養用基材(細胞
接着用担体)や細胞−担体間に存在する各種の物質や作
用に大きく影響される。即ち、従来肝細胞等の接着性細
胞の培養用担体としては、ガラスやプラスチック製のシ
ャーレ、試験管、培養ビン等が用いられており、近年マ
イクロキャリヤーや中空糸等が報告されているが、之等
はいずれも接着性細胞の機能発現に絶対必要条件である
接着性(attachment)と、それに引続いて起こる細胞の
伸展(spreading)、増殖性の面で、殊に培養初期にお
ける上記接着性及び増殖性の面で尚満足できる性能を有
しておらず、高密度且つ長時間の細胞培養には不適当な
ものであった。
上記接着性細胞とその培養用担体としての高分子材料
との接着性に関与する因子としては、之等細胞と担体と
の直接的作用及び両者の間に存在する培地等を通しての
間接的作用の両者を考慮して、疎水性、イオン性、水素
結合性等の物理化学的(非特異的)相互作用及び細胞表
面の特異的レセプター活性等の生物化学的(特異的)相
互作用とが存在すると考えられる。事実、細胞の担体へ
の接着性は、上記各因子をモザイク状に分布させた不均
一構造の細胞膜を有する流動性に富む高次構造の分子重
合体である細胞が、同様の分子集合体としての担体を之
等の存在する空間において、いかに認識するかに依存し
ており、細胞−担体間の接着に関与する作用及び両者の
接点は当然に単一ではなく、細胞膜と担体との界面には
上記多種多様な相互作用点が分布している。
最近になって、接着性細胞培養用担体としての高分子
材料として、オリゴ糖、特にラクトースを側鎖に持つポ
リスチレン〔高分子論文集,Vol.42,No.11,719−724(19
85)、日本化学会誌,(3)575−579(1987)等参照〕
や特定のグルタミン誘導体残基を有するアミノ酸共重合
体〔特開昭64−47373号公報参照〕等が提案された。し
かしながら之等はいずれも上記生物学的(特異的)相互
作用の面からの研究に基づくものであり、細胞と担体と
の多点相互作用を考慮したものではなく、特に肝細胞の
接着性及び増殖性に大きな影響を及ぼす担体表面の親疎
水性や電荷密度状態において尚改善される余地があり、
しかも肝細胞以外の各種接着性細胞に対する接着性及び
増殖性は期待できないものであった。之等に代って各種
細胞に対してより普遍的に有効であり、之等細胞の長期
に亘る培養維持及び機能発現を図り得る新しい高分子材
料の開発が斯界で切望されている。
また、上述した公知の各種高分子材料を用いる場合と
いえども、接着性細胞の培養に当っては、一般に培養液
中にウシ胎児血清(FCS)等の血清成分を約10〜20%添
加する必要があるとされているが、該血清成分の添加利
用は、該血清成分自体が高価であり、しかもこれは天然
物である点より品質が一定しておらず、更に有用物質生
産後の除去には繁雑な操作等が必要であり、従って、特
に血清を含まない培地での接着性細胞の接着、増殖に有
効な上記新しい高分子材料の開発が、斯界で要望されて
いる現状にある。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、上記した接着性細胞の培養、特に無
血清培地での上記培養に好適であり、しかも従来公知の
この種高分子材料に見られる欠点をすべて解消して、殊
に細胞の接着性、伸展及び増殖性に優れ、培養細胞の機
能を充分に発現可能な新しい接着性細胞培養用高分子材
料を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明によれば、繰返し単位A: 及び繰返し単位B: 〔Rは水素原子又は基 (nは1〜10の整数)を示す。〕 をA+B=1及び0<B≦1を満たす割合で有し、重量
平均分子量が1万〜8万の範囲にあり且つ全繰返し単位
B中の少なくとも1/2が水素原子以外の上記R基を有す
る単位であるスチレン系重合体及びその塩、並びに該ス
チレン系重合体及び/又はその塩を素材とする接着性細
胞培養用担体が提供される。
本発明者らは、鋭意研究の結果、接着性細胞と担体と
の間の相互作用の内では、特に担体表面の親疎水性及び
電荷密度状態が接着性細胞の接着性及び増殖性に重大な
影響を与えることを見出し、之等表面荷電と水和度とを
適度に調整すれば、細胞表面のレセプター活性等の生物
化学的作用を利用せずとも、接着性細胞を良好に接着、
増殖させ得、該細胞の長期に亘る機能発現が可能となる
ことを見い出し、かかる特性を具備する担体として好適
な新しい高分子材料の合成に成功し、ここに本発明を完
成するに至った。
本発明重合体は、これを接着性細胞培養用担体として
利用し、上記物理化学的作用のみで、接着性細胞に優れ
た接着性と増殖性を与えることができ、しかもこの特性
は無血清培地での接着性細胞の培養により発現され、か
くして上記細胞の長期に亘る培養、増殖、維持、機能発
現を行ない得る。また本発明の接着性細胞培養用担体
は、特に肝実質細胞の無血清培地における増殖、維持に
適しており、従ってその利用によれば、ハイブリッド型
人工肝臓やバイオリアクターの開発も可能となる利点が
ある。
以下、本発明スチレン系重合体及び該重合体を利用し
た本発明接着性細胞培養用担体につき、順次詳述する。
本発明重合体は、各種有機溶媒に可溶で成形性がよ
く、平板状の培養担体を容易に調整可能で、また従来よ
りこの種細胞培養用培養皿としても市販されているポリ
スチレンを基幹としており、基本的には該ポリスチレン
の芳香環をアミノメチル化後、アミノアシル化すること
により得られる。
本発明重合体のより好ましい一つの製造法としては、
例えばまず前記繰返し単位Aを与えるスチレンモノマー
と、同繰返し単位B(但しRは水素原子を示す)を与え
るアミノメチルスチレンモノマーとを所定割合(繰返し
単位Bを与えるモノマー単独の場合を含む)で重合さ
せ、次いで得られる重合体のアミノメチレン基に、水素
原子以外の基Rを与えるアミノアルキルカルボン酸をカ
ップリング反応させてアミノアシル基により修飾する方
法を例示できる。
本発明重合体の他の一つの好ましい製造法としては、
まず上記繰返し単位B(但しRは水素原子を示す)を与
えるアミノメチルスチレンモノマーのアミノメチレン基
に、水素原子以外の基Rを与えるアミノアルキルカルボ
ン酸をカップリング反応させてアミノアシル基で修飾さ
れた所望のモノマーを合成し、これを単独で、或いは当
該モノマーと前記繰返し単位Aを与えるスチレンモノマ
ーとを所定割合で、重合させる方法を例示できる。
上記方法において、用いられる繰返し単位B(但しR
は水素原子を示す)を与えるアミノメチルスチレンモノ
マーは、通常の方法に従い製造できる。例えばクロロメ
チルスチレンをガブリエール(Gabriel)法に従いフタ
ルイミド化してビニルベンジルフタルイミドを得、次い
でこれをヒドラジン分解することにより製造できる〔例
えばR.D.Allen et al.,J.Cell Biol.,83,126(1979)参
照〕。
上記のごとくして得られるアミノメチルスチレンモノ
マーのアミノメチレン基或いはこれをスチレンモノマー
と重合反応させて得られる重合体中に存在する同アミノ
メチレン基のアミノアシル基による修飾は、上記アミノ
メチレン基に、水素原子以外の基Rを与えるアミノアル
キルカルボン酸をカップリング反応させることにより実
施できる。該反応は、予めN末端を保護した上記アミノ
アルキルカルボン酸をスペーサー試薬として利用して、
例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)等の適
当な縮合剤を用いて、一般的なアミド結合生成反応に従
い実施でき、該カップリング反応による修飾後、通常の
脱保護基反応に従いN末端保護基を脱離させることによ
り所望のモノマー及び重合体を製造できる。上記修飾カ
ップリング反応に利用されるスペーサー試薬としては、
具体的にはアミノブチリル酸、アミノカプロン酸、アミ
ノカプリル酸、アミノウンデカン酸等を例示でき、之等
の内では特にアミノブチリル酸が好ましい。また之等ア
ミノアルキルカルボン酸のN末端保護基としては、通常
のアミノ基保護基、代表的にはtert−ブトキシカルボニ
ル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニル、o−クロロ
ベンジルオキシカルボニル基等を例示できる。DCC等の
縮合剤を用いる上記カップリング反応は、例えば通常原
料化合物に対して等モル量〜約4倍モル量程度の縮合剤
を用いて、適当な溶媒、例えばジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素の他、テトラクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中
で、一般に−10℃〜60℃程度、好ましくは0℃〜室温程
度で、数十分〜120時間程度で行ない得る。上記カップ
リング反応後の保護基の脱離反応は、常法に従う水素添
加法、還元法、強酸によるアシドリシス等により実施で
きる。
また、各モノマーの重合反応は、通常のポリスチレン
の製造と同様にして実施できる。より具体的には繰り返
し単位B(但しRは水素原子又はアシルアミノ基であっ
て、該アシルアミノ基のアミノ基は保護基で保護されて
いてもよい)単独又は繰り返し単位Aと繰り返し単位B
の所定割合の混合モノマーを適当な溶媒、例えばベンゼ
ン、クロロベンゼン、キシレン、トルエン、ニトロベン
ゼン等の芳香族炭化水素、四塩化炭素、メチレンクロラ
イド等のハロゲン化炭化水素、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン等に溶解し、適当な重合開始剤、例えば2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパ
ーオキサイド(BPO)等をモノマー全量の1/200〜1/100
モル添加する。得られた反応溶液を約−10℃以下で凍結
して減圧脱気と窒素置換とを数回繰り返した後、常圧又
は減圧下で封管し、好ましくは30〜90℃、より好ましく
は50〜70℃で2時間〜数日間重合させる。なお、アシル
アミノ基が保護基で保護された繰り返し単位Bの場合、
重合反応の後、必要に応じて脱保護を行なう。重合体は
エーテル、メタノール、ヘキサン等の適当な溶媒で洗浄
するか又は反応溶媒を凍結乾燥等により除去した後、適
当な酸、例えば酢酸、蟻酸等に溶解し、エーテルで精製
する。
上記いずれの方法による場合も、前記繰返し単位Aを
与えるモノマーと繰返し単位Bを与えるモノマーとの仕
込み比率はA+B=1として、0<B≦1、好ましくは
0.03<B<0.5又はB=1、より好ましくはBが約0.1前
後を満たす範囲又はB=1とするのがよい。上記繰返し
単位B又はこれを与えるモノマー中のアミノメチレン基
に修飾カップリング反応させるべきアミノアルキルカル
ボン酸の割合は、全アミノメチレン基の少なくとも1/2
が修飾される量、好ましくはほぼすべてのアミノメチレ
ン基が修飾される量とするのが適当である。
かくして、本発明のスチレン系重合体を製造できる。
該スチレン系重合体の同定確認は、赤外線吸収スペクト
ル分析、薄層クロマトグラフィー等の機器分析により行
ない得る。またその分子量は、ゲルパーミュエーション
クロマトグラフィーによる測定の結果、1万〜8万の範
囲にある。
上記で得られるスチレン系重合体は、その側鎖に存在
するアミノ基の酸付加塩の形態として得られる場合もあ
り、また通常の酸を用いて常法に従い酸付加塩の形態と
することもできる。かかる酸付加塩を形成し得る酸とし
ては、例えば塩酸、過塩素酸等の無機酸や酢酸、蟻酸等
の有機酸を例示できる。
本発明はまた、上記スチレン系重合体及び/又はその
塩を素材とする接着性細胞培養用担体を提供するもので
ある。該担体は上記素材を適当な形状、例えば膜状、繊
維状、球状等に賦形することにより得られる。特に好ま
しい上記担体の形態は膜状形態であり、これは通常の細
胞培養用のシャーレ等の基板上に、本発明重合体の可溶
化溶媒溶液を流延してキャストし、その後溶媒を留去す
ることにより調製できる。上記で用いられる重合体の可
溶化溶媒溶液としては、重合体の種類に応じて異なる
が、例えば酢酸溶液、ジオキサン溶液、ジオキサン−酢
酸溶液、エタノール−酢酸溶液、ジメチルホルムアミド
溶液等が好ましく、酸性溶媒の場合、製膜後アルカリ水
により中和し、脱イオン水で洗浄するのが適当である。
かくして得られる本発明の接着性細胞培養用担体は、
その利用により、無血清培地にて接着性細胞を効率よく
培養増殖維持できる。本発明担体を利用して無血清培地
で培養できる上記接着性細胞は、接着性である限り特に
限定はなく、例えばヒト胎児包皮線維芽細胞、チャイニ
ーズハムスター肺線維芽細胞、チンパンジー肺線維芽細
胞、ニワトリ胚線維芽細胞、マウス転移線維芽細胞等の
各種線維芽細胞や、ヒト子宮癌細胞、ヒト胎児肺細胞、
ヒト腎臓癌細胞、初代サル腎臓細胞、脳下垂体腫瘍細
胞、初代ヒト肝細胞等の上皮細胞乃至之等の癌化細胞等
を例示できる。特に肝細胞は前述したように生体外培養
の困難なものであり、本発明担体の利用によれば、かか
る肝細胞の無血清培養が可能となり、これはハイブリッ
ド型人工肝臓やバイオリアクター等の開発に大きく貢献
するものである。
本発明担体を利用して上記接着性細胞を培養するに当
っては、公知の各種培地をいずれも使用できる。該培地
には例えばミニマムエッセンシャル(MEM)培地、ダル
ベッコ変性イーグル培地、ウイリアムスE培地、、L−
15培地、RPMI−1640培地等が包含される。之等培地に
は、通常利用される各種の増殖因子等を添加存在させる
のが好ましく、また特に必要ではないが血清やフィブロ
ネクチン等を添加することも勿論可能である。上記培地
はまた例えばHEPES緩衝液、ダルベッコ燐酸緩衝液等を
用いてpH7〜8程度に調整するのがよく、該培地による
細胞の培養は、通常の液体培養条件、具体的には温度30
〜40℃、好ましくは37℃付近にて、炭酸ガス培養による
のが好ましい。上記培地に対する細胞の播種量は、一般
に培地1ml当り1×104〜105個程度とされるのが適当で
ある。
かくして本発明担体の利用によれば、無血清培地で接
着性細胞の接着、伸展、増殖を非常に良好に実施するこ
とができる。
実施例 以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明重合
体の製造のためのモノマー等の製造例を参考例として挙
げ、次いで本発明重合体の製造例を実施例として挙げ
る。更に得られた本発明重合体を用いて作成した本発明
担体による細胞培養例を試験例として挙げる。
尚、各製造例で得られる物質の同定は以下の赤外線吸
収スペクトル(IR)分析及び薄層クロマトグラフィー
(TLC)分析により行なった。
I.IR分析: モノマー試料はKBr錠として、ポリマーの内粉砕不可
能でKBr錠が得られないものは適当な溶媒に溶解してフ
ィルムとし、それぞれ日本分光株式会社製 A302型赤外
線分光光度計により測定した。
II.TLC: 薄層担体としててメルク(Merck)社製シリカゲル60F
254TLCプラスチックシートを用い、下記4種の展開溶媒
を用いて実施した。
1)CMA;クロロホルム:メタノール:酢酸(95:5:5) 2)CMP;クロロホルム:メタノール:ピリジン(95:5:
3) 3)Pa;n−ブタノール:酢酸:水(4:1:5上層) 4)Py;n−ブタノール:ピリジン:酢酸:水(15:10:3:
12) 更にポリマーの平均分子量は、特筆しない限り、ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー[カラム:スーパ
ーロース6(ファルマシア社製)、展開溶媒:0.05M HC
l、流速:0.4ml/分]により求めた、ポリスチレン換算の
重量平均分子量である。
参考例 1 スチレンモノマーの精製 市販スチレン(重合禁止剤として10〜20ppmのp−t
−ブチルカテコールを添加したもの、和光純薬社製)
を、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、脱イオン水で洗浄
し、更に10%水酸化ナトリウム水溶液で洗い、その後中
性になるまで水洗し、次いで酸化バリウムで脱水、窒素
気流下に減圧留去してスチレンモノマーを調製した。
参考例 2 アミノメチルスチレンモノマーの合成 (1) 市販クロロメチルスチレンモノマー(m−:p−
=7:3、東京化成社製)61.0gとフタルイミドカリウム
(和光純薬社製)74.0gとを、N,N′−ジメチルホルムア
ミド(DMF)200mlに溶解し、50℃にて4時間反応させ、
減圧濃縮して得られるシロップをクロロホルム240mlに
溶かし、0.2N水酸化ナトリウム水溶液200mlで4回洗浄
した。更に水200mlで3回洗浄後、減圧濃縮し、得られ
るシロップをメタノールで処理して結晶化させ、エーテ
ル−ヘキサンで洗い、乾燥して固形物を得た。これをメ
タノールから再結晶してビニルベンジルフタルイミド7
6.0gを得た。
融点 76〜77℃ Rf値 CMA:0.83 CMP:0.88 Pa:0.92 Py:0.75 (2) 上記(1)で得たビニルベンジルフタルイミド
をエタノール200mlに懸濁させ、これに80%ヒドラジン
水和物(和光純薬社製)25.0gのエタノール溶液を加え
て90分間煮沸還流させた。減圧濃縮後、水酸化カリウム
水溶液(1:6(w/v%))600mlに溶かし、エーテル抽出
し、2%炭酸カリウム水溶液160mlで4回洗浄後、無水
炭酸カリウムで脱水、濃縮し、次いで減圧蒸留(5.0mmH
g、77〜78℃)して、アミノメチルスチレン23.8gを得
た。
d20=0.96 g/ml Rf値 CMA:0.05 CMP:0.07 Pa:0.31 Py:0.67 参考例 3 アミノアシルアミノメチルスチレンモノマーの製造 (1) γ−アミノブチリル酸(和光純薬社製)4.14g
を脱イオン水22mlとトリエチルアミン(TEA)8.4mlとの
混液に懸濁させ、これにS−t−ブチルオキシカルボニ
ル−4,6−ジメチル−2−メルカプトピリミジン(Boc−
SDP、ペプチド研究所社製)10.6gのジオキサン22ml溶液
を加えて一夜反応させた。反応液に脱イオン水70mlを加
え、酢酸エチル80mlで2回洗浄して未反応のBoc−SDPを
除去後、0℃に冷却し、4N−塩酸でpH2とした。析出し
た油状物を酢酸エチル60ml(1回)及び30ml(2回)で
それぞれ抽出し、0℃の5%塩酸(食塩飽和)50mlで3
回、次いで飽和食塩水50mlで3回洗浄した。脱色炭処理
後、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮し、エーテルフ
ラッシュさせ、得られた透明シロップにヘキサンを加え
て冷凍し、結晶化させた。酢酸エチル−エーテル−ヘキ
サンから再結晶して、N−Boc−アミノブチリル酸7.2g
を得た。
Rf値 CMA:0.65 CMP:0.46 Pa:0.84 Py:0.83 上記で得られたN−Boc−アミノブチリル酸4.06gと参
考例2で得たアミノメチルスチレンモノマー2.66gと
を、メチレンクロライド40mlに溶解させ、0〜5℃に冷
却後、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、国産化
学社製)4.12gを加え、同温度で一夜カップリング反応
させた。反応液を濃縮し、酢酸エチル100mlを加え、不
溶物去し、母液を10%クエン酸水溶液100ml(3
回)、飽和食塩水100ml(2回)、5%炭酸水素ナトリ
ウム水溶液100ml(3回)、飽和食塩水100ml(2回)で
順次洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、減圧濃縮して、
白色結晶を得た。これを酢酸エチルから再結晶して、N
−Boc−アミノブチリルアミノメチルスチレンモノマー
4.0gを得た。
元素分析値(C18H26N2O3として、%) 実測値:C67.64 H8.25 N8.96 計算値:C67.73 H8.46 N8.78 Rf値 CMA:0.62 CMP:0.56 (2) 6−アミノカプロン酸(和光純薬社製)5.25g
を脱イオン水22mlとTEA8.4mlとの混液に懸濁させ、これ
にBoc−SDP10.6gのジオキサン22ml溶液を加え一夜反応
させた。反応液に脱イオン水60mlを加え、酢酸エチル80
mlで2回洗浄して未反応のBoc−SDPを除去後、0℃に冷
却し、4N−塩酸でpH2とした。析出した油状物を酢酸エ
チル60ml(1回)及び30ml(2回)でそれぞれ抽出し、
0℃の5%塩酸50mlで3回、次いで飽和食塩水40mlで2
回洗浄し、脱色炭処理後。硫酸ナトリウムで脱水し、減
圧濃縮し、得られた透明シロップエーテル−石油エーテ
ルで処理して結晶化させた。エーテル−石油エーテルか
ら再結晶して、N−Boc−アミノカプロン酸7.5gを得
た。
Rf値 CMA:0.47 CMP:0.53 Pa:0.79 Py:0.77 上記で得られたN−Boc−アミノカプロン酸4.64gと参
考例2で得たアミノメチルスチレンモノマー2.66gと
を、メチレンクロライド40mlに溶解させ、0〜5℃に冷
却後、DCC4.12gを加え、同温度で一夜カップリング反応
させた。反応液を濃縮し、酢酸エチル100mlを加えて不
溶物を去し、母液を10%クエン酸水溶液100ml(3
回)、飽和食塩水100ml(2回)、5%炭酸水素ナトリ
ウム100ml(3回)、飽和食塩水100ml(2回)で順次洗
浄し、硫酸ナトリウムで脱水後、減圧濃縮して、白色結
晶を得た。これを酢酸エチル−エーテル−ヘキサンから
再結晶して、N−Boc−アミノカプロイルアミノメチル
スチレンモノマー5.6gを得た。
元素分析値(C20H30N2O3として、%) 実測値:C67.86 H9.19 N8.83 計算値:C69.18 H8.93 N8.07 Rf値 CMA:0.62 CMP:0.59 (3) 8−アミノカプリル酸(和光純薬社製)6.38g
を脱イオン水22mlとTEA8.4mlとの混液に懸濁させ、これ
にBoc−SDP10.6gのジオキサン22ml溶液を加えて一夜反
応させた。反応液に脱イオン水60mlを加え、酢酸エチル
80mlで2回洗浄して未反応のBoc−SDPを除去後、0℃に
冷却し、4N−塩酸でpH2とした。析出した油状物を酢酸
エチル60ml(1回)及び30ml(2回)でそれぞれ抽出
し、0℃の5%塩酸50mlで3回、次いで飽和食塩水40ml
で2回洗浄し、脱色炭処理後、硫酸ナトリウムで脱水
し、減圧濃縮し、エーテルフラッシュして結晶化させ、
エーテル−ヘキサンから再結晶して、N−Boc−アミノ
カプリル酸7.8gを得た。
Rf値 CMA:0.60 CMP:0.57 Pa:0.89 Py:0.87 上記N−Boc−アミノカプリル酸5.20gと参考例2で得
たアミノメチルスチレンモノマー2.66gとメチレンクロ
ライド40mlに溶解させ、0〜5℃に冷却後、DCC4.12gを
加え、同温度で一夜カップリング反応させ、反応液を濃
縮し、酢酸エチル100mlを加えて不溶物を去し、母液
を10%クエン酸水溶液100ml(3回)、飽和食塩水100ml
(2回)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液100ml(3
回)、飽和食塩水100ml(2回)で順次洗浄し、硫酸ナ
トリウムで脱水後、減圧濃縮し、エーテルフラッシュし
て白色結晶を得た。酢酸エチル−エーテル−ヘキサンか
ら再結晶して、N−Boc−アミノカプリリルアミノメチ
ルスチレンモノマー4.2gを得た。
元素分析値(C22H34N2O3として、%) 実測値:C70.54 H9.16 N7.71 計算値:C70.42 H9.33 N7.47 Rf値 CMA:0.71 CMP:0.72 (4) 11−アミノウンデカン酸(アルデリッチ(Aldr
ich Chemical Co.)社製)6.38gを脱イオン水22mlとTEA
8.4mlとの混液に懸濁させ、これにBoc−SDP10.6gのジオ
キサン22ml溶液を加えて一夜反応させた。反応液に脱イ
オン水60mlを加え、酢酸エチル80mlで2回洗浄して未反
応のBoc−SDPを除去後、0℃に冷却し、4N−塩酸でpH2
とした。析出した油状物を酢酸エチル60ml(1回)及び
30ml(2回)でそれぞれ抽出し、0℃の5%塩酸50mlで
3回、次いで飽和食塩水40mlで2回洗浄し、脱色炭処理
後、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮し、得られる結
晶化をエーテル−ヘキサンから再結晶して、N−Boc−
アミノウンデカン酸8.0gを得た。
Rf値 CMA:0.68 CMP:0.68 Pa:0.78 Py:0.84 上記N−Boc−アミノウンデカン酸6.04gと参考例2で
得たアミノメチルスチレンモノマー2.66gとをメチレン
クロライド40mlに溶解させ、0〜5℃に冷却後、DCC4.1
2gを加え、同温度で一夜カップリング反応させ、反応液
を濃縮し、酢酸エチル100mlを加えて不溶物を去し、
母液を10%クエン酸水溶液100ml(3回)、飽和食塩水1
00ml(2回)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液100ml
(3回)、飽和食塩水100ml(2回)で順次洗浄し、硫
酸ナトリウムで脱水後、減圧濃縮し、得られた白色結晶
を酢酸エチル−エーテル−ヘキサンから再結晶して、N
−Boc−アミノウンデカノイルアミノメチルスチレンモ
ノマー4.8gを得た。
元素分析値(C25H40N2O3として、%) 実測値:C71.70 H9.62 N7.08 計算値:C71.96 H9.83 N6.72 Rf値 CMA:0.72 CMP:0.77 参考例 4 ポリアミノメチルスチレン(AM−100)の製造 参考例2で得たアミノメチルスチレンモノマー(m
−:p−=7:3)8.8gと重合開始剤(2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル,AIBN、和光純薬社製)55mgとをベンゼ
ン20mlに溶解させ、−20℃に冷却しながら減圧脱気し、
窒素置換した。この工程を数回繰返した後、最終的に減
圧下に封管し、60℃で重合させた。3日後、相分離した
液の上層をデカントし、下層をメチレンクロライド100m
lに溶解させ大量のヘキサン中に投入し、析出したポリ
マーを取し、乾燥して目的とするポリマーを白色粉末
として得た。
元素分析値(C9H11Nとして、%): C H N 実測値: 77.07 9.14 8.59 計算値: 81.21 8.26 10.53 平均分子量:2.0×104 参考例 5 コポリアミノメチルスチレン−スチレンの製造 (1)スチレン:アミノメチルスチレン=9:1コポリマ
ー(AM−10)の製造 参考例1で精製したスチレンモノマー65.6gと参考例
2で調製したアミノメチルスチレンモノマー9.4gとをベ
ンゼン200mlに溶かし、これにAIBN 0.57gを加え、−20
℃で減圧脱気し、窒素置換を数回繰返した後、減圧下に
封管し、60℃で重合させた。2日後、反応生成物をメタ
ノール中に投入し、数回メタノールにて洗浄し、乾燥し
て白色粉末として目的のコポリマーを得た。
元素分析値(C8.18.3、%): C H N 実測値: 89.83 7.75 1.44 計算値: 90.93 7.76 1.31 極限粘度数:〔η〕=0.20〜0.23(25℃、ベンゼン中) 粘度平均分子量:2.9〜3.5×104 (K=1.13×144,α=0.73) (2)スチレン:アミノメチルスチレン=7:3コポリマ
ー(AM−30)、同5:5コポリマー(AM−50)、同3:7コポ
リマー(AM−70)及び同1:9コポリマー(AM−90)の酢
酸塩の製造 参考例1で精製したスチレンモノマーと参考例2で調
製したアミノメチルスチレンモノマーとをそれぞれ所定
仕込比でモノマー合計50m molずつとり、ジオキサン15m
lに溶かして重合管に仕込んだ。これにAIBN 0.04gを加
えて冷蔵庫にて凍結させ、脱気、窒素置換を繰返した
後、減圧下に60℃で2日間重合させた。反応生成物を凍
結乾燥してジオキサンを除いた後、酢酸に溶かし、エー
テル中に注いで精製した。尚、AM−70及びAM−90は一部
不溶部があったが、可溶部を以下の試験に使用した。
元素分析値(%): AM−30酢酸塩(C8.910.10.30.6): C H N 実測値: 78.00 7.65 3.10 計算値: 81.73 7.72 3.21 AM−50酢酸塩(C9.511.50.51.0): C H N 実測値: 72.35 7.93 4.25 計算値: 76.79 7.74 4.71 AM−70酢酸塩(C10.112.90.71.4): C H N 実測値: 68.06 8.07 5.41 計算値: 72.90 7.75 5.89 AM−90酢酸塩(C10.714.30.91.8): C H N 実測値: 62.05 7.79 5.99 計算値: 69.77 7.76 6.85 実施例 1 ポリアミノアシルアミノメチルスチレン塩酸塩の製造 参考例3で製造した4種のBoc−アミノアシルアミノ
メチルスチレンモノマーのそれぞれ5m molを、ジオキサ
ン30mlに溶解させ、開始剤としてAIBN3.8mgを加え、冷
蔵庫で凍結させ、脱気、窒素置換を繰返した後、減圧下
に60℃で7日間重合させて、ジオキサン中に懸濁した状
態のポリマーを得た。これにメチレンクロライドを加え
てポリマーを溶解させた後、4N−HCl/ジオキサンを加え
て室温で40分間撹拌して脱保護した後、濃縮し、メタノ
ールフラッシュし、エーテルを添加して取し、乾燥し
た。
上記によりポリアミノブチリルアミノメチルスチレン
(AM−100−III)、ポリアミノカプロイルアミノメチル
スチレン(AM−100−V)、ポリアミノカプリリルアミ
ノメチルスチレン(AM−100−VII)及びポリアミノウン
デカノイルアミノメチルスチレン(AM−100−X)のそ
れぞれの塩酸塩を、超吸湿性の黄色ガム状物として得
た。
平均分子量: AM−100−III塩酸塩:2.3×104 AM−100−V塩酸塩:2.2×104 AM−100−VII塩酸塩:2.8×104 AM−100−X塩酸塩:1.3×104 また各ポリマーのIR分析図は次の通りである。
AM−100−III塩酸塩:第1図 AM−100−VII塩酸塩:第2図 AM−100−X塩酸塩:第3図 実施例 2 コポリアミノアシルアミノメチルスチレン−スチレンの
製造 参考例5の(1)で得たコポリマーAM−10をDCCを用
いて4種のスペーサー試薬とカップリング反応させた。
その手順は以下の通りである。
即ち、AM−10 2.0g(アミノ含量1.03m mol)をメチ
レンクロライド200mlに溶解させ、これに参考例3の
(1)〜(4)のそれぞれ前半で得られたN末端をBoc
基により保護したアミノアシル酸各3当量(6.20m mo
l)を加えた後、0〜5℃でDCC1.28gを加えて2日間カ
ップリング反応させた。
上記反応終了後、副生するDCUreaを去し、反応物を
大量のメターノール中に注ぎ、飽和食塩水を加えて白色
沈澱を析出させた。この沈澱をデカントし、メタノー
ル、脱イオン水で洗浄し、取、乾燥した。いずれのN
−Boc−アミノアシル酸を用いた場合も目的物の収量は
約95〜98%の範囲にあった。
次いで上記生成コポリマー1.0gをジオキサン15mlに溶
解させ、4N−HCl/ジオキサンを加えて室温にて1時間放
置し、その後減圧濃縮し、メタノールフラッシュさせ
た。適量のメチレンクロライド(約200ml程度)にトリ
エチルアミン3mlを添加して溶解させた溶液を、上記メ
タノール液中に滴下し、更に該液に飽和食塩水を加え
て、沈澱を生成させ、これをデカントし、メタノール、
次いで脱イオン水で洗浄して取し、乾燥して、白色粉
末状の所望のアミノアシル基で修飾されたコポリマーを
得た。
アミノブチリル修飾コポリマーを「AM−10−III」、
アミノカプロイル修飾コポリマーを「AM−10−V」、ア
ミノカプリリル修飾コポリマーを「AM−10−VII」及び
アミノウンデカノイル修飾コポリマーを「AM−10−X」
とする。
各ポリマーのIR分析図は次の通りである。
AM−10−III: 第4図 AM−100−V: 第5図 AM−100−VII: 第6図 AM−100−X: 第7図 実施例 3 接着性細胞培養用担体の調製 上記実施例で得られた本発明ポリマーを用いて接着性
細胞培養用担体(膜状物)を調製した。その手順は次の
通りである。
実施例2で得られた本発明ポリマー:AM−10−IIIを5
%ジオキサン溶液とし、ポリスチレン培養皿にキャスト
(膜厚:約30μg/cm2)し、乾燥後、紫外線照射(照射
時間3〜5分)により滅菌して培養用担体を調製した。
試験例 1 肝細胞の培養試験 実施例3で調製した培養用担体(以下「本発明群」と
いう)、市販のポリスチレン培養皿(以下「対照群」と
いう)及び上記対照群に5%FCSを添加した培地(以下
「比較群」という)を用いて肝細胞適合性について、イ
ヌの肝実質細胞の初代培養により、以下の通り試験を行
なった。
すなわち、各群の培養皿に、成犬より分離精製した肝
細胞を5×104〜105個/cm2の細胞密度となるように播種
した。播種用培地としては10-8Mデキサメサゾン及び10
-8Mインスリンを含むウイリアムスE培地(フロウラボ
ラトリーズ(Flow Laboratories,Inc.)社製)を用い
た。
上記肝細胞を炭酸ガス培養装置で3〜4時間培養後、
培養用培地に交換した。この培養用培地としては10-8M
デキサメサゾン、10-8Mインスリン、10-8Mグルカゴン、
10ng/ml、h−EGF(アース製薬社製)、30mg/プロリ
ン及び5万U/アプロチニンを含むL−15培地(フロウ
ラボラトリーズ社製)を用いた。
1日後及び3日後、培地を交換し、4日後に肝細胞の
DNA量と尿素合成能を下記方法により測定した。
〈DNA量測定〉 文献〔Anal.Biochem.92,497−500(1979)〕に準拠し
てDNA量を測定した。
〈尿素合成能測定〉 文献〔Clin.Chem.11,113(1965)〕に準拠して尿素合
成能を測定した。
本発明群及び比較群で得られた結果を、対照群に対す
る相対値(%)にて、第8図及び第9図に示す。
第8図は、DNA合成量を示す棒グラフであり、第9図
は尿素合成能を示す棒グラフである。
上記各図より、本発明担体はFCS(ウシ胎児血清)等
の血清添加なしで、肝実質細胞の接着、増殖が可能で、
かくして高いレベルで該細胞の機能を実現できることが
明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第7図は、本発明ポリマーの赤外線吸収スペ
クトル分析結果を示す図である。 第8図及び第9図は、本発明ポリマーから調製された本
発明の接着性細胞培養用担体を用いて肝細胞を培養した
結果を示すグラフである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繰返し単位A: 及び繰返し単位B: 〔Rは水素原子又は基 (nは1〜10の整数)を示す。〕 をA+B=1及び0<B≦1を満たす割合で有し、重量
    平均分子量が1万〜8万の範囲にあり且つ全繰返し単位
    B中の少なくとも1/2が水素原子以外の上記R基を有す
    る単位であるスチレン重合体。
  2. 【請求項2】繰返し単位A: 及び繰返し単位B: 〔Rは水素原子又は基 (nは1〜10の整数)を示す。〕 をA+B=1及び0<B≦1を満たす割合で有し、重量
    平均分子量が1万〜8万の範囲にあり且つ全繰返し単位
    B中の少なくとも1/2が水素原子以外の上記R基を有す
    る単位であるスチレン重合体の酸付加塩。
  3. 【請求項3】請求項記載のスチレン重合体を素材とす
    る接着性細胞培養用担体。
  4. 【請求項4】請求項記載のスチレン重合体を素材とす
    る接着性細胞培養用担体。
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