JP2707527B2 - 鉛分のないガラスフリット組成物及びその調製方法 - Google Patents
鉛分のないガラスフリット組成物及びその調製方法Info
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、性能特性の改良された鉛分のないガラスフ
リット組成物及びその調製方法に関する。
リット組成物及びその調製方法に関する。
ガラス、ガラスセラミックス、セラミックス及び磁器
製の物品をコーティング又は装飾するのに用いられる恒
久性の無機組成物は、一般にはうわぐすり、ホウロウ、
及びガラスエナメルの三つのカテゴリーに分けられる。
このようなコーティング又は装飾は、通常、周囲温度で
物品に適用され、その後加熱されて、処理される物品へ
それぞれのコーティング又は装飾が融着される。次い
で、処理された物品は周囲条件又は使用条件まで冷却さ
れ、そしてコーティング又は装飾は一般的に、処理され
た物品にしっかりと結合される。典型的には、そのよう
なコーティングは非多孔性であって、コーティングされ
ていない物品または比較的耐久性のないコーティングも
しくは装飾を有する物品の実用性を消失させるかもしれ
ない種々の化学薬品又は溶液を通さない。
製の物品をコーティング又は装飾するのに用いられる恒
久性の無機組成物は、一般にはうわぐすり、ホウロウ、
及びガラスエナメルの三つのカテゴリーに分けられる。
このようなコーティング又は装飾は、通常、周囲温度で
物品に適用され、その後加熱されて、処理される物品へ
それぞれのコーティング又は装飾が融着される。次い
で、処理された物品は周囲条件又は使用条件まで冷却さ
れ、そしてコーティング又は装飾は一般的に、処理され
た物品にしっかりと結合される。典型的には、そのよう
なコーティングは非多孔性であって、コーティングされ
ていない物品または比較的耐久性のないコーティングも
しくは装飾を有する物品の実用性を消失させるかもしれ
ない種々の化学薬品又は溶液を通さない。
うわぐすりは、一般には、均一なガラス質もしくは非
ガラス質のコーティングとして、又は選択的に装飾する
ために、セラミックス物品へ適用されるものである。う
わぐすりは、透明なガラス状のコーティングであること
ができ、あるいは顔料をうわぐすりに含ませて有色にす
ることができる。うわぐすりは、様々な方法、例えば浸
漬、吹付け、スクリーン印刷のようなもの、又は他の技
術により適用される。
ガラス質のコーティングとして、又は選択的に装飾する
ために、セラミックス物品へ適用されるものである。う
わぐすりは、透明なガラス状のコーティングであること
ができ、あるいは顔料をうわぐすりに含ませて有色にす
ることができる。うわぐすりは、様々な方法、例えば浸
漬、吹付け、スクリーン印刷のようなもの、又は他の技
術により適用される。
うわぐすりをセラミックス物品に適用する方法に応じ
て、ビヒクル又は媒体を使ってうわぐすりの適用を可能
にすることができる。ビヒクル又は媒体は融着処理を行
う間に揮発して、フリット及び顔料だけが残る。そのよ
うなうわぐすりの成分は典型的には、フリットと呼ばれ
るガラス質の細かく分割された粉末、フリットのコーテ
ィングを融解させるのに必要とされる温度に耐えそして
着色剤又は乳白剤として含まれる１種又は２種以上の顔
料、及び、添加剤を含有しもしくは含有しない水、有機
流体、熱可塑性樹脂のようなビヒクル又は他の媒体、で
ある。細かく分割された粉末成分（フリット及び顔料）
は、一般にビヒクル又は媒体に分散又は懸濁されてスラ
リー又はペーストを形成する。このスラリーは、吹付け
すること又は例えば浸漬のために使用することができ、
またペーストは、スクリーン印刷すること又は多数の他
の方法により適用することができる。
て、ビヒクル又は媒体を使ってうわぐすりの適用を可能
にすることができる。ビヒクル又は媒体は融着処理を行
う間に揮発して、フリット及び顔料だけが残る。そのよ
うなうわぐすりの成分は典型的には、フリットと呼ばれ
るガラス質の細かく分割された粉末、フリットのコーテ
ィングを融解させるのに必要とされる温度に耐えそして
着色剤又は乳白剤として含まれる１種又は２種以上の顔
料、及び、添加剤を含有しもしくは含有しない水、有機
流体、熱可塑性樹脂のようなビヒクル又は他の媒体、で
ある。細かく分割された粉末成分（フリット及び顔料）
は、一般にビヒクル又は媒体に分散又は懸濁されてスラ
リー又はペーストを形成する。このスラリーは、吹付け
すること又は例えば浸漬のために使用することができ、
またペーストは、スクリーン印刷すること又は多数の他
の方法により適用することができる。
ホウロウ及びガラスエナメルは、それらが適用される
物品の種類、適用方法及びそのようなコーティング又は
装飾を融着させるのに使用される温度範囲のようないく
つかの点で、うわぐすりとは異なる。ホウロウ及びガラ
スエナメルは同じように、顔料又は乳白剤が所要ならば
それらと共に、１種又は２種以上のフリットと、そして
通常の適用のためのビヒクル系とからなる。
物品の種類、適用方法及びそのようなコーティング又は
装飾を融着させるのに使用される温度範囲のようないく
つかの点で、うわぐすりとは異なる。ホウロウ及びガラ
スエナメルは同じように、顔料又は乳白剤が所要ならば
それらと共に、１種又は２種以上のフリットと、そして
通常の適用のためのビヒクル系とからなる。
うわぐすり、ガラスエナメル及びホウロウでは、使用
者に要望される色々の重要な特性を備えるように、フリ
ット配合物に鉛及び／又はカドミウムがしばしば混ぜ合
わされる。硫化カドミウム又は硫セレン化カドミウム
は、そのようなコーティング又は装飾において顔料とし
てしばしば用いられる。赤色又は黄色に着色したコーテ
ィング又は装飾を提供するためには、フリットにカドミ
ウムを混ぜ合わせてそのような硫化カドミウム又は硫セ
レン化カドミウムの顔料着色性を向上させることがしば
しば役に立つ。鉛やカドミウムを使用してしばしば向上
する性質の中には、融解温度の必要条件が低下すること
や、付着力及び耐化学薬品性の向上することがある。物
品にコーティング又は装飾を適用する場合には、物品の
熱変形を防止するように融解温度を可能な限り低くする
ことが殊に重要である。ガラス物品は、ガラスの熱変形
温度範囲がセラミックス又は鋳鉄と比べて一般により低
いため、この問題に対しても最も敏感である。鉛及びカ
ドミウムにはうわぐすりフリット、ホウロウフリット及
びガラスエナメルフリットの配合物において重要な用途
があるとは言うものの、鉛及びカドミウムに由来する不
利な毒物学的影響のために、そのような配合物にそれら
を用いるのは様々に禁止及び制限されている。従って、
同等の又は改良された性能特性を有するけれども鉛又は
カドミウム成分を含有していないガラスフリット製品を
配合することが必要とされている。
者に要望される色々の重要な特性を備えるように、フリ
ット配合物に鉛及び／又はカドミウムがしばしば混ぜ合
わされる。硫化カドミウム又は硫セレン化カドミウム
は、そのようなコーティング又は装飾において顔料とし
てしばしば用いられる。赤色又は黄色に着色したコーテ
ィング又は装飾を提供するためには、フリットにカドミ
ウムを混ぜ合わせてそのような硫化カドミウム又は硫セ
レン化カドミウムの顔料着色性を向上させることがしば
しば役に立つ。鉛やカドミウムを使用してしばしば向上
する性質の中には、融解温度の必要条件が低下すること
や、付着力及び耐化学薬品性の向上することがある。物
品にコーティング又は装飾を適用する場合には、物品の
熱変形を防止するように融解温度を可能な限り低くする
ことが殊に重要である。ガラス物品は、ガラスの熱変形
温度範囲がセラミックス又は鋳鉄と比べて一般により低
いため、この問題に対しても最も敏感である。鉛及びカ
ドミウムにはうわぐすりフリット、ホウロウフリット及
びガラスエナメルフリットの配合物において重要な用途
があるとは言うものの、鉛及びカドミウムに由来する不
利な毒物学的影響のために、そのような配合物にそれら
を用いるのは様々に禁止及び制限されている。従って、
同等の又は改良された性能特性を有するけれども鉛又は
カドミウム成分を含有していないガラスフリット製品を
配合することが必要とされている。
そのような鉛分のない製品は数多く開示されている。
例を挙げれば、米国特許第4554258号明細書は、Bi2O3,B
2O3,SiO2及びアルカリ金属酸化物の存在を必要とし、酸
化ビスマスが必然的に大量に存在するフリットを開示
し、米国特許第4376169号明細書は、アルカリ酸化物、B
2O3,Al2O3,SiO2,F,P2O5,ZnO及びTiO2の存在することを
必要とし且つ臨界的な組成範囲を有するフリットを開示
し、米国特許第4446241号明細書は、酸化物は他にもあ
るがその中でもLi2O,B2O3及びSiO2の存在することを必
要とするフリットを開示し、米国特許第4537862号明細
書は、B2O3,SiO2,ZrO2及び希土類酸化物の存在を必要と
してZrO2と希土類酸化物との重量比が重要であるフリッ
トを開示し、そして米国特許第4590171号明細書は、Li2
O,Na2O,BaO,Ba2O3,Al2O3,SiO2,ZrO2及びＦの存在を必要
とするフリットを開示する。この一般的な領域の別な特
許明細書として、米国特許第4084976号、同第4224074
号、同第4312951号、同第4340645号及び同第4361654号
明細書も参照される。このように、フリット配合物は満
足な配合物を提供しようとして酸化物成分の種類及び量
を様々に変えている、ということが分る。このようなフ
リットは様々な望ましい性質を示すと主張されてはいる
が、それらは１又は２以上の実用面においてなお不十分
である。
例を挙げれば、米国特許第4554258号明細書は、Bi2O3,B
2O3,SiO2及びアルカリ金属酸化物の存在を必要とし、酸
化ビスマスが必然的に大量に存在するフリットを開示
し、米国特許第4376169号明細書は、アルカリ酸化物、B
2O3,Al2O3,SiO2,F,P2O5,ZnO及びTiO2の存在することを
必要とし且つ臨界的な組成範囲を有するフリットを開示
し、米国特許第4446241号明細書は、酸化物は他にもあ
るがその中でもLi2O,B2O3及びSiO2の存在することを必
要とするフリットを開示し、米国特許第4537862号明細
書は、B2O3,SiO2,ZrO2及び希土類酸化物の存在を必要と
してZrO2と希土類酸化物との重量比が重要であるフリッ
トを開示し、そして米国特許第4590171号明細書は、Li2
O,Na2O,BaO,Ba2O3,Al2O3,SiO2,ZrO2及びＦの存在を必要
とするフリットを開示する。この一般的な領域の別な特
許明細書として、米国特許第4084976号、同第4224074
号、同第4312951号、同第4340645号及び同第4361654号
明細書も参照される。このように、フリット配合物は満
足な配合物を提供しようとして酸化物成分の種類及び量
を様々に変えている、ということが分る。このようなフ
リットは様々な望ましい性質を示すと主張されてはいる
が、それらは１又は２以上の実用面においてなお不十分
である。
よって、この発明の主目的は、幅広い範囲の改良され
た性能特性を示す鉛分のないガラスフリット組成物を提
供することである。
た性能特性を示す鉛分のないガラスフリット組成物を提
供することである。
本発明は更に、低融点であり且つ酸の攻撃と洗剤溶液
への暴露とに耐え、そしてフリットを有害な応力を生じ
させずに広範囲の商業的なガラス、ガラスセラミック
ス、磁器及びセラミックスの物品に適用するのを可能に
する熱膨張率を有する、上記の如きフリットを提供する
ことを目的とする。
への暴露とに耐え、そしてフリットを有害な応力を生じ
させずに広範囲の商業的なガラス、ガラスセラミック
ス、磁器及びセラミックスの物品に適用するのを可能に
する熱膨張率を有する、上記の如きフリットを提供する
ことを目的とする。
この発明の様々な他の目的及び利点は、以下に掲げる
説明から明らかになろう。
説明から明らかになろう。
驚くべきことに、前述の目的は、適切な濃度の範囲に
あるSiO2,Bi2O3,B2O3、アルカリ金属酸化物並びにZrO2
及び／又はTiO2からなる鉛分のないガラスフリットを調
製することによって満たされる、ということが分った。
このような系は、鉛及びカドミウム成分が存在しないガ
ラス質コーティングで効力があるという主要な必要条件
を満たす。その上、これらの配合物は、低融点、種々の
基材へ適用された場合にひび割れを避けるのに十分なだ
け少ない熱膨張、及びそれらを水系の吹付け媒体で使用
するのを容易にする小さな水への溶解度を含めて、広範
囲の望ましい性質を示す。特に重要なのは、洗剤への暴
露に耐えるのはもちろん、果汁を含めた様々な酸含有液
から受けるような酸の攻撃によく耐えることである。結
果として、これらのガラスフリット組成物は、広範囲の
様々なガラス製品や陶磁器へうわぐすりをかけ、ホウロ
ウをかけ、装飾を施す幅広い用途に利用できる。それら
はまた、種々の印刷方法でもって適用することができ
る。
あるSiO2,Bi2O3,B2O3、アルカリ金属酸化物並びにZrO2
及び／又はTiO2からなる鉛分のないガラスフリットを調
製することによって満たされる、ということが分った。
このような系は、鉛及びカドミウム成分が存在しないガ
ラス質コーティングで効力があるという主要な必要条件
を満たす。その上、これらの配合物は、低融点、種々の
基材へ適用された場合にひび割れを避けるのに十分なだ
け少ない熱膨張、及びそれらを水系の吹付け媒体で使用
するのを容易にする小さな水への溶解度を含めて、広範
囲の望ましい性質を示す。特に重要なのは、洗剤への暴
露に耐えるのはもちろん、果汁を含めた様々な酸含有液
から受けるような酸の攻撃によく耐えることである。結
果として、これらのガラスフリット組成物は、広範囲の
様々なガラス製品や陶磁器へうわぐすりをかけ、ホウロ
ウをかけ、装飾を施す幅広い用途に利用できる。それら
はまた、種々の印刷方法でもって適用することができ
る。
より明細に言うと、この発明のガラスフリット組成物
は次の成分からなる。
は次の成分からなる。
Bi2O3の量が45重量％を有意に超えるコーティング
は、うわぐすり又はホウロウで一定の顔料と混ぜ合わせ
た場合に優れた色の安定性を示すこともなく、洗剤溶液
にさらした場合に優れた耐引掻性を示すこともない、と
いうことに特に注目すべきである。
は、うわぐすり又はホウロウで一定の顔料と混ぜ合わせ
た場合に優れた色の安定性を示すこともなく、洗剤溶液
にさらした場合に優れた耐引掻性を示すこともない、と
いうことに特に注目すべきである。
アルカリ金属酸化物はNa2O,K2O及びLi2Oであり、Na2O
は好ましくはアルカリ金属酸化物含有量のうちの少なく
とも50重量％である。個々について言うと、Na2Oは０〜
19.0重量％、K2Oは０〜15.0重量％、そしてLi2Oは０〜
3.0重量％存在することができる。Na2Oの代りとする場
合、K2Oは焼成温度を上昇させ且つ熱膨張を増加させる
傾向があり、一方Li2Oは焼成温度を低下させるけれども
いくらかの熱応力を発生させることがある。
は好ましくはアルカリ金属酸化物含有量のうちの少なく
とも50重量％である。個々について言うと、Na2Oは０〜
19.0重量％、K2Oは０〜15.0重量％、そしてLi2Oは０〜
3.0重量％存在することができる。Na2Oの代りとする場
合、K2Oは焼成温度を上昇させ且つ熱膨張を増加させる
傾向があり、一方Li2Oは焼成温度を低下させるけれども
いくらかの熱応力を発生させることがある。
ZrO2及び／又はTiO2を加えることは、特にZrO2はアル
カリ及び洗剤溶液の攻撃に対する耐性を向上させ、一方
TiO2は酸の攻撃に対する耐性を向上させるという点で有
益である。個々について言うと、ZrO2は０〜3.0重量
％、そしてTiO2は０〜5.0重量％存在することができ
る。
カリ及び洗剤溶液の攻撃に対する耐性を向上させ、一方
TiO2は酸の攻撃に対する耐性を向上させるという点で有
益である。個々について言うと、ZrO2は０〜3.0重量
％、そしてTiO2は０〜5.0重量％存在することができ
る。
コーティングは、上に掲げた酸化物のほかに、性能特
質に不利な影響を及ぼさずに１種又は２種以上の下記の
成分を含有しても差支えない。
質に不利な影響を及ぼさずに１種又は２種以上の下記の
成分を含有しても差支えない。
成 分 重量％ CaO ０〜 4.0 SrO ０〜15.0 BaO ０〜19.0 ZnO ０〜 6.0 Al2O3 ０〜 4.0 WO3 ０〜 1.0 Ce2O3 ０〜 1.5 NO2 ０〜10.0 Cr2O3 ０〜 7.0 CoO ０〜15.0 MnO ０〜 8.0 P2O5 ０〜10.0 CaO,SrO及びBaOは、焼成温度を上昇させて熱膨張を低
下させ、同時に耐化学薬品性を向上させるために加える
ことができる。Cr2O3,CoO及びMnOは、結果として得られ
るガラス色彩を与える。当業者に公知である他の着色剤
を含めても差支えない。
下させ、同時に耐化学薬品性を向上させるために加える
ことができる。Cr2O3,CoO及びMnOは、結果として得られ
るガラス色彩を与える。当業者に公知である他の着色剤
を含めても差支えない。
ガラスフリットは、当業者によく知られている酸化物
生成物質を一緒に混合し、この原料混合物を1000〜1300
℃の温度のガラス融解炉に入れて溶融ガラスを生じさ
せ、次いでこのガラスを例えば水へ注ぎ又は水冷ロール
機を通過させて急冷することによって調製することがで
きる。必要ならば、通常の粉砕技術によりフリットを粉
砕して粉末にすることができる。結果として得られる製
品は一般に、500〜650℃の範囲の軟化点を有し、70〜90
×10-7℃-1の範囲の熱膨張率を有する。
生成物質を一緒に混合し、この原料混合物を1000〜1300
℃の温度のガラス融解炉に入れて溶融ガラスを生じさ
せ、次いでこのガラスを例えば水へ注ぎ又は水冷ロール
機を通過させて急冷することによって調製することがで
きる。必要ならば、通常の粉砕技術によりフリットを粉
砕して粉末にすることができる。結果として得られる製
品は一般に、500〜650℃の範囲の軟化点を有し、70〜90
×10-7℃-1の範囲の熱膨張率を有する。
本発明のフリットは、ガラス装飾用のガラス化可能な
着色剤として特に有用であるが、それらはまたセラミッ
クス基材へのコーティングのような関連用途に使用して
もよい。例えば、これらの物質をガラス装飾用着色剤と
して使用するためには、粉砕された本発明の乾燥粉末フ
リット、二酸化チタン顔料及びパイン油系の印刷用ビヒ
クルから構成されるペーストを調製する。次に、このペ
ーストをガラスジャーの外側又はガラス板へ適用し（例
えばスクリーン印刷によって）、そしてこのコーティン
グされた面を620℃で10分間焼成してゆっくりと冷却す
る。その結果、種々の酸性及び洗浄作用のある物質又は
アルカリ性の物質による攻撃に耐え、また化学還元に由
来する変色に耐える、滑らかな白色のガラス質コーティ
ングが得られる。他の着色剤や顔料をフリットに溶解及
び／又は懸濁させて種々の有色うわぐすり及びホウロウ
を得ることができる、ということも注目すべきである。
着色剤として特に有用であるが、それらはまたセラミッ
クス基材へのコーティングのような関連用途に使用して
もよい。例えば、これらの物質をガラス装飾用着色剤と
して使用するためには、粉砕された本発明の乾燥粉末フ
リット、二酸化チタン顔料及びパイン油系の印刷用ビヒ
クルから構成されるペーストを調製する。次に、このペ
ーストをガラスジャーの外側又はガラス板へ適用し（例
えばスクリーン印刷によって）、そしてこのコーティン
グされた面を620℃で10分間焼成してゆっくりと冷却す
る。その結果、種々の酸性及び洗浄作用のある物質又は
アルカリ性の物質による攻撃に耐え、また化学還元に由
来する変色に耐える、滑らかな白色のガラス質コーティ
ングが得られる。他の着色剤や顔料をフリットに溶解及
び／又は懸濁させて種々の有色うわぐすり及びホウロウ
を得ることができる、ということも注目すべきである。
以下に掲げる例は、この発明の態様を更に例示する。
これらの例においては、公知の出発物質と公知の技術と
を使用して適当な原バッチガラス組成物を調製し、それ
を一般に約1175〜1260℃（下記において表示される）で
約40分間融解させ、次いでそれらの組成物を急冷する。
各例の組成物は急冷され、そしてボールミルを使って粉
砕されて細かく分割された状態になる。そのように調製
された粉末を、パイン油系のビヒクルを用いて分散させ
てペーストにする。
これらの例においては、公知の出発物質と公知の技術と
を使用して適当な原バッチガラス組成物を調製し、それ
を一般に約1175〜1260℃（下記において表示される）で
約40分間融解させ、次いでそれらの組成物を急冷する。
各例の組成物は急冷され、そしてボールミルを使って粉
砕されて細かく分割された状態になる。そのように調製
された粉末を、パイン油系のビヒクルを用いて分散させ
てペーストにする。
試験を行うために、これらのペーストを顕著鏡スライ
ドガラスへスクリーン印刷し、次いでこれを乾燥させ、
そして焼成して、滑らかな連続表面コーティングが得ら
れる温度を決定する。
ドガラスへスクリーン印刷し、次いでこれを乾燥させ、
そして焼成して、滑らかな連続表面コーティングが得ら
れる温度を決定する。
より明細に述べると、期待される商業的焼成温度を決
めるために、各例の試料を二つの実験室オーブンでもっ
て、426℃で10分間予熱してパイン油系の媒体を揮発さ
せ、続いて即ちにスライドガラスを試験焼成温度のオー
ブンへ移すことからなる標準的な手順を使用して焼成す
る。試験焼成温度のオーブンではスライドガラスを15分
間加熱し、次いでそれを取出して評価を行う。一例とし
て、予熱後に特定の試験片を605℃の試験温度で15分間
焼成してその表面状態に滑らかでありそして連続である
ことが見いだされないならば、それよりも高い別の試験
温度が運ばれる。この試験方法は、商業的な物品をコー
ティング又は装飾しそして焼成する場合に商業的な炉が
成熟した滑らかな連続ガラスホウロウ表面を与えること
が期待される温度を決めるのに有効であることが分っ
た。
めるために、各例の試料を二つの実験室オーブンでもっ
て、426℃で10分間予熱してパイン油系の媒体を揮発さ
せ、続いて即ちにスライドガラスを試験焼成温度のオー
ブンへ移すことからなる標準的な手順を使用して焼成す
る。試験焼成温度のオーブンではスライドガラスを15分
間加熱し、次いでそれを取出して評価を行う。一例とし
て、予熱後に特定の試験片を605℃の試験温度で15分間
焼成してその表面状態に滑らかでありそして連続である
ことが見いだされないならば、それよりも高い別の試験
温度が運ばれる。この試験方法は、商業的な物品をコー
ティング又は装飾しそして焼成する場合に商業的な炉が
成熟した滑らかな連続ガラスホウロウ表面を与えること
が期待される温度を決めるのに有効であることが分っ
た。
各例の試験片の性能を評価するために使用したもう一
つの試験では、顕微鏡スライドガラスをスクリーン印刷
し、「成熟した」又は滑らかな連続表面の得られること
が分った焼成温度で焼成し、次いでゆっくりと冷却して
徐冷する。熱膨張応力をASTM C 978−87に概説される手
順を使って測定する。報告される応力値は、フリットコ
ーティングから顕微鏡スライドガラスへ熱応力が与えら
れることを示している。例えば、負の値は、フリットコ
ーティング真下の顕微鏡スライドガラスが圧縮の状態に
あることを示す。正の値は、フリットコーティングの下
のガラスが引張りの状態にあることを示す。負である応
力値は500psi（35.2kg/cm2）未満の大きさであるべきで
あり、さもなければソーダ石灰シリカガラスの物質に適
用された場合そのようなコーティングは有害な弱化を引
き起こしかねない。例えば、−150の負の値はこの試験
において−650の負の値よりも好ましい。正の値は、一
般にガラス物品の有害な弱化をそれほど引き起こさない
ようである。この試験は特定の基材について引き起こさ
れた相対的な応力を比較する、ということを確認するこ
とが非常に重要である。この場合には、顕微鏡スライド
ガラスについて−100psi（−7.0kg/cm2）の値が観測さ
れるならば、ソーダ石灰シリカガラスのジャー又は板に
適用された同じコーティングは0psiに近いことが期待さ
れよう。顕微鏡スライドガラスで−300psi（−21.1kg/c
m2）の値は、ソーダ石灰シリカガラス板については−20
0psi（14.1kg/cm2）の値を示すと期待し得よう。
つの試験では、顕微鏡スライドガラスをスクリーン印刷
し、「成熟した」又は滑らかな連続表面の得られること
が分った焼成温度で焼成し、次いでゆっくりと冷却して
徐冷する。熱膨張応力をASTM C 978−87に概説される手
順を使って測定する。報告される応力値は、フリットコ
ーティングから顕微鏡スライドガラスへ熱応力が与えら
れることを示している。例えば、負の値は、フリットコ
ーティング真下の顕微鏡スライドガラスが圧縮の状態に
あることを示す。正の値は、フリットコーティングの下
のガラスが引張りの状態にあることを示す。負である応
力値は500psi（35.2kg/cm2）未満の大きさであるべきで
あり、さもなければソーダ石灰シリカガラスの物質に適
用された場合そのようなコーティングは有害な弱化を引
き起こしかねない。例えば、−150の負の値はこの試験
において−650の負の値よりも好ましい。正の値は、一
般にガラス物品の有害な弱化をそれほど引き起こさない
ようである。この試験は特定の基材について引き起こさ
れた相対的な応力を比較する、ということを確認するこ
とが非常に重要である。この場合には、顕微鏡スライド
ガラスについて−100psi（−7.0kg/cm2）の値が観測さ
れるならば、ソーダ石灰シリカガラスのジャー又は板に
適用された同じコーティングは0psiに近いことが期待さ
れよう。顕微鏡スライドガラスで−300psi（−21.1kg/c
m2）の値は、ソーダ石灰シリカガラス板については−20
0psi（14.1kg/cm2）の値を示すと期待し得よう。
各例の組成物の性能を評価するのに使用したもの一つ
の方法では、試験フリットでコーティングしそして焼成
して成熟させた顕微鏡スライドガラスをASTM C 724に記
載されるようにクエン酸にさらし、クエン酸により残さ
れる汚染（stain）の外観を記述する下記に示す等級体
系を使用する。
の方法では、試験フリットでコーティングしそして焼成
して成熟させた顕微鏡スライドガラスをASTM C 724に記
載されるようにクエン酸にさらし、クエン酸により残さ
れる汚染（stain）の外観を記述する下記に示す等級体
系を使用する。
１ 目に見える汚染なし ２ にじ色の汚染 ３ 表面光沢の喪失 ４ チョーキングの可能性ある無光沢又は艶消し表面 ５ ホウロウが有意に除去され、明白なピンホールがあ
る。
る。
６ ホウロウの完全な除去 試料の性能を評価するのに使用したもう一つの手順
は、濃厚な商業的食器洗浄洗剤溶液に対する耐性を95℃
で24時間評価するものであって、上に示した等級尺度を
使って性能を測定する。
は、濃厚な商業的食器洗浄洗剤溶液に対する耐性を95℃
で24時間評価するものであって、上に示した等級尺度を
使って性能を測定する。
この発明の典型的なフリット配合物とそれらの有する
性能特性を第１表に示す。
性能特性を第１表に示す。
このように、これらの結果はこれらの系の実用的利益
を示している。
を示している。
要約すれば、この発明は改良された性能特性を示す鉛
分のないガラスフリット組成物を提供することが分る。
特許請求の範囲に明らかに示されている本発明の範囲か
ら逸脱することなしに、手順、組成物及び原料その他の
性質を様々に変えることができる。
分のないガラスフリット組成物を提供することが分る。
特許請求の範囲に明らかに示されている本発明の範囲か
ら逸脱することなしに、手順、組成物及び原料その他の
性質を様々に変えることができる。
Claims (7)
- 【請求項１】重量パーセントで下記に示される成分、す
なわち、 SiO2 25〜35 Bi2O3 25〜45 B2O3 10〜25 アルカリ金属酸化物 ４〜19 ZrO2 ０〜 3 TiO2 ０〜 5 ZnO ０〜 6 CaO ０〜 4 SrO ０〜15 BaO ０〜19 Al2O3 ０〜 4 NO2 ０〜10 WO3 ０〜 1 Ce2O3 ０〜 1.5 Cr2O3 ０〜 7 CoO ０〜15 MnO ０〜 8 P2O5 ０〜10 から本質的になり、ZrO2とTiO2との合計の量が0.3〜８
重量％である、鉛分のないガラスフリット組成物。 - 【請求項２】下記に示される成分が下記に示される重量
パーセント量で存在している請求項１記載の組成物。 SiO2 28〜31 Bi2O3 40〜43 B2O3 12〜15 アルカリ金属酸化物 5.5〜7.5 ZrO2＋TiO2 0.5〜２ - 【請求項３】前記アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウ
ム、酸化カリウム及び酸化リチウムからなる群より選択
され、そして当該組成物中に存在する場合の個々の成分
が、Li2Oは3.0重量％、K2Oは15.0重量％、そしてNa2Oは
19.0重量％を最高濃度として存在している、請求項１記
載の組成物。 - 【請求項４】Na2Oがアルカリ金属酸化物濃度の少なくと
も50重量％を構成する、請求項１記載の組成物。 - 【請求項５】ZrO2及びTiO2の両方が存在している、請求
項１記載の組成物。 - 【請求項６】重量パーセントで下記に示される成分、す
なわち、 SiO2 30.60 Bi2O3 41.88 B2O3 13.72 Na2O 6.35 ZnO 2.99 ZrO2 1.42 NO2 3.04 から本質的になる、請求項１記載の組成物。 - 【請求項７】鉛分のないガラスフリット組成物を調製す
る方法であって、下記の工程（ａ）〜（ｃ）、すなわ
ち、 （ａ）当該ガラスフリットが重量パーセントで下記に示
される成分、すなわち、 SiO2 25〜35 Bi2O3 25〜45 B2O3 10〜25 アルカリ金属酸化物 ４〜19 ZrO2 ０〜 3 TiO2 ０〜 5 ZnO ０〜 6 CaO ０〜 4 SrO ０〜15 BaO ０〜19 Al2O3 ０〜 4 NO2 ０〜10 WO3 ０〜 1 Ce2O3 ０〜 1.5 Cr2O3 ０〜 7 CoO ０〜15 MnO ０〜 8 P2O5 ０〜10 から本質的になり、ZrO2とTiO2とを合わせた量が0.3〜
８重量％となるような量で、原料を組み合わせる工程、 （ｂ）上記原料を1000〜1300℃の温度で融解させる工
程、 （ｃ）融解物（molten mass）からフリットを生成する
工程、 を含んでなる方法。
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| US206250 | 1988-06-13 |
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