JPH0790080A - ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体 - Google Patents

ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体

Info

Publication number
JPH0790080A
JPH0790080A JP23679093A JP23679093A JPH0790080A JP H0790080 A JPH0790080 A JP H0790080A JP 23679093 A JP23679093 A JP 23679093A JP 23679093 A JP23679093 A JP 23679093A JP H0790080 A JPH0790080 A JP H0790080A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lysine
galactopyranosyl
group
poly
gluconic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23679093A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Akaike
敏宏 赤池
Mitsuaki Goto
光昭 後藤
Atsushi Maeda
篤 真栄田
Tatsuteru Shinoda
達輝 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP23679093A priority Critical patent/JPH0790080A/ja
Publication of JPH0790080A publication Critical patent/JPH0790080A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリ−L−リジンの一部又は全部を,D−ガ
ラクトピラノシル−グルコンアミジル−L−リジン残基
で置換した高分子化合物。 【効果】 この高分子化合物は,肝実質細胞を認識でき
る作用があり,DDS製剤開発用の担体として応用でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,医用高分子材料,殊に
ミサイル医薬担体として有用なポリ−L−リジンのD−
ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】血清中の糖タンパクは,その末端に普遍
的にシアル酸−ガラクトース−N−アセチルグルコサミ
ンという糖構造が存在している。1960年代後半に
G. AshwellとA. Morellは,この三
糖構造が血清タンパクが血液中に安定に存在できるため
に必要な構造であることをつきとめた。末端に存在する
シアル酸を取り除くと,ガラクトースが新しい糖末端と
なる。シアル酸が除かれてガラクトースが露出した糖タ
ンパクはアシアロ糖タンパクと呼ばれている。アシアロ
糖タンパクは,この状態では血流中に安定に存在できな
くなり,急速に血流中より消失する。消失したアシアロ
糖タンパクのおよそ80%以上は肝臓に取り込まれるこ
とが判明している。
【0003】ところで,肝細胞の膜表面上には特異的糖
認識レセプターが存在し,アシアロ糖タンパクはこのア
シアロ糖タンパクレセプターを介して細胞内に取り込ま
れたものである。本発明者等は,肝細胞膜上のアシアロ
糖タンパクレセプターに着目し,ミサイルドラッグ等に
用いるドラッグキャリアー用の高分子材料の開発を目標
として検討を重ね得た結果,PVLA(ポリビニルベン
ジルラクトンアミド;特開平5−105637),更に
酸性アミノ酸のグルタミン酸(またはアスパラギン酸)
とガラクトサミンからなる高分子材料を開発した(特開
平5−178988)。今回,本発明者等は更に鋭意研
究した結果,新たに塩基性アミノ酸であるリジンにガラ
クトースを糖末端にもつものを導入した高分子がすぐれ
た性質を有することを見出し本発明を完成した。
【0004】
【問題点を解決するための手段】すなわち,本発明は,
一般式
【0005】
【化3】
【0006】(式中,Xは重合度15〜250であるこ
とを,Rは水素原子,または保護基を夫々意味する。)
で示されるポリペプチドにおいて,その構成ペプチドの
一部または全部を
【0007】
【化4】
【0008】で表わされるε−D−ガラクトピラノシル
−グルコンアミジル−L−リジン残基(D−ガラクトピ
ラノシルとグルコンアミジルの結合はα1→6またはβ
1→4のいずれであってもよい)で置換したポリ−L−
リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体
(ただし,N末端のα−アミノ基は非置換であるか,上
記D−ガラクトピラノシル−グルコン酸で置換されるか
のいずれであってもよい。)に関する。本発明のポリペ
プチドを更に説明すると以下の通りである。 構成単位:ε−保護基−L−リジン残基
【0009】
【化5】
【0010】(式中,R’はアミノ基の保護基であり,
特にベンジルオキシカルボニル基が好ましいが,他にも
以下に記載するものが好適なものとして挙げられる。 ・p−ニトロカルボベンゾキシ基 ・p−メトキシカルボベンゾキシ基 ・p−フェニルアゾベンジルオキシカルボニル基 ・p−(p’−メトキシフェニルアゾ)−ベンジルオキ
シカルボニル基 ・p−クロルカルボベンゾキシ基 ・p−ブロムカルボベンゾキシ基 ・p−トリルオキシカルボニル基 ・α−ナフチルメトキシカルボニル基 ・p−ドデシルオキシベンジルオキシカルボニル基 ・ベンズヒドロキシカルボニル基 ・t−ブチルオキシカルボニル基 ・フタリル基 ・ホルミル基 ・トリフルオロアセチル基 ・p−トルエンスルホニル基(トシル基) ・トリフェニルメチル基(トリチル基) ・シクロヘキシルオキシカルボニル基(カルボシクロヘ
キシルオキシ基) ・o−ニトロフェニルスルフェニル基 ・t−アミルオキシカルボニル基 ・エチルオキシカルボニル基 ・イソプロピルオキシカルボニル基 ・ジイソプロピルメトキシカルボニル基 ・s−ブチルオキシカルボニル基 ・シクロペンチルオキシカルボニル基 ・3−メチル−3−ペンチルオキシカルボニル基 ・1−メチル−1−シクロペンチルオキシカルボニル基 ・2−ヨードエチルオキシカルボニル基 ・1−アダマンチルオキシカルボニル基 ・アリルオキシカルボニル基 ・β−(p−トルエンスルホニル)−エチルオキシカル
ボニル基 ・ベンジル基 ・フェニルチオカルボニル基 ・メチルチオカルボニル基 ・o−ニトロフェノキシアセチル基 ・クロルアセチル基 ・ベンゼンスルホニル基 ・ジベンジルホスホリル基類 ・トリアルキルシリル基 ・アリリデン基 ・アセトアセチル基
【0011】L−リジン残基
【0012】
【化6】
【0013】ε−D−ガラクトピラノシル−グルコンア
ミジル−L−リジン残基
【0014】
【化7】
【0015】配列状態:線状 分子量:2,000〜117,000 重合度:15〜250 構成単位の比率: ε−保護基−L−リジン残基 0〜98% L−リジン残基 0〜98% ε−D−ガラクトピラノシル−グルコンアミジル−L−
リジン残基2〜100% 本発明の化合物は,たとえば次式で示される方法により
合成できる。
【0016】
【化8】
【0017】ポリリジンにガラクトースを糖残基とする
D−ガラクトピラノシル−グルコン酸を導入する方法
は,ポリリジンのN末端のα位またはポリリジンε位の
アミノ基と,D−ガラクトピラノシル−グルコン酸のカ
ルボキシル基とのペプチデーションである。このペプチ
デーションには,カルボキシル基またはアミノ基を活性
化する方法および縮合剤の存在下に行う方法等が採用で
きる。
【0018】なお,本工程の原料化合物として使用する
ポリ−ε−置換−L−リジン(II)は,重合度がおよ
そ15〜250のものが用いられるが,これに限定され
るものではない。後記実施例においては,たとえばポリ
−L−リジン(pLysと略記する)は,重合度およそ
15〜250(分子量約2,000〜30,000)の
ものを用いた。
【0019】この中,カルボキシル基を活性化するペプ
チデーションとしては,D−ガラクトピラノシル−グル
コン酸のカルボキシル基を,たとえばp−ニトロフェニ
ルエステルの形態で活性化し,活性化化合物を分離した
後,これにポリ−リジンを反応させる。この反応は,ジ
メチルホルムアミド(DMF),テトラヒドロフラン
(THF),ジメチルスルホキサイド(DMSO)等の
溶媒中,室温乃至冷却下で行われる。反応時間は数時間
乃至数日間である。ペプチデーションの進行率は,反応
に伴って遊離するp−ニトロフェノールを定量すること
により知ることができる。
【0020】つぎに,縮合剤を用いる方法としては,た
とえばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC),1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミドハイドロクロライド(EDC)等の
存在下,ポリリジンとD−ガラクトピラノシル−グルコ
ン酸とをカップリングさせる。この反応条件は,上述の
カルボキシル基の活性化によるペプチデーションと同様
である。生成した目的化合物(I)または(I’)は,
たとえばセルロース透析膜を用いる透析により精製する
ことができる。
【0021】
【発明の効果】本発明の目的化合物は,前述のように標
的生体細胞に対する認識作用が期待されるから,生体認
識高分子として医療分野に応用することができる。本発
明の目的化合物は,天然類似高分子であるポリアミノ酸
誘導体であるから,生体分解性であり,また,水溶性で
ある。したがってこの化合物は,ミサイルドラッグ等に
用いるドラッグキャリアー用高分子材料として好適であ
る。また,ポリリジンは遺伝子と複合体を形成するた
め,本発明の目的化合物は遺伝子治療の担体としても有
用である。本発明化合物の優れた肝細胞親和性は,ラッ
ト由来肝実質細胞を用いた以下の実験により確認され
た。
【0022】実験例:SD系雌ラット(4〜5週令)を
用い,細胞間接着タンパク質を酵素を用いて消化する所
謂 Seglen の灌流法に準じてラットの肝実質細胞を分離
した。調製した肝細胞を氷冷したWE培地中(0.1%
のBSA含有)に60万cells/ml となるように懸濁さ
せた。競合阻害検討を行う際には,以下の方法にて行っ
た。調製した肝細胞を氷冷したWE培地中(0.1%の
BSA含有)に120万 cells/ml となるように懸濁さ
せた。PVLAもしくはアシアロフェツインを0.2%
の濃度にて溶解させたWE培地(0.1%のBSA含
有)と肝細胞懸濁液を1:1にて混合させ,肝細胞懸濁
液を再調製した。その後ディスポピペットを用いて,あ
らかじめ調製した各ポリマーコートシャーレ(注1)に
肝細胞懸濁液を1.0ml番種し,炭酸ガス培養装置に
て37℃,炭酸ガス濃度5%で所定時間培養した。その
後,非接着細胞数をカウントすることにより,接着率を
算出した。本実験に用いたポリマーは,本願の目的化合
物(後記実施例5により得られた化合物),および対照
として従来肝細胞親和性が知られているPVLA,アシ
アロフェツインである。 (注1)ポリマーコートシャーレ調製法 ポリ−L−リジン−D−ガラクトピラノシル−グルコン
酸誘導体(以下,pLys−LAと略記する)を注射用
蒸留水に0.1%の濃度で溶解させた。ポリマー溶液を
組織培養用シャーレ (Falcon 3001) に1ml注入し,
その後3回PBS(等張リン酸緩衝液)にてリンスする
ことにより,ポリマーコートシャーレを調製した。
【0023】(結果)競合阻害物質無添加系におけるp
Lys−LAコートシャーレに対する肝細胞の接着性
は,コントロールとして用いたPVLAコートシャーレ
に対する接着性とほぼ同等であった。競合阻害物質添加
系では,pLys−LAコートシャーレに対する肝細胞
の接着性はPVLA添加系で,接着阻害が示され,接着
率は0%であったのに対し,アシアロフェツイン添加系
では接着阻害を示さず,接着率は約77%であった。ま
た,PVLAコートシャーレに対する肝細胞の接着性
は,PVLAもしくはアシアロフェツイン添加系ではほ
とんど影響を示さなかった。
【0024】(考察)pLys−LAコートシャーレに
対し,肝細胞は高い接着性を示し,さらに肝細胞表面の
アシアロ糖蛋白レセプターと結合することが報告されて
いるPVLA添加により,完全な阻害効果が示されたこ
とから,pLys−LAはPVLAと同様にアシアロ糖
蛋白レセプターに対して結合していることが確認され
た。また,pLys−LAコートシャーレに対する肝細
胞接着性はアシアロフェツインでは阻害効果がなかった
こと,およびPVLAコートシャーレに対する肝細胞の
接着性がPVLA,アシアロフェツイン添加系におい
て,影響がなかったことから,pLys−LAとアシア
ロ糖蛋白レセプターとの結合の親和性は,PVLAより
弱く,アシアロフェツインより強いことが予想される。
しかしながら,pLys−LAは生分解性物質であるポ
リリジンを主鎖骨格としていることから,PVLAに比
べより高い安全性が期待される上に,アシアロフェツイ
ンより親和性が高い点から,より確実な肝細胞標的性が
期待される。また,特開平5−178988記載の化合
物と効果において比較検討した結果,本願実施例5記載
の化合物は,ガラクトサミン置換率60%以上のポリ−
ω−置換−L−グルタミン酸のガラクトサミン置換体
(PGA−Gal)と同等の肝細胞接着能を有すること
が示唆された。アシアロ糖蛋白レセプターを認識させる
糖の導入率を考慮に入れると,pLys−LAはPGA
−Galと比較して肝細胞標的性能が高いことが考えら
れる。以上の結果,pLys−LAは薬物の肝標的化担
体として有用である。
【0025】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明の目的化合物お
よびその製造方法を更に説明する。また,原料化合物で
あるpLysの製造方法を参考例として示す。なお,以
下参考例及び実施例において原料化合物及び目的化合物
の名称に対し,下記の略記を用いる。 Cbz−Lys−NCA:ε−N−カルボベンゾキシ−
L−リジン−N−カルボキシアミノ酸無水物 Cbz−Lys :ε−N−カルボベンゾキシ−
L−リジン pCbz−Lys :ポリ−ε−N−カルボベンゾ
キシ−L−リジン LA10〜70% :ポリ−L−リジンの側鎖アミ
ノ基に対するD−ガラクトピラノシル−グルコン酸のモ
ル比添加率(10〜70%)
【0026】参考例1[pLys(分子量2,000)
の製造例] (1)Cbz−Lys−NCAの合成 10gのε−Cbz−Lys(東京化成)を100ml
のテトラヒドロフランに溶解し,50℃に加温する。こ
れにトリフォスゲンの等モル量を加え,50℃で1時間
反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後,300m
lのヘキサンを加えて−20℃で一昼夜放置した。沈澱
を濾取し,再びテトラヒドロフラン−ヘキサンから再結
晶した(収量8g)。 (2)pCbz−Lysの合成[M/I=20の場合
(M:モノマー,I:重合開始剤)] 18gのCbz−Lys−NCA(0.058mol)
を100mlのテトラヒドロフランに溶解し,20分の
1モルのベンジルアミン(314mg)を添加して,3
昼夜反応させた。反応液をエーテル600mlにあけ,
激しく撹拌しながら,3時間放置した。得られた沈澱
は,酢酸エチル/ヘキサンから再結晶した(収量10
g)。 (3)pLysの合成 10gのpCbz−Lysをジオキサン/塩化メチレン
の300mlに溶解し,25% HBr/CH CO
OHの90mlを添加して,激しく撹拌しつつ1時間反
応させた。反応液をヘキサン1lにあけ,沈澱を濾取し
た。沈澱を再びヘキサンに懸濁させ,3時間激しく撹拌
させた。沈澱を濾取し,直ちに乾燥させた(収量5
g)。
【0027】参考例2[pLys(分子量10,00
0)の製造例] (1)Cbz−Lys−NCAの合成 10gのε−Cbz−Lys(東京化成)を100ml
のテトラヒドロフランに溶解し,50℃に加温する。こ
れにトリフォスゲンの等モル量を加え,50℃で1時間
反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後,300m
lのヘキサンを加えて−20℃で一昼夜放置した。沈澱
を濾取し,再びテトラヒドロフラン−ヘキサンから再結
晶した(収量8g)。 (2)pCbz−Lysの合成[M/I=100の場合
(M:モノマー,I:重合開始剤)] 5gのCbz−Lys−NCA(0.016mol)を
100mlのテトラヒドロフランに溶解し,100分の
1モルのベンジルアミン(62.8mg)を添加して,
3昼夜反応させた。反応液をエーテル600mlにあ
け,激しく撹拌しながら,3時間放置した。得られた沈
澱は,酢酸エチル/ヘキサンから再結晶した(収量1.
8g)。 (3)pLysの合成 2.8gのpCbz−Lysをジオキサン/塩化メチレ
ンの300mlに溶解し,25% HBr/CH
OOHの90mlを添加して,激しく撹拌しつつ1時間
反応させた。反応液をヘキサン1lにあけ,沈澱を濾取
した。沈澱を再びヘキサンに懸濁させ,3時間激しく撹
拌させた。沈澱を濾取し,直ちに乾燥させた(収量1.
5g)。
【0028】実施例1[pLys−LA(分子量2,0
00)の製造例。以下実施例2〜4も同様。] pLys−LAの合成(LA10%の場合) 2gのpLys[0.017mol;ポリ−L−リジン
におけるモノマーリジン中のアミノ基に対するモル数
(以下実施例2〜4においても同様)]をTEMED緩
衝液(50mM テトラメチレンエチレンジアミン,p
H4.7)30mlに溶解し,4−O−β−D−ガラク
トピラノシル−グルコン酸(商品名 ラクトピオン酸,
東京化成)の0.61gとEDCの0.26gを添加し
て3昼夜,室温で反応させた。反応終了後,反応液を透
析チューブ(スペクトラム,分子量カット3500)に
移し,30lの蒸留水に対して透析を行った。透析終了
後凍結乾燥を行って目的物を得た(収量1.2g)。
【0029】実施例2 pLys−LAの合成(LA20%の場合) 2gのpLys(0.017mol)をTEMED緩衝
液(50mMテトラメチレンエチレンジアミン,pH
4.7)30mlに溶解し,4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−グルコン酸 の1.22gとEDCの0.
52gを添加して3昼夜,室温で反応させた。反応終了
後,反応液を透析チューブ(スペクトラム,分子量カッ
ト3500)に移し,30lの蒸留水に対して透析を行
った。透析終了後凍結乾燥を行って目的物を得た(収量
1.4g)。
【0030】実施例3 pLys−LAの合成(LA30%の場合) 2gのpLys(0.017mol)をTEMED緩衝
液(50mMテトラメチレンエチレンジアミン,pH
4.7)30mlに溶解し,4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−グルコン酸の1.83gとEDCの0.7
8gを添加して3昼夜,室温で反応させた。反応終了
後,反応液を透析チューブ(スペクトラム,分子量カッ
ト3500)に移し,30lの蒸留水に対して透析を行
った。透析終了後凍結乾燥を行って目的物を得た(収量
1.7g)。
【0031】実施例4 pLys−LAの合成(LA70%の場合) 2gのpLys(0.017mol)をTEMED緩衝
液(50mM テトラメチレンエチレンジアミン,pH
4.7)30mlに溶解し,4−O−β−D−ガラクト
ピラノシル−グルコン酸の4.26gとEDCの1.8
2gを添加して3昼夜,室温で反応させた。反応終了
後,反応液を透析チューブ(スペクトラム,分子量カッ
ト3500)に移し,30lの蒸留水に対して透析を行
った。透析終了後凍結乾燥を行って目的物を得た(収量
1.3g)。
【0032】実施例5[pLys−LA(分子量10,
000)の製造例] pLys−LAの合成(LA25%の場合) 1.8gのpLys[0.015mol;ポリ−L−リ
ジンにおけるモノマーリジン中のアミノ基に対するモル
数]をTEMED緩衝液(50mM テトラメチレンエ
チレンジアミン,pH4.7)30mlに溶解し,4−
O−β−D−ガラクトピラノシル−グルコン酸(商品名
ラクトピオン酸,東京化成)の1.3gとEDCの
0.93gを添加して3昼夜,室温で反応させた。反応
終了後,反応液を透析チューブ(スペクトラム,分子量
カット3500)に移し,30lの蒸留水に対して透析
を行った。透析終了後凍結乾燥を行って目的物を得た
(収量2.0g)。
【0033】上記,実施例において説明した合成物(p
Lys−LA)の糖導入の確認および糖導入率の決定は
下記のとおり行った。 (A)実施例1〜4[pLys−LA(分子量2,00
0)] (試料の調製)TEMED緩衝液(50mM,pH4,
7)にポリリジン2g(リジンモノマーとして0.01
7mol)を溶かし,側鎖アミノ基の0.1倍,0.2
倍,0.3倍,0.7倍molのD−ガラクトピラノシ
ル−グルコン酸,用いた糖類の0.8倍molのEDC
を続けて溶解させた。引き続いて,室温で3昼夜,反応
させた後,水で透析し,凍結乾燥によって試料を調製し
た。
【0034】上記縮合法により,側鎖アミノ基の0.1
倍,0.2倍,0.3倍および0.7倍のD−ガラクト
ピラノシル−グルコン酸を加えてカップリングさせて得
られた誘導体(pLys−LA)の H−NMRスペ
クトルを後記図1,図2,図3および図4に示す。各図
から明らかな様に各試料ともに4ppm付近に糖のピー
クが観察され,糖がポリマー側鎖中に導入されたことが
確認された。また,図から明らかなように,D−ガラク
トピラノシル−グルコン酸の使用量に対応して,各々糖
類の置換割合6.3%[pLys−LA(10):実施
例1],8.9%[pLys−LA(20):実施例
2],14.0%[pLys−LA(30):実施例
3]および18.0%[pLys−LA(70):実施
例4]の化合物が得られた。 (糖導入率の決定)LA導入率は,NMRの解析によっ
て行った。別紙のNMRチャートにおいて2.92PP
M付近の強いシグナルは,εCH によるもので積分
比は2となる。次に4.22PPM付近は骨格CHによ
るもので積分比は1となる。また,3.45から4.6
9PPMのシグナルは,LA糖鎖によるものであり,積
分比21X分となる。各シグナルの積分曲線(後記図1
〜4中に,波線で示した。)よりプロトン積分比(後記
図1〜4中に,数値で示した。)を求めた。実際に得ら
れた積分比とこれらシグナルの比2:21X+1の関係
からLA導入量が計算できる。
【0035】(B)実施例5[pLys−LA(分子量
10,000)} 試料の調製は,前記(A)と同様にして行った。得られ
た誘導体(pLys−LA)のH−NMRスペクトル
を後記図5に示す。各図から明らかな様に4ppm付近
に糖のピークが観察され,糖がポリマー側鎖中に導入さ
れたことが確認された。また,糖類の置換割合19%
[pLys−LA(25):実施例5]の化合物が得ら
れた。糖導入率の決定も前記(A)に示した方法と同様
にして行った。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた化合物のH−NMR
スペクトルを示す。
【図2】実施例2により得られた化合物のH−NMR
スペクトルを示す。
【図3】実施例3により得られた化合物のH−NMR
スペクトルを示す。
【図4】実施例4により得られた化合物のH−NMR
スペクトルを示す。
【図5】実施例5により得られた化合物のH−NMR
スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠田 達輝 静岡県焼津市大住180−1 ルーミーやい づ 307

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中,Xは重合度15〜250であることを,Rは水
    素原子,または保護基を夫々意味する。)で示されるポ
    リペプチドにおいて,その構成ペプチドの一部または全
    部を 【化2】 で表わされるε−D−ガラクトピラノシル−グルコンア
    ミジル−L−リジン残基(D−ガラクトピラノシルとグ
    ルコンアミジルの結合はα1→6またはβ1→4のいず
    れであってもよい)で置換したポリ−L−リジンのD−
    ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体(ただし,N末
    端のα−アミノ基は非置換であるか,上記D−ガラクト
    ピラノシル−グルコン酸で置換されるかのいずれであっ
    てもよい。)。
  2. 【請求項2】 各構成単位の比率が, L−リジン残基 0〜98% ε−D−ガクトピラノシル−グルコンアミジル−L−リ
    ジン残基2〜100% ε−保護基−L−リジン残基 0〜98% であり,分子量2,000〜117,000であること
    を特徴とする請求項1記載の誘導体。
  3. 【請求項3】 保護基がベンジルオキシカルボニル基で
    ある請求項1記載の誘導体。
  4. 【請求項4】 ポリ−L−リジンのアミノ基とD−ガラ
    クトピラノシル−グルコン酸のカルボキシル基を反応さ
    せることを特徴とする,請求項1記載の誘導体の製造方
    法。
JP23679093A 1993-09-22 1993-09-22 ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体 Pending JPH0790080A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23679093A JPH0790080A (ja) 1993-09-22 1993-09-22 ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23679093A JPH0790080A (ja) 1993-09-22 1993-09-22 ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0790080A true JPH0790080A (ja) 1995-04-04

Family

ID=17005836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23679093A Pending JPH0790080A (ja) 1993-09-22 1993-09-22 ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0790080A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088017A1 (fr) * 2000-05-18 2001-11-22 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Derives de polypeptides et transporteurs d'acides nucleiques contenant ces derives
WO2008029739A1 (fr) * 2006-09-04 2008-03-13 Osaka University Polylysine thermosensible

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088017A1 (fr) * 2000-05-18 2001-11-22 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Derives de polypeptides et transporteurs d'acides nucleiques contenant ces derives
WO2008029739A1 (fr) * 2006-09-04 2008-03-13 Osaka University Polylysine thermosensible
JP2008056878A (ja) * 2006-09-04 2008-03-13 Osaka Univ 感熱応答性ポリリシン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20010085742A (ko) 정밀한 길이의 폴리아미드 사슬, 그 제조방법 및 단백질결합체의 제조방법
JP2003525864A (ja) 共有結合で架橋されたインスリンダイマー
CN101356203A (zh) 制备聚环氧烷羧酸的高效方法
US5849893A (en) Nucleic acid-binding oligomers possessing C-branching for therapy and diagnostics
US6677164B1 (en) Multivalent polymers, processes for their preparation, and their use for preparing biologically active compounds
CN102643420B (zh) 一种异端基双官能团聚烷基醚类化合物及其用途
EP3950703A1 (en) Branched degradable polyethylene glycol binder
US20060263328A1 (en) Hydrophilic polymers with pendant functional groups and method thereof
JPH0790080A (ja) ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体
JP5399422B2 (ja) 市販の安価な化学薬品からのpeg−6成分の合成
JP3418693B2 (ja) ポリ−ε−置換−L−リジンのD−ガラクトピラノシル−グルコン酸誘導体
KR20030048293A (ko) 신규한 폴리에틸렌글리콜-프로피온알데히드 유도체
WO1993024448A1 (en) Amino acid derivative and use thereof
CN110591077B (zh) 一种酶催化制备酪氨酸寡肽和接枝单甲氧基聚乙二醇的方法
WO2007060860A1 (ja) ピロールイミダゾールポリアミドの固相自動合成
EP0459624B1 (en) Galactosamine-substituted poly-omega-substituted-L-glutamic and/or-aspartic acid
JPH05271094A (ja) カルボキシメチル化キチン誘導体を用いる癌転移抑制剤
JP3399100B2 (ja) オキシアルキレン誘導体
JP3208570B2 (ja) ポリ−ω−置換−L−グルタミン酸(又はアスパラギン酸)のガラクトサミン置換体
JPH0578394A (ja) フコースで標識した細胞増殖抑制物質
NL2033185B1 (en) Compounds for rna stabilisation and delivery
JPH04221400A (ja) ゼラチン誘導体およびその用途
US20240018099A1 (en) Synthesis of prostate specific membrane antigen (psma) ligands
JP3691096B2 (ja) ポリ−α−置換 ε−L−リジンのD−ガラクトピラノシルグルコン酸誘導体
JP3235855B2 (ja) 細胞接着活性ペプチド及びその高分子修飾体