JP2006514973A - 重合性モノマー及びそれらの調製する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、医薬及びバイオテクノロジーにおいて適用するための重合性モノマー及びその合成に関連する。Nアセチルグルコサミンを含有する重合性リガンドは、NAG自身よりも強力にライソザイムに対して結合する。結合は、スペーサーアームの例えば、6-アミノカプロン酸(6-ACA)が構造中に導入された場合に一層強化される。結合したリガンドは細菌及びウィルス感染症の治療及び予防のために使用されて良い。更に、これらのリガンドは、感受性ポリマーを刺激するために結合させられて良い。この方法は、他のリガンドの例えば、サリチル酸及びインフルエンザ及びレトロウィルス感染症を予防するたに使用される対応するポリマーに対して拡大されて良い。

Description

発明の分野
本発明は、下の式(1)のN-アセチルグルコサミン(NAG)を含む重合性モノマーに関連する。
Figure 2006514973
(式中、RはH、CH3、C2H5又はC6H5であり、Xは4-アミノ酪産(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、8アミノオクタン酸(8-AOA)、IO-アミノデカン産(IO-ADA)、II-アミノウンデカン酸(1I-ADA)に基づいており;YはN-アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース及びサリチル酸、フルクトース、リブロース、エリトロロース(erythrolose)、キシルロース、プシコース、ソルボース、タガトース、グルコピラノース、フルクトフニノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セロビオース、セルロース及びアミロースからなる群から選択されている。
一層詳細には、本発明は、炭水化物リガンドを含む前記モノマー及び本明細書中に記載のそれらの特異的結合を介するそれらの調製物に関連する。尚一層詳細に、NAG自身よりもライソザイムに対して一層強力に結合するモノマーに関連する。提供されているモノマーは、下に記載した式2の塩化アクリロイル(式中、アクリロイルに関してR=Hであり、塩化メタクリロイルの場合はR=CH3である)をリガンドの例えば、下に例示した式3のN-アセチルグルコサミン、又はマンノース、ガラクトース及びサリチル酸と反応せしめることによって調製されている。
Figure 2006514973
発明の背景
タンパク質炭水化物相互作用は、生物学的プロセスの例えば、細胞接着及び細胞認識において重要な役割を果たし、例えば、インフルエンザは、ウィルスと、サリチル酸を含む赤血球(RBC)との結合によって生じる。RBCよりも強力にウィルスに対して結合するポリマーリガンドはインフルエンザ感染症を阻害するだろう(Sigalら、J. Am. Chem. Society,vol.118, No.16:pp.3789〜3800, 1996)。類似する結合もロタウィルス感染症に関連している。
タンパク質炭水化物相互作用は、低親和性作用である。もし組み込まれたリガンドの相対密度及び空間配置が最適化されれば、結合は実質上増強されて良い。モノマーリガンドと分子の特異的結合部位との間での相互作用の増強は、親和性分離、ドラッグデリバリー及びバイオテクノロジーにおける適用をも発見できる。このメカニズムを模擬して生かすために、基質リガンド相互作用を増強するだろう重合性リガンドを合成するための単純な方法を考え出すことが必要である。
部位特異的リガンド結合体は相互反応性分子であり、そして免疫アッセイ及び生物分子分離において有用である。反応性分子はタンパク質又はペプチド、抗体、酵素、多糖類又は適切な環境中で他の基質レセプターに対して特異的に結合する糖タンパク質である。そのようにして結合したリガンドは、環境条件を代えることによって結合部位から移動させられて良い。
Sharonら,(Science vol.246:pp.227〜234,1989)は、糖−結合体分子の炭水化物部分は、炭水化物の生物学において重要な実体であることを報じた。炭水化物修飾の利点は、物理的特性の例えば、溶解度、安定性、活性、抗体認識及び酵素に対する感受性などの物理特性における変化に加わりうることに依存することでありうる。
Damschroderら(米国特許2,548,520,1951)は、不飽和モノマーと結合したタンパク質を予め形成されたポリマーと結合したタンパク質を共重合することによって調製された高分子量物質を開示する。これら高分子量物質の合成には一般に、最大約100℃の温度が必要になる。かかる高温には、タンパク質の多くは十分に耐えられないだろう。従って、記載されている方法は、生物学的に活性を有するポリマーを生産するために不適切である。
Jaworekら(米国特許3,969,287号、1976)は、担体を結合したタンパク質を調製するための方法を報じており、ここで当該タンパク質は、共重合することができる二重結合を1つ以上含むモノマーと反応している。担体は、非水溶性固体として提供されている又はタンパク質モノマー結合体の存在下で水溶性モノマーのポリマー化によってin situで生産されている。本発明の方法において使用されるタンパク質は典型的に酵素である。
代わりに、タンパク質は、ポリマータンパク質結合体を形成するために結合させられて良い。このことにおけるタンパク質の結合の程度は、立体を考慮して限定されている。更に、ポリマー鎖に沿ってのリガンドの結合は、正確に配置、コントロール/再生されえない。
モノマー及びオリゴマーは、選定のリガンドに対して化学スペーサーアームを介して共有結合し、モノマー、オリゴマー結合体を形成する。これには、これら結合体と他のモノマーの共重合が続いて良い。制御された化学的合成方法を使用することで、所定の密度、溶解度及び物理構造におけるリガンド分子のポリマー結合体の間隔をあけること、立体アクセス性、ポリマー分子量におけるリガンド分子の数を制御することが可能である。従って、この方法は様々な用途において独特の利点を供する。
従って、基質との結合を増強するためにリガンドに対して共有結合しているモノマーを合成することは有利である。特異的基質レセプターと結合するリガンドの効率は、様々な条件において定量化されて良く、例えば、基質の存在下での結合定数(Kb)、会合定数(Ka)又は相対阻害率(I50)において定量化されて良い。
糖科学の分野における最近の発展は、クラスター効果の結果としての炭水化物リガンドと特異的レセプターの間での結合増強を証明してきた。これら相互作用は、これらのリガンドの固有の特性からもたらされる。Horejsiら(Biochim.Biophys.Acta.,vol.538,p.293,1978)は、ネオ糖脂質(neoglycolipids)、ネオ糖タンパク質(neoglycoproteins)及び糖ポリマーを含んで成る合成グリコ結合体化合物を報じている。バイオアッセイ及び免疫化学アッセイにおける炭水化物リガンドの結合を増強するために、我々は、リガンドN-アセチルグルコサミンとスペーサーを含むモノマーであって、適切な分子量へと更にポリマー化されて良いモノマーを結合させた。
インフルエンザウィルスのヘマグルチニンが感染の第一段階を介在することが周知である。これはヘマグルチニンとシアル酸残基との、鼻腔上皮細胞上での細胞表層レセプターに対する結合を伴う。
Spevakら.(J. Am. Chern. Society, vol.115,pp.1146〜1147, 1993)は、インフルエンザウィルスの有力な阻害物質であるサリチル酸のC-配糖体を含むポリマー化したリポソームを報じている。更に、この著者は、感染症は、モノマーを担持するリガンドがポリマー化された場合有効に阻害されたことを示している。Wuらは(Biorg. Med. Chem. Lettl vol.0, No.341〜343,2000)は、サリチル酸基を含むポリアクリルアミドの、インフルエンザウィルスが赤血球に対して結合することを阻害することにおける有効性を証明している。
NAGなどの炭水化物は、レクチン及びライソザイムのためにリガンドとして働く。Royら(J. Chem. Soc. Chem. Comm., vol.1611〜1613, 1992)は、ター重合(terpolymerizations)によるカスタム設計糖ポリマー合成を報じている。N-アクリロイル前駆体及びアクリルアミドをエフェクター分子として使用し、特異的特性の例えば、疎水性をそしてタンパク質のチロシン残基の模倣することを提供する。
Mammenら(J. Med. Chem., vol.38, pp.4179〜4190, 1995)は、ペンダントαシアロシド基を、インフルエンザウィルスによる赤血球の凝集における有効な阻害物質として維持し、多価性のはたらきを示唆するポリアクリルアミドを報じている。ウィルス表層への多価阻害物質の親和性は一価シアル酸阻害物質と比較して非常に増強されている。加えて、リガンドを含む高分子量ポリマーはウィルスとそのレセプター間での結合を立体排除により阻害する。Sigelら(J. Am. Chem.Society, vol.118(No.16),pp.3789〜3800,1996)は、シアロシド基を含むポリマーの、インフルエンザウィルスが赤血球に対して結合することを阻害することにおける効果を報じている。それらは、増強された基質リガンド結合性の寄与を明確にしそして阻害の効率に対する考慮をステーン(stene)する。これらの調査によりそれはインフルエンザウィルスを阻害するために利用されて良い様々な種類のリガンドが調査された。Mochalovaら(Antiviral Research,. vol.23,pp.179〜190,1994)は、ポリ(アクリル酸コアクリルアミド)及びデキストランを有するグリシルアミドベンジルシアロシドを合成した。これらポリマーリガンドは、細胞培養において、それらのA型及びB型インフルエンザウィルス株に対する結合の能力について評価された。
刊行物中で報じられたオリゴマー及びポリマーの合成方法は、複雑で、そしてインフルエンザなどのウィルス感染症に対して主に焦点が当てられている(Sigalら, J. Am. Chem. Society, vol.118,No.16, pp.3789〜3800,1996)。
ポリマーフコシドはインフルエンザウィルスの表層上で発見された酵素ノイラミニダーゼに対して耐性があることが報じられている。この酵素は、ウィルスの表層に対して結合する分子に由来する赤血球表層上のシアル酸基をも解裂し、それによって細胞安定性を破壊する。
現在の刊行物では、多価相互作用の利点並びにそれらの、医薬及びバイオテクノロジーにおける適用が主要部分となっている。フコースシアル酸成分は、ロタウィルスを処理するためにポリマーに対して結合させられて良い(Mandeville, III,ら, 米国特許第6,187,762号, 2001)。これらの成分(moietip)は哺乳動物及びヒトにおけるロタウィルス感染症を阻害又は予防することができる。
Akaiら(J. Carbohydrate, Chem., vol.20(No.2), pp.121〜143,2001)は、側鎖にD-マンノピラノース、2-アセトアミド-2-デオキシ-b-D-マンノピラノース、2-デオキシ-2フルオロ-b-D-マンノピラノース、及び2-デオキシ-b-D-アラビノ-へキソピラノースを含むスチリルモノマーを合成した。これらは、エキソマンノシド消化のための有力な阻害物質である。EI-Saiedら(J., Carbohydrate, Chem., vol.18(No.5), pp.585〜602, 1999)は、多糖類骨格及びキレートモノマーとしてアクリロイルシアノアセトヒドラジド(ACAH)を含むグラフトコポリマーを合成した。グラフトの効果の変数の例えば、時間、温度、モノマー濃度及びキチン上のイニシエーターが研究されている。Dimickら(J. Am :, Chem. Society, vol.121, No.44, pp.10286〜10296,1999)は、多価リガンドの分子クラスターグリコシド効果及び植物レクチンンコカナバリンに対する合成を報じている。A. Krepinskyら(米国特許第6,184,368号, 2001)は、ライソザイムに対するキトサンの生産的結合における制限並びに単一のグリコシル化剤又はグリコシル化剤の混合物を維持する部分的に保護された多糖類のグリコシル化によって多価炭化水素分子を合成するための方法を報じている。
キトサン(式4)は直線状の2成分へテロ多糖類であり、そして2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコース(GlcNAc ; A-ユニット)及び2-アミノ-2-デオキシ-β-Dグルコース(GlcNAc, D-ユニット)からなる。ライソザイムの活性部位は、A-Fと命名されたサブサイトを含んで成る。キトサン配列のライソザイムに対する特異的結合は、サブサイトCにおけるNAGユニットの結合により始まる。更に、グルコースに由来する天然のリガンドは細菌増殖に対して感受性である。従って、ライソザイムによって加水分解されないだろうキトサンの繰り返しユニットに類似するリガンドを合成する必要がある。これらのポリマーはキチン及びより早い報じられたキトサンよりも一層安定であることが予測されている。
Figure 2006514973
リガンドの種類とは別に、そのポリマー鎖に沿ったその分布は阻害の効率に影響を及ぼすことにおいて重要な役割を果たす。ペンダントN-アセチル-D-グルコサミン残基を維持する両親媒性残基の生カチオン性重合(living cationic polymerization)による合成及び生じるジブロックコポリマーとレクチンの相互作用はYamadaら(Macromolecules, vol.32, pp.3553〜3558, 1999)によって報じられている。N-アセチル-D-グルコサミン残基を含むホモポリマー及びブロックコポリマーを合成するこの方法によりレクチンに対する結合が有意に増加する。しかしこの方法の適用可能性は、極低温及びストリンジェントポリマー化条件を必要とすることによって限定されている。
発明の目的
本発明の主たる目的は、医薬及びバイオテクノロジーにおいて適用するための重合性モノマーを提供することである。
他の目的は、リガンドのNAG、マンノース、ガラクトース又はサリチル酸、フルクトース、リブロース、エリトロース、キシロース、ピコース、ソルボース、タガロース、グルコピラノース、フルクトフラノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セラビオース、セルロース及びアミロースなどを伴う反応性の様々な分子量の反応性ポリマーの都合良い方法を供することである。
本発明の更なる目的は、リガンドを含むモノマーを調製する好都合な方法を提供することである。
本発明の更なる他の目的は、相互作用を増強するためにNAGを含有するモノマーを調製する方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、天然のポリマーのよりも、生物分子と相互作用するために一層安定であるリガンド、例えば、NAGを含有するキチン及びキトサンを提供することである。
発明の概要
本発明は、生物分子標的に対する重合性モノマー及びそれを合成する方法を供し、当該重合性モノマーは標的酵素/タンパク質に対して選択的結合を示す。本発明は、ある溶液から標的生物分子を単離するために有用な親和性を獲得するための方法をも提供する。重合性リガンドは、更にオリゴマー化又は重合化されて良く且つ終末官能基を有して良い。更に、これらは他のコモノマーと共重合され、過去に実現されたものとは異なる様々なポリマー構造を維持するコポリマーを提案することができうる。N-アセチルグルコサミンを含むこれらのリガンドは、調製することが簡単であり且つ分解に対して耐性があり、再利用可能、安定であり且つ微生物汚染を伴わない。
従って、本発明は、式1の重合性モノマーを提供する。
Figure 2006514973
(式中、RはH、CH3、C2H5、C6H5であり;Xはスペーサーの例えば、4-アミノ酪酸(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、8-アミノオクタン酸(8-AOA)、IO-アミノデカン酸(10-ADA)、II-アミノウンデカン酸(11-ADA)に基づいており;YはN-アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース及びシアル酸、フルクトース、リボース、エリトロース、キシロース、プシコース、ソルボース、タガトース、グルコピラノース、フルクトフラノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セロビオース、セルロース及びアミロースからなる群から選択された炭水化物リガンドである)。
本発明は、式1の重合性モノマーを調製するための方法をも提供する。
Figure 2006514973
(式中、RはH、CH3、C2H5、C6H5であり;Xはスペーサーの例えば、4-アミノ酪酸(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、8-アミノオクタン酸(8-AOA)、IO-アミノデカン酸(10-ADA)、II-アミノウンデカン酸(11-ADA)に基づいており;YはN-アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース及びシアル酸、フルクトース、リブロース、エリトロース、キシロース、プシコース、ソルボース、タガトース、グルコピラノース、フルクトフラノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セロビオース、セルロース及びアミロースからなる群から選択された炭水化物リガンドである)の重合性モノマーを調製するための方法をも提供する。当該方法は、重合性モノマー酸塩化物をアルカリの溶液中に溶かし、スペーサーの水性溶液を別個に調製し、当該溶液の温度を5〜10℃にし、重合性モノマー酸塩化物の溶液を当該スペーサーの溶液に対して滴下し、当該混合物のpHを当該アルカリ溶液の添加により7.4〜7.8に維持し、そして添加の間温度を5〜10℃に維持し、未反応のモノマー酸塩化物を溶媒抽出によって除去し、当該反応混合物をpH5〜5.5に酸性化し、そして反応混合物を溶媒抽出し、非溶媒を使用することで沈殿させてモノマー−スペーサー結合体を獲得し、そして真空下室温で乾燥させ、当該結合体を有機溶媒中に溶かし、これに対して炭水化物リガンドを添加し、これの反応混合物に対してカップリング剤を添加し、反応を24〜48時間に渡り室温で可能にし、未反応のカップリング剤を除去し、透明な溶液を溶媒により処理し重合性モノマーを獲得することを含んで成る。
本発明の1つの実施態様において、重合性モノマー酸塩化物は、メタクリロイルまたは塩化アクリロイルから選択されている。
本発明の他の実施態様において、アルカリは、10〜20%溶液アルカリ金属の水酸化物、重炭酸塩又は炭酸塩の溶液の例えば、NaOH、KOH、NaHCO3、NaHCO3を含んで成る。
本発明の他の実施態様において、スペーサーは、モノマー酸塩化物と結合するための反応性部位及び炭水化物リガンドと結合するための反応性部位の官能基の例えば、OH、COOH又はNH2を有する二官能性化合物の、例えば、4-アミノブチル(4-ABA)酸、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、10-アミノデカン酸(10-ADA)、1,4-ジアミノブタン、ヘキサミエチレンジアミン及び1,4ブタンジオールが挙げられる。
本発明の他の実施態様において、未反応のモノマースペーサーを溶媒抽出するために使用される溶媒は、モノマースペーサーに対する非溶媒であり、例えば酢酸エチル又は酢酸メチルである。
更に他の実施態様において、酸性化は濃度5〜20%を有する鉱酸を使用することで行われている。
他の実施態様において、結合体を溶かすために使用されている有機溶媒は、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドから選択されている。
他の実施態様において炭水化物リガンドはNAG、シアル酸、マンノース及びガラクトースからなる群から選択されている。
更なる実施態様において、使用されたカップリング剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、I-シクロヘキシル3-(2-モルホリノエチル)、カルボジイミドメト-p-トルエンスルホネート(CMC)、及びI-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド(EDC)からなる群から選択されている。
本発明の他の実施態様において、重合性モノマーを沈殿させるために使用された非溶媒は、アセトン、ジエチルエーテル及びヘキサンから選択されている。
更に他の実施態様において、モノマーを合成するために使用されたモノマー性酸塩化物:アミノ酸のモル比は1:1である。
更に他の実施態様において、モノマースペーサーを縮合するためのカップリング剤:炭水化物リガンドのモル比は1:1である。
更に他の実施態様において、重合性モノマー酸塩化物:スペーサーのモル比は0.1:1 〜1:0.1、好適には0.5〜1:1:0.5、一層好適には0.8:1〜1:0.8である。
本発明の特長において、リガンドとモノマーの結合はスペーサーを介して行われている。「スペーサー」は、レセプター生物分子と結合するために、リガンド結合体に対してより大きなアクセス性を提供する。
更に他の特徴において、重合性酸塩化物はCH2OH基を介してNAGに対して結合しており、刊行物において報じられているキトサン、キチン及び/又はNAGの他の誘導体中に存在しない特徴がある。
本発明の詳細な説明
NAGは、直鎖状の、2成分へテロ多糖類であり且つ2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコース(GlcNAc ;A-ユニット)及び2-アミノ 2-デオキシ-β-D-グルコース(GlcNAc,D-ユニット)から成るキトサンから誘導されている。キトサンは強力な天然リガンドであり、それはNAG残基を介してライソザイムに対して結合する。しかし、それは3つの主たる制限を受ける。その制限とは、1)キトサンは天然のpHで不溶性であり、多くの適用に制限を与えうる;2)キトサンはトランスグリコシル化及び変遷光を受け、それはその活性及び効率を実質上下げる;3)キトサンは、ライソザイムによって加水分解される、である。本発明は、NAGを含んで成る重合性モノマーを調製するための簡単な方法を提供し、それは多価相互作用のために活用されて良い。この方法のメリットは、説明するように、NAGを使用することが重要となっている。過去において、糖結合体オリゴマー及びレセプター結合活性のためのクラスターの合成をするための様々な方法が報じられてきた。Nishimoraら(Macromolecules.,vol.27,pp.4876〜4880,1994)はN-アセチル-D-グルコサミンのアクリルアミドアルキルグリコシドからクラスター化する糖ホモポリマーを合成した。クラスター型のポリマーに加えて、WGAに対する結合が増強された。我々が記載した方法は、リガンド基質相互作用を増強する多価炭化水素結合体を合成するために有用である。更に、本方法は、他のリガンドの例えば、シアル酸、マンノース及びガラクトースに拡大されて良い。
本発明は、式(I)を有する重合性モノマーを提供する。
Figure 2006514973
(式中、RはH、CH3、C2H5、C6H5であり;Xはスペーサーの例えば、4-アミノ酪酸(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、8-アミノオクタン酸(8-AOA)、IO-アミノデカン酸(10-ADA)、II-アミノウンデカン酸(11-ADA)に基づいており;Yは炭水化物リガンドの例えばN-アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース及びシアル酸、フルクトース、リブロース、エリトロース、キシロース、プシコース、ソルボース、タガトース、グルコピラノース、フルクトフラノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セロビオース、セルロース及びアミロースである)
本発明は、上記重合性モノマーを調製するための方法を供し、当該方法は、重合性モノマー酸塩化物をアルカリの溶液中に溶かし、スペーサーの水性溶液を別個に調製し、当該溶液の温度を5〜10℃にし、重合性モノマー酸塩化物の溶液を当該スペーサーの溶液に対して滴下し、そして温度を5〜10℃に維持し、当該混合物のpHを当該アルカリ溶液の添加により7.4〜7.8に維持し、そして添加の間未反応のモノマー酸塩化物を溶媒抽出によって除去し、当該反応混合物をpH5〜5.5にし、そして反応混合物を溶媒抽出し、非溶媒を使用することで沈殿させてモノマー−スペーサー結合体を獲得し、そして真空下室温で乾燥させ、当該結合体を有機溶媒中に溶かし、これに対して炭水化物リガンドを添加し、この反応混合物に対してカップリング剤を添加し、反応を24〜48時間に渡り室温で可能にし、未反応のカップリング剤を除去し、透明な溶液を溶媒により処理し重合性モノマーを獲得することを含んで成る。
重合性酸塩化物は好適に、塩化メタクリロイル又は塩化アクリロイルから選択されている。本発明の他の実施態様において、アルカリは、アルカリ金属の水酸化物、重炭酸塩又は炭酸塩の例えば、NaOH、KOH、NaHCO3、NaHCO3の10〜20%溶液を含んで成る。スペーサーとしては、重合性酸塩化物と結合するための反応性部位及び炭水化物リガンドと結合するための反応性部位の例えば、官能基のOH、COOH又はNH2を有する二官能性化合物の、例えば、4-アミノブチル(4-ABA)酸、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、10-アミノデカン酸(10-ADA)、1,4-ジアミノブタン、ヘキサミエチレンジアミン及び1,4ブタンジオールが挙げられる。未反応のモノマースペーサーを溶媒抽出するために使用される溶媒は、酢酸エチル又は酢酸メチルなど、モノマースペーサーに対する非溶媒でありうる。更に他の実施態様において、酸性化は5〜20%の濃度を有する鉱酸を使用することで行われて良い。結合体を溶かすために使用された有機溶媒としては、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。炭水化物リガンドはNAG、シアル酸、マンノース及びガラクトースである。使用されたカップリング剤は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、I-シクロヘキシル3-(2-モルホリノエチル)、カルボジイミドメト-p-トルエンスルホネート(CMC)、I-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド(EDC)から選択されている。
重合性モノマーを沈殿させるために使用された非溶媒は、アセトン、ジエチルエーテル又はヘキサンから選択されている。モノマーを合成するために使用されたアミノ酸:モノマー性酸塩化物の比は1:1である。モノマースペーサーを縮合するためのカップリング剤:炭水化物リガンドのモル比は1:1である。重合性モノマー酸塩化物:スペーサーのモル比は0.1:1〜1:0.1、好適には0.5〜1:1:0.5、一層好適には0.8:1〜1:0.8である。
本発明の特長において、リガンドとモノマーの結合はスペーサーを介して行われている。「スペーサー」は、レセプター生物分子と結合するために、リガンド結合体に対してより大きなアクセス性を提供する。
更に他の特徴において、重合性酸塩化物はCH2OH基を介してNAGに対して結合しており、刊行物において報じられている限り、キトサン、キチン及び/又はNAGの他の誘導体中に存在しない特徴がある。他の更なる特長において、相対阻害率を見積もるために使用される方法は、I50mM及びImax値に従うことである。更なる他の特徴において、ライソザイムと重合性リガンド含有NAGとの間の結合が増強されている。
本明細書においてNAGをモノマーに導入するために報じられた方法は、比較的単純である。モノマーは、極低リガンド濃度で有効であることに加えて、条件下のリガンドが高価である場合、例えばシアル酸において有利である。
複数のNAGリガンドがポリマー骨格に存在することにより、ウィルス及び生物分子の例えばインフルエンザ、ロタウィルス、コムギ胚芽凝集素(WGA)に対する結合が増強されるだろうことが予測されている。複数のリガンドを含むポリマーは同時に複数のレセプターと相互作用でき、それによりライソザイムに対する結合を増強する。これらのリガンドが酵素活性を阻害する能力は、有効な阻害物質を開発する新たな方法を供する。合成されたモノマーは、増強された基質リガンド相互作用を示し、そして様々な適用の例えば、免疫アッセイ及び親和性分離などにおいて使用されて良い。本発明は、炭水化物成分を含むモノマー及びそれらの調製に関連する。モノマーはスペーサーアームを含んで成って良く、スペーサーアームはビニル基とリガンドの間に挿入されている。これらのモノマーは、生物分子を回収するためのホモポリマー、オリゴマー及びコポリマーの合成のために使用されて良い。
炭水化物モノマー結合体を含んで成るポリマーは生物感染症又はウィルス感染症の治療において使用されて良く、そして薬物耐性を生じないことが期待されている。
NAGを含有するモノマーは、キトサンなど、NAGを含有する天然のポリマーよりも増強された加水分解安定性及び水溶性を示す。NAGを含有するモノマーは、ポリマー化又はオリゴマー化のために使用されて良い。それらは、疾患の予防及び治療の両方をするための抗感染症剤として、天然に生じる並びに遺伝子操作された生物分子の回収のために使用されて良い。
一般に部位特異的相互作用及びタンパク質-炭化水素相互作用は、特に増強された結合への鍵である。一価相互作用は弱い一方で、多価相互作用は、非常に低濃度であってさえも有効な阻害をもたらすことができる。本発明は、医薬及びバイオテクノロジーにおいて適用するためのホモポリマー及びコポリマーに転換されて良いNAGを含有する重合性モノマーに関連する。本発明の更なる観点は、スペーサーアームを含んで成るモノマーNAGを調製することである。スペーサーアームを導入する利点は、酵素の結合部位に対するリガンドのアクセス性を増強することである。
用語「モノマー」とは、全ての重合性有機化合物を意味し、それは共有結合を形成することができ、即ち、適切な条件下で重合でき、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイル、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート、グリセロールアクリレート又はグリセロールメタクリレート、塩化アリル;ヒドロキシ-低級-アルキル-1-アクリレートの例えば、2-ヒドロキシエチルメタクリレート又は3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びアミノ-低級-アルキルアクリレートの例えば、2-アミノ-エチルメタクリレートとして使用されて良い。モノマーであって、水溶性であるかあるいは水/極性有機溶媒混合物に可溶性であるモノマーが好適である。
本明細書中で使用されている代表的なリガンドは、本明細書中下に示すような式5のメタクリロイルN-アセチルグルコサミンであるが、本発明の範囲を限定しない。
Figure 2006514973
本明細書中に記載の方法は、 一般的なものであり、そして他の系にも拡張されて良い。例えば、シアル酸リガンドは、インフルエンザウィルス及びロタウィルスに対して結合することが知られている。従って、シアル酸を含んで成るポリマーは、対応するモノマーよりも一層強力に2種のウィルスに対して結合することが予測されている。
本発明は、所望のようにオリゴマー化又はポリマー化されて良い、N-アセチルグルコサミンを含む重合性モノマーの調製をするための方法を供する。これらのモノマーは、向上した生物分子結合及び阻害を示し、そしてそれらの効率は重合によって増強されて良い。本発明によって提供されるポリマー化可能モノマーはスペーサーアームを含んで成って良く、スペーサーアームはビニル基と炭水化物リガンドの間に挿入されている。これらのモノマーは、ウィルス感染症を阻害するため及び生物分子を回収するためのホモポリマー、オリゴマー及びコポリマーを合成するために有用である。
ポリマー性リガンドの調製をするための方法が本明細書中下において例を参照にすることにより説明されており、その例は、例示のためであり、いかなる場合も本発明の範囲を限定すると解釈されるべきではない。
実施例1 アクリロイルN-アセチルグルコサミン(Ac.NAG)の調製
11.1gのN-アセチルグルコサミン及び4.2gの重炭酸ナトリウムをビーカー中で溶かした。そのビーカーには滴下ろうと及びpHメーターを備えていた。透明な溶液を連続的にマグネティックスターラーにより5℃で撹拌した。5mlのジクロロメタン中の塩化アクリロイルを滴下して加えた。
反応混合物をpH7.5に、重炭酸ナトリウムの飽和溶液の添加により維持した。塩化アクリロイルの添加後、未反応の塩化アクリロイルを100mlの酢酸エチルにおいて抽出した。透明な水溶液を分離して濃HClを加えることによりpH5.0へと酸性化した。最後に、アクリロイルN-アセチルグルコサミンを蒸留したアセトン中で沈殿させた。産物をアセトン中で最沈殿させた。
実施例2 メタクリロイル6-アミノカプロン酸(M.Ac. 6-ACA)の調製
容量250mlのビーカーには滴下ろうと及びpHメーターを備えた。13.16gの6ACA、4gの水酸化ナトリウム及び80mlの水を連続的に5℃でマグネティックスターラーにより撹拌した。10mlのジクロロメタン中、9mlの塩化メタクリロイルを上記溶液に対して滴下して加えた。反応混合物のpHを10MのNaOH溶液を添加することによって7.5に維持した。未反応の酸塩化物を100mlの酢酸エチルにおいて抽出した。この透明な水性溶液を、濃HClを使用することでpH5.0に濃縮し、そして産物を酢酸エチルにおいて抽出した(3x100ml)。有機層を無水硫酸ナトリウムの下で乾燥させて真空下で濃縮した。この粘性の液体を500mlの石油エーテルに対して加えた。固体産物を獲得して48時間に渡り真空乾燥させた。
実施例3 アクリロイル6-アミノ.カプロン酸N-アセチルグルコサミン(Ac.6AC2.NAG)の調製
5gのアクリロイル6-アミノカプロン酸(Ac.6ACA)及び5.97gのN-アセチルロコサミンを20mlの無水ジメチルホルムアミド(DMF)中に溶かした。透明な溶液を連続撹拌によって獲得し、そして5.57gmのジシクロヘキシルカロボジイミド(DCC)をカップリング剤として加えた。この反応混合物を連続的に24時間に渡り室温で撹拌した。ジシクロヘキシルウレア(DCU)をろ過してスペーサー及びリガンドNAGを含有するモノマーを蒸留したアセトン中で沈殿させた。それを48時間に渡り乾燥させた。
実施例4 蛍光分光法並びにスペーサーを含有する1又は複数のモノマーから生じる増強によってNAGを含有するモノマーの結合定数(Kb)の見積り。
ライソザイムの蛍光スペクトルをPerkin Elmer LS-50 B 蛍光分光光度計により記録した。励起頻度は、285nmであった。ライソザイム及びN-アセチルグルコサミンの溶液を、0.0154Mの塩化ナトリウム及び0.008Mのアジ化ナトリウムを含有する、pH6.2の0.066Mリン酸バッファー中で調製した。0.1mlのライソザイム80μg/mlを、容積2ml、10mm2石英セルにおいてリガンドを異なる濃度で含む溶液と混合して、18℃で維持した。
リン酸バッファーを加えて体積を2mlにした。溶液の蛍光強度を酵素を含む溶液とそして同一濃度の参照のバッファー混合物と比較して測定した。様々な濃度でリガンドを含む溶液で飽和させたライソザイムの相対蛍光強度、Foeを、1/(F0-F)を1/[S]に対してプロットすることによって実験的な値から外挿した。ここでFは、与えられた基質濃度[S]を伴う酵素を含有する溶液の測定した蛍光であり、そしてF0は酵素単独の溶液の蛍光を示す(Chipmanら, J. Biol. Chem., vol.242〜19, pp.4388〜4394, 1967)。酵素が85%超飽和した場合、ポリマー基質の最高の濃度が使用された。
Figure 2006514973
重合性モノマーの結合定数を表1にまとめており、ここでN-アセチルグルコサミンは結合定数5.24x102を有し、モノマーAc.NAGについては7.07x104であった。結合定数の増加は、74倍である。
スペーサーアーム6-ACAの導入に伴い、結合定数は更に増加し、N-アセチルグルコサミンに比べてほぼ2650倍である1.97x105になった。
実施例5
この例では、モノマーによるライソザイムの阻害率の見積もりを記載する。ミクロコッカス・ライソデイクチカス(Micrococcus lysodeikticus)は、酵素ライソザイムの基質である。モノマー及びスペーサーアームを介してNAGに対して結合したモノマーの相対結合率を、NeubergerとWilson(1967)によって報じられた手段を使用することによって見積もった。
モノマーリガンドの1.5%(w/v)ストック溶液を、0.0154m塩化ナトリウム及び0.008Mアジ化ナトリウムを含有する0.0066Mリン酸バッファー、pH6.2中で調製した。リガンドを異なる濃度で含有するストック溶液1mlを、容積3mlのガラスキュベット中、1.6mlの78Jig/mlのミクロコッカスライソデイクチカスと混合した。この混合物を20℃で5分に渡りインキュベートした。この混合物に対して、0.1mlのライソザイム(27μg/ml)を加えて全体的に混合した。450nm(Δ450)における相対吸光度を30秒に渡り記録した。リガンドを伴わないブランク読み込みを記録し、そして秒あたりの吸光度を計算した。相対阻害を計算した。
Figure 2006514973
モノマーNAGについてI50の観点におけるライソザイムの相対阻害は74.00mMであり、そして14.81mMに減少し、それはおよそ5倍低い。一方で、ImaxはNAGを含有するモノマーについて55.29から50へ減少した。
Imaxは55.29mMから14.81mMへ減少した(表2)。
相対阻害I50は74mMから0.035mMへと下がりそれは、阻害の効果が増強されたことを示すNAGに関するよりも約2110倍低い。

Claims (22)

  1. 式1:
    Figure 2006514973
    (式中、RはH、CH3、C2H5、C6H5であり;Xはスペーサーの例えば、4-アミノ酪酸(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、8-アミノオクタン酸(8-AOA)、IO-アミノデカン酸(10-ADA)、II-アミノウンデカン酸(11-ADA)に基づいており;YはN-アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース及びシアル酸、フルクトース、リブロース、エリトロース、キシロース、プシコース、ソルボース、タガトース、グルコピラノース、フルクトフラノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セロビオース、セルロース及びアミロースからなる群から選択された炭水化物リガンドである)
    の重合性モノマー。
  2. 式1:
    Figure 2006514973
    (式中、RはH、CH3、C2H5、C6H5であり;Xはスペーサーの例えば、4-アミノ酪酸(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、8-アミノオクタン酸(8-AOA)、IO-アミノデカン酸(10-ADA)、II-アミノウンデカン酸(11-ADA)に基づいており;YはN-アセチルグルコサミン、マンノース、ガラクトース及びシアル酸、フルクトース、リブロース、エリトロース、キシロース、プシコース、ソルボース、タガトース、グルコピラノース、フルクトフラノース、デオキシリボース、ガラクトサミン、スクロース、ラクトース、イソマルトース、マルトース、セロビオース、セルロース及びアミロースからなる群から選択された炭水化物リガンドである)
    の重合性モノマーを調製するための方法であって、
    当該方法は、重合性モノマー酸塩化物をアルカリの溶液中に溶かし、スペーサーの水性溶液を別個に調製し、当該重合性モノマー酸塩化物の溶液を当該スペーサーの溶液に対して滴下して加えて混合物を獲得し、未反応のモノマー酸塩化物を溶媒抽出によって除去し、当該反応混合物を酸性化し、そして当該反応混合物を溶媒抽出し、非溶媒を使用することで当該抽出物を沈殿させてモノマー−スペーサー結合体を獲得し、そして当該モノマースペーサー結合体を真空下で乾燥させ、そして当該結合体を有機溶媒中に溶かし、この溶液に対して炭水化物リガンドを添加して反応混合物を獲得し、この反応混合物に対して反応混合物カップリング剤を添加し、当該反応を生じさせて、未反応のカップリング剤を除去し、透明な溶液を溶媒により処理し重合性モノマーを獲得することを含んで成る方法。
  3. スペーサー溶液のアルカリ及び水性溶液中の重合性モノマー酸塩化物溶液の温度を、重合性モノマー酸塩化物溶液を当該スペーサー溶液に対して加える前に5〜10℃の範囲の温度に至らしめる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記混合物のpHを、アルカリ溶液を添加することにより7.4〜7.8の範囲に維持し且つ温度を添加の間に5〜10℃の範囲で維持する、請求項2に記載の方法。
  5. アルカリ溶液中の重合性モノマー酸塩化物と水性スペーサー溶液の反応混合物を5〜5.5の範囲のpHに酸性化している、請求項2に記載の方法。
  6. カップリング剤を使用する前記反応を24〜48時間の範囲に渡り且つ室温で行っている、請求項2に記載の方法。
  7. 前記重合性モノマー酸塩化物が塩化メタクリロイル及び塩化アクリロイルから選択されている、請求項2に記載の方法。
  8. 前記アルカリが、アルカリ金属の水酸化物、重炭酸塩又は炭酸塩の10〜20%溶液である、請求項2に記載の方法。
  9. 前記アルカリが、NaOH、KOH、NaHCO3、及びNa2C03からなる群から選択されている、請求項8に記載の方法。
  10. 前記スペーサーが、モノマー性酸塩化物と結合するための反応性部位及び炭水化物リガンドと結合するための反応性部位を有する二官能性化合物を含んで成り、当該官能基は、OH、COOH又はNH2からなる群から選択されており、例えば4-アミノ酪酸(4-ABA)、6-アミノカプロン酸(6-ACA)、10-アミノデカン酸(10-ADA)、1,4-ジミノブタン、ヘキサメチレンジアミン及び1,4-ブタンジオールである請求項2に記載の方法。
  11. 未反応のモノマースペーサーの溶媒抽出をするために使用された溶媒が、モノマースペーサーに対する非溶媒であり、そして酢酸エチル及び酢酸メチルからなる群から選択されている、請求項2に記載の方法。
  12. 前記酸性化を5〜20%の濃度を有する鉱酸を使用して行っている、請求項2に記載の方法。
  13. 前記結合体を溶かすために使用した有機溶媒が、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びジメチルスルホキシドからなる群らか選択されている、請求項2に記載の方法。
  14. 前記カルボアルデヒドリガンドが、NAG、シアル酸、マンノース及びガラクトースから選択されている、請求項2に記載の方法。
  15. 前記使用したカップリング剤を例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、I-シクルへキシル 3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド メト-p-トルエンスルホン酸(CMC)、及びI-エチル-3-(3-ジメチルアミノ-プロピル)カルボジイミド(EDC)から選択されている、請求項2に記載の方法。
  16. 重合性モノマーを沈殿させるために使用した前記非溶媒が、アセトン、ジエチルエーテル及びヘキサンから選択されている、請求項2に記載の方法。
  17. 前記モノマーの合成のために使用したモノマー酸塩化物:アミノ酸のモル比が1:1である、請求項2に記載の方法。
  18. 前記モノマースペーサーの縮合のためのカップリング剤:炭水化物リガンドのモル比が1:1である、請求項2に記載の方法。
  19. 前記重合性モノマー酸塩化物:スペーサーのモル比が0.1:1〜1:0.1の範囲である、請求項2に記載の方法。
  20. 前記重合性モノマー酸塩化物:スペーサーのモル比が0.5:1〜1:0.5の範囲である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記重合性モノマー酸塩化物:スペーサーのモル比が0.8:1〜1:0.8の範囲である、請求項19に記載の方法。
  22. 前記重合性酸塩化物がCH2OH基を介しNAGに対して結合している、請求項2に記載の方法。
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