JP2003081847A - う蝕防止剤及び口腔用組成物 - Google Patents

う蝕防止剤及び口腔用組成物

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JP2003081847A
JP2003081847A JP2001276201A JP2001276201A JP2003081847A JP 2003081847 A JP2003081847 A JP 2003081847A JP 2001276201 A JP2001276201 A JP 2001276201A JP 2001276201 A JP2001276201 A JP 2001276201A JP 2003081847 A JP2003081847 A JP 2003081847A
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ampelopsis
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glucosyltransferase
caries
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JP2001276201A
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Shozo Miyoshi
省三 三好
Daisuke Arao
大介 新穂
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Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Maruzen Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ブドウ科アンペロプシス(Ampelo
psis)属植物の抽出物から抽出されるグルコシルト
ランスフェラーゼ阻害物質及びプラーク形成抑制物質を
有効成分として含むう蝕防止剤及び該う蝕防止剤を添加
した口腔用組成物。 【効果】 ブドウ科アンペロプシス(Ampelops
is)属植物の抽出物から抽出されるグルコシルトラン
スフェラーゼ阻害物質及びプラーク形成抑制物質を有効
成分とするう蝕防止剤は、安全性が高く、体内に摂取し
ても心配がない。しかも、ブドウ科アンペロプシス(A
mpelopsis)属植物の抽出物のままでも強いグ
ルコシルトランスフェラーゼ阻害作用及びプラーク形成
抑制作用を示し、口腔用組成物に添加してう蝕予防作用
を付与するのに必要な添加量が極めて僅かで済むもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、う蝕防止剤及び口
腔用組成物に関し、う蝕の原因となるグルカンを合成す
る酵素であるグルコシルトランスフェラーゼの活性を阻
害する作用、及び口腔内微生物の生育場所となるプラー
ク(歯垢)の形成を抑制する作用を兼ね備えたう触防止
剤、並びに該う蝕予防剤を含有する口腔用組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】う蝕の発生には口腔内の微生物、特に、
ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptoc
occus mutans)が産生する酵素であるグル
コシルトランスフェラーゼが関与している。即ち、口腔
内に残った飲食物中のショ糖の一部がグルコシルトラン
スフェラーゼの作用によって水不溶性かつ付着性の強い
グルカンに変化し、それが口腔内微生物と共に歯の表面
に付着してプラーク(歯垢)を形成する。このプラーク内
の微生物が飲食物の糖を代謝して酸を作り、この酸が歯
のエナメル質を脱灰し、浸食を生じるのがう蝕である。
【0003】したがって、う蝕を防ぐには、歯の表面に
付着したプラークを歯磨き等を行って除くだけではな
く、口腔におけるストレプロコッカス・ミュータンスの
増殖やグルコシルトランスフェラーゼの作用を阻害する
ことによってグルカンの生成を防止し、ひいてはプラー
クが生じないようにするのが最も有効な方法であると考
えられる。
【0004】このような観点から、近年、グルコシルト
ランスフェラーゼ阻害作用を有する物質やプラーク形成
を抑制する物質を含有させることにより、う蝕予防作用
を付与した口腔用組成物が提供されている。
【0005】このような用途に適したグルコシルトラン
スフェラーゼ阻害物質としては、例えば、タイソウ、ウ
イキョウ、芍薬、ゲンチアナ、センソ、龍胆、黄連、セ
ンブリ(特開昭58−121218号公報)、エラグ酸
及びエラグ酸を含有するゲンノショウコ、ユーカリ(特
開昭64−10985号公報)、シャクヤク、ビワヨ
ウ、ジョウインチン、チユ(特開平4−95020号公
報)、ムタスティン、生薬タンニン類、エラグ酸、緑茶
ポリフェノール、ウーロン茶抽出物などが提案されてい
るが、更なる、安全かつ高いう触防止効果を有するう触
防止剤の提供が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、優れたグル
コシルトランスフェラーゼ阻害作用及びプラーク形成抑
制作用を兼ね備えた新規な天然系う蝕防止剤、及び該う
触防止剤を添加してなる口腔用組成物を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するため鋭意検討を重ねた結果、藤茶(Ampel
opsis grossedentata)、大叶蛇葡
萄(Ampelopsis megalophyll
a)及び広東蛇葡萄(Ampelopsis cant
oniensis)から選ばれるAmpelopsis
属植物、特に、藤茶枝葉部の抽出物が優れたグルコシル
トランスフェラーゼ阻害作用及びプラーク形成抑制作用
を兼ね備え、グルカンの付着、プラークの形成を効果的
に抑制し得、虫歯や歯周病を効果的に予防できることを
見出し、本発明をなすに至った。
【0008】即ち、本発明は、前記課題を解決するた
め、下記のう蝕防止剤及び口腔用組成物を提供する。
【0009】請求項1の発明は、ブドウ科アンペロプシ
ス(Ampelopsis)属植物の抽出物から抽出さ
れるグルコシルトランスフェラーゼ阻害物質を有効成分
として含むことを特徴とするう蝕防止剤である。
【0010】請求項2の発明は、ブドウ科アンペロプシ
ス(Ampelopsis)属植物の抽出物から抽出さ
れるプラーク形成抑制物質を有効成分として含むことを
特徴とするう蝕防止剤である。
【0011】請求項3の発明は、藤茶(Ampelop
sis grossedentata)、大叶蛇葡萄
(Ampelopsis megalophylla)
及び広東蛇葡萄(Ampelopsis canton
iensis)から選ばれるAmpelopsis属植
物を水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で
抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する請求
項1又は2記載のう蝕防止剤である。
【0012】請求項4の発明は、藤茶の枝葉部を、水若
しくはエタノール又はこれらの混合溶媒で抽出して得ら
れる請求項3記載のう触防止剤である。
【0013】請求項5の発明は、請求項1乃至4のいず
れか1項記載のう蝕防止剤を含有することを特徴とする
口腔用組成物である。
【0014】本発明のう触防止剤は、ブドウ科アンペロ
プシス(Ampelopsis)属植物、特に、藤茶枝
葉部抽出物について初めて確認されたグルコシルトラン
スフェラーゼ阻害作用を利用するものであって、口腔内
でストレプトコッカス・ミュータンスが産生するグルコ
シルトランスフェラーゼの作用によりショ糖がグルカン
に変化してプラーク構成成分となるのを防止する上で極
めて有用なものである。
【0015】また、本発明のう触防止剤は、ブドウ科ア
ンペロプシス(Ampelopsis)属植物、特に、
藤茶枝葉部抽出物について初めて確認されたプラーク形
成抑制作用を利用するものであって、口腔内で生成した
グルカンが付着してプラークとなるのを抑制し、それに
より、う蝕原因微生物の生育場所が形成されるのを防止
する上で極めて有用なものである。
【0016】本発明の口腔用組成物は、上記う触防止剤
を配合することにより、グルコシルトランスフェラーゼ
阻害作用及びプラーク形成抑制作用を付与し得、強力な
う蝕予防作用を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について更に詳しく
説明する。本発明のう蝕防止剤は、ブドウ科アンペロプ
シス(Ampelopsis)属植物から抽出されるグ
ルコシルトランスフェラーゼ阻害物質及びプラーク形成
抑制物質を有効成分として含むものである。
【0018】前記ブドウ科アンペロプシス(Ampel
opsis)属植物としては、例えば、藤茶(Ampe
lopsis grossedentata)、大叶蛇
葡萄(Ampelopsis megalophyll
a)及び広東蛇葡萄(Ampelopsis cant
oniensis)から選ばれる1種又は2種以上が好
適に用いられる。これらの中でも藤茶が好ましい。
【0019】ここで、藤茶は、学名Ampelopsi
s grossedentata(Hand.−Maz
z.)W.T.Wang CVのぶどう科植物であっ
て、中国の中部から南部にわたる広い地域で自生する多
年生の蔓性植物であるが、台湾では栽培もされている。
中国では古来この植物の葉部を飲料として利用する地方
がある他、根部又は全草が黄疸性肝炎、風邪、のどの痛
み、急性結膜炎等の治療のための民間薬として利用され
ている安全性の高い植物である。
【0020】前記藤茶の成分研究については、葉部から
アンペロプシンと呼ばれるフラボノイドを単離したとい
う報告(中国薬学雑誌,vol.31,458〜46
1,1996年)があるが、単離されたアンペロプシン
の薬理作用については血圧降下作用が報告されているに
すぎなかった。
【0021】また、最近の研究によって、藤茶枝葉部抽
出物について血小板凝集抑制作用、活性酸素消去作用、
抗菌作用、消臭作用、退色防止作用、チロシナーゼ阻害
作用、エラスターゼ阻害作用、コラゲナーゼ阻害作用が
報告されている。しかしながら、ブドウ科アンペロプシ
ス(Ampelopsis)属植物、特に藤茶枝葉部の
抽出物がグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用及びプ
ラーク形成抑制作用を有し、う蝕防止に有効であること
は、全く知られておらず、このことは本発明者の新知見
である。
【0022】本発明のう触防止剤の有効成分であるブド
ウ科アンペロプシス(Ampelopsis)属植物の
抽出物中には、前記公知のフラボノイドであるアンペロ
プシンも含まれていると考えられる。このため、ブドウ
科アンペロプシス(Ampelopsis)属植物(特
に藤茶)の抽出物のグルコシルトランスフェラーゼ阻害
作用及びプラーク形成抑制作用にはアンペロプシンが関
与している可能性も考えられたが、後述する実施例の結
果から明らかなように、藤茶枝葉部抽出物のグルコシル
トランスフェラーゼ阻害作用及びプラーク形成抑制作用
に比べてアンペロプシンのグルコシルトランスフェラー
ゼ阻害作用及びプラーク形成抑制作用(特にプラーク形
成抑制作用)は比較的弱く、アンペロプシンの関与はあ
り得るとしても、主要活性成分はアンペロプシンではな
いものと考えられる。
【0023】従って、本発明のう触防止剤において、グ
ルコシルトランスフェラーゼ阻害作用及びプラーク形成
抑制作用がブドウ科アンペロプシス(Ampelops
is)属植物の抽出物中のいかなる化合物によるものな
のかは確認されていないが、おそらくは、複数の化合物
の作用が複合しているものと推察される。
【0024】本発明のう触防止剤は、上記ブドウ科アン
ペロプシス(Ampelopsis)属植物、例えば、
藤茶(Ampelopsis grossedenta
ta)、大叶蛇葡萄(Ampelopsis mega
lophylla)及び広東蛇葡萄(Ampelops
is cantoniensis)から選ばれる1種又
は2種以上を抽出原料とし、水若しくは親水性有機溶媒
又はこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以
下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより得る
ことができる。
【0025】前記抽出溶媒として使用し得る水として
は、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧
水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含ま
れる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺
菌、滅菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等
が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使
用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食
塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれ
る。
【0026】前記親水性有機溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;ア
セトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;
1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙
げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを
用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混
合系溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は
水10質量部に対して1〜90質量部、低級脂肪族ケト
ンの場合は水10質量部に対して1〜40質量部、多価
アルコールの場合は水10質量部に対して10〜90質
量部添加することが好ましい。これらの中でも、抽出溶
媒としては、グルコシルトランスフェラーゼ阻害活性及
びプラーク形成抑制効果の高さの点から、水又は20〜
70質量%(特に20〜50質量%)含水エタノールを
用いることが好ましい。
【0027】具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽
に、ブドウ科アンペロプシス(Ampelopsis)
属植物、例えば、藤茶の枝葉部の乾燥・粉砕物を投入
し、必要に応じて時々攪拌しながら、30分〜2時間静
置して可溶性成分を溶出した後、濾過して固形物を除去
し、得られた抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥するこ
とにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は、抽出原料の
通常5〜15倍量(質量比)であることが好ましく、抽
出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常5
0〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒と
して水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合には、通
常40〜80℃で30分〜4時間程度である。
【0028】ろ過又は遠心分離にて得られた抽出液から
溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られる。更に
乾燥すれば、固形の抽出物が得られる。但し、本発明の
ブドウ科アンペロプシス属植物の抽出物は固形の抽出物
にしたものである必要はなく、上記抽出液又はその濃縮
液の状態であっても構わない。これらは、本発明の目的
達成を妨げない場合、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオ
ン交換樹脂、液―液向流分配などの方法により精製して
から用いても構わない。
【0029】得られたブドウ科アンペロプシス(Amp
elopsis)属植物の抽出物又はこれを適宜精製し
たものは、そのまま、あるいは他の活性物質や成形助剤
と共に、任意の剤形のう触防止剤とすることができる。
【0030】本発明のう触防止剤は、各種口腔用組成物
に添加して口腔内におけるグルカン生成の防止とプラー
ク形成の抑制に寄与することができる。前記口腔用組成
物としては、各種歯磨き類、マウスウォッシュ、トロー
チ、口腔用パスタ、歯肉マッサージクリーム、うがい
剤、口中清涼剤、菓子、パン、キャンディー、チューイ
ンガム、グミ、ゼリー、チョコレート、錠菓、ペットフ
ードなどが挙げられる。この場合、う触防止剤の口腔用
組成物に対する配合量は活性の強さや添加対象物によっ
て異なり一概には規定することはできないが、抽出物と
して約0.001〜5.0質量%であり、特に約0.0
5〜1.0質量%であることが好ましい。
【0031】本発明の口腔用組成物には、ブドウ科アン
ペロプシス(Ampelopsis)属植物の抽出物以
外にも他のグルコシルトランスフェラーゼ阻害剤を併用
してもよく、また、ストレプトコッカス・ミュータンス
に対して有効な抗菌剤を添加してもよい。更に、任意の
抗炎症剤、抗菌剤、消臭剤等を添加することにより、口
腔用剤として一層優れたものを提供することができる。
【0032】前記抗炎症剤としては、例えば、アセンヤ
ク、カンゾウ、ウワウルシ、オウゴン、コウキ、サイ
コ、サンザシ、シゾ、シャクヤク、ソウハクヒ、キョウ
ニン、タイソウ、チョウジ、トウニン、ニクズク、ボタ
ンピ、クワの葉等の抽出物;アズレン、アラントイン、
ウルソール酸、オレアノール酸、グリチルリチン酸、グ
リチルレチン酸又はその誘導体;トコフェロール、トラ
ネキサム酸などを挙げることができる。
【0033】前記抗菌剤としては、例えば、ゴバイシ、
サイシン、サンショ、ショウキョウ、ディル、タイム、
ローズマリー、油溶性甘草エキス等の抽出物;アスコル
ビン酸、ムタスティン、フミン酸、リノール酸、リノレ
ン酸などを挙げることができる。
【0034】前記消臭剤としては、例えば、アマチャ、
ウイキョウ、ウラジロガシ、ケイヒ、コショウ、メー
ス、セージ、シソ、イチョウ、カキ葉、緑茶、ウーロン
茶、トウガラシ、タマリンドハスク等の抽出物;ロジ
ン、カキ渋、アクチゾル、クロロフィリン誘導体、エラ
グ酸、クロルヘキシジン、メイラード反応物などを挙げ
ることができる。
【0035】また、本発明の口腔用組成物には、上記成
分以外にも口腔用組成物に普通に用いられる研磨剤、界
面活性剤、粘着剤、粘稠剤、甘味剤、防腐剤、香料、各
種色素などを目的に応じて適宜選択して配合することが
できる。例えば、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウ
ム、不溶性メタリン酸ナトリウム、アルミノシリケー
ト、無水ケイ酸、レジン等の研磨剤;長鎖アルキル硫酸
ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリル
ジエタノールアマイド、ショ糖脂肪酸エステル等の界面
活性剤;CMC、ヒドロキシエチルセルロース、アルギ
ン酸塩、カラゲナン、アラビアガム、ポリビニルアルコ
ール等の粘着剤;ポリエチレングリコール、ソルビトー
ル、グリセリン、プロピレングリコール等の粘稠剤;サ
ッカリン、ステビオサイド類、グリチルリチン酸、ソー
マチン、アスパルテーム等の甘味剤;デヒドロ酢酸、デ
ヒドロ酢酸ナトリウム等の防腐剤;メントール、カルボ
ン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミン
ト油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジンジャー油、ア
ニス油等の香料;各種色素などを配合し得る。
【0036】
【実施例】以下、製造例及び実施例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に何ら制限され
るものではない。
【0037】〔製造例1〕乾燥した藤茶枝葉部の粉砕物
100gを1000mLの抽出溶媒に入れ、還流加熱下
で4時間抽出した。その後、濾過して得られた抽出液を
減圧下に濃縮してペースト状物を得た。これを凍結乾燥
して、粉末状抽出物を得た。この場合、抽出溶媒を表1
に示したように種々変更して上述の抽出操作を行った。
得られた抽出物の収率を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】〔製造例2〕 アンペロプシンの製造 製造例1で得られた藤茶枝葉部抽出物乾燥品26gを多
孔性樹脂ダイアイオンHP−20(三菱化学製)を充填
したカラムに通し、水及び30容量%含水メタノールで
よく洗浄した後、吸着分画を80容量%含水メタノール
で溶出した。このカラム吸着部分から溶媒を減圧下で留
去して、7.5gの固形分を得た。得られた固形分を分
取用逆相樹脂(富士シリシア製、Chromatore
xODS DM−1020T)及び溶媒として30容量
%含水メタノールを用いたクロマトグラフィーにより分
画した。このアンペロプシンが含まれる分画を分取し、
減圧下で溶媒を留去後、水により再結晶化を行い、2.
7gのアンペロプシンを得た。
【0040】〔実施例1〕 グルコシルトランスフェラ
ーゼ阻害試験 試料溶液(溶媒:50%エタノール)50μL、アジ化
ナトリウム0.1%を含有した2%ショ糖水溶液100
0μL、粗グルコシルトランスフェラーゼ溶液(ストレ
プトコッカス・ミュータンスより調製したもの)50μ
L及び蒸留水900μLを試験管に加え、混合した。3
7℃で5時間反応させた後、生成したグルカンを撹拌器
により水中に分散させ、550nmの吸光度を濁度の指
標として測定した。
【0041】別に、コントロールとして、試料溶液の代
わりに試料溶液の溶媒を加えた場合について同様の操作
を行った。更に、それぞれの場合について粗グルコシル
トランスフェラーゼ溶液を添加せずに同様の操作と測定
を行った。測定結果から、下記の計算式(1)によりグ
ルコシルトランスフェラーゼ活性の阻害率を算出した。
【0042】<数式1> 阻害率(%)=〔1−(A−B)/(C−D)〕×10
0 但し、A:試料溶液の酵素反応後の吸光度 B:試料溶液の酵素無添加時の吸光度 C:コントロールの酵素反応後の吸光度 D:コントロールの酵素無添加時の吸光度
【0043】製造例1の各藤茶枝葉部抽出物500μg
/mL及び製造例2のアンペロプシン500μg/mL
について上記グルコシルトランスフェラーゼ阻害試験を
行った。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】 表2の結果から、藤茶枝葉部抽出物(特に水抽出物及び
水とエタノールの混合溶媒抽出物)は高いグルコシルト
ランスフェラーゼ阻害作用を有することが認められた。
また、アンペロプシンは水抽出物及び水とエタノールの
混合溶媒抽出物に比べてグルコシルトランスフェラーゼ
阻害作用が弱く、アンペロプシンの関与はあり得るとし
ても、主要活性成分ではないことが確認できた。
【0045】〔実施例2〕 プラーク形成抑制試験 予め、秤量した試験管にショ糖2%を含むブレインハー
トインフュージョンブロス(日水製薬社製)5.35m
Lを加えた。加熱滅菌処理後、試料溶液(溶媒:50%
エタノール)0.15mL及びストレプトコッカス・ミ
ュータンス(Streptococcus mutan
s)6715の培養液0.5mLを添加し、37℃で1
9時間培養を行った。培養終了後、上清を静かに除き、
試験管壁のプラーク状付着物をそのまま蒸留水で3回洗
浄した後、105℃で5時間乾燥した。最後に、試験管
ごと秤量して、管内のプラーク状付着物の乾燥質量
(w)gを求めた。
【0046】別に、コントロールとして、試料溶液の代
わりに試料溶液の溶媒を用いて上記と同様の操作を行
い、プラーク状付着物の乾燥質量(W)gを求めた。測
定されたプラーク状付着物の乾燥質量(w)g及び
(W)gから、下記計算式(2)によりプラーク形成抑
制率(%)を算出した。
【0047】<数式2> プラーク形成抑制率(%)=(1−w/W)×100
【0048】製造例1の各藤茶枝葉部抽出物1000μ
g/mL及び製造例2のアンペロプシン500μg/m
Lについて上記プラーク形成抑制試験を行った。結果を
表3に示す。
【0049】
【表3】 表3の結果から、藤茶枝葉部抽出物(特に水抽出物及び
水とエタノールの混合溶媒抽出物)は高いプラーク形成
抑制作用を有することが認められた。また、アンペロプ
シンは水抽出物及び水とエタノールの混合溶媒抽出物に
比べてプラーク形成抑制作用が弱く、アンペロプシンの
関与はあり得るとしても、主要活性成分ではないことが
確認できた。
【0050】〔実施例3〕 練り歯磨き 下記の原料を混合して、う蝕防止作用を有する練り歯磨
きを製造した。 藤茶枝葉部80質量%エタノール抽出物 1質量部 第二リン酸カルシウム 45質量部 CMC・ナトリウム塩 1質量部 グリセリン 20質量部 ラウリル硫酸ナトリウム 2質量部 L−メントール 1質量部 水 30質量部
【0051】〔実施例4〕 マウスウォッシュ 下記の原料を混合して、う蝕防止作用を有するマウスウ
ォッシュを製造した。 藤茶枝葉部50質量%エタノール抽出物 1質量部 エタノール 20質量部 グリセリン 0.2質量部 クロルヘキシジン 5質量部 L−カルボン 0.005質量部 水 74質量部
【0052】〔実施例5〕 チューインガム 下記の原料をチューインガム製造の常法により処理し
て、う蝕予防作用を有するチューインガムを製造した。 藤茶枝葉部50質量%エタノール抽出物 5質量部 チューインガムベース 20質量部 ショ糖 50質量部 水飴 20質量部 軟化剤 4質量部 香料 1質量部
【0053】〔実施例6〕 下記の原料を飴製造の常法により混合、濃縮、成形し
て、う蝕予防作用を有する飴を製造した。 藤茶枝葉部水抽出物 3質量部 ショ糖 70質量部 水飴 30質量部 クエン酸 1質量部 香料 0.1質量部 水 15質量部
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ブドウ科アンペロプシス(Ampelopsis)属植
物、特に藤茶枝葉部から抽出されるグルコシルトランス
フェラーゼ阻害物質及びプラーク形成抑制物質を有効成
分とする天然系う蝕防止剤は、安全性が高く、体内に摂
取しても心配がない。しかも、ブドウ科アンペロプシス
(Ampelopsis)属植物の抽出物のままでも強
いグルコシルトランスフェラーゼ阻害作用及びプラーク
形成抑制作用を示すので、各種口腔用組成物に添加して
う蝕予防作用を付与するのに必要な添加量が極めて僅か
で済むものである。
【0055】従って、本発明によれば、グルカンの付
着、プラークの形成を効果的に抑制し、う蝕の予防が従
来よりも容易になり、虫歯や歯周病を減らすことに充分
貢献することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AA111 AA112 AB282 AC102 AC122 AC302 AC742 AC782 AD212 AD222 AD272 AD532 CC41 DD22 DD23 EE32 4C088 AB56 AC05 BA08 BA09 BA10 CA05 CA06 CA07 MA57 NA14 ZA67 ZB11 ZB35 ZC20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブドウ科アンペロプシス(Ampelo
    psis)属植物の抽出物から抽出されるグルコシルト
    ランスフェラーゼ阻害物質を有効成分として含むことを
    特徴とするう蝕防止剤。
  2. 【請求項2】 ブドウ科アンペロプシス(Ampelo
    psis)属植物の抽出物から抽出されるプラーク形成
    抑制物質を有効成分として含むことを特徴とするう蝕防
    止剤。
  3. 【請求項3】 藤茶(Ampelopsis gros
    sedentata)、大叶蛇葡萄(Ampelops
    is megalophylla)及び広東蛇葡萄(A
    mpelopsis cantoniensis)から
    選ばれるAmpelopsis属植物を水若しくは親水
    性有機溶媒又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる抽
    出物を有効成分として含有する請求項1又は2記載のう
    蝕防止剤。
  4. 【請求項4】 藤茶の枝葉部を、水若しくはエタノール
    又はこれらの混合溶媒で抽出して得られる請求項3記載
    のう触防止剤。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項記載のう
    蝕防止剤を含有することを特徴とする口腔用組成物。
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