JP4633399B2 - グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤 - Google Patents

グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤 Download PDF

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本発明は、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤、歯垢形成抑制剤、及び坑う蝕剤に関するものである。
歯垢(プラーク)の形成には、口腔内の微生物、特にストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)が産生するグルコシルトランスフェラーゼが大きく関与している。即ち、ストレプトコッカス・ミュータンスが歯の表面に付着すると、本菌は口腔内に残った飲食物中のショ糖などを栄養源として増殖を開始する。ストレプトコッカス・ミュータンスが産生するグルコシルトランスフェラーゼは、糖から多糖(グルカン)を合成する。かかる多糖は、水不溶性で強い付着性を有し、歯の表面で歯垢を形成する。歯垢の内部には様々な口腔内細菌が生息し、これら細菌の糖代謝に伴い産生された酸により歯のエナメル質が脱灰されてう蝕(虫歯)が誘発される。したがって、ストレプトコッカス・ミュータンスが産生するグルコシルトランスフェラーゼの活性を阻害することは、歯垢の形成防止、ひいてはう蝕の予防に極めて重要なことである。
これまでにも、グルコシルトランスフェラーゼ阻害剤については、数多くの報告がなされている。例えば、リョウキョウ、ニンドウ、カシュウ、クロモジ、ナンテンジツ、サンザシ、ボタンピ、コウジュ、オンジ、キョウニン、トウニン、シソ、及びソヨウ等の生薬抽出物(特許文献1参照)、タイソウ、ウイキョウ、シャクヤク、ゲンチアナ、センソ、ビャクジュツ、リュウタン、オウレン、センブリ、及びオウゴン等の生薬抽出物(特許文献2参照)、縮合型タンニン(特許文献3参照)、エラグ酸(特許文献4参照)、並びに茶ポリフェノール(特許文献5参照)等に係るグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤が開示されている。しかし、いまだに十分な効果を示すグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤は開発されていない。
ハスの雄しべは、中国で止血、強壮薬等に用いられる。ハスの雄しべの抽出物については、活性酸素消去作用(特許文献6参照)、α−レダクターゼ阻害作用(特許文献7参照)等が開示されている。ジュンサイは、我国で芽を椀たねや酢の物等で食する。ジュンサイ抽出物については抗酸化作用及び抗菌作用(特許文献8参照)、抗炎症作用(特許文献9参照)等が開示されている。ラフマは、中国で葉をお茶として飲用する他、感冒の予防等に用いられる。ラフマの抽出物については、リパーゼ阻害作用(特許文献10、特許文献11参照)、α−グルコシダーゼ阻害作用(特許文献12参照)、α−アミラーゼ阻害作用(特許文献13参照)等が開示されている。しかし、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物の何れについても、グルコシルトランスフェラーゼ阻害作用、歯垢形成抑制作用、並びに抗う蝕作用に関する報告は全くなされていない。
特開昭57−58610号公報 特開昭58−121218号公報 特開昭59−152311号公報 特開昭64−10985号公報 特開平3−86814号公報 特開平11−71234号公報 特開2003−26594号公報 特開平1−138288号公報 特開平2−286622号公報 特開2001−226274号公報 特開2003−26585号公報 特開2001−163795号公報 特開2001−240552号公報
本発明の課題は、ストレプトコッカス・ミュータンスが産生するグルコシルトランスフェラーゼの活性を阻害することで、歯垢形成を抑制し、う蝕を予防することにある。
本発明者らは係る課題を解決すべく鋭意研究したところ、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物がストレプトコッカス・ミュータンスの産生するグルコシルトランスフェラーゼの活性を強く阻害することを見出し、当該抽出物を含有せしめることで歯垢形成を抑制及びう蝕を予防し得ることを確認して本発明を完成するに至った。
本発明は、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤、歯垢形成抑制剤、及び坑う蝕剤である。
本発明に係るハスとは、スイレン科ハス属のハス(Nelumbu nucifera Gaertn.)で、アジア、オーストラリア、北米に広く分布する多年生挺水植物である。本発明においては、ハスの雄しべのみを用いる。
本発明に係るジュンサイとは、キンポウゲ目スイレン科ジュンサイ属のジュンサイ(Brasenia schreberi J.F.Gmel.)で、温帯から熱帯にかけて広く分布する多年生の水草である。ジュンサイは葉、茎、根等の何れの部位も使用できるが、特に粘質物で覆われた芽或いは若葉を用いるのが好ましい。
本発明に係るラフマとは、キョウチクトウ科バシクルモン属のラフマ(Apocynum venetum L.)で、主に中国の北西部に自生する多年生の草本である。ラフマは葉、茎、根等の何れの部位も使用できるが、特に葉又は茎を用いるのが好ましい。
ハスの雄しべ、ジュンサイ、及びラフマは、必要に応じてそのままの状態、破砕物、或いは乾燥物等を適宜選択して抽出操作に付することができる。本発明に係る抽出溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級1価アルコール類、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等のエーテル類、及び水等が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。当該溶媒の中でも水、エチルアルコール、或いは水とエチルアルコールの混合溶媒を用いるのがより好ましい。
抽出は、冷浸或いは温浸等の浸漬する方法、加熱攪拌等による方法、或いはパーコレーション法等の通常の抽出方法を用いることができる。得られた抽出液は、必要に応じてろ過又は遠心分離等により固形物を除去する。又、抽出液から溶媒を留去して濃縮液或いは乾燥物とすることもできる。乾燥には、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の通常の乾燥手段を用いることができる。
本発明に係るハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物は、グルコシルトランスフェラーゼの活性阻害作用が極めて強く、歯垢の形成抑制及びう蝕の予防に著しい効果を発揮する。
本発明に係るグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤、歯垢形成抑制剤、及び抗う蝕剤は、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物を乾燥物若しくは液としてそのまま、或いは抽出物を水、エチルアルコール等の溶媒で適宜希釈した形態で用いることができる。又、これらの抽出物を含有せしめた歯磨、洗口液、トローチ、チューインガム、或いは飴等の食品、化粧品、医薬部外品、及び医薬品の分野で通常用いられている形態で実施することができる。更に、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物は、1種のみで或いは2種以上を併せて用いることもできる。
本発明におけるハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物の含有量は、適用形態、適用方法等が異なるため一概に規定できないが、これら抽出物の乾燥物に換算して0.0001〜25重量%が好ましく、特に0.001〜10重量%がより好ましい。
又、発明の効果を損なわない範囲において食品、化粧品、医薬部外品、医薬品において一般的に用いられている成分を配合することができる。例えば、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、シリカ、ハイドロキシアパタイト等の研磨剤、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム等の殺菌剤、ステビア、サッカリン、スクラロース、アスパルテーム等の高甘味度甘味料、ショ糖、乳糖、ブドウ糖等の糖類、デンプン、デキストリン、セルロース等の多糖類、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコール、ゼラチン、プルラン、シェラック、ツェイン等の糊剤、カラギーナン、キサンタンガム、セルロースガム等の増粘剤、チクル、グッタペルカ、グアヤク脂等のガムベース、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンE等のビタミン、安息香酸塩、パラオキシ安息香酸エステル等の保存料、ウィキョウエキス、カミツレエキス、セージエキス等の生薬エキス、並びに色素、香料等を適宜配合することができる。
次に本発明を詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、実施例に示す%は重量%を示す。
ハスの雄しべの乾燥物100gに水4Lを加え、95℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、更に真空凍結乾燥することでハスの雄しべ抽出物11gを得た。
ハスの雄しべの乾燥物50gに水2Lを加え、90℃で2時間抽出した。ろ液にパラオキシ安息香酸メチル4gを加え、更に水で全量が2000gとなる様に調製してハスの雄しべの抽出液を得た。当該抽出液は、乾燥物としてのハスの雄しべ抽出物を5g含む。
ハスの雄しべの乾燥物100gにエチルアルコール2Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固してハスの雄しべ抽出物6.5gを得た。
ハスの雄しべの乾燥物100gに50%エチルアルコール水溶液3Lを加え、80℃で5時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮した後、噴霧乾燥してハスの雄しべ抽出物8gを得た。
ジュンサイの芽2000gに水20Lを加え、95℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、更に真空凍結乾燥することでジュンサイ抽出物20gを得た。
ジュンサイの芽1000gに水10Lを加え、90℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、パラオキシ安息香酸メチル2gを加え、更に水で全量が1000gとなる様に調製してジュンサイ抽出液を得た。当該抽出液は、乾燥物としてのジュンサイ抽出物を8g含む。
ジュンサイの芽の乾燥物200gにエチルアルコール1Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固してジュンサイ抽出物24gを得た。
ジュンサイの芽の乾燥物1000gに50%エチルアルコール水溶液8Lを加え、80℃で5時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮した後、噴霧乾燥してジュンサイ抽出物250gを得た。
ラフマの葉の乾燥物150gに水10Lを加え、95℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、更に真空凍結乾燥することでラフマ抽出物28gを得た。
ラフマの葉及び茎の乾燥物100gに水10Lを加え、90℃で2時間抽出した。ろ液にパラオキシ安息香酸メチル3g、1,3−ブチレングリコール300gを加え、更に水で全量が2000gとなる様に調製してラフマの抽出液を得た。当該抽出液は、乾燥物としてのラフマ抽出物を18g含む。
ラフマの葉の乾燥物200gにエチルアルコール1Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固してラフマ抽出物8gを得た。
ラフマの葉の乾燥物100gに50%エチルアルコール水溶液3Lを加え、80℃で5時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮した後、噴霧乾燥してラフマ抽出物5.5gを得た。
練歯磨
<処方> 配合量(%)
1.リン酸水素カルシウム 42.0
2.ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
3.グリセリン 18.0
4.カラギーナン 0.9
5.サッカリンナトリウム 1.0
6.グルコン酸クロルヘキシジン 0.1
7.香料 0.1
8.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
9.実施例2のハスの雄しべ抽出液 2.0
10.水 残部
合計 100.0
<製法>
成分3〜10をよく混合した後、成分1及び2を加えて練和し、脱泡後チューブに充填して練歯磨を得た。
練歯磨
<処方> 配合量(%)
1.炭酸カルシウム 42.0
2.ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
3.グリセリン 18.0
4.カラギーナン 0.9
5.サッカリンナトリウム 1.0
6.塩化セチルピリジニウム 0.05
7.香料 0.1
8.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
9.実施例6のジュンサイ抽出液 2.0
10.水 残部
合計 100.0
<製法>
成分3〜10をよく混合した後、成分1及び2を加えて練和し、脱泡後チューブに充填して練歯磨を得た。
練歯磨
<処方> 配合量(%)
1.ハイドロキシアパタイト 42.0
2.ラウリル硫酸ナトリウム 1.0
3.グリセリン 18.0
4.カルボキシメチルセルロース 1.5
5.サッカリンナトリウム 0.5
6.イソプロピルメチルフェノール 0.1
7.香料 0.1
8.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
9.実施例10のラフマ抽出液 4.0
10.水 残部
合計 100.0
<製法>
成分3〜10をよく混合した後、成分1及び2を加えて練和し、脱泡後チューブに充填して練歯磨を得た。
洗口液
<処方> 配合量(%)
1.エタノール 20.0
2.グリセリン 10.0
3.塩化セチルピリジニウム 0.05
4.サッカリンナトリウム 0.1
5.香料 0.1
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.実施例4のハスの雄しべ抽出物 1.0
9.水 残部
合計 100.0
<製法>
成分9に成分2〜8を溶解した後、成分1加えて洗口液を得た。
洗口液
<処方> 配合量(%)
1.エタノール 10.0
2.グリセリン 15.0
3.イソプロピルメチルフェノール 0.1
4.サッカリンナトリウム 0.1
5.香料 0.1
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.実施例8のジュンサイ抽出物 2.0
9.水 残部
合計 100.0
<製法>
成分9に成分2〜8を溶解した後、成分1加えて洗口液を得た。
洗口液
<処方> 配合量(%)
1.エタノール 10.0
2.ソルビトール 10.0
3.トリクロサン 0.02
4.サッカリンナトリウム 0.1
5.香料 0.1
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
7.グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
8.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
9.実施例12のラフマ抽出物 1.0
10.水 残部
合計 100.0
<製法>
成分10に成分2〜9を溶解した後、成分1加えて洗口液を得た。
トローチ
<処方> 配合量(%)
1.実施例3のハスの雄しべ抽出物 5.0
2.マルチトール 47.0
3.キシリトール 44.0
4.香料 1.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
合計 100.0
<製法>
成分1〜4を混合し、流動層造粒装置で造粒する。得られた顆粒に成分5を加えて打錠し、1錠1000mgのトローチを得た。
キャンディー
<処方> 配合量(%)
1.実施例5のジュンサイ抽出物 4.0
2.還元麦芽糖水飴 95.0
3.香料 1.0
合計 100.0
<製法>
成分1、2を水に溶解させて145℃で煮詰めた後、90〜100℃に冷却して成分3を混合し、冷却固化させてキャンディーを得た。
チューインガム
<処方> 配合量(%)
1.ガムベース 30.0
2.マルチトール 48.0
3.キシリトール 20.0
4.実施例11のラフマ抽出物 1.0
5.香料 1.0
合計 100.0
<製法>
加温した成分1に、成分2及び3を加えて練和する。更に成分4及び5を加えてよく練和した後、圧延してシート状にし、切断してチューインガムを得た。
本発明のグルコシルトランスフェラーゼ活性阻害効果を実証する為、実施例1、実施例3、実施例4、実施例5、実施例7、実施例8、実施例9、実施例11、及び実施例12の抽出物についてストレプトコッカス・ミュータンスが産生するグルコシルトランスフェラーゼに対する活性阻害作用を測定した。
グルコシルトランスフェラーゼ粗酵素液の調製
ストレプトコッカス・ミュータンスJCM5705株を、ブレインハート・インフュージョン培地500mLに接種し、37℃で24時間培養した。培養液を14,000rpmで20分間遠心分離し、上澄液に硫酸アンモニウムを飽和(50%)させて沈殿を生じさせた。再度14,000rpmで20分間遠心分離し、得られた沈殿物をpH6.5の50mMリン酸緩衝液15mLに溶解し、同緩衝液を用いて十分に透析を行った。透析内液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ストレプトコッカス・ミュータンスが産生するグルコシルトランスフェラーゼ粗酵素液とした。
グルコシルトランスフェラーゼの活性阻害試験
実施例1、実施例3、実施例4、実施例5、実施例7、実施例8、実施例9、実施例11、及び実施例12の抽出物についてグルコシルトランスフェラーゼの活性阻害を測定した。pH6.5の50mMリン酸緩衝液で調整した2%ショ糖溶液1.0mL、1%アジ化ナトリウム溶液0.1mL及び試料溶液0.8mL、並びに前述のグルコシルトランスフェラーゼ粗酵素液0.1mLを試験管に入れて混合し、試料とした。尚、それぞれの抽出物の濃度は、抽出物の乾燥物として1μg/mL〜250μg/mLの間で各種調製した。試料の入った試験管を30°に傾けて37℃で15時間静置した後、反応液を穏やかに除き、生成した水不溶性のグルカンを精製水で3回洗浄した。当該グルカンに精製水1mLを加えて超音波処理で均一に分散し、波長550nmにおける吸光度を測定した。又、抽出物の溶液の代わりに、pH6.5の50mMリン酸緩衝液を用いて同様に処理し、コントロールとした。得られた吸光度と下記の式から、グルコシルトランスフェラーゼの活性の阻害率を算出し、阻害率が50%となる抽出物の濃度を求めてIC50とした。比較例として、公知のグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤である茶ポリフェノールのIC50を、市販製剤のテアフラン(登録商標)90Sを用い、同様の方法で求めた。以上の試験により得られたIC50を、表1に示す。
阻害率(%)=(1−試料溶液の吸光度/コントロール溶液の吸光度)×100
Figure 0004633399
表1よりハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物は、公知のグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤である茶ポリフェノールより、はるかに強い活性阻害作用を有することがわかる。
本発明の歯垢形成抑制効果を実証する為、実施例1、実施例4、実施例5、実施例8、実施例9、及び実施例12の抽出物について、ウサギの前歯を用いた試験を実施した。
歯垢形成抑制試験
ウサギの前歯を1M水酸化ナトリウム溶液中で超音波処理し、肉片等を完全に除去してデシケーター中で1晩放置後、重量を測定して以下の試験に使用した。ブレインハート・インフュージョン培地に各抽出物が0.1%及びショ糖が5%となるように溶解して試験培地とし、バイアル瓶に入れ、準備したウサギの前歯をナイロン糸で瓶内に吊るして密封し、121℃で15分加熱した。これにストレプトコッカス・ミュータンスJCM5705株を接種し、試験培地を24時間毎に交換しながら37℃で96時間培養した。ウサギの前歯をバイアル瓶から取り出し、精製水中で超音波処理して付着物を回収し、精製水除去後の残渣をデシケーター中で一晩放置後、重量を測定して付着歯垢重量とした。コントロールは、各抽出物を精製水に置換したものを用いた。歯垢抑制率は、コントロールと各抽出物の試験における付着歯垢重量、コントロールと各抽出物の試験に用いたウサギの前歯の重量、及び下記の式より算出した。結果を表2に示す。
歯垢形成抑制率(%)=〔A−(B×C/D)〕/A×100
A:コントロールの試験における付着歯垢重量
B:各抽出物の試験における付着歯垢重量
C:コントロールの試験に用いたウサギの前歯の重量
D:各抽出物の試験に用いたウサギの前歯の重量
Figure 0004633399
抗う蝕試験
前述の歯垢形成抑制試験のウサギの前歯について、試験後の損傷面積及び試験前後の歯表面の光沢の変化を実体顕微鏡で観察した。結果を表3及び表4に示す。
Figure 0004633399
Figure 0004633399
表2、表3及び表4より、ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物は、強い歯垢形成抑制作用及び抗う蝕作用を有することがわかる。
ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物は、上記のように非常に強いグルコシルトランスフェラーゼの活性阻害作用、歯垢形成抑制作用、及び抗う蝕作用を有する。よって、う蝕の予防及び治療を目的とする医薬品、医薬部外品、及び食品等に広く利用することができる。

Claims (3)

  1. ハスの雄しべ抽出物、ジュンサイ抽出物、及びラフマ抽出物よりなる群から選択される少なくとも1種の抽出物を有効成分として含有することを特徴とするグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤。
  2. ハスの雄しべ抽出物及び/又はジュンサイ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする歯垢形成抑制剤。
  3. ハスの雄しべ抽出物及び/又はジュンサイ抽出物を有効成分として含有することを特徴とする抗う蝕剤。


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