JPH10268076A - 燃料集合体 - Google Patents

燃料集合体

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JPH10268076A
JPH10268076A JP9074783A JP7478397A JPH10268076A JP H10268076 A JPH10268076 A JP H10268076A JP 9074783 A JP9074783 A JP 9074783A JP 7478397 A JP7478397 A JP 7478397A JP H10268076 A JPH10268076 A JP H10268076A
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JP
Japan
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fuel
fuel assembly
rod
enrichment
recovered uranium
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Application number
JP9074783A
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English (en)
Inventor
Naoki Sugita
直紀 杉田
Makoto Yagi
誠 八木
Yamato Hayashi
大和 林
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高燃焼度化を目指した沸騰水型原子炉用の燃料
集合体において、回収ウランを多く利用することを可能
とすると共に、原子炉運転時の熱的余裕と原子炉停止時
の炉停止余裕を改善した燃料集合体を提供することにあ
る。 【解決手段】核燃料物質を内蔵したペレット8を軸方向
に複数配置した燃料棒2を複数本正方格子状に束ねて中
央部に少なくとも1本のウォータロッド3を有する燃料
集合体20において、前記ウォータロッド3と隣接領域の
燃料棒2cのうち少なくとも1本の燃料棒と最外周領域
の燃料棒2a,2bのうち少なくとも1本の燃料棒に回
収ウランを含むと共に、ウォータロッド3の隣接領域の
全燃料棒が含む回収ウランの量と最外周領域の全燃料棒
が含む回収ウランの量が、それぞれ他の領域の全燃料棒
2が含む回収ウラン量より多いことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉用の燃料集
合体に係り、特に、使用済燃料の再処理により得られた
回収ウランを利用する燃料集合体に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉用の核燃料における天然のウラン
は、3つの同位体であるウラン234 (以下、U-234と呼
ぶ)と、ウラン235 (以下、U-235と呼ぶ)、及びウラ
ン238(以下、U-238と呼ぶ)とからなっており、その
うちで核分裂をするU-235については、わずか0.7 重量
%しか存在していない。
【0003】従って、核分裂エネルギーで発電を行って
いる原子力発電所においては、原子炉にウラン燃料を装
荷する前に、前記核分裂をするU-235の割合を予め高め
ておく必要があり、これを濃縮と称している。また、濃
縮された後のウラン燃料に含まれるU-235の重量割合を
濃縮度と呼んでいるが、この濃縮度については、燃料集
合体一体当たりから取出す熱量(これを燃焼度と呼ぶ)
に応じて設定している。
【0004】原子炉に装荷される燃料集合体は、ウラン
の酸化物である二酸化ウラン(UO2 )で作られた円柱
状のペレットを、軸方向1列に複数個を積み重ねて構成
した燃料棒の複数本を正方格子状に束ねたものである。
また、この中央部には1本乃至複数本のウォータロッド
を配置して、このウォータロッドの中に、減速材である
と共に冷却材である水を流通させることにより、燃料集
合体の中央領域における減速材を確保している。
【0005】図14(a)の縦断面図に示すように燃料集
合体1においては、燃料棒2及びウォータロッド3を燃
料スペーサ4で束ねて、上部タイプレート5及び下部タ
イプレート6にて固定しており、周囲をチャンネルボッ
クス7で包囲した構成としている。なお、図14(b)は
図14(a)におけるa−a矢視断面図で、この燃料集合
体1は、中央部に太径のウォータロッド3を2本配置し
た形式の例である。
【0006】前記燃料棒2は図15の一部切り欠き正面図
に示すように、複数個のペレット8が被覆管9内で軸方
向に充填され、この被覆管9の両端は上部端栓10及び下
部端栓11で封止されており、被覆管9上部のプレナム12
内にスプリング13を設けて、下方のペレット8を押圧し
ている。前記のような燃料集合体1は原子炉の炉心内に
て、図16の要部拡大平面図に示すように配置されてい
る。この図16は1本の制御棒14の周りに4体の燃料集合
体1を配置していることを示したもので、この1単位を
セル15と呼んでいる。
【0007】原子炉における炉心は、上記のようなセル
15を平面状に複数並べて配置することにより構成されて
おり、前記制御棒14あるいは中性子検出器計装管16は、
燃料集合体1を炉心に装荷した状態で、燃料集合体1の
間に配置している。このために各燃料集合体1の相互間
隔は、制御棒14等が挿入されている分だけ広げられてお
り、この相互間隔である燃料集合体1の周囲は、減速材
である冷却材で満たされていると共に、冷却材が流れる
冷却材領域17で、冷却材は下方より上方に向って流れ
る。
【0008】一般に沸騰水型原子炉用の燃料集合体にお
いては、図17(b)の燃料棒軸方向濃縮度分布図に示す
ように、各燃料棒2は軸方向に天然ウランを用いたペレ
ットと、数種類の濃縮ぺレットを組み合わせて設計して
いる。なお、各燃料棒2内に付した記号A,B,C,D
……は、それぞれ濃縮ペレットの種類に対応しており、
この濃縮ペレットの濃縮度はAが最高で、B,C,D…
…の順に低くしている。
【0009】このように、濃縮度の異なる1種類乃至複
数種類のぺレットを組合せて構成された各燃料棒2を、
図17(a)の燃料棒配置図に示すように例えば8行8列
として、中央部の太径のウォータロッド3と共に、平面
上に組み合わせ配置することにより、燃料集合体18を構
成している。なお、図17(b)において各燃料棒2の下
に示した丸数字は、(a)の各燃料棒2のタイプに対応
し、この燃料集合体18では7種類で、括弧内の数字は各
燃料棒2の使用本数を示している。
【0010】一般に燃料棒2の上下端部においては中性
子束が低く、核分裂の割合が少なくなるので、この部分
に天然ウランペレットを装荷しており、ブランケット部
16と呼び格子斜線で示す。さらに、燃料棒2の丸数字で
G1 ,G2 は、可燃性毒物であるガドリニア(Gd2
3 )を混入したペレットである。
【0011】この可燃性毒物とは、燃料集合体の燃焼初
期における過剰な反応度を抑制するためのものであり、
前記ガドリニアは可燃性毒物として一般的に良く知られ
ている。なお、反応度抑制効果をある程度持続させるた
めに、通常、可燃性毒物は燃料集合体の最外周領域には
用いられていない。
【0012】図17(b)では、典型的なガドリニア濃度
分布の設計を一例として示しており、このような燃料集
合体18は、燃料集合体平均の最大燃焼度が50GWd/t まで
得られるものであり、燃料集合体平均での濃縮度、即
ち、燃料集合体18内の全てのペレットの平均濃縮度は3.
5 重量%である。
【0013】炉心に装荷した燃料集合体は、原子炉にお
いて所望の燃焼度を達成した後に取出されるが、このよ
うに原子炉から取出された燃料集合体を使用済燃料とい
う。しかしながら、このときにU-235が全て消費されて
いるわけではなく、この使用済燃料中には、未だ天然ウ
ラン程度のU-235が残留している。従って、前記使用済
燃料を再処理して残留しているウランを再び取出し(こ
れを回収ウランと呼ぶ)、それを再び濃縮して原子炉燃
料として再利用するのが、ウラン資源の有効活用という
観点から望ましいことである。
【0014】この回収ウランについては、使用済燃料の
発生数に伴い増加する傾向にあることから、原子力発電
所の数が増えている現状においては、年々増加する傾向
にある。従って、この回収ウランを利用する場合は、で
きる限り大量の回収ウランを消費できる燃料集合体とす
ることが好ましい。
【0015】しかしながら、前記回収ウランには天然に
は存在しない同位体であるU-236が含まれており、この
U-236はU-235と質量が近いために、遠心分離技術によ
りU-235を濃縮する場合に、U-235の濃縮度に対してあ
る割合で必ず同伴することから、回収ウランの濃縮度が
高くなるほどU-236濃度も高くなる傾向となる。なお、
このU-236は中性子を吸収する効果の大きな核種である
ために、回収ウランを利用する燃料の設計時に、このU
-236による中性子吸収が核燃料特性に及ぼす影響を十分
考慮して行う必要がある。
【0016】ところで、燃料集合体における燃焼度は、
時代と共に高燃焼度化が進んでおり、その理由は経済性
向上のためである。なお、原子力発電所は約1年間の運
転期間後に一旦運転を停止して、一部燃料集合体の交換
を実施している。これは、所定の燃焼度に到達した燃料
集合体を使用済燃料として取り出して、代りに未燃焼の
新燃料集合体を装荷する(燃料交換)ことにより、順調
な核分裂の継続を可能とするためである。
【0017】このように、燃料集合体の高燃焼度化を推
進して行くということは、燃料集合体が所定の燃焼度に
到達するまでの期間が長期化されることであり、従っ
て、燃料交換時における燃料集合体の交換体数が減少す
るということになる。その結果から、燃料集合体の加工
と輸送体数、燃料交換頻度及び使用済燃料の発生数の減
少をもたらすことになり、経済性の向上に寄与すること
になる。なお、燃料の高燃焼度化に伴い、燃料集合体平
均の濃縮度も必然的に高くなる。
【0018】図18(a)の燃料棒配置図、及び(b)の
燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、燃料集合体19
のような最新の高燃焼度燃料は、最大55GWd/t まで燃焼
するもので、その燃料集合体平均の濃縮度は3.7 重量%
になり、上記図17に示した最大50GWd/t まで燃焼する燃
料集合体18よりも平均濃縮度は増加している。なお、こ
の燃料集合体19においては、燃料棒2のタイプは8種類
で、軸方向長さの異なるタイプの短尺燃料棒(丸数字
P)を有している例を示す。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来から燃料集合体平
均の濃縮度を高めて行くことによる高燃焼度化が進めら
れてきたが、この高濃縮度化に伴い次のような課題が生
ずる。その一つは原子炉運転時における熱的余裕の減少
である。高燃焼度化の進行により燃料集合体平均の濃縮
度が増加する傾向となるが、これに対応するペレット8
の濃縮度は、その濃縮施設及び加工施設の能力から、最
大でも4.9 重量%までしか取り扱うことができない。
【0020】一般に、沸騰水型原子炉の燃料集合体にお
ける出力については、例えば図17(a)で示す燃料集合
体18では、最外周で、特に最外周隅部近辺の燃料棒2a
等の出力が高くなる傾向にある。これは、上記図16で示
したように、燃料集合体の周囲に減速材である水が十分
にあることから、核分裂が起こり易いためである。
【0021】従って、例えば図17及び図18に示すよう
に、燃料集合体18,19の水平断面における分布を平坦化
するために、外周部で特に外周隅部の燃料棒2aほど、
濃縮度の低いペレットF,E(丸数字5)を使用するこ
とにより対処している。
【0022】しかし、このような濃縮度分布の組合せパ
ターンは、使用するペレット8の濃縮度の最大値が決め
られた条件では、燃料集合体平均の濃縮度が高くなるほ
ど自由度が少なくなる。即ち、高い燃料集合体平均の濃
縮度を実現するために、あまり低濃縮度のペレット8を
使うことはできず、必然的に高い濃縮度のペレット8の
割合が多くなるからである。
【0023】このことから、図17及び図18の燃料集合体
18,19においては、最も濃縮度の高いペレットAは共に
4.9 重量%であるが、最低濃縮度のペレットについて
は、燃料集合体18ではペレットFで2.1 重量%であるの
に対して、高燃焼度を志向する燃料集合体19ではペレッ
トEで2.4 重量%であり、ペレット濃縮度の最高と最低
の差が小さくなっている。
【0024】この結果から、最外周の燃料棒2a,2b
の断面平均出力に対する相対値(以下、局所出力と呼
ぶ)は、燃料集合体平均の濃縮度が高くなると共に大き
くなる傾向にある。
【0025】原子炉を運転する場合に、燃料棒2の単位
長さ当たりの発生熱量(線出力密度)がある値を超えな
い。また、冷却材が燃料棒2の表面で遷移沸騰状態に至
らないようにする(限界出力までの出力余裕を確保す
る)。等の熱的な制約条件があるが、局所出力の値が大
きい燃料集合体においては、これら熱的制限上で不利に
なる。
【0026】もう一つの高濃縮度化に伴う課題は、原子
炉停止時における炉停止余裕の減少がある。この炉停止
余裕とは、原子炉を未臨界状態に維持することができる
能力のことである。沸騰水型原子炉においては、燃料集
合体1の下部から冷却材が供給されて、その冷却材は上
記図16に示す冷却材領域17において、燃料棒2の表面か
ら熱を受け取る過程で、一部は蒸気となりながら上方に
移動する。
【0027】従って、沸騰水型原子炉内の水密度は、燃
料集合体1の上部ほど小さくなるが、この水は核分裂を
促進する減速材としても寄与することから、燃料棒2の
上部ほど熱中性子の割合が低くなり、高速中性子の割合
が高くなる。この結果により、燃料上部の核分裂の発生
割合は低くなり、U-235の消費は抑制され、かつ、U-2
38の高速中性子吸収によるプルトニウム239 (以下、P
u-239と呼ぶ)への転換が促進されることになる。
【0028】また、原子炉を停止する際には、全ての制
御棒14を炉心内に挿入して、核分裂連鎖反応を抑制す
る。このために原子炉出力が低下するので蒸気は水に戻
り、U-235の残留濃縮度とPu-239の生成量が他の領域
に比べて高い燃料上部にも、減速材が十分に供給される
ようになる。
【0029】これにより、原子炉停止時の燃料集合体の
上部の反応度は、他の領域に比べて極めて高くなる。従
って、炉停止余裕とは燃料集合体の上部が臨界にならな
いように制御できる能力とも言える。なお、燃料の濃縮
度が高くなると、前記したようにU-235の残留濃縮度も
大きくなるので、炉停止余裕は厳しくなる方向にある。
即ち、高燃焼度化に伴い炉停止余裕は低下する傾向とな
る。
【0030】このように、最近の燃料は経済性追求の観
点からの高燃焼度化の要求により濃縮度が高くなってき
ており、このことは、熱的余裕の減少と炉停止余裕の減
少をもらたすことになる。一方で回収ウランを効果的に
利用することも、資源の有効活用及び余剰回収ウランの
消費という観点から望まれることである。従って、燃料
集合体当たりの回収ウランの使用割合が高く、かつ、高
燃焼度化に伴う上記課題を解決できる燃料集合体の開発
が要望されていた。
【0031】本発明の目的とするところは、高燃焼度化
を目指した沸騰水型原子炉用の燃料集合体において、使
用済燃料からの回収ウランを多く使用することを可能と
すると共に、原子炉運転時の熱的余裕と原子炉停止時の
炉停止余裕を改善した燃料集合体を提供することにあ
る。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る燃料集合体は、核燃料物質を
内蔵したペレットを軸方向に複数充填して構成する燃料
棒の複数本を正方格子状に束ねて中央部に少なくとも1
本のウォータロッドを配した原子炉用燃料集合体におい
て、前記ウォータロッドに隣接する領域にある燃料棒の
うち少なくとも1本の燃料棒と最外周領域にある燃料棒
のうち少なくとも1本の燃料棒に使用済燃料の再処理に
より得られた回収ウランを含むと共に、前記ウォータロ
ッドに隣接する領域の全ての燃料棒が含む回収ウラン量
と前記最外周領域の全ての燃料棒が含む回収ウラン量
が、それぞれその他の領域の全ての燃料棒が含む回収ウ
ラン量よりも多いことを特徴とする。
【0033】燃料集合体の最外周部及びウォータロッド
に隣接する領域に、回収ウランを含む燃料棒を配置する
ことにより、減速材が十分に存在して熱中性子束が多く
なることから高くなる局所的出力が、回収ウランにおけ
る中性子吸収効果により抑制される。
【0034】これにより、燃料集合体の断面における出
力分布が平坦化することで、原子炉運転時の線出力密度
や限界出力比等の熱的パラメータが改善される。また、
高温の原子炉運転時よりも原子炉停止時に、低温となり
減速材が十分にあることから高くなる熱中性子束も抑制
されるので、炉停止余裕が効果的に改善される。
【0035】請求項2記載の発明に係る燃料集合体は、
請求項1において、回収ウランを内蔵したペレットの濃
縮度が、当該燃料集合体で使用されるペレットの最高濃
縮度より低いことを特徴とする。回収ウランの中性子吸
収効果による反応度の減少について、予め濃縮度を最高
濃縮度より低く設計したことによる余裕により、濃縮度
を高める反応度補償を行うことができる。
【0036】請求項3記載の発明に係る燃料集合体は、
請求項1において、ウォータロッドに隣接する領域の燃
料棒における回収ウランが、燃料棒下部よりも上部に多
く存在することを特徴とする。燃料集合体の上部におい
ては、下部に比べて炉停止余裕が低下する傾向にある
が、燃料棒の上部に多く存在させた回収ウランにより、
炉停止余裕を大きく得ることができる。
【0037】請求項4記載の発明に係る燃料集合体は、
請求項1において、回収ウランが最外周領域の隅部また
は最外周領域の隅部に隣接した少なくとも1本の燃料棒
に存在することを特徴とする。局所出力が特に厳しくな
る最外周隅部の領域に配置した燃料棒に、回収ウランを
使用することにより、局所出力の増加を抑制することか
ら、熱的制限上の改善ができる。
【0038】請求項5記載の発明に係る燃料集合体は、
請求項1又は請求項2において、回収ウランを内蔵した
ペレットの濃縮度が1種類であることを特徴とする。燃
料集合体に使用するペレットで、回収ウランを含むペレ
ットの濃縮度を1種類に限定することにより、燃料棒の
製造に際して回収ウランを含むペレットを多種類製造す
る必要がなく、ペレット加工にかかる手間が省ける。ま
た、同一濃縮度の回収ウランを含むペレットのだけでな
く、このペレットを用いた燃料棒の種類の統合もでき
る。
【0039】請求項6記載の発明に係る燃料集合体は、
請求項5において、回収ウランを内蔵したペレットの濃
縮度が、当該燃料集合体で使用されるペレットの濃縮度
のうちで2番目に高いことを特徴とする。ペレットの濃
縮度を1種類に限定すると共に、最高濃縮度の次に低く
設定したことにより、製造上のペレット加工にかかる手
間が省けると共に、濃縮度の余裕により濃縮度を高める
反応度補償の設計が容易となる。
【0040】請求項7記載の発明に係る燃料集合体は、
請求項5において、回収ウランを内蔵したペレットの濃
縮度が、当該燃料集合体で使用されるペレットにおける
濃縮度のうちで最多使用の濃縮度であることを特徴とす
る。製造上のペレット加工にかかる手間が省けると共
に、当該ペレットが燃料集合体において最も多量に使用
されることから、回収ウランの利用効果が高い。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ
構成部分については、同一符号を付して詳細な説明は省
略する。第1実施の形態は請求項1に係り、図1(a)
の燃料棒配置図に示すように、燃料集合体20としては、
例えば9行9列の正方格子状に複数本の燃料棒2を配置
して、中央部に太径のウォータロッド3の2本を配して
いる。
【0042】また、図1(b)及び図2(a),(b)
の燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、各燃料棒2
はそれぞれ異なるタイプの濃縮度分布で設計されてい
て、いずれも最外周領域の全ての燃料棒2a,2bと、
ウォータロッド3に隣接する全ての燃料棒2cには、斜
線で示すように回収ウランが含まれている。
【0043】なお、前記図1(b)及び図2(a),
(b)は、燃料棒タイプ毎のペレット8の充填における
軸方向分布の例で、燃料棒2内のA,B,C,D……は
燃料ぺレット8の種類を示し、濃縮度はAが最高で、
B,C,D……の順に低下させている。また、各燃料棒
2の下に記した丸数字は、それぞれ図1(a)において
配置された燃料棒2のタイプに対応し、この燃料集合体
20では7種類で、括弧内の数字は各燃料棒2の使用本数
を示している。
【0044】一般に燃料棒2の上下端部は中性子束が低
く、核分裂の割合が少なくなるので、この部分に天然ウ
ランペレットを装荷しており、ブランケット部16と呼び
格子斜線で示す。さらに燃料棒2の丸数字でG1 ,G2
は、可燃性毒物であるガドリニア(Gd2 3 )を混入
したペレットで、斜線で示す部分が回収ウランが用いら
れている領域として構成されている。
【0045】なお、この燃料集合体20については、斜線
で示すように図1(b)において、ブランケット部16を
除く燃料棒2の軸方向全長にわたって回収ウランが含ま
れていても、また、図2(a),(b)に示すように、
燃料棒2の軸方向で一部にだけ回収ウランが含まれてい
るもののみでもよく。ブランケット部16に回収ウランを
用いてもよい。
【0046】さらに、図3(a)の燃料棒配置図及び、
(b)の燃料棒軸方向濃縮度分布図に示す燃料集合体21
における構成のように、最外周及びウォータロッド3に
隣接する領域の燃料棒2a〜2cの内で、回収ウランが
含まれないものがあってもよい。要は、ウォータロッド
3に隣接する燃料棒2cと、最外周にある燃料棒2a,
2bの含む回収ウラン量が、その他の領域の燃料棒2が
含む回収ウラン量よりも多ければよい。
【0047】しかし本発明においては、最外周及びウォ
ータロッド3に隣接する領域以外の燃料棒2への回収ウ
ランの使用を否定するものではなく。例えば、図4
(a)の燃料棒配置図及び(b)の燃料棒軸方向濃縮度
分布図に示す、燃料集合体22のような構成としたもので
もよい。
【0048】即ち、燃料集合体の最外周とウォータロッ
ド3に隣接する領域以外の燃料棒2に、回収ウランが用
いられていても、その回収ウラン量が最外周領域の燃料
棒2a,2bに含まれる回収ウランよりも、かつ、ウォ
ータロッド3に隣接する領域の燃料棒2cに含まれる回
収ウランよりも少なければよい。
【0049】このように発明の技術思想は、燃料集合体
の仕様や構造が異なっていても変わらない。従って、例
えば燃料棒2の配列が9行9列でなくとも、あるいは、
ウォータロッド3の形状が、図9(a)に示すように角
型形状の場合でもよく。また、図10(b)で示すように
軸方向長さの異なるタイプの短尺燃料棒(丸数字P)を
有する燃料集合体25であってもよい。
【0050】次に、上記構成による作用について説明す
る。本発明は、回収ウランに含まれるU-236の中性子吸
収効果を詳細に検討した結果に基づいてなされたもので
ある。上記したように燃料集合体の出力は、冷却材であ
る減速材が十分に存在する最外周で、特に最外周隅部近
辺の燃料棒2a,2bで高くなる傾向にある。そこで、
図5の燃料棒配置図に示すように、斜線で示す最外周燃
料棒2a,2bに含まれる回収ウランのU-236濃度をパ
ラメータとして局所出力の解析をした。
【0051】前記局所出力とは、ある断面における全て
の燃料棒2の出力平均に対する相対値であり、この結果
を図6のU-236濃度と最大局所出力変化量の関係の特性
図に示す。
【0052】これはU-235の濃縮度の値は全く変えず
に、単純にU-236を付加した条件において得られる局所
出力の最大値の変化量を示したもので、最外周の燃料棒
2a,2bに含まれるU-236の濃度が高くなるほど、燃
料集合体23における局所出力の最大値は減少する方向に
あり、この燃料集合体23の断面における出力分布は平坦
化することがわかる。
【0053】その理由としては、U-236の中性子吸収効
果によるものである。U-236は中性子の吸収体であり、
熱中性子に対する吸収断面積は2200mlsec の中性子に対
し5.2 バーンで、U-238の2.7 バーンに比べて大きいた
めである。
【0054】局所出力最大値が小さくなることで、即
ち、燃料集合体の断面における出力分布が平坦化するこ
とにより、原子炉運転時における線出力密度や限界出力
比等の熱的パラメータが改善される。なお前記バーンと
は、断面積を表す単位であり、1バーンは1×10-24
2である。
【0055】次に、炉停止余裕に関する作用について説
明する。原子炉における炉心内の反応度は、原子炉運転
時よりも原子炉停止時の方が大きくなる。従って炉停止
余裕とは、原子炉停止時において未臨界を維持すること
ができる能力である。
【0056】図7の燃料棒配置図に示すように、燃料集
合体24のウォータロッド3に隣接した領域の燃料棒2c
に、回収ウラン(斜線で示す)を使用したものである。
また、この回収ウランを使用した燃料棒2cにおける、
U-236の濃度をパラメータとした時の、原子炉運転時及
び原子炉停止時の中性子無限増倍率(k∞)の変化を図8
の特性図に示す。
【0057】これにより、U-236の濃度が高くなると、
中性子無限増倍率は原子炉運転時(Δk ∞hot ,点
線)、原子炉停止時(Δk ∞cold,実線)共に小さくな
って行くが、その効果は原子炉停止時(実線)の方が大
きいことが、その変化量から分かる。
【0058】即ち、原子炉運転時に対する原子炉停止時
の反応度が相対的に低くなっていることから、U-236の
濃度が高くなるほど、炉停止余裕が増加することがわか
る。この理由の一つは、上記局所出力の効果で説明した
ものと同様に、U-236の熱中性子吸収がU-238よりも大
きいことによるものである。
【0059】また、ウォータロッド3の領域及びその近
傍は、ウォータロッド3内を流れる減速材の効果によ
り、熱中性子束が局所的に高くなっている。従って、熱
中性子束の高い領域に回収ウランを装荷することによ
り、この回収ウランに含まれるU-236による熱中性子吸
収が効果的に行われる。
【0060】熱中性子束は高温である原子炉運転時より
も、低温で減速材が十分にある原子炉停止時の方が高く
なる。このために、燃料棒2内のU-236濃度を増やして
行くと、中性子無限増倍率は、原子炉運転時及び原子炉
停止時共に小さくなるが、減速材が十分で熱中性子束が
高い原子炉停止時の方が、その効果は大きく得られるこ
とになる。
【0061】もう一つの理由は、特にウォータロッド3
に隣接する燃料棒2cに、回収ウランを装荷することに
より得られる中性子遮蔽効果である。原子炉停止時に
は、全ての蒸気が水に戻ることから、燃料集合体は水で
覆われることになる。従って、ウォータロッド3の周囲
の冷却材領域も水で満たされ、ウォータロッド3の中の
冷却材の水と、その周囲の冷却材領域17の減速材である
水が結合して、大きな水領域を形成することから、これ
が効果的な中性子遮蔽体として作用する。
【0062】その理由としては、沸騰水型原子炉の運転
時は、水温は約286 度Cであり、蒸気が発生していない
状態の水密度は約0.74g/ccである。実際には燃料集合
体の上部においては蒸気が発生するので、蒸気と水の混
合体の密度は約 0.3g/ccになる。
【0063】一方、原子炉停止時の水密度は約 1.0g/
ccであることから、原子炉停止時においては、水中の熱
中性子移動距離は、原子炉運転時に比べて約3割( 0.3
/1.0 )にまで減少する。この結果により、前記した大
きな水領域を挟んだ両側において中性子の相互作用が減
少する。
【0064】この効果としては、ウォータロッド3に隣
接した燃料棒2cに回収ウランを装荷することによっ
て、前記大きな水領域に熱中性子吸収領域が結合する。
あるいは、前記大きな水領域の周囲を熱中性子吸収領域
が包囲することになり、中性子の移動はこの領域の両側
でさらに著しく妨げられることになる。
【0065】即ち、ウォータロッド3に隣接した燃料棒
2cに回収ウランを装荷することにより、原子炉停止時
においては、高い熱中性子束領域に存在しているU-236
による中性子吸収効果と、大きな水領域に熱中性子吸収
領域が結合する。あるいは、大きな水領域の周囲を熱中
性子吸収領域が包囲することにより、高められる中性子
遮蔽効果との相乗効果が得られる。
【0066】従って、ウォータロッド3に隣接する燃料
棒2cに回収ウランを装荷すると、その他の領域の燃料
棒2に回収ウランを装荷するよりも、炉停止余裕は効果
的に改善される。また、原子炉で炉停止余裕に支配的な
のは、原子炉停止時に反応度が特に高くなる軸方向上部
の領域であることから、ウォータロッド3に隣接した燃
料棒2cで軸方向下部よりも、上部の回収ウランの量を
多くすると一層効果がある。
【0067】このように、回収ウランを用いる場合に
は、最外周部とウォータロッドに隣接した燃料棒2a〜
2cについて、その他の領域の燃料棒2よりも回収ウラ
ンを多く用いることにする。なお、最外周部とウォータ
ロッド3に隣接している領域の燃料棒2a〜2cの、全
燃料棒2に占める割合は比較的に高いことから、容易に
燃料集合体当たりの回収ウランの割合を高めることがで
き、かつ、原子炉運転時の熱的余裕、及び原子炉停止時
の炉停止余裕を改善することができる。
【0068】第2実施の形態は請求項2に係り、上記第
1実施の形態と同様の作用及び効果について詳細な説明
は省略する。図9(a)の燃料棒配置図に示すように、
燃料集合体25においては、例えば9行9列に燃料棒2を
配置して、中央部に角型形状のウォータロッド3を1本
配している。
【0069】また燃料棒2については、図9(b)の燃
料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、軸方向に各種の
濃縮度分布に設計されたタイプのもの8種類を配置して
おり、斜線で示す回収ウランを内蔵したペレットは、当
該燃料集合体25内で用いている濃縮度の内の最高濃縮度
のペレットAより低い濃縮度のペレットBとして構成さ
れている。
【0070】上記構成による作用として、最高濃縮度の
ペレットA以外で、濃縮度の低いペレットBに限定して
回収ウランを用いる理由は、回収ウランを用いるとき
に、燃料集合体25について反応度補償して設計する場合
がある。これは、回収ウランに含まれるU-236の中性子
吸収効果によって、燃料集合体25としての反応度が減少
することから、濃縮度を高めることによりその分を補償
するためである。
【0071】しかし、上記したようにペレットの濃縮施
設及び加工施設における処理の問題から、現状採用され
ているペレットの最高濃縮度は4.9 wt%に制限されて
おり、既にその最高濃縮度を回収ウランに採用したペレ
ットでは、それ以上濃縮度を上げることができないこと
になる。
【0072】即ち、もしも燃料集合体25の内で、最高濃
縮度のペレットAに回収ウランを使用した場合に、現状
ではU-236の中性子吸収効果による反応度減少に対し
て、反応度補償設計を行うことができない。しかしなが
ら、本第2実施の形態によれば、最高濃縮度ペレットA
以外で、低い濃縮度のペレットBに対して回収ウランを
使用していることから、この濃縮度の余裕において反応
度補償の設計をすることができる。
【0073】第3実施の形態は請求項3に係り、上記第
1実施の形態と同様の作用及び効果についての詳細な説
明は省略する。図1(a)の燃料棒配置図に示すよう
に、燃料集合体20においては、図1(b)及び図2
(b)の燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、複数
のペレット8により軸方向に各種の濃縮度分布に設計さ
れたタイプの燃料棒2を配置している。
【0074】なお、前記各燃料棒2のうちで、ウォータ
ロッド3に隣接した燃料棒2cについては、その軸方向
で下部よりも上部において、斜線で示すように回収ウラ
ンを多くした構成としている。
【0075】上記構成による作用としては、原子炉にお
ける炉停止余裕が、燃料棒2の下部よりも上部において
厳しいことから、燃料棒2の上部に回収ウランを多く用
いることにより、炉停止余裕を大きく得ることができ
る。
【0076】第4実施の形態は請求項4に係り、上記第
1実施の形態と同様の作用及び効果についての詳細な説
明は省略する。図10と図1及び図4の燃料棒配置図及び
燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、各燃料集合体
20,22,26においては、いずれも最外周部の燃料棒2b
と最外周隅部の燃料棒2a(丸数字5)に、回収ウラン
が含まれた構成としている。
【0077】また、図3の燃料集合体21では、最外周部
の燃料棒2bにおいて回収ウランが含まれていない燃料
棒(丸数字2)もあるが、他の最外周部の燃料棒2b
(丸数字3,4)と最外周隅部の燃料棒2a(丸数字
5)に回収ウランを含んだ構成としている。
【0078】上記構成による作用としては、最外周部の
領域に配置する燃料棒2a,2bのうちでも、隅部の燃
料棒2aとそれに隣接した箇所にある燃料棒2bにおい
ては、周囲に減速材が他の箇所よりも十分にあり、従っ
て、局所出力が厳しくなる傾向にある。しかしながら、
前記のように局所出力が特に厳しくなる領域の燃料棒2
に、回収ウランを使用することにより、その中性子吸収
効果により、局所出力を改善することができる。
【0079】第5実施の形態は請求項5に係り、上記第
1実施の形態と同様の作用及び効果についての詳細な説
明は省略する。図11(a)の燃料棒配置図及び(b)の
燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、燃料集合体27
においては、燃料棒2(丸数字1,2)に回収ウランが
含まれているが、使用しているペレット8は、ペレット
Aの1種類のみである。
【0080】また、図12(a)の燃料棒配置図及び
(b)の燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すように、燃料
集合体28においては、燃料棒2(丸数字2,3)に回収
ウランが含まれているが、ペレットBのみの1種類であ
る。従って、燃料集合体27,28においては、いずれも回
収ウランが含まれたペレットが、それぞれ同一濃縮度の
1種類に限定された構成としている。
【0081】次に、上記構成による作用について説明す
る。燃料集合体27,28のそれぞれでは、回収ウランを含
むペレット8が、例えばペレットA、あるいはペレット
Bの同じ濃縮度の1種類に限定されているので、いずれ
の燃料集合体27,28においても、回収ウランを含むペレ
ット8を多種類製造する必要がないことから、ペレット
加工にかかる手間が省けるという効果がある。
【0082】また、図11及び図12に示すような大型の角
型形状のウォータロッド3を用いることにより、ウォー
タロッド3の周囲領域の中性子スペクトルと、燃料集合
体27,28の最外周領域の中性子スペクトルが類似してく
る。これにより、例えば図12に示す燃料棒(丸数字2)
のように、ウォータロッド3を囲む燃料棒2cと、最外
周部の燃料棒2bとで同じ燃料棒を使用することが可能
になる。
【0083】即ち、燃料集合体28におていは、回収ウラ
ンを用いるペレットBは1種類に限定されている場合で
あっても、設計(例えばウォータロッド3の形状)を工
夫することによって、燃料集合体28内の回収ウランの割
合を高くすることができるという好適例である。
【0084】第6実施の形態は請求項6に係り、上記第
1実施の形態及び第5実施の形態と同様の作用及び効果
についての詳細な説明は省略する。図12に示すように燃
料集合体28においては、燃料棒2(丸数字2,3)に回
収ウランが含まれているが、このペレットはペレットB
のみの1種類に限定した構成としている。
【0085】上記の構成によれば、燃料集合体28におい
ては、上記第2実施の形態で説明したと同様の作用によ
る反応度補償の設計し易さと、第5実施の形態における
作用による製造上の加工にかかる手間が省けるという、
両方を兼ね備えた効果が得られる。
【0086】第7実施の形態は請求項7に係り、上記第
1実施の形態及び第5実施の形態と同様の作用及び効果
についての詳細な説明は省略する。図13(a)の燃料棒
配置図及び(b)の燃料棒軸方向濃縮度分布図に示すよ
うに、燃料集合体29においては、燃料棒2に回収ウラン
が含まれているが(丸数字2,P)、この燃料棒2に充
填する回収ウランを含むペレットを、最も使用割合が高
いペレットBのみの1種類に限定した構成としている。
【0087】上記構成による作用としては、上記第5実
施の形態と同様に、回収ウランを含むペレット8をペレ
ットBの1種類に限定することで、回収ウランが含まれ
ているペレット8を多種類製造する必要がなく、加工の
手間が省けるという利点がある。
【0088】また、限定した1種類のぺレットBは、当
該燃料集合体29内で最も多量に使用されることから、回
収ウランの利用効果を向上することができる。なお、図
13(b)に示す燃料棒2(丸数字2,P)において、そ
れぞれ複数充填するぺレットBの内で、一部に回収ウラ
ンを含まないものがあっても、前記と同様の作用と効果
が得られるものである。
【0089】
【発明の効果】以上本発明によれば、燃料集合体におい
て減速材が十分にあり、局部的に出力が高くなる傾向に
ある最外周部領域と、ウォータロッドに隣接する領域に
配置する燃料棒に対して、使用済燃料の再処理により得
られた回収ウランを含むペレットを使用する。また、前
記最外周領域の全ての燃料棒が含む回収ウラン量と、前
記ウォータロッドに隣接する領域の全ての燃料棒が含む
回収ウラン量は、それぞれ、その他の領域の全ての燃料
棒が含む回収ウラン量よりも多くしている。
【0090】これにより、特に高燃焼度化を目指した沸
騰水型原子炉用の燃料集合体において、回収ウランを多
く利用して資源の有効活用をすることができると共に、
原子炉運転時の熱的余裕と原子炉停止時の炉停止余裕が
改善されることから、原子力発電所における運転信頼性
と経済性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施の形態及び第3実施の形
態の燃料集合体で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃
料棒軸方向濃縮度分布図。
【図2】本発明に係る第1実施の形態の燃料集合体で、
(a),(b)は燃料棒軸方向濃縮度分布図。
【図3】本発明に係る第1実施の形態の他の燃料集合体
で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮
度分布図。
【図4】本発明に係る第1実施の形態のその他の燃料集
合体で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向
濃縮度分布図。
【図5】本発明に係る燃料集合体で、中性子吸収効果に
関する燃料棒配置図。
【図6】本発明に係り、U-236濃度と最大局所出力変化
量の特性図。
【図7】本発明に係る燃料集合体で、中性子吸収効果に
関する燃料棒配置図。
【図8】本発明に係り、U-236濃度と中性子無限増倍率
変化の特性図。
【図9】本発明に係る第2実施の形態の燃料集合体で、
(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮度分
布図。
【図10】本発明に係る第4実施の形態の燃料集合体
で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮
度分布図。
【図11】本発明に係る第5実施の形態の燃料集合体
で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮
度分布図。
【図12】本発明に係る第6実施の形態の燃料集合体
で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮
度分布図。
【図13】本発明に係る第7実施の形態の燃料集合体
で、(a)は燃料棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮
度分布図。
【図14】燃料集合体で、(a)は縦断面図、(b)は
(a)におけるa−a矢視断面図。
【図15】燃料棒の一部切り欠き正面図。
【図16】原子炉における燃料集合体セルの要部拡大平
面図。
【図17】従来の燃料集合体で、(a)は燃料棒配置
図、(b)は燃料棒軸方向濃縮度分布図。
【図18】従来の高燃焼度燃料集合体で、(a)は燃料
棒配置図、(b)は燃料棒軸方向濃縮度分布図。
【符号の説明】
1,18〜29…燃料集合体、2…燃料棒、2a…最外周端
部の燃料棒、2b…最外周部の燃料棒、2c…ウォータ
ロッドに隣接した燃料棒、3…ウォータロッド、4…燃
料スペーサ、5…上部タイプレート、6…下部タイプレ
ート、7…チャンネルボックス、8…ペレット、9…被
覆管、10…上部端栓、11…下部端栓、12…プレナム、13
…スプリング、14…制御棒、15…セル、16…中性子検出
器計装管、17…冷却材領域。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核燃料物質を内蔵したペレットを軸方向
    に複数充填して構成する燃料棒の複数本を正方格子状に
    束ねて中央部に少なくとも1本のウォータロッドを配し
    た原子炉用燃料集合体において、前記ウォータロッドに
    隣接する領域にある燃料棒のうち少なくとも1本の燃料
    棒と最外周領域にある燃料棒のうち少なくとも1本の燃
    料棒に使用済燃料の再処理により得られた回収ウランを
    含むと共に、前記ウォータロッドに隣接する領域の全て
    の燃料棒が含む回収ウラン量と前記最外周領域の全ての
    燃料棒が含む回収ウラン量が、それぞれその他の領域の
    全ての燃料棒が含む回収ウラン量よりも多いことを特徴
    とする燃料集合体。
  2. 【請求項2】 前記燃料集合体において、回収ウランを
    内蔵したペレットの濃縮度が、当該燃料集合体で使用さ
    れるペレットの最高濃縮度より低いことを特徴とする請
    求項1記載の燃料集合体。
  3. 【請求項3】 前記燃料集合体において、前記ウォータ
    ロッドに隣接する領域の燃料棒における回収ウランは、
    燃料棒下部よりも上部に多く存在することを特徴とする
    請求項1記載の燃料集合体。
  4. 【請求項4】 前記燃料集合体において、回収ウランが
    最外周領域の隅部または最外周領域の隅部に隣接した少
    なくとも1本の燃料棒に存在することを特徴とする請求
    項1記載の燃料集合体。
  5. 【請求項5】 前記燃料集合体において、回収ウランを
    内蔵したペレットの濃縮度が1種類であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2記載の燃料集合体。
  6. 【請求項6】 前記燃料集合体において、回収ウランを
    内蔵したペレットの濃縮度が、当該燃料集合体で使用さ
    れるペレットの濃縮度のうちで2番目に高いことを特徴
    とする請求項5記載の燃料集合体。
  7. 【請求項7】 前記燃料集合体において、回収ウランを
    内蔵したペレットの濃縮度が当該燃料集合体で使用され
    るペレットにおける濃縮度のうちで最多使用の濃縮度で
    あることを特徴とする請求項5記載の燃料集合体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018186039A1 (ja) * 2017-04-05 2018-10-11 株式会社日立製作所 燃料集合体及び燃料集合体の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018186039A1 (ja) * 2017-04-05 2018-10-11 株式会社日立製作所 燃料集合体及び燃料集合体の製造方法

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