JP2985262B2 - 移動農機のピッチング制御装置 - Google Patents

移動農機のピッチング制御装置

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JP2985262B2
JP2985262B2 JP2241566A JP24156690A JP2985262B2 JP 2985262 B2 JP2985262 B2 JP 2985262B2 JP 2241566 A JP2241566 A JP 2241566A JP 24156690 A JP24156690 A JP 24156690A JP 2985262 B2 JP2985262 B2 JP 2985262B2
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栄治 篠崎
靖 藤田
直嗣 田中
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Iseki and Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、コンバイン等の移動農機のピッチング制
御装置に関する。
(従来の技術、及び発明が解決しようとする課題) コンバインのように圃場での作業において、軟弱な土
壌条件のもとでは、走行装置が地面に沈下して機体が前
後に大きく傾斜し易いために、このようなときは、機体
の前後方向を走行装置の傾斜如何に拘らず前後水平状の
姿勢に維持制御する構成形態がある。しかしながら、機
体が走行装置等と共に大きく前後に傾斜するときは、重
心移動が伴いこの結果沈下した走行装置が軟弱土壌面か
ら脱出できなくなったり、脱出でき難いことが多い。
この発明は、このような機体を前後方向に水平状に維
持するようにピッチング制御する場合の、前後方向の傾
斜センサの感度や、ピッチング制御速の制御によって、
進行方向への沈下姿勢からの脱出を円滑に行わせようと
するものである。
(課題を解決するための手段) この発明は、走行装置上の機体フレームを前後方向に
水平状にするようにピッチング制御を可能とする移動農
機において、進行方向側を下動する方向へのピッチング
制御の感知感度又は制御作動速を、反対方向へのピッチ
ング制御の感知感度又は制御作動速よりも敏感、又は速
くするように設定してなるピッチング制御装置の構成と
する。
(作用) 走行装置の前進駆動によって作業中に、機体フレーム
が前後方向へ傾斜されるようになると、これを前後方向
の傾斜センサによって検出して、機体をピッチング制御
して前後ほゞ水平状の姿勢に維持するように制御する。
この前進走行時は、傾斜センサの後下り方向の傾斜感度
が、前下り方向の傾斜感度よりも敏感となるように設定
されるか、又は、この傾斜センサによるピッチング制御
の作動速が、後下り方向作動よりも前下り方向作動にお
いて速くなるように設定されるために、前進時における
後方への重心移動は鈍く、前方への重心移動が敏感に行
われるために、走行装置の土壌中への沈下姿勢では、前
進方向への脱出が速かに行われることとなる。
又、後進走行時は、これとは逆方向に作用して、後進
方向への脱出が速かに行われる。
(発明の効果) このように、走行装置によって走行する機体フレーム
は、ピッチング制御が、前後方向の傾斜検出感度や制御
作動速等に差異をつけることによって、進行方向への機
体全体の重心移動を速かに行わせることができ、これに
よって進行方向への走行装置の沈下姿勢の脱出を容易に
行わせることができ、走行をも円滑に維持できる。
(実施例) なお、図例において、走行装置はコンバインのクロー
ラ形態として利用される場合を示し、平面視囲桁状の車
体フレーム2の左右両側下部に、前後一対の平行状のリ
ンクアーム5,6によって、クローラフレーム7を昇降動
自在に設け、この左右各クローラフレーム7には転輪8
を設けて、この転輪8と車体フレーム2前端部のスプロ
ケット9との間に、ゴム材を主体とするクローラ10を掛
け渡して、該スプロケット9の駆動軸11の回転によって
伝動走行する構成としている。
該前後のリンクアーム5,6の上部はロッド12で連結
し、車体フレーム2と後リンクアーム6の上端部との間
に、油圧によって伸縮されるローリングシリンダ13を設
け、この左、右のローリングシリンダ13L,13Rの伸縮に
よって、左右のクローラフレーム7を独立的、又は同時
に車体フレーム2に対して昇降させて、左右方向へロー
リングさせたり、左右平行状を保って昇降させることが
できる。
機体フレーム4は、該車体フレーム2の上側に沿って
設けられ、前部を該車体フレーム2に対する前リンクア
ーム5の枢支軸である横方向の軸3に支持し、この軸3
回りに機体フレーム4をピッチング自在の構成とし、こ
の機体フレーム4と車体フレーム7との後端部間に拡縮
自在のリンクアーム14を設け、このリンクアーム14の上
端部と機体フレーム4との間に、油圧によって伸縮され
るピッチングシリンダ15を設け、このピッチングシリン
ダ15の伸縮によってリンクアーム14を拡縮して、車体フ
レーム2に対して機体フレーム4をピッチング回動する
ことができる。
前記リンクアーム5,6は、上部が車体フレーム2より
も内側に位置するようにクランク軸状に形成され、この
クランク軸状の軸部を、車体フレーム2において回動自
在に枢支して軸3、16部としている。このうち左右両側
部の後リンクアーム6には、内側の機体フレーム4側に
向けてストッパー17を突出させると共に、この機体フレ
ーム4側からも外側に向けてストッパー18を突出し、機
体フレーム4が前記軸3の回りに下向きに回動するとき
に、このストッパー18がストッパー17に係止される関係
位置に設けられ、機体フレーム4の下限位置を係止でき
る関係位置に設定する。なお、前記ピッチング中心であ
る軸3は、機体フレーム4の後部に設定して、機体フレ
ーム4の前部を上下回動させるように構成するもよい。
前記ローリングシリンダ13は、左右一対のローリング
シリンダ13L,13Rからなり、油圧回路19の左右のソレノ
イドバルブ20L,20Rを経て切換油圧作動される構成であ
り、又、ピッチングシリンダ15はソレノイドバルブ21に
よって作動される構成である。これら左ローリングシリ
ンダ13Lの左ソレノイドバルブ20Lは、コントローラCPU
の出力によって作動される左上ソレノイド22、左下ソレ
ノイド23を有し、又、右ローリングシリンダ13Rの右ソ
レノイドバルブ20Rは、右上ソレノイド24、右下ソレノ
イド25を有し、又、ピッチングシリンダ15のソレノイド
バルブ21は、後上ソレノイド26、後下ソレノイド27を有
し、これら各ソレノイド22〜27の出力によって、ソレノ
イドバルブ20L,20R,21等を切換制御して、各ローリング
シリンダ13L,13R、又はピッチングシリンダ15を伸縮し
て、ローリング制御、ピッチング制御を行う構成として
いる。Pは油圧ポンプ、Tはタンクポート、28はリリー
フバルブ、29はアンロードソレノイド30によって作動さ
れるアンロードバルブ、31,32,33はチェックバルブであ
る。
コントローラCPUは、マイクロコンピュータを有し、
入力側には、車体フレーム2全体を昇降するための上ス
イッチ34、下スイッチ35、車体フレーム2を左右へロー
リングするための左スイッチ36、右スイッチ37、機体フ
レーム4を前後方向へ傾斜するための後上スイッチ38、
後下スイッチ39、脱穀装置への伝動を入り切りする脱穀
スイッチ40、車体フレーム2や機体フレーム4を水平に
維持制御するための水平スイッチ41、車体フレーム2等
の左右方向の傾斜を検出して左右ローリング制御を行わ
せる左右傾斜センサ42、機体フレーム4等の前後方向の
傾斜を検出してピッチング制御を行わせる前後傾斜セン
サ43、該左、右ローリングシリンダ13L,13Rの伸縮量を
検出してフィードバック制御させる左ストロークセンサ
44、右ストロークセンサ45、及びピッチングシリンダ15
の伸縮量を検出してフィードバック制御させる前記スト
ロークセンサ46等を有している。47は自動ランプであ
る。
上スイッチ34をONすると、左、右の上ソレノイド22,2
4を出力して、左、右のローリングシリンダ13L,13Rを同
時に同量作動させて、車体フレーム2を、クローラフレ
ーム7に対して左右平行状の姿勢を維持しながら上昇さ
せる。又、下スイッチ35をONするときは、左、右の下ソ
レノイド23,25を出力して、逆に下降させる。左スイッ
チ36をONすると、左下ソレノイド23と右上ソレノイド24
とを同時に出力して、車体フレーム2を左側下り方向へ
ローリングする。又、右スイッチ37をONとすると、右下
ソレノイド25と左上ソレノイド22とを同時に出力して、
右側下り方向へローリングする。
後上スイッチ38をONすると、後上ソレノイド26を出力
して、ピッチングシリンダ15を作動させて、機体フレー
ム4を、軸3回りに上方へ回動させる。又、後下スイッ
チ39をONすると、後下ソレノイド27を出力して、下方へ
回動させる。
脱穀クラッチスイッチ40をOFFのときは、水平スイッ
チ41をONして水平制御を自動によって行わせる自動水平
制御モードであっても、これが解除されて平行制御モー
ドになり、車体フレーム2は左、右下ソレノイド23,25
のONによって下降されて、下限近く位置で左、右のクロ
ーラフレーム7に対して左右平行状の姿勢となる。又、
水平スイッチ41をOFFしたときも同様である。これら脱
穀クラッチスイッチ40、及び水平スイッチ41をONしたと
きは、平行制御から自動水平制御モードに切換り、左右
傾斜センサ42と、各ソレノイド22〜25の出力によって、
車体フレーム2が、上記上、下スイッチ34,35等の操作
によって予め設定された高さを基準としてローリング制
御されて、左右水平状に制御される。又、このとき前後
傾斜センサ43による入力を可能に操作しておくときは、
後上、後下ソレノイド26,27の出力によって、機体フレ
ーム4が前後水平状にピッチング制御される。これによ
って機体フレーム4は、クローラフレーム7の傾斜に拘
らず、左右及び前後の方向に水平状の姿勢とすることが
できる。
このような走行装置1の前記駆動軸11には、車体フレ
ーム2上に搭載せるエンジンから伝動されて、途中で油
圧無段変速伝動装置を介して、該駆動軸11を中立位置か
ら前進側高速へ無段変速し、又後進側高速へ無断変速し
ながら伝動回転する構成としている。又、この油圧無段
変速伝動装置は、操縦装置の操作レバーの前後操作によ
って変速連動構成するように設けられ、この操作レバー
を中立位置から前進側へ操作することによって、前進ス
イッチ48をONし、前記の前後傾斜センサ43の後下り側方
向の傾斜変化の検出感度を、前下り側方向の傾斜変化の
検出感度に対して敏感となるように、コントローラCPU
における前後傾斜センサ43の感度調節装置49を調節制御
する。又、後進側への操作で後進スイッチ50をONする
と、前後傾斜センサ43の検出感度が上記とは逆方向に切
換えられる。即ち、常に車体の走行方向側が下り側とな
るような方向の、ピッチング制御のための車体フレーム
2又は機体フレーム4の傾斜を検出する前後傾斜センサ
43の感度を、敏感にするように調節、乃至切換制御す
る。
又、このような前後傾斜センサ43の傾斜検出感度の変
更制御と同時に、又はこれに代えて、この前後傾斜セン
サ43の検出によって出力制御される制御出力、又は、こ
の出力によって作動されるピッチングシリンダ15の伸縮
作動速等を上記の関係になるように調節、乃至切換制御
することによって、進行方向側への傾斜、即ち、機体の
重心移動を速くするように構成するもよい(第2図)。
なお、この場合は、ソレノイドバルブ21の回路に流量
を大、小に設定した流量制御弁を設けて、この流量制御
弁をソレノイドバルブによる前後傾斜の切換との組合せ
によって四通りに切換えて、進行方向側を下動する方向
へのピッチング制御の出力による制御作動速を、反対側
への制御作動速よりも速くする。
このようにして、ピッチング制御が行われるが、湿田
では、進行方向への重心移動が速いため、クローラの脱
出力が向上し、乾田では、ピッチング速度が遅いため、
圃場の凹凸に対してピッチングが鈍感となり、凹凸面に
対してピッチングが同期して、揺れが増幅されることが
少い。
以上のように、前後傾斜センサ43の傾斜方向によって
感度差をつけ、又、前後水平状を維持するようにピッチ
ング制御作動においてこの作動方向によって作動速の差
をつける等によって、進行方向への機体の重心移行を速
かに行わせ、進行方向と反対側、即ち、後側への重心移
動があっても、これを遅くすることによって、軟弱土壌
中において不規則に前後揺動する機体における進行方向
への走行を円滑に行い、走行装置沈下による走行脱出を
速かに容易に行うものである。
なお、このようなピッチング制御装置においては、図
例のようなローリングシリンダ13によるローリング制御
装置は有しない構成としてもよい。
次に、前記左右傾斜センサ42による機体の左右傾斜の
検出と、ローリングシリンダ13等によるローリング制御
においては、車体フレーム2や機体フレーム4が、左右
方向へ一定以上の危険角度にまで傾斜したときは、左右
傾斜センサ42の検出によって、車体フレーム2を下限位
置近くまで下降させて、左右のクローラフレーム7と車
体フレーム2とが左右平行状の平行姿勢となるように構
成されている。
しかしながら、コンバインのように操縦席や、収穫穀
粒を収容する穀粒タンク等が機体の左右一側に片寄って
設けられる形態にあっては、重心位置も同方向に偏位し
易いものである。又、重心位置に拘らず、操縦席に搭乗
する操縦者は、機体がこの操縦席側に下り傾斜となる方
向に傾斜すると不安感を受け易いものである。
このため、前記ローリング制御における下降平行制御
には、第6図のように左右傾斜角度を、操縦席側への下
り角度Aは小さくし、反対側への下り角度Bは大きくす
るように設定し、これらいずれかの方向への機体フレー
ム4の傾斜A、又はBによって、自動的左右水平制御か
ら平行制御の車高下げ出力51に移行し、車体フレーム2
を下限位置へ下降させるように制御構成する。
これによって、操縦席側への傾斜角度Aは、反対側へ
の傾斜角度Bよりも小さい角度で、車高が下るため、操
縦者の不安感が少くなり、又、安全なローリング制御を
行うことができる。又、一旦車高が下降平行姿勢になる
と、操縦者が水平スイッチ41を角度ONすることによっ
て、機体フレーム4が左右にA、又はBに傾斜していな
いことを条件として、ローリング制御に戻すことができ
る。
次に、第7図〜第9図においては、穀粒を収容する穀
粒バッグ52を移動自在に機体フレーム4上に収容載置す
るように設け、収穫穀粒が一杯になったときは、トラッ
ク53に移転できるようにしたものである。
機体フレーム4の操縦席54後側部にバッグ収容枠55を
設けて、脱穀装置56から揚穀機57を経て取出される穀粒
を収容する構成としている。この穀粒バッグ52は、上側
に開閉口58を有し、高さ方向に拡縮自在にしたもので、
底部にはローラ59を有して、バッグ収容枠55底部におい
て後下りに傾斜した傾斜床60に搭載し、後側において上
下に起伏回動できるレール61に案内して後方へ移動でき
るように構成し、穀粒バッグ52収容時は該レール61を起
してバッグ収容枠55の後方への移動を止めるようにスト
ッパー62を設けている。
穀粒バッグ52が揚穀機57から取出される穀粒で一杯に
なると、開閉口58を閉鎖し、トラック53を接近させて、
ストッパー62を外すと共に、レール61を後方へ倒して、
レール61の先端部をトラック53の荷台上に支持させた状
態で、穀粒バッグ52を後方へ押せば、ローラ59が該レー
ル61に案内されて、穀粒バッグ52をトラック53へ容易に
移すことができる。
なお、63は刈取装置で、車体フレーム2の前方に昇降
自在に支架されて、刈取穀稈を後方の脱穀装置56へ移送
供給することができる。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の一実施例を示すもので、第1図は一部の
制御ブロック図、第2図はその一部のフローチャート、
第3図は走行装置の側面図、第4図はその正断面図、第
5図は一部の油圧回路図、第6図は一部のフローチャー
ト、第7図はコンバインの側面図、第8図はその作用を
示す側面図、第9図は背面図である。 (符号の説明) 1……走行装置 2……車体フレーム 3……軸 4……機体フレーム 13……ローリングシリンダ 15……ピッチングシリンダ 43……前後傾斜ロークセンサ 49……感度調節装置 51……車高下げ出力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01D 67/00 B62D 55/116

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行装置上の機体フレームを前後方向に水
    平状にするようにピッチング制御を可能とする移動農機
    において、進行方向側を下動する方向へのピッチング制
    御の感知感度又は制御作動速を、反対方向へのピッチン
    グ制御の感知感度又は制御作動速よりも敏感、又は速く
    するように設定してなるピッチング制御装置。
JP2241566A 1990-09-11 1990-09-11 移動農機のピッチング制御装置 Expired - Lifetime JP2985262B2 (ja)

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