JP2961866B2 - シート材搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、シート材を斜走させ斜走側のシート材側辺
を片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送するシート
材搬送装置、及び該シート該搬送装置を備えた画像形成
装置に関する。

より詳しくは、複写機・プリンタ・ファクシミリ・ワ
ードプロセッサ等の画像形成装置、その他各種のシート
材使用機器等において、給紙カセット等のシート材収容
部からシート材（転写紙・感光紙・静電記録紙・感熱紙
・印字用紙・印刷紙・OHPシート・封筒・葉書・シート
原稿など）を１枚宛送り出して片側搬送基準で画像形成
部・露光部・加工部等のシート材受容部へ給搬送するシ
ート材搬送装置に関する。また画像形成装置に関する。

（従来の技術） 便宜上、第７図（Ａ）・（Ｂ）・（Ｃ）に夫々概略図
として示した、電子写真記録を用いたレーザービームプ
リンタ記録装置を例にして説明する。

第７図（Ａ）・（Ｂ）・（Ｃ）は夫々、シート材収容
部からシート材排出部へ至るまでのシートパス（シート
材搬送経路）が、ストレートタイプ、Ｕ字タイプ、Ｓ字
タイプである装置を示している。

シートパスがストレートタイプである（Ａ）図の装置
は、装置本体50の一側面側に給紙カセット挿入口51を、
他側面側にシート材排紙口62を設けてあり、給紙カセッ
ト挿入口51にはシート材収容部としての給紙カセット52
が装着され、排紙口62には排紙トレイ63が外方へ張り出
されて取付けられている。

給紙信号により給紙ローラ53が回転駆動されて給紙カ
セット52内の収容シート材としての積載記録紙（被記録
媒体）Ｐの最上位の記録紙に対して送りがかかり、分離
爪54との協働でその最上位の記録紙が１枚分離されて装
置内へ送り出される。

その送出記録紙はガイド板55・56の間→レジストロー
ラ対57→画像転写部58→搬送ベルト装置59→画像定着装
置60→排紙ローラ61→排紙口62の経路（シートパス）を
通って画像形成物（プリント）として排紙トレイ63上に
排出される。

64は中心支軸を中心に時計方向に所定の周速度（プロ
セススピード）で回転駆動されるドラム型電子写真感光
体（以下、感光ドラムと記す）であり、ドラム型基体の
周面に有機あるいは無機の光導電体層を主体とする感光
体を具備させたものである。65は感光ドラムの外周面を
所定の極性・電位に一様に帯電する帯電器、66・66aは
帯電処理された感光ドラム面に目的の画像情報を書き込
み走査露光するレーザービームスキャナとビーム反射
鏡、67は走査露光により形成された感光ドラム面の静電
潜像をトナー現像する現像器、68は感光ドラム面側の担
持トナー画像を記録紙Ｐへ転写するための転写手段とし
ての転写ローラ、69は像転写後の感光ドラム面を清掃す
るクリーニング器である。作像のプロセス・原理は公知
であるから説明は省略する。又本例の装置は感光ドラム
64・帯電器65・現像器67・クリーニング器69の４つのプ
ロセス機器を一括して装置本体に対して着脱自在のプロ
セスカートリッジ70としてある。

この装置はシート材収容部である給紙カセット52から
シート材排出部である排紙トレイ63へ至るシートパスが
ほぼ直線的（ストレート）であり、シート材搬送の信頼
性はよい。しかし装置の一側面側と他側面側とにおいて
夫々外方へ張り出して突出しているシート材収容部とし
ての給紙カセット52部分とシート材排出部としての排紙
トレイ63が装置の配置スペースとして加算されることに
なり、これが装置の設置スペースを実質的に大きくして
いた。

そこで、装置の実質的な配置面積を小さくするために
（Ｂ）図や（Ｃ）図の装置のようにシートパスを屈曲さ
せたＵ字タイプやＳ字タイプの形態とする装置構成が多
く取られるようになった。

シートパスがＵ字タイプである（Ｂ）図の装置は、装
置の一側面側に給紙カセット挿入口51と給紙口62とを設
け、シート材収容部としての給紙カセット52のほぼ全体
を装置本体内に挿入収納させ、給紙ローラ53によりカセ
ット内から送出させた記録紙Ｐを反転ガイド71a・71bと
搬送ローラ72a・72bでカセット52の上側へカセットから
の記録紙の送出方向とは逆方向へＵターン反転搬送させ
て画像転写部58→搬送ベルト装置59→画像定着装置60→
排紙ローラ61→排紙口62の経路で排紙トレイ63上に排出
させるもので、装置外部への張り出し部材は給紙トレイ
63だけとなり、（Ａ）図の装置よりも装置設置面積が縮
小化される。

シートパスがＳ字タイプである（Ｃ）図の装置は、
（Ｂ）図の装置において排紙ローラ61を出た記録紙を装
置の天板へ向けて反転ガイド73により再度Ｕターン反転
搬送させて第２の排紙ローラ74で装置天板を利用した排
紙トレイ部75へ排出させるもので、装置外部への張り出
し部材はなくなり、（Ｂ）図の装置よりも装置設置面積
が更に縮小化される。

（発明が解決しようとする問題点） シートパスを（Ｂ）図や（Ｃ）図のようにＵ字やＳ字
に屈曲させることで装置設置面積を縮小化できるが、そ
の半面、装置の高さ寸法はシートパスがストレートタイ
プである（Ａ）図の装置に比べて増してしまう傾向にあ
る。そこでＵ字やＳ字のシート材反転部においてシート
材を折り曲げ反転させる等価的な円弧の半径をできるだ
け小さくしようとする試みが行なわれている。

しかし、そのように反転させる円弧の半径を小さくす
ると、例えば第７図（Ｂ）の反転部Ｃに於いて搬送ロー
ラ72a・72bの搬送速度差により反転ガイド71a・71bの隙
間の中でシート材がつっぱったり、たるんだりする可能
性があり信頼性が乏しかった。

また、画像形成装置に於いては、記録用紙などのシー
ト材を画像形成装置内の記録部に正しく送り込まなくて
は画像の歪みなどを生じる。

そこで、斜走ローラによって画像形成装置本体のシー
ト材片側搬送基準ガイドにシート材の片側搬送基準側の
側辺（シート材の端部・端面）を押圧しながらシート材
を搬送させることでシート材に斜行などが生じないよう
に搬送する方法が提案されているが、前述のようにシー
ト材を反転させる円弧の半径を小さくすると非基準側の
反転ガイドの搬送負荷によって第１斜送ローラにて斜行
が発生し、シート材の片側搬送基準の側辺部が損傷して
しまう事があった。

また、シート材を斜走させ斜走側のシート材側片を片
側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送するシート材搬
送装置で、シート材を強く搬送基準ガイドに突き当てる
とシート材の端部が座屈しやすく、特に薄紙は損傷しや
すい。突き当て力を弱くすると、厚紙の様に搬送抵抗の
大きいシート材は十分搬送基準ガイドに突き当たらなく
なる。

そこで本発明は上記の様な点に鑑み、比較的簡便な構
成で、薄紙シート材から厚紙シート材まで安定して斜走
可能にして、片側搬送基準面に給送すべきシート材の搬
送基準側の側辺を押圧しつつ搬送することによって斜行
等無く正確にシート材を搬送する事を可能にし、そして
シート材反転のために比較的小さな円弧半径を設定した
場合でも、シート材の斜行や、シート材の搬送基準側の
側辺部に損傷を与えることなくシート材を給紙搬送出来
るシート材搬送装置、及び画像形成装置を提供する事を
目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は下記の手段構成を特徴とするシート材搬送装
置及び画像形成装置である。

（１）シート材を斜走させ斜走側のシート材側辺を片側
搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送するシート材搬送
装置において、 シート材の斜走をシート材搬送経路のシート材反転部
で行なわせ、 かつ該シート材反転部におけるシート材搬送方向の上
流側での片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧力
を、下流側での片側搬送基準ガイドに対するシート材押
圧力よりも小さく設定した ことを特徴とするシート材搬送装置。

（２）シート材収容部と、 シート材収容部のシート材を１枚宛送り出す給紙手段
と、 シート材収容部からの送出シート材の片側搬送基準ガ
イドと、 シート材収容部からの送出シート材の片側搬送基準側
の側辺部に接してシート材を反転搬送する搬送ローラ
と、 該搬送ローラの外周に沿ってシート材搬送方向の上流
側から下流側に順次に配置され、搬送ローラとの間に送
出シート材の片側搬送基準側の側辺部を挟み込んで送出
シート材を前記片側搬送基準ガイドに押圧しつつ該ガイ
ドに沿わせて搬送ローラとの協働で反転搬送する、少な
くとも２つの第１と第２の圧接手段と を具備し、上記上流側の第１の圧接手段の片側搬送基準
に対するシート材押圧力を、下流側の第２の圧接手段の
片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧力よりも小さ
く設定した ことを特徴とするシート材搬送装置。

（３）前記第１と第２の圧接手段がシート材斜走ローラ
であり、第１の圧接手段としてのシート材斜送ローラの
斜送角を第２の圧接手段としてのシート材斜送ローラの
斜送角よりも小さく設定したことを特徴とする（２）に
記載のシート材搬送装置。

（４）前記第１と第２の圧接手段がシート材を片側搬送
基準側へ寄せ移動させるべくシート材搬送方向に対して
前記片側搬送基準ガイド側に傾けて配置したローラであ
ることを特徴とする請求項２または３に記載のシート材
搬送装置。

（５）前記第１と第２の圧接手段がその外周面にシート
材を片側搬送基準側へ寄せ移動させるスパイラル状の溝
を形成したローラであることを特徴とする（２）または
（３）に記載のシート材搬送装置。

（６）第１と第２の圧接手段がシート材搬送力を有する
ことを特徴とする（２）から（５）のいずれかに記載の
シート材搬送装置。

（７）シート材を反転搬送する搬送手段と、 前記搬送手段によって反転搬送されるシート材の側端
位置を規制する片側搬送基準ガイドと、 前記搬送手段によって反転搬送されるシート材に回転
しながら接触し、シート材搬送方向に対して前記片側搬
送基準ガイド側に傾けられて配置された第１斜送ローラ
と、 前記第１斜送ローラよりもシート材搬送方向下流側に
配置され、前記搬送手段によって反転搬送されるシート
材に回転しながら接触し、シート材搬送方向に対して前
記片側搬送基準ガイド側に前記第１斜送ローラよりも大
きな角度で傾けられて配置された第２斜送ローラと を有することを特徴とするシート材搬送装置。

（８）前記搬送手段はシート材を反転搬送する回転体で
あり、前記第１と第２の斜走ローラは該回転体の外周に
沿ってシート材搬送方向の上流側から下流側に順次に配
置され、回転体との間にシート材の片側搬送基準側の側
辺部を挟み込んでシート材に接触することを特徴とする
（７）に記載のシート材搬送装置。

（９）被記録媒体を斜走させ斜走側の被記録媒体側辺を
片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送し、該被記録
媒体に記録処理をする画像形成装置に於て、 被記録媒体の斜走を被記録媒体搬送経路の被記録媒体
反転部で行なわせ、 かつ該被記録媒体反転部における被記録媒体搬送方法
の上流側での片側搬送基準ガイドに対する被記録媒体押
圧力を、下流側での片側搬送基準ガイドに対する被記録
媒体押圧力よりも小さく設定した ことを特徴とする画像形成装置。

（10）被記録媒体を斜走させ斜走側の被記録媒体側辺を
片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送し、該被記録
媒体に記録処理をする画像形成装置に於て、 被記録媒体の片側搬送基準側の側辺部に接して被記録
媒体を反転搬送する搬送ローラと、 該搬送ローラの外周に沿って被記録媒体搬送方向の上
流側から下流側に順次に配置され、搬送ローラとの間に
被記録媒体の片側搬送基準側の側辺部を挟み込んで被記
録媒体を片側搬送基準ガイドに押圧しつつ該ガイドに沿
わせて搬送ローラとの協働で反転搬送する、少なくとも
２つの第１と第２の圧接手段と を具備し、上記上流側の第１の圧接手段の片側搬送基準
に対する被記録媒体押圧力を、下流側の第２の圧接手段
の片側搬送基準ガイドに対する被記録媒体押圧力よりも
小さく設定した ことを特徴とする画像形成装置。

（11）前記第１と第２と圧接手段が被記録媒体斜送ロー
ラであり、第１の圧接手段としての被記録媒体斜送ロー
ラの斜送角を第２の圧接手段としての被記録媒体斜送ロ
ーラの斜送角よりも小さく設定したことを特徴とする
（10）に記載の画像形成装置。

（12）前記第１と第２の圧接手段が被記録媒体を片側搬
送基準側へ寄せ移動させるべく被記録媒体搬送方向に対
して前記片側搬送基準ガイド側に傾けて配置したローラ
であることを特徴とする（10）または（11）に記載の画
像形成装置。

（13）前記第１と第２の圧接手段がその外周面に被記録
媒体を片側搬送基準側へ寄せ移動させるスパイラル状の
溝を形成したローラであることを特徴とする（10）また
は（11）に記載の画像形成装置。

（14）第１と第２の圧接手段が被記録媒体搬送力を有す
ることを特徴とする（10）から（13）のいずれかに記載
の画像形成装置。

（15）被記録媒体を斜走させ斜走側の被記録媒体側辺を
片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送し、該被記録
媒体に記録処理をする画像形成装置に於て、 被記録媒体を反転搬送する搬送手段と、 前記搬送手段によって反転搬送される被記録媒体の側
端位置を規制する片側搬送基準ガイドと、 前記搬送手段によって反転搬送される被記録媒体に回
転しながら接触し、被記録媒体搬送方向に対して前記片
側搬送基準ガイド側に傾けられて配置された第１斜送ロ
ーラと、 前記第１斜送ローラよりも被記録媒体搬送方向下流側
に配置され、前記搬送手段によって反転搬送される被記
録媒体に回転しながら接触し、被記録媒体搬送方向に対
して前記片側搬送基準ガイド側に前記第１斜送ローラよ
りも大きな角度で傾けられて配置された第２斜送ローラ
と を有する画像形成装置。

（16）前記搬送手段は被記録媒体を反転搬送する回転体
であり、前記第１と第２の斜走ローラは該回転体の外周
に沿って被記録媒体搬送方向の上流側から下流側に順次
に配置され、回転体との間に被記録媒体の片側搬送基準
側の側辺部を挟み込んで被記録媒体に接触することを特
徴とする（15）に記載の画像形成装置。

（作 用） シート材収容部から給紙手段により１枚宛送り出され
たシート材は片側搬送基準の側辺部が搬送ローラと第１
圧接手段との間に挟み込まれ、更に搬送ローラと第２の
圧接手段との間に挟み込まれて搬送ローラと第１及び第
２圧接手段との協働で搬送ローラの外周に沿って反転搬
送されていく。

その搬送ローラ外周面に沿うシート材の反転搬送過程
でシート材は第１と第２の圧接手段によるシート材斜送
作用（片側搬送基準ガイド方向へのシート材押圧寄せ移
動作用）でシート材の搬送基準側の側辺が片側搬送基準
ガイドに一様に接した状態になる。

シート材の該側辺が該ガイドに一様に接した後もシー
ト材は第１と第２の圧接手段のシート材斜送作用を受け
ることで側辺のガイドに対する一様接触状態が保たれた
ままガイドに沿って且つ搬送ローラ外周面に沿って反転
搬送されていく。

従ってシート材は斜行等なく常に正確に反転搬送され
ていく。

搬送ローラに対するシート材圧接手段はシート材搬送
方向上流から下流側に順次少なくとも２つ配設するもの
とし、上流側の第１の圧接手段の片側搬送基準ガイドに
対するシート材押圧を、下流側の第２の圧接手段のそれ
よりも小さく設定することで、搬送シート材に対する片
側搬送基準ガイド方向へのシート材斜送作用が無理なく
スムースになされていく。従ってシート材側辺部のガイ
ドに対する過度な接触干渉による損傷を与えることがな
い。

シート材反転搬送の円弧半径は搬送ローラ径で正確に
規定され、比較的小さな円弧半径を設定した場合でも、
シート材は搬送ローラと第１及び第２の圧接手段との間
にしっかりと挟み込まれて搬送ローラ外周面に沿って反
転搬送されると共に、第１及び第２の圧接手段のシート
材斜送作用でシート材の側辺が片側基準ガイドに押圧さ
れるので、シート材の斜行やシート材の側辺部に対する
損傷なく、また厚紙等の剛性の強いシート材でも、常に
スムースに確実に反転搬送させることができる。

そして、本発明では、シート材の斜走をシート材搬送
経路のシート材反転部で行なわせたことで、反転部では
シート材の屈曲でシート材の越しが強くなり薄紙シート
材でも座屈しにくくなるので片側搬送基準ガイドに対す
るシート材押圧力を強くできる。

また反転部のシート材反転始まり部（シート材搬送方
向上流側）はまだシート材の腰が弱いので座屈しやすい
ためここでの片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧
力を小さく、シート材が十分反転した所（シート材搬送
方向下流側）では片側搬送基準ガイドに対するシート材
押圧力を強くする。

即ち、シート材反転部におけるシート材搬送方向の上
流側での片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧力
を、下流側での片側搬送基準ガイドに対するシート材押
圧力よりも小さく設定することで、比較的簡便な構成
で、薄紙シート材から厚紙シート材まで安定して斜走可
能にして、片側搬送基準面に給送すべきシート材の搬送
基準側の側辺を押圧しつつ搬送することによって斜行等
無く正確にシート材を搬送する事を可能にしている。

更にシート材の反転搬送を１つのローラで行なう為、
比較的安価に且つ搬送速度を正確に出すことが可能とな
る。

（実施例） 第１図は本発明に従うシート材給送装置を適用したレ
ーザービームプリンタ記録装置の一例の概略図である。
第２図はシート材としての記録材の反転搬送部分の斜視
図を示している。

前述第７図例の装置と共通する構成部材・部分には同
一の符号を付して再度の説明を省略する。

シート材収容部としての給紙カセット52は装置本体50
の右側面の下部に開口させた挿入口51から装置本体内に
そのほぼ全体が挿入収納される。

給紙カセット52は、カセット筺体20、加圧バネ24持ち
上げ付勢された中板23、シート材分離爪54、収容シート
材としての記録紙Ｐの片側端面（側辺）をガイドする端
面規制部材22（第２図）等を有している。記録紙Ｐはこ
のカセット内に積載収納される。

給紙カセット52に積載された記録紙Ｐは給紙ローラ53
の回転により積載記録紙の最上紙のみに第１図上右方へ
の搬送力が与えられ、分離爪54によってその最上紙１枚
のみが分離され右方Ａに搬送される。この時中板23の加
圧バネ24の協同により記録紙Ｐと給紙ローラ53との間に
所定の圧接力を与えている。

分離されて給送された記録紙Ｐは給紙カセット52の上
向きガイド20aに沿って上方へ搬送ガイドされ搬送ロー
ラ27と第１の圧接手段としての第１斜送ローラ25との間
に送られ、不図示の駆動源からの回転速度に同期して記
録紙Ｐが搬送され、反転ガイド31に沿って搬送ローラ27
と第２の圧接手段としての第２搬送ローラ26との間を通
ることで、カセット52からの記録紙Ｐの送り出しとＡと
は逆方向である左方ＢへＵターンされて反転搬送され
る。そしてその反転搬送の記録紙Ｐはガイド板32→画像
転写部58→ガイド板75→画像定着装置60→排紙ローラ61
→排紙口62の経路を通って装置本体50の左側面側に設け
られた排紙トレイ63上に出力される。

感光ドラム64面から記録紙Ｐへのトナー画像の転写は
記録紙Ｐの裏面が転写ローラ68によりトナー画像の荷電
極性と逆極性に帯電されることで行なわれる。そして画
像転写部58を通過した記録紙Ｐは転写ローラ68と逆極性
の電位を印加した分離除電針９で除電を受けることによ
り感光ドラム64面から分離される。

33（第２図）は給紙カセット52から送出された記録紙
Ｐの片側搬送基準ガイドであり、装置本体側の部材であ
る。前記の搬送ローラ27はこの片側搬送基準ガイド側に
配置してある。

第１及び第２の斜送ローラ25・26は給紙カセット52か
らの送出記録紙Ｐの搬送基準側の側辺Paをこの片側搬送
基準ガイド33の面に押し付ける方向に夫々第３図（Ａ）
・（Ｂ）に示すごとくそれぞれθ_１＝１゜、θ_２＝４゜
の斜送角度をもって第１斜送アーム28（第１図）と第２
斜送アーム29と押し圧バネ30との協同により所定の圧力
で搬送ローラ27に圧接されている。

而して、第１斜送ローラ25の斜送角を第２斜送ローラ
26よりも小さく設定することにより、第４図の斜視図及
び第５図（Ａ）・（Ｂ）・（Ｃ）の反転搬送路展開図に
示したように、必要以上の斜送力を記録紙Ｐに与えない
ため、反転ガイド31と記録紙Ｐの先端の摩擦力による搬
送負荷FHと第１斜送ローラ25による斜送力FS1との協同
力による記録紙Ｐと片側搬送基準ガイド33の間に働く反
力FGが大きくなく、記録紙Ｐの搬送基準側の側辺Paが損
傷を受けることなくシート材搬送がなされる。（第５図
（Ａ））。

また、第５図（Ｂ）のように記録紙Ｐが搬送され第２
斜送ローラ26の位置に来た時には第２斜送ローラ26の斜
送角を比較的大きく設定しているためこの第２斜送ロー
ラ26により十分な斜送力FS2が記録紙Ｐに与えられ、第
１斜送ローラ25を中心とするモーメント力Ｍによって記
録紙Ｐの搬送基準側の側辺Paが搬送基準ガイド33にただ
ちに一様に接することになる（第５図（Ｂ）→
（Ｃ））。

記録紙Ｐの側辺Paが搬送基準ガイド33と一様に接した
後（第５図（Ｃ））は、記録紙Ｐは第１斜送ローラ25と
第２斜送ローラ26の斜送力FS1とFS2の協同によってその
一様接触状態が保持されつつ安定的に斜送搬送される事
となる。

尚、Δ・Δ′は反転ガイド31による搬送負荷FH・FH′
によって記録紙Ｐの非基準側が基準側に対して搬送遅れ
を生じるがその値を表すものである。

第１と第２の圧接手段としての第１と第２給送ローラ
25・26の各斜送角は相対関係さえ保てば第１斜送ローラ
25の斜送角θ_１は０゜〜４゜の間、第２斜送ローラ26の
斜送角θ_２は０゜〜10゜の間で設定することが可能であ
る。

圧接手段としての搬送ローラ25・26は２個に限定され
るものではなく、２個以上の場合でも実施可能である。
シート材搬送力を搬送ローラ27ではなく、斜送ローラ25
・26に与えるようにしても実施可能である。

本実施例ではシート材を斜送させる圧接手段として斜
送ローラ25・26を使用したが、第６図に示したようにシ
ート材を片側搬送基準ガイド側へ寄せ移動させるスパイ
ラル上の溝Ｓを形成した搬送ローラ27Aや斜送ローラ25A
・26Aを用いることもできる。

また積載シート材の１枚分離手段として爪分離方式の
ものを用いたが、他のシート材１枚分離方式を採択する
こともできる。

またシート材収容部はカセット式に限るものではな
く、デッキ式であってもよいし、手差し給紙台やトレイ
であってもよいし、またロール巻の長尺シート材をカッ
タ手段の作動で順次に必要長さに切断させ、その切断シ
ート材を送り出す方式としたものであってもよい。

（発明の効果） 以上説明してきた様に本発明によれば、シート材を斜
走させ斜走側のシート材側辺を片側搬送基準ガイドに突
き当てさせて搬送するシート材搬送装置、及び該シート
材搬送装置を備えた画像形成装置に関して、比較的簡便
な構成で、薄紙シート材から厚紙シート材まで安定して
斜走可能にして、片側搬送基準面に給送すべきシート材
の搬送基準側の側辺を押圧しつつ搬送することによって
斜行等無く正確にシート材を搬送する事を可能にし、そ
してシート材反転のために比較的小さな円弧半径を設定
した場合でも、シート材の斜行や、シート材の搬送基準
側の側辺部に損傷を与えることなくシート材を給紙搬送
出来る。

更に、シート材の反転搬送を１つのローラで行う為、
比較的安価に、且つ搬送速度を正確に出す事が可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従うシート材給送装置を用いた画像形
成装置の一例の概略構成図。 第２図はシート材反転搬送部の斜視図。 第３図（Ａ）・（Ｂ）は夫々搬送ローラと斜送ローラ部
分の正面図と平面図。 第４図は搬送ローラと斜送ローラ部分の斜視図。 第５図は（Ａ）・（Ｂ）・（Ｃ）は夫々シート材反転搬
送部おけるシート材の搬送過程を示した搬送路展開図。 第６図は外周面にスパイラル溝を形成した搬送ローラ又
は斜送ローラの斜視図。 第７図（Ａ）・（Ｂ）・（Ｃ）は夫々シートパスがスト
レートタイプ、Ｕ字タイプ、Ｓ字タイプである画像形成
装置の一例の概略構成図。 52はシート材収容部としての給紙カセット、Ｐはシート
材としての記録紙、53は給紙ローラ、27は搬送ローラ、
25・26は第１及び第２の圧接手段としての斜送ローラ、
31は反転ガイド、33は片側搬送基準ガイド。

Claims (16)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート材を斜走させ斜走側のシート材側辺
   を片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送するシート
   材搬送装置において、 シート材の斜走をシート材搬送経路のシート材反転部で
   行なわせ、 かつ該シート材反転部におけるシート材搬送方向の上流
   側での片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧力を、
   下流側での片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧力
   よりも小さく設定した ことを特徴とするシート材搬送装置。
2. 【請求項２】シート材収容部と、 シート材収容部のシート材を１枚宛送り出す給紙手段
   と、 シート材収容部からの送出シート材の片側搬送基準ガイ
   ドと、 シート材収容部からの送出シート材の片側搬送基準側の
   側辺部に接してシート材を反転搬送する搬送ローラと、 該搬送ローラの外周に沿ってシート材搬送方向の上流側
   から下流側に順次に配置され、搬送ローラとの間に送出
   シート材の片側搬送基準側の側辺部を挟み込んで送出シ
   ート材を前記片側搬送基準ガイドに押圧しつつ該ガイド
   に沿わせて搬送ローラとの協働で反転搬送する、少なく
   とも２つの第１と第２の圧接手段と を具備し、上記上流側の第１の圧接手段の片側搬送基準
   に対するシート材押圧力を、下流側の第２の圧接手段の
   片側搬送基準ガイドに対するシート材押圧力よりも小さ
   く設定した。 ことを特徴とするシート材搬送装置。
3. 【請求項３】前記第１と第２の圧接手段がシート材斜送
   ローラであり、第１の圧接手段としてのシート材斜送ロ
   ーラの斜送角を第２の圧接手段としてのシート材斜送ロ
   ーラの斜送角よりも小さく設定したことを特徴とする請
   求項２に記載のシート材搬送装置。
4. 【請求項４】前記第１と第２の圧接手段がシート材を片
   側搬送基準側へ寄せ移動させるべくシート材搬送方向に
   対して前記片側搬送基準ガイド側に傾けて配置したロー
   ラであることを特徴とする請求項２または３に記載のシ
   ート材搬送装置。
5. 【請求項５】前記第１と第２の圧接手段がその外周面に
   シート材を片側搬送基準側へ寄せ移動させるスパイラル
   状の溝を形成したローラであることを特徴とする請求項
   ２または３に記載のシート材搬送装置。
6. 【請求項６】第１と第２の圧接手段がシート材搬送力を
   有することを特徴とする請求項２から５のずれかに記載
   のシート材搬送装置。
7. 【請求項７】シート材を反転搬送する搬送手段と、 前記搬送手段によって反転搬送されるシート材の側端位
   置を規制する片側搬送基準ガイドと、 前記搬送手段によって反転搬送されるシート材に回転し
   ながら接触し、シート材搬送方向に対して前記片側搬送
   基準ガイド側に傾けられて配置された第１斜送ローラ
   と、 前記第１斜送ローラよりもシート材搬送方向下流側に配
   置され、前記搬送手段によって反転搬送されるシート材
   に回転しながら接触し、シート材搬送方向に対して前記
   片側搬送基準ガイド側に前記第１斜送ローラよりも大き
   な角度で傾けられて配置された第２斜走ローラと を有することを特徴とするシート材搬送装置。
8. 【請求項８】前記搬送手段はシート材を反転搬送する回
   転体であり、前記第１と第２の斜送ローラは該回転体の
   外周に沿ってシート材搬送方向の上流側から下流側に順
   次に配置され、回転体との間にシート材の片側搬送基準
   側の側辺部を挟み込んでシート材に接触することを特徴
   とする請求項７に記載のシート材搬送装置。
9. 【請求項９】被記録媒体を斜走させ斜走側の被記録媒体
   側辺を片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送し、該
   被記録媒体に記録処理をする画像形成装置に於て、 被記録媒体の斜走を被記録媒体搬送経路の被記録媒体反
   転部で行なわせ、 かつ該被記録媒体反転部における被記録媒体搬送方法の
   上流側での片側搬送基準ガイドに対する被記録媒体押圧
   力を、下流側での片側搬送基準ガイドに対する被記録媒
   体押圧力よりも小さく設定した ことを特徴とする画像形成装置。
10. 【請求項１０】被記録媒体を斜走させ斜走側の被記録媒
    体側辺を片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送し、
    該被記録媒体に記録処理をする画像形成装置に於て、 被記録媒体の片側搬送基準側の側辺部に接して被記録媒
    体を反転搬送する搬送ローラと、 該搬送ローラの外周に沿って被記録媒体搬送方向の上流
    側から下流側に順次に配置され、搬送ローラとの間に被
    記録媒体の片側搬送基準側の側辺部を挟み込んで被記録
    媒体を片側搬送基準ガイドに押圧しつつ該ガイドに沿わ
    せて搬送ローラとの協働で反転搬送する、少なくとも２
    つの第１と第２の圧接手段と を具備し、上記上流側の第１の圧接手段の片側搬送基準
    に対する被記録媒体押圧力を、下流側の第２の圧接手段
    の片側搬送基準ガイドに対する被記録媒体押圧力よりも
    小さく設定した ことを特徴とする画像形成装置。
11. 【請求項１１】前記第１と第２と圧接手段が被記録媒体
    斜走ローラであり、第１の圧接手段としての被記録媒体
    斜送ローラの斜送角を第２の圧接手段としての被記録媒
    体斜送ローラの斜送角よりも小さく設定したことを特徴
    とする請求項10に記載の画像形成装置。
12. 【請求項１２】前記第１と第２の圧接手段が被記録媒体
    を片側搬送基準側へ寄せ移動させるべく被記録媒体搬送
    方向に対して前記片側搬送基準ガイド側に傾けて配置し
    たローラであることを特徴とする請求項10または11に記
    載の画像形成装置。
13. 【請求項１３】前記第１と第２の圧接手段がその外周面
    に被記録媒体を片側搬送基準側へ寄せ移動させるスパイ
    ラル状の溝を形成したローラであることを特徴とする請
    求項10または11に記載の画像形成装置。
14. 【請求項１４】第１と第２の圧接手段が被記録媒体搬送
    力を有することを特徴とする請求項10から13のいずれか
    に記載の画像形成装置。
15. 【請求項１５】被記録媒体を斜走させ斜走側の被記録媒
    体側辺を片側搬送基準ガイドに突き当てさせて搬送し、
    該被記録媒体に記録処理をする画像形成装置に於て、 被記録媒体を反転搬送する搬送手段と、 前記搬送手段によって反転搬送される被記録媒体の側端
    位置を規制する片側搬送基準ガイドと、 前記搬送手段によって反転搬送される被記録媒体に回転
    しながら接触し、被記録媒体搬送方向に対して前記片側
    搬送基準ガイド側に傾けられて配置された第１斜送ロー
    ラと、 前記第１斜送ローラよりも被記録媒体搬送方向下流側に
    配置され、前記搬送手段によって反転搬送される被記録
    媒体に回転しながら接触し、被記録媒体搬送方向に対し
    て前記片側搬送基準ガイド側に前記第１斜送ローラより
    も大きな角度で傾けられて配置された第２斜送ローラと を有する画像形成装置。
16. 【請求項１６】前記搬送手段は被記録媒体を反転搬送す
    る回転体であり、前記第１と第２の斜送ローラは該回転
    体の外周に沿って被記録媒体搬送方向の上流側から下流
    側に順次配置され、回転体との間に被記録媒体の片側搬
    送基準側の側辺部を狭み込んで被記録媒体の接触するこ
    とを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。