JPH11171894A - 紫外線吸収能を有する糖鎖化合物および糖鎖高分子 - Google Patents

紫外線吸収能を有する糖鎖化合物および糖鎖高分子

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JPH11171894A
JPH11171894A JP34006397A JP34006397A JPH11171894A JP H11171894 A JPH11171894 A JP H11171894A JP 34006397 A JP34006397 A JP 34006397A JP 34006397 A JP34006397 A JP 34006397A JP H11171894 A JPH11171894 A JP H11171894A
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compound
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ultraviolet
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Mitsuaki Goto
光昭 後藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた水溶性を備えると共に、紫外線吸収能を
併せ持つ糖鎖化合物および糖鎖高分子を提供する。 【解決手段】紫外線吸収能を有する化合物とオリゴ糖と
を、疎水性炭化水素であって末端にアミノ基およびカル
ボニル基を有するスペーサーを介して結合させてなる、
例えば下記式(1)で表される糖鎖化合物。 糖鎖含有スチレン誘導体モノマーと紫外線吸収能のある
官能基を有するビニル系モノマーとの共重合体からな
る、例えば下記式(3)で表される糖鎖高分子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収能を有
するとともに、優れた水溶性を備えた糖鎖化合物および
糖鎖高分子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特異な立体構造を有している糖鎖は、生
体のほとんどの部位に存在し、細胞・細胞間の認識など
の生体の認識機構に深く関わっているほか、生体骨格を
構成する材料として植物の細胞壁やカニの甲羅などに用
いられている。
【0003】本発明者等は、これらの糖分子の機能に着
目し、ポリスチレン系高分子に糖分子を導入した糖鎖化
合物を合成し、精力的に研究を行ってきた(例えば、M
.Goto, et al, J. Controlled Release, 28(1994) 223
-233)。
【0004】また、アシアロ糖蛋白質レセプターに対す
るリガンドのモデルとして、ガラクトースを側鎖に有す
る高分子であるポリ−(N−p−ビニルベンジル−[O
−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グル
コンアミド])(PVLAと略記)を設計、合成した。
このPVLAを固定化したシャーレ上での肝細胞培養実
験において、PVLAと肝実細胞表面のアシアロ糖レセ
プターとの特異的親和力を介して肝実細胞が選択的に接
着され、しかもその接着形態が特異的であって三次元の
細胞集合体が導かれることを見出した(「糖鎖工学と人
工臓器」赤池敏宏ら、日経サイエンス、114〜129
頁、1994年)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さらに本発明者等は、
これらの糖鎖化合物を、紫外線吸収を水溶性分子で行う
ことが要求される例えば化粧品等の分野に用いることを
考え、高い水溶性を有する糖鎖と紫外線吸収能力を持つ
化合物を組み合わせた糖鎖化合物および糖鎖高分子を想
起するに至った。
【0006】これまで化粧品などに使われている紫外線
吸収剤は、水溶性に乏しく、乳化剤、有機溶媒と共に使
用されることが多く、生体に対する適合性が低い。さら
に、紫外線吸収剤を日焼け防止剤として用いる場合に
は、クリーム、ローションなどの形で皮膚に塗布するた
め、のびが悪く、むらになったりするなど、汎用性が低
いことが問題であった。
【0007】そこで本発明は、優れた水溶性を備えると
ともに、紫外線吸収能を併せ持つ新規な糖鎖化合物およ
び糖鎖高分子を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明による紫
外線吸収能を有する糖鎖化合物は、紫外線吸収能を有す
る化合物とオリゴ糖とを、疎水性炭化水素であって末端
にアミノ基およびカルボニル基を有するスペーサーを介
して結合させてなることを特徴とするものである。
【0009】紫外線吸収能を有する化合物としては、カ
ルボキシル基を有するカルボキシベンゾフェノンまたは
ジメチルアミノ安息香酸などが好ましく使用できる。
【0010】さらに本発明による紫外線吸収能を有する
糖鎖高分子は、糖鎖含有スチレン誘導体モノマーと紫外
線吸収性能のある官能基を有するビニル系モノマーとの
共重合からなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の糖鎖化合物に用いられる
紫外線吸収能を有する化合物としては、オリゴ糖に結合
したスペーサーと結合できる官能基を有するものであれ
ば制限なく使用することができるが、特にアミノ基ある
いはカルボキシル基を有する化合物が好ましい。中でも
カルボキシベンゾフェノン、アミノベンゾフェノン、ジ
メチルアミノ安息香酸あるいはそれらの組み合わせが好
ましく使用できる。
【0012】本発明の糖鎖化合物に用いられるオリゴ糖
としては、ラクトース(LA)、マルトース(MA)、
マンノビオース(Man)などの2糖鎖を含む、任意の
オリゴ糖、あるいはそれらのカルボキシメチル化物、N
−アセチル化物などの誘導体が使用でき、その目的によ
って適宜選択される。
【0013】紫外線吸収能を有する化合物の残基とオリ
ゴ糖との間に導入されるスペーサーとしては、フェニル
基、アルキル基、アリール基等の疎水性炭化水素基であ
って、末端にアミノ基およびカルボニル基を持つものが
使用でき、特にエチレンジアミン等が好適に用いられ
る。
【0014】本発明による糖鎖化合物の第1の実施形態
は、紫外線吸収能を有する化合物としてカルボキシベン
ゾフェノンを用いた下記式(1)で表される糖鎖化合物
を挙げることができる。
【0015】
【0016】式(1)は、ベンゾフェノンに結合したカ
ルボキシル基にエチレンジアミンを介してラクトースを
ペンダントさせた糖鎖化合物(以下BZP−LAと略記
する)である。
【0017】式(1)で表される糖鎖化合物BZP−L
Aは次のようにして合成することができる。先ず反応式
に従って、ラクトースの1位をラクトン化し、このラ
クトースラクトンとエチレンジアミンとを反応式に従
って反応させて、下記式(4)のN−[O−β−D−ガ
ラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド]
エチレンジアミン(以下EDA−LAと略記する)を得
る。
【0018】
【0019】
【0020】次に、カルボキシベンゾフェノンとN−ヒ
ドロキシサクシンイミドを、例えば水溶性カルボジイミ
ド(WSC)のごとき縮合剤の存在下で反応式に従っ
て処理し、下記式(5)の活性エステル化ベンゾフェノ
ンを得る。
【0021】
【0022】式(5)の活性エステル化ベンゾフェノン
と式(4)のEDA−LAをDMF中で反応させること
により式(1)のBZP−LAが合成される。
【0023】本発明による糖鎖化合物の第2の実施形態
は、紫外線吸収能を有する化合物としてジメチルアミノ
安息香酸を用いた下記式(2)で表される糖鎖化合物を
挙げることができる。
【0024】
【0025】式(2)は、ジメチルアミノ安息香酸に結
合したカルボキシル基にエチレンジアミンを介してラク
トースをペンダントさせた糖鎖化合物(以下DMA−L
Aと略記する)である。
【0026】式(2)で表される糖鎖化合物DMA−L
Aは、カルボキシベンゾフェノンの代わりにジメチルア
ミノ安息香酸を用いる以外は、上記のBZP−LAの合
成と同様にして得ることができる。
【0027】本発明の糖鎖高分子を構成する糖鎖含有ス
チレン誘導体モノマーは、p−置換スチレン誘導体のベ
ンジル位に糖鎖を結合させたものである。この糖鎖とし
ては、グルコース、ガラクトース、ラクトース、マンノ
ース、N−アセチルグルコサミン、ウロン酸関連物質、
硫酸糖等の単糖類、オリゴ糖類等がいずれも使用でき
る。
【0028】本発明の糖鎖高分子を構成する紫外線吸収
能のある官能基を有するビニル系モノマーは、重合可能
な残基としてビニル基を有し、紫外線吸収能のある官能
基として好ましくはアントラセンやカルバゾールのごと
き官能基を有するものである。しかしながら、紫外線吸
収能をもつ官能基は、糖鎖含有スチレン誘導体モノマー
と共重合した際に紫外線吸収能を維持するものであれ
ば、特に限定されるものではない。
【0029】上記した糖鎖含有スチレン誘導体モノマー
と紫外線吸収能のある官能基を有するビニル系モノマー
とを共重合させた共重合体を概念的に下記式(3)のよ
うに表すことができる。
【0030】
【0031】式(3)に示した糖鎖高分子を構成する糖
鎖含有スチレン誘導体モノマーにおけるスチレン誘導体
と糖鎖との結合方法は、アミド結合、エーテル結合、エ
ステル結合等の共有結合とするのが好ましい。糖鎖含有
スチレン誘導体モノマーは、例えばp−アミノメチルス
チレンのアミノ基とラクトン化した糖の末端カルボニル
基間でアミド結合を形成させることのより合成すること
ができる。このような糖鎖含有スチレン誘導体モノマー
の中でも、下記式(6)〜(13)で表されるモノマー
が特に好適に用いられる。
【0032】
【0033】上記式(6)で表されるN−p−ビニルベ
ンジル−[O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→
4)−D−グルコンアミド](以下VLAと略記する)
は、p−アミノメチルスチレンとラクトースから合成さ
れたモノマーであり、β−ガラクトース残基を有する。
【0034】
【0035】上記式(7)で表されるN−p−ビニルベ
ンジル−[O−α−D−グルコピラノシル−(1→4)
−D−グルコンアミド](以下VMAと略記する)は、
p−アミノメチルスチレンとマルトースから合成された
モノマーであり、グルコース残基を有する。
【0036】
【0037】上記式(8)で表されるN−p−ビニルベ
ンジル−[O−β−D−マンノピラノシル−(1→4)
−D−マンナミド](以下VMNと略記する)は、p−
アミノメチルスチレンとマンノビオースから合成された
モノマーであり、マンノース残基を有する。
【0038】
【0039】上記式(9)で表されるN−p−ビニルベ
ンジル−[O−α−D−グルコピラノシル−(1→6)
−D−グルコンアミド](以下VMEと略記する)は、
p−アミノメチルスチレンとO−α−D−グルコピラノ
シル−(1→6)−D−グルコースから合成されたモノ
マーであり、α−ガラクトース残基を有する。
【0040】
【0041】上記式(10)で表されるN−p−ビニル
ベンジル−[O−6−カルボキシメチル−β−D−ガラ
クトピラノシル−(1→4)−O−D−6−カルボキシ
メチル−グルコンアミド](以下VLCと略記する)
は、p−アミノメチルスチレンとラクトースから合成さ
れたモノマーをカルボキシメチル化して得られるもので
あり、カルボキシメチル化−β−ガラクトース残基を有
する。
【0042】
【0043】上記式(11)で表される3−O−4′−
ビニルベンジル−D−グルコース(以下VGと略記す
る)は、p−クロロメチルスチレンとグルコースとから
合成されたモノマーであり、グルコース残基を有する。
【0044】
【0045】上記式(12)で表されるN−p−ビニル
ベンジル−[O−2−アセトアミド−2−デオキシ−β
−D−グルコピラノシル−(1→4)−O−D−2−ア
セトアミド−2−デオキシ−β−D−グルコンアミド]
またはそれらの混合物(以下いずれもVGNと略記す
る)は、N−アセチルグルコサミン残基を有する。
【0046】
【0047】上記式(13)で表されるN−p−ビニル
ベンジル−D−グルコンアミド(以下VGAと略記す
る)は、D−グルコースを開環させてp−アミノメチル
スチレンと結合させたモノマーである。
【0048】式(3)に示した糖鎖高分子を構成する紫
外線吸収能のある官能基を有するビニル系モノマーは、
下記式(14)で表される1−ビニルアントラセン、下
記式(15)で表されるN-ビニルカルバゾール等が好
ましく用いられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0049】
【0050】
【0051】本発明による式(3)で表される糖鎖高分
子は、糖鎖含有スチレン誘導体モノマーに対して紫外線
吸収能のある官能基を有するビニル系モノマーを少なく
とも10mol%以上混合して共重合させることが好ま
しいが、得られる共重合体の親水性と紫外線吸収性が保
たれるのであれば、この比率に限定されるものではな
い。
【0052】本発明による糖鎖高分子の第1の実施形態
としては、式(6)で示すVLA(N−p−ビニルベン
ジル−[O−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)
−D−グルコンアミド])と、式(14)で示すビニル
アントラセンとを共重合させた下記式(16)で表され
る糖鎖高分子を挙げることができる。
【0053】
【0054】本発明による糖鎖高分子の第2の実施形態
としては、式(6)で示すVLAと、式(15)で示す
ビニルカルバゾールとを共重合させた下記式(17)で
表される糖鎖高分子を挙げることができる。
【0055】
【0056】
【実施例】以下に具体的な実施例を示して本発明を説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0057】[実施例1]BZP−LA(式(1))の
合成 (活性エステル化ベンゾフェノン(式(5))の調製)
4−カルボキシ−ベンゾフェノン5gとN−ヒドロキシ
サクシンイミド2.5gをDMF10mL(ミリリット
ル)に溶解し、これに縮合剤である1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸の
4.2gを加えて、12時間室温で反応させた。その
後、溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホルムに溶解した
後、蒸留水で数回洗浄した。クロロホルム相を硫酸ナト
リウム上で乾燥した後、クロロホルムを減圧留去した。
残渣を温エタノールで洗浄した後、酢酸エチルから再結
晶し、活性エステル化ベンゾフェノン2gを得た。この
化合物の1H−NMRスペクトルを図1に示す。
【0058】(ラクトースラクトンの調製)M. Goto, e
t al., J. Controlled Release, 28 (1994) 223-233に
記載の方法により調製した。概略は以下の通りである。
ラクトースを蒸留水に分散させてメタノールで希釈す
る。その希釈した分散液を加温したヨウ素のメタノール
溶液に加え、撹拌した後、水酸化カリウム/メタノール
溶液をヨウ素の色が消失するまで徐々に添加する。引き
続き、反応液を氷冷し、析出した沈殿を濾取する。沈殿
を洗浄し、再結晶することにより酸カリウム塩を得る。
【0059】得られたカリウム塩を、イオン交換樹脂に
通すことにより酸型とし、その酸型の分画にメタノール
を加えて減圧濃縮して結晶を得る。 その結晶を少量の
メタノールに溶かして、さらにエーテルを加えて沈殿さ
せるという操作を数回繰り返したのち、沈殿を凍結乾燥
してラクトースラクトンを得た。
【0060】(EDA−LA(式(4))の合成)前記
ラクトースラクトン15gを乾燥メタノール100mL
に溶解し、これにエチレンジアミン24gを加えて、環
流下4時間反応させた。 放冷し、沈殿を濾別した後、
反応液をクロロホルムの300mLに添加して、沈殿し
た白色結晶を濾取した。 これを少量のメタノールに溶
解し、さらにクロロホルムで沈殿させた。沈殿した白色
結晶を濾取し、エタノールで数回洗浄し、10gのED
A−LAを得た。この化合物の1H−NMRスペクトル
を図2に示す。
【0061】(BZP−LA(式(1))の合成)前記
活性エステル化ベンゾフェノン0.403gとEDA−
LA0.5gを乾燥DMF10mLに溶解し、室温で1
2時間反応させた。DMFを減圧留去し、残渣にメタノ
ールを加えて結晶化させた。この結晶をアセトン、クロ
ロホルム、エタノールの順で洗浄し、メタノールからの
再結晶によりBZP−LA0.5gを得た。この化合物
の1H−NMRスペクトルを図3に示す。
【0062】(BZP−LAの紫外線吸収能の測定)B
ZP−LAの16.2mgを蒸留水200mLに溶解
し、紫外線測定装置(ベックマン DU−600)によ
って25℃で紫外線吸収スペクトルを測定した結果を図
4示す。この結果、BZP−LAは260nmにε1
3,900の吸収極大を有する。
【0063】[実施例2]DMA−LA(式(2))の
合成 (活性エステル化ジメチルアミノ安息香酸の調製)N−
ジメチルアミノ安息香酸5gとN−ヒドロキシサクシン
イミドを乾燥DMF20mLに溶解し、縮合剤である1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸の5.8gを加えて、12時間室温で反応
させた。その後、溶媒を減圧留去し、残渣をクロロホル
ムに溶解した後、蒸留水で数回洗浄した。クロロホルム
相を硫酸ナトリウム上で乾燥した後、クロロホルムを減
圧留去した。残渣を温エタノールで洗浄した後、THF
から再結晶し、活性エステル化ジメチルアミノ安息香酸
2gを得た。この化合物の1H−NMRスペクトルを図
5に示す。
【0064】(DMA−LA(式(2))の合成)前記
活性エステル化ジメチルアミノ安息香酸0.98gと実
施例1で調製したEDA−LA1.5gを乾燥DMF1
0mLに溶解し、室温で12時間反応させた。DMFを
減圧留去し、残渣にメタノールを加えて結晶化させた。
この結晶を温エタノールに分散させ、原料を除いた後、
メタノールからの再結晶によりDMA−LA1gを得
た。この化合物の1H−NMRスペクトルを図6に示
す。
【0065】(DMA−LAの紫外線吸収能の測定)D
MA−LAの8mgを蒸留水100mLに溶解し、紫外
線測定装置によって25℃で紫外線吸収スペクトルを測
定した結果を図7に示す。この結果、DMA−LAは3
30nmにε440,600の吸収極大を有する。
【0066】[実施例3]VLAとビニルアントラセン
との共重合体(式(16))の合成 VLA(N−p−ビニルベンジル−[O−β−D−ガラ
クトピラノシル−(1→4)−D−グルコンアミド)
(式(6))は、実施例1で得られたラクトースラクト
ンとビニルベンジルアミンから文献( M. Goto, et al,
J. Controlled Release, 28(1994) 223-233)記載の方
法により合成した。
【0067】得られたVLA480mgと1−ビニルア
ントラセン(式(14))2mg(1mol%)をDM
SO0.5mLとトルエン0.5mLの混合溶媒に溶解
し、ガラスアンプルに移した。これに2容量%アゾビス
イソブチルニトリルを加えて、減圧下で脱気処理を行
い、減圧下ガラスアンプルを封じ、60℃で6時間反応
させた。反応終了後、溶液をエーテル300mLに徐々
に添加し、沈殿させた。沈殿を濾取し、少量の水に溶解
した後、透析チューブに移し、蒸留水5L(リットル)
に対して透析を行った。これを凍結乾燥して目的物であ
る共重合体300mgを得た。
【0068】得られた共重合体中の1−ビニルアントラ
センの量を仕込量の10mol%として計算してこの共
重合体を計量し、純水100mLに1×10-5mol/
Lの濃度となるように溶解した。この水溶液について紫
外線測定装置を使用して25℃での紫外線吸収スペクト
ルを測定した結果を図8に示す。
【0069】[実施例4]VLAとビニルカルバゾール
との共重合体(式(17))の合成 実施例3で得られたVLA480mgとN−ビニルカル
バゾール(式(15))1.9mg(1.9mol%)
をDMSO1mLに溶解し、ガラスアンプルに移した。
これに2容量%アゾビスイソブチルニトリルを加えて、
減圧下で脱気処理を行い、減圧下ガラスアンプルを封
じ、60℃で6時間反応させた。反応終了後、溶液をエ
ーテル300mLに徐々に添加し、沈殿させた。沈殿を
濾取し、少量の水に溶解した後、透析チューブに移し、
蒸留水5Lに対して透析を行った。これを凍結乾燥して
目的物である共重合体320mgを得た。
【0070】得られた共重合体中のN−ビニルカルバゾ
ールの量を仕込量の10mol%として計算してこの共
重合体を計量し、純水100mLに1×10-5mol/
Lの濃度となるように溶解した。この水溶液について紫
外線測定装置を使用して25℃での紫外線吸収スペクト
ルを測定した結果を図9に示す。
【0071】
【発明の効果】上述したところからわかるように、本発
明による糖鎖化合物および糖鎖高分子は、いずれも高い
水溶性を有し、さらに紫外線吸収能力も化粧品分野で使
用されている紫外線吸収剤(例えば、浅野 新、鈴木
正、BIO INDUSTRY,13 (1996) 6-14参照)に匹敵するす
るものである。従って、本発明によるこれらの化合物
は、水溶性の紫外線吸収剤として特に化粧品等に効果的
に配合使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性エステル化ベンゾフェノンの1H−NMR
スペクトル。
【図2】EDA−LAの1H−NMRスペクトル。
【図3】BZP−LAの1H−NMRスペクトル。
【図4】BZP−LAの紫外線吸収スペクトル。
【図5】活性エステル化ジメチルアミノ安息香酸の1H
−NMRスペクトル。
【図6】DMA−LAの1H−NMRスペクトル。
【図7】DMA−LAの紫外線吸収スペクトル。
【図8】VLAとビニルアントラセンとの共重合体の紫
外線吸収スペクトル。
【図9】VLAとビニルカルバゾールとの共重合体の紫
外線吸収スペクトル。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収能を有する化合物とオリゴ糖
    とを、疎水性炭化水素であって末端にアミノ基およびカ
    ルボニル基を有するスペーサーを介して結合させてなる
    ことを特徴とする紫外線吸収能を有する糖鎖化合物。
  2. 【請求項2】 前記紫外線吸収能を有する化合物がカル
    ボキシベンゾフェノンであることを特徴とする請求項1
    記載の糖鎖化合物。
  3. 【請求項3】 下記式(1)で表されることを特徴とす
    る請求項2記載の糖鎖化合物。
  4. 【請求項4】 前記紫外線吸収能を有する化合物がジメ
    チルアミノ安息香酸であることを特徴とする請求項1記
    載の糖鎖化合物。
  5. 【請求項5】 下記式(2)で表されることを特徴とす
    る請求項4記載の糖鎖化合物。
  6. 【請求項6】 糖鎖含有スチレン誘導体モノマーと紫外
    線吸収能のある官能基を有するビニル系モノマーとの共
    重合体からなることを特徴とする紫外線吸収能を有する
    糖鎖高分子。
  7. 【請求項7】 下記式(3)で表されることを特徴とす
    る請求項6記載の糖鎖高分子。
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