JP2000044277A - 表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置 - Google Patents

表示装置の絶縁性被膜形成材および表示装置

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JP2000044277A
JP2000044277A JP20889198A JP20889198A JP2000044277A JP 2000044277 A JP2000044277 A JP 2000044277A JP 20889198 A JP20889198 A JP 20889198A JP 20889198 A JP20889198 A JP 20889198A JP 2000044277 A JP2000044277 A JP 2000044277A
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glass
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type titanium
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Naoya Hayakawa
直也 早川
Kazuhiro Nishikawa
和浩 西川
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Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種表示パネル、特にPDPにおいて、電極
をパターニングしたパネル表面に形成する光散乱性、誘
電率特性等に優れる絶縁性被膜。 【解決手段】 表示装置における電極をパターニングし
たパネル表面に絶縁性被膜を形成するための原材料であ
って、低融点ガラス粉60〜80wt%と、酸化チタンフィラ
ー20〜40wt%とをベースとしてペーストオイルを添加混
合してなり、前記酸化チタンフィラーがアナターゼ型酸
化チタンAあるいは更にルチル型酸化チタンRを含み、
重量比でA:Rが 100:0〜10:90である絶縁性被膜形
成材、およびそれにより形成された絶縁性被膜が40〜55
%の可視光反射率、および14〜18の誘電率を有する表示
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種表示パネル、
特にプラズマディスプレイパネル(PDP)において、
電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜を形成
するための原材料、および絶縁性被膜を形成した表示装
置に関する。
【0002】
【従来技術とその解決すべき課題】例えばPDP製造分
野においては、前面基板側に、酸化インジウム−酸化錫
系、あるいは酸化錫系等の透明電極線パターンを覆って
透明絶縁性被膜を形成させ、他方背面基板側には、例え
ば銀、銅や酸化錫等の電極線パターン(透明である必要
はない)を覆って絶縁性被膜を形成させる。更に、背面
基板側には各画素を区画する隔壁を形成し、各隔壁内に
は蛍光体が配せられる。
【0003】それら前面基板、背面基板を対向させ、そ
れら周囲を放電空間を介して密封し、前記空間に希ガス
を封入してパネルが製造される。前記前面基板の電極
線、および背面基板の電極線間に電圧印加し、励起され
た希ガスの作用により蛍光体を発光させることにより、
図柄文字表示ができ、それを前面基板側から視認するも
のであるが、前記背面基板側に透明な絶縁性被膜を施し
た場合は、蛍光体の発光の際に背面側に抜ける光も強
く、それは輝度のロスにつながる。
【0004】それを防ぐために、透明な低融点ガラスに
対し屈折率が高い、または低い充填剤、例えばジルコ
ン、アルミナ、チタン酸鉛等の粉末を散在させた被膜を
形成したり、低融点ガラスを結晶化被膜とすることによ
り、光を反射、散乱させ、光の背面基板側への逸散を抑
制することにより、光の輝度を向上させることが推考さ
れる。本発明は前者の充填剤を散在させた被膜を形成せ
しめるものである。
【0005】また、PDPにおいては消費電力を抑える
うえで、被膜の誘電率ε(ε=D/Eで規定され、Dは
電束密度、Eは電場の強さである)をなるべく低くする
方がよいが、他方ε∝n2 (nは被膜の屈折率であ
る。)の関係にあり、従って被膜の屈折率は低い方がよ
い。そのためには屈折率が極端に高い充填剤の混入は、
光反射性(散乱性)を向上するものの、誘電率も上昇す
るという問題がある。
【0006】公知例についてみれば、特公昭49ー31282
号公報には、半導体装置における封着用ガラスに関し、
PbO −SiO2−B2O3−ZnO −Bi2O3 −PbF2系ガラスに、酸
化チタン0<〜30wt%を含むことが、同様に特公昭49ー
31287 号には、SiO2−B2O3−ZnO −PbF2系ガラスに、酸
化チタン0<〜35wt%を含むことが開示されている。こ
れら公知例の封着用ガラスは、低い温度で封着でき、か
つ酸化チタンの混入により、端子金属のアルミニウムや
コバールに熱膨張係数を整合させるものである。
【0007】あるいは特開平8ー26770 号公報には、Pb
O −B2O3−ZnO −SiO2系結晶性低融点ガラス粉と、2〜
30wt%の低膨張セラミックフィラー(ジルコン、アルミ
ナ、ムライト、シリカ、チタン酸鉛--等の1種以上)と
からなるもので、焼成後の熱膨張係数が65〜85×10ー7
℃のPDP用封着組成物が開示されている。これもフィ
ラーにより熱膨張係数を基板ガラスと整合させ、かつ耐
熱性を向上させ、パネルの劣化を防止するものである。
【0008】これらいずれの公知例にも、絶縁性被膜に
おいて光の背面基板側への逸散を抑制すべく光の反射率
を高め、かつ消費電力量を低減すべく誘電率を低くし、
更にそれら数値範囲を特定することについては開示、示
唆されていない。また絶縁性被膜形成材におけるセラミ
ックフィラーとしてのアナターゼ型酸化チタンを採用
し、あるいはそれにルチル型酸化チタンを併存させるこ
と、更にその比率を特定することは開示、示唆されてい
ない。
【0009】本発明は、絶縁性被膜において、セラミッ
クフィラーとして、屈折率が高く、従って被膜の光反
射、散乱を容易にし、耐熱性も良好で低融点ガラスによ
り侵食され難く、比較的安価で容易に調達できる酸化チ
タンに着目したものである。なお、酸化チタンにはルチ
ル型酸化チタン、アナターゼ型酸化チタンが一般的であ
り、殊に、単に酸化チタンというとルチル型酸化チタン
を指すことが多いが、ルチル型酸化チタンと屈折率、誘
電率、熱膨張係数等において相違するアナターゼ型酸化
チタンを採用し、またはアナターゼ型酸化チタンとルチ
ル型酸化チタンを併用し、両者の混入割合を調整し、光
の反射、散乱をなるべく高め、かつ誘電率をなるべく低
くした前記絶縁性被膜を形成すること、そのための絶縁
性被膜形成材を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、表示装置にお
ける電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜を
形成するための原材料であって、低融点ガラス粉60〜80
wt%と、酸化チタンフィラー20〜40wt%とをベースとし
てペーストオイルを添加混合してなり、前記酸化チタン
フィラーがアナターゼ型酸化チタンAおよびルチル型酸
化チタンRを含み、重量比でA:Rが 100:0〜10:90
である絶縁性被膜形成材である。
【0011】なお、前記絶縁性被膜形成材において、低
融点ガラスが PbO−SiO2−B2O3−ZnO 系のガラスであっ
て、常温から 300℃における熱膨張係数が70〜90×10ー7
/℃とするものである。
【0012】また、本発明は、表示装置における電極を
パターニングしたパネル表面に前記絶縁性被膜形成材に
より形成された絶縁性被膜が、40〜50%の可視光反射
率、および14〜18の誘電率を有する表示装置である。
【0013】上記において、低融点ガラスは、その軟化
点(ガラスの粘度が106 ポイズを示す温度)が 600℃未
満であるガラスをいう。なおソーダ石灰シリカ系ガラス
の軟化点は 720〜730 ℃程度である。また、誘電率は1
mm厚の試料の両面に電極を形成し、公知のガードリング
方式により1MHz 、25℃の条件下で測定した値である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下にPDPの例における、本発
明の絶縁性被膜形成材、およびそれによる絶縁性被膜を
示し、本発明を詳述する。
【0015】〔PDPの構造〕図1はPDPの一部を示
す概略側断面図である。前面基板ガラス1には、ソーダ
石灰系ガラスが多く採用される。ソーダ石灰系ガラス
は、歪点が 510〜520 ℃程度、熱膨張係数(室温〜300
℃)が80〜90×10 ー7/℃)程度である。前面基板ガラス
1の片面(内面)にはパターニングされた透明電極線2
を施す。透明電極線2は、通常は酸化インジウム−錫
(ITO)系、または酸化錫(SnO2)系のものが使用され
る。更に前面基板ガラス1および透明電極線2を覆っ
て、低融点ガラスよりなる透明絶縁性被膜3を施す。透
明絶縁性被膜3は、予め製造、整粒した低融点ガラス粉
とペーストオイルからなる混合物をスクリーン印刷等に
より前面基板1および透明電極線2上に塗布し、570 〜
600℃程度で焼付けて厚み30μm 程度の厚膜を形成す
る。前記30μm 程度の厚みはガス放電による表示性能、
長期安定性を発揮させるうえで必要かつ充分な厚みとさ
れる。
【0016】更に、透明絶縁性被膜3を覆って、スパッ
タリング法等によりマグネシア層5を施す。マグネシア
層5は放電に際して絶縁性被膜のスパッタリングから保
護するものであり、このように保護マグネシア層を被覆
することはPDPの形成における通常の技術手段であ
る。
【0017】他方、前面基板ガラスと同様のソーダ石灰
系ガラスからなる背面基板ガラス6には、前記透明電極
に対向し、銀、銅、あるいは酸化錫等からなるアドレス
電極7、および本発明にかかる絶縁性被膜形成材からな
る絶縁性被膜4を施す。さらに各画素を区画するセラミ
ック質等の隔壁9が形成され、所望色調に発光する蛍光
体8が配される。これら前面基板ガラス1と背面基板ガ
ラス6は、それら周辺部を低融点ガラスからなる封止材
10により封着せしめる。
【0018】なお、前記隔壁9は、一般的には低融点ガ
ラスにアルミナその他のセラミック質充填剤を混合し、
ペーストオイルを加えてペースト状としたものを絶縁性
被膜4上に塗布し、加熱焼成した後、画素を形成すべき
部分をサンドブラスト処理により削除することにより形
成する。
【0019】しかして、前面基板ガラス1と背面基板
(ガラス)6の間の空間 (放電空間)には希ガス11、例
えばNeガス等を封入することによりPDPが完成する。
PDPにおいては、電圧印加により透明電極2とアドレ
ス電極7の間に電位差を生じさせ、希ガス11を励起して
紫外線を放射させ、それが蛍光体8を刺激して発光、色
表示せしめ、これを前面基板の外方より視認するもので
ある。
【0020】〔絶縁性被膜形成材〕絶縁性被膜形成材に
おける低融点ガラスとしては、 PbO−SiO2−B2O3−ZnO
系の公知のガラスが採用できる。例えば、wt%で、SiO2
3、B2O3 25、ZnO 18、PbO 37、BaO 17からなり、熱膨
張係数 77×10ー7/℃、誘電率 9.0のガラスフリット、
または、wt%で、SiO2 2、B2O3 24、ZnO 16、PbO 48、
BaO 10からなり、熱膨張係数 78×10ー7/℃、誘電率 1
0.0 のガラスフリット、あるいは、wt%で、SiO2 4、B2
O3 20、ZnO 11、PbO 63、CaO 2からなり、熱膨張係数
81×10ー7/℃、誘電率 11.0 のガラスフリット等が好
適に採用できる。
【0021】なお、基板ガラスとしてはソーダ石灰系ガ
ラスまたはそれに類似するガラスが多用され、その熱膨
張係数は70台〜90×10ー7/℃であるから、低融点ガラス
もそれに近似した熱膨張係数、すなわち70〜90×10ー7
℃とすべきであり、また、フィラーとしての酸化チタン
も、前記低融点ガラスの熱膨張係数と著しく相違する
と、絶縁性被膜内における歪を招き易いので、やはり低
融点ガラスと近似した熱膨張係数のものであることが必
要である。
【0022】低融点ガラス、アナターゼ型酸化チタン、
ルチル型酸化チタンの屈折率、誘電率、熱膨張係数は以
下のとおりである。 低融点ガラス:屈折率 1.7〜1.8,誘電率 10前後,熱膨張係数α 70〜90 アナターゼ :屈折率 2.5 ,誘電率 31 ,熱膨張係数α 60〜65 ルチル :屈折率 2.7 ,誘電率 114 ,熱膨張係数α 75〜80 (熱膨張係数は常温〜 300℃における値で、α×10ー7
℃であらわされる)
【0023】アナターゼ型酸化チタンはルチル型酸化チ
タンに比べ屈折率が低く、従ってフィラーとして混入し
た場合反射率(すなわち光散乱)も低くなるが、その分
低融点ガラスに対する混入割合を多く採る必要がある。
なおアナターゼ型酸化チタンは熱膨張係数が低融点ガラ
スに比べて稍低いので、絶縁性被膜における低融点ガラ
スとの間で歪をなるべく生じないようにするうえでルチ
ル型酸化チタンと併用するのが望ましい。
【0024】他方ルチル型酸化チタンは、屈折率が高く
光散乱性を高揚する上で望ましいものではあるが、誘電
率も著しく高騰するため、その混入割合も制約すべきで
ある。
【0025】低融点ガラスに対し、上記アナターゼ型酸
化チタン、ルチル型酸化チタンからなるフィラーは20〜
40wt%の範囲で混入する。酸化チタンフィラーが20wt%
未満では、絶縁性被膜の効果的な光散乱性を得難い。他
方酸化チタンフィラーが40wt%を越えると、相対的に絶
縁性被膜における低融点ガラスの割合が過少となり、そ
の基板ガラスや隔壁との密着性、接着力が低下する。ま
た絶縁性被膜の誘電率を高騰し、消費電力を低減する観
点からは好ましくない。より望ましくは酸化チタンフィ
ラー混入量は25〜35wt%とする。
【0026】上記フィラーにおけるアナターゼ型酸化チ
タン:ルチル型酸化チタンの重量混合比は 100:0〜1
0:90とする。アナターゼ型酸化チタンの割合が10未満
であると相対的にルチル型酸化チタンの割合が増大し、
誘電率の上昇による消費電力の高騰を招く。なおアナタ
ーゼ型酸化チタンの割合が90を越えると被膜の熱膨張係
数を過小とし、基板ガラスの熱膨張係数との整合性が得
難くなり、基板ガラスの反りが過剰となる恐れがあるの
で、より好ましくは90以下程度とする。なお、低融点ガ
ラスフリットの粒径は大略10μm φ以下であり、酸化チ
タンの粒径は規定するものではないがフリットと同様と
すればよい。
【0027】本発明の絶縁性被膜によれば、可視光反射
率は40〜55%に達し、蛍光体からの発光が背面基板側に
散逸して輝度が低くなるのを成る可く抑制できる。ま
た、誘電率は14〜18程度に抑えることができるので、消
費電力の抑制にも効果的である。さらに熱膨張係数を基
板ガラスと近似した70〜90×10ー7/℃に調整できるの
で、基板ガラスの反りや割れ、絶縁性被膜の亀裂の発生
等も防ぐことができる。前記可視光反射率は、輝度向上
の観点からすればより高い方がよく、好ましくは45%以
上とする。また誘電率はより低い方がよく、好ましくは
17以下とするのがよい。
【0028】
【実施例】以下具体的実施例を例示して本発明を説明す
る。 〔低融点ガラス混合ペーストの作製〕低融点ガラスフリ
ットとして、以下の3種のセントラル硝子株式会社製の
低融点ガラスを粒径10μm 以下に粉砕したものを準備し
た。 ガラス(A):軟化点 530℃, 熱膨張係数α 77, 誘電率 9.0 成分組成(wt%) SiO2 3, B2O3 25, ZnO 18, PbO 37, BaO 17 ガラス(B):軟化点 510℃, 熱膨張係数α 78, 誘電率 10.0 成分組成(wt%) SiO2 2, B2O3 24, ZnO 16、PbO 48, BaO 10 ガラス(C):軟化点 475℃, 熱膨張係数α 81, 誘電率 11.0 成分組成(wt%) SiO2 4, B2O3 20, ZnO 11, PbO 63, CaO 2 (熱膨張係数は常温〜 300℃における値で、α×10ー7/℃であらわされる)
【0029】フィラーとして、市販のアナターゼ型酸化
チタン粉、ルチル型酸化チタン粉、α−アルミナ粉、石
英粉、石英ガラス(アモルファスシリカ)粉で、粒径10
μm以下のものを準備した。
【0030】なお、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型
酸化チタンの屈折率、誘電率、熱膨張係数は先述のとお
りであり、α−アルミナ、石英、石英ガラスのそれは以
下のとおりである。 αアルミナ :屈折率 1.76 ,誘電率 9.3 ,熱膨張係数α 70 石英 :屈折率 1.54 ,誘電率 4.3 ,熱膨張係数α 100 石英ガラス :屈折率 1.47 ,誘電率 3.9 ,熱膨張係数α 5 (アモルファス) (熱膨張係数は常温〜 300℃における値で、α×10ー7/℃であらわされる)
【0031】これら低融点ガラスフリットおよびフィラ
ーは所望の割合で充分混合し、さらにバインダーとして
のエチルセルロース、およびαテルピネオール、ブチル
カルビトールアセテートからなるペーストオイルに混合
し、粘度 300±50ポイズ程度のスクリーン印刷に適する
ペーストを調製した。
【0032】〔絶縁性被膜の形成〕厚み3mm、サイズ 1
50mm□のソーダ石灰系基板ガラスに、焼付け後の膜厚が
約10μm となるべく勘案して目の開き#250のスクリーン
を用いて前記ペーストをスクリーン印刷により塗布し
た。次いで140 ℃で15分間乾燥した後、590 ℃で30分間
焼付けて、絶縁性被膜を形成した。得られた試料につい
て以下の試験に供した。
【0033】〔焼結性の評価〕被膜面に浸透性のある染
料を塗布し、3分間経過後基板ガラス側より観察して、
染料の浸透のないものを「良」、染料の浸透が認められ
るものを「悪」とした。
【0034】〔反射率の測定〕絶縁性被膜を形成した基
板ガラス(厚み3mm)について、常法により分光光度計
により反射率を測定し、可視域における平均反射率を測
定した。
【0035】〔熱膨張係数の測定〕低融点ガラスフリッ
トとフィラーの混合物を10mmφ×30mmにプレス成形し、
590℃で30分間熱処理して焼結させたものより、4mmφ
×20mmの測定サンプルを作製し、微小定荷重熱膨張計に
て測定し室温〜300 ℃の平均熱膨張係数を求めた。
【0036】〔誘電率の測定〕低融点ガラスフリットと
フィラーの混合物を80mmφ×10mmにプレス成形し、 590
℃で30分間熱処理して焼結させたものより、50mmφ×1
mmの測定サンプルを作製し、両面に電極を形成し、1MH
z 、25℃の条件下で、いわゆるガードリング方式により
誘電率を測定した。
【0037】〔耐熱性の観察〕低融点ガラスフリットと
フィラーの混合物を、一旦 590℃で30分間熱処理したも
のについて、加熱顕微鏡下で 550℃まで再加熱しつつ、
加熱流動性状態について観察した。これは、絶縁性被膜
のうえに更にセラミックペーストを塗布し、加熱焼成し
て隔壁を形成する場合に、一旦形成した被膜が流動化
し、隔壁パターンの位置ずれが生ずるケースが屡々ある
が、その可能性を観察するものであり、流動状態が認め
られないものを「良」、認められるものを「悪」とし
た。
【0038】条件および各試験結果を表1、表2に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】〔結果〕本実施例の絶縁性被膜によれば、
可視光反射率は40〜55%に達し、蛍光体からの発光が背
面基板側に散逸して輝度が低くなるのを成る可く抑制で
きる。また、誘電率は14〜18程度に抑えることができる
ので、消費電力の抑制にも効果的である。
【0042】さらに熱膨張係数を基板ガラスと近似した
70〜90×10ー7/℃に調整できるので、基板ガラスの反り
や割れ、絶縁性被膜の亀裂の発生等も防ぐことができ
る。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁性被膜の可視光反
射率は40〜55%に達し、蛍光体からの発光が背面基板側
に散逸して輝度が低くなるのを成る可く抑制でき、ま
た、誘電率は14〜18程度に抑えることができるので、消
費電力の抑制にも効果的である。
【0044】さらに熱膨張係数を基板ガラスと近似した
70〜90×10ー7/℃に調整できるので、基板ガラスの反り
や割れ、絶縁性被膜の亀裂の発生等も防ぐことができ
る。本発明は、特にPDPにおける絶縁性被膜、および
絶縁性被膜形成材として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】PDPの概略側断面図である。
【符号の説明】
1--------前面基板ガラス 2--------透明電極 3--------透明絶縁性被膜 4--------絶縁性結晶質被膜 5--------マグネシア層 6--------背面基板ガラス 7--------アドレス電極 8--------蛍光体 9--------隔壁 10--------封止材 11--------放電空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示装置における電極をパターニングした
    パネル表面に絶縁性被膜を形成するための原材料であっ
    て、低融点ガラス粉60〜80wt%と、酸化チタンフィラー
    20〜40wt%とをベースとしてペーストオイルを添加混合
    してなり、前記酸化チタンフィラーがアナターゼ型酸化
    チタンAあるいは更にルチル型酸化チタンRを含み、重
    量比でA:Rが 100:0〜10:90であることを特徴とす
    る絶縁性被膜形成材。
  2. 【請求項2】低融点ガラスが PbO−SiO2−B2O3−ZnO 系
    のガラスであって、常温から 300℃における熱膨張係数
    が70〜90×10ー7/℃であることを特徴とする請求項1記
    載の絶縁性被膜形成材。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の表示装置における
    電極をパターニングしたパネル表面に絶縁性被膜形成材
    により形成された絶縁性被膜が、40〜55%の可視光反射
    率、および14〜18の誘電率を有することを特徴とする表
    示装置。
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