JP2000164142A - 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置 - Google Patents

表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置

Info

Publication number
JP2000164142A
JP2000164142A JP33964498A JP33964498A JP2000164142A JP 2000164142 A JP2000164142 A JP 2000164142A JP 33964498 A JP33964498 A JP 33964498A JP 33964498 A JP33964498 A JP 33964498A JP 2000164142 A JP2000164142 A JP 2000164142A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
glass
display device
dielectric constant
thermal expansion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33964498A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoya Hayakawa
直也 早川
Kazuhiro Nishikawa
和浩 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP33964498A priority Critical patent/JP2000164142A/ja
Publication of JP2000164142A publication Critical patent/JP2000164142A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 背面基板側の絶縁性被膜において、セラミッ
クフィラーとして、屈折率を低融点ガラスと相違させる
ことにより被膜の光反射、散乱を容易にして、発光の背
面基板側への逸散を抑え、かつ被膜の誘電率を抑えて表
示装置の消費電力を低減する。 【解決手段】 表示装置における電極をパターニングし
たパネル表面に絶縁性被膜を形成するための原材料であ
って、低融点ガラス粉60〜90wt%と、ルチル、アナター
ゼ、コランダム、石英、クリストバライト、またはアモ
ルファスシリカより選択される二種以上のフィラー10〜
40wt%とをベースとしてペーストオイルを添加し調製し
た絶縁性被膜形成材、および絶縁性被膜形成材により形
成された絶縁性被膜が、40%以上の可視光反射率および
18以下の誘電率を有し、または該被膜が30%以上の可視
光反射率、および15以下の誘電率を有する表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種表示パネル、
特にプラズマディスプレイパネル(PDP)において、
電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜を形成
するための原材料、および絶縁性被膜を形成した表示装
置に関する。
【0002】
【従来技術とその解決すべき課題】例えばPDP製造分
野においては、透視性を要する前面基板側に、酸化イン
ジウム−酸化錫系、あるいは酸化錫系等の透明電極線パ
ターンを覆って透明絶縁性被膜を形成させ、他方背面基
板側には、例えば銀、銅や酸化錫等の電極線パターンを
覆って絶縁性被膜を形成させる。更に、背面基板側には
各画素を区画する隔壁を形成し、各隔壁内には蛍光体が
配せられる。
【0003】前記前面基板、背面基板を対向させ、それ
ら周囲を放電空間を介して密封し、前記空間に希ガスを
封入してパネルが製造される。
【0004】前記前面基板および背面基板の電極線間に
電圧印加し、励起された希ガスの作用により蛍光体を発
光させることにより、図柄文字表示ができ、それを前面
基板側から視認するものであるが、背面基板側に透明な
絶縁性被膜を施した場合は、蛍光体の発光の際に背面側
に抜ける光も強く、それは輝度のロスにつながる。
【0005】それを防ぐために、透明な低融点ガラスに
対し屈折率が高い、または低いフィラーを散在させた被
膜を形成することにより、光を反射、散乱させ、光の背
面基板側への逸散を抑制し、光の輝度を向上させること
が推考される。
【0006】また、PDPにおいては消費電力を抑える
うえで、被膜の誘電率ε(ε=D/Eで規定され、Dは
電束密度、Eは電場の強さである)をなるべく低くする
方がよいが、他方ε∝n2 (nは被膜の屈折率であ
る。)の関係にあり、従って被膜の屈折率は低い方がよ
い。そのためには屈折率が極端に高い充填剤の混入は、
光反射性(散乱性)を向上するものの、誘電率も上昇す
るという問題がある。
【0007】公知例についてみれば、特公昭49ー31282
号公報には、半導体装置における封着用ガラスに関し、
PbO−SiO2−B2O3−ZnO−Bi2O3−PbF2系ガラスに、酸化
チタン0<〜30wt%を含むことが、特公昭49ー31285号
公報、および特公昭49ー31287号公報には、同様な半導
体封着用ガラスに関し、SiO2−B2O3−ZnO−PbF2系ガラ
スに、夫々アルミナ0<〜35%、酸化チタン0<〜35wt
%を含むことが開示されている。これら公知例の封着用
ガラスは、低い温度で封着でき、かつフィラーの混入に
より、端子金属のアルミニウムやコバールに熱膨張係数
を整合させるものである。
【0008】あるいは特開平8ー26770号公報には、PbO
−B2O3−ZnO −SiO2系結晶性低融点ガラス粉と、2〜3
0wt%の低膨張セラミックフィラー(ジルコン、アルミ
ナ、ムライト、シリカ、チタン酸鉛--等の1種以上)と
からなるもので、焼成後の熱膨張係数が65〜85×10ー7
℃のPDP用封着組成物が開示されている。これもフィ
ラーにより熱膨張係数を基板ガラスと整合させ、かつ耐
熱性を向上させ、パネルの劣化を防止するものである。
【0009】これらいずれの公知例にも、絶縁性被膜に
おいて光の背面基板側への逸散を抑制すべく光の反射率
を高め、かつ消費電力量を低減すべく誘電率を低くし、
更にそれら数値範囲を特定することについては開示、示
唆されていない。
【0010】本発明は、絶縁性被膜形成材におけるセラ
ミックフィラーとして、屈折率を低融点ガラスと相違さ
せることにより被膜の光反射、散乱を容易にし、耐熱安
定性も良好で、再三の熱処理に際しても熱軟化した低融
点ガラスにより侵食され難く、かつ誘電率をなるべく低
くして消費電力を抑制できる特定のフィラーを特定範囲
含んだ絶縁性被膜形成材、およびその絶縁性被膜を有す
る表示装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、表示装置にお
ける電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜を
形成するための原材料であって、低融点ガラス粉60〜90
wt%と、ルチル、アナターゼ、コランダム、石英、クリ
ストバライト、またはアモルファスシリカより選択され
る二種以上のフィラー10〜40wt%とをベースとしてペー
ストオイルを添加し調製した絶縁性被膜形成材である。
【0012】前記において、低融点ガラスはPbO−SiO2
−B2O3−ZnO系のガラスであって、軟化点600℃未満、常
温から300℃における熱膨張係数65〜95×10ー7/℃とす
るものである。
【0013】また、本発明は、表示装置における電極を
パターニングしたパネル表面に絶縁性被膜形成材により
形成された絶縁性被膜が、常温から300℃における熱膨
張係数70〜90×10ー7/℃、可視光反射率40%以上、およ
び誘電率18以下である表示装置である。
【0014】あるいは前記に替え、絶縁性被膜が、常温
から300℃における熱膨張係数70〜90×10ー7/℃、可視
光反射率30%以上、および誘電率15以下である表示装置
である。
【0015】上記において、ガラスの軟化点は、リトル
トン粘度計により測定するところの、ガラスの粘度が10
7.6ポイズを示す温度をいい、一般のソーダ石灰系ガラ
スの軟化点は 720〜730℃程度である。可視光反射率はJ
IS R 3106に基づくD65光源を用いて分光測定した可視
域の平均反射率をいう。また、誘電率は1mm厚の試料の
両面に電極を形成し、公知のガードリング方式により1
MHz 、25℃の条件下で測定した値である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下にPDPの例における、本発
明の絶縁性被膜形成材、およびそれによる絶縁性被膜を
示し、本発明を詳述する。
【0017】〔PDPの構造〕図1はPDPの一部を示
す概略側断面図である。
【0018】前面基板ガラス1には、ソーダ石灰系ガラ
スが多く採用される。ソーダ石灰系ガラスは、軟化点が
720〜730℃程度、熱膨張係数(室温〜300℃)が70〜90
×10 7/℃)程度である。前面基板ガラス1の片面(内
面)にはパターニングされた透明電極線2、あるいは更
にバス電極線を施す。更に前面基板ガラス1および透明
電極線2(更にバス電極線)を覆って、低融点ガラスよ
りなる透明絶縁性被膜3を施す。透明絶縁性被膜3は、
予め製造、整粒した低融点ガラス粉とペーストオイルか
らなる混合物をスクリーン印刷等により前面基板1およ
び透明電極線2(更にバス電極線)上に塗布し、570 〜
600 ℃程度で焼付けて厚膜を形成する。加えて、透明絶
縁性被膜3を覆って、スパッタリング法等によりマグネ
シア層4を施す。
【0019】他方、前面基板ガラスと同様のソーダ石灰
系ガラスからなる背面基板ガラス5には、前記透明電極
線に対向し、銀、銅、あるいは酸化錫等からなるアドレ
ス電極6、および本発明にかかる絶縁性被膜形成材から
なる絶縁性被膜7を施す。さらに各画素を区画するセラ
ミック質等の隔壁9が形成され、所望色調に発光する蛍
光体8が配される。これら前面基板ガラス1と背面基板
ガラス5は、それら周辺部を低融点ガラスからなる封着
層10により封着せしめる。
【0020】しかして、前面基板ガラス1と背面基板
(ガラス)5の間の空間 (放電空間)11には希ガスを封
入することによりPDPが完成する。PDPにおいて
は、電圧印加により透明電極線2とアドレス電極6の間
に電位差を生じさせ、希ガスを励起して紫外線を放射さ
せ、それが蛍光体8を刺激して発光、色表示せしめ、こ
れを前面基板の外方より視認するものである。
【0021】〔絶縁性被膜形成材〕前記したように、背
面基板ガラスはソーダ石灰系ガラスが多用され、その軟
化点は720〜730℃程度、熱膨張係数(室温〜300℃)が7
0〜90×10ー7/℃程度である。
【0022】絶縁性被膜形成材における低融点ガラスと
しては、 PbO−SiO2−B2O3−ZnO系のガラスであって、
軟化点が600℃未満、常温から 300℃における熱膨張係
数が65〜95×10ー7/℃のガラスを採用する。上記成分系
においてPbOはガラスを低融点(低軟化点)とするうえ
での主要な成分であり、SiO2、B2O3はガラスに化学的抵
抗性を与え、ガラスを安定して形成するうえで必須の成
分であり、ZnOはガラスの熱膨張係数、ガラス粘度を調
整するうえで不可欠の成分である。低融点ガラスの軟化
点は、基板ガラス、端的にはソーダ石灰系ガラスに絶縁
性被膜を焼付けるうえで、基板ガラスに反り、うねり等
の弊害を与え難い600℃またはそれ以下で絶縁性被膜を
形成するうえで、600℃未満とするものである。また、
基板ガラスの熱膨張係数が70〜90×10ー7/℃程度(於常
温〜300℃)であるので、絶縁性被膜の熱膨張係数もそ
れに近似させて70〜90×10ー7/℃とするものであり、該
絶縁性被膜を構成する低融点ガラスは、フィラーの熱膨
張係数を勘案して65〜95×10 ー7/℃とする。例えば、ガ
ラス組成がwt%で、SiO2 1〜10、B2O3 10〜30、ZnO5
〜20、PbO 30〜70、MgO、CaO、SrOまたはBaOの1種以上
0〜20からなり、軟化点 450〜590℃、熱膨張係数 70
〜95×10ー7/℃、屈折率 1.6〜1.8、誘電率 8.0〜12.0
のガラスフリットが好適に採用できる。
【0023】フィラーは、アナターゼ(TiO2)、ルチル
(TiO2)、コランダム(Al2O3)、石英(SiO2)、アモ
ルファスシリカ(a−シリカ:SiO2)、クリストバライ
ト(SiO2)から二種以上のフィラーを選択するものであ
り、それらの屈折率、誘電率、熱膨張係数は以下のとお
りである。 アナターゼ :屈折率 2.5 ,誘電率 31 ,熱膨張係数α 60〜65 ルチル :屈折率 2.7 ,誘電率 114 ,熱膨張係数α 75〜80 コランダム :屈折率 1.76 ,誘電率 9.3 ,熱膨張係数α 70 石英 :屈折率 1.54 ,誘電率 4.3 ,熱膨張係数α 100 a-シリカ :屈折率 1.46〜1.47 ,誘電率 3.9 ,熱膨張係数α 5 クリストバライト:屈折率 <1.49 ,誘電率 <4 ,熱膨張係数α* ≒100 (熱膨張係数αは常温〜300℃における平均値で、×10ー7/℃であらわされる.ク
リストバライトの熱膨張係数α*は200℃付近の転移点までは石英と略同等である
が転移に際して異常膨張がある)
【0024】ルチルは屈折率が高く、低融点ガラスとの
屈折率差が非常に大きいため光散乱性に富むフィラーと
して有効であるが、誘電率を著しく増大するので、誘電
率のより低いフィラーとの併用が必要である。アナター
ゼはルチルに次いで屈折率、誘電率が高い。特に熱膨張
係数がやや低いので、より熱膨張係数の高いフィラーと
の併用が望ましい。a−シリカおよびクリストバライト
は低屈折率フィラーのなかでは比較的低融点ガラスとの
屈折率差が大きく、誘電率を下げるフィラーとして注目
されるものである。但しa−シリカは熱膨張係数が極端
に低いため、熱膨張係数の高いフィラーとの併用、他方
クリストバライトは熱膨張係数が高く200℃付近におい
て転移による異常膨張があるので、熱膨張係数の低いフ
ィラーとの併用が望ましい。
【0025】石英、コランダムは、安価な材料である
が、低融点ガラスと屈折率が近似しているため、採用す
べき低融点ガラスの屈折率を勘案し、低融点ガラスと屈
折率差が大きくなるように適宜選択使用する。これらは
また熱膨張係数を調整するうえで格好の材料である。
【0026】なお、いずれのフィラーも低融点ガラスの
軟化点に対し融点が遙かに高く、熱軟化した低融点ガラ
スに対しても安定しているので、絶縁性被膜形成後、隔
壁形成や基板同士の封着に際しての再熱処理において
も、被膜が軟化流動化するのを防ぎ、また被膜の誘電率
自体を変化させることもない。勿論これらフィラーは電
気絶縁性にも優れる。
【0027】低融点ガラスおよびフィラー計100wt%よ
りなる絶縁性被膜形成材において、上記二種以上の混合
フィラーは10〜40wt%の範囲で混入する。フィラーが10
wt%未満では、絶縁性被膜の効果的な光散乱性を得難
く、また再熱処理に際する被膜の流動化を抑え難い。好
適には20wt%以上混入するのが望ましい。他方フィラー
が40wt%を越えると、相対的に絶縁性被膜における低融
点ガラスの割合が過少となり、充分焼結した堅牢な被膜
を得難く、該被膜の基板ガラスや隔壁との密着性、接着
力が低下する。好適には35wt%以下とする。
【0028】フィラーを二種以上選択採用する理由は、
前記したごとく、絶縁性被膜の光散乱性を高くするうえ
では、低融点ガラスに対し屈折率差の大きいフィラー
が、また消費電力を抑えるうえでは、低屈折率のフィラ
ーを混入するのが望ましいが、フィラーの熱膨張係数、
耐熱安定性などの諸物性等を含めた絶縁性被膜形成材と
しての適性を勘案すると、単一のフィラーでそれら満足
させるのは困難であり、従って二種以上併存させるもの
である。低融点ガラスフリットの粒径は大略10μmφ以
下であり、フィラーの粒径は規定するものではないがフ
リットと同等、またはそれ以下とすればよい。
【0029】表示装置製造業界においては、光の背面基
板側への逸散を抑制し、光の輝度を向上させること、す
なわち絶縁性被膜におけるフィラーによる光の散乱性を
重視し、そのうえで表示装置の消費電力の低減、すなわ
ち絶縁性被膜の誘電率を抑えること指向するケースと、
表示装置の消費電力の低減(絶縁性被膜の誘電率の低
減)を重視し、そのうえで光の背面基板側への逸散の抑
制、輝度の向上を指向するケースがあるが、前者のケー
スにおいては絶縁性被膜の可視光反射率を40%以上、誘
電率を18以下とするものであり、後者のケースにおいて
は、絶縁性被膜の可視光反射率を30%以上、誘電率を15
以下とするものである。より好ましくは、絶縁性被膜の
可視光反射率を40%以上、誘電率を15以下とするのがよ
い。
【0030】前記いずれのケースにおいても、絶縁性被
膜の熱膨張係数は基板ガラスの熱膨張係数と近似させ、
被膜の焼付けや再熱処理工程において相互の熱膨張係数
の差による基板の反りや被膜の剥離、亀裂の発生等を防
ぐべく、70〜90×10ー7/℃とする。
【0031】
【実施例】以下具体的実施例を例示して本発明を説明す
る。
【0032】〔低融点ガラス混合ペーストの作製〕低融
点ガラスフリットとして、以下の3種のセントラル硝子
株式会社製の低融点ガラスを粒径10μm以下に粉砕した
ものを準備した。 ガラス(A):軟化点 530℃, 熱膨張係数α 77, 誘電率 9.0 成分組成(wt%) SiO2 3, B2O3 25, ZnO 18, PbO 37, BaO 17 ガラス(B):軟化点 510℃, 熱膨張係数α 78, 誘電率 10.0 成分組成(wt%) SiO2 2, B2O3 24, ZnO 16、PbO 48, BaO 10 ガラス(C):軟化点 470℃, 熱膨張係数α 91, 誘電率 13.0 成分組成(wt%) SiO2 4.5, B2O3 16.5, ZnO 6, PbO 62, BaO 11 (熱膨張係数は常温〜 300℃における値で、α×10ー7/℃であらわされる)
【0033】フィラーとして、市販のアナターゼ(Ti
O2)、ルチル(TiO2)、コランダム(Al2O3)、石英(S
iO2)、a−シリカ(SiO2)、および発明者等がa−シ
リカより調製したクリストバライト(SiO2)で、いずれ
も平均粒径1〜3μm のものを準備した。それらの屈折
率、誘電率、熱膨張係数は先述のとおりである。
【0034】これら低融点ガラスフリットおよびフィラ
ーは所望の割合で充分混合し、さらにバインダーとして
のエチルセルロース、およびαテルピネオール、ブチル
カルビトールアセテートからなるペーストオイルに混合
し、粘度 300±50ポイズ程度のスクリーン印刷に適する
ペーストを調製した。
【0035】〔絶縁性被膜の形成〕厚み3mm、サイズ 1
50mm□のソーダ石灰系基板ガラスに、焼付け後の膜厚が
約10μmとなるべく勘案して目の開き#250のスクリーン
を用いて前記ペーストをスクリーン印刷により塗布し
た。
【0036】次いで140 ℃で15分間乾燥した後、590 ℃
で30分間焼付けて、絶縁性被膜を形成した。
【0037】得られた試料について以下の試験に供し
た。
【0038】〔焼結性の評価〕被膜面に浸透性のある染
料を塗布し、3分間経過後基板ガラス側より観察して、
染料の浸透のないものを「良」、染料の浸透が認められ
るものを「悪」とした。
【0039】〔反射率の測定〕絶縁性被膜を形成した基
板ガラス(厚み3mm)について、JIS R 3106に基づくD
65光源を用いて分光光度計により測定した反射率におい
て、可視域の平均反射率を求めた。
【0040】〔熱膨張係数の測定〕低融点ガラスフリッ
トとフィラーの混合物を10mmφ×30mmにプレス成形し、
590℃で30分間熱処理して焼結させたものより、4mmφ
×20mmの測定サンプルを作製し、微小定荷重熱膨張計に
て測定し室温〜300 ℃の平均熱膨張係数を求めた。
【0041】〔誘電率の測定〕低融点ガラスフリットと
フィラーの混合物を80mmφ×10mmにプレス成形し、 590
℃で30分間熱処理して焼結させたものより、50mmφ×1
mmの測定サンプルを作製し、両面に電極を形成し、1MH
z 、25℃の条件下で、いわゆるガードリング方式により
誘電率を測定した。
【0042】〔耐熱性の観察〕低融点ガラスフリットと
フィラーの混合物を、一旦 590℃で30分間熱処理したも
のについて、加熱顕微鏡下で 550℃まで再加熱しつつ、
加熱流動性状態について観察した。これは、絶縁性被膜
のうえに更にセラミックペーストを塗布し、加熱焼成し
て隔壁を形成する場合に、一旦形成した被膜が流動化
し、隔壁パターンの位置ずれが生ずるケースがしばしば
あるが、その可能性を観察するものであり、流動状態が
認められないものを「良」、認められるものを「悪」と
した。
【0043】条件および各試験結果を表1、表2に示
す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】〔結果〕本実施例の絶縁性被膜によれば、
可視光反射率は40%以上で誘電率は18以下、あるいは可
視光反射率は30%以上で誘電率は15以下することがで
き、蛍光体からの発光が背面基板側に散逸して輝度が低
くなるのを成る可く抑制し、また、消費電力を多分に抑
制するものである。
【0047】さらに熱膨張係数を基板ガラスと近似した
70〜90×10ー7/℃に調整できるので、基板ガラスの反り
や割れ、絶縁性被膜の亀裂の発生等も防ぐことができ、
加えてその後の熱処理に際しても被膜の流動化等の不具
合のない耐熱性を発揮するものである。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁性被膜の可視光反
射率は40%以上で誘電率は18以下、あるいは可視光反射
率は30%以上で誘電率は15以下することができ、蛍光体
からの発光が背面基板側に散逸して輝度が低くなるのを
成る可く抑制し、また、消費電力を多分に抑制すること
ができる。
【0049】さらに絶縁性被膜の熱膨張係数を基板ガラ
スと近似した70〜90×10ー7/℃に調整できるので、基板
ガラスの反りや割れ、絶縁性被膜の亀裂の発生等も防ぐ
ことができる。加えてその後の熱処理に際しても被膜の
流動化等の不具合のない耐熱性を発揮することができ
る。
【0050】本発明は、特にPDPにおける絶縁性被
膜、および絶縁性被膜形成材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDPの概略側断面図である。
【符号の説明】
1--------前面基板ガラス 2--------透明電極線 3--------透明絶縁性被膜 4--------マグネシア層 5--------背面基板ガラス 6--------アドレス電極 7--------絶縁性被膜 8--------蛍光体 9--------隔壁 10--------封着層 11--------放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA08 AA09 AA15 BB04 BB05 DA03 DB04 DC01 DD01 DE03 DE04 DF05 DF06 EA01 EA10 EB01 EC01 ED01 ED02 ED03 ED04 EE01 EE02 EE03 EE04 EF01 EF02 EF03 EF04 EG01 EG02 EG03 EG04 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM07 MM12 NN26 NN30 NN32 PP02 PP04 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GD07 KA08 KB03 KB11 KB15 KB19 KB28 KB29 MA03 MA12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示装置における電極をパターニングした
    パネル表面に絶縁性被膜を形成するための原材料であっ
    て、低融点ガラス粉60〜90wt%と、ルチル、アナター
    ゼ、コランダム、石英、クリストバライト、またはアモ
    ルファスシリカより選択される二種以上のフィラー10〜
    40wt%とをベースとしてペーストオイルを添加し調製し
    たことを特徴とする絶縁性被膜形成材。
  2. 【請求項2】低融点ガラスがPbO−SiO2−B2O3−ZnO系の
    ガラスであって、軟化点600℃未満、常温から300℃にお
    ける熱膨張係数65〜95×10ー7/℃であることを特徴とす
    る請求項1記載の絶縁性被膜形成材。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の表示装置における
    電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜形成材
    により形成された絶縁性被膜が、常温から300℃におけ
    る熱膨張係数70〜90×10ー7/℃、可視光反射率40%以
    上、および誘電率18以下であることを特徴とする表示装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の表示装置における
    電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜形成材
    により形成された絶縁性被膜が、常温から300℃におけ
    る熱膨張係数70〜90×10ー7/℃、可視光反射率30%以
    上、および誘電率15以下であることを特徴とする表示装
    置。
JP33964498A 1998-11-30 1998-11-30 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置 Pending JP2000164142A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33964498A JP2000164142A (ja) 1998-11-30 1998-11-30 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33964498A JP2000164142A (ja) 1998-11-30 1998-11-30 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000164142A true JP2000164142A (ja) 2000-06-16

Family

ID=18329463

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33964498A Pending JP2000164142A (ja) 1998-11-30 1998-11-30 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000164142A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1420435A2 (en) * 2002-11-15 2004-05-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Light emitting devices having a self-cleaning function, methods of manufacturing the same, and methods of manufacturing plasma display panels having a self-cleaning function
JP2006032044A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネル
JP2008192427A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Fujikura Ltd 電極基板および光電変換素子
JP2010006638A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 無鉛低温ガラスフリット、それを用いた無鉛低温ガラスフリットペースト材料,画像表示装置及びicセラミックスパッケージ
JP2010219057A (ja) * 2006-03-29 2010-09-30 Nippon Electric Glass Co Ltd ディスプレイパネル
US9224983B2 (en) 2010-12-20 2015-12-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Substrate for surface light emitting device and method of manufacturing the substrate, surface light emitting device, lighting apparatus, and backlight including the same

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1420435A2 (en) * 2002-11-15 2004-05-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Light emitting devices having a self-cleaning function, methods of manufacturing the same, and methods of manufacturing plasma display panels having a self-cleaning function
EP1420435A3 (en) * 2002-11-15 2007-07-11 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Light emitting devices having a self-cleaning function, methods of manufacturing the same, and methods of manufacturing plasma display panels having a self-cleaning function
JP2006032044A (ja) * 2004-07-14 2006-02-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd プラズマディスプレイパネル
JP2010219057A (ja) * 2006-03-29 2010-09-30 Nippon Electric Glass Co Ltd ディスプレイパネル
JP2008192427A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Fujikura Ltd 電極基板および光電変換素子
JP2010006638A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Hitachi Powdered Metals Co Ltd 無鉛低温ガラスフリット、それを用いた無鉛低温ガラスフリットペースト材料,画像表示装置及びicセラミックスパッケージ
US9224983B2 (en) 2010-12-20 2015-12-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Substrate for surface light emitting device and method of manufacturing the substrate, surface light emitting device, lighting apparatus, and backlight including the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3827987B2 (ja) 無鉛ガラスフリット
JP2004284934A (ja) 無鉛低融点ガラス
JP2002053342A (ja) 電極被覆用低融点ガラス
JP2006193385A (ja) 電極被覆用ガラス、プラズマディスプレイパネル前面基板およびプラズマディスプレイパネル背面基板
WO2005007591A1 (ja) 無鉛ガラス、電極被覆用ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置
JP2005336048A (ja) ガラス組成物、ペースト組成物及びプラズマディスプレイパネル
JP2000164142A (ja) 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置
JP4725045B2 (ja) 無鉛ガラス、電極被覆用ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置
KR100732720B1 (ko) 전극 피복용 유리, 전극 피복용 착색 분말, 및 플라즈마디스플레이 장치
JP4300760B2 (ja) 電極被覆用ガラスおよびプラズマディスプレイ装置
KR20070038435A (ko) 전극 피복용 유리 및 플라즈마 표시 패널
JP2000044277A (ja) 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置
JP2001151532A (ja) 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置
JP4380589B2 (ja) 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置
JP2001080934A (ja) プラズマディスプレーパネル用材料及びガラス粉末
JPH1067534A (ja) 被膜形成用低融点ガラス
JP4282885B2 (ja) 電極被覆用低融点ガラスおよびプラズマディスプレイ装置
JP2000119039A (ja) 電極被覆用低融点ガラス粉末およびプラズマディスプレイ装置
JP2000016833A (ja) 絶縁性被膜形成用結晶性ガラスおよび該ガラスを熱処理してなる結晶質被膜
JP2002087843A (ja) 低融点ガラス
JP2002274883A (ja) 低融点ガラス
JP2007277016A (ja) 平面蛍光ランプ電極被覆用無鉛ガラス
JP3456631B2 (ja) 透明絶縁性被膜形成用低融点ガラス
JPH10316451A (ja) 透明絶縁性被膜形成用低融点ガラス
JPH11343138A (ja) 透明絶縁性被膜形成用低融点ガラス