JP2967742B2 - 電子レンジで使用可能な貴金属による表面装飾器物及びその製造方法 - Google Patents
電子レンジで使用可能な貴金属による表面装飾器物及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジが発す
る高周波電磁波に晒されても損傷しない貴金属による装
飾を表面に施した表面装飾器物およびその製造方法に関
する。
る高周波電磁波に晒されても損傷しない貴金属による装
飾を表面に施した表面装飾器物およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】窯業器物、例えば陶磁器、ガラス器、琺
瑯器等には、優美または豪華な印象を与えるために、そ
の表面に金色または銀色の美しい装飾が施されたものが
ある。この従来の貴金属による表面装飾器物は、金樹脂
硫化バルサムに代表される貴金属の有機化合物を含有す
る水金を、刷毛塗り、スプレー塗り、又は転写紙等によ
り上記器物表面に塗布し、その後焼付けることにより製
造されている。しかしこうして製造された表面装飾器物
を例えば電子レンジにて加熱した場合、電子レンジが発
生する高周波電磁波により貴金属装飾体の表面に火花が
生じ、該装飾体に亀裂が入ったり、剥離する等して損傷
する問題があった。これは貴金属装飾体を構成する貴金
属化合物が導電性であることによるものである。そこで
近年では電子レンジの使用の際に損傷が生じない、非導
電性の貴金属装飾体に関する研究が進められている。
瑯器等には、優美または豪華な印象を与えるために、そ
の表面に金色または銀色の美しい装飾が施されたものが
ある。この従来の貴金属による表面装飾器物は、金樹脂
硫化バルサムに代表される貴金属の有機化合物を含有す
る水金を、刷毛塗り、スプレー塗り、又は転写紙等によ
り上記器物表面に塗布し、その後焼付けることにより製
造されている。しかしこうして製造された表面装飾器物
を例えば電子レンジにて加熱した場合、電子レンジが発
生する高周波電磁波により貴金属装飾体の表面に火花が
生じ、該装飾体に亀裂が入ったり、剥離する等して損傷
する問題があった。これは貴金属装飾体を構成する貴金
属化合物が導電性であることによるものである。そこで
近年では電子レンジの使用の際に損傷が生じない、非導
電性の貴金属装飾体に関する研究が進められている。
【0003】例えば、特開昭55−51776号公報及
び特開昭55−56079号公報では、金色系成分に無
鉛フリットまたは鉛成分の少ないフリットを配合させて
いる。貴金属の各粒子は、それぞれ混合されているフリ
ットに包まれ、焼成に伴うフリットの熔融で各貴金属粒
子がそれぞれガラス化状態となり、耐電性に限らず耐摩
耗性、耐薬品性に優れる、と記載されている。
び特開昭55−56079号公報では、金色系成分に無
鉛フリットまたは鉛成分の少ないフリットを配合させて
いる。貴金属の各粒子は、それぞれ混合されているフリ
ットに包まれ、焼成に伴うフリットの熔融で各貴金属粒
子がそれぞれガラス化状態となり、耐電性に限らず耐摩
耗性、耐薬品性に優れる、と記載されている。
【0004】また、特公平2−36558号公報、特公
平5−13113号公報には、ビスマス、インジウム、
珪素の各有機結合物が調合された上絵付用の水金または
ペースト金が開示されている。該上絵付用貴金属を用い
て形成された貴金属装飾体、即ち金合金は、前記成分に
より非導電性となる、と記載されている。
平5−13113号公報には、ビスマス、インジウム、
珪素の各有機結合物が調合された上絵付用の水金または
ペースト金が開示されている。該上絵付用貴金属を用い
て形成された貴金属装飾体、即ち金合金は、前記成分に
より非導電性となる、と記載されている。
【0005】さらに、特開平6−48779号公報で
は、上記の金合金を非導電性とする成分に加え、バリウ
ムを配合し、金色または銀色の発色性を向上させてい
る。
は、上記の金合金を非導電性とする成分に加え、バリウ
ムを配合し、金色または銀色の発色性を向上させてい
る。
【0006】上述のように、従来の電子レンジで使用可
能な金色系または銀色系の貴金属装飾を施した陶磁器、
ガラス器、琺瑯器等の窯業器物は、上絵付用貴金属中に
絶縁性無機成分を有機結合物の形あるいはフリットの形
で添加することにより、絶縁性をもたせて電子レンジ中
で使用してもスパークしない形をとっていた。
能な金色系または銀色系の貴金属装飾を施した陶磁器、
ガラス器、琺瑯器等の窯業器物は、上絵付用貴金属中に
絶縁性無機成分を有機結合物の形あるいはフリットの形
で添加することにより、絶縁性をもたせて電子レンジ中
で使用してもスパークしない形をとっていた。
【0007】また、特公平3−3481号公報(対応米
国特許第4,713,512号)では、網要素の間隔を
少なくとも0.2mm、網要素の最大の大きさを5mm
として網要素による装飾にてマイクロ波に耐える食器が
記載されている。
国特許第4,713,512号)では、網要素の間隔を
少なくとも0.2mm、網要素の最大の大きさを5mm
として網要素による装飾にてマイクロ波に耐える食器が
記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
55−51776号公報、特開昭55−56079号公
報、特公平2−36558号公報、特公平5−1311
3号公報及び特開平6−48779号公報では、表面装
飾(窯業)器物における貴金属装飾体は貴金属膜の1層
構造であり、いずれもサンドペーパー等で表面を研摩す
ると導電性が表れ、その後電子レンジに入れると局部的
に加熱され、ヒートショックにより破損する。また蒸沸
したアルカリ溶液中に浸されると、貴金属膜中に絶縁成
分がアルカリ中へ溶出してしまい、絶縁性が破壊される
ためその後電子レンジで使用するとスパークしてしま
う。すなわち洗浄用タワシ、研摩剤を用いた洗浄や、ア
ルカリ性の強い洗剤を用いた自動食器洗い機での洗浄等
が繰り返されると、貴金属膜の絶縁性が破壊され電子レ
ンジで使用するとスパークが生じたり、装飾が破損して
しまう。また非導電性を確保するため貴金属中にケイ素
等を配合すると金色、銀色の発色性がやや不良となると
いう問題点があった。
55−51776号公報、特開昭55−56079号公
報、特公平2−36558号公報、特公平5−1311
3号公報及び特開平6−48779号公報では、表面装
飾(窯業)器物における貴金属装飾体は貴金属膜の1層
構造であり、いずれもサンドペーパー等で表面を研摩す
ると導電性が表れ、その後電子レンジに入れると局部的
に加熱され、ヒートショックにより破損する。また蒸沸
したアルカリ溶液中に浸されると、貴金属膜中に絶縁成
分がアルカリ中へ溶出してしまい、絶縁性が破壊される
ためその後電子レンジで使用するとスパークしてしま
う。すなわち洗浄用タワシ、研摩剤を用いた洗浄や、ア
ルカリ性の強い洗剤を用いた自動食器洗い機での洗浄等
が繰り返されると、貴金属膜の絶縁性が破壊され電子レ
ンジで使用するとスパークが生じたり、装飾が破損して
しまう。また非導電性を確保するため貴金属中にケイ素
等を配合すると金色、銀色の発色性がやや不良となると
いう問題点があった。
【0009】また特公平3−3481号公報の網要素に
よる装飾では、網要素に水分が付着して網要素が短絡し
たり網要素に傷がつくと、電子レンジで使用した場合ス
パークしてしまう。
よる装飾では、網要素に水分が付着して網要素が短絡し
たり網要素に傷がつくと、電子レンジで使用した場合ス
パークしてしまう。
【0010】そこで本発明は、電子レンジで使用しても
スパークしたり装飾が破損することなく、化学的、機械
的に耐性があり、かつ金色あるいは銀色の発色性が良好
な貴金属による装飾が施された表面装飾器物を提供する
ことを課題とする。またかかる表面装飾器物の製造方法
を提供することをさらなる課題とする。
スパークしたり装飾が破損することなく、化学的、機械
的に耐性があり、かつ金色あるいは銀色の発色性が良好
な貴金属による装飾が施された表面装飾器物を提供する
ことを課題とする。またかかる表面装飾器物の製造方法
を提供することをさらなる課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、窯業器物の表
面の貴金属による装飾である複数の板状要素について、
隣接する該板状要素の間隔及び個々の該板状要素の最大
の長さを規定するとともに、該板状要素をフリット層で
被覆することにより、電子レンジでの使用耐性、化学
的、機械的耐性を有し、さらに貴金属の発色性に優れた
表面装飾器物を提供する。すなわち該板状要素の間隔等
を規定し、かつ該板状要素をフリット層で被覆すること
により、電子レンジで使用してもスパークしたり装飾が
破損することがない。また該板状要素をフリット層で被
覆しているため化学的、機械的耐性を有する。さらに該
板状要素の間隔等を規定し、かつ該板状要素をフリット
層で被覆することにより、装飾にあたっては通常の導電
性のある上絵付用水金を使用することができ、板状要素
を非導電性とするためにケイ素等を用いる必要がないた
め、金色、銀色等の貴金属の発色性が優れたものとな
る。すなわち請求項1記載の発明は、窯業器物の表面に
貴金属による装飾である複数の板状要素を有し、(a)
隣接する該板状要素の間隔は0.2mm以上であり、個
々の該板状要素の最大の長さは8.5mm以下であるこ
と、(b)隣接する該板状要素の間隔は10mm以上で
あり、個々の該板状要素の最大の長さは12mm以下で
あること、のいずれか1であり、かつ該板状要素がフリ
ット層で被覆されている表面装飾器物である。
面の貴金属による装飾である複数の板状要素について、
隣接する該板状要素の間隔及び個々の該板状要素の最大
の長さを規定するとともに、該板状要素をフリット層で
被覆することにより、電子レンジでの使用耐性、化学
的、機械的耐性を有し、さらに貴金属の発色性に優れた
表面装飾器物を提供する。すなわち該板状要素の間隔等
を規定し、かつ該板状要素をフリット層で被覆すること
により、電子レンジで使用してもスパークしたり装飾が
破損することがない。また該板状要素をフリット層で被
覆しているため化学的、機械的耐性を有する。さらに該
板状要素の間隔等を規定し、かつ該板状要素をフリット
層で被覆することにより、装飾にあたっては通常の導電
性のある上絵付用水金を使用することができ、板状要素
を非導電性とするためにケイ素等を用いる必要がないた
め、金色、銀色等の貴金属の発色性が優れたものとな
る。すなわち請求項1記載の発明は、窯業器物の表面に
貴金属による装飾である複数の板状要素を有し、(a)
隣接する該板状要素の間隔は0.2mm以上であり、個
々の該板状要素の最大の長さは8.5mm以下であるこ
と、(b)隣接する該板状要素の間隔は10mm以上で
あり、個々の該板状要素の最大の長さは12mm以下で
あること、のいずれか1であり、かつ該板状要素がフリ
ット層で被覆されている表面装飾器物である。
【0012】本発明はまた前記表面装飾器物の製造方法
をも提供する。すなわち窯業器物の表面に貴金属による
装飾である複数の板状要素を有し、(a)隣接する該板
状要素の間隔は0.2mm以上であり、個々の該板状要
素の最大の長さは8.5mm以下であること、(b)隣
接する該板状要素の間隔は10mm以上であり、個々の
該板状要素の最大の長さは12mm以下であること、の
いずれか1であり、かつ該板状要素がフリット層で被覆
されている表面装飾器物の製造方法であって、前記窯業
器物の表面に上絵付用貴金属を用いて前記板状要素を形
成するよう板状要素材料を施した後焼成し、次いで該板
状要素をフリット層で被覆し、さらに焼成する(請求項
12)、あるいは前記窒業器物の表面に上絵付用貴金属
を用いて前記板状要素を施した後該板状要素をフリット
層で被覆し、次いで焼成する(請求項13)方法によ
り、前記表面装飾器物を製造することができる。
をも提供する。すなわち窯業器物の表面に貴金属による
装飾である複数の板状要素を有し、(a)隣接する該板
状要素の間隔は0.2mm以上であり、個々の該板状要
素の最大の長さは8.5mm以下であること、(b)隣
接する該板状要素の間隔は10mm以上であり、個々の
該板状要素の最大の長さは12mm以下であること、の
いずれか1であり、かつ該板状要素がフリット層で被覆
されている表面装飾器物の製造方法であって、前記窯業
器物の表面に上絵付用貴金属を用いて前記板状要素を形
成するよう板状要素材料を施した後焼成し、次いで該板
状要素をフリット層で被覆し、さらに焼成する(請求項
12)、あるいは前記窒業器物の表面に上絵付用貴金属
を用いて前記板状要素を施した後該板状要素をフリット
層で被覆し、次いで焼成する(請求項13)方法によ
り、前記表面装飾器物を製造することができる。
【0013】その他の従属請求項は好ましい実施態様を
表している。すなわち本発明の表面装飾器物またはその
製造方法において、貴金属が白金、パラジウム、銀から
なる群より選ばれた金属及び金、または金を含有するこ
とが好ましい(請求項2、14)。
表している。すなわち本発明の表面装飾器物またはその
製造方法において、貴金属が白金、パラジウム、銀から
なる群より選ばれた金属及び金、または金を含有するこ
とが好ましい(請求項2、14)。
【0014】前記板状要素の厚さは0.1〜50μmで
あることが好ましい(請求項3、15)。
あることが好ましい(請求項3、15)。
【0015】前記フリット層の層厚は0.1〜50μm
であることが好ましい(請求項4、16)。かかる層厚
とすることにより、貴金属の発色性が良好となるととも
に電子レンジでの使用耐性を有することができるのであ
る。
であることが好ましい(請求項4、16)。かかる層厚
とすることにより、貴金属の発色性が良好となるととも
に電子レンジでの使用耐性を有することができるのであ
る。
【0016】前記フリット層は次に示す組成、Na2O
0〜9重量%、K2O 0〜10.5重量%、Li2O
0〜10.5重量%、CaO 0〜9重量%、MgO
0〜3重量%、B2O3 8〜20重量%、SiO2 5
3〜62(好ましくは54〜62)重量%、ZrO2
0〜2重量%、P2O5 0〜3重量%、Al2O310〜
18重量%(ただし、上記組成中、Na2O、K2O、C
aOの3成分の合計が6重量%以上であり、全組成の合
計は100重量%である。)から構成されることが好ま
しい(請求項5、17)。かかる組成とすることによ
り、貴金属の発色を実質的に損なうことなく電子レンジ
での使用耐性を付与することができる。
0〜9重量%、K2O 0〜10.5重量%、Li2O
0〜10.5重量%、CaO 0〜9重量%、MgO
0〜3重量%、B2O3 8〜20重量%、SiO2 5
3〜62(好ましくは54〜62)重量%、ZrO2
0〜2重量%、P2O5 0〜3重量%、Al2O310〜
18重量%(ただし、上記組成中、Na2O、K2O、C
aOの3成分の合計が6重量%以上であり、全組成の合
計は100重量%である。)から構成されることが好ま
しい(請求項5、17)。かかる組成とすることによ
り、貴金属の発色を実質的に損なうことなく電子レンジ
での使用耐性を付与することができる。
【0017】さらに前記フリット層は次に示す組成、N
a2O 0〜9重量%、K2O 0〜10.5重量%、L
i2O 0〜10.5重量%、CaO 0〜9重量%、
MgO 0〜4重量%、B2O3 8〜20重量%、Si
O2 52〜62重量%、ZrO2 0〜4重量%、P2
O5 0〜3重量%、Al2O3 8〜18重量%、Ba
O 0〜7重量%、SrO 0〜4.5重量%(ただ
し、上記組成中、Na2O、K2O、CaOの3成分の合
計が6重量%以上であり、全組成の合計は100重量%
である。)から構成されることが好ましい(請求項8、
20)。かかる組成とすることにより、電子レンジでの
使用耐性を有し、またBaO、SrOの含有により貴金
属の発色性を改善(発色幅の増大)することができる。
a2O 0〜9重量%、K2O 0〜10.5重量%、L
i2O 0〜10.5重量%、CaO 0〜9重量%、
MgO 0〜4重量%、B2O3 8〜20重量%、Si
O2 52〜62重量%、ZrO2 0〜4重量%、P2
O5 0〜3重量%、Al2O3 8〜18重量%、Ba
O 0〜7重量%、SrO 0〜4.5重量%(ただ
し、上記組成中、Na2O、K2O、CaOの3成分の合
計が6重量%以上であり、全組成の合計は100重量%
である。)から構成されることが好ましい(請求項8、
20)。かかる組成とすることにより、電子レンジでの
使用耐性を有し、またBaO、SrOの含有により貴金
属の発色性を改善(発色幅の増大)することができる。
【0018】前記フリット層は前記フリット組成100
重量部に対して20重量部以下のPbOをさらに含むこ
とが好ましい(請求項6、18)。かかる組成とするこ
とにより光沢、透光性、色調に優れた貴金属色を得るこ
とができる。
重量部に対して20重量部以下のPbOをさらに含むこ
とが好ましい(請求項6、18)。かかる組成とするこ
とにより光沢、透光性、色調に優れた貴金属色を得るこ
とができる。
【0019】前記フリット層は耐電圧が80V以上であ
ることが好ましい(請求項7、19)。該耐電圧が80
V以上であることにより、電子レンジでの使用耐性を有
することができる。なお本発明において数値範囲は両端
値のみならず、その中に含まれるすべての中間値を含む
ものとする。
ることが好ましい(請求項7、19)。該耐電圧が80
V以上であることにより、電子レンジでの使用耐性を有
することができる。なお本発明において数値範囲は両端
値のみならず、その中に含まれるすべての中間値を含む
ものとする。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は上記したように、貴金属
による装飾である複数の板状要素について、隣接する該
板状要素の間隔及び個々の該板状要素の最大の長さを規
定するとともに、該板状要素をフリット層で被覆するこ
とにより、上記した問題点をすべて解決し、電子レンジ
が発生する高周波電磁波によるスパーク等を防止し、化
学的耐久性、耐摩耗性等を有し、さらに金色、銀色等の
発色性に優れた表面装飾器物を提供する。
による装飾である複数の板状要素について、隣接する該
板状要素の間隔及び個々の該板状要素の最大の長さを規
定するとともに、該板状要素をフリット層で被覆するこ
とにより、上記した問題点をすべて解決し、電子レンジ
が発生する高周波電磁波によるスパーク等を防止し、化
学的耐久性、耐摩耗性等を有し、さらに金色、銀色等の
発色性に優れた表面装飾器物を提供する。
【0021】本発明に用いる窯業器物としては電子レン
ジによる高周波電磁波に耐えるものであれば特に制限は
ないが、例えば土器、陶器、磁器、石器等の陶磁器、れ
んが等の耐火物、ガラス、琺瑯、セラミック等が挙げら
れる。
ジによる高周波電磁波に耐えるものであれば特に制限は
ないが、例えば土器、陶器、磁器、石器等の陶磁器、れ
んが等の耐火物、ガラス、琺瑯、セラミック等が挙げら
れる。
【0022】窯業器物の表面に貴金属による装飾を施す
にあたって、電子レンジでの使用耐性を付与するため装
飾体自体を非導電性にしようとすると、貴金属にケイ
素、インジウム、カルシウム等を添加しなければならな
いが、上記ケイ素等の添加により金色、銀色の発色がや
や不良となるという問題があった。このため本発明にお
いて、装飾体を構成する板状要素の間隔等について一定
の規定を設けることにより、貴金属による装飾を施すに
あたって通常の導通性のある上絵付用水金を用いても電
子レンジ内でのスパーク等を防止することが可能となっ
た。次に該規定について説明する。
にあたって、電子レンジでの使用耐性を付与するため装
飾体自体を非導電性にしようとすると、貴金属にケイ
素、インジウム、カルシウム等を添加しなければならな
いが、上記ケイ素等の添加により金色、銀色の発色がや
や不良となるという問題があった。このため本発明にお
いて、装飾体を構成する板状要素の間隔等について一定
の規定を設けることにより、貴金属による装飾を施すに
あたって通常の導通性のある上絵付用水金を用いても電
子レンジ内でのスパーク等を防止することが可能となっ
た。次に該規定について説明する。
【0023】まず隣接する板状要素の間隔は0.2mm
以上であることが必要である。0.2mm未満では表面
装飾器物を電子レンジで使用した場合にスパーク等して
しまう。ここで間隔とは互いに隣接する板状要素と板状
要素との距離をいう。例えば図1において互いに隣接す
る板状要素である2つの正方形1の間隔はaである。
以上であることが必要である。0.2mm未満では表面
装飾器物を電子レンジで使用した場合にスパーク等して
しまう。ここで間隔とは互いに隣接する板状要素と板状
要素との距離をいう。例えば図1において互いに隣接す
る板状要素である2つの正方形1の間隔はaである。
【0024】次に個々の板状要素の最大の長さは8.5
mm以下であることが必要である。8.5mmより大き
いと表面装飾器物を電子レンジで使用した場合にスパー
ク等してしまう。ここで最大の長さとは板状要素の任意
の2点を結んだ長さの最大のものをいう。例えば図2の
ごとき葉状の板状要素2の最大の長さはbである。また
図3のごときL字形の板状要素3においては、最大の長
さはc+dである。
mm以下であることが必要である。8.5mmより大き
いと表面装飾器物を電子レンジで使用した場合にスパー
ク等してしまう。ここで最大の長さとは板状要素の任意
の2点を結んだ長さの最大のものをいう。例えば図2の
ごとき葉状の板状要素2の最大の長さはbである。また
図3のごときL字形の板状要素3においては、最大の長
さはc+dである。
【0025】板状要素の形状は特に制限されない。例え
ば円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、台形、平行四
辺形、正三角形、正五角形、正六角形、縄状、葉状、星
形、アメーバ状等が挙げられる。しかし例えば円形、楕
円形のごとく尖鋭な点(例えば図1における正方形1の
A点、図2における板状要素2のB点、あるいは針状の
板状要素の端点等(90°以下の鋭角な角部))を有し
ない形状の場合に、上記の規定を設けた効果は著しい。
すなわち上記規定を設けることにより、板状要素のすべ
ての縁端部分が丸みを帯びた形状の場合、かかる板状要
素を有する表面装飾器物を電子レンジで使用してもスパ
ーク等発生の危険とこれに伴う装飾の破壊の危険が大幅
に減少する。
ば円形、楕円形、正方形、長方形、菱形、台形、平行四
辺形、正三角形、正五角形、正六角形、縄状、葉状、星
形、アメーバ状等が挙げられる。しかし例えば円形、楕
円形のごとく尖鋭な点(例えば図1における正方形1の
A点、図2における板状要素2のB点、あるいは針状の
板状要素の端点等(90°以下の鋭角な角部))を有し
ない形状の場合に、上記の規定を設けた効果は著しい。
すなわち上記規定を設けることにより、板状要素のすべ
ての縁端部分が丸みを帯びた形状の場合、かかる板状要
素を有する表面装飾器物を電子レンジで使用してもスパ
ーク等発生の危険とこれに伴う装飾の破壊の危険が大幅
に減少する。
【0026】一方正方形、星形等尖鋭な点を有する形状
の場合にも、板状要素の間隔及び最大の長さについて上
記の規定を設けた効果は大きい。しかし個々の板状要素
の最大の長さを6mm以下とすることがより好ましい。
かかる板状要素を有する表面装飾器物を電子レンジで使
用した場合、該尖鋭な点においてスパーク等が発生する
可能性がやや高いためである。なお個々の板状要素の最
大の長さが0.3mm未満であると、装飾的価値が減少
するとともに装飾が技術的に困難であるため必ずしも好
ましくはない。
の場合にも、板状要素の間隔及び最大の長さについて上
記の規定を設けた効果は大きい。しかし個々の板状要素
の最大の長さを6mm以下とすることがより好ましい。
かかる板状要素を有する表面装飾器物を電子レンジで使
用した場合、該尖鋭な点においてスパーク等が発生する
可能性がやや高いためである。なお個々の板状要素の最
大の長さが0.3mm未満であると、装飾的価値が減少
するとともに装飾が技術的に困難であるため必ずしも好
ましくはない。
【0027】また隣接する板状要素の間隔が10mm以
上である場合、個々の板状要素の最大の長さは12mm
以下である。板状要素の最大の長さが前記の8.5mm
より長いが、これは板状要素の間隔が10mm以上と長
いため、かかる板状要素を有する表面装飾器物を電子レ
ンジで使用してもスパーク等が発生し難いためである。
上である場合、個々の板状要素の最大の長さは12mm
以下である。板状要素の最大の長さが前記の8.5mm
より長いが、これは板状要素の間隔が10mm以上と長
いため、かかる板状要素を有する表面装飾器物を電子レ
ンジで使用してもスパーク等が発生し難いためである。
【0028】なお隣接する板状要素の間隔については、
すべての間隔が同一である必要はない。また個々の板状
要素の最大の長さについても、すべての板状要素の最大
の長さが同一である必要はない。さらに個々の板状要素
の形状は互いに同一である必要もない。
すべての間隔が同一である必要はない。また個々の板状
要素の最大の長さについても、すべての板状要素の最大
の長さが同一である必要はない。さらに個々の板状要素
の形状は互いに同一である必要もない。
【0029】なお板状要素は複数の層からなっているも
のであってもよい。例えば窯業器物の表面にまず銀色系
の板状要素が施され、次いで該板状要素の上に金色系の
同一形状、同一の最大の長さの板状要素が施され、2層
となっている場合であっても差し支えない。
のであってもよい。例えば窯業器物の表面にまず銀色系
の板状要素が施され、次いで該板状要素の上に金色系の
同一形状、同一の最大の長さの板状要素が施され、2層
となっている場合であっても差し支えない。
【0030】本発明では板状要素をフリット層で被覆す
ることとしたため、貴金属による装飾を施すにあたって
は、板状要素を非導電性とするための成分であるケイ
素、インジウム、カルシウム等を必ずしも含有させる必
要がない。すなわち装飾には金色系、銀色系の発色を示
す通常の導電性のある上絵付用水金を用いることがで
き、ケイ素、インジウム、カルシウム等を用いることに
よる貴金属色の発色不良を防止することができる。
ることとしたため、貴金属による装飾を施すにあたって
は、板状要素を非導電性とするための成分であるケイ
素、インジウム、カルシウム等を必ずしも含有させる必
要がない。すなわち装飾には金色系、銀色系の発色を示
す通常の導電性のある上絵付用水金を用いることがで
き、ケイ素、インジウム、カルシウム等を用いることに
よる貴金属色の発色不良を防止することができる。
【0031】本発明では板状要素は白金、パラジウム、
銀からなる群より選ばれた金属及び金を含有することに
より、または金を含有することにより、銀色または金色
の貴金属色を発色することができる。金は金色を発色さ
せるために用いる。白金、パラジウム、銀は金と併用し
て銀色を発色させるために用いる。すなわち特に明るい
色調の銀色系色調の板状要素を形成するためには、板状
要素の金属組成は、金に白金、パラジウム、銀から選ば
れた銀色系金属が所定量添加された組成とすることが好
ましい。添加量は金100重量部に対して0.5〜5.
0重量部であることが好ましい。かかる範囲であること
により板状要素の銀色の発色が優れたものとなる。
銀からなる群より選ばれた金属及び金を含有することに
より、または金を含有することにより、銀色または金色
の貴金属色を発色することができる。金は金色を発色さ
せるために用いる。白金、パラジウム、銀は金と併用し
て銀色を発色させるために用いる。すなわち特に明るい
色調の銀色系色調の板状要素を形成するためには、板状
要素の金属組成は、金に白金、パラジウム、銀から選ば
れた銀色系金属が所定量添加された組成とすることが好
ましい。添加量は金100重量部に対して0.5〜5.
0重量部であることが好ましい。かかる範囲であること
により板状要素の銀色の発色が優れたものとなる。
【0032】さらにビスマス、ロジウム、クロム、バナ
ジウム等を含有することもできる。金にロジウムを添加
すると、750℃以上での板状要素の強度の増強効果が
得られる。またビスマスを添加すると、明るい色調の金
色を帯びた板状要素が得られ、さらに陶磁器、琺瑯器等
の素地との接着強度が増加する。またクロムを添加する
と、不純物としてアルカリが含まれている場合の焼成膜
の不安定化と発色が損なわれることを防止することがで
きる。さらにバナジウムを添加すると、例えば板ガラス
等比較的低温で焼き付ける必要のあるものについて金等
の固着強度を増加させることができる。ロジウムは金1
00重量部に対して0.1〜2重量部添加することが好
ましく、ビスマスは金100重量部に対して1〜10重
量部添加することが好ましい。またクロムは金100重
量部に対して0.1〜2重量部添加することが好まし
く、バナジウムは金100重量部に対して0.1〜2重
量部添加することが好ましい。さらに銀色系色調の板状
要素においても、金色の板状要素と同一の目的でロジウ
ム、ビスマス、クロム、バナジウムを添加することが好
ましい。ロジウムは金100重量部に対して0.1〜2
重量部添加することが好ましく、ビスマスは金100重
量部に対して1〜10重量部添加することが好ましい。
またクロムは金100重量部に対して0.1〜2重量部
添加することが好ましく、バナジウムは金100重量部
に対して0.1〜2重量部添加することが好ましい。
ジウム等を含有することもできる。金にロジウムを添加
すると、750℃以上での板状要素の強度の増強効果が
得られる。またビスマスを添加すると、明るい色調の金
色を帯びた板状要素が得られ、さらに陶磁器、琺瑯器等
の素地との接着強度が増加する。またクロムを添加する
と、不純物としてアルカリが含まれている場合の焼成膜
の不安定化と発色が損なわれることを防止することがで
きる。さらにバナジウムを添加すると、例えば板ガラス
等比較的低温で焼き付ける必要のあるものについて金等
の固着強度を増加させることができる。ロジウムは金1
00重量部に対して0.1〜2重量部添加することが好
ましく、ビスマスは金100重量部に対して1〜10重
量部添加することが好ましい。またクロムは金100重
量部に対して0.1〜2重量部添加することが好まし
く、バナジウムは金100重量部に対して0.1〜2重
量部添加することが好ましい。さらに銀色系色調の板状
要素においても、金色の板状要素と同一の目的でロジウ
ム、ビスマス、クロム、バナジウムを添加することが好
ましい。ロジウムは金100重量部に対して0.1〜2
重量部添加することが好ましく、ビスマスは金100重
量部に対して1〜10重量部添加することが好ましい。
またクロムは金100重量部に対して0.1〜2重量部
添加することが好ましく、バナジウムは金100重量部
に対して0.1〜2重量部添加することが好ましい。
【0033】なお貴金属の発色性はやや不良となるが、
板状要素を非導電性(絶縁性)とするために例えばカル
シウム、インジウム、ケイ素等を含有させることもでき
る。板状要素を非導電性とすることにより、高周波電磁
波に対する耐久性がより向上する。かかる場合、より明
るい金色系色調の貴金属装飾体を形成する観点から板状
要素を構成する金色系成分は、金が60〜90重量%、
ケイ素が3〜15重量%、インジウムが2〜11重量
%、カルシウムが2〜14重量%の範囲内で合計が10
0重量%となるように金属組成を調整することが好まし
い。
板状要素を非導電性(絶縁性)とするために例えばカル
シウム、インジウム、ケイ素等を含有させることもでき
る。板状要素を非導電性とすることにより、高周波電磁
波に対する耐久性がより向上する。かかる場合、より明
るい金色系色調の貴金属装飾体を形成する観点から板状
要素を構成する金色系成分は、金が60〜90重量%、
ケイ素が3〜15重量%、インジウムが2〜11重量
%、カルシウムが2〜14重量%の範囲内で合計が10
0重量%となるように金属組成を調整することが好まし
い。
【0034】板状要素の厚さは0.1〜50μmの任意
の厚さであることが好ましい。より好ましくは0.1〜
10μmである。厚さを0.1〜50μmとすることに
より金色、銀色の発色を安定させ得るとともに経済性を
も充足し得るからである。
の厚さであることが好ましい。より好ましくは0.1〜
10μmである。厚さを0.1〜50μmとすることに
より金色、銀色の発色を安定させ得るとともに経済性を
も充足し得るからである。
【0035】板状要素は間隔、最大の長さ等については
前記のごとく規定しているが、かかる規定のみでは電子
レンジ内でのスパーク等を完全に防止することは困難で
ある。例えば板状要素に水分が付着して板状要素が短絡
したりピンホール等の傷が発生した場合にはスパーク等
を防止することは困難となる。したがって該板状要素を
保護するため、沸騰アルカリ溶液などの化学薬品に対す
る耐性及び機械的摩耗に対する強度を有するフリット層
により、該板状要素を被覆することが必要である。かか
る点から該フリット層は均一且つ緻密な層でなければな
らない。さらに該フリット層は板状要素の色調を活かす
ことが必要であり、透明度は重要な要件である。
前記のごとく規定しているが、かかる規定のみでは電子
レンジ内でのスパーク等を完全に防止することは困難で
ある。例えば板状要素に水分が付着して板状要素が短絡
したりピンホール等の傷が発生した場合にはスパーク等
を防止することは困難となる。したがって該板状要素を
保護するため、沸騰アルカリ溶液などの化学薬品に対す
る耐性及び機械的摩耗に対する強度を有するフリット層
により、該板状要素を被覆することが必要である。かか
る点から該フリット層は均一且つ緻密な層でなければな
らない。さらに該フリット層は板状要素の色調を活かす
ことが必要であり、透明度は重要な要件である。
【0036】さらにフリット層は被装飾体である窯業器
物の素地又は釉の熔融軟化温度以下で焼成されることが
必要である。従って、フリット液は、その軟化温度が例
えばガラスでは略450〜600℃、陶磁器では略70
0〜900℃、琺瑯器では略750〜850℃となるよ
うに組成を調整することが必要である。
物の素地又は釉の熔融軟化温度以下で焼成されることが
必要である。従って、フリット液は、その軟化温度が例
えばガラスでは略450〜600℃、陶磁器では略70
0〜900℃、琺瑯器では略750〜850℃となるよ
うに組成を調整することが必要である。
【0037】加えてフリット層の組成は、被装飾体の熱
膨張係数に近いものを選択することも、フリット層の貫
入等の欠陥発生を防止するために重要である。なおこの
目的の達成には上記の熱膨張係数だけでなくフリット層
の弾性率及び引張り強度も関与する。弾性率はフリット
層の貫入防止のための重要な要因であり、引張り強度は
表面に存在する微小な亀裂による脆性破壊を防止するた
めの重要な要因だからである。
膨張係数に近いものを選択することも、フリット層の貫
入等の欠陥発生を防止するために重要である。なおこの
目的の達成には上記の熱膨張係数だけでなくフリット層
の弾性率及び引張り強度も関与する。弾性率はフリット
層の貫入防止のための重要な要因であり、引張り強度は
表面に存在する微小な亀裂による脆性破壊を防止するた
めの重要な要因だからである。
【0038】以上から、本発明にかかるフリット層は、
ガラス形成酸化物であるSiO2、B2O3及びAl2O3
を主とし、これにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物を適宜加えた組成とする。さらに前記組成1
00重量部に対して20重量部以下のPbOを加えると
光沢が著しく良くなり、透光性も良く、色調の良い貴金
属色を得ることが出来る。
ガラス形成酸化物であるSiO2、B2O3及びAl2O3
を主とし、これにアルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物を適宜加えた組成とする。さらに前記組成1
00重量部に対して20重量部以下のPbOを加えると
光沢が著しく良くなり、透光性も良く、色調の良い貴金
属色を得ることが出来る。
【0039】フリット層に関しては、スパーク等の発生
を防止し、貴金属の発色性を損なわずかつ化学的、機械
的耐久性を持たせる観点から次に示す組成のものが好ま
しい。すなわちフリット層の組成は、Na2Oが0〜9
重量%(以下同じ)、K2Oが0〜10.5%、Li2O
が0〜10.5%、CaOが0〜9%、MgOが0〜3
%、Al2O3が10〜18%、B2O3が8〜20%、S
iO2が53〜62(好ましくは54〜62)%、Zr
O2が0〜2%、P2O5が0〜3%の任意の量であり、
かつ前記組成中Na2O、K2O、CaOの3成分の合計
は6%以上の任意の量で、全組成の合計は100%であ
る。さらに前記組成に対してPbOが0〜20%添加さ
れていてもよい。
を防止し、貴金属の発色性を損なわずかつ化学的、機械
的耐久性を持たせる観点から次に示す組成のものが好ま
しい。すなわちフリット層の組成は、Na2Oが0〜9
重量%(以下同じ)、K2Oが0〜10.5%、Li2O
が0〜10.5%、CaOが0〜9%、MgOが0〜3
%、Al2O3が10〜18%、B2O3が8〜20%、S
iO2が53〜62(好ましくは54〜62)%、Zr
O2が0〜2%、P2O5が0〜3%の任意の量であり、
かつ前記組成中Na2O、K2O、CaOの3成分の合計
は6%以上の任意の量で、全組成の合計は100%であ
る。さらに前記組成に対してPbOが0〜20%添加さ
れていてもよい。
【0040】Li2O、MgO、ZrO2、P2O5につい
ては、これらの成分を前記範囲内で増減することによ
り、貴金属の発色を光沢から艶消し状まで目的に応じて
自在に調整できる。例えばこれら成分の含有量が少ない
と発色は光沢色となり、これら成分の含有量が多いとマ
ット色となる。一方上記配合範囲を越えると貴金属の有
する色調を損なう。
ては、これらの成分を前記範囲内で増減することによ
り、貴金属の発色を光沢から艶消し状まで目的に応じて
自在に調整できる。例えばこれら成分の含有量が少ない
と発色は光沢色となり、これら成分の含有量が多いとマ
ット色となる。一方上記配合範囲を越えると貴金属の有
する色調を損なう。
【0041】Na2O、K2O、CaOについてはこれら
3成分の合計が6%より少なくなるとフリットの溶けが
悪くなり発色が悪くなる。また前記範囲を越えるとガラ
スの透明感がでてきて発色はよくなるが、電子レンジ内
での熱衝撃に弱くなりクラックが発生する。
3成分の合計が6%より少なくなるとフリットの溶けが
悪くなり発色が悪くなる。また前記範囲を越えるとガラ
スの透明感がでてきて発色はよくなるが、電子レンジ内
での熱衝撃に弱くなりクラックが発生する。
【0042】Al2O3、SiO2については前記範囲よ
り少なくなると化学的耐久性が悪くなり、また多くなる
と溶けが悪く発色不良になる。B2O3については前記範
囲より少なくなると溶けが悪く、多くなると化学的耐久
性が悪くなる。PbOは前記範囲を越えて配合すると発
色が悪くなる。
り少なくなると化学的耐久性が悪くなり、また多くなる
と溶けが悪く発色不良になる。B2O3については前記範
囲より少なくなると溶けが悪く、多くなると化学的耐久
性が悪くなる。PbOは前記範囲を越えて配合すると発
色が悪くなる。
【0043】前記フリット層は前記範囲内で組成を調整
することにより、所望の特性を有するものが得られる。
その例を表1に示す。
することにより、所望の特性を有するものが得られる。
その例を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】例えばPbOには低温熔剤としてフリット
の屈伏点を低下させる作用がある。したがってこれを配
合したフリットは低温側での焼成が可能となるので、ソ
ーダガラス等の高温焼成できない窯業器物の装飾に適し
ている。
の屈伏点を低下させる作用がある。したがってこれを配
合したフリットは低温側での焼成が可能となるので、ソ
ーダガラス等の高温焼成できない窯業器物の装飾に適し
ている。
【0046】貫入等の欠陥発生を防止するために、熱膨
張係数が被装飾体に近くなるように組成を調整すること
も重要である。一般に熱膨張係数を低下させるものは、
MgO、B2O3等である。一方アルカリ金属酸化物の含
有量が多くなると熱膨張係数は増加する。ただしソーダ
をカリ、リチウムで相当量置換すると、熱膨張係数は低
下する。同様にフリット層の弾性率及び引っ張り強度等
も前記の範囲内で組成を調整することにより所望の特性
値を有するものが得られる。
張係数が被装飾体に近くなるように組成を調整すること
も重要である。一般に熱膨張係数を低下させるものは、
MgO、B2O3等である。一方アルカリ金属酸化物の含
有量が多くなると熱膨張係数は増加する。ただしソーダ
をカリ、リチウムで相当量置換すると、熱膨張係数は低
下する。同様にフリット層の弾性率及び引っ張り強度等
も前記の範囲内で組成を調整することにより所望の特性
値を有するものが得られる。
【0047】フリット層は板状要素を完全に被覆するも
のであることが必要である。しかしフリット層にピンホ
ールが生じることにより板状要素の一部または全部が露
出すると、電子レンジで使用した場合スパーク等が生じ
得るのでこれを防止するため及び摩耗等に対する強度の
確保等のためフリット層はある程度の層厚を有している
ことが好ましい。しかし該層厚が厚すぎると板状要素の
貴金属の色調が損なわれる。したがってフリット層の層
厚は0.1〜50μmとするのが好ましく、より好まし
くは3〜35μm、特に好ましくは5〜20μmの任意
の層厚である。なお板状要素にピンホール等の欠損が生
じた場合、板状要素を覆うフリット層の厚さは上記のよ
うに好ましくは0.1〜50μmであるため、かかるピ
ンホール等を有する表面装飾器物を電子レンジで使用し
た場合、スパーク等が生じるのを防止することが困難で
ある。したがって板状要素にはピンホール等の欠損がな
いことが好ましい。
のであることが必要である。しかしフリット層にピンホ
ールが生じることにより板状要素の一部または全部が露
出すると、電子レンジで使用した場合スパーク等が生じ
得るのでこれを防止するため及び摩耗等に対する強度の
確保等のためフリット層はある程度の層厚を有している
ことが好ましい。しかし該層厚が厚すぎると板状要素の
貴金属の色調が損なわれる。したがってフリット層の層
厚は0.1〜50μmとするのが好ましく、より好まし
くは3〜35μm、特に好ましくは5〜20μmの任意
の層厚である。なお板状要素にピンホール等の欠損が生
じた場合、板状要素を覆うフリット層の厚さは上記のよ
うに好ましくは0.1〜50μmであるため、かかるピ
ンホール等を有する表面装飾器物を電子レンジで使用し
た場合、スパーク等が生じるのを防止することが困難で
ある。したがって板状要素にはピンホール等の欠損がな
いことが好ましい。
【0048】なおフリット層は複数の層からなっている
ものであってもよい。例えば板状要素の上に所定の組成
のフリット液を施して焼成し、さらにその上に別の所定
の組成のフリット液を施して焼成し、フリット層を2層
としてもよい。
ものであってもよい。例えば板状要素の上に所定の組成
のフリット液を施して焼成し、さらにその上に別の所定
の組成のフリット液を施して焼成し、フリット層を2層
としてもよい。
【0049】フリット層は耐電圧(破壊電圧)が80V
以上であることが好ましく、より好ましくは100V以
上である。該耐電圧が80V以上であることにより、フ
リット層の絶縁破壊が起こることなく、高周波電磁波
(マイクロ波)に対する耐久性が良好となる。すなわち
板状要素の形状等に対応して、フリット層の耐電圧を高
めることにより高周波電磁波に対する耐久性を良好なら
しめることができる。フリット層の耐電圧はフリット層
の組成または層厚により基本的に調整することができ
る。なお耐電圧の測定は例えば次のように行う。厚さ
0.2μm、対角線の長さ6mm、間隔250μmの2
枚の電極板上に厚さ7μmのフリット層を置き、両電極
にAC電圧をかけることにより測定する。
以上であることが好ましく、より好ましくは100V以
上である。該耐電圧が80V以上であることにより、フ
リット層の絶縁破壊が起こることなく、高周波電磁波
(マイクロ波)に対する耐久性が良好となる。すなわち
板状要素の形状等に対応して、フリット層の耐電圧を高
めることにより高周波電磁波に対する耐久性を良好なら
しめることができる。フリット層の耐電圧はフリット層
の組成または層厚により基本的に調整することができ
る。なお耐電圧の測定は例えば次のように行う。厚さ
0.2μm、対角線の長さ6mm、間隔250μmの2
枚の電極板上に厚さ7μmのフリット層を置き、両電極
にAC電圧をかけることにより測定する。
【0050】次ぎに本発明に係る表面装飾器物の製造方
法について説明する。
法について説明する。
【0051】板状要素の原料となる上絵付け用ペースト
または水金は、常法にしたがい例えば金樹脂硫化バルサ
ム、銀樹脂硫化バルサム、プラチナ樹脂酸塩、パラジウ
ム樹脂酸塩、ビスマス樹脂酸塩、ロジウム樹脂酸塩、ク
ロム樹脂酸塩、バナジウム樹脂酸塩等を所定量テレピン
油等に溶解する。かかる上絵付け用ペーストあるいは水
金は一般に黒色を呈する。あるいは市販の貴金属製剤を
用いることもできる。特に金、白金、及びパラジウム含
有製剤、例えば光沢金製剤、つや出し金製剤、粉末金製
剤、光沢白金製剤、つや出し白金製剤、粉末白金製剤、
光沢パラジウム製剤等が有効である。
または水金は、常法にしたがい例えば金樹脂硫化バルサ
ム、銀樹脂硫化バルサム、プラチナ樹脂酸塩、パラジウ
ム樹脂酸塩、ビスマス樹脂酸塩、ロジウム樹脂酸塩、ク
ロム樹脂酸塩、バナジウム樹脂酸塩等を所定量テレピン
油等に溶解する。かかる上絵付け用ペーストあるいは水
金は一般に黒色を呈する。あるいは市販の貴金属製剤を
用いることもできる。特に金、白金、及びパラジウム含
有製剤、例えば光沢金製剤、つや出し金製剤、粉末金製
剤、光沢白金製剤、つや出し白金製剤、粉末白金製剤、
光沢パラジウム製剤等が有効である。
【0052】かかる上絵付け用ペーストあるいは水金
を、ガラス、陶磁器、琺瑯器等の窯業器物の表面に刷
毛、スプレー、あるいは転写紙等を用いて塗布する。次
にこれを焼成して板状要素を形成するのであるが、被装
飾体である窯業器物の素地または釉の熔融軟化温度以下
で焼成することが必要である。したがって窯業器物がソ
ーダガラスである場合等、低温での焼成を必要とする場
合には、各金属成分との有機結合物には、例えばメルカ
プチド等の分解終了温度が窯業器物の熔融軟化温度より
低いものを選択することが必要である。焼成温度は一般
に略400〜1000℃、より好ましくは略450〜9
50℃である。なお前記したように板状要素の厚さは略
0.1〜50μmとすることが好ましい。
を、ガラス、陶磁器、琺瑯器等の窯業器物の表面に刷
毛、スプレー、あるいは転写紙等を用いて塗布する。次
にこれを焼成して板状要素を形成するのであるが、被装
飾体である窯業器物の素地または釉の熔融軟化温度以下
で焼成することが必要である。したがって窯業器物がソ
ーダガラスである場合等、低温での焼成を必要とする場
合には、各金属成分との有機結合物には、例えばメルカ
プチド等の分解終了温度が窯業器物の熔融軟化温度より
低いものを選択することが必要である。焼成温度は一般
に略400〜1000℃、より好ましくは略450〜9
50℃である。なお前記したように板状要素の厚さは略
0.1〜50μmとすることが好ましい。
【0053】次にガラス形成酸化物であるSiO2、 B
2O3及びAl2O3を主とし、これにアルカリ金属化合物
及びアルカリ土類金属化合物を適宜加えた組成となるよ
う各原料を調合し、混合する(フリット液)。さらに光
沢、透光性、色調改良のため、前記組成100重量部に
対して20重量部以下のPbOを加えてもよい。次いで
板状要素全体を被覆するように、刷毛塗りにより塗布す
るか、またはペースト状にして直接印刷または転写す
る。次いでこれを熔融し、冷却してフリット層を形成す
る。フリット原料は元来浸蝕性の強いものであるから、
できるだけ短時間に熔融させねばならない。またあまり
長時間加熱しているとアルカリが揮発し、難熔性となる
ので注意を要する。同様の理由で加熱温度も必要以上に
高温にしないことが必要である。加熱温度は一般には略
400〜1000℃、より好ましくは略450〜950
℃である。前記したようにフリット層の層厚は0.1〜
50μm以下とするのが好ましい。
2O3及びAl2O3を主とし、これにアルカリ金属化合物
及びアルカリ土類金属化合物を適宜加えた組成となるよ
う各原料を調合し、混合する(フリット液)。さらに光
沢、透光性、色調改良のため、前記組成100重量部に
対して20重量部以下のPbOを加えてもよい。次いで
板状要素全体を被覆するように、刷毛塗りにより塗布す
るか、またはペースト状にして直接印刷または転写す
る。次いでこれを熔融し、冷却してフリット層を形成す
る。フリット原料は元来浸蝕性の強いものであるから、
できるだけ短時間に熔融させねばならない。またあまり
長時間加熱しているとアルカリが揮発し、難熔性となる
ので注意を要する。同様の理由で加熱温度も必要以上に
高温にしないことが必要である。加熱温度は一般には略
400〜1000℃、より好ましくは略450〜950
℃である。前記したようにフリット層の層厚は0.1〜
50μm以下とするのが好ましい。
【0054】また焼成により板状要素またはフリット層
にピンホール等の欠損が生じた場合には、欠損部分に上
絵付用水金もしくはペーストまたはフリット液を初めと
同じ塗布方法を用いて塗布してから焼成し、欠損部分を
修復してもよい。
にピンホール等の欠損が生じた場合には、欠損部分に上
絵付用水金もしくはペーストまたはフリット液を初めと
同じ塗布方法を用いて塗布してから焼成し、欠損部分を
修復してもよい。
【0055】なお上絵付用水金またはペーストの塗布後
乾燥させ、さらにフリット層を形成させてから板状要素
及びフリット層の焼付けを同時に一度で行ってもよい。
この場合には、フリット層が緻密になる温度域以前に、
板状要素を形成する各部分の有機結合剤部分が完全に燃
え抜くことができるように留意する必要がある。このた
めには、分解終了温度の低い有機化合物を選択して使用
するか、あるいはフリットの軟化温度を上げる等の配慮
が必要である。
乾燥させ、さらにフリット層を形成させてから板状要素
及びフリット層の焼付けを同時に一度で行ってもよい。
この場合には、フリット層が緻密になる温度域以前に、
板状要素を形成する各部分の有機結合剤部分が完全に燃
え抜くことができるように留意する必要がある。このた
めには、分解終了温度の低い有機化合物を選択して使用
するか、あるいはフリットの軟化温度を上げる等の配慮
が必要である。
【0056】フリット層を構成する各フリット成分の量
及び層厚を調整してフリット層の耐電圧を80V以上と
することが好ましい。より好ましくは100V以上であ
る。前記のようにフリット層の耐電圧が80V以上であ
ることにより、フリット層の絶縁破壊が起こることな
く、高周波電磁波に対する耐久性が良好となる。
及び層厚を調整してフリット層の耐電圧を80V以上と
することが好ましい。より好ましくは100V以上であ
る。前記のようにフリット層の耐電圧が80V以上であ
ることにより、フリット層の絶縁破壊が起こることな
く、高周波電磁波に対する耐久性が良好となる。
【0057】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。ただし本発
明は下記実施例に限定されるものではない。なお特に断
らない限り、%は重量%を表す。
明は下記実施例に限定されるものではない。なお特に断
らない限り、%は重量%を表す。
【0058】<実施例1〜8>表1に示す金属組成を持
つ上絵付用ペースト金をそれぞれ調製した。
つ上絵付用ペースト金をそれぞれ調製した。
【0059】すなわちまずテレピン油を用いて、金(A
u)含有量25%の金樹脂硫化バルサム溶液、ビスマス
(Bi)含有量6%のビスマス樹脂酸塩溶液、ロジウム
(Rh)含有量5%のロジウム樹脂酸塩溶液、クロム
(Cr)含有量5%のクロム樹脂酸塩溶液、バナジウム
(V)含有量6%のバナジウム樹脂酸塩溶液、プラチナ
(Pt)含有量10%のプラチナ樹脂酸塩溶液、パラジ
ウム(Pd)含有量10%のパラジウム樹脂酸塩溶液を
調製した。次に上記各溶液を用いて各実施例に示す組成
の上絵付用ペースト金を調製した。例えば、実施例1で
は次のような配合により上絵付用ペースト金を調製し
た。金樹脂硫化バルサム溶液:38.4重量部、ビスマ
ス樹脂酸塩溶液:5.0重量部、ロジウム樹脂酸塩溶
液:1.2重量部、クロム樹脂酸塩溶液:0.4重量
部、樹脂バルサム:40重量部、テレピン油:15重量
部。なお、銀色系装飾用には、表1の金色系成分100
重量部に銀色成分2.5重量部を加えて、銀色系ペース
トを得た。(なお、一般的には、銀色成分のみでも、銀
色ペーストを形成できる。)
u)含有量25%の金樹脂硫化バルサム溶液、ビスマス
(Bi)含有量6%のビスマス樹脂酸塩溶液、ロジウム
(Rh)含有量5%のロジウム樹脂酸塩溶液、クロム
(Cr)含有量5%のクロム樹脂酸塩溶液、バナジウム
(V)含有量6%のバナジウム樹脂酸塩溶液、プラチナ
(Pt)含有量10%のプラチナ樹脂酸塩溶液、パラジ
ウム(Pd)含有量10%のパラジウム樹脂酸塩溶液を
調製した。次に上記各溶液を用いて各実施例に示す組成
の上絵付用ペースト金を調製した。例えば、実施例1で
は次のような配合により上絵付用ペースト金を調製し
た。金樹脂硫化バルサム溶液:38.4重量部、ビスマ
ス樹脂酸塩溶液:5.0重量部、ロジウム樹脂酸塩溶
液:1.2重量部、クロム樹脂酸塩溶液:0.4重量
部、樹脂バルサム:40重量部、テレピン油:15重量
部。なお、銀色系装飾用には、表1の金色系成分100
重量部に銀色成分2.5重量部を加えて、銀色系ペース
トを得た。(なお、一般的には、銀色成分のみでも、銀
色ペーストを形成できる。)
【0060】上記で調製した上絵付け用ペースト金を、
実施例4及び7にあっては口径10cm、200ml容
のソーダガラス製コップの側面に、実施例1、2、3、
5、6、8にあっては200ml容の磁器製コーヒーコ
ップの側面に、それぞれ転写紙法で個々の形状が正方形
の板状要素の連続模様を被着した。該正方形は対角線の
長さ(最大の長さ)が4mmであり、隣接する正方形は
その隣接する辺が平行であり、その間隔は0.3mmで
ある。該板状要素の連続模様をソーダガラス製コップは
580℃、陶磁器(磁器)製コーヒーコップは800℃
で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体とした。この
ときの板状要素の厚さは0.2μmであった。
実施例4及び7にあっては口径10cm、200ml容
のソーダガラス製コップの側面に、実施例1、2、3、
5、6、8にあっては200ml容の磁器製コーヒーコ
ップの側面に、それぞれ転写紙法で個々の形状が正方形
の板状要素の連続模様を被着した。該正方形は対角線の
長さ(最大の長さ)が4mmであり、隣接する正方形は
その隣接する辺が平行であり、その間隔は0.3mmで
ある。該板状要素の連続模様をソーダガラス製コップは
580℃、陶磁器(磁器)製コーヒーコップは800℃
で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体とした。この
ときの板状要素の厚さは0.2μmであった。
【0061】次に表1に示すフリット成分60重量部
を、アクリル樹脂16重量部及びソルベッソ150(エ
ッソスタンダード石油社製)24重量部を用いてペース
ト化し、転写紙法により前記板状要素の連続模様をすべ
て被覆した。これをソーダガラス製コップは600℃、
磁器製コップは850℃で10分間保持して焼成し、フ
リット層を形成した。このときのフリット層の層厚は7
μmであった。また実施例1におけるフリット層の耐電
圧は800Vであつた。
を、アクリル樹脂16重量部及びソルベッソ150(エ
ッソスタンダード石油社製)24重量部を用いてペース
ト化し、転写紙法により前記板状要素の連続模様をすべ
て被覆した。これをソーダガラス製コップは600℃、
磁器製コップは850℃で10分間保持して焼成し、フ
リット層を形成した。このときのフリット層の層厚は7
μmであった。また実施例1におけるフリット層の耐電
圧は800Vであつた。
【0062】上記のようにして得られた装飾体について
電子レンジを用いて高周波電磁波に対する耐久性の試験
を行った。高周波電磁波に対する耐久性の試験方法及び
評価基準を以下に示す。
電子レンジを用いて高周波電磁波に対する耐久性の試験
を行った。高周波電磁波に対する耐久性の試験方法及び
評価基準を以下に示す。
【0063】(高周波電磁波に対する耐久性)まず電子
レンジ内の縁及び中央に、上記装飾体を形成したガラス
または陶磁器のカップを電子レンジの底面に対して角度
1゜、3゜、5゜傾けて置いた。この角度は、マイクロ
波の死角を防ぐためのものである。次いで出力500W
にて、高周波電磁波(2450MHz)を1分間照射し
た。これを100回繰り返した。その後ガラスまたは陶
磁器の装飾体の損傷の有無を目視により判定した。損傷
が無い場合を合格(OK)、損傷が観られた場合を不合
格(NG)と判定した。結果を表2に示す。
レンジ内の縁及び中央に、上記装飾体を形成したガラス
または陶磁器のカップを電子レンジの底面に対して角度
1゜、3゜、5゜傾けて置いた。この角度は、マイクロ
波の死角を防ぐためのものである。次いで出力500W
にて、高周波電磁波(2450MHz)を1分間照射し
た。これを100回繰り返した。その後ガラスまたは陶
磁器の装飾体の損傷の有無を目視により判定した。損傷
が無い場合を合格(OK)、損傷が観られた場合を不合
格(NG)と判定した。結果を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】表2に示されるように電子レンジが発する
高周波電磁波に晒されても上記装飾体は損傷しなかっ
た。
高周波電磁波に晒されても上記装飾体は損傷しなかっ
た。
【0066】さらに各実施例の装飾体について、摩耗強
度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ性、耐酸性試験
後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度試験後の高周波
電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高周波電磁
波に対する耐久性、発色性の試験を行った。各試験方
法、評価基準を以下に示す。また結果を表2に示す。
度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ性、耐酸性試験
後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度試験後の高周波
電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高周波電磁
波に対する耐久性、発色性の試験を行った。各試験方
法、評価基準を以下に示す。また結果を表2に示す。
【0067】(摩耗強度)摩耗試験機に装着されたゴム
砥石(#250、硬度75゜)を用いて、荷重500
g、回転数55rpmの条件で、各装飾体を研磨した。
判定は、100回以上研磨しても損傷がみられない場合
を合格(OK)、100回未満の研磨で損傷した場合を
不合格(NG)とした。
砥石(#250、硬度75゜)を用いて、荷重500
g、回転数55rpmの条件で、各装飾体を研磨した。
判定は、100回以上研磨しても損傷がみられない場合
を合格(OK)、100回未満の研磨で損傷した場合を
不合格(NG)とした。
【0068】(耐酸性)、(耐アルカリ性)、(化学的
耐久性) 表3に示すような条件下で各薬品中に装飾体を形成した
ガラスまたは陶磁器のカップを浸漬し、その後装飾体の
損傷の有無を目視により判定して点数化し、この評価点
数から総合的に評価した。耐酸性、耐アルカリ性の判定
は、装飾体に損傷が無い場合を「0」、12.5%損傷
した場合を「0.5」、25%損傷した場合を「1」、
50%損傷した場合を「2」、75%損傷した場合を
「3」、全部損傷した場合を「4」として点数化した。
そしてこの損傷に関する各溶液の評価点数すべてが、表
3に示す判定基準以下である場合に化学的耐久性が合格
(OK)であるとした。一方、各評価点数の内1項目で
も判定基準を越えた場合を不合格と(NG)とした。
耐久性) 表3に示すような条件下で各薬品中に装飾体を形成した
ガラスまたは陶磁器のカップを浸漬し、その後装飾体の
損傷の有無を目視により判定して点数化し、この評価点
数から総合的に評価した。耐酸性、耐アルカリ性の判定
は、装飾体に損傷が無い場合を「0」、12.5%損傷
した場合を「0.5」、25%損傷した場合を「1」、
50%損傷した場合を「2」、75%損傷した場合を
「3」、全部損傷した場合を「4」として点数化した。
そしてこの損傷に関する各溶液の評価点数すべてが、表
3に示す判定基準以下である場合に化学的耐久性が合格
(OK)であるとした。一方、各評価点数の内1項目で
も判定基準を越えた場合を不合格と(NG)とした。
【0069】
【表3】
【0070】耐酸性試験後の摩耗強度、耐酸性試験後の
摩耗強度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アル
カリ性試験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、の各試験は上
記摩耗強度、耐酸性、耐アルカリ性、高周波電磁波に対
する耐久性の各試験を組み合わせた試験である。
摩耗強度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アル
カリ性試験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、の各試験は上
記摩耗強度、耐酸性、耐アルカリ性、高周波電磁波に対
する耐久性の各試験を組み合わせた試験である。
【0071】(発色性)装飾体の発色性については、色
差計(日本電色工業製OFC−31型)を用いて測定し
た。数字が大きい方が発色が鮮やかで良好であることを
示している。即ち発色性は、L、a、b値より判定し
た。L、a、b各値は、大きくなる程、明度、赤味、黄
味が夫々増す。従って、L、a、b値が大きい程、金色
として優れた色である。このテストでは、L、a、b値
の合計が50の場合を基準金色とし、(L+a+b)/
50を発色性の値とした。この値が1以上で大きくなる
程優れた金色発色性を示すが、0.9も十分金色であ
る。
差計(日本電色工業製OFC−31型)を用いて測定し
た。数字が大きい方が発色が鮮やかで良好であることを
示している。即ち発色性は、L、a、b値より判定し
た。L、a、b各値は、大きくなる程、明度、赤味、黄
味が夫々増す。従って、L、a、b値が大きい程、金色
として優れた色である。このテストでは、L、a、b値
の合計が50の場合を基準金色とし、(L+a+b)/
50を発色性の値とした。この値が1以上で大きくなる
程優れた金色発色性を示すが、0.9も十分金色であ
る。
【0072】表2に示されるように、各実施例の装飾体
は電子レンジの高周波電磁波によっても損傷を受けず、
また摩耗強度、耐酸性、耐アルカリ性、化学的耐久性、
耐酸性試験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度にも優れたものであった。さらに耐酸性試験後の摩耗
強度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アルカリ
性試験後の摩耗強度試験後の高周波電磁波に対する耐久
性についても、スパーク等の発生もなく、各実施例の装
飾体に損傷は認められなかった。またいずれの実施例に
おいても、板状要素の成分にカルシウム、インジウム等
が含まれていないため発色性も良好であった。
は電子レンジの高周波電磁波によっても損傷を受けず、
また摩耗強度、耐酸性、耐アルカリ性、化学的耐久性、
耐酸性試験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度にも優れたものであった。さらに耐酸性試験後の摩耗
強度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アルカリ
性試験後の摩耗強度試験後の高周波電磁波に対する耐久
性についても、スパーク等の発生もなく、各実施例の装
飾体に損傷は認められなかった。またいずれの実施例に
おいても、板状要素の成分にカルシウム、インジウム等
が含まれていないため発色性も良好であった。
【0073】<試験1>実施例1の配合により上絵付用
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が正方形の
板状要素の連続模様を被着した。該正方形は対角線の長
さ(最大の長さ)が1mm、2mm、3mm、4mm、
5mm、6mm、7mm、8mmであり、各正方形の対
角線の交点を結ぶ線は該食器皿の中心を中心とする円を
なしている。また隣接する正方形はその隣接する辺が平
行であり、その間隔は0.125mm、0.2mm、
0.5mm、0.8mmである。該板状要素の連続模様
を800℃で焼成し、金色を呈する装飾体とした。この
ときの板状要素の厚さは0.2μmであった。上記のよ
うにして得られた装飾体について、電子レンジを用いて
実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を
行った。結果を表4に示す。
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が正方形の
板状要素の連続模様を被着した。該正方形は対角線の長
さ(最大の長さ)が1mm、2mm、3mm、4mm、
5mm、6mm、7mm、8mmであり、各正方形の対
角線の交点を結ぶ線は該食器皿の中心を中心とする円を
なしている。また隣接する正方形はその隣接する辺が平
行であり、その間隔は0.125mm、0.2mm、
0.5mm、0.8mmである。該板状要素の連続模様
を800℃で焼成し、金色を呈する装飾体とした。この
ときの板状要素の厚さは0.2μmであった。上記のよ
うにして得られた装飾体について、電子レンジを用いて
実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を
行った。結果を表4に示す。
【0074】
【表4】
【0075】また上記のようにして得られた装飾体の一
部について、水2mlを用いて板状要素を短絡させ、電
子レンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対す
る耐久性の試験を行った。また各板状要素の対角線の交
点から板状要素の一辺に対して垂直に、長さが一辺の半
分、厚さが0.2μmの傷をつけ、電子レンジを用いて
実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を
行った。結果を表5に示す。
部について、水2mlを用いて板状要素を短絡させ、電
子レンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対す
る耐久性の試験を行った。また各板状要素の対角線の交
点から板状要素の一辺に対して垂直に、長さが一辺の半
分、厚さが0.2μmの傷をつけ、電子レンジを用いて
実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を
行った。結果を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】表4より板状要素の形状が正方形であり、
隣接する板状要素の間隔が0.2mm以上であり、板状
要素の最大の長さが6mm以下である場合、水による短
絡がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認でき
る。一方表5より水による短絡がある場合及び板状要素
に傷がある場合は、装飾体に損傷が生じうることが確認
できる。
隣接する板状要素の間隔が0.2mm以上であり、板状
要素の最大の長さが6mm以下である場合、水による短
絡がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認でき
る。一方表5より水による短絡がある場合及び板状要素
に傷がある場合は、装飾体に損傷が生じうることが確認
できる。
【0078】<試験2>実施例1の配合により上絵付用
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が円形の板
状要素の連続模様を被着した。該円形は直径(最大の長
さ)が1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6m
m、7mm、8mm、8.5mm、9mm、10mmで
あり、各円形の中心を結ぶ線は該食器皿の中心を中心と
した円をなしている。該隣接する円形の間隔は0.12
5mm、0.2mm、0.5mm、0.8mmである。
該板状要素の連続模様を800℃で焼成し、金色を呈す
る装飾体とした。このときの板状要素の厚さは0.2μ
mであった。上記のようにして得られた装飾体につい
て、電子レンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波
に対する耐久性の試験を行った。結果を表6に示す。
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が円形の板
状要素の連続模様を被着した。該円形は直径(最大の長
さ)が1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6m
m、7mm、8mm、8.5mm、9mm、10mmで
あり、各円形の中心を結ぶ線は該食器皿の中心を中心と
した円をなしている。該隣接する円形の間隔は0.12
5mm、0.2mm、0.5mm、0.8mmである。
該板状要素の連続模様を800℃で焼成し、金色を呈す
る装飾体とした。このときの板状要素の厚さは0.2μ
mであった。上記のようにして得られた装飾体につい
て、電子レンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波
に対する耐久性の試験を行った。結果を表6に示す。
【0079】
【表6】
【0080】表6より板状要素の形状が円形であり、隣
接する板状要素の間隔が0.2mm以上であり、板状要
素の最大の長さが8.5mm以下である場合、水による
短絡、傷がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認
できる。
接する板状要素の間隔が0.2mm以上であり、板状要
素の最大の長さが8.5mm以下である場合、水による
短絡、傷がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認
できる。
【0081】<試験3>実施例1の配合により上絵付用
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が縄状の板
状要素の連続模様を被着した。該縄状形状は最大の長さ
が3.3mm、4.4mm、5.5mm、6.3mm、
7.3mm、8.5mm、9.1mm、10mmであ
り、各縄状形状の最大の長さを構成する線分の中心を結
ぶ線は該食器皿の中心を中心とした円をなしている。該
隣接する縄状形状の間隔は0.125mm、0.2m
m、0.5mm、0.8mmである。該板状要素の連続
模様を800℃で焼成し、金色を呈する装飾体とした。
このときの板状要素の厚さは0.2μmであった。上記
のようにして得られた装飾体について、水により板状要
素を短絡させることなしに、電子レンジを用いて実施例
1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を行っ
た。結果を表7に示す。
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が縄状の板
状要素の連続模様を被着した。該縄状形状は最大の長さ
が3.3mm、4.4mm、5.5mm、6.3mm、
7.3mm、8.5mm、9.1mm、10mmであ
り、各縄状形状の最大の長さを構成する線分の中心を結
ぶ線は該食器皿の中心を中心とした円をなしている。該
隣接する縄状形状の間隔は0.125mm、0.2m
m、0.5mm、0.8mmである。該板状要素の連続
模様を800℃で焼成し、金色を呈する装飾体とした。
このときの板状要素の厚さは0.2μmであった。上記
のようにして得られた装飾体について、水により板状要
素を短絡させることなしに、電子レンジを用いて実施例
1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を行っ
た。結果を表7に示す。
【0082】
【表7】
【0083】表7より板状要素の形状が縄状であり、隣
接する板状要素の間隔が0.2mm以上であり、板状要
素の最大の長さが8.5mm以下である場合、水による
短絡、傷がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認
できる。また隣接する板状要素の間隔が0.5mmの場
合は板状要素の最大の長さが9.1mmであっても、さ
らには隣接する板状要素の間隔が0.8mmの場合は板
状要素の最大の長さが10mmであっても、水による短
絡、傷がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認で
きる。このように水による短絡、傷がなければ、隣接す
る板状要素の間隔等を所定の範囲に規定することによ
り、高周波電磁波に対する耐久性を持たせることができ
る。
接する板状要素の間隔が0.2mm以上であり、板状要
素の最大の長さが8.5mm以下である場合、水による
短絡、傷がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認
できる。また隣接する板状要素の間隔が0.5mmの場
合は板状要素の最大の長さが9.1mmであっても、さ
らには隣接する板状要素の間隔が0.8mmの場合は板
状要素の最大の長さが10mmであっても、水による短
絡、傷がなければ装飾体の損傷は生じないことが確認で
きる。このように水による短絡、傷がなければ、隣接す
る板状要素の間隔等を所定の範囲に規定することによ
り、高周波電磁波に対する耐久性を持たせることができ
る。
【0084】<実施例9>試験1で作成した各装飾体
を、実施例1の配合、方法で作成したフリット層で被覆
した。フリット層の層厚は10μm(焼成後)であっ
た。該フリット層に水2mlを略均等に塗布し、電子レ
ンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐
久性の試験を行った。またフリット層の表面から厚さが
5μmまたは15μm、長さが板状要素の一辺の半分の
傷をつけた。傷の方向は各板状要素の対角線の交点から
板状要素の一辺に対して垂直な方向である。これらにつ
いて、電子レンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁
波に対する耐久性の試験を行った。結果を表8に示す。
を、実施例1の配合、方法で作成したフリット層で被覆
した。フリット層の層厚は10μm(焼成後)であっ
た。該フリット層に水2mlを略均等に塗布し、電子レ
ンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐
久性の試験を行った。またフリット層の表面から厚さが
5μmまたは15μm、長さが板状要素の一辺の半分の
傷をつけた。傷の方向は各板状要素の対角線の交点から
板状要素の一辺に対して垂直な方向である。これらにつ
いて、電子レンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁
波に対する耐久性の試験を行った。結果を表8に示す。
【0085】
【表8】
【0086】表8よりフリット層で被覆した場合、板状
要素の形状が正方形であり、隣接する板状要素の間隔が
0.2mm以上であり、板状要素の最大の長さが6mm
以下であるならば、フリット層表面に水が存在していて
も、あるいはフリット層に板状要素に達しない傷が存在
していても、装飾体の損傷が生じないことが確認でき
る。一方傷が板状要素に達するものである場合には装飾
体に損傷が生じることが確認できる。
要素の形状が正方形であり、隣接する板状要素の間隔が
0.2mm以上であり、板状要素の最大の長さが6mm
以下であるならば、フリット層表面に水が存在していて
も、あるいはフリット層に板状要素に達しない傷が存在
していても、装飾体の損傷が生じないことが確認でき
る。一方傷が板状要素に達するものである場合には装飾
体に損傷が生じることが確認できる。
【0087】<実施例10〜17>、<比較例1〜4> 表9に示す金属組成を持つ上絵付用ペースト金または上
絵付用ペースト銀をそれぞれ調製した。
絵付用ペースト銀をそれぞれ調製した。
【0088】
【表9】
【0089】すなわちまずテレピン油を用いて、金(A
u)含有量25%の金樹脂硫化バルサム溶液、ビスマス
(Bi)含有量6%のビスマス樹脂酸塩溶液、ロジウム
(Rh)含有量5%のロジウム樹脂酸塩溶液、クロム
(Cr)含有量5%のクロム樹脂酸塩溶液、バナジウム
(V)含有量6%のバナジウム樹脂酸塩溶液、プラチナ
(Pt)含有量10%のプラチナ樹脂酸塩溶液、パラジ
ウム(Pd)含有量10%のパラジウム樹脂酸塩溶液、
インジウム(In)含有量5%のインジウム樹脂酸塩溶
液、ケイ素(Si)含有量20%のケイ素樹脂酸塩溶
液、カルシウム(Ca)含有量5%のカルシウム樹脂酸
塩溶液を調製した。次に上記各溶液を用いて各実施例に
示す組成の上絵付用ペースト金を調製した。例えば、実
施例10では次のような配合により上絵付用ペースト金
を調製した。金樹脂硫化バルサム溶液:38.4重量
部、ビスマス樹脂酸塩溶液:5.0重量部、ロジウム樹
脂酸塩溶液:1.2重量部、クロム樹脂酸塩溶液:0.
4重量部、樹脂バルサム:40重量部、テレピン油:1
5重量部。
u)含有量25%の金樹脂硫化バルサム溶液、ビスマス
(Bi)含有量6%のビスマス樹脂酸塩溶液、ロジウム
(Rh)含有量5%のロジウム樹脂酸塩溶液、クロム
(Cr)含有量5%のクロム樹脂酸塩溶液、バナジウム
(V)含有量6%のバナジウム樹脂酸塩溶液、プラチナ
(Pt)含有量10%のプラチナ樹脂酸塩溶液、パラジ
ウム(Pd)含有量10%のパラジウム樹脂酸塩溶液、
インジウム(In)含有量5%のインジウム樹脂酸塩溶
液、ケイ素(Si)含有量20%のケイ素樹脂酸塩溶
液、カルシウム(Ca)含有量5%のカルシウム樹脂酸
塩溶液を調製した。次に上記各溶液を用いて各実施例に
示す組成の上絵付用ペースト金を調製した。例えば、実
施例10では次のような配合により上絵付用ペースト金
を調製した。金樹脂硫化バルサム溶液:38.4重量
部、ビスマス樹脂酸塩溶液:5.0重量部、ロジウム樹
脂酸塩溶液:1.2重量部、クロム樹脂酸塩溶液:0.
4重量部、樹脂バルサム:40重量部、テレピン油:1
5重量部。
【0090】実施例10〜17にあっては、上記で調製
した上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀
を、直径16cmの食器皿のリムの周囲に、転写法によ
り個々の形状が正方形の板状要素の連続模様を被着し
た。該正方形は対角線の長さ(最大の長さ)が4mmで
あり、隣接する正方形はその隣接する辺が平行であり、
その間隔は0.3mmである。該板状要素の連続模様を
800℃で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体とし
た。このときの板状要素の厚さは0.15μmであっ
た。次に表9に示すフリット成分60重量部を、アクリ
ル樹脂16重量部及びソルベッソ150(エッソスタン
ダード石油社製)24重量部を用いてペースト化し、転
写法により前記板状要素をすべて被覆した。これを85
0℃で10分間保持して焼成し、フリット層を形成し
た。このときのフリット層の層厚は10μmであった。
上記のようにして得られた装飾体について、電子レンジ
を用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久
性、摩耗強度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ性、
耐酸性試験後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度試験
後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試験後
の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高
周波電磁波に対する耐久性、発色性、非導電性の試験を
行った。結果を表9に示す。なお非導電性の試験方法、
評価基準は以下の通りである。
した上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀
を、直径16cmの食器皿のリムの周囲に、転写法によ
り個々の形状が正方形の板状要素の連続模様を被着し
た。該正方形は対角線の長さ(最大の長さ)が4mmで
あり、隣接する正方形はその隣接する辺が平行であり、
その間隔は0.3mmである。該板状要素の連続模様を
800℃で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体とし
た。このときの板状要素の厚さは0.15μmであっ
た。次に表9に示すフリット成分60重量部を、アクリ
ル樹脂16重量部及びソルベッソ150(エッソスタン
ダード石油社製)24重量部を用いてペースト化し、転
写法により前記板状要素をすべて被覆した。これを85
0℃で10分間保持して焼成し、フリット層を形成し
た。このときのフリット層の層厚は10μmであった。
上記のようにして得られた装飾体について、電子レンジ
を用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久
性、摩耗強度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ性、
耐酸性試験後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度試験
後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試験後
の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高
周波電磁波に対する耐久性、発色性、非導電性の試験を
行った。結果を表9に示す。なお非導電性の試験方法、
評価基準は以下の通りである。
【0091】(非導電性)サンドペーパー(#400
0)を用いて、10回各装飾体の表面を手により研磨し
た後に、電流テスターによる非導電性のチェックを行っ
た。非導電性の場合は合格(OK)、導電性がある場合
は不合格(NG)である。
0)を用いて、10回各装飾体の表面を手により研磨し
た後に、電流テスターによる非導電性のチェックを行っ
た。非導電性の場合は合格(OK)、導電性がある場合
は不合格(NG)である。
【0092】比較例1〜4にあっては、上記で調製した
上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀を、
直径16cmの食器皿のリムの周囲に、幅4mmのライ
ンを一周転写法により被着した。該板状要素の連続模様
を800℃で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体と
した。このときの板状要素の厚さは0.2μmであっ
た。上記のようにして得られた装飾体について、電子レ
ンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐
久性、摩耗強度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐酸性試験後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度
試験後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試
験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後
の高周波電磁波に対する耐久性、発色性、非導電性の試
験を行った。結果を表9に示す。
上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀を、
直径16cmの食器皿のリムの周囲に、幅4mmのライ
ンを一周転写法により被着した。該板状要素の連続模様
を800℃で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体と
した。このときの板状要素の厚さは0.2μmであっ
た。上記のようにして得られた装飾体について、電子レ
ンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐
久性、摩耗強度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐酸性試験後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度
試験後の高周波電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試
験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後
の高周波電磁波に対する耐久性、発色性、非導電性の試
験を行った。結果を表9に示す。
【0093】フリット層がなく、絶縁性をもたせるため
のケイ素等を含有していない比較例1、3では電子レン
ジでの高周波電磁波に対する耐久性が劣る。フリット層
のない比較例2、4では絶縁性をもたせるためにケイ素
を多量に含有しているため、電子レンジでの高周波電磁
波に対する耐久性は優れている。しかしこれをサンドペ
ーパー(#4000)で研磨すると導電性が出現するた
め、電子レンジでの高周波電磁波に対する耐久性が劣化
する。これをフリット層で被覆した実施例12、13、
16、17はサンドペーパー(#4000)で研磨して
も導電性は出現せず電子レンジでの高周波電磁波に対す
る耐久性は優れているが、板状要素中にケイ素が多いこ
とからやや発色性に問題がある。
のケイ素等を含有していない比較例1、3では電子レン
ジでの高周波電磁波に対する耐久性が劣る。フリット層
のない比較例2、4では絶縁性をもたせるためにケイ素
を多量に含有しているため、電子レンジでの高周波電磁
波に対する耐久性は優れている。しかしこれをサンドペ
ーパー(#4000)で研磨すると導電性が出現するた
め、電子レンジでの高周波電磁波に対する耐久性が劣化
する。これをフリット層で被覆した実施例12、13、
16、17はサンドペーパー(#4000)で研磨して
も導電性は出現せず電子レンジでの高周波電磁波に対す
る耐久性は優れているが、板状要素中にケイ素が多いこ
とからやや発色性に問題がある。
【0094】また、実施例11、15に示される通常の
配合による導電性のある板状要素であっても、電子レン
ジでの高周波電磁波に対する耐久性は優れているが、フ
リット層の組成においてSiO2の含有量がやや少な
く、フリットが溶け過ぎ、板状要素と反応してしまうた
め発色性はやや低い傾向がある。実施例10、14はす
べての面で最も優れている。
配合による導電性のある板状要素であっても、電子レン
ジでの高周波電磁波に対する耐久性は優れているが、フ
リット層の組成においてSiO2の含有量がやや少な
く、フリットが溶け過ぎ、板状要素と反応してしまうた
め発色性はやや低い傾向がある。実施例10、14はす
べての面で最も優れている。
【0095】<試験4>実施例1の配合により上絵付用
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が正方形の
板状要素の連続模様を被着した。該正方形は対角線の長
さ(最大の長さ)が12mm、14mmであり、各正方
形の対角線の交点を結ぶ線は該食器皿の中心を中心とす
る円をなしている。また隣接する正方形はその隣接する
辺が平行であり、その間隔は2mm、3mm、4mm、
5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、
11mm、12mmである。該板状要素の連続模様を8
00℃で焼成し、金色を呈する装飾体とした。このとき
の板状要素の厚さは0.2μmであった。上記のように
して得られた装飾体について、電子レンジを用いて実施
例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を行っ
た。また上記のようにして得られた装飾体の一部につい
て、水2mlを用いて板状要素を短絡させ、電子レンジ
を用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性
の試験を行った。結果を表10に示す。
ペースト金を調製し、これを用いて直径16cmの食器
皿のリムの周囲に、転写法により個々の形状が正方形の
板状要素の連続模様を被着した。該正方形は対角線の長
さ(最大の長さ)が12mm、14mmであり、各正方
形の対角線の交点を結ぶ線は該食器皿の中心を中心とす
る円をなしている。また隣接する正方形はその隣接する
辺が平行であり、その間隔は2mm、3mm、4mm、
5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、
11mm、12mmである。該板状要素の連続模様を8
00℃で焼成し、金色を呈する装飾体とした。このとき
の板状要素の厚さは0.2μmであった。上記のように
して得られた装飾体について、電子レンジを用いて実施
例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を行っ
た。また上記のようにして得られた装飾体の一部につい
て、水2mlを用いて板状要素を短絡させ、電子レンジ
を用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性
の試験を行った。結果を表10に示す。
【0096】
【表10】
【0097】表10より板状要素の形状が正方形であ
り、隣接する板状要素の間隔が10mm以上であり、板
状要素の最大の長さが12mm以下である場合、水によ
る短絡がなければ装飾体の損傷は生じないが、水による
短絡があると装飾体の損傷が生じることが確認できる。
り、隣接する板状要素の間隔が10mm以上であり、板
状要素の最大の長さが12mm以下である場合、水によ
る短絡がなければ装飾体の損傷は生じないが、水による
短絡があると装飾体の損傷が生じることが確認できる。
【0098】<実施例18>試験4で作成した各装飾体
を、実施例1の配合、方法で作成したフリット層で被覆
した。フリット層の層厚は10μmであった。該装飾体
に水2mlを略均等に塗布し、電子レンジを用いて実施
例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を行っ
た。結果を表11に示す。
を、実施例1の配合、方法で作成したフリット層で被覆
した。フリット層の層厚は10μmであった。該装飾体
に水2mlを略均等に塗布し、電子レンジを用いて実施
例1と同一の高周波電磁波に対する耐久性の試験を行っ
た。結果を表11に示す。
【0099】
【表11】
【0100】表11よりフリット層で被覆した場合、板
状要素の形状が正方形であり、隣接する板状要素の間隔
が10mm以上であり、板状要素の最大の長さが12m
m以下である場合、装飾体の損傷が生じないことが確認
できる。
状要素の形状が正方形であり、隣接する板状要素の間隔
が10mm以上であり、板状要素の最大の長さが12m
m以下である場合、装飾体の損傷が生じないことが確認
できる。
【0101】<実施例21〜26>、<比較例5〜7> 表12に示す金属組成を持つ上絵付用ペースト金または
上絵付用ペースト銀をそれぞれ調製した。
上絵付用ペースト銀をそれぞれ調製した。
【0102】
【表12】
【0103】すなわちまずテレピン油を用いて、金(A
u)含有量25%の金樹脂硫化バルサム溶液、ビスマス
(Bi)含有量6%のビスマス樹脂酸塩溶液、ロジウム
(Rh)含有量5%のロジウム樹脂酸塩溶液、クロム
(Cr)含有量5%のクロム樹脂酸塩溶液、プラチナ
(Pt)含有量10%のプラチナ樹脂酸塩溶液、パラジ
ウム(Pd)含有量10%のパラジウム樹脂酸塩溶液、
インジウム(In)含有量5%のインジウム樹脂酸塩溶
液、ケイ素(Si)含有量20%のケイ素樹脂酸塩溶
液、カルシウム(Ca)含有量5%のカルシウム樹脂酸
塩溶液を調製した。次に上記各溶液を用いて各実施例に
示す組成の上絵付用ペースト金を調製した。
u)含有量25%の金樹脂硫化バルサム溶液、ビスマス
(Bi)含有量6%のビスマス樹脂酸塩溶液、ロジウム
(Rh)含有量5%のロジウム樹脂酸塩溶液、クロム
(Cr)含有量5%のクロム樹脂酸塩溶液、プラチナ
(Pt)含有量10%のプラチナ樹脂酸塩溶液、パラジ
ウム(Pd)含有量10%のパラジウム樹脂酸塩溶液、
インジウム(In)含有量5%のインジウム樹脂酸塩溶
液、ケイ素(Si)含有量20%のケイ素樹脂酸塩溶
液、カルシウム(Ca)含有量5%のカルシウム樹脂酸
塩溶液を調製した。次に上記各溶液を用いて各実施例に
示す組成の上絵付用ペースト金を調製した。
【0104】実施例21〜26にあっては、上記で調製
した上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀
を、直径16cmの食器皿のリムの周囲に、転写法によ
り個々の形状が正方形の板状要素の連続模様を被着し
た。該正方形は対角線の長さ(最大の長さ)が4mmで
あり、隣接する正方形はその隣接する辺が平行であり、
その間隔は0.3mmである。該板状要素の連続模様を
表13に示すように800℃又は840℃で焼成し、金
色または銀色を呈する装飾体とした。このときの板状要
素の厚さは0.15μmであった。次に表12に示すフ
リット成分60重量部を、アクリル樹脂16重量部及び
ソルベッソ150(エッソスタンダード石油社製)24
重量部を用いてペースト化し、転写法により前記板状要
素をすべて被覆した。これを850℃で10分間保持し
て焼成し、フリット層を形成した。このときのフリット
層の層厚は10μmであった。上記のようにして得られ
た装飾体について、電子レンジを用いて実施例1と同一
の高周波(マイクロ波)電磁波に対する耐久性、摩耗強
度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ性、耐酸性試験
後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度試験後の高周波
電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高周波電磁
波に対する耐久性、発色性、非導電性の試験を行った。
結果を表13に示す。なお非導電性の試験方法、評価基
準は前記の通りである。なお、表9に記載の耐酸性試験
後及び耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高周波電
極性に対する耐久性並びにサンドペーパー(#400
0)での研磨後の非導電性については表13、15に記
載してないが、テストの結果、各実施例とも問題はな
い。
した上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀
を、直径16cmの食器皿のリムの周囲に、転写法によ
り個々の形状が正方形の板状要素の連続模様を被着し
た。該正方形は対角線の長さ(最大の長さ)が4mmで
あり、隣接する正方形はその隣接する辺が平行であり、
その間隔は0.3mmである。該板状要素の連続模様を
表13に示すように800℃又は840℃で焼成し、金
色または銀色を呈する装飾体とした。このときの板状要
素の厚さは0.15μmであった。次に表12に示すフ
リット成分60重量部を、アクリル樹脂16重量部及び
ソルベッソ150(エッソスタンダード石油社製)24
重量部を用いてペースト化し、転写法により前記板状要
素をすべて被覆した。これを850℃で10分間保持し
て焼成し、フリット層を形成した。このときのフリット
層の層厚は10μmであった。上記のようにして得られ
た装飾体について、電子レンジを用いて実施例1と同一
の高周波(マイクロ波)電磁波に対する耐久性、摩耗強
度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ性、耐酸性試験
後の摩耗強度、耐酸性試験後の摩耗強度試験後の高周波
電磁波に対する耐久性、耐アルカリ性試験後の摩耗強
度、耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高周波電磁
波に対する耐久性、発色性、非導電性の試験を行った。
結果を表13に示す。なお非導電性の試験方法、評価基
準は前記の通りである。なお、表9に記載の耐酸性試験
後及び耐アルカリ性試験後の摩耗強度試験後の高周波電
極性に対する耐久性並びにサンドペーパー(#400
0)での研磨後の非導電性については表13、15に記
載してないが、テストの結果、各実施例とも問題はな
い。
【0105】比較例5〜7にあっては、上記で調製した
上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀を、
直径16cmの食器皿のリムの周囲に、幅4mmのライ
ンを一周転写法により被着した。該板状要素の連続模様
を800℃で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体と
した。このときの板状要素の厚さは0.2μmであっ
た。上記のようにして得られた装飾体について、電子レ
ンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐
久性、摩耗強度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐酸性試験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩
耗強度、発色性の試験を行った。結果を表13に示す。
さらに(a)耐酸性試験後の摩耗強度試験後の高周波電
磁波に対する耐久性、(b)耐アルカリ性試験後の摩耗
強度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、(c)非導
電性(サンドペーパー#4000で研摩後の非導電性)
の試験を行ったが、その結果は、比較例も含め全てOK
であった。
上絵付け用ペースト金または上絵付け用ペースト銀を、
直径16cmの食器皿のリムの周囲に、幅4mmのライ
ンを一周転写法により被着した。該板状要素の連続模様
を800℃で焼成し、金色または銀色を呈する装飾体と
した。このときの板状要素の厚さは0.2μmであっ
た。上記のようにして得られた装飾体について、電子レ
ンジを用いて実施例1と同一の高周波電磁波に対する耐
久性、摩耗強度、化学的耐久性、耐酸性、耐アルカリ
性、耐酸性試験後の摩耗強度、耐アルカリ性試験後の摩
耗強度、発色性の試験を行った。結果を表13に示す。
さらに(a)耐酸性試験後の摩耗強度試験後の高周波電
磁波に対する耐久性、(b)耐アルカリ性試験後の摩耗
強度試験後の高周波電磁波に対する耐久性、(c)非導
電性(サンドペーパー#4000で研摩後の非導電性)
の試験を行ったが、その結果は、比較例も含め全てOK
であった。
【0106】
【表13】
【0107】
【表14】
【0108】<実施例31〜36>、<比較例8〜10
> 銀色成分を表14に示す通り加えた以外は、表12、1
3に示す実施例21〜26、比較例5〜7と同一の条件
で、試料を作成、同様に試験して、実施例31〜36、
比較例8〜10とした。その結果を前記(a)〜(c)
試験を除き表15に示す。なお、前記(a)〜(c)試
験については比較例も含め全てOKであった。
> 銀色成分を表14に示す通り加えた以外は、表12、1
3に示す実施例21〜26、比較例5〜7と同一の条件
で、試料を作成、同様に試験して、実施例31〜36、
比較例8〜10とした。その結果を前記(a)〜(c)
試験を除き表15に示す。なお、前記(a)〜(c)試
験については比較例も含め全てOKであった。
【0109】
【表15】
【0110】以上の表12、13、14、15から判る
ように、BaO、SrOを含む場合(実施例24、2
5、26;34、35、36)、発色性が一層良くな
る。即ち、実施例24、25、26を夫々実施例21、
22、23と対比されたい。また実施例34、35、3
6を夫々実施例31、32、33と対比されたい。
ように、BaO、SrOを含む場合(実施例24、2
5、26;34、35、36)、発色性が一層良くな
る。即ち、実施例24、25、26を夫々実施例21、
22、23と対比されたい。また実施例34、35、3
6を夫々実施例31、32、33と対比されたい。
【0111】比較例5、8はBaOの量が過大の場合、
化学的耐久性が劣化することを示し、比較例6、9は、
フリット中のSiO2及びAl2O3がいずれも過小であ
り、その結果化学的耐久性が劣化している。なお比較例
7、10は、SiO2が65%と過大の場合を示すが、
この場合発色性が0.6と劣化している。従って本発明
の発色性の値としては0.6をこえ好ましくは0.7な
いし0.8以上のものとなることが判る。
化学的耐久性が劣化することを示し、比較例6、9は、
フリット中のSiO2及びAl2O3がいずれも過小であ
り、その結果化学的耐久性が劣化している。なお比較例
7、10は、SiO2が65%と過大の場合を示すが、
この場合発色性が0.6と劣化している。従って本発明
の発色性の値としては0.6をこえ好ましくは0.7な
いし0.8以上のものとなることが判る。
【0112】以上二度焼きの場合について説明したが、
一度焼きの場合も表12、13、表14、15に示す通
り、二度焼きの場合と同じ結果を示した。
一度焼きの場合も表12、13、表14、15に示す通
り、二度焼きの場合と同じ結果を示した。
【0113】表13、表15に併記した屈伏点及びα
(線膨張係数、室温−600℃)は、フリットの特性を
示す。フリットの屈伏点としては、凡そ600〜700
℃のオーダーのものが好ましく、650℃前後が特に好
ましいと言える。なお、鉛入りソーダガラス等の場合は
約550℃以上でもよい。
(線膨張係数、室温−600℃)は、フリットの特性を
示す。フリットの屈伏点としては、凡そ600〜700
℃のオーダーのものが好ましく、650℃前後が特に好
ましいと言える。なお、鉛入りソーダガラス等の場合は
約550℃以上でもよい。
【0114】表12〜15から明らかなように、フリッ
ト組成について、さらなる展開が得られる。即ちMgO
は0〜4%、SiO2は52〜62%、ZrO2は0〜4
%、Al2O3は8〜18%、BaOは0〜7%、SrO
は0〜4.5%が許容される(Na2O、K2O、Li2
O、CaO、B2O3及びP2O5の量、さらにNa2O、
K2O、CaOの3成分合計については、既述の基本フ
リット組成に同じ)。
ト組成について、さらなる展開が得られる。即ちMgO
は0〜4%、SiO2は52〜62%、ZrO2は0〜4
%、Al2O3は8〜18%、BaOは0〜7%、SrO
は0〜4.5%が許容される(Na2O、K2O、Li2
O、CaO、B2O3及びP2O5の量、さらにNa2O、
K2O、CaOの3成分合計については、既述の基本フ
リット組成に同じ)。
【0115】BaOは好ましくは0.5%以上、より好
ましくは3〜6%、SrOは好ましくは0.5%以上、
より好ましくは、2〜4%であり、(BaO+SrO)
で0.5%以上、より好ましくは2〜6%である。な
お、SrOが4.5%をこえると発色性が、SrOなし
のときより劣化傾向を示し、BaOが7%を超えると化
学的耐久性に劣化傾向が出る。発色性は色差計で基準色
(1.0)との差を測定し(Lab)、差を数値化して
相対比で示すものである。この発色性の値は0.9以上
は十分許容され、1.0以上がより好ましい。
ましくは3〜6%、SrOは好ましくは0.5%以上、
より好ましくは、2〜4%であり、(BaO+SrO)
で0.5%以上、より好ましくは2〜6%である。な
お、SrOが4.5%をこえると発色性が、SrOなし
のときより劣化傾向を示し、BaOが7%を超えると化
学的耐久性に劣化傾向が出る。発色性は色差計で基準色
(1.0)との差を測定し(Lab)、差を数値化して
相対比で示すものである。この発色性の値は0.9以上
は十分許容され、1.0以上がより好ましい。
【0116】基本フリット組成について既述の通り、上
述のフリット組成100重量部に対し、さらにPbOを
20重量部以下含有できる。
述のフリット組成100重量部に対し、さらにPbOを
20重量部以下含有できる。
【0117】このフリット組成により、耐摩耗性、耐薬
品性に優れ、かつ発色のコントロールが容易に可能とな
る。
品性に優れ、かつ発色のコントロールが容易に可能とな
る。
【0118】またこれにより、更に焼成条件の変化(特
に雰囲気ないし炉の変更による発色の変化)に対する安
定性が増大する。例えば、ローラーハースキルンを用い
た場合、Pt、Pd、Agなどの量比による目的とする
特定色の発色性が電気炉の場合と比べて微妙に変化する
が、BaO、SrOの含有により発色性の幅が増大し、
目的とする特定色の色調を得るように制御することが容
易になる。
に雰囲気ないし炉の変更による発色の変化)に対する安
定性が増大する。例えば、ローラーハースキルンを用い
た場合、Pt、Pd、Agなどの量比による目的とする
特定色の発色性が電気炉の場合と比べて微妙に変化する
が、BaO、SrOの含有により発色性の幅が増大し、
目的とする特定色の色調を得るように制御することが容
易になる。
【0119】なお、実施例としてはペースト中のAu等
の貴金属含量を約10%としているが発色性の高いもの
を用いれば、所定の発色を得るので、ペースト中の貴金
属含量をかなり大幅に減らすことができる。従って発色
性の増大は、貴金属の節約にも貢献する。
の貴金属含量を約10%としているが発色性の高いもの
を用いれば、所定の発色を得るので、ペースト中の貴金
属含量をかなり大幅に減らすことができる。従って発色
性の増大は、貴金属の節約にも貢献する。
【0120】
【発明の効果】本発明の表面装飾器物は、間隔等が所定
の範囲に規定されている板状要素と該板状要素を被覆す
るフリット層とからなる装飾体により装飾されている。
該装飾体がかかる構成となっているため、該装飾体は電
子レンジが発する高周波電磁波に晒されても損傷しな
い。またフリット層に水分が付着しても、あるいはフリ
ット層に傷がついても該傷が板状要素に達するものでな
い限り、該装飾体は電子レンジが発する高周波電磁波に
晒されても損傷しない。また該装飾体がかかる構成とな
っているため化学的耐久性、耐摩耗性に優れ、長期に亘
って電子レンジの繰り返しの使用にも装飾体の損傷が生
じ難い。さらに板状要素を非導電性とする必要がないた
め、表面装飾器物は美しい金色系色調又は銀色系色調を
有し得る。すなわち従来は装飾体自身を非導電性とする
ことにより、電子レンジでの使用による損傷を防止して
いたが、化学的耐久性や発色性に問題があった。これを
単に間隔等が所定の範囲に規定されている板状要素と該
板状要素を被覆するフリット層とからなる装飾体とする
ことによって、電子レンジでの使用による損傷を防止
し、化学的耐久性や発色性にも優れた表面装飾器物を得
ることができる。また本発明の製造方法により該表面装
飾器物を得ることができる。
の範囲に規定されている板状要素と該板状要素を被覆す
るフリット層とからなる装飾体により装飾されている。
該装飾体がかかる構成となっているため、該装飾体は電
子レンジが発する高周波電磁波に晒されても損傷しな
い。またフリット層に水分が付着しても、あるいはフリ
ット層に傷がついても該傷が板状要素に達するものでな
い限り、該装飾体は電子レンジが発する高周波電磁波に
晒されても損傷しない。また該装飾体がかかる構成とな
っているため化学的耐久性、耐摩耗性に優れ、長期に亘
って電子レンジの繰り返しの使用にも装飾体の損傷が生
じ難い。さらに板状要素を非導電性とする必要がないた
め、表面装飾器物は美しい金色系色調又は銀色系色調を
有し得る。すなわち従来は装飾体自身を非導電性とする
ことにより、電子レンジでの使用による損傷を防止して
いたが、化学的耐久性や発色性に問題があった。これを
単に間隔等が所定の範囲に規定されている板状要素と該
板状要素を被覆するフリット層とからなる装飾体とする
ことによって、電子レンジでの使用による損傷を防止
し、化学的耐久性や発色性にも優れた表面装飾器物を得
ることができる。また本発明の製造方法により該表面装
飾器物を得ることができる。
【0121】本発明のさらなる視点によれば、フリット
成分にBaO、SrOの一種以上を含むことにより、耐
摩耗性、耐薬品性に優れる上、発色性が一層改善され発
色のコントロールが容易となる。さらに、フリット組成
においても、目的に応じ広範な調節が許容される。
成分にBaO、SrOの一種以上を含むことにより、耐
摩耗性、耐薬品性に優れる上、発色性が一層改善され発
色のコントロールが容易となる。さらに、フリット組成
においても、目的に応じ広範な調節が許容される。
【図1】板状要素の例を示す模式図である。
【図2】板状要素の例を示す模式図である。
【図3】板状要素の例を示す模式図である。
1、2、3 板状要素 A、B 板状要素の尖鋭な点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 和尊 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 関根 英行 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (56)参考文献 特開 平8−183682(JP,A) 特開 平8−12475(JP,A) 特開 平6−48779(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 41/90 C03C 8/00
Claims (23)
- 【請求項1】窯業器物の表面に貴金属による装飾である
複数の板状要素を有し、 (a)隣接する該板状要素の間隔は0.2mm以上であ
り、個々の該板状要素の最大の長さは8.5mm以下で
あること、 (b)隣接する該板状要素の間隔は10mm以上であ
り、個々の該板状要素の最大の長さは12mm以下であ
ること、 のいずれか1であり、 かつ該板状要素がフリット層で被覆されていることを特
徴とする表面装飾器物。 - 【請求項2】前記貴金属が白金、パラジウム、銀からな
る群より選ばれた金属及び金、または金を含有すること
を特徴とする請求項1記載の表面装飾器物。 - 【請求項3】前記板状要素の厚さが0.1〜50μmで
あることを特徴とする請求項1または2記載の表面装飾
器物。 - 【請求項4】前記フリット層の層厚が0.1〜50μm
であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載
の表面装飾器物。 - 【請求項5】前記フリット層が次に示す組成 Na2O 0〜9 重量% K2O 0〜10.5 重量% Li2O 0〜10.5 重量% CaO 0〜9 重量% MgO 0〜3 重量% B2O3 8〜20 重量% SiO2 53〜62 重量% ZrO2 0〜2 重量% P2O5 0〜3 重量% Al2O3 10〜18 重量% (ただし、上記組成中、Na2O、K2O、CaOの3成
分の合計が6重量%以上であり、全組成の合計は100
重量%である。)から構成されることを特徴とする請求
項1〜4いずれか1項記載の表面装飾器物。 - 【請求項6】前記フリット層が請求項5記載のフリット
組成100重量部に対して20重量部以下のPbOをさ
らに含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記
載の表面装飾器物。 - 【請求項7】前記フリット層の耐電圧が80V以上であ
ることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の表
面装飾器物。 - 【請求項8】前記フリット層が次に示す組成 Na2O 0〜9 重量% K2O 0〜10.5 重量% Li2O 0〜10.5 重量% CaO 0〜9 重量% MgO 0〜4 重量% B2O3 8〜20 重量% SiO2 52〜62 重量% ZrO2 0〜4 重量% P2O5 0〜3 重量% Al2O3 8〜18 重量% BaO 0〜7 重量% SrO 0〜4.5 重量% (ただし、上記組成中、Na2O、K2O、CaOの3成
分の合計が6重量%以上であり、全組成の合計は100
重量%である。)から構成されることを特徴とする請求
項1〜4のいずれか1項記載の表面装飾器物。 - 【請求項9】BaOとSrOの合計が0.5重量%以上
であることを特徴とする請求項8記載の表面装飾器物。 - 【請求項10】前記フリット層が請求項8記載のフリッ
ト組成100重量部に対して20重量部以下のPbOを
さらに含むことを特徴とする請求項8記載の表面装飾器
物。 - 【請求項11】前記フリット層の耐電圧が80V以上で
あることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項記
載の表面装飾器物。 - 【請求項12】窯業器物の表面に貴金属による装飾であ
る複数の板状要素を有し、 (a)隣接する該板状要素の間隔は0.2mm以上であ
り、個々の該板状要素の最大の長さは8.5mm以下で
あること、 (b)隣接する該板状要素の間隔は10mm以上であ
り、個々の該板状要素の最大の長さは12mm以下であ
ること、 のいずれか1であり、 かつ該板状要素がフリット層で被覆されている表面装飾
器物の製造方法であって、 前記窯業器物の表面に上絵付用貴金属を用いて前記板状
要素を形成するよう板状要素材料を施す工程、その後焼
成する工程、その後該板状要素をフリット層で被覆する
工程、さらにその後焼成する工程を含むことを特徴とす
る表面装飾器物の製造方法。 - 【請求項13】窯業器物の表面に貴金属による装飾であ
る複数の板状要素を有し、焼成後の寸法において、 (a)隣接する該板状要素の間隔は0.2mm以上であ
り、個々の該板状要素の最大の長さは8.5mm以下で
あること、 (b)隣接する該板状要素の間隔は10mm以上であ
り、個々の該板状要素の最大の長さは12mm以下であ
ること、 のいずれか1であり、 かつ該板状要素がフリット層で被覆されている表面装飾
器物の製造方法であって、 前記窯業器物の表面に上絵付用貴金属を用いて前記板状
要素を形成するよう板状要素材料を施す工程、その後該
板状要素をフリット層で被覆する工程、その後焼成する
工程を含むことを特徴とする表面装飾器物の製造方法。 - 【請求項14】前記貴金属が白金、パラジウム、銀から
なる群より選ばれた金属及び金、または金を含有するこ
とを特徴とする請求項12または13記載の表面装飾器
物の製造方法。 - 【請求項15】前記板状要素の厚さを焼成後寸法で0.
1〜50μmとすることを特徴とする請求項12〜14
いずれか1項記載の表面装飾器物の製造方法。 - 【請求項16】前記フリット層の層厚を焼成後寸法で
0.1〜50μmとすることを特徴とする請求項12〜
15のいずれか1項記載の表面装飾器物の製造方法。 - 【請求項17】前記フリット層が次に示す組成 Na2O 0〜9 重量% K2O 0〜10.5 重量% Li2O 0〜10.5 重量% CaO 0〜9 重量% MgO 0〜3 重量% B2O3 8〜20 重量% SiO2 53〜62 重量% ZrO2 0〜2 重量% P2O5 0〜3 重量% Al2O3 10〜18 重量% (ただし、上記組成中、Na2O、K2O、CaOの3成
分の合計が6重量%以上であり、全組成の合計は100
重量%である。)から構成されることを特徴とする請求
項12〜16のいずれか1項記載の表面装飾器物の製造
方法。 - 【請求項18】前記フリット層が請求項17記載のフリ
ット組成100重量部に対して20重量部以下のPbO
をさらに含むことを特徴とする請求項17記載の表面装
飾器物の製造方法。 - 【請求項19】前記フリット層の耐電圧を80V以上と
するようフリット層を形成することを特徴とする請求項
12〜18のいずれか1項記載の表面装飾器物の製造方
法。 - 【請求項20】前記フリット層が次に示す組成 Na2O 0〜9 重量% K2O 0〜10.5 重量% Li2O 0〜10.5 重量% CaO 0〜9 重量% MgO 0〜4 重量% B2O3 8〜20 重量% SiO2 52〜62 重量% ZrO2 0〜4 重量% P2O5 0〜3 重量% Al2O3 8〜18 重量% BaO 0〜7 重量% SrO 0〜4.5 重量% (ただし、上記組成中、Na2O、K2O、CaOの3成
分の合計が6重量%以上であり、全組成の合計は100
重量%である。)から構成されることを特徴とする請求
項12〜16のいずれか1項記載の表面装飾器物の製造
方法。 - 【請求項21】BaOとSrOの合計が0.5重量%以
上であることを特徴とする請求項20記載の表面装飾器
物の製造方法。 - 【請求項22】前記フリット層が請求項20記載のフリ
ット組成100重量部に対して20重量部以下のPbO
をさらに含むことを特徴とする請求項20記載の表面装
飾器物の製造方法。 - 【請求項23】前記フリット層の耐電圧を80V以上と
するようフリット層を形成することを特徴とする請求項
20〜22のいずれか1項記載の表面装飾器物の製造方
法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8354813A JP2967742B2 (ja) | 1995-12-27 | 1996-12-20 | 電子レンジで使用可能な貴金属による表面装飾器物及びその製造方法 |
DE1996154820 DE19654820A1 (de) | 1995-12-27 | 1996-12-24 | Mit Edelmetall oberflächendekorierter und in einem elektrischen Herd verwendbarer Gegenstand |
GB9626984A GB2308555B (en) | 1995-12-27 | 1996-12-27 | Surface-decorated utensil with noble metal usable in electric range |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35305395 | 1995-12-27 | ||
JP7-353053 | 1995-12-27 | ||
JP8354813A JP2967742B2 (ja) | 1995-12-27 | 1996-12-20 | 電子レンジで使用可能な貴金属による表面装飾器物及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09235169A JPH09235169A (ja) | 1997-09-09 |
JP2967742B2 true JP2967742B2 (ja) | 1999-10-25 |
Family
ID=26579759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8354813A Expired - Fee Related JP2967742B2 (ja) | 1995-12-27 | 1996-12-20 | 電子レンジで使用可能な貴金属による表面装飾器物及びその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
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DE (1) | DE19654820A1 (ja) |
GB (1) | GB2308555B (ja) |
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DE19941020B4 (de) * | 1999-08-28 | 2007-07-19 | Ferro Gmbh | Glanzedelmetallpräparat für den Hochtemperaturbrand und Verfahren zur Herstellung von Glanzedelmetalldekoren |
US8445394B2 (en) * | 2008-10-06 | 2013-05-21 | Corning Incorporated | Intermediate thermal expansion coefficient glass |
IT1391934B1 (it) * | 2008-10-17 | 2012-02-02 | Marazzi Group S P A | Materiale vetroceramico e piastrella ricoperta con una fritta costituita da detto materiale vetroceramico |
JP2017024954A (ja) * | 2015-07-24 | 2017-02-02 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 上絵具用ガラスフラックスおよび上絵具 |
JP6780039B2 (ja) * | 2019-01-25 | 2020-11-04 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | インクジェット用水金液 |
WO2023032531A1 (ja) * | 2021-08-30 | 2023-03-09 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | セラミックス製品および装飾用組成物 |
Family Cites Families (3)
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DE3615272C1 (de) * | 1986-05-06 | 1987-03-05 | Heraeus Gmbh W C | Mikrowellenfestes Geschirrteil |
DE3616547C1 (de) * | 1986-05-16 | 1987-09-03 | Heraeus Gmbh W C | Keramisches Abziehbild fuer Glanzedelmetall-Dekors |
US5155319A (en) * | 1991-01-17 | 1992-10-13 | Chiu Sou Kuein | Heat-conducting film for absorbing electromagnetic wave and microwave energy |
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1996
- 1996-12-20 JP JP8354813A patent/JP2967742B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1996-12-24 DE DE1996154820 patent/DE19654820A1/de not_active Withdrawn
- 1996-12-27 GB GB9626984A patent/GB2308555B/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE19654820A1 (de) | 1997-09-18 |
GB2308555A (en) | 1997-07-02 |
JPH09235169A (ja) | 1997-09-09 |
GB9626984D0 (en) | 1997-02-12 |
GB2308555B (en) | 1999-02-24 |
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Legal Events
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