JP2832367B2 - 歯垢形成抑制剤組成物 - Google Patents
歯垢形成抑制剤組成物Info
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Description
れを有効成分として含有する歯垢形成抑制剤組成物に関
する。
なわち、う蝕原因菌であるストレプトコッカス・ミュー
タンス(Streptococcus mutans)は菌体外にグルコシル
トランスフェラーゼ(以下「GTase」と略称する)を分
泌し、この酵素によってショ糖から水不溶性粘着性グル
カンが合成され、さらに、このグルカンを介して、細菌
が菌に付着し、乳酸糖の酸を生産してう蝕歯の原因とな
る。
ンの生成を抑制することが、う蝕の予防の有効な手段と
なる。この水不溶性粘着性グルカンはGTaseを阻害すれ
ば生成が阻害され、従来からGTase阻害剤について種々
の研究がなされている。
用を有する生薬エキスを必須成分とするう蝕予防剤(請
求項1)が開示されており、具体的にはその中でウイキ
ョウ、芍薬、ゲンチアナ、センソ、白朮、龍胆、黄連、
センブリ及び黄今がその必須成分として挙げられてい
る。またその他のGTase阻害剤としては、特開昭59−152
313号公報に開示されているモクマオウ及びオオバヤシ
ャブシの抽出物、特開昭59−152311号公報に開示されて
いる縮合型タンニン等が挙げられる。
害剤は見出されていない。
る生薬抽出物を提供することを目的とする。
ase阻害剤、即ち、歯垢形成抑制剤組成物を提供するこ
とを目的とする。
ユーカリ(植物体地上部)、菱の実並びにザクロの果実
の果皮、樹皮及び根皮からなる群から選ばれる1または
2以上の植物の酸含有有機溶媒抽出物によって達成され
る。
ranium thunbergii Sieb.et Zucc.の多年生草本であ
り、その根を除いた全草をかげ干しにしたものは生薬と
して、保健健胃薬として用いられている。本発明におい
ては植物体地上部を用いる。
lyptus globulus Labill.の常緑樹であり、その葉から
採取したユーカリ油は皮膚クリーム剤、鼻炎吸入剤、う
がい薬等に用いられている。本発明においては。植物体
地上部を用いる。
Trapa bispinosa Roxb.var.NAKANOまたはその同属植物
の果実を乾燥したもので、滋養強壮剤、解熱剤として用
いられ、また生で食用に供される。本発明においてはそ
の果実を用いる。
granatum L.の落葉喬木であり、その果実の果皮は石榴
果皮、その樹皮は石榴幹皮、その根皮は石榴根皮と称さ
れ、駆虫用の生薬として用いられている。本発明におい
てはザクロの果実の果皮、樹皮又は根皮を用いる。
いて説明する。
植物は、細切りまたは粉状化して用いられる。これらの
細切り物または粉状物を有機溶媒に浸漬して脱脂及び植
物色素の除去を行なう。ここで使用される有機溶媒とし
ては、メタノール、エタノール等の低級アルコール、ア
セトン、エチルエーテル、酢酸エチル等が適当である。
この浸漬は、特に加熱を必要とせず、室温、約3〜12時
間で十分である。
を得る。この抽出残渣を風乾し、5〜20倍量の酸含有有
機溶媒を加え抽出を行う。ここで使用される酸は、無機
酸でも有機酸でもよいが、有機酸が好ましい。無機酸と
しては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸
等を挙げることができる。また有機酸としては、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン
酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等を挙げることがで
き、その後の処理の便宜の面から考えると、酢酸が好ま
しい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール等の
低級アルコール等を用いることができるが、エタノール
が好ましい。この酸含有有機溶媒は、酸と有機溶媒との
混合物であって、酸の濃度は、全体の0.1〜20重量%の
範囲が好ましく、特に20重量%が好ましい。抽出は、60
〜90℃、好ましくは80〜90℃で、2〜6時間行えばよ
い。抽出後、濾過して得た酸含有有機溶媒抽出液は、そ
のままでも本発明の歯垢形成抑制剤組成物の有効成分と
して使用できるが、さらに、好ましくは減圧下で濃縮乾
固してもよい。
ここで用いる酸は、無機酸でも有機酸でもよく、無機酸
としては、リン酸、塩酸等を、有機酸としては、リンゴ
酸、クエン酸、酢酸等を挙げることができる。これらの
酸の中では、特にリン酸が好ましい。好ましくは酸を0.
0001〜5重量%含有する1〜80容量%エタノール溶液を
用いる。さらに好ましくは、酸を0.045重量%含有する5
0容量%エタノール溶液を用いる。不溶物は珪藻土、酸
性白土等を用いて濾過を行うか、場合によっては遠心分
離(6000rpm、10〜30分間)を行うことにより除去す
る。
抽出液、もしくは前述の抽出液あるいはその濃縮物ある
いは乾固物を有効成分とするものであるが、液の形態で
保存すると変色し、沈澱を生成し、GTase阻害活性が低
下する傾向がある。この点を改良するため、抽出液にア
ルキル硫酸アルカリ金属塩を0.1〜10重量%加えること
が好ましい。ここで用いられるアルキル硫酸アルカリ金
属塩としては、アルキル基の炭素数が8〜18のものが好
ましく、例として、カプリル硫酸ナトリウム、ラウリル
硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム及びこれら
のカリウム塩、リチウム塩を挙げることができ、特にラ
ウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
り、この抽出液1に対してラウリル硫酸アルカリ金属
塩を1〜100g添加するのが適当である。
で長期間保存しても歯垢形成抑制活性の低下が極めて少
なく、変色や沈澱を生じることもない。この抑制剤組成
物は、歯磨き、マウスウォッシュ等の口腔用組成物に対
し、固形分で0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1重
量%の割合で配合される。
よって測定した。
タンスという)6715株をブレインハートインフュージョ
ン(BHI)培地で24時間、37℃で静置培養し、培養濾液
を6000rpmで15分間遠心分離して培養上清を得る。氷中
下、この上清に硫酸アンモニウムを50%飽和になるまで
添加して塩析し、6000rpmで15分間遠心分離をして沈澱
物を集める。この沈澱物を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)
に溶解し、同一の緩衝液に対して4℃で一晩透析し、GT
ase酵素標品液とする。これを酵素活性の測定に用い
る。
ジ化ナトリウムから成る反応液を調製し、酵素及び試料
を加え、ガラス試験管中で37℃、18時間酵素反応させ
る。この際、酵素量は、上記反応系で550nmの吸光度が
0.5になるように調整する。
光度を測定する。
ってコントロールとし、以下の式からGTase阻害率を算
出する。
後、ガラス試験管(滅菌剤)にそれぞれ2ml及び1ml加え
る。
と試料300μを加え、試験管を30゜に傾けて37℃18時
間培養し、以下のようにして菌体及びグルカンの付着率
を求める。S.ミュータンスは6715株(g型)及びMT8148
株(c型)を用いる。
していない菌体ごと新しい試験管(No.1)に移す。
3回転させる。
を新しい試験管(No.2)に移す。
ボルテックスミキサーでミキシングする。
新しい試験管(No.3)に移す。
る。試験管No.2〜4は水を、No.1はBHI培地をブランク
とする。
る。
粗切物(100g)にエタノール(2000ml)を加え、室温で
12時間浸漬した。浸漬後、濾過を行ない抽出残渣を得
た。次に風乾した抽出残渣をエタノール(1600ml)と酢
酸(400ml)との混合溶媒で90℃、3時間の抽出を行な
った。抽出終了後、濾過を行ない抽出液を得た。得られ
た抽出液を減圧濃縮し、濃縮乾固物(7.4g)を得た。
%エタノール溶液に、濃度が4mg/mlになるように溶解し
た。不溶物を除去するため遠心分離(6000rpm、10分
間)を行ない、更に0.45μmのフィルターで濾過を行な
った。ここで得た濾液100容量部にラウリル硫酸ナトリ
ウムを3重量部の割合で溶解した。
え、室温で約12時間浸漬した。浸漬後、濾過を行ない抽
出残渣を得た。次に風乾した抽出残渣を80%エタノール
(1600ml)と酢酸(400ml)との混合溶媒で90℃、3時
間の抽出を行なった。抽出終了後、濾過を行ない抽出液
を得た。得られた抽出液を減圧濃縮し、濃縮乾固物(1
8.0g)を得た。
%エタノール溶液に、濃度が4mg/mlになるように溶解し
た。不溶物を除去するため遠心分離(6000rpm、10分
間)を行ない、更に0.45μmのフィルターで濾過を行な
った。ここで得た濾液100容量部にラウリル硫酸ナトリ
ウムを3重量部の割合で溶解した。
出し、抽出液を凍結乾燥し抽出物(14.5g)を得た。
で約12時間浸漬した。浸漬後、濾過を行ない抽出残渣を
得た。次に風乾した抽出残渣を80%エタノール(1600m
l)と酢酸(400ml)との混合溶媒で90℃、3時間の抽出
を行なった。抽出終了後、濾過を行ない抽出液を得た。
得られた抽出液を減圧濃縮し、濃縮乾固物(10.7g)を
得た。
%エタノール溶液に、濃度が4mg/mlになるように溶解し
た。不溶物を除去するため遠心分離(6000rpm、10分
間)を行ない、更に0.45μmのフィルターで濾過を行な
った。ここで得た濾液100容量部にラウリル硫酸ナトリ
ウムを3重量部の割合で溶解した。
え、室温で約12時間浸漬した。浸漬後、濾過を行ない抽
出残渣を得た。次に風乾した抽出残渣を80%エタノール
(1600ml)と酢酸(400ml)との混合溶媒で90℃、3時
間の抽出を行なった。抽出終了後、濾過を行ない抽出液
を得た。得られた抽出液を減圧濃縮し、濃縮乾固物(2
1.0g)を得た。
%エタノール溶液に、濃度が4mg/mlになるように溶解し
た。不溶物を除去するため遠心分離(6000rpm、10分
間)を行ない、更に0.45μmのフィルターで濾過を行な
った。ここで得た濾液100容量部にラウリル硫酸ナトリ
ウムを3重量部の割合で溶解した。
を室温で保存した。所定時間経過後のGTase活性の50%
阻害濃度(IC50)(μg/ml)を測定し、沈澱生成及び色
調変化の有無を調べることにより保存安定性を評価し
た。結果を表1に示す。
S.ミュータンス6715株(g型)及びMT8148株(c型)に
対する菌体付着阻害効果について検討した。各試験試料
を加えない場合の付着阻害率を0%として、菌体付着阻
害率を算出した。結果を表2に示す。
物は、液状で保存しても長期間にわたって安定であり、
この安定性はアルキル硫酸アルカリ金属塩を添加するこ
とによりさらに向上することがわかる。
活性の高い、即ち歯垢形成抑制効果の高い、優れた歯垢
形成抑制剤組成物を得ることができる。
リ金属塩を添加することにより、有効成分である生薬抽
出物の沈澱、変色、活性低下を長期間にわたって防止す
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】ゲンノショウコ(植物体地上部)、ユーカ
リ(植物体地上部)、菱の実並びにザクロの果実の果
皮、樹皮及び根皮からなる群から選ばれる植物材料の塩
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、
酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる
少なくとも1種の酸を含有する低級アルコールによる抽
出物を有効成分として含む歯垢形成抑制剤組成物。 - 【請求項2】さらにアルキル硫酸アルカリ金属塩を含有
する請求項(1)記載の歯垢形成抑制剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1177723A JP2832367B2 (ja) | 1989-07-10 | 1989-07-10 | 歯垢形成抑制剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1177723A JP2832367B2 (ja) | 1989-07-10 | 1989-07-10 | 歯垢形成抑制剤組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0344316A JPH0344316A (ja) | 1991-02-26 |
JP2832367B2 true JP2832367B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=16035989
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1177723A Expired - Lifetime JP2832367B2 (ja) | 1989-07-10 | 1989-07-10 | 歯垢形成抑制剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2832367B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3558349B2 (ja) * | 1992-04-24 | 2004-08-25 | 御木本製薬株式会社 | 美白化粧料 |
MY152711A (en) * | 2009-12-04 | 2014-11-28 | Colgate Palmolive Co | Oral compositions containing a combination of natural extracts and related methods |
-
1989
- 1989-07-10 JP JP1177723A patent/JP2832367B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0344316A (ja) | 1991-02-26 |
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