JP6449013B2 - 歯周組織再生促進剤 - Google Patents

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本発明は、歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進剤、FGF2産生促進剤及びFGF7産生促進剤を含有することを特徴とする歯周組織再生促進剤に関する。さらに詳しくは、細胞増殖促進剤がジュンサイの抽出物であり、FGF2産生促進剤がセイヨウミザクラの種子の抽出物であり、FGF7産生促進剤がラフマの抽出物であることを特徴とする歯周組織再生促進剤、口腔用組成物に関する。
歯周病は、歯周病細菌の感染によって発症・進行する細菌感染性疾患であり、歯肉の腫脹、発赤、出血などの炎症状態を呈する。歯周病細菌による炎症状態が継続すると、歯肉結合組織の破壊、歯肉上皮細胞と歯表面との接着破綻が起こり、歯周ポケットが形成され、その部位に歯垢が蓄積しやすくなり、歯周病細菌がさらに繁殖するという悪循環に陥る。そして、歯周組織における炎症がさらに続くと、最終的には歯槽骨の吸収まで引き起こし、歯の喪失につながっていく。
歯周病は単なる口腔内疾患に留まらず、最近では、様々な全身疾患、例えば心血管系疾患、糖尿病、アルツハイマー型認知症などとの相関関係が数多く報告されるにつれ、歯周組織の健康維持が全身の健康維持にもつながると認識されるようになり、口腔ケアの重要性が高まってきている(非特許文献1〜2)。
歯周病の初期は、炎症が歯肉部位に限定され、適切なブラッシング等の処置により、歯垢を取り除くことで治癒する。しかし、炎症が深部にまで及んだ場合は、歯肉結合組織や歯槽骨を含む、歯周組織の広範な破壊が起こる。
歯周病を治療する最もオーソドックスな方法は、スケーリングやプラークコントロールによる歯石やバイオフィルムの除去に始まり、抗生物質を用いた化学療法、抗炎症剤を用いた対症療法が行われてきた。ところが、これらの方法は、歯周病の進行を抑制し、症状を和らげるのには効果的であるものの、破壊された歯周組織を修復することはできないことから、歯周組織を再生する根本的な治療方法が求められていた。
歯周組織は、軟組織である上皮、結合組織、歯根膜の他、硬組織である歯槽骨、セメント質で構成されており、それぞれの部位には固有の細胞が存在する。上皮には歯肉上皮細胞が、結合組織には歯肉線維芽細胞が、歯根膜には歯周組織幹細胞が存在し、それぞれの機能を果たしている。歯槽骨、セメント質にもそれぞれ歯槽骨芽細胞、セメント質芽細胞が存在するが、これらは歯根膜に存在する歯周組織幹細胞から分化したものである。従って、歯周組織の再生を積極的に行うためには、歯周組織の主要な構成細胞である歯肉上皮細胞、歯肉線維芽細胞及び歯周組織幹細胞の増殖や新陳代謝を促してやることが極めて重要である。
歯周組織を構成する細胞の中でも、歯肉の中心部に位置する歯肉線維芽細胞は、歯肉上皮細胞及び歯周組織幹細胞の両方と相互作用することができることから、歯周組織の再生には特に重要である。また、歯周組織の再生には、歯肉線維芽細胞が産生する成長因子を介した、歯肉上皮細胞や歯周組織幹細胞の増殖や新陳代謝が不可欠である。つまり、歯肉線維芽細胞の新陳代謝を促進し、かつ細胞増殖作用のある成長因子の産生を促進することが、歯周組織の再生及び歯周病の改善には極めて重要である。
FGF2(Fibroblast Growth Factor 2)は、成長因子のひとつであるが、線維芽細胞の有糸体細胞分裂を促進し、細胞増殖を促進するのみでなく、創傷治癒、血管形成、胎児の発育に関係する因子である。近年では、優れた歯周組織再生促進効果を有し、歯周疾患の治療に有用であることが見出されており、その作用機序として、歯根膜由来細胞など、高い分化能をもつ幹細胞に対する増殖促進が示唆されている(特許文献1〜2)。
FGF7(Fibroblast Growth Factor 7)は、KGF(角質細胞増殖因子)とも呼ばれる成長因子ファミリーの1つである。FGF7の受容体は、舌、口腔粘膜、食道、胃、腸、唾液腺、肺、肝臓、膵臓、腎臓、膀胱、乳腺、皮膚(毛嚢と脂腺)、眼球水晶体といった多くの組織の上皮細胞に存在しており、FGF7は受容体型チロシンキナーゼと結合して細胞内にシグナルを伝え、細胞の増殖や新陳代謝を促進する。
歯周組織においてこれらの成長因子の産生を促進することにより、歯周組織の再生が可能になる。すなわち、歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進効果、FGF2産生促進効果及びFGF7産生促進効果を有する成分は、歯周組織の再生促進に大変有益であり、また安全性の観点から、このような物質を天然物より入手することができればさらに望ましい。
歯周組織を再生する方法として、従来、歯周組織を構成する細胞に着目した方法が提案されている。例えば、ヘパリンとペプチド性細胞増殖因子を含む歯周組織再生促進薬(特許文献3)、塩基性アミノ酸残基が2つ以上連続した特定のペプチドを配合した歯周組織再生促進剤(特許文献4)、神経栄養因子を有効成分とする歯周病と歯髄疾患の治療剤(特許文献5)、オリーブ葉抽出物を含有する歯周組織健康維持剤(特許文献6)、コエンザイムQ10を配合した歯周細胞増殖剤及び食品(特許文献7)などが開示されている。しかしながら、安全性が高く、日常的に長期間使用可能であって、かつ十分な効果を有する歯周組織再生促進剤についての検討は、十分になされていない。
また、特許文献3や特許文献5の様に、特定の細胞増殖因子・神経栄養因子を含む歯周組織再生促進剤は提案されているものの、歯肉線維芽細胞の増殖促進剤及び複数の成長因子の産生を促すことで歯周組織の再生を提案しているものはない。
ジュンサイ、セイヨウミザクラの種子、ラフマは、口腔用組成物としてすでに提案されている。例えば、ジュンサイは、口腔内微生物由来グルコシルトランスフェラーゼに対する阻害剤として知られている(特許文献8)。また、ラフマも、口腔内微生物由来グルコシシルトランスフェラーゼ阻害剤(特許文献8)や抗歯周病剤(特許文献9)として知られている。しかし、これらの作用は歯垢の形成や歯周病の進行を抑制するものであって、歯周組織を構成する細胞の増殖促進及び成長因子の産生促進を目的とするものではない。さらに、これらの素材を組み合わせて用いることにより、効果を高めたものについては全く検討されていない。
特許第3594976号公報 特許第5263826号公報 特開平10−231251号公報 特開平6−234653号公報 国際公開番号W02005/025605号公報 特開2009−263332号公報 特開2007−77023号公報 特開2006−45154号公報 特開2005−68014号公報 Cochran DL.,J. Periodontology,2008,79,1569−1576 Beck J.,et al., J. Periodontology,1996,67,1123−1137
かかる状況に鑑み、本発明は、歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進剤、FGF2産生促進剤及びFGF7産生促進剤を併せて含有することで優れた歯周組織の再生促進剤、口腔用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意検討を行った結果、スイレン科ジュンサイ属に属するジュンサイの抽出物に優れた歯肉線維芽細胞増殖促進効果を、バラ科サクラ属に属するセイヨウミザクラの種子の抽出物に優れたFGF2産生促進効果を、キョウチクトウ科バシクルモン属に属するラフマの抽出物に優れたFGF7産生促進効果を見出し、さらにそれらを組み合わせて用いることにより、優れた歯周組織の再生促進効果を見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に用いるジュンサイ(Brasenia schreberi J.F.G mel.)は、スイレン科ジュンサイ属に属し、温帯から熱帯にかけて広く分布する多年生の水草である。ジュンサイは葉、茎、根等の何れの部位も使用できるが、特に粘質物で覆われた芽あるいは若葉を用いることが好ましい。
本発明に用いるセイヨウミザクラ(Prunus avium L.)は、バラ科サクラ属に属し、オウトウとも呼ばれる。主要品種として、アメリカンチェリー、佐藤錦、ナポレオンなどの食用品種が挙げられる。セイヨウミザクラは、種子を含む植物体そのままを用いることも可能であり、花、葉、茎、根、樹皮又は果実などより選択した部位を混合して用いても良いが、本発明では種子を用いる。
本発明に用いるラフマ(Apocynum Venetum L.)は、キョウチクトウ科ベシクルモン属に属し、主に中国の北西部に自生する多年生の草木である。ラフマは葉、茎、根等の何れの部位も使用できるが、特に葉を用いることが好ましい。
抽出には植物体をそのまま用いても良く、乾燥、粉砕、細切等の処理を行ってから抽出を行っても良い。抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール類(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。これらの溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いても良い。好ましくは、水、低級アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水である。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
上記抽出物の含有量は、形態、使用目的、年齢、体重などによって異なるが、0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5.0重量%である。上記範囲より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて含有する必要がある場合もある。
本発明の歯周組織再生促進剤は、医薬品、医薬部外品、食品に用いることができる。製剤形態は種々のものを選択でき、例えば、口腔用組成物として液体歯磨き、練歯磨き、軟膏剤、クリーム、口腔用ゲル、マウススプレー、マウスリンス、トローチ剤などが挙げられる。さらに、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤等の通常の医薬品の形態、飲料、タブレット、飴、グミ、ガム等の食品の形態を採用することもできる。
本発明には、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内において、他の成分を含有することもできる。他の成分としては、固体、液体、半固体でも良く、例えば、口腔用組成物として、研磨剤、発泡剤、湿潤剤、保湿剤、結合剤、他の薬効成分などを含有することができる。さらに、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の他に、乳糖、デンプン、セルロース、マルチトール、デキストリン等の賦形剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、ゼラチン、プルラン、シェラック、ツェイン等の被膜剤、小麦胚芽油、米胚芽油、サフラワー油等の油脂類、ミツロウ、米糠ロウ、カルナウバロウ等のワックス類、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ステビア、サッカリン、スクラロース等の甘味料、並びにクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等の酸味料等を適宜含有することができる。
本発明の歯周組織再生促進剤は、歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進効果、FGF2産生促進効果、FGF7産生促進効果を発揮することで、歯周組織の再生促進に優れた効果を発揮する。
本発明を詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す含有量の%は重量%を示す。
以下に、ジュンサイ、セイヨウミザクラ(ナポレオン)の種子及びラフマを用いた溶媒抽出物の製造例を示す。
製造例1 ジュンサイの熱水抽出物
ジュンサイの芽の乾燥物2000gに精製水20Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥することでジュンサイの熱水抽出物を35.2g得た。
製造例2 ジュンサイの50%エタノール抽出物
ジュンサイの芽の乾燥物1000gに50(v/v)%エタノール8Lを加え、常温で5日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固して、ジュンサイの50%エタノール抽出物を15.7g得た。
製造例3 ジュンサイのエタノール抽出物
ジュンサイの芽の乾燥物200gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固してジュンサイのエタノール抽出物を2.7g得た。
製造例4 セイヨウミザクラ(ナポレオン)の種子の熱水抽出物
セイヨウミザクラの種子の破砕物25gに精製水500mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥することでセイヨウミザクラの種子の熱水抽出物2.0gを得た。
製造例5 セイヨウミザクラ(ナポレオン)の種子の50%エタノール抽出物
セイヨウミザクラの種子の破砕物25gに50(v/v)%エタノール500mLを加え、常温で5日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固してセイヨウミザクラの種子の50%エタノール抽出物を1.0g得た。
製造例6 セイヨウミザクラ(ナポレオン)の種子のエタノール抽出物
セイヨウミザクラの種子の破砕物100gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固して、セイヨウミザクラの種子のエタノール抽出物を3.3g得た。
製造例7 ラフマの熱水抽出物
ラフマの葉の乾燥物150gに精製水10Lを加え、95〜100℃で2時間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥することでラフマの熱水抽出物11.5gを得た。
製造例8 ラフマの50%エタノール抽出物
ラフマの葉の乾燥物100gに50(v/v)%エタノール3Lを加え、常温で5日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固して、ラフマの50%エタノール抽出物を5.5g得た。
製造例9 ラフマのエタノール抽出物
ラフマの葉の乾燥物200gにエタノール1Lを加え、常温で7日間抽出した。ろ液を減圧下で濃縮乾固して、ラフマのエタノール抽出物を8.3g得た。
次に、本発明に用いる抽出物を用いた口腔用組成物の処方例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
処方例1 練歯磨き
処方 含有量(部)
1.リン酸水素カルシウム 42.0
2.ラウリル硫酸ナトリウム 1.2
3.ジュンサイの熱水抽出物(製造例1) 0.2
4.セイヨウミザクラの種子の熱水抽出物(製造例4) 0.2
5.ラフマの熱水抽出物(製造例7) 0.2
6.グリセリン 18.0
7.カラギーナン 0.9
8.サッカリンナトリウム 1.0
9.グルコン酸クロルヘキシジン 0.1
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
12.水にて全量を100とする
[製造方法]成分3〜12をよく混合した後、成分1〜2を加えて練和し、脱泡後チューブに充填して練歯磨を得た。1回に1g、1日3回使用する。
処方例1における抽出物のうち、ジュンサイの熱水抽出物のみを含有したものを処方例2、セイヨウミザクラの種子の熱水抽出物のみを含有したものを処方例3、ラフマの熱水抽出物のみを含有したものを処方例4とした。
比較例 従来の練歯磨き
処方例1において、ジュンサイの熱水抽出物、セイヨウミザクラの種子の熱水抽出物及びラフマの熱水抽出物の全て除いたものを比較例とした。
処方例5 洗口液
処方 含有量(部)
1.エタノール 20.0
2.ジュンサイの50%エタノール抽出物(製造例2) 0.1
3.セイヨウミザクラの種子の50%エタノール抽出物(製造例5) 0.1
4.ラフマの50%エタノール抽出物(製造例8) 0.1
5.グリセリン 10.0
6.サッカリンナトリウム 0.1
7.香料 0.1
8.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.5
9.パラオキシ安息香酸エチル 0.1
10.水にて全量を100とする
[製造方法]成分1に成分2〜4を溶解する(組成物A)。次いで成分10に成分5〜9を溶解する(組成物B)。組成物Aと組成物Bをよく混合し、洗口液を得た。1回に10mL、1日3回使用する。
処方例6 トローチ
処方 含有量(%)
1.ジュンサイのエタノール抽出物(製造例3) 0.2
2.セイヨウミザクラの種子のエタノール抽出物(製造例6) 0.2
3.ラフマのエタノール抽出物(製造例9) 0.2
4.マルチトール 22.5
5.アラビアガム 1.5
6.クエン酸 4.0
7.キシリトール 70.4
8.ショ糖脂肪酸エステル 1.0
9.粉末香料
[製造方法]成分1〜7を常温下で混合し、顆粒を成形する。得られた顆粒に成分8〜9を加えて打錠し、トローチを得た。1粒2g、1日9粒摂取する。
処方例7 マウススプレー
処方 含有量(%)
1.ジュンサイの熱水抽出物(製造例1) 0.1
2.セイヨウミザクラの種子の熱水抽出物(製造例4) 0.1
3.ラフマの熱水抽出物(製造例7) 0.1
4.エタノール 15.0
5.グリセリン 10.0
6.クエン酸ナトリウム 0.2
7.安息香酸ナトリウム 0.2
8.ラウリル硫酸ナトリウム 0.2
9.サッカリン 0.05
10.l−メントール 0.05
11.水にて全量を100とする
[製造方法]成分1〜11を混合し、溶解してろ過した後、滅菌容器に充填して、容量6mLのマウススプレーを得た。1回の噴霧量は30mg、1日12回使用する。
処方例8 タブレット
処方 含有量(%)
1.ジュンサイの50%エタノール抽出物(製造例2) 0.5
2.セイヨウミザクラの種子の50%エタノール抽出物(製造例5) 0.5
3.ラフマの50%エタノール抽出物(製造例8) 0.5
4.エリスリトール 60.4
5.マルチトール 30.0
6.クエン酸 5.0
7.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
8.香料 0.1
[製造方法]成分1〜6を混合し、10%の水を結合剤として加え、流動層造粒する。成形した顆粒に成分7及び8を加えて混合し、打錠してタブレットを得た。1粒2g、1日6粒摂取する。
処方例9 粒チューインガム
処方 含有量(%)
1.ジュンサイのエタノール抽出物(製造例3) 0.1
2.セイヨウミザクラの種子のエタノール抽出物(製造例6) 0.1
3.ラフマのエタノール抽出物(製造例9) 0.1
4.ガムベース 88.68
5.キシリトール 10.0
6.スクラロース 0.01
7.アスパルテーム 0.01
8.香料 1.0
[製造方法]成分1〜8を混合し、混練し、成形してチューインガムを得た。1粒2.2g、1日9粒摂取する。
以下に、実施例1で示した製造例1〜3のジュンサイの抽出物を用いた、歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進効果の実験例とその結果を示す。
実験例1 歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進効果
96wellプレート(Falcon社製)に対し、ヒト歯肉線維芽細胞(ScienCell社製)を播種し、1日後、ジュンサイの抽出物(製造例1〜3)を最終濃度が0.001%となるように添加し、更に3日間培養した。抽出物添加から3日後、Cell Counting Kit(DOJIN社製)を用いて細胞生存活性を測定した。抽出物未添加時の細胞生存活性をコントロールとし、コントロールを100%とした場合の、ジュンサイの抽出物(製造例1〜3)添加時の細胞生存活性を算出することにより、歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進効果を評価した。なお、本実験例では一般的に線維芽細胞の増殖促進因子として使用されているFibroblast Growth Factor 2(FGF2)10ng/mL(Pepro Tech社製)を陽性コントロールとして設定し、比較対象とした。
試験結果を表1に示した。その結果、ジュンサイの抽出物(製造例1〜3)全てに、顕著な歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進効果が認められ、陽性コントロールであるFGF2よりも高い効果を示した。以上より、ジュンサイの抽出物の歯肉線維芽細胞における優れた細胞増殖促進効果が明らかとなった。
以下に、実施例1で示した製造例4〜6のセイヨウミザクラの種子の抽出物を用いた、FGF2産生促進効果の実験例とその結果を示す。
実験例2 歯肉線維芽細胞におけるFGF2産生促進効果
24wellプレート(Falcon社製)に対し、ヒト歯肉線維芽細胞(ScienCell社製)を播種し、1日後、セイヨウミザクラの種子の抽出物(製造例4〜6)を最終濃度が0.03%となるように添加し、更に3日間培養した。抽出物添加から3日後、細胞を回収し、FGF2について遺伝子発現解析を行った。抽出物未添加時のFGF2遺伝子発現量をコントロールとし、コントロールを100%とした場合の、セイヨウミザクラの種子の抽出物(製造例4〜6)添加時のFGF2遺伝子発現量を算出することにより、歯肉線維芽細胞におけるFGF2産生促進効果を評価した。なお、本実験例においてもFGF2 10ng/mL(Pepro Tech社製)を陽性コントロールとして設定し、比較対象とした。歯肉線維芽細胞は、自身の産生するFGF2により自己活性化(オートクリン)され、さらにFGF2などの成長因子の産生を促進すると考えられているため、FGF2産生促進効果の評価においてもFGF2自体を陽性コントロールとした。
試験結果を表2に示した。その結果、セイヨウミザクラの種子の抽出物(製造例4〜6)全てに、顕著な歯肉線維芽細胞におけるFGF2産生促進効果が認められ、陽性コントロールであるFGF2よりも高い効果を示した。以上より、セイヨウミザクラの種子の抽出物の優れたFGF2産生促進効果が明らかとなった。
以下に、実施例1で示した製造例7〜9のラフマの抽出物を用いた、FGF7産生促進効果の実験例とその結果を示す。
実験例3 FGF7産生促進効果
24wellプレート(Falcon社製)に対し、ヒト歯肉線維芽細胞(ScienCell社製)を播種し、1日後、ラフマの抽出物(製造例7〜9)を最終濃度が0.001%となるように添加し、更に3日間培養した。抽出物添加から3日後、細胞を回収し、FGF7について遺伝子発現解析を行った。抽出物未添加時のFGF7遺伝子発現量をコントロールとし、コントロールを100%とした場合の、ラフマの抽出物(製造例7〜9)添加時のFGF7遺伝子発現量を算出することにより、歯肉線維芽細胞におけるFGF7産生促進効果を評価した。なお、本実験例においても、FGF2産生促進の実験と同様の理由により、FGF2 10ng/mL(Pepro Tech社製)を陽性コントロールとして設定し、比較対象とした。
試験結果を表3に示した。その結果、ラフマの抽出物(製造例7〜9)全てに、顕著な歯肉線維芽細胞におけるFGF7産生促進効果が認められ、陽性コントロールであるFGF2よりも高い効果を示した。以上より、ラフマの抽出物の優れたFGF7産生促進効果が明らかとなった。
実験例4 ヒト有効性試験
軽度〜中等度歯周病(歯周ポケットの深さ2〜4mm)と診断された被験者40人を対象に、処方例1〜4の歯磨き剤を用いて3ヶ月間の有効性試験を行った。被験者40人を8人ずつ5群に分け、各群において、それぞれ処方例1〜4又は比較例の歯磨き剤を使用してもらった。歯磨きは1日3回、毎食後に行った。試験開始1ヶ月後と3ヶ月後に、以下の6つの項目について、歯科医師による評価を行った。
評価項目1 歯周ポケット深さの測定
1本の歯に対して歯の表側3箇所、裏側3箇所の計6箇所の歯周ポケットにプローブを差し込み(プロービング)、深さを測定した。この測定を全ての歯について行い、歯周ポケット深さの平均値を被験者毎に算出した。各群、試験前における歯周ポケット深さの平均値を100%とし、1ヶ月後、3ヶ月後に同様の測定を行い、歯周ポケット深さの平均値の変化を調べた。
評価項目2 プロービング時の出血測定
プロービング時に出血箇所を記録しておき、出血箇所の合計数を被験者毎に算出した。各群、試験前における出血箇所数の平均値を100%とし、1ヶ月後、3ヶ月後に同様の測定を行い、プロービング時の出血箇所数の平均値の変化を調べた。
評価項目3 歯動揺度スコアの測定
歯肉の引き締まりの指標として、歯動揺度を測定した。ピンセットで歯をつまんで動かし、その程度をスコア(0度:0.2mm以内の生理的動揺、1度:頬舌方向にわずかに動揺、2度:頬舌方向に中等度及び近遠心方向にわずかに動揺、3度:頬舌方向及び近遠心方向のみならず歯軸方向にも動揺)にて数値化した。この測定を全ての歯について行い、歯動揺度スコアの平均値を被験者毎に算出した。各群、試験前における歯動揺度スコアの平均値を100%とし、1ヶ月後、3ヶ月後に同様の測定を行い、歯動揺度スコアの平均値の変化を調べた。
評価項目4 唾液中乳酸脱水素酵素(LDH)の測定
歯周病により歯肉に炎症が起こると組織破壊が生じ、唾液中にLDHが漏れ出てくる。このため、唾液中のLDH活性は、歯肉の炎症状態を反映すると考えられることから、歯周病改善の指標とした。唾液中のLDH活性は、LDH Cytotoxicity Detection Kit(タカラバイオ社製)を用いて測定した。各群、試験前における唾液中LDH活性を100%とし、1ヶ月後、3ヶ月後に同様の測定を行い、LDH活性の変化を調べた。
評価項目5 唾液中腫瘍壊死因子α(TNFα)の測定
LDH測定と同様の理由により、歯周病改善の指標として唾液中TNFαの測定を行った。唾液中のTNFαは、Human TNFα Elisa Kit(R&D systems社製)を用いて測定した。各群、試験前における唾液中TNFαを100%とし、1ヶ月後、3ヶ月後に同様の測定を行い、TNFαの変化を調べた。
評価項目6 歯肉の外観観察
歯科医師が歯肉の腫脹、発赤、色味について目視にて評価を行い、試験1ヶ月後と3ヶ月後の状態を総合的に判定した。目視判定は6段階のスコア(0:変化なし、1:わずかに改善、2:やや改善、3:改善、4:明らかに改善、5:顕著に改善)にて数値化し、各群の比較を行った。
ヒト有効性試験の結果を表4〜表9に示した。処方例1〜4の歯磨き剤は、比較例と比較して高い歯周病改善効果を示した。中でも、ジュンサイの抽出物、セイヨウミザクラの種子の抽出物及びラフマの抽出物の全てを含有した処方例1の歯磨き剤は、特に高い歯周病改善効果を示し、歯周組織の再生促進に極めて優れることが明らかとなった。なお、試験期間中、口腔内のトラブルは一人もなく、安全性についても問題なかった。
処方例5〜9についても同様にヒト有効性試験を行ったところ、処方例1と同様の試験結果を得た。
本発明の歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進剤、FGF2産生促進剤及びFGF7産生促進剤を含有することを特徴とする歯周組織再生促進剤は、細胞増殖促進剤としてジュンサイの抽出物を、FGF2産生促進剤としてセイヨウミザクラの種子の抽出物を、FGF7産生促進剤としてラフマの抽出物を含有し、歯周病の改善に優れた効果を発揮し、歯周組織再生促進剤として、医薬品、医薬部外品、食品などの口腔用組成物として利用できる。

Claims (1)

  1. 歯肉線維芽細胞における細胞増殖促進剤であるジュンサイの抽出物、FGF2産生促進剤であるセイヨウミザクラの種子の抽出物及びFGF7産生促進剤であるラフマの抽出物を含有することを特徴とする歯周組織再生促進剤。
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