JP2974424B2 - スペクトラムアナライザ表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は音楽の動きをグラフィカ
ルに演出するスペクトラムアナライザ表示装置に関す
る。特に、本発明ではグラフィカル機能の向上さらには
表示の応答性の改善に言及する。

【０００２】

【従来の技術】図16は従来のスペクトラムアナライザ表
示装置を示す図である。なお、全図を通じて同様の構成
要素については同一参照番号または符号をもって表す。
本図のスペクトラムアナライザ表示装置は、複数の周波
数帯の音響信号のレベルを表示するスペクトラムアナラ
イザ表示部１と、該スペクトラムアナライザ表示部１に
表示する複数のパターンを外部からのスイッチSW３で切
り換える制御を行う制御部２と、該複数パターンを記憶
するパターン記憶部３とを含む。スペクトラムアナライ
ザ表示部１の表示素子として、ＬＣＤ、蛍光表示管、Ｌ
ＥＤ等が用いられる。

【０００３】スペクトラムアナライザ表示部１、制御部
２およびパターン記憶部３の詳細は実施例の項で説明す
る。次に動作を説明する。制御部２に入力する、聴きた
い音楽のジャンルや曲の信号（Ｖi)に対して、そのイメ
ージに合せてスイッチSW３によりパターン記憶部３へ予
め記憶されている複数パターンから一つを選び出し、ス
ペクトラムアナライザ表示部１に音楽の動きをグラフィ
カルに演出できる。すなわち多くの人の好みに応じるた
め、パターン記憶部３にできるだけ多くのパターンを格
納しスイッチSW３ひとつでスペクトラムアナライザ表示
部１の表示が次々切り換わって長時間クルージングを一
段と楽しく演出する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のス
ペクトラムアナライザ表示装置では上述のように視覚に
訴える方法として複数のパターンを設定しているが、実
際に見て効果があるパターンは少なく見栄えが悪いもの
もあり、特にスペクトラムアナライザ表示部１の表示素
子数が少ないと更に実用できる表示パターンに制限が生
じ、表示のビジュアル性、おもしろ味を拡張することに
問題があった。

【０００５】またスペクトラムアナライザ表示部１の表
示素子としてＬＣＤ(Liquid Crystal Display)を用いる
と、ＬＣＤは低温で応答速度が遅くなり、表示が音楽の
動きと一致しなくなり正常な表示変化を出せないという
問題もあった。したがって、本発明は上記問題点に鑑み
て表現力が豊富になりかつ環境温度の変化に対する応答
性も改善できるスペクトラムアナライザ表示装置を提供
することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】第１図は本発明の原理構
成を示す図である。本発明は前記問題点を解決するため
に複数の周波数帯の音響信号のレベルを表示するスペク
トラムアナライザ表示部１と、該スペクトラムアナライ
ザ表示部１に表示する複数のパターンの切換えを制御す
る制御部２と、該複数のパターンを記憶するパターン記
憶部３とを有するスペクトラムアナライザ表示装置にお
いて、制御部２に外部からプリセット時間がスイッチ手
段SW１およびSW２によって調整可能なタイマ４を設け、
該タイマ４に設定された時間間隔で、任意のパターンに
設定されているスペクトラムアナライザ表示部１の表示
を更新する。

【０００７】

【作用】第１図において本発明のスペクトラムアナライ
ザ表示装置によれば、スペクトラムアナライザ表示部１
によって表示される複数の周波数帯の音響信号のレベル
は、制御部２を介してパターン記憶部に記憶されている
複数パターンのうち任意のパターンで表示されるが、制
御部２に設けられたタイマ４によって、スペクトラムア
ナライザ表示部の表示の更新かつ時間的に可変となる。
すなわち、制御部２の外部に設けられたスイッチSW１お
よびSW２でタイマ４のプリセット時間が任意に調整され
るためである。よって、スペクトラムアナライザ表示装
置は豊富な表示パターンのみならず時間的変化も加わる
ので音楽の動きに対する表現力がさらに豊かになる。さ
らに液晶表示素子を使用する場合には環境温度変化によ
る応答時間に対応して表示時間を容易に調整できる。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図２は本発明の実施例に係るスペクトラム
アナライザ表示装置を示す図である。本図のスペクトラ
ムアナライザ表示装置は各周波数帯の音響レベルを表示
する例えば表示素子LCD １−１，１−２，…，１−ｎ
と、各該LCD １−１，１−２，１−ｎを駆動する駆動部
10−１，10−２，…，10−ｎからなるスペクトラムアナ
ライザ表示部１と、中央演算処理装置(CPU）で構成さ
れ、該スペクトラムアナライザ表示部１に表示する複数
パターンの切換えを制御する制御部２と、該複数パター
ンを記憶するパターン記憶部３と、該制御部（２）に設
けられ、外部からプリセッット時間がスイッチ手段SW１
およびSW２によって調整可能なタイマ４と、音楽の音響
信号を提供するオーディオ装置11と、該オーディオ装置
11からの音響信号(20Hz 〜20KHz)を前記スペクトラムア
ナライザ表示部１の周波数帯数に応じて分割する複数の
バンドパスフィルタ(BPF)12 と、該バンドパスフィルタ
12からの信号を時分割するマルチプレクサ13と、該マル
チプレクサ13のアナログ信号をディジタル信号へ変換し
制御部２へ出力するアナログ／ディジタル変換器（Ａ／
Ｄ：Analog／Digital Convertor)14と、本発明の制御を
実行するプログラムを内蔵するプログラムメモリ15とを
含む。

【０００９】図３は図２の制御部の構成を示す図であ
る。本図の制御部２は各前記駆動部10−１，10−２，
…，10−ｎへその出力が接続されるレジスタ20−１，20
−２，…，20−ｎと、前記Ａ／Ｄ変換器14からの各周波
数帯のレベル信号を例えば各周波数帯で12段階のレベル
に識別して、識別された信号に対応する表示パターンを
パターン記憶部３から読み出して各前記レジスタに記憶
せしめるパターン制御部21と、SW１およびSW２で調整さ
れるプリセット時間をタイマ４に設定し、プリセット時
間毎にレジスタ20−１，20−２，…，20−ｎをラッチせ
しめるタイマ制御部22とを包含する。

【００１０】図４は図２のスペクトラムアナライザ表示
部の部分構成を示す図である。本図のスペクトラムアナ
ライザ表示部は図２のLCD １−１および駆動部10−１の
構成を示すもので、LCD １−１は液晶表示部ａ，ｂ，
ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇ，ｈ，ｉ，ｊ，ｋ，ｌからなり、駆
動部10−１は前記LCD １−１の共通端子に接続される電
源部10−11と、各出力が液晶表示部ａ，ｂ，ｃ，ｄ，
ｅ，ｆ，ｇ，ｈ，ｉ，ｊ，ｋ，ｌに接続し、各入力の一
方が前記電源部10−１から電力の供給を受け、さらに各
入力の他方が前記レジスタ20−１の出力に接続する複数
の EX-OR回路10−12からなる。

【００１１】該LCD １−１の共通端子には常にパルスが
印加されており、各液晶表示部ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，
ｆ，ｇ，ｈ，ｉ，ｊ，ｋ，ｌを点灯させるには各液晶表
示部の共通端子のパルスと逆相のパルスが前記レジスタ
20−１からEX-OR 10−12へ“Ｈ(High)”信号が加えられ
る。図５〜13は図２のパターン記憶部に格納される表示
パターンを示す図である。本図に示すようにパターン記
憶部３にはパターン制御部21の12のレベル識別信号０〜
11に対して、液晶表示部ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇ，
ｈ，ｉ，ｊ，ｋ，ｌを点灯させる場合には“１”、消灯
の場合には“０”とする表示パターンが格納される。

【００１２】図５ではレベル識別信号０〜11に対応して
液晶表示部ｌ，ｋ，…，ａの順に追加点灯をする。これ
に対し、図６では逆に消灯にする。図７ではレベル識別
信号０〜11に対応して液晶表示部の中央のｆから上下対
称に順次点灯する。これに対し図８では逆に非点灯にす
る。図９ではレベル識別信号０〜11に対応して液晶表示
部ｌ，ｋおよびｌ，ｊおよびｋ，…，ｂおよびａの順に
点灯する。これに対し図10では逆に消灯にする。

【００１３】図11ではレベル識別信号０〜11に対応して
液晶表示部ｆ，ｅ，…，ａ，ｌ，ｋ，…，ｇの順に追加
点灯する。これに対し、図12では逆に消灯にする。図13
ではレベル識別信号０〜11に対応して液晶表示部ｌ，ｌ
およびｋ，ｌおよびｊ，…ｌ，ｊ，ｈ，ｆ，ｄ，ｂ，ａ
が順に点灯する。図14はスペクトラムアナライザ表示部
における表示パターンの種類を示す図である。図３にお
けるスイッチ（SW３）の押加によりパターン制御部21を
介してパターン記憶部で表示パターンが指定されて、パ
ターン制御部21からのレベル識別信号に基づいてスペク
トラムアナライザ表示部１に表示される。図14ではオー
ディオ装置からの信号が10個のバンドパスフィルタ12で
10分割された周波数帯で表示される例を示す。各右端の
表示は全周波数域の平均レベルを示す。

【００１４】スイッチ（SW３）の押加があると図14
（１）または（14）のようにどの種類のパターンが選択
されたかを表示する。図14（２）の表示パターンは図５
の格納されたパターンによる表示である。図14（３）の
表示パターンは図５のパターンでレベル識別信号間が小
さい感度の場合を示す。図14（４）および（５）は図６
および図７による表示に対応し、図14（６）および
（７）は図７の場合に低高周波数領で感度を相違させた
ものであり、図14（８),（９),（10),（11),（12）およ
び（13）は各図（８),（９),（10),（11),（12),および
（13）に対応する。

【００１５】本実施例の一連の動作を説明する。図15は
本発明の実施例に係る一連の動作を説明するフローチャ
ートである。本図に示すようにパターン制御部21を介し
てスイッチ（SW３）によって表示パターンが選定される
（ステップ１）。これによりプログラムメモリ15が動作
し、タイマ４へプリセット時間の初期値が設定され（ス
テップ２）、タイマ４のカウントダウンが開始する（ス
テップ３）。タイマ制御部22を介してプリセット時間の
設定値を調整すべくｕｐ用スイッチ（SW１）が押加され
る（ステップ４）と該設定値がインクリメントし、逆に
down用スイッチ（SW２）が押加される（ステップ６）
と、該設定値がデクリメントする（ステップ７）。タイ
マのカントダウンが終了したら（ステップ８）該設定値
をプリセット時間として前記初期値に置き替える（ステ
ップ９）。このようにして調整されたプリセット時間ご
とにパターン記憶部３から読み出された表示パターン信
号をレジスタ20−１，20−２，…，20−ｎでラッチし
（ステップ10）、スペクトラムアナライザ表示部１の表
示を更新し、ステップ３へ戻り、以後SW１，SW２の押加
がなければ前記プリセット時間毎に表示更新を行う。

【００１６】本実施例によれば、スペクトラムアナライ
ザ表示装置はタイマ４によって表示の更新時間が可変に
なった。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によればス
ペクトラムアナライザ表示を更新する時間を可変にする
ようしたのでスペクトラムアナライザの種々の表示パタ
ーンに時間的変化も加わるので音楽の動きに対する表現
力が豊かになるだけでなく、液晶表示のように環境温度
変化による応答時間に対応して表示時間を調整すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理構成を示す図である。

【図２】本発明の実施例に係るスペクトラムアナライザ
表示装置を示す図である。

【図３】図２の制御部の構成を示す図である。

【図４】図２のスペクトラムアナライザ表示部の構成を
示す図である。

【図５】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン１を示す図である。

【図６】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン２を示す図である。

【図７】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン３を示す図である。

【図８】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン４を示す図である。

【図９】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン５を示す図である。

【図10】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン６を示す図である。

【図11】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン７を示す図である。

【図12】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン８を示す図である。

【図13】図２のパターン記憶部に格納される表示パター
ン９を示す図である。

【図14】スペクトラムアナライザ表示部における表示パ
ターンの種類を示す図である。

【図15】本発明の実施例に係る一連の動作を説明するフ
ローチャートである。

【図16】従来のスペクトラムアナライザ表示装置を示す
図である。

【符号の説明】

１…スペクトラムアナライザ表示部 ２…制御部 ３…パターン記憶部 ４…タイマ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G01R 23/165

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の周波数帯の音響信号のレベルを表
   示するスペクトラムアナライザ表示部（１）と、該スペ
   クトラムアナライザ表示部（１）に表示する複数のパタ
   ーンの切換えを制御する制御部（２）と、該複数のパタ
   ーンを記憶するパターン記憶部（３）とを有するスペク
   トラムアナライザ表示装置において、該制御部（２）に
   外部からプリセット時間がスイッチ手段によって調整可
   能なタイマ（４）を設け、該タイマ（４）に設定された
   時間間隔で、任意のパターンに設定されている前記スペ
   クトラムアナライザ表示部（１）の表示を更新すること
   を特徴とするスペクトラムアナライザ表示装置。