JP2969647B2 - モノクローナル抗体、それからなる阻害剤及びそれを用いた測定方法 - Google Patents
モノクローナル抗体、それからなる阻害剤及びそれを用いた測定方法Info
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- JP2969647B2 JP2969647B2 JP1098823A JP9882389A JP2969647B2 JP 2969647 B2 JP2969647 B2 JP 2969647B2 JP 1098823 A JP1098823 A JP 1098823A JP 9882389 A JP9882389 A JP 9882389A JP 2969647 B2 JP2969647 B2 JP 2969647B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は神経成長因子(nerve growth factor,以下
NGFとする)βサブユニットを特異的に認識するモノク
ローナル抗体、それから成る阻害剤及びそれを用いた測
定方法に関するものである。
NGFとする)βサブユニットを特異的に認識するモノク
ローナル抗体、それから成る阻害剤及びそれを用いた測
定方法に関するものである。
(従来の技術) NGFは、胎生期の知覚神経節および交感神経節神経細
胞の分化と成長を促進する作用を持つ、一群のポリペプ
チドである。神経組織以外の組織で産生され、神経組織
に作用するものと考えられ、特に交感神経節神経細胞で
は、成長後もその機能維持に必須の因子である。
胞の分化と成長を促進する作用を持つ、一群のポリペプ
チドである。神経組織以外の組織で産生され、神経組織
に作用するものと考えられ、特に交感神経節神経細胞で
は、成長後もその機能維持に必須の因子である。
NGFは、α,β,γの3種の異なるサブユニットから
なる分子量140000のホルモン様タンパク質である。αサ
ブユニットの役割は未だ明確にされておらず、γサブユ
ニットはアルギニン特異的ペプチダーゼ活性を持つセリ
ンプロテアーゼである。βサブユニットは単独でNGF活
性を発現し、118個のアミノ酸残基からなる分子量14000
のペプチド鎖が2分子非共有結合した2量体構造をとっ
ており、分子量は約28000である。
なる分子量140000のホルモン様タンパク質である。αサ
ブユニットの役割は未だ明確にされておらず、γサブユ
ニットはアルギニン特異的ペプチダーゼ活性を持つセリ
ンプロテアーゼである。βサブユニットは単独でNGF活
性を発現し、118個のアミノ酸残基からなる分子量14000
のペプチド鎖が2分子非共有結合した2量体構造をとっ
ており、分子量は約28000である。
動物実験では、筋ジストロフィー症マウス(dy/dy)
の顎下リンパ腺中のNGF活性および後肢筋肉中NGF様免疫
交叉活性レベルが、発症していないマウスに比較して有
意に減少していることが報告されている。
の顎下リンパ腺中のNGF活性および後肢筋肉中NGF様免疫
交叉活性レベルが、発症していないマウスに比較して有
意に減少していることが報告されている。
一方、NGFに応答し分化する株細胞系としては、1976
年、ラット褐色細胞腫(ph−eochromocytoma)よりPC12
細胞が単離されクローンとして樹立された。PC12細胞は
NGFに応答し、形態的には、長い神経線維を伸ばし、種
々の神経細胞としての機能を高めることが次第に明らか
になってきており、この細胞系が、NGFなどによる分化
に伴なう形質発現の分子機構を明らかにできる絶好の系
と考えられている。また、この細胞系は、分化した交感
神経細胞の性質を明らかにする良い系ともなっており、
また、神経分泌細胞のモデルとしても良く用いられてい
る。
年、ラット褐色細胞腫(ph−eochromocytoma)よりPC12
細胞が単離されクローンとして樹立された。PC12細胞は
NGFに応答し、形態的には、長い神経線維を伸ばし、種
々の神経細胞としての機能を高めることが次第に明らか
になってきており、この細胞系が、NGFなどによる分化
に伴なう形質発現の分子機構を明らかにできる絶好の系
と考えられている。また、この細胞系は、分化した交感
神経細胞の性質を明らかにする良い系ともなっており、
また、神経分泌細胞のモデルとしても良く用いられてい
る。
(発明が解決しようとする課題) NGFの測定法としてはバイオアッセイ法(内分泌実験
講座,ホルモン測定法(上) 266−280頁 1982年),
ポリクローナル抗体を用いた放射免疫測定法(ジャーナ
ル オブ ニューロケミストリー 第18巻 2355−2362
頁),酵素免疫測定法(プロシーヂングス オブ ナシ
ョナル アカデミー オブ サイエンスUSA 第75巻 4
042−4046頁1978年)が知られている。
講座,ホルモン測定法(上) 266−280頁 1982年),
ポリクローナル抗体を用いた放射免疫測定法(ジャーナ
ル オブ ニューロケミストリー 第18巻 2355−2362
頁),酵素免疫測定法(プロシーヂングス オブ ナシ
ョナル アカデミー オブ サイエンスUSA 第75巻 4
042−4046頁1978年)が知られている。
従来知られているバイオアッセイ法は、生物活性を指
標としているため最も信頼性のある方法であるが、神経
節の採取などにある程度の習熟を必要とし、様々な神経
繊維伸長パターンがあらわれ評価が困難であり、また感
度はせいぜい1ng/ml程度と比較的低いという問題があ
る。
標としているため最も信頼性のある方法であるが、神経
節の採取などにある程度の習熟を必要とし、様々な神経
繊維伸長パターンがあらわれ評価が困難であり、また感
度はせいぜい1ng/ml程度と比較的低いという問題があ
る。
放射免疫測定法,酵素免疫測定法においても、使用す
る抗体が必ずしも均一な性質を有していないことから測
定精度に問題がある。
る抗体が必ずしも均一な性質を有していないことから測
定精度に問題がある。
また増殖因子の研究において、その活性阻害剤を用い
ることは、研究の進歩と深い関わりがある。しかし、NG
Fには生理的条件下で、NGFの作用のみを阻害する適当な
阻害剤が知られておらず、この事がNGF研究の進歩を妨
げている。
ることは、研究の進歩と深い関わりがある。しかし、NG
Fには生理的条件下で、NGFの作用のみを阻害する適当な
阻害剤が知られておらず、この事がNGF研究の進歩を妨
げている。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明者らは従来技術の問題点を解決するべく、操作
が簡単で測定精度の高いNGFの測定方法及びNGFの阻害剤
について鋭意検討したところ、モノクローナル抗体を使
用することでこれらの問題点を解決できることを見出だ
し、本発明を完成させた。
が簡単で測定精度の高いNGFの測定方法及びNGFの阻害剤
について鋭意検討したところ、モノクローナル抗体を使
用することでこれらの問題点を解決できることを見出だ
し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識する
モノクローナル抗体 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識する
モノクローナル抗体で、 ・固相に固定化されたモノクローナル抗体(I) ・標識されたまたは標識されていないモノクローナル抗
体(II) 及び標識されていないモノクローナル抗体(II)を使用
した場合には、モノクローナル抗体(I)若しくは(I
I)の結果生じる免疫反応生成物またはモノクローナル
抗体(II)を特異的に認識する標識された抗体を試料と
反応させ、固相又は液相の標識を直接的又は間接的に検
出することを特徴とする、試料中のヒト神経成長因子β
サブユニットおよび/又はヒト神経成長因子の測定方法 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識し、
固相に固定化されたモノクローナル抗体(I) ・標識されたヒト神経成長因子及び/又はヒト神経成長
因子βサブユニット ・試料 とを反応させ、固相又は液相の標識を直接的または間接
的に検出することを特徴とする、試料中のヒト神経成長
因子βサブユニットおよび/又はヒト神経成長因子の測
定方法 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識する
モノクローナル抗体から成る、ヒト神経成長因子βサブ
ユニット及び/又はヒト神経成長因子に対する阻害剤 である。以下、その詳細について説明する。
モノクローナル抗体 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識する
モノクローナル抗体で、 ・固相に固定化されたモノクローナル抗体(I) ・標識されたまたは標識されていないモノクローナル抗
体(II) 及び標識されていないモノクローナル抗体(II)を使用
した場合には、モノクローナル抗体(I)若しくは(I
I)の結果生じる免疫反応生成物またはモノクローナル
抗体(II)を特異的に認識する標識された抗体を試料と
反応させ、固相又は液相の標識を直接的又は間接的に検
出することを特徴とする、試料中のヒト神経成長因子β
サブユニットおよび/又はヒト神経成長因子の測定方法 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識し、
固相に固定化されたモノクローナル抗体(I) ・標識されたヒト神経成長因子及び/又はヒト神経成長
因子βサブユニット ・試料 とを反応させ、固相又は液相の標識を直接的または間接
的に検出することを特徴とする、試料中のヒト神経成長
因子βサブユニットおよび/又はヒト神経成長因子の測
定方法 ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識する
モノクローナル抗体から成る、ヒト神経成長因子βサブ
ユニット及び/又はヒト神経成長因子に対する阻害剤 である。以下、その詳細について説明する。
本発明において、ヒトNGFβサブユニットを特異的に
認識するモノクローナル抗体は、それ自体公知である方
法(ジー.ケーラーとジー.ミルシュタイン,ネーチャ
ー,第256巻,495頁,1975年)に準じて得ることができ
る。この方法により、ヒトNGFβサブユニットを特異的
に認識する複数種のモノクローナル抗体を得ることがで
きた。それぞれの抗体の親和定数は、10-7〜10-11Mの範
囲内であった。またこれらの抗体は、ヒトNGFβサブユ
ニットの異なる抗原決定部位を認識するものであった。
認識するモノクローナル抗体は、それ自体公知である方
法(ジー.ケーラーとジー.ミルシュタイン,ネーチャ
ー,第256巻,495頁,1975年)に準じて得ることができ
る。この方法により、ヒトNGFβサブユニットを特異的
に認識する複数種のモノクローナル抗体を得ることがで
きた。それぞれの抗体の親和定数は、10-7〜10-11Mの範
囲内であった。またこれらの抗体は、ヒトNGFβサブユ
ニットの異なる抗原決定部位を認識するものであった。
従ってこれらのモノクローナル抗体を使って、ヒトNG
Fβサブユニットをサンドイッチ法,競争法などによ
り、定量的に免疫学的に測定することが可能となり、β
サブユニットを定量できることはもちろん、それを通し
てヒトNGFを定量的に測定することが可能となった。
Fβサブユニットをサンドイッチ法,競争法などによ
り、定量的に免疫学的に測定することが可能となり、β
サブユニットを定量できることはもちろん、それを通し
てヒトNGFを定量的に測定することが可能となった。
例えばサンドイッチ法の場合は、抗体及び試料の添加
順序には特に限定はなく、また、固相と液相との分離回
数にも制限はない。モノクローナル抗体(II)は、標識
されていてもいなくてもよい。標識されている場合は、
反応後、その標識を固相又は液相において検出すればよ
い。標識されていない場合は、モノクローナル抗体
(I)若しくは(II)の結果生じる免疫反応生成物又は
モノクローナル抗体(II)を特異的に認識する標識化抗
体を添加し、その標識を検出すればよい。このときの抗
体は、例えば抗IgG抗体などがあげられる。また、ヒトN
GFβサブユニットは2量体構造をとっているため、モノ
クローナル抗体(I),(II)は同じ抗原決定部位を認
識するものであってもよいが、異なるものの方が好まし
い。
順序には特に限定はなく、また、固相と液相との分離回
数にも制限はない。モノクローナル抗体(II)は、標識
されていてもいなくてもよい。標識されている場合は、
反応後、その標識を固相又は液相において検出すればよ
い。標識されていない場合は、モノクローナル抗体
(I)若しくは(II)の結果生じる免疫反応生成物又は
モノクローナル抗体(II)を特異的に認識する標識化抗
体を添加し、その標識を検出すればよい。このときの抗
体は、例えば抗IgG抗体などがあげられる。また、ヒトN
GFβサブユニットは2量体構造をとっているため、モノ
クローナル抗体(I),(II)は同じ抗原決定部位を認
識するものであってもよいが、異なるものの方が好まし
い。
また競争法の場合は、固相に固定化されたモノクロー
ナル抗体(I)に対し、標識されたヒトNGF及び/又は
ヒトNGFβサブユニットと試料とを同時に反応開始させ
る必要がある。そのため、もし標識されたヒトNGF及び
/又はヒトNGFβサブユニットと試料とを同時に添加で
きない場合は、先に加えたものが反応しない工夫をする
べきである。例えば、一方を加えた時点で凍結乾燥すれ
ばよい。
ナル抗体(I)に対し、標識されたヒトNGF及び/又は
ヒトNGFβサブユニットと試料とを同時に反応開始させ
る必要がある。そのため、もし標識されたヒトNGF及び
/又はヒトNGFβサブユニットと試料とを同時に添加で
きない場合は、先に加えたものが反応しない工夫をする
べきである。例えば、一方を加えた時点で凍結乾燥すれ
ばよい。
本発明方法に用いられるモノクローナル抗体(I)は
固相に固定化されているが、固相に固定化する方法は公
知の方法を採用することができる。固相としては例え
ば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネート、セファロース粒子、ラテックス、アガ
ロース、セルロース、ポリメタアクリレートなどが使用
される。
固相に固定化されているが、固相に固定化する方法は公
知の方法を採用することができる。固相としては例え
ば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リカーボネート、セファロース粒子、ラテックス、アガ
ロース、セルロース、ポリメタアクリレートなどが使用
される。
また本発明で用いられる標識化抗体の作製方法とその
検出方法もなんら限定されるものではなく、公知の方法
により標識化および検出することができる。標識として
は、直接的に検出されるものとしては、例えば放射性物
質,蛍光物質などがあげられ、間接的に検出されるもの
としては、例えば酵素などがあげられる。酵素として具
体的には、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、カタラー
ゼ、β−グルクロニダーゼなどがあげられ、放射性物質
としては、3H,125I,または131I等が、蛍光物質として
は、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンチオシ
アネート、テトラローダミンイソチオシアネート(TRIT
C)等があげられ、常法によりモノクローナル抗体に結
合される。
検出方法もなんら限定されるものではなく、公知の方法
により標識化および検出することができる。標識として
は、直接的に検出されるものとしては、例えば放射性物
質,蛍光物質などがあげられ、間接的に検出されるもの
としては、例えば酵素などがあげられる。酵素として具
体的には、ペルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダー
ゼ、アルカリホスファターゼ、ウレアーゼ、カタラー
ゼ、β−グルクロニダーゼなどがあげられ、放射性物質
としては、3H,125I,または131I等が、蛍光物質として
は、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンチオシ
アネート、テトラローダミンイソチオシアネート(TRIT
C)等があげられ、常法によりモノクローナル抗体に結
合される。
競争法で用いられる標識されたヒトNGFの調製方法
も、公知の方法に従って化学的に結合させれば良く、標
識物質としては例えば上記で説明したものが使用でき
る。しかしながら、標識物質は上記物質に何ら限定され
るべきものではない。
も、公知の方法に従って化学的に結合させれば良く、標
識物質としては例えば上記で説明したものが使用でき
る。しかしながら、標識物質は上記物質に何ら限定され
るべきものではない。
測定に使用される試薬は、上記物質以外にも、基質,
溶解剤,緩衝剤,洗浄剤,反応停止剤等の公知の試薬が
用いられる。
溶解剤,緩衝剤,洗浄剤,反応停止剤等の公知の試薬が
用いられる。
また本発明のモノクローナル抗体から成る阻害剤を使
って神経クローン細胞や、神経節細胞の神経成長因子に
応答した神経線維形成を阻害させることが可能となっ
た。この阻害剤は抗ヒトNGFβサブユニットモノクロー
ナル抗体から成ればよく、生物学的,薬学的に許容され
る物質を含んでもよい。
って神経クローン細胞や、神経節細胞の神経成長因子に
応答した神経線維形成を阻害させることが可能となっ
た。この阻害剤は抗ヒトNGFβサブユニットモノクロー
ナル抗体から成ればよく、生物学的,薬学的に許容され
る物質を含んでもよい。
このときに用いられる神経クローン細胞や神経節細胞
としては、ヒトNGFに応答して神経線維を形成するもの
であれば特に限定はしないが、例えば前述のPC12細胞系
が良く用いられる。
としては、ヒトNGFに応答して神経線維を形成するもの
であれば特に限定はしないが、例えば前述のPC12細胞系
が良く用いられる。
一例をあげればPC12細胞に対するヒトNGFによる分化
誘導作用を観察する際には、まず細胞を1〜2.5×104ce
lls/cm2にまき、ヒトNGF存在下に1夜以上培養すること
により行うことができる。このとき、抗ヒトNGFβサブ
ユニットモノクローナル抗体から成る阻害剤を用いるこ
とにより、神経線維形成の阻害が観察できる。
誘導作用を観察する際には、まず細胞を1〜2.5×104ce
lls/cm2にまき、ヒトNGF存在下に1夜以上培養すること
により行うことができる。このとき、抗ヒトNGFβサブ
ユニットモノクローナル抗体から成る阻害剤を用いるこ
とにより、神経線維形成の阻害が観察できる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように本発明によれば、 抗ヒトNGFβサブユニットモノクローナル抗体が得ら
れる。
れる。
試料中のヒトNGF濃度は、0.1〜200ng/mlの範囲内で測
定することができ、 従来法に比べて極めて簡便な操作で短時間に、かつ感
度よく多数の検体の測定が可能である。
定することができ、 従来法に比べて極めて簡便な操作で短時間に、かつ感
度よく多数の検体の測定が可能である。
本発明のモノクローナル抗体から成る阻害剤を用いて
神経クローン細胞や、神経節細胞の神経成長因子に応答
した神経線維形成を阻害させることが可能となり、神経
生理学的分野の研究において、該モノクローナル抗体が
果たす役割は非常に重要であると考えられる。
神経クローン細胞や、神経節細胞の神経成長因子に応答
した神経線維形成を阻害させることが可能となり、神経
生理学的分野の研究において、該モノクローナル抗体が
果たす役割は非常に重要であると考えられる。
(実施例) 以下に本発明の詳細な実施例を説明する。しかし本発
明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
明は、これら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 モノクローナル抗体の作成 (A)抗原感作動物細胞の調製 Balb/cマウス(♀)をヒトNGFβサブユニットで免疫
した。免疫は、マウスの腹腔にフロイントの完全アジュ
バントとヒトNGFβサブユニット(特願昭63−35042記載
の方法で得た大腸菌由来の組換えヒトNGFβサブユニッ
ト)100μg/匹とを乳化させた試料100μlを投与した。
2週間後に追加免疫としてヒトNGFβサブユニット100μ
g/匹をフロイントの不完全アジュバントと乳化させたも
の100μlをマウス腹腔に投与した。1週間後最終免疫
としてヒトNGFβサブユニット100μg/匹をリン酸緩衝化
生理食塩水(0.85%NaCl含有0.01%リン酸緩衝液、pH7.
2:以下PBS)に溶解したもの100μlを腹腔内に投与し
た。3日後この処置マウスの脾臓を無菌的に取出した。
15%子牛胎児血清(以下15%FCSと省略する)を含むDME
M10mlを注射器で吸い取り27ゲージの注射針をつけた。
脾臓を氷冷しておいたデイッシュに入れ、注射針で数か
所穴をあけた。注射針を差し込み還流し脾臓細胞をデイ
ッシュに流出させた。流出液をナイロンメッシュで濾過
し遠心チューブに入れ、1000rpmで10分間遠心分離して
上澄をすてた。細胞ペレット中の赤血球を0.15M塩化ア
ンモニウム溶液(1mMエチレンジアミン4酢酸−2ナト
リウム塩(以下EDTAと省略する)を含む0.01M炭酸緩衝
液、pH7.2)で溶血させ遠心分離し、さらに細胞ペレッ
トをDMEMで2回同様に遠心洗浄して脾細胞とした。
した。免疫は、マウスの腹腔にフロイントの完全アジュ
バントとヒトNGFβサブユニット(特願昭63−35042記載
の方法で得た大腸菌由来の組換えヒトNGFβサブユニッ
ト)100μg/匹とを乳化させた試料100μlを投与した。
2週間後に追加免疫としてヒトNGFβサブユニット100μ
g/匹をフロイントの不完全アジュバントと乳化させたも
の100μlをマウス腹腔に投与した。1週間後最終免疫
としてヒトNGFβサブユニット100μg/匹をリン酸緩衝化
生理食塩水(0.85%NaCl含有0.01%リン酸緩衝液、pH7.
2:以下PBS)に溶解したもの100μlを腹腔内に投与し
た。3日後この処置マウスの脾臓を無菌的に取出した。
15%子牛胎児血清(以下15%FCSと省略する)を含むDME
M10mlを注射器で吸い取り27ゲージの注射針をつけた。
脾臓を氷冷しておいたデイッシュに入れ、注射針で数か
所穴をあけた。注射針を差し込み還流し脾臓細胞をデイ
ッシュに流出させた。流出液をナイロンメッシュで濾過
し遠心チューブに入れ、1000rpmで10分間遠心分離して
上澄をすてた。細胞ペレット中の赤血球を0.15M塩化ア
ンモニウム溶液(1mMエチレンジアミン4酢酸−2ナト
リウム塩(以下EDTAと省略する)を含む0.01M炭酸緩衝
液、pH7.2)で溶血させ遠心分離し、さらに細胞ペレッ
トをDMEMで2回同様に遠心洗浄して脾細胞とした。
(B)骨髄腫細胞の調製 骨髄腫細胞としてはBalb/cマウス由来の8−アザグア
ニン耐性株として、SP2/0−Ag14(以下SP2/0と省略す
る)を使用した。細胞融合を行う1週間前まで20μg/ml
の8−アザグアニン,15%FCSを含むDMEMで培養し、その
後細胞融合日まで15%FCSを含むDMEMを使用した。細胞
融合直前に、SP2/0は無菌的にDMEMで1000rpmで10分間遠
心洗浄を2回繰り返し調製した。
ニン耐性株として、SP2/0−Ag14(以下SP2/0と省略す
る)を使用した。細胞融合を行う1週間前まで20μg/ml
の8−アザグアニン,15%FCSを含むDMEMで培養し、その
後細胞融合日まで15%FCSを含むDMEMを使用した。細胞
融合直前に、SP2/0は無菌的にDMEMで1000rpmで10分間遠
心洗浄を2回繰り返し調製した。
(C)細胞融合 上記(A)項で調製した脾臓細胞と上記(B)項で調
製した骨髄腫細胞を5:1の割合で混合遠心(1000rpm,10
分)し細胞ペレットを集めた。遠心チューブを軽くたた
いて細胞ペレットを壁面にうすく広げた。その中に37℃
に暖めておいた50%PEG(MERK社製ポリエチレングリコ
ール4000)を含むDMEM溶液0.5mlを遠心チューブを回し
ながら少しずつ滴下した。1分間ゆっくりと遠心チュー
ブを回転させ混合した後、30秒に1mlの割合で遠心チュ
ーブを回転しながら37℃に加温しておいたDMEMを10回加
えた。つぎにFCSを2mlゆっくりと入れ、1000rpm,10分間
遠心した。細胞ペレットを15%FCSと1×10-4Mヒポキサ
ンチン、4×10-7Mアミノプテリン、1.6×10-5Mチミジ
ンを含むDMEM(以下HAT培地と省略する)で2回遠心洗
浄(1000rpm,10分間)した。この培養液を96ウエルプレ
ート(Falcon♯3042)に5×105細胞個/ウエルになる
ように200μlずつ分注した。3日目ごとにHAT培地を10
0μl/ウエル交換した。3週間後からは、1×10-4Mヒポ
キサンチン,1.6×10-5Mチミジンと15%FCSを含むDMEM
(以下HT培地と省略する)を培地交換に用いた。
製した骨髄腫細胞を5:1の割合で混合遠心(1000rpm,10
分)し細胞ペレットを集めた。遠心チューブを軽くたた
いて細胞ペレットを壁面にうすく広げた。その中に37℃
に暖めておいた50%PEG(MERK社製ポリエチレングリコ
ール4000)を含むDMEM溶液0.5mlを遠心チューブを回し
ながら少しずつ滴下した。1分間ゆっくりと遠心チュー
ブを回転させ混合した後、30秒に1mlの割合で遠心チュ
ーブを回転しながら37℃に加温しておいたDMEMを10回加
えた。つぎにFCSを2mlゆっくりと入れ、1000rpm,10分間
遠心した。細胞ペレットを15%FCSと1×10-4Mヒポキサ
ンチン、4×10-7Mアミノプテリン、1.6×10-5Mチミジ
ンを含むDMEM(以下HAT培地と省略する)で2回遠心洗
浄(1000rpm,10分間)した。この培養液を96ウエルプレ
ート(Falcon♯3042)に5×105細胞個/ウエルになる
ように200μlずつ分注した。3日目ごとにHAT培地を10
0μl/ウエル交換した。3週間後からは、1×10-4Mヒポ
キサンチン,1.6×10-5Mチミジンと15%FCSを含むDMEM
(以下HT培地と省略する)を培地交換に用いた。
(D)ハイブリドーマの選択 96ウエルプレートに細胞コロニーが認められる10日目
前後から固相酵素免疫測定法を行い、培養上清に抗ヒト
NGFβサブユニット抗体が存在するかどうか調べた。
前後から固相酵素免疫測定法を行い、培養上清に抗ヒト
NGFβサブユニット抗体が存在するかどうか調べた。
96ウエルイムノプレート平底(インターメッド社製)
に、ヒトNGFβサブユニット2μg/mlを50μl/ウエル分
注し、37℃で1.5時間静置した。ウエルに残っている溶
液を除去し、PBSに0.04%ツイーン(tween)−20を含ん
だ溶液(以下PBS−T)で3回洗浄した後、0.1%ウシ血
清アルブミン(以下BSA)を溶解したPBS−T溶液300μ
lを各ウエルに加えて、37℃で1.5時間ブロッキング処
理した。つぎに各ウエルに上記培養上清を100μlずつ
分注し37℃で1.5時間静置した。これらのウエルをPBS−
T溶液で3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ標識ラビッ
ト抗マウスIgG抗体(ジャクソン社製)4000倍希釈を50
μl/ウエルずつ分注し、37℃で1.5時間静置した。PBS−
T溶液で3回洗浄したのち、基質溶液(1.2% 2,2−ア
ジノジ−(3−エチルベンズチアゾリン硫酸)−ジアン
モニウム塩(ABTS)及び0.01%過酸化水素(H2O2)を含
有する0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.1)を各ウエルに100μ
l添加した。30分間室温で放置し、200mMシュウ酸溶液1
00μlを加えて酵素反応を停止させた。415nmでの吸光
度を測定し、酵素活性が認められたウエルに抗ヒトNGF
βサブユニット抗体を産生するハイブリドーマが存在す
ることがわかる。以上のようにして、抗体価の強い抗体
産生ハイブリドーマを取得した。
に、ヒトNGFβサブユニット2μg/mlを50μl/ウエル分
注し、37℃で1.5時間静置した。ウエルに残っている溶
液を除去し、PBSに0.04%ツイーン(tween)−20を含ん
だ溶液(以下PBS−T)で3回洗浄した後、0.1%ウシ血
清アルブミン(以下BSA)を溶解したPBS−T溶液300μ
lを各ウエルに加えて、37℃で1.5時間ブロッキング処
理した。つぎに各ウエルに上記培養上清を100μlずつ
分注し37℃で1.5時間静置した。これらのウエルをPBS−
T溶液で3回洗浄した後、ペルオキシダーゼ標識ラビッ
ト抗マウスIgG抗体(ジャクソン社製)4000倍希釈を50
μl/ウエルずつ分注し、37℃で1.5時間静置した。PBS−
T溶液で3回洗浄したのち、基質溶液(1.2% 2,2−ア
ジノジ−(3−エチルベンズチアゾリン硫酸)−ジアン
モニウム塩(ABTS)及び0.01%過酸化水素(H2O2)を含
有する0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.1)を各ウエルに100μ
l添加した。30分間室温で放置し、200mMシュウ酸溶液1
00μlを加えて酵素反応を停止させた。415nmでの吸光
度を測定し、酵素活性が認められたウエルに抗ヒトNGF
βサブユニット抗体を産生するハイブリドーマが存在す
ることがわかる。以上のようにして、抗体価の強い抗体
産生ハイブリドーマを取得した。
(E)コンデショニングメディウムの調製 26ゲージの注射針をつけた注射器に10mlの冷蔵してお
いた0.34Mサッカロース溶液を吸い取った。Balb/cマウ
ス(♂)を脊椎脱臼させ、無菌的に腹腔内に上記溶液を
注入した。注入後5分以内に左側腹部に18ゲージの注射
針をつけて氷冷しておいた注射器にて腹腔内溶液を回収
した。氷冷しておいた遠心チューブに上記回収液を流し
込み、1000rpmで5分間遠心分離した。遠心後上清を廃
棄し、細胞ペレットに15%FCS−DMEMを加え攪拌しデッ
シュに入れた。37℃,5%炭酸ガス濃度,95%湿度で一晩
培養した。培養上清を集め、0.22μmのメンブレンフィ
ルターで濾過し、これをコンデショニングメデウムとし
た。
いた0.34Mサッカロース溶液を吸い取った。Balb/cマウ
ス(♂)を脊椎脱臼させ、無菌的に腹腔内に上記溶液を
注入した。注入後5分以内に左側腹部に18ゲージの注射
針をつけて氷冷しておいた注射器にて腹腔内溶液を回収
した。氷冷しておいた遠心チューブに上記回収液を流し
込み、1000rpmで5分間遠心分離した。遠心後上清を廃
棄し、細胞ペレットに15%FCS−DMEMを加え攪拌しデッ
シュに入れた。37℃,5%炭酸ガス濃度,95%湿度で一晩
培養した。培養上清を集め、0.22μmのメンブレンフィ
ルターで濾過し、これをコンデショニングメデウムとし
た。
(F)クローニング 抗体産生を認めるハイブリドーマについて限界希釈法
を用いて単一クローンにした。上記(E)項で作製した
コンデショニングメデウムを1ml含むHAT培地20mlを用意
した。クローニングしたいハイブリドーマ細胞を各ウエ
ルに1個になるように上記培養液中に調整し、200μl/
ウエルずつ96ウエルプレート(Falcon♯3042)に分注し
た。培養10日目前後から細胞コロニーが認められるウエ
ルについて、上記(D)項に記載した固相酵素免疫測定
法をに準じて抗ヒトNGFβサブユニット抗体産生ハイブ
リドーマを選択し、さらに再度クローニングを繰り返し
単一ハイブリドーマを樹立した。最終的に27クローンの
ハイブリドーマを確立した。
を用いて単一クローンにした。上記(E)項で作製した
コンデショニングメデウムを1ml含むHAT培地20mlを用意
した。クローニングしたいハイブリドーマ細胞を各ウエ
ルに1個になるように上記培養液中に調整し、200μl/
ウエルずつ96ウエルプレート(Falcon♯3042)に分注し
た。培養10日目前後から細胞コロニーが認められるウエ
ルについて、上記(D)項に記載した固相酵素免疫測定
法をに準じて抗ヒトNGFβサブユニット抗体産生ハイブ
リドーマを選択し、さらに再度クローニングを繰り返し
単一ハイブリドーマを樹立した。最終的に27クローンの
ハイブリドーマを確立した。
(G)抗ヒトNGFβサブユニット抗体の精製 Balb/cマウス(♂)6〜10週令の腹腔にプリスタン
(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を0.5ml/匹
投与した。2週間後上記(F)項で得られた抗ヒトNGF
βサブユニット抗体産生ハイブリドーマ株をマウス腹腔
内に各クローンについて2×106細胞個/匹移植した。1
0日目前後に生成した腹水を、18ゲージの注射針を腹腔
に差し込み、1/20量の0.2M・EDTAをいれた遠心チューブ
に滴下させた。遠心チューブを4000rpmで10分間遠心
し、上清を集めた。採取した上清を50%硫酸アンモニウ
ム沈殿分画法にしたがって粗精製し、0.05%アジ化ナト
リウムを含むPBS溶液に透析後、イオン交換クロマトグ
ラフィー、ゲル濾過をおこない精製した。メルカプトエ
タノール還元下での12%SDS−ポリアクリルアミド電気
泳動で1本の重鎖と1本の軽鎖の2本のバンドになった
ことで抗体の純度を確認した。
(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を0.5ml/匹
投与した。2週間後上記(F)項で得られた抗ヒトNGF
βサブユニット抗体産生ハイブリドーマ株をマウス腹腔
内に各クローンについて2×106細胞個/匹移植した。1
0日目前後に生成した腹水を、18ゲージの注射針を腹腔
に差し込み、1/20量の0.2M・EDTAをいれた遠心チューブ
に滴下させた。遠心チューブを4000rpmで10分間遠心
し、上清を集めた。採取した上清を50%硫酸アンモニウ
ム沈殿分画法にしたがって粗精製し、0.05%アジ化ナト
リウムを含むPBS溶液に透析後、イオン交換クロマトグ
ラフィー、ゲル濾過をおこない精製した。メルカプトエ
タノール還元下での12%SDS−ポリアクリルアミド電気
泳動で1本の重鎖と1本の軽鎖の2本のバンドになった
ことで抗体の純度を確認した。
以上の方法により、ヒトNGFβサブユニットを特異的
に認識する複数種のモノクローナル抗体を得た。それぞ
れの抗体の結合定数は10-7〜10-11Mの範囲内であった。
に認識する複数種のモノクローナル抗体を得た。それぞ
れの抗体の結合定数は10-7〜10-11Mの範囲内であった。
実施例2 免疫測定法 (A)抗ヒトNGFβサブユニット抗体の固定化 未処理マイクロタイタープレート(96ウエル・ヌンク
プレート、インターメッド社製)の各ウエルに0.1M炭酸
ナトリウム緩衝液(pH9.6)に溶解した3μg/mlのマウ
ス由来の抗ヒトNGFβサブユニットモノクローナル抗体
(実施例1で作製したもの;名称Aとする)の溶液200
μlを加えて、4℃で一夜インキュベートした。次に、
各ウエルの溶液を除去し、PBS−Tで3回洗浄した後、
0.1%BSAを溶解したPBS−T溶液300μlを各ウエルに加
えて、4℃でブロッキング処理しそのまま保存した。
プレート、インターメッド社製)の各ウエルに0.1M炭酸
ナトリウム緩衝液(pH9.6)に溶解した3μg/mlのマウ
ス由来の抗ヒトNGFβサブユニットモノクローナル抗体
(実施例1で作製したもの;名称Aとする)の溶液200
μlを加えて、4℃で一夜インキュベートした。次に、
各ウエルの溶液を除去し、PBS−Tで3回洗浄した後、
0.1%BSAを溶解したPBS−T溶液300μlを各ウエルに加
えて、4℃でブロッキング処理しそのまま保存した。
(B)西洋ワサビペルオキシダーゼ(以下HRP)標識抗
体の調製 0.3M重炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.1)に溶解したHRP
溶液(5mg/ml)に1% 1−フルオロ−2,4−ジニトロ
ベンゼンのエタノール溶液0.1mlを加え、室温にて1時
間反応させた。その溶液に0.06M過ヨウ素酸ナトリウム
1.0mlを添加し30分反応させた。未反応の過ヨウ素酸ナ
トリウムを0.16Mのエチレングリコール1.0mlを加えて除
去した後、0.01M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)で透析
した。次に、マウス由来抗ヒトNGFβサブユニット・モ
ノクローナル抗体(実施例1で作製したもの、名称Bと
する;モノクローナル抗体Aとは異なる抗原部位を認識
するもの)5mgを加えて5〜6時間反応させた。水素化
ホウ素ナトリウム5mgを添加して4℃で一夜放置した。
この後、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを除去するた
め、0.85%塩化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.1)に対して4℃で一夜攪拌しながら透析
した。上記反応物をTSKゲルG−3000SW(東ソー(株)
製、商品名)を用いて高速液体クロマトグラフィーにて
精製し、HRP標識抗体とした。
体の調製 0.3M重炭酸ナトリウム緩衝液(pH8.1)に溶解したHRP
溶液(5mg/ml)に1% 1−フルオロ−2,4−ジニトロ
ベンゼンのエタノール溶液0.1mlを加え、室温にて1時
間反応させた。その溶液に0.06M過ヨウ素酸ナトリウム
1.0mlを添加し30分反応させた。未反応の過ヨウ素酸ナ
トリウムを0.16Mのエチレングリコール1.0mlを加えて除
去した後、0.01M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.5)で透析
した。次に、マウス由来抗ヒトNGFβサブユニット・モ
ノクローナル抗体(実施例1で作製したもの、名称Bと
する;モノクローナル抗体Aとは異なる抗原部位を認識
するもの)5mgを加えて5〜6時間反応させた。水素化
ホウ素ナトリウム5mgを添加して4℃で一夜放置した。
この後、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを除去するた
め、0.85%塩化ナトリウムを含む10mMリン酸ナトリウム
緩衝液(pH7.1)に対して4℃で一夜攪拌しながら透析
した。上記反応物をTSKゲルG−3000SW(東ソー(株)
製、商品名)を用いて高速液体クロマトグラフィーにて
精製し、HRP標識抗体とした。
(C)試料中のNGFの定量 本実施例中の(A)で記述した方法で作製したマイク
ロタイタープレートを室温にもどし、PBS−T溶液で洗
浄した後、ヒトNGFを含む標準試料を各ウエルにそれぞ
れ20μl加えた。つぎに本実施例(B)で得たHRP標識
抗体をPBS−T溶液で希釈し、各ウエルに200μlずつ添
加した。そのまま室温で3時間インキュベートした後、
溶液を除去しPBS−T溶液で3回洗浄した。それに、1.2
% 2,2′−アジノジ−(3−エチルベンズチアゾリン
硫酸)−ジアンモニウム塩及び0.01%過酸化水素(H
2O2)を含有する0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.1)から成る
基質溶液を各ウエルに200μl添加し、室温で30分間酵
素反応させた後、200mMシュウ酸溶液を100μl加えて酵
素反応を停止させた。
ロタイタープレートを室温にもどし、PBS−T溶液で洗
浄した後、ヒトNGFを含む標準試料を各ウエルにそれぞ
れ20μl加えた。つぎに本実施例(B)で得たHRP標識
抗体をPBS−T溶液で希釈し、各ウエルに200μlずつ添
加した。そのまま室温で3時間インキュベートした後、
溶液を除去しPBS−T溶液で3回洗浄した。それに、1.2
% 2,2′−アジノジ−(3−エチルベンズチアゾリン
硫酸)−ジアンモニウム塩及び0.01%過酸化水素(H
2O2)を含有する0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.1)から成る
基質溶液を各ウエルに200μl添加し、室温で30分間酵
素反応させた後、200mMシュウ酸溶液を100μl加えて酵
素反応を停止させた。
上記マイクロタイタープレートの各ウエルについて、
波長415nm、対照波長492nmの吸光強度を自動マイクロタ
イタープレートリーダー(東ソー(株)製、MPR−A4、
商品名)で測定した。結果を表1に示す。表1から明ら
かなように、試料中のNGFは0.1〜200ng/mlの範囲で定量
できることが確認された。
波長415nm、対照波長492nmの吸光強度を自動マイクロタ
イタープレートリーダー(東ソー(株)製、MPR−A4、
商品名)で測定した。結果を表1に示す。表1から明ら
かなように、試料中のNGFは0.1〜200ng/mlの範囲で定量
できることが確認された。
実施例3 抗ヒトNGFβサブユニットモノクローナル抗体による阻
害試験 (a)PC12細胞の培養 (前培養) PC12細胞をプライマリアディッシュ(ベクトン、ディ
ッキンソン社製)に、104cells/cm2の濃度でまき、37
℃、95%air,5%CO2の雰囲気下で1日培養した。培地
は、5%準胎児生血清、5%馬血清を含むDulbecco Mo
dified Minimum Essential Mediumを使用した。(5
%PFCS、5%HS、DMEMと略す) (実験区1) 実験区1として、mouse 2.5S NGF(Sigma社製)を4
0ng/mlの濃度で5%PFCS、5%HS、DMEMに溶解し、前培
養培地と交換し3日間培養した。
害試験 (a)PC12細胞の培養 (前培養) PC12細胞をプライマリアディッシュ(ベクトン、ディ
ッキンソン社製)に、104cells/cm2の濃度でまき、37
℃、95%air,5%CO2の雰囲気下で1日培養した。培地
は、5%準胎児生血清、5%馬血清を含むDulbecco Mo
dified Minimum Essential Mediumを使用した。(5
%PFCS、5%HS、DMEMと略す) (実験区1) 実験区1として、mouse 2.5S NGF(Sigma社製)を4
0ng/mlの濃度で5%PFCS、5%HS、DMEMに溶解し、前培
養培地と交換し3日間培養した。
(実験区2) 実験区2として、mouse 2.5S NGF(Sigma社製)と
ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識するモ
ノクローナル抗体clone F3F9(実施例1で調製したも
の)とをそれぞれ40ng/mlの濃度で5%PFCS、5%HS、D
MEMに溶解し、前培養培地と交換し3日間培養した。
ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的に認識するモ
ノクローナル抗体clone F3F9(実施例1で調製したも
の)とをそれぞれ40ng/mlの濃度で5%PFCS、5%HS、D
MEMに溶解し、前培養培地と交換し3日間培養した。
(実験区3) 実験区3として、大腸菌由来recombinant human NG
Fβsubunitを20μg/mlの濃度で5%PFCS、5%HS、DMEM
に溶解し、前培養培地と交換し3日間培養した。
Fβsubunitを20μg/mlの濃度で5%PFCS、5%HS、DMEM
に溶解し、前培養培地と交換し3日間培養した。
(実験区4) 実験区4として、大腸菌由来recombinant human NG
Fβsubunitと抗ヒトNGFβサブユニットモノクローナル
抗体clone F3F9をそれぞれ20μg/mlの濃度で5%PFC
S、5%HS、DMEMに溶解し、前培養培地と交換し3日間
培養した。
Fβsubunitと抗ヒトNGFβサブユニットモノクローナル
抗体clone F3F9をそれぞれ20μg/mlの濃度で5%PFC
S、5%HS、DMEMに溶解し、前培養培地と交換し3日間
培養した。
(対照区) 対照区としてNGF及びモノクローナル抗体無添加の5
%PFCS、5%HS、DMEMを前培養培地と交換し3日間培養
した。
%PFCS、5%HS、DMEMを前培養培地と交換し3日間培養
した。
(結果) 実験区1〜4及び対照区における神経線維の伸長を観
察し、その結果をそれぞれ第1〜5図に示した。
察し、その結果をそれぞれ第1〜5図に示した。
図からも明らかなように実験区1と実験区3では、神
経線維の伸長が観察された。しかし、実験区2と実験区
4では、神経線維の伸長は観察されず、対照区と同様の
形態を示し、ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的
に認識するモノクローナル抗体clone F3F9が、mouse
2.5S NGFとrecombinant human NGFβ subunitのPC1
2細胞に対する神経線維伸長作用を阻害することが確認
された。
経線維の伸長が観察された。しかし、実験区2と実験区
4では、神経線維の伸長は観察されず、対照区と同様の
形態を示し、ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的
に認識するモノクローナル抗体clone F3F9が、mouse
2.5S NGFとrecombinant human NGFβ subunitのPC1
2細胞に対する神経線維伸長作用を阻害することが確認
された。
第1〜5図は、それぞれ実施例3の実験区1〜4及び対
照区における神経線維の伸長の程度を示す図である。
照区における神経線維の伸長の程度を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/08 C12R 1:91) (56)参考文献 Chem.Pharm.Bull., Vol.34,No.11(1986)p.4724 −4730 Proc Natl.Acad.Sc i.U.S.A.,Vol.78,No. 7(1981)p.4611−4615 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/08 BIOSIS WPI
Claims (5)
- 【請求項1】ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的
に認識し、かつヒト神経成長因子βサブユニット及び/
又はヒト神経成長因子の作用を阻害しうることを特徴と
するモノクローナル抗体。 - 【請求項2】ヒト神経成長因子βサブユニットを特異的
に認識するモノクローナル抗体で、 ・固相に固定化されたモノクローナル抗体(I) ・標識されたまたは標識されていないモノクローナル抗
体(II)、及び ・標識されていないモノクローナル抗体(II)を使用し
た場合には、モノクローナル抗体(I)若しくは(II)
の結果生じる免疫反応生成物またはモノクローナル抗体
(II)を特異的に認識する標識された抗体を試料と反応
させ、このときモノクローナル抗体(I)又は(II)の
少なくとも一方に請求項1に記載のモノクローナル抗体
を用い、次いで固相又は液相の標識を直接的又は間接的
に検出することを特徴とする、試料中のヒト神経成長因
子βサブユニットおよび/又はヒト神経成長因子の測定
方法。 - 【請求項3】・固相に固定化された、請求項1に記載の
モノクローナル抗体(I) ・標識されたヒト神経成長因子及び/又はヒト神経成長
因子βサブユニット ・試料 とを反応させ、固相又は液相の標識を直接的または間接
的に検出することを特徴とする、試料中のヒト神経成長
因子βサブユニットおよび/又はヒト神経成長因子の測
定方法。 - 【請求項4】モノクローナル抗体が、ヒト神経成長因子
βサブユニットに対して10-7−10-11Mの親和定数を有す
るものである請求項(2)または(3)に記載の方法。 - 【請求項5】請求項(1)に記載の抗体から成るヒト神
経成長因子βサブユニット及び/又はヒト神経成長因子
に対する阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1098823A JP2969647B2 (ja) | 1988-09-14 | 1989-04-20 | モノクローナル抗体、それからなる阻害剤及びそれを用いた測定方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22852988 | 1988-09-14 | ||
JP63-228529 | 1988-09-14 | ||
JP1098823A JP2969647B2 (ja) | 1988-09-14 | 1989-04-20 | モノクローナル抗体、それからなる阻害剤及びそれを用いた測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02219593A JPH02219593A (ja) | 1990-09-03 |
JP2969647B2 true JP2969647B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=26439933
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1098823A Expired - Fee Related JP2969647B2 (ja) | 1988-09-14 | 1989-04-20 | モノクローナル抗体、それからなる阻害剤及びそれを用いた測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2969647B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GEP20196963B (en) | 2003-07-15 | 2019-04-10 | Inc Amgen | Human anti-ngf neutralizing antibodies as selective ngf pathway inhibitors |
ME00226B (me) | 2004-07-15 | 2011-02-10 | Medarex Llc | Humana anti-ngf neutrališuća antitijela kao selektivni inhibitori ngf signalne kaskade |
-
1989
- 1989-04-20 JP JP1098823A patent/JP2969647B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Chem.Pharm.Bull.,Vol.34,No.11(1986)p.4724−4730 |
Proc Natl.Acad.Sci.U.S.A.,Vol.78,No.7(1981)p.4611−4615 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02219593A (ja) | 1990-09-03 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |