JP2972029B2

JP2972029B2 - 作業機の角度制御装置

Info

Publication number: JP2972029B2
Application number: JP17208792A
Authority: JP
Inventors: 知文越智
Original assignee: Yanmar Diesel Engine Co Ltd
Current assignee: Yanmar Co Ltd
Priority date: 1992-06-30
Filing date: 1992-06-30
Publication date: 1999-11-08
Anticipated expiration: 2014-11-08
Also published as: JPH0614605A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トラクタ等の作業車の
後部に装着した作業機の角度制御機構において、作業機
側の傾斜角を検出する傾斜センサを傾動するセンサユニ
ットの構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、トラクタに装着したロータリ
ー耕耘装置の傾斜角制御機構に関する技術は公知とされ
ているのである。しかし、従来の技術においては、作業
機側の傾斜角を検出する傾斜センサは、ロータリー耕耘
装置の耕耘カバーの上面に取り付けられていたのであ
る。故に、該耕耘カバーの表面の傾斜センサから、信号
をトラクタ側のコントローラに伝達する為にハーネスや
ワイヤーが必要となり、これらのハーネスやワイヤー
は、作業機を脱着する際において、簡単に脱着出来るよ
うな構成が必要だったのである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】該従来技術の不具合を
解消すべく、傾斜センサをトラクタの本機側に設けるこ
とにより、ハーネスやワイヤーの連結の必要を無くすべ
く、本機側にセンサ傾斜台を設け、このセンサ傾斜台を
リフトロッドの伸縮に対応して回動させ、このセンサ傾
斜台の上に傾斜センサを配置して、該傾斜センサの傾斜
を作業機の傾斜角としたものである。また該構成におい
て、傾斜制御用油圧シリンダの伸縮量を正確にセンサ傾
斜台に伝達する必要があり、本発明は傾斜制御用油圧シ
リンダの伸縮量を伝達するインナーワイヤが、正確にセ
ンサ傾斜台のその伸縮量を伝達するように円弧状ワイヤ
ガイドを構成したのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の解決すべき課題
は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段
を説明する。請求項１においては、トラクタ等に作業機
を装着する三点リンク装着機構の一方のリフトロッド
に、作業機を傾斜制御する傾斜制御用油圧シリンダＣを
介装し、該傾斜制御用油圧シリンダＣの側方に伸縮量を
検出するセンサワイヤ機構Ｗを設け、該センサワイヤ機
構Ｗを構成するインナーワイヤ１をトラクタ本機側の作
業機側傾斜センサ３に連動する構成において、前記イン
ナーワイヤ１の他端は、作業機側傾斜センサ３を連動操
作するワイヤ連結アーム６に連結部Ｐにおいて連結し、
ワイヤ連結アーム６の回動により、作業機側傾斜センサ
３を支持するセンサ傾斜台４を傾動すべく構成したもの
である。

【０００５】請求項２においては、請求項１記載の作業
機の角度制御装置において、インナーワイヤ１が接当す
る円弧形状のワイヤガイド２を、前記ワイヤ連結アーム
６の先端からインナーワイヤ１を支持するアウター受け
２０の方向へ突出し、ワイヤガイド２の円弧形状は、ワ
イヤ連結アーム６にインナーワイヤ１を連結した連結部
Ｐの回動軌跡と略同じ形状としたものである。

【０００６】請求項３においては、請求項２記載の作業
機の角度制御装置において、インナーワイヤ１と連設す
るワイヤガイド２と、作業機側傾斜センサ３と、センサ
傾斜台４を一体的にセンサユニットＵとして構成し、該
センサユニットＵをトラクタの作業機昇降用油圧シリン
ダケース５の側方に支持し配置したものである。

【０００７】

【作用】次に作用を説明する。傾斜制御用油圧シリンダ
Ｃの伸縮に伴い、インナーワイヤ１が円弧状ワイヤガイ
ド２に案内されて押し引きされる。該インナーワイヤ１
の先端がワイヤ連結アーム６の上端に連結されているの
で、インナーワイヤ１の出入り量に対して、ワイヤ連結
アーム６が回動するのである。しかし、アウター受け２
０とワイヤ連結アーム６を直線的に連結すると、ワイヤ
連結アーム６の先端の回動軌跡が円弧であるのに対し
て、インナーワイヤ１が弦の部分に直線的に位置するの
で、インナーワイヤ１の出入り量即ち傾斜制御用油圧シ
リンダＣの伸縮量に対して、ワイヤ連結アーム６の回動
量が比例しないという結果が発生するのである。本発明
においては、傾斜制御用油圧シリンダＣの伸縮量とワイ
ヤ連結アーム６の回動量が対応するように、円弧状ワイ
ヤガイド２をワイヤ連結アーム６に沿って配置したもの
である。インナーワイヤ１は該円弧状ワイヤガイド２の
上に接当状態で出入りするのである。

【０００８】

【実施例】次に実施例を説明する。図１は油圧シリンダ
ケース５の部分と作業機の角度制御装置の側面図、図２
は同じく油圧シリンダケース５と作業機の角度制御装置
の部分の後面配置図、図３はセンサユニットＵの側面
図、図４はセンサユニットＵの拡大後面図、図５は同じ
くセンサユニットＵの拡大底面図、図６は円弧状ワイヤ
ガイド２とワイヤ連結アーム６の側面図、図７は同じく
底面図である。

【０００９】図１と図２において説明する。油圧シリン
ダケース５の内部にリフトアーム１４を上下回動する為
の油圧シリンダが配置されており、該油圧シリンダへの
圧油を制御する電磁制御バルブが配置されている。該電
磁制御バルブに信号を送信する機構として、ポジション
設定レバー１５と、ポジション検出センサ１０と、耕深
検出センサー１１が、油圧シリンダケース５の周囲に設
けられている。該ポジション設定レバー１５はオペレー
ターが回動操作するレバーであり、該ポジション設定レ
バー１５の基部にポジション設定センサ１２が配置され
ている。該ポジション設定センサ１２もポテンショメー
タにより構成されている。ポジション検出センサ１０は
リフトアーム１４の回動に伴い信号をフィードバックす
るポテンショメータであり、耕深検出センサー１１は、
ロータリー耕耘装置のリアカバーの回動角をワイヤーに
より伝達して回動されるポテンショメータである。これ
らの信号がコントローラに送信され判断されて、電磁制
御バルブを上昇・中立・下降に切換えて、リフトアーム
１４を上下に回動する。

【００１０】また、リフトアーム１４とロアリンクの間
に介装するリフトロッドの一方が、傾斜制御用油圧シリ
ンダＣに構成されており、該傾斜制御用油圧シリンダＣ
も、傾斜制御バルブにより制御される。該傾斜制御バル
ブに信号を送るのが、本機側センサ１３と、作業機側傾
斜センサ３である。該本機側センサ１３はトラクタの左
右傾斜を検出するものであり、トラクタに固定されてい
るだけである。図１と図２に示す如く、本機側センサ１
３は油圧シリンダケース５の左側の耕深検出センサー１
１の近くに固定されている。

【００１１】従来は、作業機側傾斜センサ３がロータリ
ー耕耘装置の耕耘カバーの表面に固定されており、作業
機の傾斜角を直接に検出していたのであるが、作業機の
脱着に際して、ハーネスやワイヤーの脱着が必要となる
ので面倒であり、トラクタの側に作業機側傾斜センサ３
を設ける必要があったのである。本発明においては、作
業機側傾斜センサ３をセンサ傾斜台４の上に載置し、該
センサ傾斜台４を作業機と同じように回動して、作業機
側傾斜センサ３から作業機の本機に対する左右傾斜を検
出し、本機側センサ１３によって本機の水平に対する傾
斜角を検出し、両値から、傾斜制御用油圧シリンダＣを
駆動して、作業機を水平に対する所望の角度に制御しよ
うとするものである。

【００１２】この為に、リフトロッドに介装した傾斜制
御用油圧シリンダＣの伸縮量を、センサワイヤ機構Ｗに
より取り出し、該センサワイヤ機構Ｗのインナーワイヤ
１を、センサ傾斜台４に伝達すべく構成している。図３
から図７において、センサユニットＵの構成を説明す
る。油圧シリンダケース５の右側の側面に取付ブラケッ
トの部分を介して、センサフレーム９が固定されてい
る。該センサフレーム９の油圧シリンダケース５の側
に、進行方向に設けた枢支軸１８を介してセンサ傾斜台
４を略水平状態に枢支している。該構成によりセンサ傾
斜台４は、進行方向に直交した方向で、作業機の傾斜と
同じ方向に傾斜可能としている。該センサ傾斜台４の上
面に本発明の要部である作業機側傾斜センサ３を載置し
ている。

【００１３】また、該センサフレーム９の油圧シリンダ
ケース５から離れた側に、前述のセンサ傾斜台４の枢支
軸１８とは直交して、進行方向と直角方向にワイヤ連結
アーム６の枢支軸１７を配置している。該枢支軸１７に
枢支したワイヤ連結アーム６は、前後方向に回動可能で
ある。そして、ワイヤ連結アーム６の下部に突出した部
分を設けて、上下係合ピン７が固設されて、該上下係合
ピン７上にセンサ傾斜台４の右端（枢支軸１８と反対
側）下面を載置しており、ワイヤ連結アーム６の回動と
共に、該上下係合ピン７が上下してセンサ傾斜台４を作
業機と同じ角度に傾斜させるのである。

【００１４】前記ワイヤ連結アーム６の上端に戻しバネ
１６が連結されており、該戻しバネ１６は傾斜制御用油
圧シリンダＣの伸長方向に対し、縮小方向にワイヤ連結
アーム６を回動すべく構成している。また、図１に示す
ように、傾斜制御用油圧シリンダＣの側方にセンサワイ
ヤ機構Ｗが構成され、シリンダケース側のアウター受け
にアウターが固定され、インナーワイヤ１の先端が、ピ
ストン側に固定されている。該インナーワイヤ１の他端
部分が、ワイヤ連結アーム６の先端に固定されている。

【００１５】また、アウターの他端は、図２と図３に示
す、油圧シリンダケース５に固定されたアウター受け２
０の部分に固定されている。該アウター受け２０の部分
から先のインナーワイヤ１が、ワイヤ連結アーム６の先
端との間で、円弧の弦の部分の如く直線的に通過する
と、作業機の傾斜に合わせて正確にワイヤ連結アーム６
が回動しなくなるので、ワイヤ連結アーム６の回動が作
業機の傾斜に比例するように、円弧状ワイヤガイド２を
構成しているのである。即ち、ワイヤ連結アーム６とイ
ンナワイヤ１との連結部Ｐ近傍からアウター受け２０へ
向かってワイヤガイド２を延出し、該ワイヤガイド２は
枢支軸１７を中心とした円弧状としている。このように
してセンサユニットＵを構成し、該センサユニットＵを
油圧シリンダケース５とフェンダの間に配置している。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。請求項１の如く、トラク
タ等に作業機を装着する三点リンク装着機構の一方のリ
フトロッドに、作業機を傾斜制御する傾斜制御用油圧シ
リンダＣを介装し、該傾斜制御用油圧シリンダＣの側方
に伸縮量を検出するセンサワイヤ機構Ｗを設け、該セン
サワイヤ機構Ｗを構成するインナーワイヤ１をトラクタ
本機側の作業機側傾斜センサ３に連動する構成におい
て、前記インナーワイヤ１の他端は、作業機側傾斜セン
サ３を連動操作するワイヤ連結アーム６に連結部Ｐにお
いて連結し、ワイヤ連結アーム６の回動により、作業機
側傾斜センサ３を支持するセンサ傾斜台４を傾動すべく
構成したので、作業機側から本機側に向けて電子信号を
送信する為のハーネスを介装する必要が無くなったので
ある。即ち、従来の技術においては、作業機側の傾斜角
を検出する傾斜センサは、ロータリー耕耘装置の耕耘カ
バーの上面に取り付けられていたのである。故に、該耕
耘カバーの表面の傾斜センサから、電子信号をトラクタ
側のコントローラに伝達する為にハーネスが必要とな
り、これらのハーネスは、作業機を脱着する際におい
て、簡単に脱着出来るような構成が必要だったのであ
る。本発明はこのようなハーネスが必要無くなったので
ある。

【００１７】請求項２の如く、インナーワイヤ１が接当
する円弧形状のワイヤガイド２を、前記ワイヤ連結アー
ム６の先端からインナーワイヤ１を支持するアウター受
け２０の方向へ突出し、ワイヤガイド２の円弧形状は、
ワイヤ連結アーム６にインナーワイヤ１を連結した連結
部Ｐの回動軌跡と略同じ形状としたので、傾斜制御用油
圧シリンダＣの伸縮量に対して、インナーワイヤ１を介
して回動させるワイヤ連結アーム６の先端の連結部Ｐの
中心が、図３に示すＰ〜Ｐ１〜Ｐ２と、円弧状を回動す
るに連れて、インナーワイヤ１は全て円弧状ワイヤガイ
ド２に沿って円弧状態を保つのである。これにより、正
確に移動量に比例した回動角を構成することとなり、こ
れがひいてはセンサ傾斜台４と作業機側傾斜センサ３の
正確な傾斜となるのである。また、円弧状ワイヤガイド
２を配置したことにより、ワイヤ連結アーム６の近傍に
アウター受け２０を配置することが可能となったので、
センサユニットＵをコンパクトに構成することが出来た
のである。

【００１８】また、請求項３の如く、インナーワイヤ１
と連設するワイヤガイド２と、作業機側傾斜センサ３
と、センサ傾斜台４を一体的にセンサユニットＵとして
構成し、該センサユニットＵをトラクタの作業機昇降用
油圧シリンダケース５の側方に支持し配置したので、セ
ンサユニットＵを油圧シリンダケース５に固定すること
により、確実で精度の良い取付け状態を得ることが出来
たのである。また、センサ傾斜台４とワイヤ連結アーム
６と円弧状ワイヤガイド２等をセンサユニットＵとする
ことにより、組立性や点検補修性を向上することが出来
たのである。また、センサユニットＵが油圧シリンダケ
ース５の側方でフェンダとの間に配置されているので、
タイヤの中心よりも高い位置となり、泥水や土塊の飛散
を回避することが可能となったのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】油圧シリンダケース５の部分と作業機の角度制
御装置の側面図。

【図２】同じく油圧シリンダケース５と作業機の角度制
御装置の部分の後面配置図。

【図３】センサユニットＵの側面図。

【図４】センサユニットＵの拡大後面図。

【図５】同じくセンサユニットＵの拡大底面図。

【図６】円弧状ワイヤガイド２とワイヤ連結アーム６の
側面図。

【図７】同じく底面図。

【符号の説明】

Ｃ傾斜制御用油圧シリンダＰ連結部Ｗセンサワイヤ機構１インナーワイヤ２円弧状ワイヤガイド３作業機側傾斜センサ４センサ傾斜台５油圧シリンダケース６ワイヤ連結アーム７上下係合ピン９センサフレーム

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】トラクタ等に作業機を装着する三点リン
ク装着機構の一方のリフトロッドに、作業機を傾斜制御
する傾斜制御用油圧シリンダＣを介装し、該傾斜制御用
油圧シリンダＣの側方に伸縮量を検出するセンサワイヤ
機構Ｗを設け、該センサワイヤ機構Ｗを構成するインナ
ーワイヤ１をトラクタ本機側の作業機側傾斜センサ３に
連動する構成において、前記インナーワイヤ１の他端
は、作業機側傾斜センサ３を連動操作するワイヤ連結ア
ーム６に連結部Ｐにおいて連結し、ワイヤ連結アーム６
の回動により、作業機側傾斜センサ３を支持するセンサ
傾斜台４を傾動すべく構成したことを特徴とする作業機
の角度制御装置。
【請求項２】請求項１記載の作業機の角度制御装置に
おいて、インナーワイヤ１が接当する円弧形状のワイヤ
ガイド２を、前記ワイヤ連結アーム６の先端からインナ
ーワイヤ１を支持するアウター受け２０の方向へ突出
し、ワイヤガイド２の円弧形状は、ワイヤ連結アーム６
にインナーワイヤ１を連結した連結部Ｐの回動軌跡と略
同じ形状としたことを特徴とする作業機の角度制御装
置。
【請求項３】請求項２記載の作業機の角度制御装置に
おいて、インナーワイヤ１と連設するワイヤガイド２
と、作業機側傾斜センサ３と、センサ傾斜台４を一体的
にセンサユニットＵとして構成し、該センサユニットＵ
をトラクタの作業機昇降用油圧シリンダケース５の側方
に支持し配置したことを特徴とする作業機の角度制御装
置。