JP2968081B2 - う蝕予防剤 - Google Patents
う蝕予防剤Info
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Description
のである。
は、一般に虫歯と呼ばれているものであり、その原因に
ついては次のように考えられている。即ち、食物に含ま
れているショ糖が歯面に付着した或種の口腔内細菌の分
泌する酵素であるグルコシルトランスフェラーゼ(以
下、GTaseと略称する)の作用を受けて粘着性多糖
類を生じ、細菌の巣たる歯垢を形成すると共に、歯垢中
で細菌が糖類を分解して酸を生成し、この酸が歯のエナ
メル表面を脱灰させてう蝕を進行させるのである。
内細菌が知られているが、その中心をなすものはストレ
プトコッカス ミュータンス(Streptococcus mutans、
以下ミュータンス菌という)である。
その血清型からa〜hタイプの8種に分類され、ヒトの
口腔内に存在するものはこの内のcタイプが主流である
こと、及びこのcタイプミュータンス菌のGTaseは
菌体表面に固着し、容易に菌体から脱離しないことが明
らかになっている。
糖を摂取しない口腔内細菌、特にミュータンス菌を殺
菌するGTase酵素活性を阻害する細菌の歯面へ
の付着を阻止する等の方法があり、従来から種々の提案
がなされ、例えば、特開昭59−29619号公報等に
開示されているが、顕著な効果をあげるまでには至って
いないのが実情である。
とは不可能であり、また殺菌剤や抗生物質による口腔内
細菌の殺菌は正常な口腔内菌叢を変化させ、その結果薬
剤耐性菌の出現や悪性の細菌の増加というような副作用
を伴うのである。
り、う蝕予防を行う試みとして、微生物由来の化合物等
が提唱されている。その内の一つとして、チューイング
ガム等に混入させる方法も試みられている(特開昭60
−248137号公報)が、その効果は期待されたもの
とはほど遠いのが現状である。
て、ニクズク等の抽出物(特開昭59−13472号公
報)やキハダ等の抽出物(特開昭58−39615号公
報)等が提案されているが、いずれも特定の微生物に対
する生育阻害作用を提案したものであり、口腔内に存在
するミュータンス菌体表面に固着しているGTaseの
阻害に有効に作用するものではない。
口腔内に多く生息するcタイプミュータンス菌の歯面へ
の付着を抑制する効果のある、あるいは菌体に固着して
いるcタイプミュータンス菌のGTase(以下、CA
−GTaseと略称する)阻害効果を有する物質を見出
さんと鋭意研究を重ね、その結果、エビスグサの親水性
有機溶媒抽出物が上記目的を達成することのできるもの
であることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
歯面への付着を阻害すること、及びCA−GTaseを
阻害することにより、う蝕の原因である歯垢の形成を抑
制する優れたう蝕予防剤を提供するにある。
発明は、エビスグサの親水性有機溶媒抽出物よりなるう
蝕予防剤である。
(Paeonia albiflora Pall. formahortensis Makino)
で、アジア大陸東北部原産の植物である。古い時代に中
国から渡来し、鑑賞または薬用のために栽培されている
多年草である。本発明には、この根の乾燥物を用いる。
メタノール,エタノール等のアルコール類、エチレング
リコール,プロピレングリコール等のグリコール類、ア
セトン等のケトン類等が好ましく、また必要に応じ適量
の水を加えて含水有機溶媒として用いることができる。
用いられる方法でよく、例えば有機溶媒中または含水有
機溶媒中に原料植物を長時間常温にて浸漬する方法や、
有機溶媒の沸点以下の温度で加温し攪拌しながら抽出を
行い、濾過して抽出液を得る方法等が挙げられる。
用いたり、一部濃縮あるいは希釈して用いることができ
る。
てもよいし、二種を混合して用いてもよく、また必要に
応じ他の薬剤を添加してもよい。
洗口液等の口腔清浄剤や、チューイングガム,キャンデ
ィー,飴等に適用することができる。
効濃度等の因子を考慮して決定すればよいが、抽出液
(乾燥残分0.5% Wt./vol)を0.1%(重
量%、以下同じ)〜20%、特に0.5%〜10%とす
ることが好ましい。
る。以下の試験例に記載のミュータンス菌付着阻害及び
CA−GTase阻害に関する試験方法は下記の通りで
ある。
の代わりに試験管を用いて行った。
をブレンハートインフュージョン液体培地(以下、BH
I培地と略称する)で37℃、18時間培養した。得ら
れた菌液(107 〜108 cell/ml)の0.1mlと5
%ショ糖を含む2倍濃度BHI培地1.4ml及びメン
ブレンフィルターで濾過滅菌した植物抽出液あるいはそ
の滅菌純水希釈液(以下、試料という)を1.5ml滅
菌済みの蓋付試験管内に投入混合し、30度の角度に傾
け37℃、18時間培養した。
転させ、培養液及び浮游物を廃棄した。次に3mlの純
水を試験管に静かに加え、同様に操作して、付着物を洗
浄した。更にもう一度洗浄し、試験管壁に付着している
不溶物を付着菌体とした。更に3mlの純水を試験管に
加え超音波処理を施して付着物を懸濁させ、濁度を吸光
度550nmで測定した。試料の代わりに滅菌純水を用
いた実験をコントロールとして試料の歯面付着阻害活性
を評価し、阻害効果を認めたものをう蝕予防剤とした。
た。
ンス菌 Imgbritt 株をBHI培地10lで37℃、18
時間培養後、遠心分離により菌体20gを得た。この菌
体を0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6)で洗
浄した後、8M尿素100mlで室温下、2時間攪拌
し、菌体よりCA−GTaseを抽出した。更に遠心分
離して上清を得た後、硫安を60%濃度になるように投
入しCA−GTaseを沈澱し濃縮させた。この沈澱物
を遠心分離して回収後、10mlの0.01Mリン酸ナ
トリウム緩衝液(pH6)に溶解し、セロファンチュー
ブで同緩衝液を用いて冷蔵庫内で透析した。得られた1
8mlの透析内液を粗CA−GTase酵素液とし、C
A−GTase阻害試験に用いた。
糖を含む0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6)
1.5ml、及び試料液1.5mlの計3.05mlを
試験管に投入混合し、これを30度の角度に傾け37
℃、18時間培養した。培養後生じた水不溶物(不溶性
グルカン)を超音波処理により懸濁し、吸光度550n
mで濁度を測定した。
試験管で生じた不溶性グルカンの濁度をコントロールと
して試料のCA−GTase阻害活性を評価し、阻害効
果の認められたものをう蝕予防剤とした。
に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定され
るものではない。
たもの100gにエタノールを500g加え、50℃に
て8時間攪拌抽出を行った。得られたものを室温まで冷
却後濾過して抽出物320gを得た。これを更に4℃に
冷却後再濾過して280g(乾燥残分0.8%)の緑色
でやや粘稠な液体状の試料を得た。
たもの100gにプロピレングリコールを500g加
え、60℃にて8時間攪拌抽出を行った。得られたもの
を室温まで冷却後濾過して抽出物400gを得た。これ
を更に4℃に冷却後再濾過して300g(乾燥残分0.
5%)の褐色でやや粘稠な液体状の試料を得た。
蝕予防剤としての評価結果を表1及び表2に示す。
ビスグサの根の親水性有機溶媒抽出物が有効なう蝕予防
剤であることが認められた。
出物を配合した実施例を示す。
なる組成物を各々30名の被試験者が利用した結果、歯
垢の形成が抑制され、う蝕の発生は全く認められなかっ
た。また、利用中苦み等の不快感も生じなかった。
菌の歯面への付着阻害及びCA−GTase阻害活性を
有し、う蝕の原因である歯垢の形成を抑制する優れたう
蝕予防剤を提供することは明らかである。
Claims (1)
- 【請求項1】 エビスグサの親水性有機溶媒抽出物より
なるう蝕予防剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3100313A JP2968081B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | う蝕予防剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3100313A JP2968081B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | う蝕予防剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04308532A JPH04308532A (ja) | 1992-10-30 |
JP2968081B2 true JP2968081B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=14270692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3100313A Expired - Fee Related JP2968081B2 (ja) | 1991-04-04 | 1991-04-04 | う蝕予防剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2968081B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4495901B2 (ja) * | 2002-10-02 | 2010-07-07 | 日本澱粉工業株式会社 | 口腔用剤用活性阻害剤 |
-
1991
- 1991-04-04 JP JP3100313A patent/JP2968081B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04308532A (ja) | 1992-10-30 |
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