JP4071448B2 - 低融点ガラス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面を直に被覆し、又は基板に配した導電体、半導体パターンを被覆するための透明かつ電気絶縁性を有する低融点ガラスであって、例えば各種表示パネル用基板、特にPDP基板に配したバス電極線および/または透明電極線パターン上に絶縁性被膜を形成するうえで好適な低融点ガラスに関する。なお、本発明の低融点ガラスは実質的にPbOおよびBi2O3を含まないガラスである。
【0002】
【従来技術および解決すべき課題】
従来低融点ガラス、例えば基板被覆用低融点ガラスには鉛系のガラスが採用されてきた。鉛成分はガラスを低融点とするうえで重要な成分ではあるものの、人体や環境に与える弊害が大きく、近年その採用を避ける趨勢にある。
別に低融点ガラスを形成するうえで、ガラス中にビスマス成分等を導入することは知られるところであるが、ビスマス成分も鉛と同類の重金属であることにおいて、環境に対する影響は否めない。
【0003】
公知技術についてみれば、特開昭48-43007号公報には、B2O3、ZnO、Na2O、V2O5を主成分とし、SiO2、Al2O3、ZrO2を選択必須成分として含む耐イオン放電衝撃性低融点ガラスが開示されているが、それはV2O5を必須とし、本発明のガラス成分組成とは相違する。
【0004】
特開昭49-58105号公報には、フェルニコ金属とセラミック部材との接着、封着に適し、例えば半導体素子の出力回路部分に適用されるSiO2、B2O3、ZnO、 Al2O3、Li2O系の低融点ガラスが開示されているが、基板被覆用には適さない。
【0005】
特開平9-278482号公報には、PDPの誘電体層として好適な低誘電率のガラスで、SiO2、Al2O3、B2O3、ZnO、R2Oを必須成分とする低融点ガラスが開示されているが、本発明とは組成範囲を異にする。また、R2O中Na2O、Li2Oを多く含むため、バス電極線等の電極線をや透明電極線を侵食し易い。
【0006】
本発明において燐酸系ガラス、バナジウム酸系ガラス、アンチモン酸系ガラスは対象外である。それらは概して高度の溶融技術を必要としたり、溶融過程で成分が揮散し易くガラスを不安定にしたり、ガラスを着色し、ガラスの透明性を阻害したりする。
【0007】
本発明の低融点ガラスは実質的にPbOおよびBi2O3を含まず、従って人体に対する悪影響、環境への汚染を防ぎ、基板への焼付けに際して焼結性に富み、被膜形成が容易であり、得られた被膜は電気絶縁性を有するとともに、誘電率等においても優れた性能を示すものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板表面を直に被覆し、又は基板に配した導電体および/または半導体パターンを被覆するための透明かつ電気絶縁性を有する低融点ガラスであり、該低融点ガラス中にwt%で、B2O3 64〜90、ZnO 5〜15、K 2 O 、 Na 2 O 、 Li 2 O から選ばれる 1 種以上の一価金属酸化物 R 2 O を4〜 20、SiO20〜8 を含むことを特徴とする低融点ガラスである。
【0009】
上記において、K2Oが全R2O中重量比で80%以上を占めるのが好ましい。
【0010】
更に、BaO 、 MgO 、 CaO 、 SrO から選ばれる 1 種以上の二価金属酸化物を、ガラス中5wt%以下の範囲で含有させるのが望ましい。
【0011】
また、本発明の低融点ガラスは、パネル状表示装置基板に配した電極線パターン上に絶縁性被膜を形成するうえで好適である。
【0012】
更に上記において、透明電極線パターンおよび/またはバス電極線パターンを被覆するためのガラスであって、ガラス中に透明電極線成分酸化物 0.5〜3wt%および/またはバス電極線成分酸化物 0.1〜1.5wt%を含むことが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明における基板としては透明なガラス基板、特にソーダ石灰シリカ系ガラス又はそれに類似するガラス(高歪点ガラス)、あるいはアルカリ分の少ない(又は殆ど無い)アルミノ石灰ホウ珪酸系ガラスが採用でき、それらの熱膨張係数は30℃〜300℃においてほぼ65〜95×10-7/℃の範囲であるが、本発明の低融点ガラスもそれに近似させ、70〜95×10-7/℃とすることにより、形成した被膜の剥離、基板の反り等の弊害を防ぐものである。
また前記ガラスからなる基板の軟化点は700℃以上ないし800℃オーダーであり、これに対し、低融点ガラスは焼付けを容易とし、焼付けに際する基板の軟化変形、熱収縮を抑制するうえで軟化点600℃以下とすることが望まれているが、本発明の低融点ガラスは軟化点550℃以下(DTA測定による)と充分低くすることにより、その分焼付け温度も低くでき、あるいは焼付けに際する基板の軟化変形、熱収縮を防止することができる。
【0014】
本発明において、低融点ガラスの成分系をB2O3−ZnO−R2O(RはK、NaまたはLi)系とすることにより、上記物性を満足し得、実質的にPbO、Bi2O3を含まないことにより、人体や環境に与える影響を皆無とすることができる。また、アルカリ金属酸化物の含有量を制限したことにより、被膜は電気絶縁性を有するとともに、誘電率等においても優れた性能を示し、更に、規制範囲内のアルカリ金属酸化物の含有は、低融点ガラスの焼付けに際して焼結性を良好とし、焼付けを容易とする。
【0015】
本発明の低融点ガラスは、基板表面に直接被膜形成するケース、例えばガラス基板の光学特性を変更したり、各種機能性を付与する場合にも適用できる。あるいはガラス基板に、本発明の低融点ガラス粉にシリカ微粉、アルミナ微粉等を適宜混入したものを膜付けすれば、日射や照明による眩光を緩和するフロスト調ガラスとすることもできる等適用範囲は広い。
【0016】
低融点ガラスにおける成分組成の範囲は以下とするのがよい。
B2O3はガラス形成を容易とするとともにガラスの軟化点を下げ、焼付け時にガラスに適度の流動性を与えるうえで主要とするものであり、ガラス中64〜90wt%の範囲で含有させる。64wt%未満ではガラスが不安定となり、失透が生じ易い。なお、90wt%を越えるとかえってガラスの軟化点が上昇する。
【0017】
SiO2はガラスの粘度を調整したり、軟化点を調整するうえで、必要に応じてガラス中0〜8wt%の範囲で含有させる。8wt%を越えるとガラス粘度が上昇し、軟化点が過大となり、成形性を悪化する。
【0018】
ZnOはガラスの軟化点を適度に下げ、また適度に流動性を与え、熱膨張係数を適宜範囲に調整するもので、ガラス中5〜15wt%の範囲で含有させる。5wt%未満では上記作用を発揮し得ず、他方15wt%を越えるとガラスが不安定となり失透を生じ易い。
【0019】
BaO、MgO、CaO、SrO等のZnOを除く二価金属酸化物も、ガラス中に適度に含有させることにより、ガラスに流動性を与え、熱膨張係数を適宜範囲に調整する。但し過量の含有はガラスを不安定とし、失透を生じ易い。前記二価金属酸化物は、ガラス中に1種またはそれ以上を5%以下の範囲で含有させるのがよい。
【0020】
R2O(K2O、Na2O、またはLi2Oの1種以上)は、ガラスの熱膨張係数を調整し、またガラスに流動性を与え、軟化点付近での焼付けに際して焼結性を良好とし、被膜形成を容易とするうえで重要な成分であり、ガラス中4〜20wt%の範囲で含有させる。4%未満では上記作用効果が不充分であり、20%を越えるとガラスの絶縁性、誘電体性能を不充分としたり、熱膨張係数が所望範囲から外れる恐れがある。なお、Li2Oは反応活性に富み、例えば基板に各種電極線パターンを配した場合の、前記電極線パターンとの反応により、その導電性能を悪化し易いので、1%以下に留めておいた方がよい。R2OのうちK2Oは反応活性はLi2O、Na2Oほど強くなく、またイオンの移動性も低く、従ってガラス自体の絶縁性を低下することもなく、誘電体としての性能も保持できるので、全R2O中重量比で80%以上を占めるようにするのがよい。
【0021】
本発明の低融点ガラスは、パネル状表示装置基板、特にプラズマディスプレイパネル基板(PDP基板)に配した電極線パターン上に絶縁性被膜を形成するうえで好適であり、基板上の透明電極線パターンおよび/またはバス電極線パターンを被覆するうえで、ガラス中透明電極線成分酸化物、例えば酸化錫、あるいは酸化インジウム−錫(ITO)0.5〜3wt%および/またはバス電極線成分酸化物、例えば銅、または銀、あるいはそれらの合金 0.1〜1.5wt%を含むことが望ましい。透明電極線成分酸化物、バス電極成分酸化物を上記範囲の下限以上で含有させることにより、ガラスと透明電極線および/またはバス電極線の相互侵食を効果的に抑制でき、他方それら電極線成分酸化物を上記範囲を越えて含有させると、ガラスの熱物性を損じたり、ガラスに顕著な着色を呈する等の不都合が生ずる。特にバス電極線成分酸化物としてのCuOの前記範囲での含有は、PDPにおいては青色発光を顕示するフィルター作用があり、青色発光がやや劣るPDPにおける格好の光選択透過材料でもある。
【0022】
なお、PbO、Bi2O3は、ガラス原料やカレット中に不純物として混入する程度の量、夫々低融点ガラス中0.5%以下の範囲であれば、先述した弊害、すなわち人体、環境に対する影響等に与える影響は殆どない。
【0023】
また、ガラス基板表面に直接膜付けするケースにおいて、先述した特性を損なわない範囲でガラスを着色したり、紫外線吸収性能、赤外線遮断性能等を付与するうえで、Fe2O3、TiO2、Cr2O3、CoO、CeO2、Se等を添加することができるが、それら添加成分の合計は1%以下とすべきである。
【0024】
以下にPDPの前面基板を被覆する例を代表例として具体的実施例を詳述する。
【0025】
【実施例】
〔PDP用前面基板〕
前面基板ガラスは、クリアーなソーダ石灰系ガラスあるいはそれに組成、熱物性等が類似したガラスからなる。前面基板ガラスの表面(片面)にはパターニングされた透明電極線、例えば酸化インジウム−錫 (ITO)系、または酸化錫(SnO2)系の電極線をスパッタリング法やCVD法により施す。更に前面基板ガラスおよび電極線(透明電極線、バス電極線)を覆って、本発明にかかる低融点ガラスよりなる透明絶縁性被膜(以下絶縁性被膜という)を施す。絶縁性被膜は、予め製造、整粒した低融点ガラス粉とバインダー混入ペーストオイルからなる混合物をスクリーン印刷等により前面基板および電極線上に塗布し、600 ℃程度で焼付けて厚み約30μm 程度の厚膜を形成する。なお、低融点ガラス粉とバインダー混入ペーストオイルとの混合物をシート状に成形、乾燥させ、それを前面基板および電極線上に密着させたうえで焼付けることもできる。
更に絶縁性被膜を覆って、スパッタリング法等により保護マグネシア層を被覆することによりPDP前面基板の製作を完了するものである。
【0026】
なお、ディスプレイパネル形成後、電極線上に一旦形成された絶縁性被膜の局部、詳しくは、電極線と外部リード線を接続する電極線取り出し部を形成すべく、該部の絶縁性被膜を酸により溶解除去するケースもあり、この場合絶縁性被膜の酸溶解性も考慮されねばならない。
以下に、絶縁性被膜として本発明の低融点ガラスを採用した実施例を示す。
【0027】
〔低融点ガラス混合ペーストの作製〕
SiO2源として微粉珪砂を、B2O3源としてほう酸を、Al2O3源として酸化アルミニウムを、ZnO源として亜鉛華を、BaO源として炭酸バリウムを、CaO源として炭酸カルシウムを、Bi2O3源として酸化ビスマスを、Li2O源として炭酸リチウムを、Na2O源として炭酸ナトリウムを、K2O源として炭酸カリウムを、PbO源として鉛丹を、In2O3源として酸化インジウムを、CuO源として酸化銅を使用し、これらを所望の低融点ガラス組成となるべく調合したうえで、白金ルツボに投入し、電気加熱炉内で1000〜1100℃、1〜2時間で加熱溶融して表1、表2の実施例、比較例に示す組成のガラスを得た。ガラスの一部は型に流し込み、ブロック状にして熱膨張係数測定用に供した。残余のガラスは急冷双ロール成形機にてフレーク状とし、粉砕装置で平均粒径2〜4μm、最大粒径15μm未満の粉末状に整粒して、その一部を軟化点測定用(DTA法)に供した。
【0028】
前記残余の粉末はαテルピネオールとブチルカルビトールアセテートを主とするペーストオイルに、バインダーとしてのエチルセルロース等のセルロース類、更に上記ガラス粉を混合し、粘度 300±50ポイズ程度のスクリーン印刷に適するペーストを調製した。
【0029】
〔絶縁性被膜の形成〕
厚み2〜3mm、サイズ 150mm□のソーダ石灰系基板ガラスに、スパッタリング法によりITOパターン膜を成膜後(バス電極パターン膜の膜付けは省略してある)、焼付け後の膜厚が約30μmとなるべく勘案して目の開き#250のスクリーンを用いて前記ペーストをスクリーン印刷により塗布した。
次いで乾燥後、600℃で40分間焼付けて、絶縁性被膜を形成した。
【0030】
〔各種試験〕
軟化点の測定
粉末ガラスをDTA(示差熱分析)装置にセットし、室温より5℃/分の昇温速度で昇温してDTA曲線を記録し、焼結に際する熱ピーク(屈曲点)から軟化点を確定した。一般に低融点ガラスにおける軟化点は600℃以下とされるが、本発明においては、より好ましい値として550℃以下に限定した。
【0031】
熱膨張係数の測定
前記したガラスブロックを所定寸法に切断、研磨して熱膨張係数測定試料を作製し、これを熱膨張計にセットして5℃/分の速度で昇温して伸び量を測定、記録し、30〜300℃の平均熱膨張係数 α×10-7/℃を算出した。基板の熱膨張係数と近似させることが重要であり、αが65〜95の範囲において好適である。
【0032】
誘電率の測定
ガラスブロックの一部について、1.0mm厚、直径50mmの円盤状に研磨加工し、ガラス両面に電極を形成し、公知のガードリング方式(交流ブリッジ法)により25℃における誘電率(周波数1MHz)を測定した。誘電率は7.5以下とするのがよい。
【0033】
体積抵抗率の測定
誘電率測定試料と同様の試料について、直流3端子法により、250℃下、印加電圧500Vにおける体積抵抗率(Ωcm)を測定した。体積抵抗率は1012〜1016の範囲とするのが好ましい。
【0034】
可視光透過率の測定
前記〔絶縁性被膜の形成〕の項で示した如く、基板ガラス (基板ガラス厚み3mm、可視光透過率86%) にITO膜、絶縁性被膜を形成した膜付きガラス(但しにバス電極膜は成膜しない)について分光光度計により透過率を測定し、可視域における平均透過率を算定した。
【0035】
なお、可視光透過率を阻害する最大要因としては焼付け時の低融点ガラス被膜中の細泡の残留が挙げられ、軟化点ないし軟化点を数10℃上回る程度の温度で焼付けた場合、極めて焼結性に富むものであれば、1時間程度の焼結で目視不能な微細泡が残留するものの可視光透過率への影響は小さく、膜付きガラスの可視光透過率は75ないし77〜78%に達する。他方、焼結性に劣るものは、より粗い不規則形状の気泡が残留し、光を乱反射するため可視光透過率は70%に達し得ない。PDP用基板ガラスにおいては、可視光透過率は70%以上あれば表示文字、図柄の透視性が阻害されることはなく、良好とされる。
【0036】
ITO膜の抵抗上昇率の測定
絶縁性被膜の形成の過程で、基板ガラスにITO膜、Cuを主とするを成膜した後において、まず該ITO膜の表面抵抗値を測定し、次にその上に絶縁性被膜を焼付け、更に酸溶解により絶縁性被膜を除去した後の被膜の表面抵抗値を測定した。なお、測定は4探針法に依った。
【0037】
ITO膜の抵抗値は絶縁性被膜形成に際して該被膜とITOとの成分相互侵食により増大する。絶縁性被膜除去後のITO膜抵抗値/当初のITO膜抵抗値 より上昇率(%)を算定した。なお、抵抗上昇率は250%以下が良好とされる。
【0038】
バス電極との反応性
前記〔絶縁性被膜の形成〕の項で示した如く、基板にITO膜、Cuを主とする膜を成膜し、更に絶縁性被膜を形成した。絶縁性被膜の焼付けにおいて、該絶縁性被膜とバス電極との反応の有無を鏡下観察した。バス電極と絶縁性被膜との界面に反応泡が生じていない場合を良好(表1、2中○)、反応泡が生じた場合を不可(表1、2中×)として評価した。
【0039】
〔結果〕
低融点ガラス組成および、各種試験結果を表1、表2に示す。
【0040】
表1、表2から明らかなように、本発明にかかる実施例においては、適度な熱膨張係数、低い軟化点等の熱物性、低い誘電率、高い可視光透過率を有し、またITO膜と絶縁性被膜との成分相互侵食によるITOの抵抗の上昇も低く、Cuを主とする膜と絶縁性被膜との反応性も低い等全てにわたり優れており、透明な絶縁性被膜形成用低融点ガラス、特にPDP基板用の低融点ガラスとして好適である。他方比較例は、ビスマス又は鉛を含有し、あるいは本発明の目的とする物性、化学性を満足し得ず、基板被覆用低融点ガラスとして適用し難い。
【0041】
【0042】
【0043】
【発明の効果】
低融点ガラスの成分系をB2O3−ZnO−R2O系で特定範囲とし、実質的にPbO、Bi2O3を含まないことにより、人体や環境に与える影響を極力抑制することができ、体積抵抗率を高く保持でき、適度な熱膨張係数、低い軟化点、低い誘電率特性を有するガラスとすることができる。
Claims (5)
- 基板表面を直に被覆し、又は基板に配した導電体および/または半導体パターンを被覆するための透明かつ電気絶縁性を有する低融点ガラスであり、該低融点ガラス中にwt%で、B2O3 64〜90、ZnO 5〜15、K 2 O 、 Na 2 O 、 Li 2 O から選ばれる 1 種以上の一価金属酸化物 R 2 O を4〜 20、SiO20〜8を含むことを特徴とする低融点ガラス。
- K2Oが全R2O中重量比で80%以上を占めることを特徴とする請求項1記載の低融点ガラス。
- BaO 、 MgO 、 CaO 、 SrO から選ばれる 1 種以上の二価金属酸化物を、ガラス中5wt%以下の範囲で含有させてなることを特徴とする請求項1または2記載の低融点ガラス。
- パネル状表示装置基板に配した電極線パターン上に絶縁性被膜を形成するためのガラスであることを特徴とする請求項1、2または3記載の低融点ガラス。
- 透明電極線パターンおよび/またはバス電極線パターンを被覆するためのガラスであって、ガラス中に透明電極線成分酸化物 0.5〜3wt%および/またはバス電極線成分酸化物 0.1〜1.5wt%を含むことを特徴とする請求項4記載の低融点ガラス。
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