JP2001130985A - ペーストプラチナおよびプラチナ装飾品 - Google Patents

ペーストプラチナおよびプラチナ装飾品

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JP2001130985A
JP2001130985A JP30794199A JP30794199A JP2001130985A JP 2001130985 A JP2001130985 A JP 2001130985A JP 30794199 A JP30794199 A JP 30794199A JP 30794199 A JP30794199 A JP 30794199A JP 2001130985 A JP2001130985 A JP 2001130985A
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platinum
paste
mass
color
microwave oven
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Katsushi Sugita
勝志 杉田
Koichi Ito
光一 伊藤
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NANIWA KINEKI KK
Narumi China Corp
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NANIWA KINEKI KK
Narumi China Corp
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/51Metallising, e.g. infiltration of sintered ceramic preforms with molten metal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性が生じず,電子レンジが発
する高周波電磁波にさらされてもスパークが発生せず,
損傷もせず,かつ質感およびプラチナ色の発色が良く,
高級感のあるプラチナ装飾部を形成することができるペ
ーストプラチナ,およびこれを用いたプラチナ装飾品を
提供する。 【解決手段】 ガラスまたは陶磁器の彩色に用い
られるペーストプラチナである。ペーストプラチナは,
プラチナ38.3〜80.1質量%,パラジウム0.5
〜10.5質量%,金18.9〜37.5質量%,ビス
マス0.4〜5.0質量%,ジルコニウム又は/及びア
ルミニウムの合計量0.1〜8.7質量%の範囲の組成
を持つ金属成分を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,電子レンジが発す
る高周波電磁波にさらされても損傷しない陶磁器,ガラ
スなどの窯業製品の装飾用ペーストプラチナ及びこれを
用いたプラチナ装飾品に関する。
【0002】
【従来の技術】陶磁器,ガラスなどの窯業製品は,金や
プラチナなどの貴金属で装飾が施されている場合が多
い。それは,窯業製品に高級感を与えるためである。こ
のような貴金属装飾は,たとえば,有機化合物を含有す
る水金を,刷毛,スプレーまたは転写などの方法により
窯業製品に塗布し,焼き付けることにより形成される。
【0003】しかし,このような窯業製品を電子レンジ
で加熱すると,貴金属装飾を構成する金属に導電性があ
るため,電子レンジが発する高周波電磁波により,貴金
属装飾にスパークが生じ,亀裂が入ったり,剥離したり
して損傷してしまうという問題がある。
【0004】そこで,近年,電子レンジの高周波電磁波
にさらさてもスパークが生ぜず,損傷しない貴金属装飾
が提案されている。たとえば,特公平3−3481号公
報には,多数の微小板状要素を焼き付けた貴金属の装飾
を有し,隣接する微小板状要素間の間隔が0.2mm以
上で最大大きさが5mm以下とすることが開示されてい
る。
【0005】特開平8−183682号公報には,貴金
属層とフリット層の2層構造を有する装飾体が開示され
ている。
【0006】さらに,特開平9−235169号公報に
は,間隔が所定範囲に規定されている貴金属装飾の板状
要素と,これを被覆するフリット層とからなる装飾体が
開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,特公平
3−3481号公報の網要素による装飾では,網要素に
水分が付着して網要素が短絡したり網要素に傷が付く
と,電子レンジで使用するとスパークしてしまうという
問題がある。
【0008】特開平8−183682号公報の貴金属層
とフリット層の2層構造では,貴金属色がフリット層に
遮られ,よい発色がえられないという問題がある。特開
平9−235169号公報の板状要素では,描ける模様
が限定され,線画やべた塗りのような大胆な装飾はでき
ないという問題がある。
【0009】また,特開昭55−51776号,特開昭
55−56079号,特公平8−11697号公報に開
示されている貴金属装飾体が貴金属膜の一層構造である
場合には,サンドペーパー等で表面を研磨すると導電性
があらわれ,これを電子レンジに入れると局部的に加熱
されヒートショックで破損するという問題がある。
【0010】さらに,特開昭55−51776号,特開
昭55−56079号,特公平8−11697号公報で
開示されている貴金属装飾体が貴金属膜の一層構造であ
る場合には,蒸沸したアルカリ溶液中に貴金属装飾を浸
漬すると,貴金属中の絶縁成分がアルカリ溶液中に溶出
してしまい,絶縁性が破壊されてしまう。この状態で電
子レンジで使用すると,スパークが発生する。すなわ
ち,洗浄用たわし,研磨剤を用いた洗浄や,アルカリ性
の強い洗剤を用いた自動食器洗浄機での洗浄が繰り返さ
れると,貴金属膜の絶縁性が破壊され電子レンジの高周
波電磁波を照射すると,スパークが生じたり,プラチナ
装飾が破損してしまうという問題がある。
【0011】また,非導電性を確保するため貴金属中に
ケイ素等を配合すると,プラチナ色の発色性がやや不良
となるという問題がある。
【0012】本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,プ
ラチナの一層構造でも導電性が生ずることなく,電子レ
ンジの高周波電磁波にさらされてもスパークが生ぜず,
損傷もせず,かつ装飾方法が網や板状要素に限定されな
い,質感およびプラチナ色の発色が良く高級感のあるプ
ラチナ装飾を形成することができるペーストプラチナ,
およびこれを用いたプラチナ装飾品を提供しようとする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は,ガラスまたは
陶磁器の彩色に用いられるペーストプラチナであって,
該ペーストプラチナは,プラチナ,パラジウム,金,ビ
スマス,ジルコニウムまたは/およびアルミニウムより
なり, プラチナ 38.3〜80.1質量% パラジウム 0.5〜10.5質量% 金 18.9〜37.5質量% ビスマス 0.4〜 5.0質量% ジルコニウムまたは/およびアルミニウムの合計 0.
1〜8.7質量%の範囲にある金属組成を持つ金属成分
を有することを特徴とするペーストプラチナである。
【0014】本発明のペーストプラチナには,プラチナ
(Pt),パラジウム(Pd),金(Au),ビスマス
(Bi),ジルコニウム(Zr),アルミニウム(A
l)からなる金属成分が,以下の配合で含まれている。
【0015】プラチナは,金属成分の中に38.3〜8
0.1質量%含まれている。このような含量のプラチナ
を含むプラチナペーストは,焼成により,質感のよいプ
ラチナ色を呈する。一方,38.3質量%未満の場合に
は,焼成したペーストプラチナのプラチナ色がやや赤褐
色になるという問題があり,質感のよいプラチナ色が得
られないという問題がある。また,80.1質量%を越
える場合には,プラチナ色が黒みがかった灰色になると
いう問題がある。
【0016】パラジウムは,0.5〜10.5質量%含
まれている。このような含量のパラジウムを含むプラチ
ナペーストは,焼成により質感のよいプラチナ色を呈す
る。一方,0.5質量%未満の場合には,プラチナ色の
発色が劣り,質感のよいプラチナ色を呈さないという問
題がある。また,10.5質量%を越える場合には,プ
ラチナ色の発色が黒っぽくなり,質感のよいプラチナ色
を呈さないという問題がある。
【0017】金は,18.9〜37.5質量%含まれて
いる。このような含量の金を含むプラチナペーストは,
焼成により質感のよいプラチナ色を呈する。一方,1
8.9質量%未満の場合には,焼成したペーストプラチ
ナのプラチナ色がやや光沢のない灰黒色になるおそれが
ある。また,37.5質量%を越える場合には,焼成し
たペーストプラチナのプラチナ色がやや赤味がかった灰
色になるおそれがあり,プラチナ色の発色が劣り,質感
のよいプラチナ色を呈さないという問題がある。
【0018】更に好ましくは,金は,上記理由により,
金属成分の中に30.5〜37.5質量%含まれている
ことが好ましい。
【0019】ビスマスは,金属成分の中に,0.4〜
5.0質量%含まれている。これによりガラスまたは陶
磁器への焼成後のペーストプラチナの密着性が高まると
ともに,焼成したペーストプラチナの導電性が低下し,
電子レンジの高周波電磁波にさらされてもスパークが発
生しがたいという効果がある。一方,0.4質量%未満
の場合には,焼成したペーストプラチナの密着性が低く
なり,また,導電性が高くなり,電子レンジの高周波電
磁波にさらされるとスパークが発生するおそれがあると
いう問題がある。また,5.0質量%を越える場合に
は,焼成したペーストプラチナのプラチナ色の光沢性が
劣るという問題がある。
【0020】更に,好ましくは,ビスマスは金属成分の
中に0.4〜2.3質量%含まれていることが好まし
い。これにより,焼成したペーストプラチナが,特に質
感のよいプラチナ色を呈するとともに,導電性が低下し
て電子レンジに使用してもスパークが発生するおそれが
ない。
【0021】金属成分の中におけるジルコニウムまたは
/およびアルミニウムの合計量は,0.1〜8.7質量
%である。これにより,焼成したペーストプラチナの導
電性が低くなり,電子レンジの高周波電磁波にさらされ
てもスパークが発生し難いという効果がある。ジルコニ
ウムまたは/およびアルミニウムの合計量が0.1質量
%未満の場合には,焼成したペーストプラチナの導電性
が生じ,電子レンジの高周波電磁波にさらされるとスパ
ークが発生するおそれがあるという問題がある。また,
8.7質量%を越える場合には,焼成したペーストプラ
チナのプラチナ色が劣り,プラチナ色が光沢のない黒味
がかった灰色になるという問題がある。
【0022】また,上記ペーストプラチナは,金属成分
の中に,5.0質量%以下のジルコニウムを含むことが
好ましい。5.0質量%を超える場合には,焼成したペ
ーストプラチナのプラチナ色の発色性が劣り,プラチナ
色が黒っぽくなるおそれがある。
【0023】更には,ジルコニウムは,金属成分の中に
0.4〜2.5質量%含まれていることが好ましい。こ
れにより,焼成したペーストプラチナが,特に質感の良
いプラチナ色を呈するとともに,導電性が低下して電子
レンジに使用してもスパークが発生するおそれがない。
【0024】上記ペーストプラチナは,金属成分の中
に,5.0質量%以下のアルミニウムを含むことが好ま
しい。5.0質量%を超える場合には,焼成したペース
トプラチナのプラチナ色の発色性が劣り,プラチナ色が
黒味の強い灰色なるおそれがある。
【0025】更には,アルミニウムは,金属成分の中に
0.1〜2.3質量%含まれていることが好ましい。こ
れにより,焼成したペーストプラチナが,特に質感の良
いプラチナ色を呈するとともに,導電性が低下して電子
レンジに使用してもスパークが発生するおそれがない。
【0026】本発明のペーストプラチナは,上記のごと
く,アルミニウムまたは/およびジルコニウムを含む。
そのため,ペーストプラチナをガラス又は陶磁器に絵付
し,焼き付けてプラチナ装飾模様を形成したときに,プ
ラチナ装飾部表面を研磨しても導電性が発現されない。
そのため,研磨後のプラチナ装飾品を,電子レンジが発
する高周波電磁波にさらしても電気導通は起こらない。
従ってプラチナ装飾部がスパークを発することはなく,
プラチナ装飾模様が損傷を受けることはない。
【0027】また,本発明のペーストプラチナにより絵
付けされたプラチナ装飾部は,アルカリ溶液及び酸性溶
液に浸漬されても,プラチナ装飾部の絶縁性は破壊され
ない。そのため,アルカリ洗浄,表面研磨による洗浄に
よってもプラチナ装飾部は絶縁性を保持でき,上記のご
とく電子レンジ耐用の性質を保持し続けることができ
る。
【0028】また,ペーストプラチナは上記のごとく絶
縁性である。そのため,大面積のパターンを形成するこ
とも可能となり,更に長くつながった線状の絵柄も可能
である。従って,絵柄設計上の制約もなく絵柄の自由度
が高い。
【0029】さらに,本発明のペーストプラチナを用い
て作成されたプラチナ装飾部は,プラチナ色の中でも特
に高級感のあるマットプラチナという艶消しプラチナ色
を呈するため見栄えがよい。
【0030】本発明のペーストプラチナによれば,従来
の電子レンジ用に適さないプラチナペーストを用いたプ
ラチナ装飾と同様の,高級感のあるプラチナ色を呈し,
また,これをガラスコートで覆うことも不要であること
からプラチナの質感及び色彩をそのまま見ることができ
る。
【0031】上記ペーストプラチナは,金属成分の中
に,10.0質量%以下のインジウム(In)を含むこ
とが好ましい。これにより,焼成したペーストプラチナ
が電子レンジの高周波電磁波にさらされたときに導電性
が生ずることを防止し,スパークが発生しないという効
果を期待できる。一方,10.0質量%を超える場合に
は,焼成したペーストプラチナのプラチナ色の発色が劣
り,プラチナ色が灰黒色に見えるおそれがある。
【0032】更に,金属成分中におけるインジウムの含
有量は0.1〜3.0質量%であることが好ましい。こ
れにより,特に質感の良いプラチナ色を呈するととも
に,焼成したペーストプラチナに導電性が生じることを
抑制できる。
【0033】上記ペーストプラチナは,金属成分の中
に,3.0質量%以下のロジウム(Rh)を含むことが
好ましい。これにより,ペーストプラチナに含まれるプ
ラチナの粒子化を防ぎ,プラチナの膜面形成を良好にす
るという効果を期待できる。3.0質量%を超える場合
には,焼成したペーストプラチナに導電性が生ずるとと
もに,プラチナ色に光沢が強くなりが黒っぽくなるおそ
れがある。
【0034】上記ペーストプラチナの金属成分には,上
記Pt,Pd,Au,Bi,及び,Zr又はAlの少なく
とも一方が含まれているとともに,必要に応じてIn,
Rhが添加される。また金属成分には,これらのほか
に,Ba(バリウム),Ca(カルシウム),Cr(ク
ロム),Sn(スズ)などが含まれていることもある。
【0035】上記ペーストプラチナは,例えば,上記金
属成分及び樹脂成分を溶剤にてペースト状にしたもので
ある。樹脂成分としては,ロジン,バルサムなどの天然
樹脂又は合成樹脂などがある。金属成分は樹脂成分との
結合体としてペーストプラチナの中に含まれていること
がある。かかる結合体としては,金属成分の樹脂硫化バ
ルサム,金属レジネートなどがある。また,溶剤として
は,テレビン,カンフアー油,サフロール油,ユーカリ
油,ローズマリー油,ブチルセロソルブなどの1種又は
2種以上を用いることができる。
【0036】ペーストプラチナにおける樹脂及び溶剤の
比率は,ペーストプラチナの成分配合により相違する
が,ペーストプラチナ100質量%中,樹脂成分は25
〜50質量%で,溶剤は30〜60質量%であることが
好ましい。これにより,印刷に適し,かつ取扱いに優れ
たペーストプラチナが得られる。
【0037】上記ペーストプラチナは,印刷用プラチナ
ペーストであることが好ましい。これにより,スクリー
ン印刷に用いるのに適したペーストプラチナが得られ
る。ペーストプラチナは,例えば転写紙に印刷しこれを
ガラス又は陶磁器に転写してもよいし,またガラス又は
陶磁器に直接印刷してもよい。また,上記ペーストプラ
チナは,刷毛塗り用,スプレー塗り用としても用いるこ
とができる。
【0038】上記プラチナペーストにより絵付けされる
陶磁器,ガラスまたはほうろうなどの窯業製品として
は,種々のものがあり,用途も多様である。例えば,食
器,室内装飾品,タイル,土鍋,結晶化ガラス製品,電
子レンジの夕ーンテーブル等があるがこれらに限定され
るものではない。
【0039】そして,上記ペーストプラチナを用いて作
製されたプラチナ装飾体としては,例えば,上記ペース
トプラチナをガラス又は陶磁器に絵付し,焼成してプラ
チナ装飾部を形成してなることを特徴とするプラチナ装
飾品がある。プラチナ装飾部は,上記ペーストプラチナ
からなるため,電子レンジの高周波電磁波にさらしても
スパークは発生せず,また高級感のあるプラチナ色を呈
する。
【0040】プラチナ装飾部の金属成分は,上記ペース
トプラチナに含まれる金属成分と同様の組成を有するこ
とが好ましい。これにより,電子レンジ使用時のスパー
ク発生を最も効果的に抑制し,かつ高級感があり美しい
プラチナ色を呈することができる。上記プラチナ装飾部
は,例えば,プラチナ色の連続模様を形成していてもよ
い。この場合にも,プラチナ装飾部は絶縁性を保持し,
電子レンジの高周波電磁波にさらされてもスパークは発
生しない。連続模様としては,例えば,線,帯,べ夕状
模様などがあるが,これらに限定されない。また,プラ
チナ装飾部は,不連続模様を形成していてもよい。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態例にかかるペー
ストプラチナを用いて種々のプラチナ装飾品を作製し,
各種実験(1)〜(5)を行った。各種ペーストプラチ
ナの組成は表1に,これらを用いて作製したプラチナ装
飾品の試験結果を表2に示した。 (1)電子レンジ耐性試験 各種ペーストプラチナの調製 まず,以下の各調合成分を準備した。 (a)Pt12質量%含有するプラチナ樹脂硫化バルサム (b)Pd10質量%含有するパラジウム樹脂硫化バルザ
ム (c)Pt粉末 (d)Zr4質量%含有するジルコニウム樹脂酸塩 (e)Al5質量%含有するアルミニウム樹脂酸塩 (f)Rh5質量%含有するロジウム樹脂酸塩 (g)In8質量%含有するインジウム樹脂酸塩 (h)Bi9質量%含有するビスマス樹脂酸塩 (i)Au25質量%含有する金樹脂硫化バルザム (j)Au粉末
【0042】上記各調合成分(a)〜(j)を,金属成分が表
1に示す比率になるように混合し,適宜溶剤(例えば,
テレビン油)を添加して,6種類のペーストプラチナを
調製した。これらを試料1〜6とした。なお,各調合成
分の混合順序は自在である。また,比較のために,表1
に示すごとく,上記試料1〜6と同様に,上記各調合成
分(a)〜(j)を混合し,適宜溶剤(例えば,テレビン油)
を添加して,3種類のペーストプラチナを調製した。こ
れらを試料A,B,Cとする。
【0043】
【表1】
【0044】プラチナ装飾品の製造方法 上記ペーストプラチナ(試料1〜6,試料A〜C)を転
写紙に印刷し,図1に示すように,これを軟磁器製のカ
ップ51の側面に被着して,約8mm幅の一重ライン模
様11を成形した。その後,これを800℃で焼成し,
マットプラチナのつや消しプラチナ色を呈するプラチナ
装飾品6を得た。
【0045】電子レンジ耐性試験の実施 上記各種カップを,そのプラチナ装飾部を磨かずにその
ままの状態で電子レンジの中に入れて,高周波出力1.
4KWの高周波電磁波に10秒間さらした。この時,試
料1〜6を用いたプラチナ装飾品のプラチナ装飾部から
は,スパークは発生せず,プラチナ装飾部に破損は生じ
なかった。一方,試料A,Bでは,スパークが生じた。
更に,同様の条件で10回繰り返したが,試料1〜6の
プラチナ装飾部からはスパークは発生せず,プラチナ装
飾部の破損は生じなかった。
【0046】(2)研磨後の電子レンジ耐性試験 まず,上記試料1〜6,A〜Cのペーストプラチナを用
いて上記実験(1)と同様に製造したプラチナ装飾品に
ついて,そのプラチナ装飾部をジルコンサンドペーパー
で充分に磨いた。磨いた面をテスターにて導電性を測定
した。その結果,試料1〜6,試料Cについては導電性
は認められなかった。一方,試料A,Bについては導電
性が認められた。
【0047】その結果,出力1.4KWの高周波電磁波
(2450MHz)を10秒間照射したところ,試料1
〜6,試料Cについてはスパークは発生しなかった。一
方,試料A,Bではスパークが発生した。さらに,試料
1〜6の場合について,10回同様に実施したが,すべ
てスパークは発生しなかった。
【0048】このことから,本発明のペーストプラチナ
を用いたプラチナ装飾品は,研磨しても,スパーク発生
のおそれはないことがわかった。
【0049】(3)耐酸および耐酸後の電子レンジ耐性
試験 まず,図2に示すごとく,試料1〜6,A〜Cのペース
トプラチナを用いて直径160mmの皿52の中央に直
径60mmの円形のベタ模様12を,上記(1)の試験
と同様の転写法で形成し,その後,800℃で焼成し,
マット調のつや消しプラチナ色を呈するプラチナ装飾品
6を得た。
【0050】得られたプラチナ装飾品の中に4質量%酢
酸水溶液を入れ,プラチナ装飾品を浸漬し22℃の室内
に24時間放置した。その後,プラチナ装飾品を洗浄
し,電子レンジに入れ,高周波出力1.4KWの高周波
電磁波に10秒間さらした。その結果,試料1〜6,試
料Cのプラチナ装飾部には損傷はみられなかった。一
方,試料A,Bのプラチナ装飾部には損傷が発生した。
【0051】(4)食器洗浄機後の電子レンジ耐性試験 次に,(3)の耐酸試験をしたプラチナ装飾品を,業務
用食器洗浄機に入れ,アルカリ性洗浄剤を用いて100
回洗浄をおこなった。その後,耐酸性試験と同様の条件
で,高周波電磁波にさらした。その結果,試料1〜6,
試料Cのプラチナ装飾部の損傷はなかった。一方,試料
A,Bのプラチナ装飾部には損傷が発生した。
【0052】(5)プラチナ色測定 次に,プラチナ装飾品のプラチナ色を目視で観察した。
使用した試料は(3)で製造した皿である。その結果,
試料1〜6については,良好なプラチナ色を呈してい
た。一方,試料Aについては赤味がかった金属色を呈
し、試料B,Cについては,黒味がかった金属色を呈し
た。
【0053】以上の測定結果より,本発明の試料1〜6
のペーストプラチナからなるプラチナ装飾品は,電子レ
ンジ使用に際してもスパークは発生せず,優れたプラチ
ナ色を呈することがわかった。一方,比較用の試料A,
B,Cについては,電子レンジに使用すると,試料A,
Bについてはスパークが発生し、しかもプラチナ色の発
色も劣ること,試料Cについてはスパークの発生はない
ものの,プラチナ色の発色が劣ることがわかった。
【0054】
【表2】 ○:スパークなし, ×:スパークあり
【0055】
【発明の効果】本発明によれば,導電性が生ぜず,電子
レンジが発する高周波電磁波にさらされてもスパークが
発生せず,損傷もせず,かつ質感およびプラチナ色の発
色が良く高級感のあるプラチナ装飾部を形成することが
できるペーストプラチナ,およびこれを用いたプラチナ
装飾品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の試験(1),(2)における,プ
ラチナ装飾品の斜視図
【図2】実施形態例の試験(3),(4)における,プ
ラチナ装飾品の斜視図
【符号の説明】
11…………一重ライン模様 12…………ベタ模様 51…………マグカップ 52…………皿 6…………プラチナ装飾品

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスまたは陶磁器の彩色に用いられる
    ペーストプラチナであって,該ペーストプラチナは プラチナ 38.3〜80.1質量% パラジウム 0.5〜10.5質量% 金 18.9〜37.5質量% ビスマス 0.4〜 5.0質量% ジルコニウムまたは/およびアルミニウムの合計 0.
    1〜8.7質量%の範囲にある金属組成を持つ金属成分
    を有することを特徴とするペーストプラチナ。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記ペーストプラチ
    ナは,金属成分の中に,5.0質量%以下のジルコニウ
    ムを含むことを特徴とするペーストプラチナ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記ペース
    トプラチナは,金属成分の中に,5.0質量%以下のア
    ルミニウムを含むことを特徴とするペーストプラチナ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記ペーストプラチナは,金属成分の中に,10.0質
    量%以下のインジウムを含むことを特徴とする ペース
    トプラチナ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,上
    記ペーストプラチナは,ジウムを含むことを特徴とする
    ペーストプラチナ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項のペースト
    プラチナをガラス又は陶磁器に絵付し,焼成してプラチ
    ナ装飾部を形成してなることを特徴とするプラチナ装飾
    品。
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