JPS594194B2 - セメントモルタル吹付工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えばビルの地下の壁面、トンネル、ダム、
水路その他諸々のコンクリート構築物の施工面及び鋼、
木、煉瓦等を材料とした構造物の表面に、その新設時及
び補修時に施されたり、岩壁表面の風化崩壊防止の為に
施されるセメントモルタル吹付工法に関し、更に詳細に
は、セメントと砂を主材料とし、これに防水剤を添加ミ
キシングして得た混合物をセメントガン本体に供給し、
次いでセメントガン本体に圧縮空気を送入しながら、そ
の空気圧により前記の混合物をホースを介してノズルに
送り、且つノズルに送入される圧力水と５ 混じながら
噴射施工するようにしたセメントモルタル吹付工法に関
するものである。

（注、この工法により得られたモルタル層は、シヨツト
クリート（ｓｈｏｔｃｒｅｔｅ）又はグナイト（ｇｕｎ
ｉｔｅ）とも呼ばれている。）１０即ち本発明の目的は
、施工対象物の材料、形状、傾斜等に関係なく、且つ薄
層にして高密度の施工を容易に得られるセメントモルタ
ル吹付工法を提供するにあり、又他の目的は、セメント
と砂に、その適量の防水剤、例えば珪酸ソーダ等のシリ
カ１５質の防水剤の添加により、セメントモルタルの凝
固体中の空隙を充填し、即ち防水剤をしてセメントの水
和によつて生じる石灰分と結合させて不溶性の珪酸石灰
となし、この珪酸石灰が凝固体中の空隙に充填されるこ
とにより、浸水を防止し強固ク０ に構成し得るセメン
トモルタル吹付工法を提供するにある。

更に本発明の他の目的は、セメント、砂及び防水剤との
混合物と、ノズル内の先端方向に霧状になつて噴出され
る圧力水とを、ノズル内で混じなク５ がら対象物に噴
射されることにより、良好に結着凝固し得るセメントモ
ルタル吹付工法を提供するにある。

次に、上記の目的を達成し得る本発明施工法の一実施例
を、添付図面と共に詳細に説明する。

９０第１図はセメントガン本体の説明図で、同図に於て
１は上室、２は下室、３は上室１内の上部に設けられた
コーンパルプ、４は上室１と下室２の境界部に設けられ
たコーンバルブ、５は下室２内の底部に設けられた材料
送給羽根装置、６は送給五 羽根装置５を回転するため
の空気モーター、Ｔはその駆動軸、８はバルブＢａを有
する吐出管、９は吐出管８に連結されたホースが示され
ている。

又図示されていないが、上室１と下室２には圧縮空気送
入管が設けられ、上部１には排気管が設けられている。
第２図はホース９の先端に連結されたノズルＡの縦断側
面図で、ノズルＡは基部管１０．内側に環体１２を有す
る接続環１１及び内周にゴムライナー１３ａを有する先
部管１３より成り、基部管１０と先部管１３が接続環１
１を介して接続され、基部管１０にホース９の先端が連
結されている。

接続環１１の内周に環状溝１１ａが形成されると共に該
環状溝１１ａより外側に通じる通孔１１ｂが穿れ、この
通孔１１ｂにコツク１４ａを有するエルポパイプ１４が
接続されると共にエルボパイプ１４ａに圧力水供給用の
可撓管１５が接続され、該可撓管１５がポンプを介して
水タンクに接続されている。環体１２には接続環１１の
環状溝１１ａに連通する数多の斜孔１１ａが穿れ、この
斜孔１１ａを介して圧力水が先部管１３内の先端方向に
霧状になつて噴出されるようになつている。

前記されたようなセメントガン本体及びノズルを用い、
先づセメントと砂の配合容積比１：２．５程度に於て（
注、砂の含水量は４％程度が好ましい。

又配合容積比は吹付施工をなす対象物により砂の量を増
すこともある。）これをミキサーに入れると共にセメン
ト量の１０％程度の防水剤（例えば珪酸ソーダ等のシリ
カ質のもの及び日本窒素株式会社製の商品名ミクスメイ
ト）を添加し、良くミキシングして得た混合物をセメン
トガン本体の上室１及び下室２内に入れ、コーンバルブ
３を閉じてエア圧をかけ、（注、コーンバルブ４は開い
て置く）上室１及び下室２の圧力が所望の圧力になつた
時に空気モーター６により駆動軸７を介して材料送給羽
根装置５を駆動する。しかるときは前記の混合物はバル
ブ８ａを有する吐出管８より順次と吐出されるが、この
吐出に従い上室１内の混合物は下室２内へ自然と流下し
、その上室１内が空になつた時にコーンバルブ４を閉じ
、又上室１内の圧力を抜きコーンバルブ３を開らき、上
室１内へ前記の混合物を補給する。次いでコーンバルブ
３を閉じ、上室のエア圧をかけ、このエア圧によりコー
ンバルブ４が自然と開らかれ、前記と同様に混合物は順
次と吐出管８より吐出される。（注、前記の作用が繰返
される。）又吐出管８よリボース９に送入される。一方
可撓管１５よりエルボパイプ１４、接続環１１の通孔１
１ｂ、環体１２の数多の斜孔１２ａへ送られてくる圧力
水は、先部管１３内の先端方向に霧状に吐出され、この
先部管１３内において前記の混合物と混じながら対象物
に噴射され、即ち対象物に塗布される以前にモルタル状
となるが、この場合ホース９内の空気圧は、そのホース
９の長さにより異るが、平均的には３．５〜４．２ｋ９
／Ｃｄが好ましく、長い場合には５ｋ９／Ｃｄに、又仕
上げの場合は１．７５〜３．５ｋｇ／Ｃｄに定め、圧力
水の圧力は前記の空気圧よりも１ｋ９／Ｃｄ程度高めて
これを定めて置く。

又噴射管１３よりするモルタルの吹出し速度は、この管
径によつて相達するが、２０〜２５ｍｕの場合１３０〜
１５０ｍ／Ｓｅｃｌ３２ｍｍの場合１２０〜１８０ｍ／
Ｓｅｃｌ平均して１４０ｍ／Ｓｅｅ程度が好ましい。こ
のようにして、ノズルより噴射されるセメントと砂及び
防水剤の混合物は圧力水と混じられてモルタル状となつ
て対象物に塗着して凝固するが、そのモルタル中に防水
剤、例えば珪酸ソーダ等のシリカ質の防水剤が含まれて
いることにより、この防水剤がセメントの水和によつて
生じる石灰分と結合して不溶性の珪酸石灰を形成して、
これが凝固体中の空隙を充填し、従つて浸水を防止し強
固に構成し得られるものである。

以上、本発明の工程、作用、効果等について説明したが
、本発明は必要に応じセメント、砂及び防水剤を混合す
る場合に長さ５〜１５ｍ７ｎの比較的短かい鋼繊維の所
望量を混入し、これによりなお一層強度を大になし得る
ようにすることもある。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るセメントモルタル吹付工法に用いら
れる機器の一例で、第１図はセメントガン本体の説明図
、第２図はノズルの縦断側面図である。 ９・・・・・・ホース、１２・・・・・・環体、１２ａ
・・・・・・斜孔、Ａ・・・・・・ノズル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所望の配合比によるセメントと砂に、珪酸ソーダ等
   のシリカ質の防水剤の所望量を添加し、これをミキサー
   で混合した混合物をセメントガン本体内に入れ、これを
   所望圧力の下に、基部管と先部管及び基部管と先部管の
   間に設けられた環体より成るノズルの、前記基部管に圧
   送し、一方前記環体の外側より導入された圧力水を、該
   環体に穿れた数多の斜孔を介して前記先部管内の先端方
   向に霧状に吐出して、先部管内において前記の混合物と
   混じながら対象物に噴射施工することを特徴とするセメ
   ントモルタル吹付工法。