JP7463429B2 - 口腔用組成物 - Google Patents

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本発明は、歯周組織再生及び/又は修復促進用組成物、歯肉細胞活性化及び/又は修復促進用組成物、歯槽膿漏予防及び/又は治療用組成物、口腔における抗炎症用組成物、口腔におけるバリア機能向上用組成物、及び口腔における抗菌活性促進用組成物に関する。
歯周病(歯周病変ともいう)は、歯槽膿漏や歯茎炎といった疾患を含む、歯周組織の健全な状態が損なわれた状態を指す。歯周組織は歯肉(歯茎)と歯槽骨(歯を支える骨組織)、歯根(歯の根元)を覆うセメント質、歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜等からなり、歯を正しい位置にしっかり付着固定するための強固な構造を備えている。しかし、歯と歯肉の間に細菌が住み着いて歯垢(デンタルプラーク)がたまると、健康な状態が損なわれ、歯のぐらつきや口臭といったQOLの低下が起こる。加齢に伴う唾液の減少等の口腔環境の悪化や、生活習慣や加齢、糖尿病などの疾患によって歯周病のリスクは高まる。また、歯周病が免疫細胞に影響を与える結果、糖尿病や心血管疾患等を悪化させることも知られてきている。このことから、高齢化社会では歯周病を有する率は大変高い傾向にあり、歯周病の効果的な治療・予防方法の開発は、人々の健康の維持増進と医療費削減において重要な課題となっている。
歯周病のうち、進行した歯槽膿漏に対しては、デンタルプラークや歯石等を病変部から取り除いて改善を図る外科的な処置がとられてきた。一方で、化学的なアプローチもまた、外科的処置との併用又は単独で歯槽膿漏の改善に用いられてきた。歯槽膿漏は歯茎の内部まで進行するが、化学的なアプローチは、歯と歯茎のすき間から奥まで効果をもたらすことができる点で、外科的処置にはない長所がある。そのような化学的なアプローチの中でも、天然由来の成分を利用して、炎症の原因である細菌を抗菌剤や殺菌剤で抑制又は減少させる手段(特許文献1)、歯周組織の再生促進物質を病変部に作用させ、再生を促す手段(特許文献2)、などがこれまで報告されている。
特開2016-113460号公報 特開2017-12188号公報
しかし、殺菌剤や抗菌剤の連続投与は、特に単剤使用によって耐性菌を生み出す可能性がある。また、これらの剤自体は歯周組織を修復できない。他方、エナメルタンパク質由来ペプチド等の再生促進剤は、天然由来ではあるが、剤そのものや製造工程において遺伝子組換え技術を用いているため、安全性確保のための製造や品質管理が煩雑であり、コストも高いことから、広く口腔用組成物に適用し得る成分ではなかった。
そこで、本発明は、すでにヒトへの投与や摂取において長年の実績がある安全な成分により、生体が本来持つ自己修復能力を高めることで、歯茎炎や歯槽膿漏などで損傷を受けた歯周組織を修復・再生させるための組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、歯周組織等の口腔組織において、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物が、歯周組織の再生と修復の促進、歯肉細胞の活性化と修復の促進、歯槽膿漏の予防及び治療、炎症の抑制、歯肉細胞が備えるバリア機能の向上、並びに、抗菌活性の促進などに優れた効果を有することを新たに見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
項1.
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、歯周組織再生促進及び/又は修復促進用組成物。
項2.
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、歯肉細胞活性化及び/又は修復促進用組成物。
項3.
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、歯槽膿漏予防及び/又は治療用組成物。
項4.
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、口腔における抗炎症用組成物。
項5.
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、口腔におけるバリア機能向上用組成物。
項6.
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、口腔における抗菌活性促進用組成物。
項7.
前記(A)成分が、ヒアルロン酸及び/又はその塩である、項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
本発明の組成物によれば、(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有させることによって、炎症を抑え、生体が本来持つ自己修復機能を高めることができる。そして、歯茎炎や歯槽膿漏などで損傷を受けた歯周組織を効果的に修復・再生させることができる。
[組成物]
本発明の歯周組織再生及び/又は修復促進用組成物、歯肉細胞活性化及び/又は修復促進用組成物、歯槽膿漏予防及び/又は治療用組成物並びに、口腔における抗炎症用組成物、バリア機能向上用組成物、及び抗菌活性促進用組成物は、
(A)ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の塩、クマザサ抽出物、及びゼニアオイ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有する。
[(A)成分]
(A)成分のうち、ヒアルロン酸としては、公知の物質を用いることができ、ヒアルロン酸、その誘導体、及びそれらの塩が挙げられる。ヒアルロン酸は、酸性ムコ多糖類の一種であり、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンの二糖を構成単位として含む多糖類である。ヒアルロン酸は、鶏冠や、サメの皮、臍帯、眼球、皮膚、及び軟骨などの動物組織、ストレプトコッカス属微生物等のヒアルロン酸生産微生物、動物細胞若しくは植物細胞の培養物から抽出、回収することができる。また、市販品を購入することもできる。
ヒアルロン酸の粘度平均分子量は、本発明の効果を奏する限りは特に限定されないが、例えば粘度平均分子量で0.1~500万である。ここで、粘度平均分子量は、例えば、第17改正日本薬局方の一般試験法 粘度測定法 第1法:毛細管粘度計法に記載の方法などの公知の測定方法により求めることができる。
ヒアルロン酸の誘導体としては、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、水酸基がアセチル化されたアセチル化ヒアルロン酸、水酸基が硫酸化された硫酸化ヒアルロン酸、カチオン化されたカチオン化ヒアルロン酸、疎水化された加水分解ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル等)、ヒアルロン酸クロスポリマー、ヒアルロン酸プロピレングリコールなどを挙げることができる。ヒアルロン酸の誘導体としては、好ましくは、アセチル化ヒアルロン酸、カチオン化ヒアルロン酸、加水分解ヒアルロン酸、ヒアルロン酸クロスポリマー及び/又はヒアルロン酸プロピレングリコールが用いられる。
ヒアルロン酸又はその誘導体の塩もまた、薬理学的に又は生理学的に許容される限り特に制限されず、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アルミニウムなどの金属との塩などを挙げることができる。好ましくは、ヒアルロン酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩が用いられる。具体的なヒアルロン酸又はその誘導体の塩としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸モノエタノールアミン、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム、アセチル化ヒアルロン酸カリウム、アセチル化ヒアルロン酸カルシウム、アセチル化ヒアルロン酸マグネシウム、アセチル化ヒアルロン酸亜鉛、アセチル化ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸クロスポリマーナトリウム、ヒアルロン酸ヒドロキシプロピルトリモニウム等が挙げられる。好ましくは、ヒアルロン酸又はその誘導体の塩として、ナトリウム塩、カリウム塩が用いられ、より好ましくは、ナトリウム塩が用いられる。
(A)成分のうち、クマザサ抽出物は、クマザサ(Sasa veitchii又はSasa veitchii(Carr.)REHD.(Gramineae))から得られる抽出物である。クマザサは、イネ科の植物であり、日本の山地等に自生しているもの等を用いることができる。抽出溶媒としては極性溶媒を用いることができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール等の炭素数2~5の多価アルコール;精製水、又はこれらの溶媒から選択される少なくとも2種以上からなる混合物が挙げられるが、これらの中でも、好ましくは低級アルコール、精製水、又はこれらの溶媒から選択される2種以上からなる混合物であり、より好ましくはエタノール、精製水、又はこれらの混合物である。抽出原料として使用し得る部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、葉、花、地下部、樹皮、枝、地上部又はこれらの混合物が挙げられ、これらの中でも葉が好ましい。
クマザサ抽出物は市販品を用いることも可能である。クマザサ抽出物の市販品としては、例えば商品名:クマザサ抽出液(丸善製薬株式会社製)又は、商品名:ファルコレックス クマザサ E(一丸ファルコス社製)等が挙げられる。
(A)成分のうち、ゼニアオイ抽出物は、アオイ科ゼニアオイ属の、ウスベニアオイ(Malva sylvestris Linne(Malvaceae))を原料として得られる抽出物である。ウスベニアオイは、ヨーロッパ原産の多年草であり、野生に生育している植物であるが、ハーブや生薬として用いるために栽培もされている。抽出溶媒としては、極性溶媒を用いることができ、前記極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3‐ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール等の炭素数2~5の多価アルコール;精製水、又はこれらの溶媒から選択される2種以上からなる混合物が挙げられるが、これらの中でも、好ましくは低級アルコール、多価アルコール、精製水、又はこれらの溶媒から選択される2種以上からなる混合物であり、より好ましくはエタノール、1,3‐ブチレングリコール、プロピレングリコール、精製水、又はこれらの溶媒から選択される2種以上からなる混合物である。
抽出原料として使用し得る部位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば葉、花、茎、根、地上部、地下部又はこれらの混合物が挙げられ、好ましくは花及び葉である。
ゼニアオイ抽出物は市販品を用いることも可能である。ゼニアオイ抽出物の市販品としては、例えば商品名:ウスベニアオイ抽出液LA、ウスベニアオイ抽出液BG、マローモイスチャー(ともに丸善製薬株式会社製)、又は商品名:ファルコレックス ゼニアオイ B (一丸ファルコス社製)等が挙げられる。
本発明において、クマザサ又はウスベニアオイから抽出物を得る場合は、その抽出方法が特に制限されるものではないが、ウスベニアオイ又はクマザサの全部又は一部の乾燥物、あるいはその乾燥物を破砕・粉砕した粉末から、溶媒により抽出される。クマザサ又はウスベニアオイの抽出物は、そのまま用いてもよく、希釈又は濃縮して用いてもよい。クマザサ又はウスベニアオイの抽出物を得る場合には、凍結乾燥により保存されたクマザサ又はウスベニアオイを用いることも可能である。
本発明において、(A)成分の総含有量は、特に限定はされないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、組成物の総量を基準として、0.000001~5質量%とすることが好ましく、0.000005~2質量%とすることがより好ましく、0.00001~1質量%とすることがさらに好ましく、0.00001~0.2質量%とすることが特に好ましい。上記含有量は、固形分換算量である。
本発明において、(A)成分のうち、ヒアルロン酸又はその塩の単独の含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、組成物の総量を基準として、例えば、0.00001~2質量%とすることが好ましく、0.0001~1.5質量%とすることがより好ましく、0.0001~0.5質量%とすることが更に好ましく、0.001~0.1質量%とすることが特に好ましい。
本発明において、(A)成分のうち、クマザサ抽出物の単独の含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、組成物の総量を基準として、例えば、固形分換算で0.000001~1質量%とすることが好ましく、0.000003~0.5質量%とすることがより好ましく、0.000005~0.3質量%とすることが更に好ましく、0.00001~0.2質量%とすることが更により好ましく、0.00001~0.1質量%とすることが特に好ましく、0.00001~0.01質量%とすることが最も好ましい。
本発明において、(A)成分のゼニアオイ抽出物の単独の含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、組成物の総量を基準として、例えば、固形分換算で0.000001~1質量%とすることが好ましく、0.000003~0.5質量%とすることがより好ましく、0.000005~0.3質量%とすることがさらに好ましく、0.000005~0.2質量%とすることが更に好ましく、0.00001~0.1質量%とすることが特に好ましく、0.00001~0.01質量%とすることが最も好ましい。
これらの(A)成分は、すべて、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。限定はされないが、歯周組織再生能に優れる観点から、(A)成分は、少なくともヒアルロン酸若しくはその塩、又はクマザサ抽出物が好ましく、ヒアルロン酸又はその塩がより好ましい。
[用途]
本明細書で、歯周病又は歯周病変とは、歯肉(いわゆる、歯茎)、セメント質、歯根膜及び歯槽骨よりなる歯周組織の健全な状態が損なわれた状態を指し、細菌の感染によって引き起こされうる。
口内細菌の中でもポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphylomonas gingivalis)、トレポネーマ・デンティコーラ(Treponema denticola)、タンネレラ・フォーサイシア(Tannerella forsythia)の3種はレッドコンプレックスとも呼ばれ、歯周病を引き起こす原因菌として知られている。他にも、アグリゲーティバクター・アクチノマイセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)やプレボテラ・インターメディア(Prevotella intermedia)も歯周病の原因菌として知られる。最近の研究では、さらに様々な細菌が複合的にかかわって、歯周病の進行に関与することが知られている。歯周病では、これらの原因菌の増殖によって、特有の口臭を放つ、起床時などに口内がネバつく、などの症状が現れることがある。
デンタルプラークからは、口内細菌由来のリポ多糖(lipopolysaccharide;LPS)やタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)、コラーゲン分解酵素(コラーゲナーゼ)などの毒素が放出される。プロテアーゼやコラーゲナーゼは歯茎を損傷し、LPSは歯茎の細胞に働きかけて、炎症性サイトカインを分泌させる。この炎症性サイトカインによって歯茎に炎症が起こり、歯茎や歯根膜が損傷される。これが歯茎の出血、腫れ、歯茎が下がって歯が長く見える、という現象につながる。さらに炎症性サイトカインは体内の免疫細胞を過剰に活性化させる結果、免疫細胞から破骨細胞を刺激するRANKLが放出される。その結果、歯を支える歯槽骨が溶けていき、歯の動揺(ぐらつき)が見られるようになり、やがて歯が抜けてしまう。炎症や免疫細胞の過剰な活性化が起こると、組織の損傷及び破壊とさらなる炎症を引き起こすため、歯周組織の破壊の負の連鎖とも言える相乗的な悪化をもたらす。
歯周病は、その病状の進行によって、大きく歯茎炎(歯肉炎)と歯槽膿漏(歯周炎)の2つに分けられる。
歯茎炎(歯肉炎)は、セメント質、歯根膜、歯槽骨は破壊されていないが歯茎が損傷されている状態を指す。歯茎炎(歯肉炎)の症状としては、例えば、歯茎の発赤(歯茎が赤く、赤黒く、黒っぽく、又はどす黒く見える)、腫脹(歯肉が丸く膨れて腫れぼったい感じ)、浮腫(歯茎のハリがなく、ブヨブヨしている感じ)、出血(歯磨き等によって歯茎から出血する)、疼痛、歯茎がむずがゆい感じがする、歯肉を押すと白い膿のようなものが出てくる、知覚過敏(温度変化や物理的な刺激によって歯がしみる感じ、又は歯の痛みを感じる)などが挙げられる。
歯槽膿漏は、歯肉に初発した炎症が、セメント質、歯根膜、および歯槽骨などの深部歯周組織にまで波及して、損傷及び破壊されている状態を指す。歯槽膿漏の症状としては、上記の歯周病菌に起因する症状や歯茎炎(歯肉炎)の症状の他に、例えば、歯茎が下がる、歯茎がやせる、歯と歯の間に隙間ができる、歯が長く伸びたように見える、歯の隙間に物が挟まりやすくなる、歯が浮いたような感覚、歯の動揺、歯のぐらつき、などが挙げられる。
歯槽膿漏に冒されていない健康な歯茎では、歯茎に埋もれた歯の根元部分がセメント質で覆われており、セメント質はさらに歯根膜が覆っている。歯根膜は、歯槽骨という歯を支える骨と歯をつなぎ合わせる非常に重要な役割を持っている。そして、歯茎は本来薄いピンク色で、ハリがあり、力強く、「ふっくら」とした外観を示し、歯磨きや歯間ブラシ等で清掃をしてもほとんど出血しない。
本発明の歯周組織再生又は修復促進用組成物は、歯周病等により崩壊した歯周組織を再生又は修復することができる。本明細書中、再生又は修復の「促進」は、歯周組織の本来持つ再生又は修復能力を直接高めることのほか、浅部の歯周組織の損傷や炎症の改善を介して、深部の歯周組織の再生又は修復能力を高めることを含む。歯周組織の再生又は修復の促進は、例えば、歯周組織(例えば、歯茎や歯の根元)を、蘇らせる、修繕する、補修する、復活させる、蘇生させる、復元させる、生まれ変わらせる、健康な状態に向けて回復させる、又は治癒させる、などとも表現することができる。また「歯茎ケア」などのように歯周組織の部位の状態の改善を表す表現も用いることができる。歯周組織の再生又は修復の促進により、上記の歯茎炎及び歯槽膿漏の症状を予防、治療、又は改善することができる。
本発明の歯周組織再生又は修復促進用組成物の対象となる歯周組織は、例えば、歯根膜、歯茎、歯肉上皮(歯茎の表面、又は粘膜)、又は歯槽骨であり、好ましくは歯根膜、歯茎、又は歯肉上皮(歯茎の表面、又は粘膜)であり、さらに好ましくは歯根膜である。
本発明の歯周組織再生又は修復促進用組成物の対象となる歯周組織の細胞は、例えば、歯肉又は歯根膜を形成する細胞であり、好ましくは、歯肉上皮細胞、歯肉線維芽細胞、又は歯根膜繊維芽細胞であり、さらに好ましくは、歯根膜線維芽細胞である。
歯根膜線維芽細胞は、形態は歯肉線維芽細胞と類似し、歯根膜組織の維持を担う細胞であると考えられており、多能性を有する細胞や、異なる機能を持つ細胞の細胞集団から構成されている。そのため、歯周組織の維持・再生に重要な細胞とされている。
本発明の歯肉細胞活性化用組成物は、歯周組織を形成する細胞を活性化する。ここで、細胞の「活性化」とは、細胞の状態を、例えば遺伝子の発現量や細胞の増殖能力を高めることなどにより改善することを指す。細胞を「活性化する」ことを表すために、例えば、「弱った細胞をよみがえらせる」「細胞の賦活化」「細胞を元気にする」「細胞に活力を与える」、あるいは、細胞を、「活性化させる」「蘇らせる」「復活させる」「蘇生させる」「生まれ変わらせる」「健康にする」などの表現を用いることができる。歯肉細胞の活性化によって、上記の歯茎炎及び歯槽膿漏の症状を予防又は改善することができる。
本発明の歯肉細胞活性化用組成物の対象となる歯周組織は、例えば、歯根膜、歯茎、歯肉上皮(歯茎の表面、又は粘膜)、又は歯槽骨であり、好ましくは歯根膜、歯茎、又は歯肉上皮(歯茎の表面、又は粘膜)であり、さらに好ましくは歯根膜である。
本発明の歯肉細胞活性化用組成物の対象となる歯周組織の細胞は、例えば、歯肉又は歯根膜を形成する細胞であり、好ましくは、口腔ケラチノサイト、歯肉線維芽細胞、又は歯根膜繊維芽細胞であり、さらに好ましくは、歯根膜線維芽細胞である。
本発明の歯槽膿漏予防用組成物は、上記の歯槽膿漏の症状を予防することができ、歯茎炎、歯槽膿漏を含む歯周病の症状の予防又は改善に用いることができる。また、より好ましくは歯槽膿漏の症状の予防又は改善に用いることができる。例えば、本発明の歯槽膿漏予防用組成物は、健康な歯茎にも適用することができる。歯茎炎、歯槽膿漏の症状の予防を表すために、上記の歯茎炎、歯槽膿漏や歯周病の原因菌に起因する諸症状に対して予防することを示す語句を付加した表現(例えば、歯茎からの出血を防ぐ、口臭や口内のネバつきの予防、歯茎の腫れや出血の予防、など);健康な歯茎に、しっかりとした歯茎に、歯茎をピンク色に保つ、歯茎のハリを保つ、力強い歯茎、ふっくらとした歯茎に、といった健康な歯茎への変化を表す表現;歯が(冷たいものなどで)しみるのを防ぐ、きれいな/さわやかな息に、などの表現を用いることができる。
本発明の歯槽膿漏治療用組成物は、上記の歯槽膿漏の症状を改善することができる。症状の改善を表すために、例えば「歯茎ケア」などのように歯周組織の特定部位を改善する旨の表現も用いることができる。
本発明の歯槽膿漏予防用及び/又は治療用組成物は、歯周組織表面のバリア機能や抗菌機能を高めると同時に、炎症を抑えて症状の悪化を防ぎ、歯根膜等の組織深部の細胞活性化を通じて組織の再生も促進する結果、歯槽膿漏の予防及び/又は治療に優れた効果を有する。
本発明の口腔における抗炎症用組成物は、歯周組織を形成する細胞がLPS等による刺激を受けた時にIL-1α、IL-8などの炎症性サイトカイン遺伝子の発現レベルが上昇するのを抑える。そして歯周組織の炎症を抑え、さらに組織の損傷及び破壊の負の連鎖を食い止めることができる。その結果、上記の歯茎炎や歯槽膿漏の症状、特に歯茎炎の症状を予防又は改善することができる。
本発明の口腔における抗炎症用組成物の対象となる歯周組織は、例えば、歯根膜、歯茎、歯肉上皮、又は歯槽骨であり、好ましくは歯根膜、歯茎、又は歯肉上皮であり、さらに好ましくは歯肉上皮である。
本発明の口腔における抗炎症用組成物の対象となる歯周組織の細胞は、例えば、歯肉又は歯根膜を形成する細胞であり、好ましくは、口腔ケラチノサイト、歯肉線維芽細胞、又は歯根膜繊維芽細胞であり、さらに好ましくは、口腔ケラチノサイトである。
本発明の口腔におけるバリア機能向上用組成物は、歯周組織を形成する細胞の「バリア機能」を向上、強化又は促進させる。ここで、「バリア機能」とは、生体組織の表面付近が有する、外界からの異物が組織内部に侵入することを防ぐ機能を指す。例えばClaudin-1のようなタイトジャンクション構築に関する遺伝子の発現を促進し、そのタンパク質量を高めることなどにより、歯周組織を形成する細胞のバリア機能を向上させることができる。このような口腔におけるバリア機能の促進を表すために、毒素や異物等をブロックする、歯茎の防御機能を高める、歯茎の表面を改善又は保護する、歯茎又は歯茎の表面を強くする、などの表現を用いることができる。バリア機能が向上することにより、LPSやタンパク質分解酵素等の毒素が歯周組織の内部に侵入することや、歯周組織からの組織の健康な状態の維持に重要な栄養物質や生理活性物質の流出が防がれ、歯周組織がさらに損傷されるのを食い止めることができる。さらに、歯周組織の自然治癒力を改善させることができる。その結果、上記の歯茎炎や歯槽膿漏の症状、特に歯茎炎の症状を予防又は改善することができる。
本発明の口腔におけるバリア機能向上用組成物の対象となる歯周組織は、例えば口内の上皮組織であり、好ましくは歯肉上皮である。
本発明の口腔におけるバリア機能向上用組成物の対象となる歯周組織の細胞は、例えば口腔ケラチノサイトである。
本発明の口腔における抗菌活性促進用組成物は、歯周組織を形成する細胞が本来有する、外来の細菌や真菌(カビ)などに対する抗菌活性を促進する。例えば、細胞から分泌される抗菌物質でありタンパク質の一種である、β-ディフェンシン-1の遺伝子の発現を促進し、β-ディフェンシン-1の産生を促進させる。このような抗菌活性の促進を表すために、例えば、歯茎の防御機能を高める、生体に元来備わる防御力を高める、免疫力を高める、上記で例示された細菌を含む歯周病の原因菌を抑える、減少させる、又は増殖を抑える、などの表現を用いることができる。抗菌活性の促進によって、上記の歯周病の原因菌による症状、歯茎炎の症状、および歯槽膿漏の症状、特に歯周病の原因菌による症状を予防又は改善することができる。
また、本発明の口腔における抗菌活性促進用組成物は、抗菌剤又は殺菌剤の使用量を抑え、耐性菌の出現を抑える観点から、直接細菌等の働きを阻害又は殺菌する、抗菌剤又は殺菌剤と併用することができる。
本発明の口腔における抗菌活性促進用組成物の対象となる歯周組織は、例えば口内の上皮組織であり、好ましくは歯肉上皮である。
本発明の口腔における抗菌活性促進用組成物の対象となる歯周組織の細胞は、例えば口腔ケラチノサイトである。
本発明の組成物は、ヒアルロン酸合成遺伝子であるHAS1、HAS3の発現を増加させ、口腔組織のヒアルロン酸産生量を増加させる。そのため、本発明の組成物は、例えば、口腔におけるヒアルロン酸産生促進用組成物、口腔組織の水分保持力増強用組成物、口腔組織の保湿力強化用組成物として用いることができる。このような口腔におけるヒアルロン酸産生促進、口腔組織の水分保持力の増強、口腔組織の保湿力強化は、みずみずしい歯茎にする、ふっくらとした歯茎にするといった、口腔組織の水分量の上昇に伴う組織の変化として表すこともできる。これらの組成物の対象となる歯周組織は、例えば口内の上皮組織であり、好ましくは歯肉上皮である。また、これらの組成物の対象となる歯周組織の細胞は、例えば歯根膜線維芽細胞、歯肉線維芽細胞、又は口腔ケラチノサイトであり、好ましくは口腔ケラチノサイトである。
本発明の歯周組織再生用及び/又は修復促進用組成物、歯肉細胞活性化及び/又は修復促進用組成物、および歯槽膿漏予防及び/又は治療用組成物、並びに、口腔における抗炎症用組成物、バリア機能向上用組成物、及び抗菌活性促進用組成物は、歯茎炎(歯肉炎)及び歯槽膿漏のいずれの分類(ステージ)においても、直接的又は間接的に改善効果を奏する。
本明細書において「予防」とは、疾病若しくは症状の発症の防止若しくは遅延、又は疾病若しくは症状の発症の危険性を低下させることをいう。
本明細書において「改善」とは、疾病、症状若しくは健康状態の好転若しくは緩和、疾患、症状、若しくは健康状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患若しくは症状の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
本明細書において「治療」は、疾病、症状若しくは健康状態を、好転若しくは緩和すること、あるいは、疾患、症状、若しくは健康状態の悪化を、防止若しくは遅延、又は疾患若しくは症状の進行の逆転、防止若しくは遅延をさせるための行為を指す。
[適用部位]
歯周病は口腔内の歯の一部又は全般的に起こりうることが知られているが、本発明の組成物は、口腔内の局所又は全体のいずれにも用いることができる。
[適用対象者]
本発明の組成物が適用される対象者の年齢層は、特に制限されないが、歯槽膿漏を有する、又は有するおそれがある者が加齢とともに増加するという観点から、好ましくは成人、より好ましくは30歳以上、さらに好ましくは中年齢者(45歳以上)から高年齢者(55歳以上)である。
本発明の組成物は成分の安全性が高いため、他の薬剤を投与又は摂取されていることによって薬剤の使用制限がある糖尿病、心血管疾患、脳梗塞、若しくはこれら疾患の前段階の状態、又は骨粗しょう症を有する者に対しても好適に用いられる。なかでも、糖尿病は歯槽膿漏と互いに関連することが明らかであり、骨粗しょう症は歯槽膿漏用の医薬成分の一部が禁忌であることから、これらの疾患を歯槽膿漏と合併して有する者は本発明の組成物の好適な対象である。
[pH]
本発明の組成物のpHは、(A)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され、生理学的又は薬学的に許容できる範囲であれば制限されないが、使用感を良好とする観点から、好ましくはpH3~9、より好ましくは4~8.5、更により好ましくは4.5~7.5であり、また一方で歯の溶解(酸蝕)のリスクを減らす観点からは、pH5.5~6.0とすることが好ましい。
[剤形・形態]
本発明の組成物の剤形は医薬品、医薬部外品、化粧品として公知の形態であれば、特に限定されず、例えば液剤、フォーム(泡)剤、クリーム剤、ペースト剤、スプレー剤、パスタ剤、ジェル剤、フィルム剤、錠剤(トローチなど)などが挙げられるが、少量の組成物を長時間滞留させて、歯周組織や歯周病の原因菌に作用させる観点から、好ましくは液剤、フォーム剤、クリーム剤、ペースト剤又はスプレー剤であり、より好ましくは液剤、フォーム剤、クリーム剤又はペースト剤である。
本発明の組成物の形態は医薬品、医薬部外品、化粧品、又は食品として公知の形態であれば、特に限定されず、例えば、洗口剤、マウスウォッシュ等の口腔用洗浄剤、歯磨剤(練歯磨き、液体歯磨き、フォーム状歯磨き、粉歯磨剤等)、歯茎に適用する美容液、トローチ、ロゼンジ、キャンディー、チューインガムなどが挙げられるが、口内の歯周組織のすき間や歯周病の原因菌に作用させる観点から、好ましくは洗口剤、口腔用洗浄剤、又は歯磨剤であり、より好ましくは洗口剤、口腔洗浄剤、液体歯磨き、フォーム状歯磨きである。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗菌又は殺菌成分を組み合わせて用いることができる。例えば、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、クエン酸亜鉛、サンギナリン、デルモピノール、ラウロイルサルコシンナトリウム(LSS)、アルキルジアミノエチルグリシン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、チモール、カテキン、ラクトフェリン、ラクトパーオキシダーゼ、デキストラナーゼ、リゾチーム、プロテアーゼ、マヌカハニー抽出物、ナイシン、キトサンなどを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗炎症剤としてグリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、ε-アミノカプロン酸及びその塩又は誘導体などを組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、出血改善剤としてトラネキサム酸及びその塩などを組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、組織修復剤としてアラントインなどを組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、再石灰化剤又は再石灰化促進物質としてフッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)、フッ化スズ、などのフッ素化合物、ハイドロキシアパタイト、キシリトールなどを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の薬効成分として、クロロフィル、ポリリン酸ナトリウム、オウバクエキス、酢酸トコフェロール(ビタミンE)、ピロリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、塩化亜鉛、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、リン酸水素ナトリウム水和物などを、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、グリセリン、ポリエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等の湿潤剤;サッカリンナトリウム、スクラロース等の甘味剤;メントール等の清涼化剤;アネトール等の香料;グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性化剤;ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性化剤;上記成分以外のpH調整剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、着色剤、研磨剤、ビタミン剤、溶剤(エタノール等)などの、従来口腔用組成物において用いられる成分を含有することができる。
本発明の組成物は、1日1回~数回に分け、通常、1日1~6回、1日1~3回、1日1~2回又は任意の期間及び間隔で摂取若しくは投与されうる。
次に、実施例や試験例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例や試験例に限定されるものではない。
本明細書の試験例のヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、およびゼニアオイ抽出物、各成分の濃度は全て固形分換算した成分の質量を、溶液容量で割った値で表す。市販のキットを用いた操作および測定方法は特に記載のない限りにおいて、キットに添付のマニュアルに従った。
[細胞・培地]
ヒト口腔ケラチノサイト(上皮細胞)は、Human Oral Keratinocyte:HOK(クラボウ社製、ロットNo.12685)を用いた。ヒト口腔ケラチノサイトの培養は、特に記載がない限りにおいて、培地はOral keratinocyte medium(Sciencell, No.2611)を使用し、37℃、5%炭酸ガス及び95%空気の環境下で行った。
ヒト歯根膜線維芽細胞は、Human Periodontal Fibroblast:HPDLF(ScienCell社製)を用いた。ヒト歯根膜線維芽細胞の培養は、特に記載がない限りにおいて、DMEM培地(Gibco社製、製品No. 11995073)にウシ胎仔血清(FBS)を10%(v/v)、Antimycotic(Gibco社製、製品No.15240062)を1%(v/v)となるように添加して使用し、37℃、5%炭酸ガス及び95%空気の環境下で行った。
[試験例1.口腔ケラチノサイトの炎症に対する抗炎症効果(遺伝子発現解析)]
24well plate(Cell Bind、Corning社製)にヒト口腔ケラチノサイト(上皮細胞)を細胞数32000cells/wellで播種した。24時間培養後、表1に示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し培養した。
翌日、大腸菌由来リポ多糖(Lipopolysaccharides from Escherichia coli:LPS、Sigma社製)と表1に示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し、さらに6時間培養した。また、バックグラウンドの遺伝子発現量を算出するために、LPS及び各成分を添加しない培地で処理した群も設けた。培養後、PBS(-)で2回洗浄し、RNeasy(登録商標) Mini Kit(Qiagen社製)を用いてRNAを抽出したのち、TOYOBO ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO社製)を用いてcDNAを作製した。作製したcDNAをPremix Ex Taq を用いてqRT-PCRにより解析した。なお、Taqman ProbeはApplied Biosystems社より購入した、GAPDH(Hs02758991_g1)、IL-8(Hs00174103_m1)、IL-1A(Hs00174092_m1)を用いた。
測定結果より、LPS(100μg/mL)のみを添加した培地で処理した群(比較例1‐2)におけるIL-1α、IL-8それぞれの遺伝子発現量と、LPS及び各成分を添加しない培地で処理した群(比較例1-1)におけるIL-1α、IL-8それぞれの遺伝子発現量との差を基準とし、各実施例におけるIL-1α、IL-8それぞれの遺伝子発現量と、LPS及び各成分を添加しない培地で処理した群(比較例1-1)におけるIL-1α、IL-8それぞれの遺伝子発現量との差から、各成分を添加した場合のIL-1α、IL-8それぞれの発現低減率を算出した。結果を表1に示す。ここで、発現低減率は、以下のようにして計算される。
<発現低減率(%)>
=(1-((各実施例における遺伝子発現量-比較例1‐1における遺伝子発現量)/
(比較例1‐2における遺伝子発現量-比較例1‐1における遺伝子発現量)))×100
この結果から、口腔ケラチノサイトを細菌由来の毒素であるLPSで刺激することにより、炎症性サイトカインであるIL-1α、およびIL-8の発現が亢進するが(比較例1-2)、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、ゼニアオイ抽出物を添加することで、その発現は低減されることが確認された(実施例1-1~実施例1-6)。
[試験例2.口腔ケラチノサイトの炎症に対する抗炎症効果(タンパク質レベルでの発現解析)]
96well plate(Cell Bind, Corning社製)にヒト口腔ケラチノサイトを細胞数5600cells/wellで播種した。24時間培養後、表2に示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し培養した。
翌日、LPS100μgと表2に示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し、さらに一日培養した。培養後、培地上清(ELISA用サンプル)を回収し、Human IL-1 alpha/IL-1F1 DuoSet ELISA(R&D Systems社製)にてIL-1αの発現量を測定した。また、上清を除去した培養プレートをPBSで2回洗浄し、Hoechst 33342を培地に1000倍希釈し、well内培地と置換した。10分培養後、Image Xpress((Molecular Devices社)で画像撮影した(16視野/well)。機器の専用の細胞カウントプログラム(MetaXpress)で解析し、細胞数を測定した。ELISAで得られる各群のIL-1αの発現量を、Hoechst染色によって得られた細胞数の値で割って、細胞数あたりのIL-1αタンパク質発現量を求めた。そして、LPSや各成分を添加しない培地のみで処理したとき(比較例2-1)の細胞当たりIL-1αタンパク質発現量を1とし、LPSや各成分を添加した場合の相対タンパク質発現量を算出した。
LPS(100μg/mL)を添加したコントロールにおけるIL-1α(比較例2-2)とLPSや各成分を添加しない培地のみで処理したとき(比較例2‐1)の発現量の差を基準とし、各成分を添加した場合のIL-1α発現低減率を算出した結果を表2に示す。ここで、IL-1α発現低減率(%)は、以下のようにして計算される。
<IL-1α発現低減率(%)>
=(1-((各実施例におけるタンパク質発現量-比較例2-1におけるタンパク質発現量)/(比較例2‐2におけるタンパク質発現量-比較例2‐1におけるタンパク質発現量)))×100
この結果から、ELISAを用いたタンパク質レベルでの発現解析においても、LPSにより炎症性サイトカインであるIL-1αタンパク質の発現は亢進するが(比較例2-1)、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、又はゼニアオイ抽出物を添加することで、その発現が低減されることが確認された(実施例2-1~実施例2-6)。
[試験例3.口腔ケラチノサイトの抗菌機能向上効果(遺伝子発現解析)]
24well plate(Cell Bind、Corning社製)にヒト口腔ケラチノサイトを細胞数32000cells/wellで播種した。24時間培養後、表3に示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し、6時間培養した。培養後、PBS(-)で2回洗浄し、RNeasy Mini Kit(Qiagen社製)を用いてRNAを抽出したのち、TOYOBO ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO社製)を用いてcDNAを作製した。作製したcDNAをPremix Ex Taq(タカラバイオ社製)を用いてqRT-PCRにより解析した。なお、Taqman ProbeはApplied Biosystems社より購入した、GAPDH(Hs02758991_g1)、Defensin-1(Hs00608345_m1)を用いた。
測定結果より、培地のみで処理したとき(比較例3-1)におけるβ‐Defensin-1の発現量を基準とし、各成分を添加した場合の発現促進率を算出した。(表3)。ここで、β‐Defensin-1発現促進率(%)は、以下のようにして計算される。
<β‐Defensin-1発現促進率(%)>
=((各実施例における遺伝子発現量/比較例3-1における遺伝子発現量)-1)×100
この結果から、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、又はゼニアオイ抽出物を添加することで、細胞由来の抗菌因子として知られているβ‐Defensin-1の発現を亢進すること、とりわけヒアルロン酸ナトリウムが顕著な発現亢進作用を示すことが明らかとなった(実施例3-1~実施例3-6)。
[試験例4.口腔ケラチノサイトのバリア機能改善効果(遺伝子発現解析)]
24well plate(Cell Bind、Corning社製)にヒト口腔ケラチノサイトを細胞数32000cells/wellで播種した。24時間培養後、表4に示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し、6時間培養した。培養後、PBS(-)で2回洗浄し、RNeasy Mini Kit(Qiagen社製)を用いてRNAを抽出したのち、TOYOBO ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO社製)を用いてcDNAを作製した。作製したcDNAをPremix Ex Taq(タカラバイオ社製)を用いてqRT-PCRにより解析した。なお、Taqman ProbeはApplied Biosystemより購入した、GAPDH(Hs02758991_g1)、Claudin-1(Hs00221623_m1)を用いた。
測定結果より、培地のみで処理したコントロール(比較例4-1)におけるClaudin‐1の発現量を基準とし、各成分を添加した場合の発現促進率を算出した(表4)。ここで、Claudin‐1発現促進率(%)は、以下のようにして計算される。
<Claudin‐1発現促進率(%)>
=((各実施例における遺伝子発現量/比較例4-1における遺伝子発現量)-1)×100
この結果から、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物又はゼニアオイ抽出物を添加することで、バリア機能に寄与するタイトジャンクション構築の核となるタンパク質として知られている、Claudin‐1の発現が促進されることが明らかになった(実施例4-1~実施例4-5)。
[試験例5 口腔ケラチノサイトのバリア機能改善効果(電気抵抗値)]
12well plate(12mm Transwell(登録商標) with 0.4μm Pore Polyester Membrane Insert, Sterile、Corning社製)のインサートにヒト口腔ケラチノサイトを細胞数96000cells/wellで播種した。3日培養後、TNFα及びヒアルロン酸ナトリウムを表5の濃度で溶解させた分化誘導培地(2mM Ca2+添加Oral Keratinocyte medium)に交換し、5日間培養した。その後、インサートの電気抵抗値(TER値)をMillicell(登録商標)ERS-2 Voltohmmeter(Millipore社製)により測定した。
測定結果より、分化誘導培地のみ(コントロール)におけるTER値と、TNF-αのみを加えた場合(比較例5-1)のTER値の差を基準とし、実施例におけるTER値と比較例5-1におけるTER値の差から、ヒアルロン酸ナトリウムを添加した場合のバリア機能改善率を算出した(表5)。すなわち、バリア機能改善率(%)は、以下のようにして計算される。
<バリア機能改善率(%)>
=((実施例5‐1におけるTER値-比較例5‐1におけるTER値)/(コントロールにおけるTER値-比較例5‐1におけるTER値))×100
この結果から、バリア機能は口腔ケラチノサイトへのTNF-α添加により低下するが(比較例5-1)、ヒアルロン酸ナトリウムを添加することで、バリア機能が顕著に改善することが確認された(実施例5-1)。
[試験例6 歯根膜線維芽細胞の細胞増殖効果(細胞内酵素測定)]
96well plate(Cell Bind, Corning社)にヒト歯根膜線維芽細胞を細胞数3000cells/wellとなるよう播種した。6時間培養後、ウシ胎仔血清(FBS)(MP Biomedicals、ロットNo.A15035)濃度を10%から0.2%に置き変えて一晩培養した。細胞播種から24時間後にヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、ゼニアオイ抽出物を表6に示す濃度にて溶解させた0.2%FBS含有培地に交換し、48時間から72時間培養した。培養後、血清を含有しない培地で1回洗浄し、Cell Counting Kit-8(CCK-8、Dojindo)により細胞数測定を行った。
0.2%FBS含有培地処理群(比較例6-1)の細胞数を基準とし、細胞数から細胞増殖促進率を算出した(表6)。ここで、CCK-8細胞増殖率は、以下のようにして計算される。
<CCK-8による細胞増殖促進率(%)>
=((各実施例における細胞数/比較例6-1における細胞数)-1)×100
歯周組織の再生又は修復においては、歯根膜線維芽細胞の増殖・遊走作用が重要となる。表6に示す結果から、歯根膜線維芽細胞にヒアルロン酸ナトリウム又はクマザサ抽出物を添加すると、細胞増殖および細胞の活性化度を示す酵素活性が増加することが確認された(実施例6-1~実施例6-6)。
[試験例7 口腔ケラチノサイトの細胞内ヒアルロン酸産生促進効果(遺伝子発現解析)]
24well plate(Cell Bind、Corning社製)にヒト口腔ケラチノサイトを細胞数32000cells/wellで播種した。24時間培養後、表7-aおよびbに示す各成分をそれぞれの濃度にて溶解させた培地に交換し、6時間培養した。培養後、PBS(-)で2回洗浄し、RNeasay Mini Kit(Qiagen社製)を用いてRNAを抽出したのち、TOYOBO ReverTra Ace qPCR RT Master Mix with gDNA Remover(TOYOBO社製)を用いてcDNAを作製した。作製したcDNAをPremix Ex Taq(タカラバイオ社製)を用いてqRT-PCRにより解析した。なお、Taqman ProbeはApplied Biosystemより購入した、GAPDH(Hs02758991_g1)、HAS1(Hs00758053_m1)、HAS3(Hs00193435_m1)を用いた。
測定結果より、培地のみのコントロール(比較例7-1又は8-1)におけるHAS1、HAS3それぞれの発現量を基準とし、各成分を添加した場合の発現促進率を算出した(表7-a、b)。ここで、発現促進率は、以下のようにして計算される。
<発現促進率(%)>
=((各実施例における遺伝子発現量/比較例7-1又は8-1における遺伝子発現量)-1)×100
HAS1は高分子ヒアルロン酸の産生促進に、HAS3は低分子ヒアルロン酸の産生促進に、寄与することが知られている遺伝子である。表7-a及び表7-bに示す結果から、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、ゼニアオイ抽出物を添加することで、ヒアルロン酸産生促進因子であるHAS1、HAS3の発現が亢進されることが確認された(実施例7-1~実施例7-6、実施例8-1~実施例8-5)。また、とりわけヒアルロン酸ナトリウムが、それらの遺伝子の顕著な発現亢進作用を示すことが明らかとなった。
ヒアルロン酸は、真皮のコラーゲンやエラスチンの間を満たす基質に含まれているほか、表皮にも含まれることが知られる。水分を多量に抱えることができ、コラーゲンやエラスチンの構造を支えることで、歯肉のハリ、弾力、保湿に重要な役割を果たす。また、組織が損傷及び破壊された場合に、その治癒過程や炎症への応答としてヒアルロン酸産生が促進することが知られており、抗炎症効果や組織修復効果をもたらす(後藤 真著、炎症、Vol.15,No.2,1995)。
上記結果より、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、ゼニアオイ抽出物は、HAS1およびHAS3の発現を高めることで、歯周組織内のヒアルロン酸量を高め、歯周組織の修復促進、抗炎症効果をもたらし、さらに、歯肉にハリ、弾力をもたせ、歯肉をふっくらとした健康な状態にする効果を有する。
口内の上皮は粘膜組織であり、通常の皮膚とは角化の程度や付属器官の違いがある。さらに、最近では口腔上皮細胞と皮膚上皮細胞で遺伝子発現レベルの比較が行われ、10,000種以上の遺伝子の発現に差異があったこと等が報告されている(Anna Turabelidzeら.PLOS ONE,2014年9月号,Vol.9,Issue 9,e101480)。メカニズムは定かではないが、このような皮膚とは異なる口腔内組織の細胞の遺伝子発現プロファイルにおいて、ヒアルロン酸ナトリウム、クマザサ抽出物、およびゼニアオイ抽出物が口腔内組織の細胞に対して試験例1~7で確認された特有の効果を奏したものと推測される。
本発明の歯周組織再生及び/又は修復促進用組成物、歯肉細胞活性化及び/又は修復促進用組成物、歯槽膿漏予防及び/又は治療用組成物、口腔における抗炎症用組成物、口腔におけるバリア機能向上組成物、並びに口腔における抗菌活性促進用組成物の製剤実施例を以下に示す。
(製剤実施例1:フォーム状マウスウォッシュ)
アラントイン 0.1質量%
セチルピリジニウム塩化物水和物 0.02質量%
リン酸水素ナトリウム水和物 0.04質量%
グリチルリチン酸二カリウム 0.1質量%
2-アルキル-N-カルボキシメチル-
N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 0.5質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1質量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.001質量%
プロピレングリコール 10質量%
クエン酸 適量
フェノキシエタノール 0.2質量%
エデト酸2ナトリウム 0.01質量%
香料 0.1質量%
水 残部
合計 100質量%
(製剤実施例2:マウスウォッシュ)
塩化ベンゼトニウム 0.01質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2質量%
濃グリセリン 5質量%
エタノール 10質量%
キシリトール 0.5質量%
クマザサエキス(固形分換算として) 0.001質量%
クエン酸 適量
パラベン 0.1質量%
エデト酸2ナトリウム 0.01質量%
メントール 0.01質量%
香料 0.02質量%
水 残部
合計 100質量%
(製剤実施例3:歯磨組成物)
酢酸トコフェロール 0.08質量%
アラントイン 0.05質量%
セチルピリジニウム塩化物水和物 0.04質量%
グリチルリチン酸二カリウム 0.2質量%
流動パラフィン 12質量%
モノステアリン酸ソルビタン 1質量%
ポリソルベート60 2質量%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.001質量%
クマザサ抽出物(固形分換算として) 0.00001質量%
パルミチン酸デキストリン 0.3質量%
カルボキシビニルポリマー 1.1質量%
セタノール 5質量%
ラウリル硫酸ナトリウム 2質量%
1,3-ブチレングリコール 5質量%
アルギニン 適量
エデト酸2ナトリウム 0.02質量%
パラベン 0.05質量%
香料 0.2質量%
水 残部
合計 100質量%
(製剤実施例4:歯磨組成物)
マクロゴール400 1質量%
ベンザルコニウム塩化物 0.01質量%
ラウリル硫酸ナトリウム 2質量%
ピロリン酸カルシウム 40質量%
濃グリセリン 15質量%
ゼニアオイ抽出物 (固形分換算として) 0.001質量%
アルギン酸ナトリウム 0.2質量%
カラギーナン 1質量%
クエン酸 適量
フェノキシエタノール 0.3質量%
香料 0.02質量%
水 残部
合計 100質量%

Claims (5)

  1. クマザサ抽出物を含有することを特徴とする、歯根膜線維芽細胞の増殖促進用組成物。
  2. ゼニアオイ抽出物含有することを特徴とする口腔ケラチノサイトの抗炎症用組成物。
  3. ゼニアオイ抽出物及びクマザサ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、口腔ケラチノサイトのバリア機能向上用組成物。
  4. ゼニアオイ抽出物を含有することを特徴とする、口腔ケラチノサイトの抗菌活性促進用組成物。
  5. ゼニアオイ抽出物及びクマザサ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含有することを特徴とする、口腔ケラチノサイトのヒアルロン酸産生促進用組成物。
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