JP2958861B2 - 沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペア - Google Patents

沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペア

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JP2958861B2 JP7254513A JP25451395A JP2958861B2 JP 2958861 B2 JP2958861 B2 JP 2958861B2 JP 7254513 A JP7254513 A JP 7254513A JP 25451395 A JP25451395 A JP 25451395A JP 2958861 B2 JP2958861 B2 JP 2958861B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰水型原子炉用
燃料集合体に関するものであり、特に、平均濃縮度が互
いに同じで可燃性毒物の量が互いに異なる同一格子配列
の一組の2ストリーム用の取替燃料集合体を構成する沸
騰水型原子炉用取替燃料集合体ペアに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、沸騰水型原子炉(BWR)では経
済性を高めるために燃料の高燃焼度化が行なわれてお
り、燃料集合体の平均濃縮度は高められる方向にある。
高濃縮度化によるボイド反応速度の増大(ボイド反応度
係数は、通常BWRでは負であるが、その絶対値が大き
くなること。ボイドの増減による反応度の変化が大きく
なり不安定さが増す。)を緩和するために燃料集合体に
大口径の非沸騰領域、所謂ウォーターロッド((以下、
大口径水ロッドと記す)、またはウォーターチャンネル
と呼ばれるものを有する燃料集合体が用いられている。
【0003】しかしながら、あまり大きな口径の非沸騰
領域を配置しようとすると、燃料棒の本数が減ってしま
い、その結果平均線出力が高くなり出力運転中の熱的運
転余裕が小さくなっていしまう。このため、近年におい
ては大口径水ロッドの導入に伴い、燃料形状が従来の8
×8格子から9×9格子もしくは10×10格子の集合
体に移行することで、燃料棒の本数を増やす設計としつ
つある。
【0004】この大口径水ロッドは、燃料集合体の中央
付近に配置することで横断面における燃料棒出力のピー
キングを平坦化する効果がある。図4はこのような9×
9格子配列の燃料集合体内の燃料棒の相対出力ピーキン
グの分布の様子を、出力運転時における沸騰部の平均的
なボイド率に相当する40%ボイド率の際の状態での値
で示したものであり、(a)は中央太枠で示した燃料棒
一本分相当の水ロッドが配置された場合、(b)は中央
太枠で示した3×3の燃料棒9本分相当の大口径水ロッ
ドが配置された場合である。
【0005】出力ピーキングは、(a)の場合において
は外周近傍に配置された燃料棒に比べて水ロッド付近の
集合体中央部に配置された燃料棒では非常に小さくなっ
ているが、大口径水ロッドが配置された(b)の場合で
はこのような差が改善され、即ち平坦化されており、燃
料集合体の中央部(水ロッド周辺に配置された燃料棒)
の出力ピーキングが(a)の場合より大きくなっている
ことがわかる。
【0006】またBWRでは、制御棒や炉心流量による
制御に加え、燃料集合体内の核分裂性物質にガドリニア
などの可燃性毒物を添加することで炉心の反応度を制御
している。ガドリニアによる反応度制御における燃焼特
性は、概略的には燃料集合体内の燃料棒のうちガドリニ
アを含有する燃料棒(以下、ガドリニア棒と記す)の本
数と濃度により特徴付けられる。
【0007】ここで、図5に、互いにガドリニア棒の本
数あるいは含有量の異なる沸騰水型原子炉用取替燃料集
合体の燃焼度(横軸;GWd/t)に対する無限増倍率
(縦軸)の変化を、ガドリニアを含まない燃料集合体
(図中Gdなし)の場合と比較して示した。
【0008】即ち、ガドリニア棒の本数は、図5で示さ
れる燃料集合体中にガドリニアの含有率が5.0wt%
の燃料棒8本が含まれる場合(図中8G5.0)とガド
リニアの含有率が5.0wt%の燃料棒10本が含まれ
る場合(図中10G5.0)との比較からわかるよう
に、燃焼初期の無限増倍率に影響しており、本数が多い
と燃焼初期の無限増倍率を小さくする。
【0009】また、燃料集合体中にガドリニアの含有率
が4.0wt%の燃料棒8本が含まれる場合(図中8G
4.0)とガドリニアの含有率が5.0wt%の燃料棒
8本が含まれる場合(8G5.0)との比較からわかる
ように、ガドリニアの含有率によって、燃焼初期の無限
増倍率は影響されないが、燃焼中期における無限増倍率
のピークを制御することができ、ガドリニアの含有率が
高いほど無限増倍率のピークは小さくなると共に、その
ピーク位置は高燃焼度側に移行する。
【0010】従って、ガドリニア濃度は炉心の運転サイ
クル長さに応じて決定されるべきであり、経済性の観点
からはサイクル末期においてガドリニアによる毒物効果
がちょうど消滅するような含有率とすることが望まし
い。
【0011】ところで、近年のBWRでは、燃料集合体
の平均濃縮度は同じであるが可燃性毒物の添加量の異な
る2種類の取替燃料を用いて炉心を構成すること(以
下、この概念は2ストリームと呼ぶ)が一般的になりつ
つある。通常、ガドリニア棒の本数に差をつけることに
より、互いに可燃性毒物添加量の異なる2ストリーム用
の取替燃料集合体ペアが構成されている。これは、特に
サイクル初期の余剰反応度特性や原子炉停止余裕におい
て設計に柔軟性を与えるのに役立っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き大口径水ロッドにおいても、一般的に燃料集合体を
囲む水ギャップ(集合体外周)および水ロッドから離れ
た位置に配置された燃料棒については他の燃料棒に比べ
て中性子の減速不足によりスペクトルが硬くなり出力ピ
ーキングが依然小さいままである。図4(b)のケース
においても、斜線で示した燃料集合体の外周より第2層
目に配置された燃料棒は、他の燃料棒に比べて出力ピー
キングが依然僅かに小さいままであることがわかる。
【0013】このように、9×9以上の正方格子配列に
燃料棒9本分以上に相当する大口径水ロッドが配置され
た燃料集合体の横断面においては、その水分布の偏在に
より燃料棒配置によって中性子スペクトルにいくらか差
が生じるため、燃料集合体内にガドリニア棒を配置する
際、前述のようなガドリニアの毒物効果の程度はガドリ
ニア棒を燃料集合体内のどの位置に配置するかによって
異なってしまうという問題が生じる。
【0014】先に、ガドリニアによる毒物効果はサイク
ル末期において丁度消滅することが望ましいことを述べ
た。従って、上記の如き2ストリーム用の互いに可燃性
毒物添加量の異なる取替燃料集合体ペアにおいても、経
済性および安全性の観点から、これら両燃料集合体が共
にサイクル末期においてちょうどガドリニアの毒物効果
が消滅することが望まれる。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑み、経済性、安
全性に優れ、且つ取替炉心設計が容易な2ストリーム用
の取替燃料集合体を構成する沸騰水型原子炉用取替燃料
集合体ペアを得ることを主目的とする。また、毒物効果
の消滅が燃焼度的にほぼ同時期となるような可燃性毒物
添加量が互いに異なる2ストリーム用の沸騰水型原子炉
用取替燃料集合体ペアを得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る沸騰水型原子炉用取替
燃料集合体ペアでは、それぞれ9×9以上の正方格子配
列のほぼ中央部に燃料棒の9本分以上に相当する非沸騰
領域を形成する大口径水ロッドと、前記正方格子配列に
従って配列された複数本の燃料棒とを備え、平均濃縮度
が互いに同じで可燃性毒物の量が互いに異なる同一格子
配列の一組の2ストリーム用の取替燃料集合体を構成す
る沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペアであって、可燃
性毒物の量が少ない方の第1の燃料集合体と、可燃性毒
物の量が多い方の第2の燃料集合体とからなり、第2の
燃料集合体では第1の燃料集合体よりも大口径水ロッド
に隣接する可燃性毒物含有燃料棒の本数が多くなる燃料
棒配置とされているものである。
【0017】また、請求項2に記載の発明に係る沸騰水
型原子炉用取替燃料集合体ペアでは、請求項1に記載の
沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペアにおいて、第2の
燃料集合体の可燃性毒物含有燃料棒が、第1の燃料集合
体の可燃性毒物含有燃料棒と同じ配置のベース・ポイズ
ン燃料棒と、大口径水ロッドに隣接して付加的に配置さ
れた付加ポイズン燃料棒とからなるものである。
【0018】また、請求項3に記載の発明に係る沸騰水
型原子炉用取替燃料集合体ペアでは、請求項2に記載の
沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペアにおいて、第1の
燃料集合体の可燃性毒物含有燃料棒と第2の燃料集合体
のベース・ポイズン燃料棒とが主に燃料集合体の外周お
よび大口径水ロッドから離れた位置に配置されているも
のである。
【0019】また、請求項4に記載の発明に係る沸騰水
型原子炉用取替燃料集合体ペアでは、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペ
アにおいて、すべての可燃性毒物含有燃料棒が互いに等
しい濃縮度および可燃性毒物濃度の燃料ペレットで構成
されているものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、9×9以上の正方格子
状に複数本の燃料棒が配列され、そのほぼ中央部の燃料
棒9本分以上に相当する非沸騰領域に大口径水ロッドが
形成された2ストリーム用の第1の燃料集合体と第2の
燃料集合体との沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペアで
あって、両燃料集合体は、互いに平均濃縮度が同じで可
燃性毒物の量が異なっており、第1の燃料集合体を可燃
性毒物の量が少ない方、第2の燃料集合体を可燃性毒物
の量が多い方とし、この第2の燃料集合体では第1の燃
料集合体よりも大口径水ロッドに隣接する可燃性毒物含
有燃料棒の本数が多く配置されているものである。
【0021】前述したように、9×9以上の正方格子状
に複数本の燃料棒が配列された燃料集合体の横断面にお
いては、その水分布の偏在により中性子スペクトルに差
が生じるため、可燃性毒物含有燃料棒をどの位置に配置
するかによって毒物効果の程度が異なってくる。
【0022】ここで、図1に、互いに同じ9×9正方格
子状に燃料棒が配列され、中央部に燃料棒9本分に相当
する大口径水ロッドが形成された2つの燃料集合体につ
いて、それぞれ同じ本数、ここでは8本のガドリニア棒
G(U235 含有率が4.4wt%でガドリニア(Gd2O3)
含有率が5.0wt%)を、大口径水ロッドに隣接して
配置した場合(図1(a))と、大口径水ロッドに隣接
しないで配置した場合(図1(b))とで両者のガドリ
ニアの毒物効果の消滅を検討した結果を図1(c)に示
す。なお、図1(a)(b)においてガドリニア棒以外
の燃料棒は、U235 含有率4.4wt%の燃料棒を、
235 含有率3.2wt%の燃料棒を、U235 含有率
2.2wt%の燃料棒を、とそれぞれ表した。
【0023】これは、燃焼度(横軸:GWd/t)に対
する無限増倍率(縦軸)を示したものであり、図1
(c)中、(a)のガドリニア棒を大口径水ロッドに隣
接して配置した燃料集合体を実線で、(b)のガドリニ
ア棒を大口径水ロッドに隣接しないで配置した燃料集合
体を点線で表した。この結果からわかるように、(a)
のガドリニア棒を大口径水ロッドに隣接して配置した方
が、(b)の大口径水ロッドに隣接しないで配置した場
合よりもガドリニアの毒物効果の消滅が早いことがわか
る。即ち、前者(a)の方が後者(b)よりピークが早
く訪れている。
【0024】本発明は、第2の燃料集合体において第1
の燃料集合体よりも大口径水ロッドに隣接する、即ち、
特に中性子スペクトルが軟らかい位置に可燃性毒物含有
燃料棒の本数を多く配置したものである。従って、第2
の燃料集合体では大口径水ロッドに隣接していない他の
可燃性毒物含有燃料棒より毒物効果の消滅の早い燃料棒
が第1の燃料集合体より多いため、第1の燃料集合体よ
り可燃性毒物の量が多い第2の燃料集合体全体の毒物効
果の消滅を、第1の燃焼集合体とサイクル末期において
同時期に設定することが容易となる。
【0025】このように第1と第2の燃料集合体からな
る沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペアを、互いにサイ
クル末期で毒物効果の消滅を燃焼度的に同時期とするこ
とができれば、経済性、安全性に優れた、取替炉心設計
の容易な沸騰水型原子炉用燃料が得られる。
【0026】このような沸騰水型原子炉用燃料集合体ペ
アとして、例えば第2の燃料集合体の可燃性毒物含有燃
料棒が、第1の燃料集合体の可燃性毒物含有燃料棒と同
じ配置のベース・ポイズン燃料棒と大口径水ロッドに隣
接して付加的に配置された付加ポイズン燃料棒とからな
る構成としたものが挙げられる。これは、第2の燃料集
合体の大口径水ロッドに隣接して配置される付加ポイズ
ン燃料棒以外は第1の燃料集合体と全く同じ燃料棒配置
とすることができるので設計が簡便である。
【0027】特に、第1の燃料集合体の可燃性毒物含有
燃料棒および第2の燃料集合体のベース・ポイズン燃料
棒とを各々燃料集合体の外周および大口径水ロッドから
離れた位置に配置すれば、前述の図4で説明したよう
に、集合体横断面において最もスペクトルが硬くなる位
置に配置されることになるため、他の位置に配置される
場合より毒物効果の消滅は緩慢になる。従って、その
分、燃料棒内の毒物濃度を低減することができるので、
それだけ核分裂性物質を多く充填できる。
【0028】図2(a)に本発明の沸騰水型原子炉用取
替燃料集合体ペアの一例として示した、9×9正方格子
状に燃料棒が配列され、中央部に燃料棒9本分に相当す
る角型の大口径水ロッドが形成された第1と第2の燃料
集合体について、第1の燃焼集合体ではU235 含有率が
4.4wt%で可燃性毒物としてのガドリニア(Gd2O3)
含有率が5.0wt%であるガドリニア棒Gが8本配置
され、第2の燃料集合体では第1の燃料集合体と同組成
のベース・ガドリニア棒Gb8本および付加ガドリニア棒
Gaが2本配置された場合において無限増倍率の燃焼変化
を検討し、その結果を図3に示した。
【0029】第1の燃料集合体のガドリニア棒G8本と
第2の燃料集合体のベース・ガドリニア棒Gb8本は、図
2(a)に示すように、それぞれの集合体の外周から第
2層目の同じ配列位置に配置され、さらに第2の燃料集
合体の付加ガドリニア棒Ga2本がそれぞれ大口径ロッド
に隣接して配置されている。
【0030】ここで、比較例として図2(b)に示した
燃料集合体ペアについても、同様に図3に無限増倍率の
燃焼変化を表した。この比較例では、第1の燃料集合体
に対応する低ガドリニア燃料集合体をガドリニア棒Gお
よびその他の燃料棒の組成、配列共に本発明の第1の燃
料集合体と全く同じ構成とし、第2の燃料集合体にと対
応する高ガドリニア燃料集合体を、付加ガドリニア棒Ga
の配列位置以外は本発明の第2の燃料集合体と同じ構成
とした。この高ガドリニア燃料集合体における付加ガド
リニア棒Gaも集合体外周より第2層目に配置されてい
る。
【0031】なお、ガドリニア棒以外の燃料棒は、図2
(a)(b)の横断面配列において、U235 含有率4.
4wt%の燃料棒を、U235 含有率3.2wt%の燃
料棒を、U235 含有率2.2wt%の燃料棒を、と
それぞれ表した。
【0032】図3中、本発明の第1の燃料集合体および
比較例の低ガドリニア燃料集合体を太実線で、本発明の
第2の燃料集合体を細実線で、比較例の高ガドリニア燃
料集合体を点線でそれぞれ示した。この図から明らかな
ように、比較例の付加ガドリニア棒が水ロッドに隣接し
て配置されなかった高ガドリニア燃料集合体のガドリニ
ア毒物効果の消滅時期は、比較例の低ガドリニア燃料集
合体より遅くなっていたが、これに対して本発明の沸騰
水型原子炉用取替燃料集合体ペアでは、第1の燃料集合
体と第2の燃料集合体とでガドリニアの毒物効果の消滅
時期をほぼ同じにすることができた。
【0033】なお、上記の例では、大口径水ロッドの形
状を角型としたが、毒物効果の消滅の時期はこの大口径
水ロッドの形状にも依存し、丸型の水ロッドよりも角型
の水ロッドの方が、大口径水ロッドに隣接したガドリニ
ア棒による毒物効果の消滅が早くなる。これは、丸型の
水ロッドよりも角型の場合の方が非沸騰領域の占有面積
を大きくできること、また、非沸騰領域と燃料棒とをよ
り近接させられることにより、水ロッドに隣接する燃料
棒においては特に中性子スペクトルが軟らかくなるため
である。従って、水ロッドに隣接して配置された可燃性
毒物含有燃料棒の毒物効果の消滅時期をより早めたい場
合には、水ロッドを角型にするなど、毒物効果の消滅時
期の設定に水ロッドの形状も考慮に入れる。
【0034】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、第1の燃
料集合体より可燃性毒物の量が多い第2の燃料集合体全
体の毒物効果の消滅を、第1の燃焼集合体とサイクル末
期において同時期に設定することが容易となり、このよ
うに第1と第2の燃料集合体からなる沸騰水型原子炉用
取替燃料集合体ペアを、互いにサイクル末期で毒物効果
の消滅を燃焼度的に同時期とすることができれば、経済
性、安全性に優れた、取替炉心設計の容易な沸騰水型原
子炉用燃料が得られるという効果がある。
【0035】また、第1の燃料集合体の可燃性毒物含有
燃料棒および第2の燃料集合体のベース・ポイズン燃料
棒とを各々燃料集合体の外周および大口径水ロッドから
離れた最もスペクトルが硬くなる位置に配置すれことに
よって、他の位置に配置される場合より毒物効果の消滅
が緩慢になる分、燃料棒内の毒物濃度を低減することが
できるので、それだけ核分裂性物質を多く充填できると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガドリニア棒の配置による毒物効果の違いを示
すための説明図であり、(a)は、ガドリニア棒が水ロ
ッド(W/R) に隣接して配置された場合の燃料集合体の燃
料棒配列を示す横断面図、(b)はガドリニア棒が水ロ
ッド(W/R) に隣接しないで配置された場合の燃料集合体
の燃料棒配列を示す横断面図、(c)は(a)(b)で
示した2つの燃料集合体の無限倍増率の燃焼変化を示す
線図であり、横軸:燃焼度(GWd/t)、縦軸:無限
倍増率とした。
【図2】(a)は本発明の一実施形態による沸騰水型原
子炉用燃料集合体ペアの第1および第2の燃焼集合体の
各燃料棒配列を示す横断面図であり、(b)は比較例と
しての沸騰水型原子炉用燃料集合体ペアの低ガドリニア
燃料集合体および高ガドリニア燃料集合体の各燃料棒配
列を示す横断面図である。
【図3】図2で示した本発明の沸騰水型原子炉用燃料集
合体ペアの第1および第2の燃焼集合体と、比較例とし
ての沸騰水型原子炉用燃料集合体ペアの低ガドリニア燃
料集合体とについての無限倍増率の燃焼変化を示す線図
であり、横軸:燃焼度(GWd/t)、縦軸:無限倍増
率とした。
【図4】燃料棒9×9格子状配列の燃料集合体における
相対出力ピーキングを示す分布図であり、(a)は中央
に燃料棒1本分の非沸騰領域相当の水ロッドが形成され
たもの、(b)は中央に燃料棒3×3本分の非沸騰領域
相当の大口径水ロッドが形成されたものである。
【図5】互いにガドリニア棒の本数あるいは含有量の異
なる沸騰水型原子炉用取替燃料集合体の燃焼度(横軸;
GWd/t)に対する無限増倍率(縦軸)の変化を、ガ
ドリニアを含まない燃料集合体(図中Gdなし)の場合と
比較してを示した線図である。
【符号の説明】 :U235 含有率4.4wt%の燃料棒 :U235 含有率3.2wt%の燃料棒 :U235 含有率2.2wt%の燃料棒 G,Gd:U235 含有率4.4wt%,Gd2O3 含有率5.
0wt%のガドリニア棒 Gb:U235 含有率4.4wt%,Gd2O3 含有率5.0w
t%のベース・ガドリニア棒 Ga:U235 含有率4.4wt%,Gd2O3 含有率5.0w
t%の付加ガドリニア棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 3/30 X (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 3/326 GDB G21C 3/328 G21C 3/62 G21C 5/00 G21C 5/18 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ9×9以上の正方格子配列のほ
    ぼ中央部に燃料棒の9本分以上に相当する非沸騰領域を
    形成する大口径水ロッドと、前記正方格子配列に従って
    配列された複数本の燃料棒とを備え、平均濃縮度が互い
    に同じで可燃性毒物の量が互いに異なる同一格子配列の
    一組の2ストリーム用の取替燃料集合体を構成する沸騰
    水型原子炉用取替燃料集合体ペアであって、 可燃性毒物の量が少ない方の第1の燃料集合体と、可燃
    性毒物の量が多い方の第2の燃料集合体とからなり、第
    2の燃料集合体では第1の燃料集合体よりも大口径水ロ
    ッドに隣接する可燃性毒物含有燃料棒の本数が多くなる
    燃料棒配置とされていることを特徴とする沸騰水型原子
    炉用取替燃料集合体ペア。
  2. 【請求項2】 第2の燃料集合体の可燃性毒物含有燃料
    棒が、第1の燃料集合体の可燃性毒物含有燃料棒と同じ
    配置のベース・ポイズン燃料棒と、大口径水ロッドに隣
    接して付加的に配置された付加ポイズン燃料棒とからな
    ることを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉用
    取替燃料集合体ペア。
  3. 【請求項3】 第1の燃料集合体の可燃性毒物含有燃料
    棒と第2の燃料集合体のベース・ポイズン燃料棒とが主
    に燃料集合体の外周および大口径水ロッドから離れた位
    置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の
    沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペア。
  4. 【請求項4】 すべての可燃性毒物含有燃料棒が互いに
    等しい濃縮度および可燃性毒物濃度の燃料ペレットで構
    成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の沸騰水型原子炉用取替燃料集合体ペア。
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