JP2960587B2 - ヘアーリンス剤組成物 - Google Patents

ヘアーリンス剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘアーリンス剤に関
し、更に詳しくは毛髪に対し、艶及びなめらかさを大幅
に改善するとともに、その他の毛髪コンディショニング
効果にも優れたヘアーリンス剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】毛髪の
汚れを除去するために、アニオン界面活性剤を主成分と
するシャンプーで洗髪すると、毛髪の汚れのほか毛髪表
面を保護している油分も同時に除去され、艶のないくし
通りの悪い髪となり、毛髪の損傷、枝毛、切毛が発生し
易くなる。
【0003】そこで、これらの弊害を防ぐ目的で、カチ
オン界面活性剤である第4級アンモニウム塩を有効成分
とするヘアーリンス剤が使用されている。
【0004】これらのヘアーリンス剤は、毛髪にコンデ
ィショニング効果(柔軟性、なめらかさ、艶、くし通り
性)を付与することを目的とするものであるが、第4級
アンモニウム塩のみでは、艶、なめらかさに関して充分
な効果が得られない。従って、従来のヘアーリンス剤に
はこれらの欠点を改善するために、高級アルコール、グ
リセライド、流動パラフィン等の油脂類を配合すること
が提案されている。また近年毛髪の艶、なめらかさの改
良を目的にシリコンガムを用いたヘアケア製品も提案さ
れている。
【0005】しかしながら、これらのヘアケア製品も消
費者が連用する過程で毛髪に付着したシリコンガムが部
分的に脱離し、なめらかさ、くし通り性、艶において満
足のゆくものが得られないというのが実情であった。
【0006】即ち、本発明は洗浄により適度な脱離性を
有すると共に、毛髪の艶、なめらかさを大幅に改善する
ヘアーリンス剤を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のヘアーリンス剤組成物は、次のような構
成をとっている。即ち、一般式(A)
【化3】 〔式中、R1 〜R4 の1〜2個は炭素数12〜24の長
鎖アルキル基を示し、残余は炭素数1〜3のアルキル基
又はベンジル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で
表わされる第4級アンモニウム塩の一種または二種以上
0.3〜5重量%と一般式(B)
【化4】 〔式中、R5 は総てがメチル基またはその一部がフェニ
ル基(ただし、R5 の総数の90%以上はメチル基)、
6 は総てがメチル基またはそのうちの一方が水酸基を
示す。またnは300〜800の整数を示す。〕で表わ
されるシリコーンの一種または二種以上1〜6重量%と
(C)ジグリセリンにプロピレンオキサイドが5〜15
モル付加重合したポリエーテル化合物0.1〜3重量%
とを含有することを特徴とするヘアーリンス剤組成物で
ある。
【0008】本発明における前記一般式(A)で表わさ
れる第4級アンモニウム塩としては、通常のヘアーリン
ス剤等に配合され得るすべてのものが使用される。例え
ば、ジメチルジオクタデシルアンモニウムクロライド、
オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメ
チルオクタデシルアンモニウムクロライド、ジドデシル
ジメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジエチルド
デシルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモ
ニウムブロミド、ドコシルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミドなど
が挙げられる。
【0009】本発明のヘアーリンス剤組成物には、これ
らのカチオン界面活性剤の一種または二種以上の混合物
を総量を基準として、0.3〜5重量%(以下wt%と
略記する)好ましくは0.5〜4wt%配合される。配
合量が0.3wt%未満では、毛髪コンディショニング
効果に良好な結果が得られず、5wt%を超えると毛髪
にべたつきが生じ好ましくない。
【0010】本発明における前記一般式(B)で表わさ
れるシリコーンとしては、例えば、ジメチルポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン、末端水酸基含有
ジメチルポリシロキサン、末端水酸基含有メチルフェニ
ルポリシロキサンなどが挙げられる。式中のR5 は総て
メチル基かまたはその一部がフェニル基であり、メチル
基の割合は、R5 の総数のうち90%以上であることが
必須である。
【0011】本発明のヘアーリンス剤組成物には、これ
らのシリコーンの一種または二種以上の混合物を総量を
基準として1〜6wt%好ましくは、2〜5wt%配合
される。配合量が1wt%未満では、乾燥後のなめらか
さ、艶に良好な結果が得られず、6wt%を超えると毛
髪にべたつきが生じ好ましくない。
【0012】一方、本発明で使用するシリコーンの平均
重合度nは300〜800であり、好ましくは400〜
700である。平均重合度が300に満たないものは効
果がなく、平均重合度が800を超えるものを使用する
と連用した場合なめらかさ、艶が悪いので好ましくな
い。
【0013】本発明の(C)成分であるジグリセリンに
プロピレンオキサイドが5〜15モル付加重合したポリ
エーテル化合物は、公知の物質であって、例えば、ポリ
オキシプロピレン(5)ジグリセリルエーテル、ポリオ
キシプロピレン(10)ジグリセリルエーテル、ポリオ
キシプロピレン(15)ジグリセリルエーテルなどが挙
げられる。プロピレンオキサイドの付加モルが5に満た
ないものは効果がなく、付加モルが15を超えるものを
使用するとなめらかさが悪いので好ましくない。
【0014】本発明のヘアーリンス剤には、これらのポ
リエーテル化合物の一種または二種以上の混合物が総量
を基準として0.1〜3wt%、好ましくは0.2〜
1.5wt%配合される。配合量が0.1wt%未満で
は効果がなく、3wt%を超えると毛髪が重くなり好ま
しくない。
【0015】本発明のヘアーリンス剤組成物は、上述し
た3成分を必須の構成成分とするが、当該組成物には、
本発明の目的を達成する範囲で他の成分を適宜配合する
ことができる。
【0016】即ち、流動パラフィン,ワセリン,スクワ
ラン等の炭化水素、イソプロピルミリステート,イソプ
ロピルパルミテート等のエステル油、ツバキ油,オリー
ブ油,アボガド油等の植物油、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステル,ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
等の非イオン界面活性剤、メチルセルロース,ヒドロキ
シエチルセルロース,カチオン化セルロース等のセルロ
ース誘導体、エチレングリコール,プロピレングリコー
ル,グリセリン等の保湿剤、ポリペプチド,その他殺菌
剤,フケ取り剤,キレート剤,紫外線吸収剤,着色剤,
香料などが挙げられこれらの一種または二種以上を配合
することができる。
【0017】
【実施例】次に実施例を挙げ本発明を説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、本実
施例中で用いた試験方法は、下記のとおりである。
【0018】(毛髪コンディショニング効果)各例にお
ける「髪の柔軟性」,「髪のなめらかさ」,「艶」,
「くし通り性」を20名の専門パネラーにて一週間連用
後、官能的に比較し、下記基準で評価を行なった。 ◎;良いと答えた人が18人以上の場合 ○;良いと答えた人が14〜17人の場合 △;良いと答えた人が8〜13人の場合 ×;良いと答えた人が7人以下の場合
【0019】実施例1〜3、比較例1〜3 表1の上段に示す配合組成のヘアーリンス剤を通常の方
法で調製し、上記試験を行い表1の下段にその結果を示
した。
【0020】実施例4〜6、比較例4〜10 表2に示す配合組成のヘアーリンス剤を通常の方法で調
製し、上記試験を行い表2の下段にその結果を示した。
【0021】実施例1〜6より明らかなように、本発明
のヘアーリンス剤組成物は、いずれも優れた性能を示し
た。一方、必須成分である第4級アンモニウム塩、シリ
コーン、ポリエーテル化合物のどれかを欠いた場合(比
較例1〜3)又は、これらの配合量およびシリコーンの
平均重合度(n)が本発明の範囲外の場合等(比較例4
〜10)はいずれも劣った性能を示し本発明の目的を達
成できなかった。
【0022】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明は毛髪コンデ
ィショニング効果(柔軟性、なめらかさ、艶、くし通り
性)に優れた有用なるヘアーリンス剤組成物を提供する
ことは明らかである。
【表1】
【表2】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(A) 【化1】 〔式中、R1 〜R4 の1〜2個は炭素数12〜24の長
    鎖アルキル基を示し、残余は炭素数1〜3のアルキル基
    又はベンジル基を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で
    表わされる第4級アンモニウム塩の一種または二種以上
    0.3〜5重量%と 一般式(B) 【化2】 〔式中、R5 は総てがメチル基またはその一部がフェニ
    ル基(ただし、R5 の総数の90%以上はメチル基)、
    6 は総てがメチル基またはそのうちの一方が水酸基を
    示す。またnは300〜800の整数を示す。〕で表わ
    されるシリコーンの一種または二種以上1〜6重量%と (C)ジグリセリンにプロピレンオキサイドが5〜15
    モル付加重合したポリエーテル化合物0.1〜3重量%
    とを含有することを特徴とするヘアーリンス剤組成物。
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