JP2006064678A - 原子炉の燃料集合体配置方法、燃料棒および燃料集合体 - Google Patents

原子炉の燃料集合体配置方法、燃料棒および燃料集合体 Download PDF

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精 植田
Masatoshi Kawashima
正俊 川島
Hironori Kumanomidou
宏徳 熊埜御堂
Takeshi Mihashi
偉司 三橋
Kenichi Yoshioka
研一 吉岡
Koji Hiraiwa
宏司 平岩
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Abstract

【課題】マイナーアクチノイド(MA)を有効にリサイクルすることによって保管・管理負担を軽減しつつMA添加による反応度損失の弊害を抑制しながら有効な核種へ核変換を行うこと、燃料の濃縮度を軸方向に複雑に調整している点を改良すること、及びPu238を効果的に生成させることによって自発的に放出される中性子放出強度を高めPu抽出に伴う原爆材料への転用を不利にすること等にある。
【解決手段】燃料集合体における燃料棒の可燃性毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点又は2サイクル終了時点において中性子吸収から見た毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、MA核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料棒を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、及び炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子炉における高レベル廃棄物であるマイナーアクチノイド(MA)の有効なリサイクル、保管・管理負担の大幅な軽減、有効な核種へ核変換、燃料の濃縮度の調整容易化等を図った原子炉の燃料集合体配置方法、燃料棒および燃料集合体に関する。
従来の原子炉の燃料集合体配置例について、電気出力135万kWの沸騰水型原子炉(BWR)の炉心を例として、1/4横断面図である図27(A)および同図(B)に示した部分拡大図を参照して説明する。BWRの炉心1には、例えば872本の燃料集合体2の下部が図示省略の燃料支持板により、また上部が図示省略の上部格子板により支持されて、垂直かつ規則正しく配置されている。炉心1の外周部を除き、図27(B)に示すように、これらの燃料集合体2の4本に1本の割合で横断面十字型の制御棒3が挿抜されるようになっている。このような構成は、一般に『燃料セル(Fuel Cell: FC)』と呼ばれている。
原子炉運転中には、大部分の燃料セルから制御棒3が引き抜かれているが、一部の燃料セルでは制御棒3が挿抜されている。運転中に制御棒3が引き抜かれるセルは一般に『非制御セル(Uncontrol Cell:UC)』4と呼ばれ、運転中に制御棒3を挿抜するセルは一般に『制御セル(Control Cell:CC)』5と呼ばれている。
通常、燃料セルに占める制御セル(CC)の割合は10〜20%程度である。制御棒3を挿抜すると制御棒3を取囲む燃料集合体2において大きな割合で出力が変動するため、核分裂の割合が低下した燃料集合体2(反応度が低い燃料集合体ともいう。)を制御セル(CC)に配置して、制御棒引き抜きに伴う出力上昇の最大値と最大出力上昇速度とが所定の値を越えないようにして、燃料の健全性が維持されている。
炉心1の全体は円筒形をした金属製の炉心シュラウド6によって取囲まれており、最外周に配置される燃料集合体2cと、炉心シュラウド6との間は、主として減速材兼反射体として作用する水7によって占められている。
なお、図27(A)には、非制御セル(UC)の燃料集合体を2aで示し、制御セル(CC)の燃料集合体を2bで示し、炉心最外周で減速材兼反射体として作用する水7に面する燃料集合体を2cで示している。
次に、図28(A)〜(D)により、BWRで使用されている燃料集合体の概要を説明する。図28(A)は一部を切り欠いた燃料集合体2の斜視図であり、図28(B)は燃料集合体2の縦方向断面図である。図28(C)は燃料棒8を一部断面で示す拡大図であり、図28(D)は水棒9を示す拡大図である。
水棒9は、主として燃料集合体2の内部での沸騰に伴う水の減速機能の不足を補い、出力分布を平坦化させるために導入されたものである。多数の燃料棒8と1本または複数本の水棒9は格子状に形成された多数のスペーサ10を燃料集合体2の軸方向に規則的に配置するとともに、下部を下部タイプレート11、上部を上部タイプレート12によって保持され、規則正しく配列されており、燃料バンドルと呼ばれる。
上部タイプレート12には、ハンドル12aが一体的に構成されている。また、燃料棒8は一般に、金属管8aの下部を下部端栓8b、上部を上部端栓8cによって密封され、内部に燃料ペレット8dが多数積み重ねられ、上部からスプリング8eによって押さえられ、スプリング8eの周りは、ガスプレナム8fとなるように構成されている。
燃料バンドルは、チャンネルボックス13と称される横断面正方形の金属筒の中に挿入されており、チャンネルボックス13を含めた全体が燃料集合体2となっている。
チャンネルボックス13の内側には、減速材の機能と冷却材の機能を果たす水(以下、「冷却水」という)14が、下部タイプレート11と一体的に構成されたノズル11aから非沸騰状態で流入し、燃料バンドルの上部に向かって流れるに連れて、燃料棒8から熱を受取って沸騰を起こしながら、ハンドル12a付近の空間を通って気泡(ボイド)とともに流出して行く。
燃料集合体2から出て行く上端出口におけるボイドの割合は、通常70ないし80%となっている。気泡である蒸気は図示しないタービンへ導かれ、タービンに連結された発電機を回転させ、これにより発電が行われる。
このようなBWRにおける炉心の燃料配置について、図29(A)〜(D)を参照して説明する。この図29(A)〜(D)は、現在実用化されている最新型の燃料集合体(「ステップ3A型」と呼ばれている。)を示したもので、同図(A)は同図(B)、(C)のA−A縦断面図、同図(B)は同図(A)のB−B横断面図、(C)は同図(A)のC−C横断面図である。なお、同図(B)と同図(C)とをまとめて、同図(D)の形式で図示している。
図29(D)において、Pは、以下で説明する短尺燃料棒22を示し、Pを付していない通常の燃料棒は、通常燃料棒あるいは長尺燃料棒21を示している。燃料集合体2の最外周は、上述したように、チャンネルボックス13で形成されており、内部にはWで示した水棒(ウオータロッド)9、Pで示した短尺燃料棒22、および通常の長さの燃料棒(長尺燃料棒)21が規則正しく配置されている。図29(A)に示すように、長尺燃料棒21の下端部は下部ブランケット21a、上端部は上部ブランケット21bとなっており、その上部には図示しないガスプレナムが配置されている。
短尺燃料棒22の下部には、ブランケット21bの代わりに下部ガスプレナム22aが配置され、上端部には上部ガスプレナム22bが配置され、その上部(下流側)の2点鎖線で示す部分は燃料棒が無くなっているという意味で通常『バニッシングロッド(Vanishing Rod)』と呼ばれている(図29(A)に符号「22v」で示している)。軸方向の高さを後に説明することを踏まえ、図29(A)では下部ブランケット21a部をX1とし、X1を除く短尺燃料棒有効部の上端までをX2とし、短尺燃料棒有効部の上端から長尺燃料棒21のブランケッ21aの下端までをY1とし、上部ブランケット21b部をY2とする。
燃料集合体2の外周では非沸騰水が、内部では沸騰水が下部から上部に向かって流れている。この水は基本的には沸騰させないように設計され、主として中性子を減速させる作用をするので減速材と呼ばれている。燃料集合体2の内部の水は、中性子を減速させる機能と燃料棒を冷却する機能を有しているが、多くの場合、単に冷却水と呼ばれ、非沸騰状態で燃料集合体の下部から入って来て上部(下流側)へ流れるに連れて燃料棒に加熱されて沸騰し、蒸気割合が70〜80%になって燃料集合体から出ていく。
蒸気(ボイド)割合が高くなることは、中性子を減速する水素原子の密度が低下することであり、中性子の減速が悪くなるため、熱中性子の密度が低下し、主として熱中性子で核分裂を起こさせる熱中性子炉では出力が低下することになる。即ち、燃料集合体の軸方向出力分布は歪み、上部側(下流側)は下部側(上流側)に比べて相対的に出力が低下することになる。このことは、燃料の健全性確保の点から、原子炉全体の出力が原子炉全体のうちの最大値で制限されるため、原子炉の最大出力が低下してしまうことになるという重大な欠点を招くことになる。
燃料に対する冷却水の割合が低下するのを抑制する方法として、ボイド割合が高い燃料集合体の上部において燃料の量を減らすために、上記の短尺燃料棒P(以下P燃料棒とも呼ぶ)が本発明者の一人によって世界で最初に提案され[特許文献1]、現在実用化されている。
ただし、P燃料棒が過剰に多いと燃料集合体2の上部での発熱体の量が減少するため、燃料集合体2の横断面の単位長さ当たりの発熱率(出力)が低下する弊害が生じるので、P燃料棒の本数は最小限とし、かつ設計条件によって決まる最適の場所に配置される。
燃料集合体の上部での発熱率(出力)が低下する弊害を防止する方法として、核分裂性核種であるウラン235(U235)の濃縮度やプルトニウム239(Pu239)の濃度(富化度)を下部より高める方法が採用されている。ウラン235の濃縮度でみると、燃料集合体2の横断面平均値で、上部は下部より0.2ないし0.4%程度高められている。実際には、上端と下端部に天然ウラン領域があり、それ以外の軸方向出力分布をより滑らかにかつ一定とするために、濃縮度を例えば2〜3領域程度に分けて変化させている。これによって、1本の燃料棒でも、軸方向に燃料の濃縮度を変えなければならないという複雑さ(弊害)が生じている。
ところで、上記のステップ3A型の燃料集合体では、天然ウランに含まれているU235を4重量%(以下、単に%と表示する)程度まで濃縮した濃縮ウランの二酸化物が用いられている。このような場合、燃料集合体下部の濃縮度を4%とすると、上部では例えば濃縮度4.2%〜4.4%の燃料を用いることになる。燃料有効部の上端部と下端部は軸方向の不可避的な中性子漏洩現象のため、濃縮度を高めても効果はない。逆に、低めても殆ど不利な問題は発生しない。
そこで、これらの部分には天然ウランが配置され、上部ブランケットおよび下部ブランケットと呼ばれている。軸方向のそれぞれの長さは上部で15〜30cm程度、下部で15cm程度であることが多い。本発明では特記しない限り、これらのブランケットを含めて燃料有効部と呼ぶことにする。
いま、濃縮度4%のウラン燃料を用いて、燃焼度45GWd/tまで燃焼させた後、原子炉から使用済み燃料として取り出し、3年冷却した後に再処理を行う場合を考えると、半減期の長い超ウラン元素の同位体Np237(半減期214万年)、Am241(433年)、Am243(7370年)、Cm244(18年)がそれぞれ、0.061%、0.023%、0.015%、および0.004%生成されることが[特許文献2]に示されている。
これらの核種の生成量は少ないものの、半減期が長い高レベルの廃棄物であるという保管・管理上重大な問題を含んでおり、特にマイナーアクチノイド(MA)核種の代表格として知られている。生成量が少ないことは、原子炉に再装荷する場合や、炉心全体に装荷する場合には薄い濃度で、部分的に装荷する場合には、炉心特性改良への応用あるいは反応度損失を避ける方策に可能性があることを示唆していると推測することができる。
図12および図13は、これらの生成過程を説明した『ヘビーアイソトープチェイン』(重核種生成消滅過程)と呼ばれている図である。太い矢印を付した線は、生成しやすい過程であり、太枠で示したものは本発明で論じる主要な生成物の原子番号である。ウラン燃料ではU235から2回の中性子吸収によってU237となるものと、U238から(n,2n)反応によってU237となるものの2種類のプロセスがある。軽水炉では前者の方が大きい。
U237は半減期6.75日でベータ崩壊して、Np237となる。使用済燃料に含まれるNp237は半減期が上述のように著しく長いため、何等かの方法で処分することが重要である。Np237に中性子を吸収させると、Np238となり、半減期わずか2.1日でベータ崩壊してPu238となる。
Pu238は、α崩壊および自発核分裂(SPF)により半減期88年で崩壊する。この際に多くの中性子を放出するとともに、発熱を伴うことが知られている。多くの中性子を放出することは、原爆材料として著しく不利であることも知られるようになって来た。また、Pu238は中性子を吸収するとPu239となり、原子燃料の材料となる。プルトニウム(Pu)混合燃料(混合酸化物燃料MOXなど)でNp237が生成する過程についてはウラン燃料の場合と著しい差異は無いが、通常U235の含有率が少ないため、U235から生成するNp237の割合はかなり低下する。通常ウラン燃料の場合の半分ないし半分以下である。
Pu238の生成量について考えると、ウラン燃料ではPu混合燃料に比べてCm242の生成量が少ないため、Cm242のα崩壊によって生成する量が少ない。プルトニウム混合燃料で重要な生成物であるCm242は、Pu241が半減期14.4年でベータ崩壊してAm241となり、これが中性子を吸収して主にAm242g(基底状態)となり、これが半減期16時間でベータ崩壊して生成する。
Cm242は半減期が比較的短かく、163日で主にアルファ崩壊してPu238となる。また、Am243はPu242が中性子を吸収してPu243となり、半減期5時間でベータ崩壊して生成する。そして、中性子を捕獲することによりAm244となり、半減期10時間でベータ崩壊してCm244となる。
Cm244は、α崩壊および自発核分裂(SPF)により半減期18年で崩壊すが、中性子を捕獲してCm245と成るものもある。Cm245は熱中性子を吸収しても容易に核分裂を起こすので原子燃料と考えて良い。
なお、図13では、中性子との反応の断面積(バーン)も合わせて示した。記号は慣用されているものであり、σは熱中性子(2200m/s)に対する値、Iは共鳴積分の値であり、サフィックスのγは(n,γ)反応、fは核分裂反応である。図14は代表的なマイナーアクチノイド(MA)であるNp237の断面積を示している。
特開平5−232276号公報 特開昭63−241381号公報
上述した従来の技術では、マイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244が必ずしも有効にリサイクルされておらず、非常に長期間にわったって保管・管理負担の大きい高レベルの廃棄物となっている。
また、従来の技術では、マイナーアクチノイド添加による反応度損失の弊害を抑制しながら有効な核種へ核変換を行うことが行われていない。
さらに、従来の技術では、BWRにおいて気泡発生にともなって軸方向出力分布が冷却水の上流側(下側)へ向かって歪む傾向を防ぐために、燃料の濃縮度を軸方向に複雑に調整しなければならない状況にある。
さらにまた、従来の技術では、核分裂性核種であるウラン235(U235)の濃縮度やプルトニウム239(Pu239)の濃度(富化度)を下部より高める方法が採用されている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、非常に長期間にわったって保管・管理負担の大きい高レベル廃棄物であるマイナーアクチノイド(MA)を有効にリサイクルすることによって保管・管理負担を大幅に軽減しつつ、マイナーアクチノイド添加による反応度損失の弊害を抑制しながら有効な核種へ核変換を行うこと、上述のようにBWRにおいて気泡発生にともなって軸方向出力分布が冷却水の上流側(下側)へ向かって歪む傾向を防ぐために行われている『燃料の濃縮度を軸方向に複雑に調整』しなければならない点を、大幅に改良すること、およびPu238を効果的に生成させることによって、自発的に放出される中性子の放出強度を高め、Pu抽出に伴う原爆材料への転用を不利にすること等にある。
前記の目的を達成するために、本発明では、可燃性毒物が添加された複数の燃料棒と、前記可燃性毒物が添加されない複数の燃料棒と、水棒とを規則的に配列した燃料集合体を、下方から上方に向かって冷却水が流れるように構成された原子炉の炉心に配置する原子炉の炉心配置方法であって、前記燃料集合体における前記可燃性毒物が添加された燃料棒の毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、マイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料棒を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することを特徴とする原子炉の燃料集合体配置方法を提供する。ここで、Np237を添加した燃料棒を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することは、主に運転初期に配置した燃料棒を移動配置することを意味するが、新たに配置することも可能である。
また、本発明では、可燃性毒物が添加された複数の燃料棒と、前記可燃性毒物が添加されない複数の燃料棒と、水棒とを規則的に配列した燃料バンドルを方形の金属角筒に収納し、前記金属角筒の内部を下方から上方に向かって冷却水が流れるようにした燃料集合体を、沸騰水型原子炉の炉心に配置する原子炉の炉心配置方法であって、前記燃料集合体における前記可燃性毒物が添加された燃料棒の毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た前記可燃性毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、マイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料棒を収納した燃料集合体を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体配置方法を提供する。
なお、本発明において、燃料集合体を構成する複数の燃料棒においては、可燃性毒物としてガドリニウム(Gd)が添加されて典型的なマイナーアクチノイド核種が添加されていない燃料ペレットと、ガドリニウム(Gd)が添加されていなくて典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)が添加されている燃料ペレットとを用いて構成することが望ましい。これにより、核変換の遅れを避けることが可能となる。ここで、Gdを添加しているとMAの核変換が遅れるので、ペレットは別々に作成することが望ましい。これにより、核変換の遅れを避けることができる。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、燃料集合体のコーナ部ないし水棒に隣接する少なくとも一部の燃料棒には典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加した燃料棒を配置することが望ましい。これにより、核変換を速めることができ、かつ水平方向出力分布平坦化に有用なものとすることができる。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側から3分の2ないし4分の3の位置で原子炉停止時に無限増倍率が最も高くなり未臨界度が浅くなる領域の、5cmないし45cm長の部分に、天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウラン、濃縮ウラン、プルトニウム(Pu)とウラン(U)を混合した混合酸化物燃料(MOX)、あるいはアルミナ、ジルコニアなどの非核燃料物質のいずれか1ないしこれらの混合物で構成された領域に、マイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加することが望ましい。すなわり、停止ゾーンにマイナーアクチノイド核種(MA)を配置することで、炉停止領域での効果が大幅に向上できる。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側およびまたは下流側の天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウランのいずれか1ないしこれらの混合物で構成されたブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加することが望ましい。すなわち、上部ブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)を配置することにより、反応度損失を防止することができる。また、高い濃度でマイナーアクチノイド核種(MA)を添加することができ、さらに燃料濃縮部に近ければ、核反応速度も高められる。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側から中央部ないし4分の3までの間に、マイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加することが望ましい。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、多数の長尺燃料棒と複数本の短尺燃料棒とから成り、短尺燃料棒の燃料有効部の上端は長尺燃料棒の燃料有効部上端より下部(冷却水の上流側)であって長尺燃料棒の燃料有効長の内、下端から3分の2ないし4分の3となるように構成され、該短尺燃料棒の少なくとも一部の短尺燃料棒には前記典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加することが望ましい。これは、軸方向出力分布矯正対策として有効である。すなわち、燃料本数が少なくて済み、製造が容易となる。なお、同量のMAを多くの燃料棒に薄く分散させる場合に比べて若干燃焼は遅れるが、反応度損失は抑制される。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、多数の長尺燃料棒と複数本の短尺燃料棒とから成り、短尺燃料棒の燃料有効部の上端は長尺燃料棒の燃料有効部上端より下部(冷却水の上流側)であって、長尺燃料棒の燃料有効長の内、下端から3分の2ないし4分の3の未臨界度が浅くなる領域に典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加するとともに、短尺燃料棒の少なくとも一部の短尺燃料棒には典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加することが望ましい。
また、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側およびまたは下流側の天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウランのいずれか1ないしこれらの混合物で構成されたブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加することが望ましい。
さらにまた、本発明の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側およびまたは下流側の天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウランのいずれか1ないしこれらの混合物で構成されたブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加することが望ましい。
本発明によれば、マイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244等を添加した燃料棒を使用することにより、非常に長期間にわったって保管・管理負担の大きい高レベル廃棄物であるマイナーアクチノイド(MA)を有効にリサイクルすることができ、保管・管理負担を大幅に軽減しつつ、マイナーアクチノイド添加による反応度損失の弊害を抑制しながら有効な核種へ核変換を行うことができる。
また、可燃性毒物が添加された燃料棒の毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、マイナーアクチノイド核種を添加した燃料棒を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することにより、BWRにおいて気泡発生にともなって軸方向出力分布が冷却水の上流側(下側)へ向かって歪む傾向を防ぐために行われている、燃料の濃縮度を軸方向に複雑に調整しなければならない点を、大幅に改良することができる。さらに、Pu238を効果的に生成させることによって、自発的に放出される中性子の放出強度を高め、Pu抽出に伴う原爆材料への転用を不利にすることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
先ず、本発明を定量的に理解するため、図15および16に示すようにステップ3A型のUウラン燃料(以下U燃料とも呼ぶ)およびMOX燃料を使用する2種類の燃料集合体(U燃料集合体:図15、MOX燃料集合体:図16)について燃焼計算を行った結果を説明する。
なお、説明の複雑さを軽減するため、燃料集合体の横断面方向の燃料濃縮度あるいはPuの富化度分布は一様とした。また、Pで示した燃料棒は短尺燃料棒(P燃料棒)であり、Gで示した燃料棒は可燃性毒物の例としてガドリニア(Gd2O3)を添加したガドリ燃料棒(以下G燃料棒と呼ぶ)である。P燃料棒の上部は前述のごとくバニッシング燃料棒即ちボイドを含む水領域となっている。
U燃料集合体では、8本のG燃料棒が、MOX燃料集合体ではGdの反応度抑制効果が減少するため18本配置されている。以下の諸検討では、G燃料にはマイナーアクチノイドMAは添加しないものとした。(この理由はG燃料棒の中では核反応の進行が遅れるからであるが、添加不可というわけではない。)Gd添加濃度は、MOX燃料集合体では1サイクル、即ち原子炉の連続出力運転期間(定期検査で原子炉を停止する期間を含めて1年程度とし、燃焼度は第1ないし第2サイクルでは1サイクル当たり10〜12GWd/tとした)で、U燃料集合体では1サイクルまたは2サイクルでG燃料棒の反応度に対する毒物効果(以下単にGdの毒物効果と呼ぶ)がほぼ消滅する(そこで[k∞]が最大となる)ように設定した。具体的には、U燃料集合体で4%または10%、MOX燃料集合体で1.5%とした。U燃料集合体およびMOX燃料集合体の取り出し燃焼度を同じ程度とするために、基準の燃料集合体では、U燃料集合体の場合U235の濃縮度を4.2%、MOX燃料集合体の場合、富化度を核分裂するPu239とPu241の和(以下「Puf」または「Pf」と記す)で4.0%とした。
本実施形態では、上述したように、非常に長期間にわたって保管・管理負担の大きい高レベル廃棄物であるマイナーアクチノイド(MA)を有効にリサイクルすることによって保管・管理負担を大幅に軽減しつつ、MA添加による反応度損失の弊害を抑制しながら有用な核種への核変換を進める。また、BWR燃料集合体におけるボイド分布に起因する軸方向出力分布の歪みを濃縮度あるいは富化度分布によって平坦化する代わりに、これらは一定にしてマイナーアクチノイド(MA)を用いることによって平坦化する。さらに、Pu238を効果的に生成させることによって、自発的に放出される中性子の放出強度を高め、Pu抽出に伴う原爆材料への転換を不利にすることである。この目的達成のために、MAを有効に用い、MAを添加した燃料を適切に配置する等、下記の手段を採用する。この場合、ボイドの軸方向分布は軸方向に連続的に変化するので、軸方向にマイナーアクチノイド濃度あるいは平均的な添加濃度を変化させて対応するのが現実的であるが、説明を簡単にするため、ここでは上方(下流側)のボイド率を60%、下方(上流側)のボイド率を30%として解析した。
図17は、ガドリニアを4.0%添加した(以下単にGd4.0%添加と記載)G燃料棒8本を使用したU燃料集合体で上部(下流、従ってボイド率は60%、P燃料棒はバニッシングロッドになっている)を濃縮度4.2%とした場合の無限増倍率k−inf[k∞]の燃焼度による変化(AU0)に対して、下部(上流、従ってボイド率は30%、P燃料棒は他の燃料棒と同じ)の濃縮度を変えた場合[即ち、図の中に記載したように、AL0−1:3.8%,AL0−2:4.0%,AL0−3:4.2%]のk∞がいかに変化するかを対比して示したものである。同図(B)では見易くするため、k∞の差分[上の値引く下の値]の100倍値で示した(%で記載)。差分がゼロに近いほど燃料集合体の軸方向出力分布が平坦になることはBWR燃料集合体の設計者には知られている事実である。この例では、燃料集合体の上下に0.4ないし0.5%の濃縮度差を付けなければ第1サイクル(燃焼度約12GWd/t以下)において出力分布を平坦化することはできないことを示している。そして第2サイクルでは0.2%の濃縮度差、第3サイクル以降では濃縮度差は付けるべきではないことを示している。
図18は、U燃料集合体を用いる場合で、第2サイクル終了時にGdの毒物効果がほぼ消滅するようにGd10%添加とした場合を前図の場合と同様に示している。第2サイクル終了(燃焼度20GWd/t付近)までは濃縮度に0.6%程度の差異を付ける必要があることが読み取れる。それ以降の差異は0ないし0.2%と読み取ることができる。
図19は、MOX燃料集合体を用いる場合であって、U燃料集合体における図17に相当する。Gd1.5%添加のG燃料棒を18本使用したMOX燃料集合体で上部(下流、従ってボイド率は60%、P燃料棒はバニッシングロッドになっている)を、Pufの富化度を4.0%とした場合の無限増倍率k−inf[k∞]の燃焼度による変化(AU2)に対して、下部(上流、従ってボイド率は30%、P燃料棒は他の燃料棒と同じ)の濃縮度を変えた場合[即ち、図の中に記載したように、AL2−1:2.0%,AL2−2:2.75%,AL2−3:3.5%,AL2−4:4.0%]のk∞がいかに変化するかを対比して示したものである。
なお、図19(A)では、曲線の混乱を防ぐため一部省略しているが、同図(B)では見易くするため、k∞の差分[上の値引く下の値]の100倍値で示した。図19(B)を図17(B)と比べると、燃焼度が低い範囲で特徴的な差異が見られるが、これは主にMOX燃料集合体ではPufの値が大幅に低い場合も検討しているためと考えられる。第1サイクルでは下部の富化度を1%程度下げる必要があること、第2サイクル以降では0ないし0.5%下げるのが適当であることが読み取れる。
図20は、図15に示すU燃料集合体において、Gd4%添加のG燃料棒8本を使用した場合に軸方向に一様にウラン235の濃縮度を4.2%とし、ボイドによって出力分布が下方(上流側)へ歪む現象をネプツニウム237(Np237)を添加することによって出力分布を平坦化することを検討したものである。同図(B)より、Np237を0.25%程度添加すると第1サイクルにおいて軸方向出力分布が比較的平坦になること、第2サイクル以降は0ないし0.25%の範囲が好適であることが読み取れる。換言すると、0.25%添加すると、第2サイクルでは反応度損失を生じることになるため、第2サイクル以降は反応度損失の影響が少ない位置へ装荷位置を変更することが望ましいことが分かる。
図21は、図15に示すU燃料集合体において、Gd10%添加とした場合に軸方向に一様にウラン235の濃縮度を4.2%とし、ボイドによって出力分布が下方(上流側)へ歪む現象をネプツニウム237(Np237)を長尺燃料棒66本の下部に添加した計算結果である。これにより、出力分布を平坦化することができることがわかる。同図(B)より、Np237の添加量を0.4%程度にすると、第1サイクルにおいて軸方向出力分布が比較的平坦になること、第2サイクルでは0.25%程度、第3サイクル以降以降は0ないし0.25%の範囲が好適であることが読み取れる。換言すると、0.4%添加すると、第2サイクル以降では反応度損失を生じることになるため、第2サイクル以降は反応度損失の影響が少ない位置へ装荷位置を変更することが望ましいことが分かる。
図22は、図16に示したMOX燃料集合体において、軸方向に一様にPufの富化度を4.0%とし、ボイドによって出力分布が下方(上流側)へ歪む現象をネプツニウム237(Np237)を添加して平坦化することをねらった計算結果を示している。これにより、出力分布を平坦化することができる。同図(B)より、Np237の添加量を0.5%程度にすると、第1サイクルにおいて軸方向出力分布が比較的平坦になること、第2サイクル以降では0.5%以下が好適であることが読み取れる。換言すると、0.5%程度添加すると、第2サイクル以降では反応度損失を生じることになるため、第2サイクル以降は反応度損失の影響が少ない位置へ装荷位置を変更することが望ましいことが分かる。
図23は、図15に示すU燃料集合体において、Gd10%添加とした場合に、軸方向に一様にウラン235の濃縮度を4.2%とし、ボイドによって出力分布が下方(上流側)へ歪む現象を、P燃料棒8本[図21の場合の66本の12%]に集中的にネプツニウム237(Np237)を添加することによって出力分布を平坦化することを狙った計算結果である。同図(B)を内挿的に評価することにより、Np237の添加量を4%程度にすると、第1サイクルにおいて軸方向出力分布が比較的平坦になること(図21参照:0.4/0.12=3.3で4%と大略等しい)、第2サイクルでは2%程度、第3サイクル以降は0ないし2%の範囲が好適であることが読み取れる。換言すると、4%程度添加すると、第2サイクル以降では反応度損失を生じることになるため、第2サイクル以降は反応度損失の影響が少ない位置へ装荷位置を変更することが望ましいことが分かる。
図24は、図16に示すMOX燃料集合体において、軸方向に一様にPufの富化度を4.0%とし、ボイドによって出力分布が下方(上流側)へ歪む現象をP燃料棒8本[図22の場合の56本の14%]に集中的にネプツニウム237(Np237)を添加することによって出力分布を平坦化することを狙った計算結果である。同図(B)より、Np237の添加量を3%程度にすると、第1サイクルにおいて軸方向出力分布が比較的平坦になること(図22参照:0.5/0.14=3.6で大略3%と等しい)、第2サイクル以降では2%以下が好適であることが読み取れる。換言すると、3%程度添加すると、第2サイクル以降では反応度損失を生じることになるため、第2サイクル以降は反応度損失の影響が少ない位置へ、装荷位置を変更することが望ましいことが分かる。
図25は、図15に示すU燃料集合体の下流部(したがってPで示した燃料棒はバニッシングロッド、即ち水となっている)において、天然ウランにGdを10%添加し、ボイド率を60%とした場合のNp237添加濃度依存の燃焼特性(無限増倍率kinfの燃焼による変化特性)を示したものである。Np237添加濃度は、0、10、および20%で計算した。5%の曲線は内挿により推定したものである。この計算は原子炉停止時に未臨界度が浅くなる位置(炉停止領域(以下、「SDZ」という。))に天然ウランを配置して、停止余裕を大きくする場合、天然ウランの中にPu239が生成して無現増倍率が増加することによって停止余裕が減少する特性を、Np237を添加することによってその減少特性を抑制させることをねらったものである。燃料集合体の構成方法の例については、下記の具体的な実施形態において説明する。
4%程度濃縮した場合の燃焼度が例えば40GWd/t(取り出し燃焼度程度)の場合、天然ウランの場合には濃縮度が大幅に低いため10GWd/t程度しか進まないが、Np237を添加しない場合には無現増倍率は0.9を越えるのに対して、5%添加でも無現増倍率は0.7程度にしか増大しない。したがって、Np237添加によって停止余裕の燃焼による低下が大幅に抑制出来ることが分かる。中性子照射が進んでもNp237は残存し反応度損失の原因になるため、第2サイクル以降は反応度損失の影響が少ない位置へ装荷位置を変更することが望ましいことが分かる。
図26は、図15に示すU燃料集合体の下流部(したがってPで示した燃料棒はバニッシングロッド、即ち水となっている)において、天然ウランにNp237を添加した場合の濃度依存の燃焼特性(無限増倍率kinfの燃焼による変化特性)を示したものである。Np237添加濃度は、0、20、および50%で計算した。Gdは添加していない。ボイド率は60%として計算した。この計算は炉心の上部ブランケットに天然ウランを用いた場合にNp237を添加すると、燃焼特性がいかに変化するかを調べたものである。Np237を添加しない場合には、無限増倍率は0.8〜0.9程度であるが、燃焼度10GWd/t付近(燃料集合体の取り出し燃焼度程度)まででは、0.5程度以下と小さい。しかし、ブランケット部は炉心の反応度への寄与は著しく小さいため、炉心への悪影響は無視することができる。この計算例では、上部ブランケットを想定しているが、下部ブランケットの場合でも大差はない。即ち、ブランケット部ではNp237などのMAは物性的な問題が無い限り、任意の濃度でMAを添加することができる。
以上の定量的な検討結果を基に、以下具体的な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1(A)〜(C)は、本発明の第1の実施形態を示すものであり、図1(A)は、燃料集合体の縦断面図(同図(B)および(C)のA−A縦断面に相当する図)である。図1(B)は同図(A)のB−B横断面図であり、同図(C)は同図(A)のC−C横断面図である。図2(A)〜(C)は、本実施形態の燃料棒を示す説明図である。
なお、本実施形態および以下の各実施形態において、説明を簡明にするため、従来と共通な部材等については、図29に示したものと同一の符号を使用する。また、従来と同一部分については説明を省略し、主として本発明による新たな構成および工程について説明する。
図1(A)において、Gはガドリニウム(Gd)を添加した燃料棒(G燃料棒)であって、ウラン燃料に下部ブランケット部(X1)および上部ブランケット部(Y2)を除き、軸方向の大部分または全長に添加されている。ブランケット部(X1)には、天然ウラン、再処理回収ウラン、減損ウラン、またはこれらの混合物が充填されている。
マイナーアクチノイド(MA)、特にNp237を含むMAは、G燃料棒を除き、図1(A)の下端部から所定高さ位置までの範囲(X2部)に添加されている。ウランの初期濃縮度が例えば前述の計算例(図20、Gd4%添加)のように、上下ブランケット部を除く全長(X2+Y1)において、濃縮度一様で、ボイド分布による出力分布の下方への歪みを抑制するに当たっては、X2部分にNp237添加の場合には0.25%程度添加することによって軸方向の出力分布を大幅に緩和することができる。
Np237の他にAm241やAm243などのアクチノイドを合わせて添加した場合には、吸収断面積が大きくなるので添加濃度が下がり0.15%程度添加することによって軸方向の出力分布を大幅に緩和することができる。Cm244をさらに含む場合には生成するCm245が核分裂を起こしやすいので、0.15%より多く添加することができる。
この場合、燃料棒ごとに見ると、図2(A)に示すように、MAを添加した燃料ペレット31は軸方向に一様に積載されているが、出力分布をより平坦化するためには、図2(B)や(C)に示すように、MAを添加したペレット(図中、斜線を付して示す)31と添加していないペレット32とを交互に積載したり、両者の比率を変えて積載したり、あるいはMA添加濃度を変えたりして対応する方法を適用することができる。
ペレットの種類を容易に判別する方法としては、例えばペレットの形状を外見的に判断できるように変えることが便利である。
また、例えば図21に計算例として示すウラン燃料集合体の場合のように、Gd10%添加のG燃料棒を8本使用し、上下ブランケット部を除く全長(X2+Y1)において、初期濃縮度が軸方向に一様でボイド分布の軸方向変化に基づく出力分布の下方への歪みを抑制するに当たっては、次のような配置とする。すなわち、図1(A)におけるX2の部分に0.4%程度のNp237を添加するか、Np237の他にAm241やAm243を含むアクチノイド(この場合吸収断面積が大きくなる)を0.2ないし0.3%添加する。これにより、燃料集合体2を図27において示した非制御セル(NC)5の位置2aに配置した場合、第1サイクル(燃焼度0〜約10GWd/t)において、軸方向出力分布を大幅に緩和(平坦化)することができる。
しかしながら、それ以降の燃焼(第2サイクル以降)に際しては、そのままの位置では反応度損失を生じるので、第2サイクル開始の前に、図27で示す制御セルCC5の燃料集合体2b、あるいは炉心外周部の燃料集合体2cの位置へ移動する。燃料集合体2bの位置は、意図的に反応度が低下した燃料集合体を配置する場所であり、燃料集合体2cの位置は従来例で示した[特許文献2]から理解できるように、燃料集合体2の反応度が低くても、原子炉の反応度が低下しない場所である。燃料集合体2bや燃料集合体2cの位置では、出力が他の部分より低下しているため熱的な制限問題はほとんど無く、軸方向出力分布平坦化の必要性は大幅に低下しており、反応度損失対策に利用することできる。第1サイクルの間は炉心内部の出力が高い位置で照射されるため、[特許文献2]と異なり、MAの核変換速度は速い。
以上のように、本実施形態によれば、可燃性毒物のガドリニウム(Gd)が添加された複数の燃料棒「G」と、Gdが添加されていない複数の燃料棒、および水棒9が規則的に配列されて構成された燃料バンドルが方形の金属角筒に収納され、金属角筒の内部を下方から上方に向かって冷却水が流れるように構成されている。そして、燃料集合体の可燃性毒物のガドリニウム(Gd)が添加された燃料棒「G」のGd添加濃度は最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た毒性(毒物効果)がほぼ消滅するように設定され、さらに、少なくとも一部の燃料棒では、マイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)が添加され、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に運転中に制御棒を挿抜する制御棒を直接取り巻く位置である制御セルの中、あるいは炉心最外周の少なくともいずれか一方へ移動配置されるようになっている。
また、燃料集合体を構成する複数の燃料棒21は、可燃性毒物のガドリニウム(Gd)が添加されていて典型的なマイナーアクチノイド核種が添加されていない燃料ペレット31と、ガドリニウム(Gd)が添加されていなくて典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)が添加されている燃料ペレットとを用いて構成されている。
そして、使用する燃料集合体を構成する燃料集合体2は、燃料集合体のコーナ部ないし水棒に隣接する少なくとも一部の燃料棒には典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加した燃料棒が配置されて、核変換を速め、かつ水平方向出力の分布が平坦化されるようになっている。
さらに、燃料集合体を構成する燃料集合体2は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側から中央部ないし4分の3までの間に、マイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)が連続的あるいは断続的に添加され、軸方向出力分布矯正対策が施されている。
したがって、本実施形態によれば、マイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244等を添加した燃料棒22を使用することにより、非常に長期間にわったって保管・管理負担の大きい高レベル廃棄物であるマイナーアクチノイド(MA)を有効にリサイクルすることができ、保管・管理負担を大幅に軽減しつつ、マイナーアクチノイド添加による反応度損失の弊害を抑制しながら有効な核種へ核変換を行うことができる。
また、可燃性毒物が添加された燃料棒の毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、マイナーアクチノイド核種を添加した燃料棒を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することにより、BWRにおいて気泡発生にともなって軸方向出力分布が冷却水の上流側(下側)へ向かって歪む傾向を防ぐために行われている燃料の濃縮度を軸方向に複雑に調整しなければならない点を、大幅に改良することができる。さらに、Pu238を効果的に生成させることによって、自発的に放出される中性子の放出強度を高め、Pu抽出に伴う原爆材料への転用を不利にすることができる。
[第2実施形態]
図3(A)〜(D)は、本発明の第2実施形態を示すものであり、図3(A)は、燃料集合体の縦断面図(同図(B)および(C)のA−A縦断面に相当する図)である。図3(B)は同図(A)のB−B横断面図であり、同図(C)は同図(A)のC−C横断面図であり、同図(D)は同図(A)のD−D横断面図である。
大部分の符号は図29に示したものと共通であるため、ここでは図29に示していない部分のみを記載する。GはGdを添加した燃料棒(G燃料棒)であって、MOX燃料に下部ブランケット部(X1)および上部ブランケット部(Y2)を除き、軸方向の大部分または全長に添加されている。図19の場合と同じくGd1.5%添加G燃料棒が18本使用されている。ブランケット部には天然ウラン、再処理回収ウラン、減損ウラン、またはこれらの混合物が充填されている。
マイナーアクチノイド(MA)、特にNp237を含むMAはG燃料棒を除き、X2部および上部ブランケット部に添加されている。Pufの富化度が例えば前述の計算例(図22、Gd1.5%添加)のように、上下ブランケット部を除く全長(X2+Y1)において富化度一様で、ボイド分布による出力分布の下方への歪みを抑制するに当たっては、X2の部分にNp237を添加する場合、0.5%程度、Np237の他にAm241やAm243などのアクチノイドを合わせて添加した場合には吸収断面積が大きくなるため添加濃度を減らし、0.3〜0.4%程度添加することによって、燃料集合体を図27において示した非制御セル(NC)5の位置2aに配置した場合、第1サイクル(燃焼度0〜約10GWd/t)において軸方向出力分布を大幅に緩和(平坦化)することができる。
しかしながら、それ以降の燃焼(第2サイクル以降)に際し、そのままの位置では反応度損失を生じるので、第2サイクル開始の前に図27で示す制御セルCC5の燃料集合体2b、あるいは炉心外周部の燃料集合体2cの位置へ移動する。燃料集合体2bの位置は意図的に反応度が低下した燃料集合体を配置する場所であり、燃料集合体2cの位置は燃料集合体の反応度が低くても原子炉の反応度が低下しない場所である。燃料集合体2bや燃料集合体2cの位置では出力が他の部分より低下しているため、熱的な制限問題はほとんど無く、軸方向出力分布平坦化の必要性は大幅に低下しており、反応度損失対策に利用できる。第1サイクルの間は炉心内部の出力が高い位置で照射されるため、[特許文献2]と異なり、MAの核変換速度は速い。
第2の実施形態が前記第1の実施形態と顕著に異なる点は、上部ブランケット部Y2にかなり高い濃度(例えば10〜50%)でMAを添加することである。上部ブランケット部Y2は炉心の反応度的な損失を殆ど引き起こさないので、中性子を吸収するMAを高い濃度で添加することができる。
上部ブランケットy2の下部に高い濃度でMAを添加すると、高い効率で核変換が起こり、保守・管理を長期間に亘って必要とするMAの量を削減することができる。なお、本実施形態では示していないが、下部ブランケット部X2にMAを添加することもできる。中性子は下部ブランケットX2より上部ブランケットY2の方が漏れやすいため、核変換効率は上部ブランケットY2の方が高い。Np237は中性子を吸収してPu238が生成し、他のPu核種との分離が著しく困難なPu238の混入により核爆弾への転用が著しく困難なPuが得られる。
本実施形態で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側およびまたは下流側の天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウランのいずれか1ないしこれらの混合物で構成されたブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加したものとされている。したがって、上部ブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)が添加され、反応度損失防止が図られる。この添加を高い濃度で行うことができ、燃料濃縮部に近ければ核反応速度も高めることができる。
また、本実施形態の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、多数の長尺燃料棒と複数本の短尺燃料棒とから成り、短尺燃料棒の燃料有効部の上端は長尺燃料棒の燃料有効部上端より下部(冷却水の上流側)であって長尺燃料棒の燃料有効長の内、下端から3分の2ないし4分の3となるように構成されており、該短尺燃料棒の少なくとも一部の短尺燃料棒には前記典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加したものとなっている。
したがって、軸方向出力分布矯正を行うことができ、また燃料棒の本数が少なく、製造が容易である。なお、同じ量のMAを多くの燃料棒に薄く分散させる場合に比べて若干燃焼は遅れるが、反応度損失は抑制される。
本実施形態によっても、前記実施形態と同様の作用効果が奏される。
[第3実施形態]
図4(A)〜(C)は、本発明の第3実施形態を示すものであり、同図(A)は同図(D)および(S)のA−A縦断面図、同図(S)は同図(A)のS−S横断面図、同図(D)は同図(A)のD−D横断面図である。同図(A)のC−C横断面は図1(B)と同一であるため記載を省略した。マイナーアクチノイドMAが軸方向のX2部では8本の短尺燃料棒にのみ添加されている短尺燃料棒(Pm)42を用いている点で第1および第2の実施形態と異なっている。
軸方向出力分布平坦化を目的としたマイナーアクチノイド(MA)の添加では、MA特にNp237を含むMAはG燃料棒を除き、短尺燃料棒42のX2部に添加されている。MAを第1および第2の実施形態と異なり、少数本に限定して添加すると、核変換は若干遅れるが炉心の反応度損失を抑制できる点に特徴がある。ウランの初期濃縮度が例えば前述の計算例(図23、Gd10%添加)のように、上下ブランケット部を除く全長(X2+Y1)において濃縮度一様で、ボイド分布による出力分布の下方への歪みを抑制するに当たっては、X2の部分にNp237を添加した場合5%程度、Np237の他にAm241やAm243などのアクチノイドを合わせて添加した場合には3〜4%程度添加することによって、第1サイクルにおける図27において示した非制御セル(NC)5の位置2aにこの燃料集合体を配置した場合、軸方向の出力分布を大幅に緩和することができる。
しかしながら、第2サイクル以降では反応度損失を招くので、第2サイクル開始の前に図27において示す制御セル5:CCの燃料集合体2b、あるいは炉心外周部の燃料集合体2cの位置へ移動する。2bの位置は意図的に反応度が低下した燃料集合体を配置する場所であり、2cの位置は燃料集合体の反応度が低くても原子炉の反応度が低下しない場所である。
第3の実施形態が第2の実施形態と顕著に異なる点として、図4のS領域にMAを比較的高い濃度(例えば10〜20%)で添加している点がある。Sで記した領域を含めた上下の部分、即ち燃料有効部の下端から有効部の2/3ないし3/4のあたりは、BWRでは炉停止領域、あるいはシャットダウン領域(ShutdownZone:SDZ)と呼ばれている領域であり、原子炉停止時に最も臨界に近くなる(反応度が高い、あるいは未臨界度が浅いともいう)部分である。燃焼中にPuが生成しやすいこととボイド率が高いため燃焼が遅れやすいというのがこの現象が起こる原因である。
本発明者らはここの部分に天然ウランを利用する事を提案したことがあるが、図25に示すように、燃焼が進むにつれて比較的早期に(即ち、燃料集合体の燃焼度があまり進まないうちに)、Puが生成し、初期の目的は長続きしないことが分かる。本実施形態ではSDZにMAを比較的高い濃度(例えば10〜20%)で天然ウラン、再処理回収ウラン、減損ウラン、濃縮ウランまたはそれらの混合物に添加して使用するので、中性子照射を受けても増倍率は容易には回復せず、従って原子炉停止時に最も臨界に近くなる現象が抑制される。
SDZを越えて広範囲にMAを添加すると、原子炉の反応度が大きく低下し、燃料の燃焼が進まなくなるので、本実施形態[図4(S)]のように、G燃料棒を除いて全てMAを添加する場合には軸方向長さにして5〜8cm程度が好適である。後の実施形態で示すように、水棒9近傍に10本程度添加する場合には10〜20cm程度が好適である。
上部ブランケット部Y3には、図2における上部ブランケット部(Y2)と同様に、MAが高い濃度で添加されている。上部ブランケット部(Y2)におけるMAの添加方法、作用および効果は第2の実施形態の場合と同様である。
また、本実施形態では示していないが、下部ブランケット部X2にMAを添加することもできる。ただし、下部より上部ブランケットY2の方が中性子は漏れやすいため、核変換効率は上部ブランケットの方が高い。なお、GはGdを添加した燃料棒(G燃料棒)であって、ウラン燃料に下部ブランケット部(X1)および上部ブランケット部(Y2)を除き、軸方向の大部分または全長に添加されている。図15の場合と同じくG燃料棒が8本使用されている。ブランケット部には天然ウラン、再処理回収ウラン、減損ウラン、またはこれらの混合物が充填されている。
以上のように、本実施形態によれば、燃料集合体を構成する燃料集合体は、多数の長尺燃料棒と複数本の短尺燃料棒とから成り、短尺燃料棒の燃料有効部の上端は長尺燃料棒の燃料有効部上端より下部(冷却水の上流側)であって、長尺燃料棒の燃料有効長の内、下端から3分の2ないし4分の3の未臨界度が浅くなる領域に前記典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加するとともに、短尺燃料棒の少なくとも一部の短尺燃料棒には前記典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を連続的あるいは断続的に添加したものである。
また、本実施形態で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側およびまたは下流側の天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウランのいずれか1ないしこれらの混合物で構成されたブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加したものとされている。
さらに、本実施形態の方法で使用する燃料集合体を構成する燃料集合体は、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側およびまたは下流側の天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウランのいずれか1ないしこれらの混合物で構成されたブランケット部にマイナーアクチノイド核種(MA)の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともネプチニウム237(Np237)を添加したものとされている。
本実施形態によっても、前記実施形態と同様の作用効果が奏される。
[第4実施形態]
なお、第4の実施形態以降は説明を簡単にするため、燃料集合体主要部の横断面図のみを用いて説明する。本発明の目的であるMAの有効利用・消滅処理および軸方向出力分布の平坦化はいずれの実施形態においても達成される。反応度損失対策は燃料集合体の配置方法によって行われる。
図5は、本発明の第4実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図に示すように、本実施形態では、燃料棒が3×3のサブアセンブリに配列され、それらが9個集まって燃料集合体が構成されている。中央には太い水棒9が2本配置され、周りのサブアセンブリにはPmで示すMAを添加した短尺燃料棒42が配置され、太い水棒の近傍には14本のSDZにMAを添加した長尺燃料棒41が配置されている。
MAを添加した軸方向長さは30〜45cm程度とすることによって反応度損失を抑え、炉停止余裕を向上させることができる。
[第5実施形態]
図6は、本発明の第5実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図に示すように、本実施形態では、燃料棒は3×3のサブアセンブリに配列され、それらが9個集まって燃料集合体が構成されており、中央から離間して太い水棒9が2本配置され、周りのサブアセンブリには、Pで示すMAを添加していない従来型の短尺燃料棒22が配置され、太い水棒に挟まれた7本の位置および燃料集合体の4コーナでは、燃料有効部の下端から有効長の2/3ないし3/4の範囲にMAが添加された短尺燃料棒42が配置されている。
このように、Pmで示す短尺燃料棒を配置すると、近傍に十分な中性子減速材の水が存在する事になり、中性子スペクトルが軟化するのでMAの中性子吸収反応が促進され、核変換によりMAの貯蔵量を低減することができる。
[第6実施形態]
図7は、本発明の第6実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図7に示すように、本実施形態では、燃料棒は3×3のサブアセンブリに配列され、それらが9個集まって燃料集合体が構成されている。中央から離間して太い水棒9が2本配置され、周りのサブアセンブリにはPmで示すMAを添加した短尺燃料棒42が配置され、太い水棒9に挟まれた7本位置にはSDZにMAを含んだ長尺燃料棒41が配置されている。
Pmで示した短尺燃料棒42でも燃料有効部の下端から有効長の2/3ないし3/4の範囲にMAが添加されている。この実施形態の特徴は、軸方向出力分布の平坦化の他に、太い水棒9と長尺燃料棒41のSDZに含まれているMAの作用により大きな原子炉の停止余裕を得ることができる点にある。
[第7実施形態]
図8は、本発明の第7実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図8に示すように、本実施形態では、燃料棒は3x3のサブアセンブリに配列され、それらが8個集まって燃料集合体が構成されている。中央に3×3のサブアセンブリを排除する大きさの太い水棒9が1本配置されている。
周りのサブアセンブリには、Pmで示すMAを添加した短尺燃料棒42が配置され、太い水棒の周りの12本の長尺燃料棒41には、SDZにおいてMAが添加されている。
この実施形態の特徴は、第6の実施形態と同様に、軸方向出力分布の平坦化の他に、太い水棒9と長尺燃料棒41のSDZに含まれているMAの作用により、大きな原子炉の停止余裕を得ることができる点にある。
[第8実施形態]
図9は、本発明の第8実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図9に示すように、本実施形態では、中央にやや太い水棒9があり、それを挟んで十字型に燃料棒が配置されている。各象限には、燃料棒が4×4に配置されて、サブアセンブリが構成され、全体で燃料集合体が構成されている。
水棒9の周りの8本の長尺燃料棒41には、SDZにおいてMAが添加されている。燃料集合体の各コーナ部にはそれぞれ2本ずつのMAを添加したPmで示した短尺燃料棒42が配置されている。Pmで示した短尺燃料棒42では、MAは燃料有効部の下端から有効長の2/3ないし3/4の範囲に添加されている。
この実施形態の特徴は、第6および第7の実施形態と同様に軸方向出力分布の平坦化の他に、太い水棒9と長尺燃料棒41のSDZに含まれているMAの作用により、大きな原子炉の停止余裕を得ることができる点にある。
[第9実施形態]
図10は、本発明の第9実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図10に示すように、本実施形態では、中央に太い正方形の水棒9があり、それを挟んで十字型に燃料棒が配置されている。各象限には、燃料棒が4×4に配置されてサブアセンブリが構成され、全体で燃料集合体が構成されている。
水棒9の周りの12本の長尺燃料棒41には、SDZにおいてMAが添加されている。各サブアセンブリには、1本ずつのMAを添加したPmで示した短尺燃料棒42が配置されている。
この実施形態の特徴は第6、7、および8実施形態と同様に、軸方向出力分布の平坦化の他に、太い水棒9と長尺燃料棒41のSDZに含まれているMAの作用により、大きな原子炉の停止余裕を得ることができる点にある。
[第10実施形態]
図11は、本発明の第10実施形態を示す燃料集合体の横断面図である。
この図11に示すように、本実施形態では、チャンネルボックス13の中に燃料棒を5x5のアレイで構成した4個のサブアセンブリが、内部の十字型の非沸騰水領域39を挟んで配置されて燃料集合体が構成されている。十字型の非沸騰水領域39の水は、矢印を付けた破線で示すように、チャンネルボックス13の外部へ出入りすることができる構造となっている。
十字の交叉点に隣接した4本の燃料棒41では、SDZにおいてMAが添加されている。
この例では、MAをSDZに添加した燃料棒は4本しかないので、MAを添加する長さは30〜45cm程度が必要である。これらの周りには8本のMAを添加したPmで示した短尺燃料棒42が配置されている。
さらに、燃料集合体の各コーナにもそれぞれ1本のMAを添加したPmで示した短尺燃料棒42が配置されている。Pmで示した短尺燃料棒42では、MAは燃料有効部の下端から有効長の2/3ないし3/4の範囲に添加されている。
この実施形態の特徴は第6、7、および8の実施形態と同様に、軸方向出力分布の平坦化の他に、太い水棒9と長尺燃料棒41のSDZに含まれているMAの作用により、大きな原子炉の停止余裕を得ることができる点にある。
[他の実施形態]
以上の10種の実施形態において、本発明の構成、作用および効果を説明したが、本発明では例えば各種燃料棒や水棒の本数・配置、G燃料棒の配置、本数、添加濃度、G燃料へのMAの添加有無など、限定したものではない。可燃性毒物としてはGdが著しく優れているが、Euを用いた場合でも本発明の効果は発揮される。
また、MAの添加は以上の実施形態では炉心下半分程度、SDZ、およびブランケットに添加する例を示したが、本発明では、MAを低い濃度で燃料棒の例えば全長に添加することも含まれる
また、本発明はBWRへの適用のみに限定されるものではなく、例えば加圧水型原子炉(PWR)にも適用することができる。すなわち、第2サイクル開始前に、反応度損失の小さい場所へ装荷位置を変更することも本発明に含まれる。
なお、詳細な解析により、MAを減容化するに際して、少数の燃料集合体にMAを混合することで、生成と消滅をバランスさせることが可能であることが分かっているので、本発明により、第2サイクル以降にCC位置など反応度損失問題が重要でない少数の場所へ本発明の燃料集合体を移動配置することは現実的であることが分かる。
また、MAを添加した燃料集合体で構成した原子炉炉心から取り出された使用済み、ないし照射燃料集合体を再処理して取り出したPuには、大幅にPu238が含まれており、原爆材料として極めて使用しづらいPuとなっている。
(A)、(B)、(C)は、本発明の第1の実施形態の燃料集合体を示す説明図であり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のB−B矢視断面図、(C)は(A)のC−C矢視断面図。 (A)、(B)、(C)は、図1のX2部で使用するマイナーアクチノイド添加燃料棒の構成例をそれぞれ示す要部拡大断面図。 (A)、(B)、(C)、(D)は、本発明の第2の実施形態の燃料集合体を示す説明図あり、(A)は縦断面図、(B)は(A)のC−C矢視断面図、(C)は(A)のD−D矢視断面図。 (A)、(S)、(D)は、本発明の第3の実施形態の燃料集合体を示す説明図であり、(A)は縦断面図、(S)は(A)のC−C矢視断面図、(C)は(A)のD−D矢視断面図。 本発明の第4の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 本発明の第5の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 本発明の第6の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 本発明の第7の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 本発明の第8の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 本発明の第9の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 本発明の第9の実施形態の燃料集合体を示す概略平面図。 ヘビーアイソトープチェイン(1)を示す説明図。 ヘビーアイソトープチェイン(2)を示す説明図。 Np237の断面積を示す特性図。 ウラン燃料集合体計算モデルを示す概略平面図。 MOX燃料集合体計算モデルを示す概略平面図。 (A)、(B)は、各々ウラン燃料集合体の燃焼特性(4%Gd)を示す説明図。 (A)、(B)は、各々ウラン燃料集合体の燃焼特性(10%Gd)図。 (A)、(B)は、MOX燃料集合体の燃焼特性を示す説明図。 (A)、(B)は、ウラン燃料集合体の燃焼特性を示す説明図。 (A)、(B)は、Np237添加ウラン燃料集合体の燃焼特性(4%Gd)図。 (A)、(B)は、Np237添加ウラン燃料集合体の燃焼特性(10%Gd)を示す説明図。 (A)、(B)は、Np237添加MOX燃料集合体の燃焼特性を示す説明図。 (A)、(B)は、短尺燃料棒Np237添加ウラン燃料集合体の燃焼特性(10%Gd)を示す説明図。 短尺燃料棒Np237添加MOX燃料集合体の燃焼特性を示す説明図。 Np237添加天然ウラン炉停止領域における燃焼特性(10%Gd)を示す説明図。 (A)、(B)は、沸騰水型原子炉の炉心を示し、(A)は一部切欠概略平面図、(B)は(A)の一部を拡大して示す平面図。 (A)、(B)、(C)、(D)は、沸騰水型原子炉の燃料集合体を示し、(A)は一部切欠斜視図、(B)は縦断面図、(C)は(B)に示した燃料棒の一部を切欠いて示す側面図、(D)は(B)に示した水棒の側面図。 (A)、(B)、(C)、(D)は、『ステップ3型』燃料集合体の概念を示す説明図。
符号の説明
1 炉心
2 燃料集合体
3 制御棒
4 燃料セル(非制御セル)UCC
5 制御セルCC
6 炉心シュラウド
7 水
8 燃料棒
9 水棒(W)
10 スペーサ
11 下部タイプレート
12 上部タイプレート
13 チャンネルボックス
14 冷却水
21 長尺燃料棒(通常燃料棒)
22 短尺燃料棒
31 SDZにMAを添加した長尺燃料棒
32 MAを添加した短尺燃料棒
39 内部非沸騰水

Claims (11)

  1. 可燃性毒物が添加された複数の燃料棒と、前記可燃性毒物が添加されない複数の燃料棒と、水棒とを規則的に配列した燃料集合体を、下方から上方に向かって冷却水が流れるように構成された原子炉の炉心に配置する原子炉の炉心配置方法であって、前記燃料集合体における前記可燃性毒物が添加された燃料棒の毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、マイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料棒を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することを特徴とする原子炉の燃料集合体配置方法。
  2. 可燃性毒物が添加された複数の燃料棒と、前記可燃性毒物が添加されない複数の燃料棒と、水棒とを規則的に配列した燃料バンドルを方形の金属角筒に収納し、前記金属角筒の内部を下方から上方に向かって冷却水が流れるようにした燃料集合体を、沸騰水型原子炉の炉心に配置する原子炉の炉心配置方法であって、前記燃料集合体における前記可燃性毒物が添加された燃料棒の毒物添加濃度を最初の1サイクル終了時点または2サイクル終了時点において中性子吸収から見た前記可燃性毒性がほぼ消滅する設定としておき、最初の第2サイクル開始以前または第3サイクル開始以前に、マイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料棒を収納した燃料集合体を、運転中に挿抜される制御棒を直接取り巻く制御セル内の位置、および炉心最外周位置のうち、少なくともいずれかの位置に配置することを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体配置方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の方法に使用する燃料集合体を構成する複数の燃料棒であって、前記可燃性毒物が添加され前記典型的なマイナーアクチノイド核種が添加されない燃料ペレットと、前記可燃性毒物が添加されず前記典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともNp237が添加されている燃料ペレットとを備えた燃料棒。
  4. 請求項2記載の方法に使用する燃料集合体であって、前記金属角筒のコーナ部内または前記水棒に隣接する位置に配置される少なくとも一部の燃料棒を、前記典型的なマイナーアクチノイド核種のうち少なくともNp237を添加した燃料棒とした燃料集合体。
  5. 請求項2記載の方法に使用する燃料集合体であって、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側から3分の2ないし4分の3の位置で原子炉停止時に無限増倍率が最も高くなり未臨界度が浅くなる領域の5cmないし45cm長の部分で、かつ天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウラン、濃縮ウラン、プルトニウムとウランとを混合した混合酸化物燃料、およびアルミナもしくはジルコニアなどの非核燃料物質から選択されるいずれか1の物質または2以上の物質からなる混合物で構成された領域に、マイナーアクチノイド核種の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料集合体。
  6. 請求項1または2記載の方法に使用する燃料集合体であって、少なくとも一部の前記燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側および下流側の少なくともいずれかに設けられた天然ウラン、劣化ウランおよび再処理回収ウランから選択されるいずれか1の物質または2以上の物質からなる混合物で構成されたブランケット部に、マイナーアクチノイド核種の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料集合体。
  7. 請求項2記載の方法に使用する燃料集合体であって、少なくとも一部の燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側から中央部ないし4分の3までの間に、マイナーアクチノイド核種の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を連続的あるいは断続的に添加した燃料集合体。
  8. 複数の長尺燃料棒と複数の短尺燃料棒とを備え、前記短尺燃料棒の燃料有効部の上端は、前記長尺燃料棒の燃料有効部上端よりも下部で前記長尺燃料棒の燃料有効長のうち下端から3分の2ないし4分の3となるように構成されており、かつ少なくとも一部の前記短尺燃料棒に、前記典型的なマイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を連続的あるいは断続的に添加した請求項6記載の燃料集合体。
  9. 複数の長尺燃料棒と複数の短尺燃料棒とを備え、前記短尺燃料棒の燃料有効部の上端における前記長尺燃料棒の燃料有効部上端よりも下部で前記長尺燃料棒の燃料有効長のうち下端から3分の2ないし4分の3の未臨界度が浅くなる領域と、少なくとも一部の前記短尺燃料棒とに、前記典型的なマイナーアクチノイド核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を連続的または断続的に添加した請求項5記載の燃料集合体。
  10. 少なくとも一部の前記燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側および下流側の少なくともいずれかに設けられた天然ウラン、劣化ウランおよび再処理回収ウランから選択されるいずれか1の物質または2以上の物質からなる混合物で構成されたブランケット部に、マイナーアクチノイド核種の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した請求項9記載の燃料集合体。
  11. 請求項1または2記載の方法に使用する燃料集合体であって、少なくとも一部の前記燃料棒では、燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側および下流側の少なくともいずれかに設けられた天然ウラン、劣化ウランおよび再処理回収ウランから選択されるいずれか1の物質または2以上の物質からなる混合物で構成されたブランケット部に、マイナーアクチノイド核種の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加し、かつ前記燃料有効部のうち、冷却水の流れの上流側から3分の2ないし4分の3の位置で原子炉停止時に無限増倍率が最も高くなり未臨界度が浅くなる領域の5cmないし45cm長の部分で、かつ天然ウラン、劣化ウラン、再処理回収ウラン、濃縮ウラン、プルトニウムとウランとを混合した混合酸化物燃料、およびアルミナもしくはジルコニアなどの非核燃料物質から選択されるいずれか1の物質または2以上の物質からなる混合物で構成された領域に、マイナーアクチノイド核種の典型的な核種であるNp237、Am241、Am243、Cm244のうち少なくともNp237を添加した燃料集合体。
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