JP2967980B2 - 磁性メモリ - Google Patents
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Description
を有する多層磁気抵抗効果膜を用いた磁性メモリに関す
る。
磁気抵抗効果を示す多層膜を用いた磁性メモリが開示さ
れている。このメモリは、アクセス時間が短い、セル面
積が小さいなどの特徴を有する。また、Irie等によ
る Jpn. J. Appl. Phys. Vol.34, pp. L415-417 に記載
の "Spin-Valve Memory Elements Using [[Co-Pt/Cu/Ni
-Fe-Co]/Cu] Multilayers" という論文のように、保磁
力の異なる2種類の磁性層を用いることにより、情報の
変更が可能なメモリを得ることができる。
す多層膜の中には、Dienyらによるフィジカル・レ
ビュ−・B(Physical Review B)、第43巻、第1号、
1297〜1300頁に記載の「軟磁性多層膜における
巨大磁気抵抗効果」 (Giant Magnetoresistance in Soft
Ferromagnetic Multilayers) のように2層の磁性層を
非磁性層で分離し、一方の磁性層に反強磁性層からの交
換バイアス磁界を印加する多層膜がある。
の変化が大きく、このため、磁気抵抗効果型ヘッドに応
用されようとしている。しかし、この型の多層膜は、高
い磁界を印加しても、磁界を除去すると磁化状態が元に
戻るため、このままでは磁性メモリに用いることができ
ない。本発明は、この一方の磁性層に反強磁性層からの
交換バイアス磁界を印加する多層膜を用いた磁性メモリ
を提供することを目的とする。
層、磁性層、非磁性層、磁性層の順に積層された多層膜
の磁性メモリへの適用について検討を行った結果、記録
を行う多層膜からなるメモリセルを反強磁性層のブロッ
キング温度近傍まで加熱し、外部から磁界を印加するこ
とにより、任意のメモリセルに情報を記録できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
の反強磁性層のブロッキング温度近傍までメモリセルを
加熱し、冷却を行う際に、メモリセルに磁界を印加す
る。磁界印加を行うと、反強磁性層に接触した磁性層
は、磁界の向きに磁化される。冷却過程において、磁性
層の冷却中の磁化の向きに影響され、反強磁性層のスピ
ン配列が行われる。その結果、反強磁性層から磁性層に
印加される交換バイアス磁界の向きは、冷却中の磁性層
の磁化の向き、すなわち、冷却中の印加磁界の向きにな
る。従って、任意のメモリセルを加熱し、冷却中に磁界
を印加することにより、任意のメモリセルに印加磁界の
向きに対応した情報を記録することができる。また、こ
の記録の際、他のメモリセルを加熱、冷却しなければ、
他のメモリセルに誤った情報の書き込みが行われること
はない。
第1の磁性層、非磁性層、第2の磁性層の順に積層され
た多層膜を備え、反強磁性層から第1の磁性層に印加さ
れる交換バイアス磁界の向きに対応させて記録値を与え
ることを特徴とする。多層膜に与えた記録値の再生は、
多層膜の電気抵抗率を検出する検出手段と、磁界印加手
段とを備え、磁界印加手段によって向きの変化する外部
磁界を印加しながら多層膜の電気抵抗率を検出すること
により行うことができる。このとき、磁界発生手段は多
層膜の面内で回転する回転磁界を発生し、検出手段は回
転磁界の回転に同期して多層膜の電気抵抗率を検出する
のが好ましい。
性層、第1の磁性層、非磁性層、第2の磁性層の順に積
層された多層膜と、多層膜に複数の方向の磁界を選択的
に印加する磁界印加手段と、多層膜を加熱する加熱手段
とを備え、磁界印加手段により多層膜に所定の方向の磁
界を印加しながら加熱手段によって多層膜を加熱し、反
強磁性層から第1の磁性層に印加される交換バイアス磁
界の作用で第1の磁性層の磁化の向きを磁界印加手段に
より印加された磁界の方向に固定することによって記録
値を与えることを特徴とする。加熱手段は多層膜を反強
磁性層のブロッキング温度以上に加熱するのが望まし
く、またこの加熱手段はレーザ光照射手段とすることが
できる。
性層、第1の磁性層、非磁性層、第2の磁性層の順に積
層された多層膜からそれぞれなる複数のメモリセルと、
メモリセルに向きの変化する磁界を印加する磁界印加手
段と、指定されたメモリセルの電気抵抗率を検出する検
出手段とを備えることを特徴とする。磁界印加手段は多
層膜の面内で回転する回転磁界を発生し、検出手段は回
転磁界の回転に同期して指定されたメモリセルの電気抵
抗率を検出するのが好ましい。
性層、第1の磁性層、非磁性層、第2の磁性層の順に積
層された多層膜からそれぞれなる複数のメモリセルと、
メモリセルに複数の向きの磁界を選択的に印加する磁界
印加手段と、指定されたメモリセルを選択的に加熱する
加熱手段とを備えることを特徴とする。加熱手段は指定
された多層膜を反強磁性層のブロッキング温度以上に加
熱するのが望ましく、この加熱手段はレーザ光照射手段
で構成することができる。
膜磁性メモリへの記録(書き込み)方法を及び再生(読
み出し)方法の一例について簡単に説明する。本発明に
よる多層膜磁性メモリ10は、磁性層12、非磁性層1
3、磁性層14、反強磁性層15の順に積層された構造
を有する。磁性層12と磁性層14は同じ磁性材料で作
られた層とすることができる。
図1(a)に示すように、多層膜10にレーザ光20を
照射して加熱する。加熱温度は、反強磁性膜15のブロ
ッキング温度以上とする。このとき多層膜10に外部磁
界Hを印加しておく。次に、図1(b)に示すように、
外部磁界Hを印加したままレーザ光の照射を止めて多層
膜10を冷却する。このとき磁性層14は、図中に矢印
で示すように外部磁界Hの向きに磁化されている。そし
て、磁性層14の冷却中の磁化の向きに影響され、冷却
過程において反強磁性層15のスピン配列が行われる。
その結果、図1(c)に示すように、反強磁性層15か
ら磁性層14に印加される交換バイアス磁界の向きは、
冷却中の磁性層14の磁化の向き、すなわち、冷却中の
印加磁界の向きになる。
熱した多層膜10に印加する外部磁界Hの向きを逆にす
ると、反強磁性層15から磁性層14に印加される交換
バイアス磁界の向きも逆向きになる。このようにして、
多層膜メモリセルを加熱し、冷却中に磁界を印加するこ
とにより、任意のメモリセルに印加磁界の向きに対応し
た情報を記録することができる。
磁性メモリに記録された情報の再生(読み出し)方法に
ついて説明する。図2は多層膜磁性メモリに多層膜の膜
面内で回転する外部磁界を印加したときの様子を説明す
る図であり、図2(a)は反強磁性層に接する磁性層1
4の磁化の向きと、他方の磁性層12の磁化の向きの変
化を表し、図2(b)は多層膜の磁気抵抗率の変化を表
す。
反強磁性層15から印加される交換バイアス磁界によっ
て、図2の右方向を向いているものとする。この状態で
多層膜に時計回りに回転する回転磁界を印加すると、図
2(a)に矢印で示すように、自由な磁性膜12の磁化
の向きは、回転磁界の方向と同じ方向を向いて一緒に回
転する。一方、磁性膜14の磁化の向きは、反強磁性層
15から印加される交換バイアス磁界の影響を受けて、
右向きに固定されたまま動かない。こうして、2層の磁
性層12,14の磁化のなす角度は、時刻t1では直交
方向、時刻t2では平行方向、時刻t3では直交方向、時
刻t4では反平行方向、時刻t5では直交方向とサイクリ
ックに変化する。
層の磁性層の磁化の向きが互いに平行のとき極小にな
り、2層の磁性層の磁化の向きが互いに反平行のとき極
大になる。従って、多層膜磁性メモリ10の磁気抵抗率
は、印加磁界が回転するとき図2(b)のように変化
し、磁気抵抗率が極小値をとる時刻t2のときの回転磁
界の向き、あるいは磁気抵抗率が極大値をとる時刻t4
のときの回転磁界の向きから磁性膜14の磁化の向き、
すなわち多層膜磁性メモリ10に記録された情報を再生
することができる。このことから明らかなように、本発
明による磁性メモリは、メモリセル中の反強磁性層から
それに接する磁性層に印加される交換バイアス磁界の向
きに対応した多値記録が可能である
施の形態を説明する。図3は、本発明による磁性メモリ
の記録再生系の一例を示す概略平面図である。図3に
は、9つのメモリセル10a〜10iからなる磁性メモ
リが示されている。1つのメモリセルは、例えば1μm
×1μm程度の寸法を有する。各メモリセル10a〜1
0iは、導体16a〜16xによって電流印加・電圧検
出系17に接続されている。また、メモリセル10a〜
10iに磁界を印加するためのコイル21,22が設け
られている。
明による磁性メモリの一例の概略構造を示している。磁
性メモリの各メモリセル10a,10b,10cは、そ
れぞれ基板11上に積層された磁性層12、非磁性層1
3、磁性層14、反強磁性層15からなる多層膜によっ
て構成されている。ここでは、磁性層12および磁性層
14として厚さ5nmのNi−20at%Fe合金を、
非磁性層として厚さ2.5nmのCuを、反強磁性層1
5として厚さ10nmのMn−22at%Ir合金を用
いた。反強磁性層15は磁性層14の上に形成するのが
好ましいが、積層順序を逆にして基板11上に反強磁性
層15を形成し、その上に磁性層14を形成するように
しても構わない。各多層膜からなるメモリセル10a,
10b,10cは、Auからなる導体16a〜16dに
より、電流印加・電圧検出系17に接続されている。
〜16xを介してメモリセルに電流を流し、メモリセル
に磁界を印加する2対の磁界印加コイル21,22によ
り外部磁界を印加しながら、メモリセルの情報を再生す
る。この場合、再生時には、回転磁界を印加することが
好ましい。2対の磁界印加コイル21,22を制御する
ことにより、各メモリセルに回転磁界を印加することが
できる。印加磁界は、磁性層14に印加されている交換
バイアス磁界よりも低い必要がある。メモリセルにおけ
る磁性層14の磁化の向きと、回転する磁界の向き、す
なわち磁性層12の磁化の向きが一致した時に、そのメ
モリセルの電気抵抗率が極小になる。このようなメモリ
セルの電気抵抗の変化を電流印加・電圧検出系17によ
り検出することにより、メモリセルに書き込まれている
情報を再生することができる。
cに記録(書き込み)を行うときは、図4に略示するよ
うに、多層膜からなるメモリセル10cに、レーザ光を
発生する機構18と光学系19によりレーザ光20を照
射し、メモリセル10cを加熱する。加熱は、メモリセ
ル10cを構成する反強磁性層15のブロッキング温度
近傍以上まで行うと、効率良く記録を行うことができ
る。メモリセル10cを加熱した後、レーザ光20の照
射をやめると、メモリセル10cは冷却される。冷却過
程において、メモリセル10cに磁界を印加する磁界印
加コイル21,22により、磁界を印加すると、磁性層
14の冷却中の磁化の向きに影響され、反強磁性層15
のスピン配列が行われる。その結果、反強磁性層15か
ら磁性層14に印加される交換バイアス磁界の向きは、
冷却中の磁性層14の磁化の向き、すなわち冷却中の印
加磁界の向きになる。
冷却中に磁界を印加することにより、任意のメモリセル
に印加磁界の向きに対応した情報を記録することができ
る。印加磁界の向きは多層膜の膜面内で任意に設定する
ことができ、後述する再生時において、磁性層14の磁
化の向きを検出する分解能が高ければ、それだけ多くの
値をひとつのメモリセルに記録することができる。例え
ば、図5に示すように、メモリセル10の4つの向き
A,B,C,Dのどれかにメモリセルを構成する多層膜
の磁性層14の磁化を向けることにより、4値記録が可
能である。4値記録以外にも、例えば角度分解能が30
度ならば、ひとつのメモリセルに12の値を記録する1
2値記録が可能になる。また、レーザ光を上記の任意の
多層膜に照射する機構を備えることにより、ランダムア
クセス記録が可能になる。
セルに記録された情報を再生する方法の一例について説
明する。例えば、メモリセル10aの情報を再生するに
は、メモリセル10aに接点23aで接する導体16a
と接点23bで接する導体16mによりメモリセル10
aに定電流24aを流す。この時、メモリセルに磁界を
印加するコイル21,22により外部磁界を印加しなが
ら、接点23c,23d間の電圧を測定してメモリセル
10aの情報を再生する。メモリセル10bの情報を再
生するには、導体16bおよび導体16nによりメモリ
セル10bに定電流24bを流し、接点23g,23h
間の電圧を測定する。
には導体16e,16f,16q,16nによりメモリ
セル10eに電流を流すことになるが、この場合、導体
16p,16bを通ってメモリセル10aにも電流は分
流する。しかし、予めメモリセル10aの情報は読み出
してあるため、メモリセル10eに流れている電流は明
らかであり、メモリセル10eの電気抵抗も測定でき
る。このようにして、任意のメモリセルの情報を再生す
ることができる。
系の他の例を示す概略平面図、図8はそのAA断面を示
す模式図である。磁性メモリは、Si等の基板11上
に、X方向(図7参照)の電極51,52,53を形成
し、電極51上にメモリセル10a〜10cを、電極5
2上にメモリセル10d〜10fを、電極53上にメモ
リセル10g〜10iを、各メモリセルの下側磁性膜が
電極と接するようにして形成する。隣接するメモリセル
間の空間はSiO2等の絶縁体25で埋める。メモリセ
ル10a〜10iの上には、Y方向の電極56,57,
58を形成する。電極56はメモリセル10a,10
d,10gの反強磁性層と接し、電極57はメモリセル
10b,10e,10hの反強磁性層と接し、電極58
はメモリセル10c,10f,10iの反強磁性層と接
する。
の構造は、図3および図4で説明した構造と同様であ
り、それぞれ基板11上に積層された、磁性層12、非
磁性層13、磁性層14、反強磁性層15からなる。こ
こでは、磁性層12および磁性層14として厚さ5nm
のNi−20at%Fe合金を、非磁性層として厚さ
2.5nmのCuを、反強磁性層15として厚さ10n
mのMn−22at%Ir合金を用いた。
・電圧測定系17に接続されており、電流印加・電圧測
定系17は、指定されたメモリセル10a〜10iの多
層膜に選択的に電流(定電流)を流し、その電流が流れ
た多層膜の電圧を測定することができる。メモリセル1
0a〜10iの周囲には、X方向の磁界を発生するコイ
ル21,21と、Y方向の磁界を発生するコイル22,
22の2組のコイル対が配置されており、コイル21,
21に流す電流とコイル22,22に流す電流を制御す
ることにより、各メモリセル10a〜10iにXY平面
内で回転する回転磁界を印加することができる。メモリ
セル10a〜10iの1個の大きさは1μm×1μm程
度とすることができる。
て説明したように、レーザ光により指定されたメモリセ
ルを加熱しながらコイル21,22に流す電流を制御し
てメモリセルにかかる磁界の方向を制御することにより
行うことができる。このとき、2対の磁界印加機構すな
わちコイル21,22を用いると、前述したように、メ
モリセルに多値記録を行うことができる。
リセルに回転磁界を印加することが好ましい。2対の磁
界印加コイル21,22制御することにより、各メモリ
セルに回転磁界を印加することができる。メモリセルに
おける磁性層12の磁化の向きと、回転する磁界の向き
が一致した時に、そのメモリセルの電気抵抗率が極小に
なり、磁性層12の磁化の向きと回転する磁界の向きが
反平行になった時に、メモリセルの電気抵抗率は極大に
なる。このようなメモリセルの電気抵抗率の変化を電流
印加・電圧検出系17により検出することにより、メモ
リセルに書き込まれている情報を再生することができ
る。
号処理系の概略ブロック図である。この再生信号処理系
は、位相信号発生系61、位相比較系63及び情報変換
系64を備える。位相発生系61は連続的に変化する位
相信号、あるいは例えば0°、90°、180°、27
0°、0°と間欠的にサイクリックに変化する位相信号
を発生し、この位相信号はコイル電流制御系62及び位
相比較系63に供給される。コイル電流制御系62で
は、入力された位相信号に対応する向きの磁界を発生す
るように磁界印加コイル21,22に流す励磁電流を制
御する。ここでは、図5のAの方向を0°方向とし、B
の方向を90°、Cの方向を180°、Dの方向を27
0°というように、時計回りに角度を定義するものとす
る。従って、例えば位相発生系61から0°という位相
信号を受けたコイル電流制御系62は、メモリセルにA
方向の磁界が印加されるように磁界印加コイル21,2
2の励磁電流を制御する。
にして、指定されたメモリセルの電圧を検出する。電流
印加・電圧検出系17で検出されたメモリセルの電圧
は、位相比較系63で位相信号発生系61から供給され
た位相信号と比較され、例えばメモリセルの電圧値が極
大を示す位相についての情報が位相比較系63から次段
の情報変換系64に出力される。情報変換系64では、
入力された位相情報に基づいて、そのメモリセルに記録
されている値を再生し、出力する。
ついて説明する。図10は、2対の磁界印加コイル2
1,22によってメモリセルの位置に発生された外部磁
界の位相と電圧検出系で検出されたメモリセルの電圧変
化の関係の一例を、メモリセルの記録値毎に示した図で
ある。図10(a)は、磁界印加コイル21,22によ
ってメモリセルに印加される外部磁界の位相を、図5の
A方向を+方向とする磁界の強度で表した図である。い
ま、メモリセルの磁性層14の磁化の向きが0°である
図5のAの状態に記録値「0」を、90°であるBの状
態に記録値「1」を、180°であるCの状態に記録値
「2」を、270°であるDの状態に記録値「3」を割
り当てるものとする。
「0」の時、すなわち磁性層14の磁化の向きが0°方
向である時に電流印加・電圧検出系17で検出されるメ
モリセルの電圧波形を示す。このとき、電流印加・電圧
検出系17で検出される電圧波形は、磁性層14の磁化
の向きと外部磁界の向きが一致した時、すなわち位相信
号発生系61から位相比較系63に入力される位相信号
が0°のとき極小値をとり、磁性層14の磁化の向きと
外部磁界の向きが反平行である位相信号180°のとき
極大値をとる。位相比較系63は、電流印加・電圧検出
系17の出力が位相が0°で極小値をとること、あるい
は位相180°で極大値をとることを情報変換系64に
伝達し、情報変換系64はそれを変換テーブルに照らし
て「0」を出力する。
「1」の時、すなわち磁性層14の磁化の向きが90°
方向である時に電流印加・電圧検出系17で検出される
メモリセルの電圧波形を示す。このとき、電流印加・電
圧検出系17で検出される電圧波形は、磁性層14の磁
化の向きと外部磁界の向きが一致した時、すなわち位相
信号発生系61から位相比較系63に入力される位相信
号が90°のとき極小値をとり、磁性層14の磁化の向
きと外部磁界の向きが反平行である位相信号270°の
とき極大値をとる。位相比較系63は、電流印加・電圧
検出系17の出力が位相が90°で極小値をとること、
あるいは位相270°で極大値をとることを情報変換系
64に伝達し、情報変換系64はそれを変換テーブルに
照らして「1」を出力する。
「2」の時、すなわち磁性層14の磁化の向きが180
°方向である時に電流印加・電圧検出系17で検出され
るメモリセルの電圧波形を示し、図10(e)は、メモ
リセルの記録値が「3」の時、すなわち磁性層14の磁
化の向きが270°方向である時に電流印加・電圧検出
系17で検出されるメモリセルの電圧波形を示す。位相
比較系63は、同様にして電流印加・電圧検出系17で
検出されるメモリセルの電圧波形が極小値となる位相あ
るいは極大値となる位相を検出し、情報変換系64に出
力する。情報変換系64は、位相比較系63から供給さ
れた位相情報を変換テーブルと照合して、図10(d)
の場合には「2」を出力し、図10(e)の場合には
「3」を出力する。このようにして、本発明による磁性
メモリは、メモリセル中の反強磁性層15からそれに接
する磁性層14に印加される交換バイアス磁界の向きに
対応した多値記録が可能である。
14として厚さ5nmのNi−20at%Fe合金を、
非磁性層として厚さ2.5nmのCuを、反強磁性層1
5として厚さ10nmのMn−22at%Ir合金を用
いた場合について述べたが、他の磁性層材料でも同様の
効果を得ることができる。非磁性層として、絶縁材料を
用いることもできる。非磁性層として絶縁材料を用いる
場合には、多層膜の上下に設けた電極から2層の磁性層
の間に電圧を印加し、電子が絶縁層をトンネルする必要
がある。
非磁性層、磁性層の順に積層された多層膜によりメモリ
セルを構成し、任意のメモリセルに印加磁界の向きに対
応した情報を記録し、再生することができる。また、記
録の際、他のメモリセルを加熱、冷却しなければ、他の
メモリセルに誤った情報の書き込みが行われることはな
い。
込み)方法を説明する図。
し)方法を説明する図。
示す概略平面図。
一例を説明するための模式図。
を示す概略平面図。
略ブロック図。
相と電圧検出系で検出されたメモリセルの電圧変化の関
係の一例をメモリセルの記録値毎に示した図。
ル、11…基板、12,14…磁性層、13…非磁性
層、15…反強磁性層、16a〜16x…導体、17…
電流印加・電圧検出系、18…レーザ光を発生する機
構、19…光学系、20…レーザ光、21,22…磁界
印加コイル、23a〜23h…接点、24a,24b…
定電流、25…絶縁体、51〜53…電極、56〜58
…電極、61…位相信号発生系、62…コイル電流制御
系、63…位相比較系、64…情報変換系
Claims (6)
- 【請求項1】 反強磁性層、第1の磁性層、非磁性層、
第2の磁性層の順に積層された多層膜により構成される
メモリセルと、前記多層膜の電気抵抗率を検出する検出
手段と、前記多層膜に複数の方向の磁界を選択的に印加
する磁界印加手段と、前記多層膜を加熱する加熱手段と
を備え、前記磁界印加手段により前記多層膜に所定の方
向の磁界を印加しながら前記加熱手段によって前記多層
膜を加熱し、前記第1の磁性層から前記反強磁性層のス
ピン配列を行って記録することを特徴とする磁性メモ
リ。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁性メモリにおいて、前
記反強磁性層から前記第1の磁性層に印加される交換バ
イアス磁界により固定される前記第1の磁性層の磁化の
向きに対応して記録することを特徴とする磁性メモリ。 - 【請求項3】 請求項2記載の磁性メモリにおいて、前
記磁界印加手段は前記多層膜の面内で回転する回転磁界
を発生し、前記検出手段は前記回転磁界の回転に同期し
て前記多層膜の電気抵抗率を検出することを特徴とする
磁性メモリ。 - 【請求項4】 請求項3記載の磁性メモリにおいて、前
記回転磁界と前記多層膜の電気抵抗率の位相差を検出す
ることによって再生を行うことを特徴とする磁性メモ
リ。 - 【請求項5】 請求項4記載の磁性メモリにおいて、前
記加熱手段は前記多層膜を前記反強磁性層のブロッキン
グ温度以上に加熱することを特徴とする磁性メモリ。 - 【請求項6】 請求項5記載の磁性メモリにおいて、前
記加熱手段はレーザ光照射手段であることを特徴とする
磁性メモリ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10027019A JP2967980B2 (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 磁性メモリ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10027019A JP2967980B2 (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 磁性メモリ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11232711A JPH11232711A (ja) | 1999-08-27 |
JP2967980B2 true JP2967980B2 (ja) | 1999-10-25 |
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ID=12209390
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10027019A Expired - Fee Related JP2967980B2 (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 磁性メモリ |
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JP (1) | JP2967980B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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SG115462A1 (en) * | 2002-03-12 | 2005-10-28 | Inst Data Storage | Multi-stage per cell magnetoresistive random access memory |
US7764454B2 (en) * | 2004-07-13 | 2010-07-27 | The Regents Of The University Of California | Exchange-bias based multi-state magnetic memory and logic devices and magnetically stabilized magnetic storage |
-
1998
- 1998-02-09 JP JP10027019A patent/JP2967980B2/ja not_active Expired - Fee Related
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