JP2963357B2 - コンクリート壁構造およびその製造方法 - Google Patents

コンクリート壁構造およびその製造方法

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JP2963357B2 JP6340658A JP34065894A JP2963357B2 JP 2963357 B2 JP2963357 B2 JP 2963357B2 JP 6340658 A JP6340658 A JP 6340658A JP 34065894 A JP34065894 A JP 34065894A JP 2963357 B2 JP2963357 B2 JP 2963357B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート壁構造、
それに用いる空洞の充填方法、充填材および注入装置に
関する。さらに詳しくは、トンネル覆工コンクリートや
土留め擁壁(ようへき)、あるいは護岸壁などのコンク
リート壁とその背面の地山(じやま)との間にある空洞
を充填し、地山の崩れ落ちを防止してコンクリート壁を
保護する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製のトンネル、とくに逆巻
工法により構築されたものは、建設時においても覆工コ
ンクリートと地山との間に空洞が生じ易い。そして空洞
が生じた場合は図11のように、空洞Eにズリ(土砂)
101を充填したり、繊維材(シダなどの植物)を充填
したりして、地山102のズリ落ち(図12の矢印Z)
を防止し、覆工コンクリート103を保護するようにし
ている。しかし繊維材は腐敗などで滅失し易く、ズリの
土質分は地山からの湧水で流失したりするので、再び空
洞が発生する。また建設後においても、地山が湧水の水
道(みずみち)部分で侵食されて、新たに空洞が発生す
ることがある。このような空洞Eは、図9、図10に示
す土留め擁壁104や護岸壁105においても生ずる。
【0003】このようにコンクリート壁の背後に空洞E
が生ずると、図12に示すように、覆工コンクリート1
03は地山102からの偏圧を受けてひび割れ106を
発生する。そのためトンネルの内空面へ漏水107を生
じ、覆工コンクリート103を劣化させたり、覆工コン
クリート103の内面が濡れて照明効果を低減し、通行
車輛や歩行者の支障となる。また逆巻コンクリート工法
の場合、セメントコンクリートをポンプにより打設する
と、セメントコンクリートの流動性が高いため、側面側
に流失し、クラウン上部では、部分的に設計厚さに対し
て寸法が不足した薄い部分108が発生している場合も
ある。このような箇所は滞水109やひび割れ106が
発生し易く、ズリの落下(矢印Z)により覆工コンクリ
ート103が抜け落ちする危険性がある。
【0004】これらの空洞を充填する方法として、前記
シダやズリの他にセメントモルタル(とくにエアーモル
タルと呼ばれる流動性の高いもの)のグラウトを空洞内
に充填する方法が採用されている。この方法は流動性の
高いモルタルセメントを順次空洞内に注入して充填し、
硬化させようとするものであるが、流動性が高いために
期待しているクラウン頂部での残留量が少なく、図13
の矢印Yで示すように、サイドに流れ落ち易い。そのた
め充填というよりは、結果的に覆工コンクリート103
の背面にセメントペースト・ライニングを施した程度に
過ぎないことになる。また地山からの湧水が多い場合に
は、硬化前に水道部分が流失し、滞水箇所が分離して部
分的な空洞110が残る。そのため注入・充填による補
修効果が充分でない。
【0005】前記のセメントモルタルを用いる方法を改
良するものとして、塑性と疎水性を持たせた塑性セメン
トモルタルのグラウトを充填する方法が提案されてい
る。しかしこのものも湧水のある箇所においてはグラウ
トが流されて初期の目的が達成できない。また実際の施
工においては、流動性を求める結果、配合水量を高める
ことが多く、そのため塑性を損なうこととなり、前記の
工法と同程度の効果しか得ることができない。
【0006】このような問題に対処するため、近時、空
洞内にウレタン樹脂の発泡材原液を注入し、空洞内で発
泡させながら充填する方法が行われている(図14参
照)。この方法によれば空洞の隅部まで充分に充填さ
れ、しかも充填材111が水不溶性であるので、湧水で
流失するようなことはなく、そのため前記の方法に比し
て有効である。しかし発泡材の注入量および目標膨張量
の施工管理が難しく、さらにコストが高い問題がある。
すなわち覆工トンネルの中央箇所より両側に向かって注
入口112を多数設け、ついで低い箇所から順次発泡材
を注入し、発泡させながら充填していくのであるが、空
洞の事前の測定が難しいので、あらかじめ発泡材の充填
量を推測するのが難しく、目標膨張量の施工管理も難し
い。さらにクラウン頂上部が最終の注入・発泡充填箇所
となるため、完全に充填しようとすると発泡による圧力
がかかる。そのためこの部分の覆工コンクリートの厚さ
が薄い場合、覆工コンクリートが抜け落ちる危険性があ
る。また発泡材の抜け道(穴)113を設けて減圧する
にしても、抜け道の中で増粘・硬化するので、減圧の効
果は実際には管理が困難である。
【0007】他方、トンネルの背面の空洞を充填する場
合、土質・岩質状況により、水道を確保する場合と湧水
を遮水する場合があるが、上記の方法は注入材料である
発泡・硬化したウレタン樹脂が水に流されず、侵食され
ない反面、水を透過させないので、水道を確保する方法
には採用できない。すなわち上記の方法では、長期間の
うちには図15に示すように湧水の水道が変わり、たと
えば注入・発泡固化材と地山との境界面に水道114が
移動することになる。そしてその位置で地山のズリ部分
の侵食・流失が新たに始まり、空洞115が新たに発生
する。そのため地山102の不安定化につながることに
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記セメント
モルタル(エアーモルタル)や塑性セメントを注入する
空洞充填方法における問題を解消し、頂上部にも充分
に充填することができ、注入した充填材が湧水で流出
したり分離したりせず、施工時の注入量および膨張量
などの管理が容易なコンクリート壁構造およびその空洞
の充填方法(コンクリート壁構造の製造法)を提供する
ことを技術課題とするものである。さらに本発明は、
水道を確保することにより、地山からの湧水の水道を変
えない、あるいは二次注入をすることにより、充分に
湧水を遮水することができる、コンクリート壁構造およ
びその空洞の充填方法(コンクリート壁構造の製造法)
を提供することを技術課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のコンクリート壁
構造は、地山の土圧を支えるコンクリート壁と、そのコ
ンクリート壁と背面の地山との間に生じた空洞内に充填
された充填材と、前記コンクリート壁の背面側の表面に
形成されたセメント系ないし合成樹脂系の不透水層とか
らなり、前記充填材が間隙をあけて堆積させた多数の水
不溶性の発泡体粒と、隣接する発泡体粒同士を互いに接
合する接合剤とからなると共に、発泡体粒同士が水道と
なる間隙を残してアワオコシ状に接合・固化されている
ことを構成上の特徴としている。前記発泡体粒は高分子
材料ないし無機材料製の発泡体を粉砕ないし造粒するこ
とにより製造することができる。前記不透水層は、セメ
ント粉末と、高吸水性樹脂粉末と、水とにより形成する
ことができる。また、湿気硬化型の接合剤と、水ないし
湿気とにより形成することもできる。
【0010】本発明の壁構造の第2の態様(請求項5)
は、地山の土圧を支えるコンクリート壁と、そのコンク
リート壁と背面の地山との間に生じた空洞内に充填され
た充填材とからなり、前記充填材が、間隙を残して充填
された多数の水不溶性の発泡体粒と、少なくとも地山側
に水道を残すようにして、その発泡体粒の間隙の60〜
98%に二次注入されたセメント系ないし合成樹脂系の
注入材とからなることを特徴としている。注入材は注入
後に発泡するものとするのが好ましい。
【0011】本発明の充填方法(請求項7)は、コンク
リート壁の背面側の空洞に連通する注入口を形成し、そ
の注入口から、あらかじめ湿気硬化型樹脂をコーティン
グすると共にその周囲にセメント系ないし樹脂系の粉体
を付着させた多数の水不溶性の高分子材料製の発泡体粒
を空気の流れに乗せて流し込み、同時に水を噴霧し、つ
いで前記注入口を閉じることを特徴としている。発泡体
粒は高分子材料製の発泡体から粉砕ないし造粒により製
造することができる。本発明の充填方法の第2の態様
(請求項9)は、コンクリート壁の背面側の空洞に連通
する注入口を形成し、その注入口から、湿気硬化型の接
合剤を噴霧し、その霧の中を通過させるようにして、多
数の水不溶性の高分子材料製の発泡体粒を空気の流れに
乗せて流し込み、その注入のときに加えた湿気ないし空
気中の湿気で湿気硬化型の樹脂を硬化させることによ
り、発泡体粒同士を互いに接合させながら堆積させてア
ワオコシ状に固化させ、余剰の湿気硬化型樹脂によりコ
ンクリートの背面側の表面に不透水層を形成し、ついで
前記注入口を閉じることを特徴としている。
【0012】本発明の充填方法の第3の態様(請求項1
0)は、コンクリート壁の背面側の空洞に連通する注入
口を形成し、その注入口から、多数の水不溶性の高分子
材料製の発泡体粒を空気の流れに乗せて流し込み、発泡
体粒の注入の前、または注入時に、セメントと高吸水性
樹脂粉末の混合粉体を空洞内に散布し、混合粉体と湿気
とでコンクリート壁の背面側の表面に不透水層を形成
し、ついで前記注入口を閉じることを特徴としている。
本発明の充填方法の第4の態様(請求項11)は、コン
クリート壁の背面側の空洞に連通する注入口を形成し、
その注入口から、多数の水不溶性の高分子材料製の発泡
体粒を空気の流れに乗せて流し込み、その後、セメント
系ないし合成樹脂系の注入材を二次注入して発泡体粒の
間隙の60〜98%を充填することを特徴としている。
注入材は充填後に発泡するものとすることができる。
【0013】本発明の充填材(請求項13)は、発泡体
粒と、その表面にコーティングした湿気硬化型樹脂層
と、前記湿気硬化型樹脂層の上に、その粘着性を利用し
て付着されたセメントと高吸水性樹脂粉末の混合粉体と
から構成される。本発明の注入装置(請求項14)は、
発泡体粒を注入するための注入パイプと、その注入パイ
プ内に、高速の空気流を生じさせるように連結された圧
縮空気供給管とから構成され、圧縮空気供給管に、液体
を霧状で供給するための液体供給管が連結されているこ
とを特徴としている。
【0014】
【作用】本発明のコンクリート壁構造においては、軽い
発泡体粒を充填材としているので、空気などの流体の流
れに乗せて空洞の隅々まで堆積させ、充填することがで
きる。すなわちセメントモルタルのように低い箇所に流
れ込むことがなく、送風圧で上方向にも送り込めるの
で、クラウンの頂部まで充分に堆積させることができ
る。また水不溶性であるので、腐食せず、しかも施工後
に湧水などで流失してしまうことがない。さらに湧水は
発泡体粒の隙間を通って流れるので、従来の空洞内で発
泡させる発泡ウレタン樹脂のようにそれまでの水道を遮
断することがなく、そのまま維持する。そのため新たな
空洞を生じることがない。またあらかじめ発泡させた粒
体であるので、施工時に膨張して圧力を発生することが
ない。そのため充填量の管理など、施工管理が容易であ
る。また、空洞内に充填した発泡体粒を互いに接合し
て、アワオコシ状に固化させているので、流失が一層防
止され、地盤の落ち込みをより確実に防止することがで
きる。さらにコンクリート壁の表面に不透水層を形成し
ているので、コンクリート壁を一層確実に保護すること
ができる。本発明の壁構造の第2の態様(請求項5)で
は、土質・岩質により、湧水を充分に遮断したい場合に
好適であり、発泡体粒の注入した後、セメント系ないし
合成樹脂系の注入材を二次注入して発泡体粒の間隙の6
0〜98%を充填しているので、湧水を一層確実に遮断
することができる。
【0015】本発明の充填方法(請求項7、9)は、充
填する発泡体粒にあらかじめ接合剤を付着させておく
か、発泡体粒を空洞内に流し込むときに同時に接合剤を
噴霧することにより、アワオコシ状に固化させることが
できる。さらに接合剤を湿気硬化型の樹脂としているの
で、発泡体粒を流し込むときに噴霧により加えた湿気、
あるいは空気中に存在する湿気により硬化が開始するの
で、補修工事を簡単かつ効率的に行うことができる。発
泡体粒の注入の前、または注入時に、セメントと高吸水
性樹脂粉末の混合粉体を空洞内に散布する充填方法(請
求項10)では、混合粉体と湿気とでコンクリート壁の
表面に不透水層を容易に形成することができる。また土
質・岩質により、湧水を充分に遮断したい場合は、発泡
体粒の注入した後、セメント系ないし合成樹脂系の注入
材を二次注入して発泡体粒の間隙の60〜98%を充填
しておけばよく(請求項11)、それにより湧水を一層
確実に遮断することができる。またその場合、従来の発
泡ウレタンなどを用いても、使用量が少なくて済む。さ
らに発泡体粒の充填量などにより、あらかじめ二次注入
材の注入量および膨張量を予測することができ、工事の
管理が容易である。
【0016】本発明の空洞充填材は、発泡体粒と、その
表面にコーティングした湿気硬化型樹脂層とその周囲に
付着させた、セメントと高吸水性樹脂粉末の混合粉体と
から構成されているので、空洞内に空気流と共に容易に
充填することができ、充填後、空気中の湿気により湿気
硬化型樹脂層同士が接合し、全体がアワオコシ状にな
る。また内部では発泡しないので、コンクリート壁を加
圧しない。さらに前記湿気硬化型樹脂層の上に、その粘
着性を利用してセメントと高吸水性樹脂粉末の混合粉体
を付着させているので、発泡体粒同士が離れ易い。しか
も空洞内に充填するとき、セメントと高吸水性樹脂粉末
がコンクリート壁の表面に落ち、その表面に不透水層を
形成する。そのためコンクリート壁を確実に保護する。
【0017】本発明の発泡体粒注入装置では、圧縮空気
供給管から注入パイプ内に圧縮空気を送り込み、その流
れに乗せて効率よく発泡体粒を供給することができる。
さらに圧縮空気供給管に、液体を霧状で供給するための
液体供給管が連結されているので、発泡体粒の供給の時
に、同時に水の霧を注入パイプ内に送り込んだり、湿気
硬化型樹脂を霧状で効率よく供給したりすることができ
る。
【0018】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の壁構造、
充填方法、充填材および注入装置を説明する。図1aお
よび図1bはそれぞれ本発明のコンクリート壁構造の一
実施例を示すトンネルの横断面図およびそのA部拡大
図、図2および図3はそれぞれ本発明の充填方法におけ
る注入工程の一実施例を示す側面図および正面図、図4
は本発明の注入装置の一実施例を示す正面図、図5およ
び図6は本発明にかかわる充填材の一実施例を模式的に
示す断面図およびその保存方法を模式的に示す断面図、
図6および図7はそれぞれ本発明の充填方法における穿
孔工程の一実施例を示すトンネルの横断面図および縦断
面図、図9および図10はそれぞれ本発明のコンクリー
ト壁構造の他の実施例を示す断面図である。
【0019】図1aにおいて、符号1は覆工トンネル
(以下、単にトンネルという)であり、道路となってい
る床面2と、その床面2に被さるU字状のコンクリート
壁(覆工コンクリート)3とからなる。コンクリート壁
3のクラウン頂上部4の上面と地山5との間には、空洞
6が生じている。そしてその空洞6には、図1bに示す
ように、発泡体粒7が多数充填されており、各発泡体粒
7同士は接合剤により接合され、全体としてアワオコシ
状に固化している。またコンクリート壁3の空洞6内に
おける表面には、不透水性の層(不透水層)8が形成さ
れている。
【0020】前記発泡体粒7としては発泡ポリスチレン
のほか、ポリウレタン、ポリエチレンなどの合成樹脂
系、あるいはゴム系などの高分子材料の発泡体が用いら
れるが、発泡ガラスなどの無機系骨材の発泡体からも構
成し得る。発泡倍率はとくに制限はない。発泡体粒7の
形状は図4のような球状でもよく、あるいは直方体など
の角型であってもよい。また発泡スチロールなどの発泡
樹脂製品を粉砕して得られる不定型のものであってもよ
い。その場合はリサイクル品として資源の節約が図られ
る利点がある。各発泡体粒7の大きさは通常、直径ある
いは一辺が5〜30mm程度、とくに10〜20mm程度と
するのが好ましい。
【0021】発泡体粒7同士を接合する接合剤として
は、一液性ポリウレタンなどの湿気硬化型樹脂が取扱が
容易であるので好ましい。しかし二液混合により硬化す
るエポキシ樹脂、あるいはアクリル系樹脂、ウレタン系
樹脂などであってもよい。その場合は一液をあらかじめ
発泡体粒7にコーティングしておき、他の液を空洞に注
入する際に噴霧すればよい。
【0022】上記不透水層8としては、後述するセメン
トと高吸水性樹脂の混合粉末に水を加えてゲル状にした
ものが好ましい。不透水層8の材料は発泡体粒7を注入
する時に同時に散布ないし噴霧したり、発泡体粒7に付
着した状態で注入することができる。しかし発泡体粒7
を注入するのに先立って、空洞6内に散布するようにし
てもよい。
【0023】つぎに図2を参照して前記発泡体粒7を空
洞6内に注入する装置および関連設備について説明す
る。図2はこのような空洞6に、あらかじめクラウン頂
部4に形成した注入口9から発泡体粒7を充填していく
様子を示している。発泡体粒7は大きい容器10に入っ
ており、トラック11がそれらの容器10を乗せて、矢
印F方向に前進している。トラック11の荷台の前部に
は足場12が組まれており、その上で作業者Mが注入装
置13を保持し、操作している。前記トラック11の前
側には、エアコンプレッサ14および給水タンク15を
積んだもう1台のトラック16が同じ速度で前進してい
る。エアコンプレッサ14と注入装置13はエアホース
17で連結されており、給水ポンプ15と注入装置13
とは給水ホース18で連結されている。
【0024】注入装置13は図3に詳細に示すように、
コンクリート壁3に穿設した注入口9に通される注入パ
イプ20と、その注入パイプ20の周囲に回転自在に被
せられた角度調節弁21と、注入パイプ20の下端から
容器10内まで続いている吸引ホース(パイプ)22と
を備えている。角度調節弁21の上端の開口21aは斜
め上に向けられており、下部には、作業者が手に持って
角度調節弁21を回転させるためのレバー23が突設さ
れている。さらに注入パイプ20には、斜め下向きに流
体供給パイプ24が連結されている。その流体連結パイ
プ24の下端は前記エアホース17によってエアコンプ
レッサ14に連結されている。また流体供給パイプ24
の途中には、貯水ボトル25の出口側が連結されてお
り、その連結部には霧吹きの原理で水の霧を注入パイプ
20内に吹き出すように、ベンチュリーノズル26が設
けられている。注水ボトル25の後端は給水ホース18
を介して前述の給水タンク15のポンプ27に連結され
ている。
【0025】上記のごとく構成される注入装置13にお
いて、エアコンプレッサ14と給水ポンプ15とを始動
すると、流体供給パイプ24を通って圧縮空気が注入パ
イプ20に供給される。そのとき貯水ボトル25から水
を吸い出し、霧状にして空気と共に注入パイプ20に供
給される。なお貯水ボトル25には給水タンク15から
ポンプ27により水が補充される。注入パイプ20内の
圧縮空気と霧状の水はさらに角度調節弁21の上端の開
口21aから外部に噴出され、図2の空洞6内に噴出さ
れる。そしてその空気の流れにより、吸引ホース22内
に負圧が発生し、発泡体粒7が吸い上げられ、圧縮空気
および霧状の水と共に空洞6内に注入される。
【0026】上記実施例で使用される発泡体粒7は、図
4に示すように、発泡ポリスチレンなどの発泡合成樹脂
で形成される本体30と、その表面にコーティングされ
る湿気硬化型樹脂からなる接合剤層31と、その廻りに
付着される、セメントと高吸水性樹脂粉末との混合粉体
32とから構成されている。なお容器10内には、図5
に示すように、接合剤層31への付着分に加えて、付着
せずに発泡体粒7と混合状態で存在する余分目の混合粉
体33を収容しておくのが好ましい。このような混合粉
体32、33は後述するようにコンクリート壁2の表面
に不透水性のゲル層8を形成するのに役立つほか、発泡
体粒7同士が接合剤31により互いにくっつくことを防
ぎ、吸引のときの発泡粒9の流れをよくする働きがあ
る。余分の混合粉体33は発泡体粒7が吸引されて空洞
6内に注入されるとき、同時に吸引され、注入される。
前記本体30は図1aおよび図1bにおける発泡体粒そ
の物であり、前記の場合と同一の材料から同一の形状に
形成することができる。
【0027】つぎに図6〜8を参照しながら、前述の注
入装置13および発泡体粒7を用いて覆工トンネルの補
修工事をする手順を説明する。なおこの方法は、本発明
の充填方法を、背後に空洞を生じた覆工トンネルを補修
する場合に適用した実施例である。まず、音波探査機や
コアボーリング調査を行い、コンクリート壁2の厚さ
T、背面空洞6の位置、大きさなどを測定して状況図を
作成する。ついで、空洞範囲のクラウン頂部3寄りに、
コアーボーリングにより注入口9を穿孔する。なおトン
ネル縦断方向は、図7に示すように空洞6の深さに応じ
て約5〜19mピッチ、とくに5〜10mピッチ程度で
注入口9を穿孔する。またトンネルの横断方向には、前
述のクラウン頂部3よりの位置のほか、その両サイドの
1〜2か所に設ける。なお図6〜7の符号2aはスプリ
ングラインである。
【0028】ついで図8および図2に示すように、注入
口9に注入パイプ20を差し込み、吸引ホース22を発
泡体粒の容器10へ差し込む。また貯水ボトル25は給
水ホース18により給水タンク15と連結し、エアホー
ス17をエアコンプレッサ14に連結するなどして準備
する。そして前述したように、エアコンプレッサ14お
よびポンプ27を始動して圧縮空気を送ると、まず貯水
ボトル25から噴出される霧状の水により圧縮空気が加
湿され、注入パイプ20内に噴出する。これにより発泡
体粒7が吸引されて注入パイプ20の先端方向に送ら
れ、先端の開口21aから空気流に乗って噴出する。噴
出した発泡体粒7は比重が軽いために風圧により前方に
吹き飛ばされて空洞6の中に堆積・充填される。堆積し
た発泡体粒7はそれぞれがばらばらであるので、途中で
接合剤同士がくっつくブロッキングを生じても、送風圧
を上げてやると簡単に崩れて空洞の隅や上部方向に移動
する。そのため隅々まで確実に充填される。注入順は図
7の符号9aから9eの順に端から行っていく。なお図
2に示すように、最初の注入口9aでは作業者Mが角度
調節弁(図3の21)の開口21aを後方および左右の
三方に向けながら充填する。そして途中の注入口9b〜
9dでは主に後方に向けながら充填していき、最後の注
入口9eでは,開口21aを前方、左右の側方の三方に
向けて充填する。
【0029】その過程において、発泡体粒7の表面にま
ぶされた混合粉体32および発泡体粒7と共に吸い込ま
れた混合粉体33は、大部分が飛散し、下方、すなわち
コンクリート壁3の上面に堆積する。そして湿気と涌き
水とで水不透性のゲル層(図1bの符号8)を形成す
る。それによりコンクリート壁3のひび割れなどからの
漏水が防止される。他方、発泡体粒7はコーティングさ
れた湿気硬化型樹脂と噴霧される水ないし空気中の湿気
により反応し、硬化を開始する。そしてそれぞれの接点
でしだいに接着・固化し、各粒の間隙で透水性を維持す
るアワオコシ状の固体となる。
【0030】すべての空洞6が充填された後、注入口9
はいずれもセメントモルタルなどで塞ぎ、工事が完了す
る。この状態では図1aおよび図1bに示すように、空
洞はアワオコシ状に固化した発泡体粒群で充填され、コ
ンクリート壁2の表面は不透水性のゲル層8で覆われ
る。このようにして得られるアワオコシ状の固形物は、
部分的な強度は高くないが、充填された全体で見ると、
地盤の圧力を支えるのに充分な耐圧性を備えている。ま
た漏水などで流失することもなく、長期間腐食しない。
さらに各粒の間に水道が維持されているので、新たな水
道を形成して別個の空洞を生ずるおそれがない。
【0031】上記実施例では覆工トンネルの上部に生じ
た空洞を補修する場合を説明したが、本発明の壁構造お
よび方法はそれに限られるものではなく、たとえば図9
に示す道路40などのコンクリート製の擁壁104の裏
面側に生じた空洞Eを補修する場合にも採用することが
できる。この場合は空洞Eが湧水などで流失しているの
で、その箇所に水道がある。しかし充填される発泡体粒
7の隙間に水道が確保されるので、地山43からの湧水
は充填材を透し、擁壁104の水抜き穴44から抜けて
いく。そのため新たな空洞は生じない。さらに図10の
コンクリート製の護岸壁105の背面に生じた洗窟空洞
Eについても、本発明の方法により補修することがで
き、同じ作用効果を奏する。
【0032】前記実施例では発泡体粒として図4のセメ
ントと高吸水性樹脂粉末からなる混合粉体32を付着さ
せたものを用い、さらに余分の混合粉体33と共に発泡
体粒7を空洞に注入しているが、それらの混合粉体を使
用せず、本体30に湿気硬化型樹脂層31を設けただけ
の発泡体粒を採用してもよい。その場合はコンクリート
壁に不透水性のゲル層は形成されない。また前記実施例
では注入パイプに霧状の水を噴射しているが、霧状の水
を噴射せず、空気中の湿気を硬化開始剤として利用する
こともできる。
【0033】なお混合粉体32、33を使用しない場合
は、発泡体粒同士が湿気硬化型樹脂により互いにくっつ
き、空気流で吸入しにくくなる場合がある。そのため発
泡体粒として図4の本体30のみを用い、湿気硬化型樹
脂は発泡体粒を注入するときに別個に霧状などで噴射す
るようにしてもよい。その場合はたとえば図3の貯水ボ
トル25、給水ホース18および給水タンク(図2の1
5)をそれぞれ樹脂ボトル、樹脂供給ホースおよび樹脂
タンクとして利用すればよい。このようにしてエアコン
プレッサを始動し、圧縮空気を注入パイプに送ると、ま
ず湿気硬化型樹脂が霧状になって注入パイプ内に噴出さ
れ、圧縮空気の流れに乗って、発泡体粒が吸引される。
そしてそれらの発泡体粒は湿気硬化型樹脂の霧の中を通
過することになる。そしてそのときに発泡体粒の表面に
湿気硬化型樹脂がコーティングされる。注入・充填され
た発泡体粒はコーティングされた湿気硬化型樹脂が空気
中の湿気で反応し、各粒同士が接合され、アワオコシ状
の固体となる。そして余剰の湿気硬化型樹脂は下方に落
ち、発泡体粒の間隙を埋めて、あるいはコンクリート壁
の表面に付着して、不透水層を形成する。
【0034】上記いずれの実施例の場合でも、空洞内に
発泡体粒を充填した状態で発泡体粒の間隙に水を透すこ
とができる。しかし透水性がそれほど必要でなく、むし
ろ発泡体粒群の全体が不透水性を与えた方がよい場合、
あるいは高い耐圧性が必要な場合には、発泡体粒の注入
の後に、あるいは注入するときに、発泡体粒同士の間隙
を埋める注入材を充填するようにしてもよい。そのとき
の注入材としては、セメントスラリー、セメントモルタ
ル、エアー混入スラリー・モルタル、さらに発泡性を有
する上記材料などのセメント系注入材、あるいは発泡性
ウレタン樹脂などの樹脂系注入材、さらに上記材料に
「塑性」を付与した材料などがあげられる。施工方法
は、たとえば前述の実施例における発泡体粒の注入工程
を完了した後、注入した発泡体粒の空隙の約60〜98
%程度の上記注入材を追加注入する。このように発泡体
粒同士の空隙を充填すると、発泡体粒の群全体が固まっ
て、覆工コンクリート側に固体の不透水層を形成し、地
山側に水道が形成される。なお空隙の充填率を上記の場
合より少なくすると、発泡体粒の群の中に水道が形成さ
れる場合もある。
【0035】また図4の発泡体粒7として、本体30の
みを用い、しかも湿気硬化型樹脂を噴霧させずに空気だ
けで注入することもできる。その場合は不透水層は形成
されないが、水道を変えることなく、空洞を充填するこ
とができ、しかも施工がもっとも簡単である。なおこの
場合にも、その充填後に前述のセメント系ないし合成樹
脂系の注入材を空隙の75〜100%程度追加充填する
ようにしてもよい。
【0036】さらに前記追加の注入材として、不燃性の
発泡樹脂材料を採用することもできる。その場合は発泡
体粒自体が可燃性であっても、注入材がそれらの間隙を
充填しているので、火災事故の発生あるいは延焼を防止
することができる利点がある。
【0037】
【発明の効果】本発明のコンクリート壁構造および充填
方法によれば、以下の効果が達成できる。 充填材として水不溶性の発泡体粒を採用しているの
で、シダなどのように腐食することがなく、ズリのよう
に湧水などで流されることがない。 送風圧で上方向にも確実に充填することができる。ま
た比重が軽いので、風圧で簡単に移送することができ、
しかも一度滞留しても、エアー圧を上げて吹き込むと、
簡単にずれて移動するので、横方向にも、また上や窪み
にも確実に堆積し、充填することができる。 充填後に発泡させる発泡ウレタンあるいは充填前に発
泡させる発泡モルタルなどのように、コンクリート壁を
加圧することがない。そのため施工管理が容易である。 トンネル背面の土質・岩質状況により、水道(みち)
を確保する場合は発泡体粒を充填するだけで完了し、そ
れらの間隙に注入材を充填しないか、充填した場合でも
完全には充填しない。この場合はそれらの間隙に水を透
すことができるので、施工後も水道を確保することがで
きる。また固化させた場合でも、その前後を問わず、ア
ワオコシ状であり、透水性がある。 セメントと高吸水性樹脂粉末の混合粉体を使用するも
の、発泡体粒を注入するときに湿気効果型樹脂の噴霧を
行うものでは、コンクリート壁の背面にゲル状の不透水
層が形成され、コンクリート壁を透す漏水が防止され
る。 トンネル背面の土質・岩質状況により、湧水を遮断す
る場合があるが、その場合は発泡体粒を充填した後、二
次注入として発泡ウレタン、発泡モルタルなどを注入す
ることにより遮水できる。その場合、すでに充填した発
泡体粒の量などから、二次注入の注入量を容易に予測す
ることができ、注入量の管理を行うことができる。
【0038】本発明の充填材は上記充填方法に効果的に
使用することができる。本発明の注入装置は上記方法を
効率よく実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは本発明のコンクリート壁構造の一実施
例を示す断面図であり、図1bはそのA部拡大図であ
る。
【図2】本発明の充填方法における注入工程の一実施例
を示すトンネルの縦断面図である。
【図3】本発明の注入装置の一実施例を示す正面図であ
る。
【図4】本発明にかかわる充填材の一実施例を模式的に
示す断面図である。
【図5】本発明にかかわる充填材の保存方法を模式的に
示す断面図である。
【図6】本発明の補修方法における穿孔工程の一実施例
を示すトンネルの横断面図である。
【図7】本発明の充填方法における穿孔工程の一実施例
を示すトンネルの縦断面図である。
【図8】本発明の充填方法における注入工程の一実施例
を示すトンネルの横断面図である。
【図9】本発明のコンクリート壁構造の他の実施例を示
す断面図である。
【図10】本発明のコンクリート壁構造のさらに他の実
施例を示す断面図である。
【図11】従来のトンネルの一例を示す断面図である。
【図12】図11のトンネルに生じた欠陥の例を示す断
面図である。
【図13】従来のトンネルのさらに他の例を示す断面図
である。
【図14】従来のトンネルのさらに他の例を示す断面図
である。
【図15】図14のトンネルに生じた欠陥の例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 トンネル 3 コンクリート壁 5 地山 6 空洞 7 発泡体粒 8 不透水層 9 注入口 13 注入装置 20 注入パイプ 21 角度調節弁 25 貯水ボトル 30 本体 31 接合剤層 32 混合粉体 43 地山 104 擁壁 105 護岸壁 E 空洞

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地山の土圧を支えるコンクリート壁と、
    そのコンクリート壁と背面の地山との間に生じた空洞内
    に充填された充填材と、前記コンクリート壁の背面側の
    表面に形成されたセメント系ないし合成樹脂系の不透水
    層とからなり、前記充填材が間隙をあけて堆積させた多
    数の水不溶性の発泡体粒と、隣接する発泡体粒同士を互
    いに接合する接合剤とからなると共に、発泡体粒同士が
    水道となる間隙を残してアワオコシ状に接合・固化され
    ているコンクリート壁構造。
  2. 【請求項2】 前記発泡体粒が高分子材料ないし無機系
    材料製の発泡体を粉砕ないし造粒して製造したものであ
    る請求項1記載の壁構造。
  3. 【請求項3】 前記不透水層が、セメント粉末と、高吸
    水性樹脂粉末と、水とにより形成されたものである請求
    項1記載の壁構造。
  4. 【請求項4】 前記不透水層が、湿気硬化型の接合剤
    と、水ないし湿気とにより形成されたものである請求項
    1記載の壁構造。
  5. 【請求項5】 地山の土圧を支えるコンクリート壁と、
    そのコンクリート壁と背面の地山との間に生じた空洞内
    に充填された充填材とからなり、前記充填材が、間隙を
    残して充填された多数の水不溶性の発泡体粒と、少なく
    とも地山側に水道を残すようにして、その発泡体粒の間
    隙の60〜98%に二次注入されたセメント系ないし合
    成樹脂系の注入材とからなるコンクリート壁構造。
  6. 【請求項6】 前記注入材が注入後に発泡するものであ
    る請求項5記載の壁構造。
  7. 【請求項7】 コンクリート壁の背面側の空洞に連通す
    る注入口を形成し、その注入口から、あらかじめ湿気硬
    化型樹脂をコーティングすると共にその周囲にセメント
    系ないし樹脂系の粉体を付着させた多数の水不溶性の高
    分子材料製の発泡体粒を空気の流れに乗せて流し込み、
    同時に水を噴霧し、ついで前記注入口を閉じる、コンク
    リート壁の背面側の空洞を充填する方法。
  8. 【請求項8】 前記発泡体粒を高分子材料製の発泡体か
    ら粉砕ないし造粒により製造する請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 コンクリート壁の背面側の空洞に連通す
    る注入口を形成し、その注入口から、湿気硬化型の接合
    剤を噴霧し、その霧の中を通過させるようにして、多数
    の水不溶性の高分子材料製の発泡体粒を空気の流れに乗
    せて流し込み、その注入のときに加えた湿気ないし空気
    中の湿気で湿気硬化型の樹脂を硬化させることにより、
    発泡体粒同士を互いに接合させながら堆積させてアワオ
    コシ状に固化させ、余剰の湿気硬化型樹脂によりコンク
    リートの背面側の表面に不透水層を形成し、ついで前記
    注入口を閉じる、コンクリート壁の背面側の空洞を充填
    する方法。
  10. 【請求項10】 コンクリート壁の背面側の空洞に連通
    する注入口を形成し、その注入口から、多数の水不溶性
    の高分子材料製の発泡体粒を空気の流れに乗せて流し込
    み、発泡体粒の注入の前、または注入時に、セメントと
    高吸水性樹脂粉末の混合粉体を空洞内に散布し、混合粉
    体と湿気とでコンクリート壁の背面側の表面に不透水層
    を形成し、ついで前記注入口を閉じる、コンクリート壁
    の背面側の空洞を充填する方法。
  11. 【請求項11】 コンクリート壁の背面側の空洞に連通
    する注入口を形成し、その注入口から、多数の水不溶性
    の高分子材料製の発泡体粒を空気の流れに乗せて流し込
    み、その後、セメント系ないし合成樹脂系の注入材を二
    次注入して発泡体粒の間隙の60〜98%を充填する、
    コンクリート壁の背面側の空洞を充填する方法。
  12. 【請求項12】 前記注入材が注入後に発泡するもので
    ある請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 発泡体粒と、その表面にコーティング
    した湿気硬化型樹脂層と、前記湿気硬化型樹脂層の上
    に、その粘着性を利用して付着されたセメントと高吸水
    性樹脂粉末の混合粉体とからなる空洞充填材。
  14. 【請求項14】 発泡体粒を注入するための注入パイプ
    と、その注入パイプ内に、高速の空気流を生じさせるよ
    うに連結された圧縮空気供給管と、その圧縮空気供給管
    に連結された、液体を霧状で供給するための液体供給管
    とからなる発泡体粒の注入装置。
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