JP2985302B2 - 耐食性Mo部材とその製造方法 - Google Patents

耐食性Mo部材とその製造方法

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JP2985302B2
JP2985302B2 JP3008661A JP866191A JP2985302B2 JP 2985302 B2 JP2985302 B2 JP 2985302B2 JP 3008661 A JP3008661 A JP 3008661A JP 866191 A JP866191 A JP 866191A JP 2985302 B2 JP2985302 B2 JP 2985302B2
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廣志 山田
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Daido Steel Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば高温用ヒータ
ー材として好適な、耐食性Moを材料とする耐食性Mo
部材に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒーター材としてよく用いられている材
料は、Fe−Cr系、Ni−Cr系およびNi−Cr−
Fe系合金であるが、これらを使用できる温度領域は1
200〜1300℃が上限であって、1500℃または
それ以上の温度では、Moが多く用いられている。
【0003】ところが、Moは酸化してMoO3を生成
し、これが600℃を超える温度では急速に昇華して失
なわれるため、従来のMo製ヒーターは大気中では使用
できず、真空中や不活性ガス雰囲気中でしか、その耐高
温特性を発揮することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、15
00℃程度の高温領域において、大気中でも安定して使
用でき、かつ腐食にもよく耐えるMo部材を提供するこ
とにある。 そのようなMo部材の製造方法を提供する
こともまた、本発明の目的に含まれる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の耐食性Mo部材
の基本的な態様は、図3および図7に示すように、Mo
またはその合金の基材(以下、「Mo基材」で代表させ
る)(1A,1B)の表面に、Ni−Al系、Nb−A
l系またはTi−Al系の金属間化合物の被覆層(4
A)を有する。
【0006】本発明の耐食性Mo部材の別の態様は、図
4および図8に示すように、金属間化合物の被覆層
(4)の上に、さらにAl23の層(5A,5B)を有
する。
【0007】Mo基材の形状は、図3および4のような
リボン状、または図7および図8のような線状をはじめ
とし、任意である。
【0008】本発明の耐食性Mo部材の製造方法は、板
状のヒーター材を目的とする場合は、図1に示すよう
に、Moの板を基材(1A)とし、その両面に、Ni,
NbまたはTiの薄板(2A)を介してAlの箔(3
A)を重ねてクラッド圧延し、得られた図2にみるよう
な積層材を真空焼鈍して、図3に示したようにNi−A
l系、Nb−Al系またはTi−Al系の金属間化合物
(4A)を生成させることからなる。
【0009】線状のMo部材を目的とする場合は、図5
に示すように、Moの線(1B)を基材とし、これをN
i,NbまたはTiのチューブ(2B)の中に挿入し、
外側をAl層(3B)で被覆して伸線し、得られた図6
にみるような積層線材を真空焼鈍して、図7に示したよ
うにNi−Al系、Nb−Al系またはTi−Al系の
金属間化合物(4B)を生成させることからなる。 こ
の場合、伸線に当ってダイスを適当に選択することによ
り、図6に示したような円形断面に限らず、図9のよう
な角形断面の積層材をつくることもできる。
【0010】図4および図8に示した構成の、表面にA
23の被覆を有するMo部材を製造するには、上記の
真空焼鈍に続いて、酸化性雰囲気下での加熱を行ない、
表面にAl23の層(5A,5B)を形成させればよ
い。
【0011】Mo基材は、純Mo金属のほか、「TMZ
合金」(MoにTiおよびZrを添加した合金)など、
Moを主体とする種々の合金が使用できる。
【0012】積層材の製造に当って、Mo基材の厚さま
たは径は、いうまでもなく任意にえらべる。 Ni,N
bまたはTiの板またはチューブの厚さもまた任意であ
るが、通常は0.01〜数mmの範囲、代表的には0.0
2〜1.0mmが適当であって、これを圧延または伸線に
より0.005〜0.5mm程度にする。 Alの箔また
はチューブは、0.01〜1.0mmの範囲、代表的には
0.05〜0.5mmが適当であって、やはり圧延または
伸線により0.001〜0.1mm程度にして加熱処理す
る。
【0013】
【作用】図3または図7に示した積層板材または積層線
材を真空焼鈍することにより、Mo基板をとり囲むN
i,NbまたはTiとその外側にあるAlとが相互の拡
散により反応して、それぞれNi−Al系(NiAl,
Ni3Al)、Nb−Al系(NbAl,Nb3Al)ま
たはTi−Al系(TiAl)の金属間化合物が生成す
る。 真空焼鈍に適切な条件は、Ni,NbまたはTi
の層の厚さ、およびAl層の厚さによっても異なるが、
通常は400〜600℃の温度に数分間〜1時間保持す
ることによって、十分に金属間化合物を生成させること
ができる。表面にAl23層を形成させるための酸化性
雰囲気下での加熱は、大気中、600〜1000℃に1
〜10時間の条件で実施すればよい。 Mo部材の使用
条件によっては、大気中で最初加熱されたときにAl2
3が生成するから、この処理を省略することも可能で
ある。
【0014】前記の金属間化合物は、いずれも耐酸化性
が高く耐食性も良好であるから、よくMo基材を保護す
る。 表面にAl23の層をもつものは、Al23のす
ぐれた耐熱耐食性能を利用することができる。 Al2
3層は、使用条件によってはクラックやピンホールが
発生することがあるが、金属間化合物の層は十分に強固
で、所期の耐高温性および耐食性をMo部材に与える。
【0015】
【実施例】[実施例1]純Mo金属の厚さ0.2mmのシ
ートの両面に、厚さ0.05mmのNiの薄板と厚さ0.
015mmのAlの箔とを重ね、クラッド圧延した。 得
られた積層材の厚さは0.05mmであって、うちMoが
0.03mm、Niが片面0.008mmずつ、そしてAl
が片面0.002mmずつを、それぞれ占めていた。
【0016】この積層材を真空中、550℃×30分間
の条件で焼鈍処理した。一部の試料は、さらに大気中、
900℃×1時間の条件で加熱した。
【0017】これらの試料を、つぎのように試験した。 (耐酸化性) 大気中で1200℃に加熱し、時間の経
過に伴う重量増加を測定した。 (耐食性) 600℃×30分間の加熱ののち、5%の
食塩水中に浸漬して5分後にとり出し、乾燥するという
サイクルを繰り返し、重量減少率を測定した。 これら
の結果を、同じ厚さのMo板についての結果と比較し
て、図10および図11に示す。
【0018】[実施例2]直径20mmのMoの棒を、内
径20mm、外径24mmのNbのチューブに押し込み、そ
の外側に、内径24mm、外径25mmのAlのチューブを
かぶせて、引抜きにより伸線した。 得られた積層線材
の径は1.5mmであって、うち中心にあるMoは径1.
0mm、それをとり囲むNb層は厚さ0.2mm、最外側の
Al層は0.05mmであった。実施例1と同様に真空焼
鈍、さらに一部の試料につき大気中の加熱を行なって試
験をし、ほぼ同じ成績を得た。
【0019】
【発明の効果】本発明の耐食性Mo部材は、1500℃
またはそれ以上の高温領域において、真空中はもちろん
大気中でも、また腐食性の使用条件下でも、実用上支障
のない程度に低い酸化または腐食しか受けず、長期にわ
たり安定して使用することができる。
【0020】本発明の製造方法は、クラッド圧延や伸線
ののち熱処理するだけの簡単な工程から成り、確実に金
属間化合物、さらにはAl23の被覆層をMo基材表面
に形成して、耐高温、耐食の性能をもったMo部材を与
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のMo部材のうち板状のものの製造工
程を説明するための材料の断面図であって、Mo基材の
板にNi(またはNb,Ti)の薄板とAl箔とを重ね
た段階を示す。
【図2】 図1の材料をクラッド圧延して積層板材とし
た段階を示す。
【図3】 図2の積層板材を真空焼鈍して表面に金属化
合物を生成させた段階を示す。
【図4】 図3の材料をさらに酸化性雰囲気下で加熱し
て表面にAl23層を形成させた段階を示す。
【図5】 本発明のMo部材のうち線状のものの製造工
程を説明するための、図1に対応する材料の断面図であ
って、Mo基材の線をNi(またはNb,Ti)のチュ
ーブおよびAlのチューブに挿入した段階を示す。
【図6】 図5の材料を伸線して積層線材とした段階を
示す。
【図7】 図6の積層線材を真空焼鈍して表面に金属間
化合物を生成させた段階を示す。
【図8】 図7の材料をさらに酸化性雰囲気下で加熱し
て、表面にAl23層を形成させた段階を示す。
【図9】 図7の積層線材の別の態様を示す断面図。
【図10】 本発明の実施例における試験データのグラ
フであって、酸化による増量を示す。
【図11】 図10と同様な試験デ−タのグラフであっ
て、腐食による減量を示す。
【符号の説明】
1 Mo基材 2A,2B Ni(Nb,Ti) 3A,3B Al 4 金属間化合物 5 Al2

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Moまたはその合金の基材の表面に、N
    i−Al系、Nb−Al系またはTi−Al系の金属間
    化合物の被覆層を有する耐食性Mo部材。
  2. 【請求項2】 金属間化合物の被覆層の上に、さらにA
    23の層を有する請求項1のMo部材。
  3. 【請求項3】 Moまたはその合金の基材がリボン材ま
    たは線状である請求項1または2のMo部材。
  4. 【請求項4】 Moまたはその合金の板を基材とし、そ
    の両面にNi,NbまたはTiの薄板を介してAlの箔
    を重ねてクラッド圧延し、得られた積層材を真空焼鈍し
    て、Ni−Al系、Nb−Al系またはTi−Al系の
    金属間化合物を生成させることからなる、請求項1に記
    載の耐食性Mo部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 Moまたはその合金の線を基材とし、こ
    れをNi,NbまたはTiのチューブの中に挿入し、チ
    ュ−ブの外側をAl層で被覆して伸線し、得られた積層
    線材を真空焼鈍して、Ni−Al系、Nb−Al系また
    はTi−Al系の金属間化合物を生成させることからな
    る、請求項1に記載の耐食性Mo部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5の製造方法において、
    真空焼鈍に続いて酸化性雰囲気下での加熱を行ない、表
    面にAl23の層を形成させることからなる請求項2に
    記載の耐食性Mo部材を製造する方法。
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