JP2984445B2 - 超音波洗浄方法 - Google Patents

超音波洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被洗浄物の表面に付
着した油等の汚れを落とす場合に利用する超音波洗浄方
法に関し、洗浄効果を高めるべく考えられたものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその問題点】各種物品(以下、被洗浄物
とする。)の表面に付着した油等の汚れを落とす場合、
図2に示す様な超音波洗浄装置が利用されている。この
超音波洗浄装置は、蓋体1により密閉自在な洗浄槽2
に、超音波振動子3、3を付設する事で構成される。4
は、洗浄槽2内に貯溜した蒸留水、水道水、或は有機溶
剤等の液体(以下、洗浄液とする。)を加温する為のヒ
ータである。
【0003】上述の様に構成される超音波洗浄装置を用
いて被洗浄物6を洗浄する場合、従来は下述する様な洗
浄方法により行っていた。
【0004】即ち、洗浄槽2内に洗浄液7を注入すると
共に、この洗浄液7中に被洗浄物6を浸漬し、蓋体1を
閉じて洗浄槽2を密閉する。この状態で超音波振動子
3、3に通電する洗浄行程を行い、上記洗浄液を振動さ
て被洗浄物6の汚れを落す。被洗浄物6の汚れの度合
等によっては、ヒータ4に通電する事により洗浄液7を
加温する。
【0005】ところで、上記洗浄液7中には、酸素等の
溶存気体が存在する事が避けられない。洗浄液7中に存
在する溶存気体は、上記超音波振動子3、3によって洗
浄液に与えられる超音波振動を減衰させる為、洗浄効果
を低下させてしまう。上述した、単一の洗浄行程から成
る従来の洗浄方法に於いては、その開始から終了に至る
迄、上記溶存気体を特に脱気する事はない為、必ずしも
効果的な洗浄を行えなかった。
【0006】この溶存気体による障害を除くために、従
来も、洗浄行程に先立って溶存気体を除くことが考えら
れた。即ち、図2に示したように、洗浄槽2に洗浄液7
を入れて蓋体1で洗浄槽2を密閉し、ヒータ4で洗浄液
を加熱して沸騰させると共に真空ポンプ5により洗浄槽
2内を減圧して、洗浄液7に溶存している空気等の気体
を除いた後、洗浄槽内を常圧に戻して蓋体1を開き、被
洗浄物6を入れて洗浄行程に移るものである。
【0007】しかしながら、洗浄行程を行っている間
に、再び気体が溶け込んで洗浄効果を低下させるように
なる。本発明の超音波洗浄方法は、洗浄行程における気
体溶け込みを考慮して洗浄を有効に行える方法を得たも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、洗浄容器内に
貯溜した洗浄液中に被洗浄物を浸漬し、超音波振動を
える事によりこの被洗浄物を洗浄する超音波洗浄方法で
あって、上記洗浄容器内を所望圧力にした状態で超音波
振動をえる洗浄行程の前、及び洗浄行程の途中に於い
て、上記洗浄容器内を減圧、加温し、超音波振動を加え
て、洗浄液を沸騰させると共に振動させ、上記液体中の
溶存気体を除去する脱気行程を行う事を特徴とする、超
音波洗浄方法を得て良好な洗浄が行えるようにしたもの
である。
【0009】
【作用】上述の様に構成される本発明の超音波洗浄方法
により、被洗浄物の洗浄を行う場合、洗浄行程に先立っ
て脱気行程を行う為、洗浄液中に、酸素等の溶存気体が
ほとんど存在しなくなる。更に、洗浄行程の途中で脱気
行程を行って、その後洗浄液中に溶け込んだ気体をも除
去することにより、洗浄の全行程を通じて、洗浄液に加
えられるべき超音波振動が、溶存気体によって減衰させ
られる程度が著しく少なくなり、洗浄効果を高める事が
可能となる。
【0010】
【実施例】本発明は、図1のフローチャートに示す様に
構成される。先ず、ステップ1に於いて、洗浄槽2内に
洗浄液7を注入すると共に、この洗浄液7中に被洗浄物
6を浸漬し、更に蓋体1を閉じて洗浄槽2を密閉する、
洗浄準備を行う。
【0011】次いでステップ2として、脱気行程を行
う。この脱気行程では、図示しない弁を切り換える等に
より、図2に示す様に、吸入口を洗浄槽2に通じさせた
真空ポンプ5により洗浄槽2内の空気を排出し、洗浄槽
2内を減圧する。これと共に、ヒータ4並びに超音波振
動子3、3に通電し、洗浄液7を加温してこの洗浄液7
を沸騰させると共に洗浄液を振動させる。洗浄液7中の
溶存気体は、洗浄槽2内の減圧、洗浄液7の加温、沸騰
及び超音波振動子3による加振を順次、或は同時に行う
事により、洗浄液7から排除される。
【0012】上記脱気行程を終了したならば、ステップ
3に進み、前述した従来方法と同様の洗浄行程を行う。
即ち、洗浄槽2内を大気圧、或は洗浄液が沸騰しない程
度の圧力にし、更に被洗浄物6の汚れの度合等によりヒ
ータ4に通電した状態で、超音波振動子3、3に通電
し、超音波振動によって被洗浄物6の汚れを落とす。
【0013】上記洗浄行程に於いて、洗浄槽2内の圧力
を上昇させる事に起因して再び洗浄液7内に気体が溶け
込む傾向があるから、本発明に於いては、洗浄行程の途
中でステップ4に移り、洗浄行程を中断して更に脱気行
程を行う。即ち、超音波振動子3を振動させたまま真空
ポンプ5により洗浄槽2内を減圧し洗浄液を加温して洗
浄液を沸騰させる脱気行程を行い、洗浄液に溶け込んだ
気体を排除する。その後、再び洗浄槽内の圧力やヒータ
4の通電状態等を先行の洗浄行程の状態に戻し洗浄を続
ける。次いでステップ4により中間の脱気行程を終わっ
たことを判断して洗浄作業を終了する。このように洗浄
行程の途中でも脱気を行うため洗浄液中の溶存気体は著
しく少なくなり、洗浄を良好に行うことができる。
【0014】
【発明の効果】本発明の超音波洗浄方法は、上述の様に
構成される為、超音波振動を減衰させて洗浄効果を低下
させる洗浄液中の溶存気体を除去した状態で洗浄を行え
る。しかも洗浄行程の前、及び途中に於いて脱気行程を
行うため、洗浄行程の途中で洗浄液に溶け込む気体をも
除去するから、従来から知られた超音波洗浄装置を用い
て、より洗浄効果の高い洗浄を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すフローチャート。
【図2】従来から知られた超音波洗浄装置の略図。
【符号の説明】
1 蓋体 2 洗浄槽 3 超音波振動子 4 ヒータ 5 真空ポンプ 6 被洗浄物 7 洗浄液

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄容器内に貯溜した液体中に被洗浄物
    を浸漬し、超音波振動をえる事によりこの被洗浄物を
    洗浄する超音波洗浄方法であって、上記洗浄容器内を所
    望圧力にした状態で超音波振動をえる洗浄行程の前、
    及び洗浄行程の途中に於いて、上記洗浄容器内を減圧、
    加温し、超音波振動を加えて、洗浄液を沸騰させると共
    振動させ、上記液体中の溶存気体を除去する脱気行程
    を行う事を特徴とする、超音波洗浄方法。
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USD997355S1 (en) 2020-10-07 2023-08-29 Sonendo, Inc. Dental treatment instrument

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