JP2739515B2 - 沸騰水型原子炉 - Google Patents
沸騰水型原子炉Info
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- JP2739515B2 JP2739515B2 JP2064346A JP6434690A JP2739515B2 JP 2739515 B2 JP2739515 B2 JP 2739515B2 JP 2064346 A JP2064346 A JP 2064346A JP 6434690 A JP6434690 A JP 6434690A JP 2739515 B2 JP2739515 B2 JP 2739515B2
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- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は沸騰水型原子炉に関するものであり、燃料設
計のフレキシビリティ、特に原子炉停止余裕と、余剰反
応度と、出力ピーキングの抑制との改善に関するもので
ある。
計のフレキシビリティ、特に原子炉停止余裕と、余剰反
応度と、出力ピーキングの抑制との改善に関するもので
ある。
[従来の技術] 沸騰水型原子炉(BWR)においては、余剰反応度の抑
制と炉停止余裕の確保のため、燃料物質(二酸化ウラン
UO2)と可燃性毒物(一般にガドリニウムの酸化物:ガ
ドリニアGd2O3)とを混合した可燃性毒物入り燃料(ガ
ドリニア入り燃料棒)を燃料棒の一部に用いている。
制と炉停止余裕の確保のため、燃料物質(二酸化ウラン
UO2)と可燃性毒物(一般にガドリニウムの酸化物:ガ
ドリニアGd2O3)とを混合した可燃性毒物入り燃料(ガ
ドリニア入り燃料棒)を燃料棒の一部に用いている。
原子炉の連続運転には、ある量の余剰反応度が必要で
あるが、この余剰反応度は、燃料の燃焼とともに低下
し、通常の連続運転の末期で丁度零となるように燃料の
炉心構成が行なわれる。即ち、燃焼の進んだ燃料集合体
を定期的に新燃料に取替えることによって引き続き連続
運転に必要な余剰反応度を確保する。典型的な原子炉運
転計画は、12ケ月の連続運転と3ケ月の定検停止を1単
位サイクルとし、1サイクル当たりの取替新燃料集合体
数は、全炉心燃料集合体数(1100MWe級原子炉で約800
体)のほぼ1/3である。
あるが、この余剰反応度は、燃料の燃焼とともに低下
し、通常の連続運転の末期で丁度零となるように燃料の
炉心構成が行なわれる。即ち、燃焼の進んだ燃料集合体
を定期的に新燃料に取替えることによって引き続き連続
運転に必要な余剰反応度を確保する。典型的な原子炉運
転計画は、12ケ月の連続運転と3ケ月の定検停止を1単
位サイクルとし、1サイクル当たりの取替新燃料集合体
数は、全炉心燃料集合体数(1100MWe級原子炉で約800
体)のほぼ1/3である。
このような燃料取替によってサイクル初期に与えられ
る余剰反応度は、サイクル長さにもよるが12ケ月連続運
転の場合は約10%△Kとなり、その大部分は新燃料の可
燃性毒物の中性子吸収作用によって抑制される。残りの
余剰反応度は制御棒によって抑制され、定格出力運転状
態で炉心の余剰反応度が丁度零となるように制御棒の挿
入量の調整が行われる。この制御棒の操作余裕は1〜2
%△Kが適切であり、この範囲を超えても運転は可能で
あるが、出力ピーキングの抑制、原子炉停止時の反応度
の抑制(停止余裕の確保)を適切に行うことが困難にな
る。
る余剰反応度は、サイクル長さにもよるが12ケ月連続運
転の場合は約10%△Kとなり、その大部分は新燃料の可
燃性毒物の中性子吸収作用によって抑制される。残りの
余剰反応度は制御棒によって抑制され、定格出力運転状
態で炉心の余剰反応度が丁度零となるように制御棒の挿
入量の調整が行われる。この制御棒の操作余裕は1〜2
%△Kが適切であり、この範囲を超えても運転は可能で
あるが、出力ピーキングの抑制、原子炉停止時の反応度
の抑制(停止余裕の確保)を適切に行うことが困難にな
る。
前述の通り、可燃性毒物は原子炉の余剰反応度の大部
分を抑制するものであり、制御棒の操作余裕1〜2%△
Kを残してサイクル毎の余剰反応度を適切に制御する重
要な設計要素である。しかもこの場合、余剰反応度はサ
イクル長さに応じた新燃料の装荷割合によって変動し、
更に燃料の製造は濃縮ウランの手配から完成まで2年以
上を要するため、原子炉プラント機器のトラブル等によ
る運転計画変更に柔軟に対応する燃料設計を準備しなけ
ればならない。
分を抑制するものであり、制御棒の操作余裕1〜2%△
Kを残してサイクル毎の余剰反応度を適切に制御する重
要な設計要素である。しかもこの場合、余剰反応度はサ
イクル長さに応じた新燃料の装荷割合によって変動し、
更に燃料の製造は濃縮ウランの手配から完成まで2年以
上を要するため、原子炉プラント機器のトラブル等によ
る運転計画変更に柔軟に対応する燃料設計を準備しなけ
ればならない。
従来、サイクル長さの計画的変更に対して燃料設計の
フレキシビリティーを持たせる方法として可燃性毒物
(ガドリニア)の設計を変えた2種類の新燃料を用いる
方法、所謂2ストリーム法が知られている。例えば特開
昭58−178286号公報に示された方法においては、原子炉
停止余裕に着目して、燃料集合体の交換割合を全炉心燃
料の約1/3以上とした炉心で新燃料集合体を1つの制御
棒のまわりに2体装荷する場合には1体は他より可燃性
毒物入り燃料棒が1本多い燃料集合体を用い、さらに燃
料交換割合が全炉心燃料の50%以上とした炉心で新燃料
集合体を1つの制御棒のまわりに3体装荷する場合には
1体は他より可燃性毒物入り燃料棒が1本多い燃料集合
体を用いている。また、特開昭62−250393号公報に示さ
れた方法においては、原子炉の運転サイクル長さに着目
して、原子炉に装荷される新燃料集合体を2種類とし、
そのうち一方の種類の燃料集合体の可燃性毒物濃度を他
方の種類の燃料集合体のそれよりも少なくしている。
フレキシビリティーを持たせる方法として可燃性毒物
(ガドリニア)の設計を変えた2種類の新燃料を用いる
方法、所謂2ストリーム法が知られている。例えば特開
昭58−178286号公報に示された方法においては、原子炉
停止余裕に着目して、燃料集合体の交換割合を全炉心燃
料の約1/3以上とした炉心で新燃料集合体を1つの制御
棒のまわりに2体装荷する場合には1体は他より可燃性
毒物入り燃料棒が1本多い燃料集合体を用い、さらに燃
料交換割合が全炉心燃料の50%以上とした炉心で新燃料
集合体を1つの制御棒のまわりに3体装荷する場合には
1体は他より可燃性毒物入り燃料棒が1本多い燃料集合
体を用いている。また、特開昭62−250393号公報に示さ
れた方法においては、原子炉の運転サイクル長さに着目
して、原子炉に装荷される新燃料集合体を2種類とし、
そのうち一方の種類の燃料集合体の可燃性毒物濃度を他
方の種類の燃料集合体のそれよりも少なくしている。
第3図には、従来よりBWRで実用に供されている8×
8型燃料集合体が炉心に装荷された状態の横断面図で示
されている。
8型燃料集合体が炉心に装荷された状態の横断面図で示
されている。
図において、全体を符号80で示される8×8型燃料集
合体(以下、“従来型8×8燃料”と称する)は、No.1
〜No.62の計62本の燃料棒81と、内部に燃料物質を含ま
ず中空で冷却水を流通する二本のウォータロッドWとを
8行8列の正方格子状に配列し、これらをジルカロイ製
のチャンネルボックス10に収めたものであり、図示のよ
うに十字型制御棒1及び計装管iに隣接して原子炉に装
荷される。原子炉の出力運転中は、冷却水(冷却材)が
燃料集合体内外を下部から上部に向って流れ、燃料棒81
の発生熱を除去する。その際、冷却材流路はチャンネル
ボックス10によりインチャンネル領域Iとバイパス領域
Bとに区分されるが、原子炉の出力運転中に発生する熱
量のうち、約98%は燃料の核分裂に伴ってインチャンネ
ル領域Iに発生する。この熱量は、炉心流量の約90%を
インチャンネル領域Iに流すことにより除去される。
合体(以下、“従来型8×8燃料”と称する)は、No.1
〜No.62の計62本の燃料棒81と、内部に燃料物質を含ま
ず中空で冷却水を流通する二本のウォータロッドWとを
8行8列の正方格子状に配列し、これらをジルカロイ製
のチャンネルボックス10に収めたものであり、図示のよ
うに十字型制御棒1及び計装管iに隣接して原子炉に装
荷される。原子炉の出力運転中は、冷却水(冷却材)が
燃料集合体内外を下部から上部に向って流れ、燃料棒81
の発生熱を除去する。その際、冷却材流路はチャンネル
ボックス10によりインチャンネル領域Iとバイパス領域
Bとに区分されるが、原子炉の出力運転中に発生する熱
量のうち、約98%は燃料の核分裂に伴ってインチャンネ
ル領域Iに発生する。この熱量は、炉心流量の約90%を
インチャンネル領域Iに流すことにより除去される。
また、この従来型8×8燃料80の全体的な構造は第4
図に示す通りである。
図に示す通りである。
第4図において、燃料棒81とウォータロッドWの上下
部端栓(図示せず)は、ステンレス鋼製の上部タイプレ
ート2及び下部タイプレート3によって夫々固定され
る。また、集合体に沿って一定間隔で支持格子Sが配さ
れており、燃料棒間隔が一定に保たれるようになってい
る。
部端栓(図示せず)は、ステンレス鋼製の上部タイプレ
ート2及び下部タイプレート3によって夫々固定され
る。また、集合体に沿って一定間隔で支持格子Sが配さ
れており、燃料棒間隔が一定に保たれるようになってい
る。
第5図は、燃料棒81の内部構造を示し、燃料物質82が
ジルカロイ製の被覆管83中に装填されており、被覆管83
の両端はジルカロイ製の上部端栓84及び下部端栓85によ
り密封されている。なお、燃料棒81内には、燃料物質の
移動を防止するためのスプリング86を配した自由空間
(プレナム領域)が設けられている。このプレナム領域
の容積は、燃料から発生した核分裂生成ガスを蓄積し、
燃焼が進んだ際の燃料棒81の内圧が過大にならないよう
に調整する役割を有する。
ジルカロイ製の被覆管83中に装填されており、被覆管83
の両端はジルカロイ製の上部端栓84及び下部端栓85によ
り密封されている。なお、燃料棒81内には、燃料物質の
移動を防止するためのスプリング86を配した自由空間
(プレナム領域)が設けられている。このプレナム領域
の容積は、燃料から発生した核分裂生成ガスを蓄積し、
燃焼が進んだ際の燃料棒81の内圧が過大にならないよう
に調整する役割を有する。
第6図は、従来の燃料集合体のガドリニア入り燃料棒
の配置を示す断面図である。この例では、7本のガドリ
ニア入り燃料棒Gを用いている。
の配置を示す断面図である。この例では、7本のガドリ
ニア入り燃料棒Gを用いている。
また第7図は、可燃性毒物(ガドリニア)の余剰反応
度抑制効果を示す線図であり、点線の可燃性毒物のない
仮想的な燃料を用いたときの余剰反応度が、可燃性毒物
を用いることによって実線の余剰反応度に低下して抑制
されることを示している。
度抑制効果を示す線図であり、点線の可燃性毒物のない
仮想的な燃料を用いたときの余剰反応度が、可燃性毒物
を用いることによって実線の余剰反応度に低下して抑制
されることを示している。
原子炉の運転サイクル末期においては、可燃性毒物の
効果が消滅していないとサイクル燃焼度の損失が生じる
ため、これを避けるために可燃性毒物の濃度を適切に選
ぶ必要があるが、例えばサイクル燃焼度10,000MWd/tに
対して最大約5wt%程度の可燃性毒物濃度が適当であ
る。
効果が消滅していないとサイクル燃焼度の損失が生じる
ため、これを避けるために可燃性毒物の濃度を適切に選
ぶ必要があるが、例えばサイクル燃焼度10,000MWd/tに
対して最大約5wt%程度の可燃性毒物濃度が適当であ
る。
一方、サイクル初期の余剰反応度は、可燃性毒物入り
燃料棒の本数を選ぶことによって所望値に抑制すること
ができる。8×8型燃料の場合、ガドリニア等の可燃性
毒物入り燃料棒1本あたりの反応度抑制効果は約3%△
Kであり、前述のように7本の可燃性毒物入り燃料棒を
用いる場合は、約20%△Kのサイクル初期の余剰反応度
を抑制することができる。但し、新燃料の装荷割合が約
1/3の場合は、原子炉の余剰反応度の抑制量は約7%△
Kである。
燃料棒の本数を選ぶことによって所望値に抑制すること
ができる。8×8型燃料の場合、ガドリニア等の可燃性
毒物入り燃料棒1本あたりの反応度抑制効果は約3%△
Kであり、前述のように7本の可燃性毒物入り燃料棒を
用いる場合は、約20%△Kのサイクル初期の余剰反応度
を抑制することができる。但し、新燃料の装荷割合が約
1/3の場合は、原子炉の余剰反応度の抑制量は約7%△
Kである。
[発明が解決しようとする課題] 前述の先行する特開昭58−178286号公報及び特開昭62
−250393号公報に開示された技術は、いずれも原子炉停
止余裕と余剰反応度だけに着目したものであり、サイク
ル長さの変動に対する炉心設計のフレキシビリティーを
満足するうえで重要な熱的性能に係る出力ピーキング特
性の改善を意図したものではない。しかしながら現実の
BWRの連続運転では、個々のサイクル長さの変動によっ
て出力分布の変動が生じ、出力ピーキングが発生すると
いう別の問題がある。
−250393号公報に開示された技術は、いずれも原子炉停
止余裕と余剰反応度だけに着目したものであり、サイク
ル長さの変動に対する炉心設計のフレキシビリティーを
満足するうえで重要な熱的性能に係る出力ピーキング特
性の改善を意図したものではない。しかしながら現実の
BWRの連続運転では、個々のサイクル長さの変動によっ
て出力分布の変動が生じ、出力ピーキングが発生すると
いう別の問題がある。
また、前述特開昭58−178286号公報及び特開昭62−25
0393号公報に示された方法では、可燃性毒物の濃度と可
燃性毒物入り燃料棒の本数が異なる2種類の燃料を組み
合せることによって新燃料を構成し、サイクル長さの計
画的変更に対処しているが、これらの方法は、単にガド
リニアの濃度とガドリニア入り燃料棒の本数を組み合せ
ただけであり、以下に述べるサイクル長さの計画外の変
更による出力ピーキングの発生を抑制するには効果がな
い。
0393号公報に示された方法では、可燃性毒物の濃度と可
燃性毒物入り燃料棒の本数が異なる2種類の燃料を組み
合せることによって新燃料を構成し、サイクル長さの計
画的変更に対処しているが、これらの方法は、単にガド
リニアの濃度とガドリニア入り燃料棒の本数を組み合せ
ただけであり、以下に述べるサイクル長さの計画外の変
更による出力ピーキングの発生を抑制するには効果がな
い。
通常、原子炉の定検格子(原子炉起動)から定検開始
(原子炉停止)の間の期間長は原子炉機器の点検を優先
して定められ、したがって安全のため一定の標準的な運
転期間を大幅に超えることはない。一方、原子炉の稼動
率を高めるためには、連続運転期間は長いほど良い。こ
れらの二つのことを考慮すれば、原子炉の計画的運転サ
イクル長さは自ずと決まり、特開昭58−178286号公報及
び特開昭62−250393号公報で想定している運転期間(サ
イクル長さ)の計画的変更は現実には稀である。即ち、
目標とする運転期間を固定すればサイクル燃焼度が決ま
り、それによって可燃性毒物の濃度も一義的に決定され
る。従って、現実的な観点から見ると、特に特開昭62−
250393号で述べているような異なる濃度の可燃性毒物を
用いた2種類の燃料を準備する必要性は小さい。
(原子炉停止)の間の期間長は原子炉機器の点検を優先
して定められ、したがって安全のため一定の標準的な運
転期間を大幅に超えることはない。一方、原子炉の稼動
率を高めるためには、連続運転期間は長いほど良い。こ
れらの二つのことを考慮すれば、原子炉の計画的運転サ
イクル長さは自ずと決まり、特開昭58−178286号公報及
び特開昭62−250393号公報で想定している運転期間(サ
イクル長さ)の計画的変更は現実には稀である。即ち、
目標とする運転期間を固定すればサイクル燃焼度が決ま
り、それによって可燃性毒物の濃度も一義的に決定され
る。従って、現実的な観点から見ると、特に特開昭62−
250393号で述べているような異なる濃度の可燃性毒物を
用いた2種類の燃料を準備する必要性は小さい。
本発明は、前述の従来技術で想定しているような計画
的な運転サイクルの変更ではなく、計画外の原子炉停止
に起因する運転期間の変動に対処すべくなされたもので
ある。このような計画外の運転期間の変動は、次サイク
ルの炉心構成に対し、一定の計画的運転を順調に継続し
た場合に比べて余剰反応度特性、原子炉停止余裕、出力
ピーキングの特性を大幅に悪化させる。
的な運転サイクルの変更ではなく、計画外の原子炉停止
に起因する運転期間の変動に対処すべくなされたもので
ある。このような計画外の運転期間の変動は、次サイク
ルの炉心構成に対し、一定の計画的運転を順調に継続し
た場合に比べて余剰反応度特性、原子炉停止余裕、出力
ピーキングの特性を大幅に悪化させる。
すなわち、本発明の目的は、或るサイクル長さに対し
て計画的に構成された原子炉が原子炉プラントの機器の
故障等によりサイクル途中で停止を余儀なくされる場合
のように、計画外の運転期間の変動に対して次サイクル
の炉心構成を通常の運転長さで、且つ既に準備された燃
料の組み合せで無理なく達成できるようにし、また前サ
イクルが何らかの計画外の理由により、予め構成された
炉心のサイクル燃焼度を超えて延長運転(ストレッチ運
転)された場合についても、同様に次サイクルの炉心構
成を無理なく達成できるようにすることである。
て計画的に構成された原子炉が原子炉プラントの機器の
故障等によりサイクル途中で停止を余儀なくされる場合
のように、計画外の運転期間の変動に対して次サイクル
の炉心構成を通常の運転長さで、且つ既に準備された燃
料の組み合せで無理なく達成できるようにし、また前サ
イクルが何らかの計画外の理由により、予め構成された
炉心のサイクル燃焼度を超えて延長運転(ストレッチ運
転)された場合についても、同様に次サイクルの炉心構
成を無理なく達成できるようにすることである。
[課題を解決するための手段] 本発明によれば、あらかじめ準備された2種類の可燃
性毒物入り燃料棒の設計の異なる2タイプの燃料集合体
に特別な工夫を行うことによって、サイクル長さの変動
が生じて炉心特性の悪化が生じても次サイクルの炉心構
成が無理なく達成することが可能となる。
性毒物入り燃料棒の設計の異なる2タイプの燃料集合体
に特別な工夫を行うことによって、サイクル長さの変動
が生じて炉心特性の悪化が生じても次サイクルの炉心構
成が無理なく達成することが可能となる。
すなわち、本願の特定発明に係る沸騰水型原子炉で
は、複数本の燃料棒を正方格子状に配置してなる燃料集
合体を炉心に装荷したものにおいて、前記燃料集合体が
第1タイプと第2タイプとの2タイプの燃料集合体から
なっている。前記第1タイプの燃料集合体には第1と第
2の2種類の可燃性毒物入り燃料棒が含まれ、第1種類
の可燃性毒物入り燃料棒には上下端を除く大部分におい
て可燃性毒物入り酸化物燃料が装填され、第2種類の可
燃性毒物入り燃料棒には下端を除く燃料棒下部約1/2の
長さの領域にのみ可燃性毒物入り酸化物燃料が装填され
ている。また、前記第2タイプの燃料集合体には、前記
第1種類の可燃性毒物入り燃料棒と同様の1種類の可燃
性毒物入り燃料棒が、前記第1タイプの燃料集合体より
も燃料棒相当本数にして相対的に多い本数で複数本含ま
れている。
は、複数本の燃料棒を正方格子状に配置してなる燃料集
合体を炉心に装荷したものにおいて、前記燃料集合体が
第1タイプと第2タイプとの2タイプの燃料集合体から
なっている。前記第1タイプの燃料集合体には第1と第
2の2種類の可燃性毒物入り燃料棒が含まれ、第1種類
の可燃性毒物入り燃料棒には上下端を除く大部分におい
て可燃性毒物入り酸化物燃料が装填され、第2種類の可
燃性毒物入り燃料棒には下端を除く燃料棒下部約1/2の
長さの領域にのみ可燃性毒物入り酸化物燃料が装填され
ている。また、前記第2タイプの燃料集合体には、前記
第1種類の可燃性毒物入り燃料棒と同様の1種類の可燃
性毒物入り燃料棒が、前記第1タイプの燃料集合体より
も燃料棒相当本数にして相対的に多い本数で複数本含ま
れている。
さらに請求項2に記載の発明に係る沸騰水型原子炉で
は、前記第1タイプおよび第2タイプの燃料集合体に含
まれる第1種類の可燃性毒物入り燃料棒がその長さの約
1/2を境界として上下2領域に分けられており、上部は
下部にくらべて低濃度の可燃性毒物を含有するととも
に、前記第1タイプの燃料集合体に含まれる前記第2種
類の可燃性毒物入り燃料棒の本数が複数本とされてい
る。
は、前記第1タイプおよび第2タイプの燃料集合体に含
まれる第1種類の可燃性毒物入り燃料棒がその長さの約
1/2を境界として上下2領域に分けられており、上部は
下部にくらべて低濃度の可燃性毒物を含有するととも
に、前記第1タイプの燃料集合体に含まれる前記第2種
類の可燃性毒物入り燃料棒の本数が複数本とされてい
る。
[作 用] 以下、説明を簡単にするため、原子炉は燃焼初期の平
均濃縮度が約3.0wt%の764体の燃料集合体で構成され、
連続運転月数の計画値を13ケ月とした場合を例に挙げて
述べる。このときサイクル燃焼度は約9800MWd/t、サイ
クル毎の燃料集合体の取替体数は240体(約30%)で目
標の13ケ月運転を達成できる。
均濃縮度が約3.0wt%の764体の燃料集合体で構成され、
連続運転月数の計画値を13ケ月とした場合を例に挙げて
述べる。このときサイクル燃焼度は約9800MWd/t、サイ
クル毎の燃料集合体の取替体数は240体(約30%)で目
標の13ケ月運転を達成できる。
今、このように構成された原子炉の運転が原子炉プラ
ントのトラブルにより計画値の2ケ月前で停止した場合
を想定すると、余剰反応度が約1%△K(1500MWd/tの
サイクル燃焼度相当)残った状態で原子炉が停止される
ことになる。この状態で燃料取替を行うとすれば、次の
サイクルの運転月数を13月とすると新燃料の数は240体
よりも少なくて良い。しかしながら、燃料の反応度は例
えば第8図に示すように燃焼度に対して複雑に変化す
る。第8図は、典型的な例として燃料の平均濃縮度約3.
0%、ガドリニア入り燃料棒本数7本、ガドリニア濃度
約4wt%の燃料の出力運転状態(減速材ボイド体積率40
%)における燃焼度と無限増倍係数の変化を示してお
り、新燃料の燃焼初期における反応度は小さく、燃焼が
進むに従って反応度が上昇し、次いで低下することを示
している。このように燃料の反応度は燃焼度に対して非
線形に変化するため、新燃料の装荷割合が変ると余剰反
応度の燃焼初期の値が大きく変化し、原子炉停止余裕も
変ることになる。一般に可燃性毒物入り燃料棒本数を1
種類(例えば集合体当たり8本)とした燃料設計による
場合、前述のように前サイクル早期停止の条件で次サイ
クルを計画通りに運転すると、炉停止余裕は厳しくな
る。これに対処すべく本発明では前述第2タイプの燃料
集合体として可燃性毒物入り燃料棒の本数を相対的に多
くした(例えば9本)燃料集合体を用いるものである。
ントのトラブルにより計画値の2ケ月前で停止した場合
を想定すると、余剰反応度が約1%△K(1500MWd/tの
サイクル燃焼度相当)残った状態で原子炉が停止される
ことになる。この状態で燃料取替を行うとすれば、次の
サイクルの運転月数を13月とすると新燃料の数は240体
よりも少なくて良い。しかしながら、燃料の反応度は例
えば第8図に示すように燃焼度に対して複雑に変化す
る。第8図は、典型的な例として燃料の平均濃縮度約3.
0%、ガドリニア入り燃料棒本数7本、ガドリニア濃度
約4wt%の燃料の出力運転状態(減速材ボイド体積率40
%)における燃焼度と無限増倍係数の変化を示してお
り、新燃料の燃焼初期における反応度は小さく、燃焼が
進むに従って反応度が上昇し、次いで低下することを示
している。このように燃料の反応度は燃焼度に対して非
線形に変化するため、新燃料の装荷割合が変ると余剰反
応度の燃焼初期の値が大きく変化し、原子炉停止余裕も
変ることになる。一般に可燃性毒物入り燃料棒本数を1
種類(例えば集合体当たり8本)とした燃料設計による
場合、前述のように前サイクル早期停止の条件で次サイ
クルを計画通りに運転すると、炉停止余裕は厳しくな
る。これに対処すべく本発明では前述第2タイプの燃料
集合体として可燃性毒物入り燃料棒の本数を相対的に多
くした(例えば9本)燃料集合体を用いるものである。
一方、13ケ月運転仕様で構成された原子炉の運転が何
らかの計画変更により2ケ月延長して運転(ストレッチ
運転)された場合、前述の早期停止の場合と反対に余剰
反応度が約1%△K不足した状態で原子炉が停止され
る。この運転は、サイクル末期で定格出力が出ない部分
負荷状態で行われる、いわゆるコーストダウン運転であ
る。
らかの計画変更により2ケ月延長して運転(ストレッチ
運転)された場合、前述の早期停止の場合と反対に余剰
反応度が約1%△K不足した状態で原子炉が停止され
る。この運転は、サイクル末期で定格出力が出ない部分
負荷状態で行われる、いわゆるコーストダウン運転であ
る。
この場合、次サイクルの13ケ月運転に対して新燃料の
装荷数は240体よりも増加する。しかしながら、第8図
に示したように新燃料の反応度が燃焼初期に小さいた
め、サイクル初期の余剰反応度が小さくなり過ぎること
になり、余剰反応度が零よりも小さくなるとサイクル初
期に定格出力を達成できない不都合が生じる。したがっ
て、本発明ではこれに対処すべく前述第1タイプの燃料
集合体として可燃性毒物入り燃料棒の本数が相対的に少
ない(例えば7本)燃料集合体を用いるものである。
装荷数は240体よりも増加する。しかしながら、第8図
に示したように新燃料の反応度が燃焼初期に小さいた
め、サイクル初期の余剰反応度が小さくなり過ぎること
になり、余剰反応度が零よりも小さくなるとサイクル初
期に定格出力を達成できない不都合が生じる。したがっ
て、本発明ではこれに対処すべく前述第1タイプの燃料
集合体として可燃性毒物入り燃料棒の本数が相対的に少
ない(例えば7本)燃料集合体を用いるものである。
このようにして、サイクル長さの計画値からの変動に
対してガドリニア入り燃料棒の本数の異なる2タイプの
燃料集合体を準備しておき、次サイクルの炉心構成を2
タイプの燃料集合体の構成割合を調整することによって
無理なく達成しようとするのであるが、この方法だけで
は原子炉停止余裕と余剰反応度に対しては有効であるが
出力ピーキングに対する対策には不足する。つまり、余
剰反応度が変動すると制御棒挿入量が変るため、特に余
剰反応度が高い場合は制御棒挿入深さを大きくする必要
があり、このとき燃料の下部に高い出力ピーキング(ボ
トムピーキング)が発生する。BWRでは燃料の高さ方向
にボイド率が増加するため、出力分布は、ボイドが少な
く中性子減速効果の高い燃料下部で高めとなる傾向があ
る。そのうえ、制御棒の挿入深さを大きくすると燃料の
上部の出力が押さえられ、相対的に下部の出力が高くな
りボトムピーキングを強調することになる。過度のピー
キングは局所的に燃料の出力を高め、燃料健全性の確保
のための局所出力設計制限値を超える恐れがあるため回
避しなければならない。
対してガドリニア入り燃料棒の本数の異なる2タイプの
燃料集合体を準備しておき、次サイクルの炉心構成を2
タイプの燃料集合体の構成割合を調整することによって
無理なく達成しようとするのであるが、この方法だけで
は原子炉停止余裕と余剰反応度に対しては有効であるが
出力ピーキングに対する対策には不足する。つまり、余
剰反応度が変動すると制御棒挿入量が変るため、特に余
剰反応度が高い場合は制御棒挿入深さを大きくする必要
があり、このとき燃料の下部に高い出力ピーキング(ボ
トムピーキング)が発生する。BWRでは燃料の高さ方向
にボイド率が増加するため、出力分布は、ボイドが少な
く中性子減速効果の高い燃料下部で高めとなる傾向があ
る。そのうえ、制御棒の挿入深さを大きくすると燃料の
上部の出力が押さえられ、相対的に下部の出力が高くな
りボトムピーキングを強調することになる。過度のピー
キングは局所的に燃料の出力を高め、燃料健全性の確保
のための局所出力設計制限値を超える恐れがあるため回
避しなければならない。
本発明では、前述の2タイプの燃料を用いるだけでな
く、上記のピーキング対策のために前記第1タイプの燃
料集合体には第1と第2の2種類の可燃性毒物入り燃料
棒を配置し、この場合第1種類の可燃性毒物入り燃料棒
には上下端を除く大部分において可燃性毒物入り酸化物
燃料を装填し、第2種類の可燃性毒物入り燃料棒には下
端を除く燃料棒下部約1/2の長さの領域にのみ可燃性毒
物入り酸化物燃料を装填している。これに対して前記第
2タイプの燃料集合体には、前記第1種類の可燃性毒物
入り燃料棒と同様の1種類のみの可燃性毒物入り燃料棒
を、前記第1タイプの燃料集合体よりも燃料棒相当本数
にして相対的に多い本数で複数本配置している。
く、上記のピーキング対策のために前記第1タイプの燃
料集合体には第1と第2の2種類の可燃性毒物入り燃料
棒を配置し、この場合第1種類の可燃性毒物入り燃料棒
には上下端を除く大部分において可燃性毒物入り酸化物
燃料を装填し、第2種類の可燃性毒物入り燃料棒には下
端を除く燃料棒下部約1/2の長さの領域にのみ可燃性毒
物入り酸化物燃料を装填している。これに対して前記第
2タイプの燃料集合体には、前記第1種類の可燃性毒物
入り燃料棒と同様の1種類のみの可燃性毒物入り燃料棒
を、前記第1タイプの燃料集合体よりも燃料棒相当本数
にして相対的に多い本数で複数本配置している。
また特に請求項2に記載の発明では、前述の構成にお
いて第1種類の可燃性毒物入り燃料棒はその長さの約1/
2を境界として上下2領域に分けられており、上部は下
部にくらべて低濃度の可燃性毒物を含有するとともに、
前記第1タイプの燃料集合体に含まれる前記第2種類の
可燃性毒物入り燃料棒の本数を複数本としている。
いて第1種類の可燃性毒物入り燃料棒はその長さの約1/
2を境界として上下2領域に分けられており、上部は下
部にくらべて低濃度の可燃性毒物を含有するとともに、
前記第1タイプの燃料集合体に含まれる前記第2種類の
可燃性毒物入り燃料棒の本数を複数本としている。
このように第1タイプの燃料集合体は可燃性毒物の分
布が上下二領域で異なり、下部1/2の領域で毒物量が相
対的に多くなっており、しかも第1タイプのものに比べ
て第2タイプでは可燃性毒物が燃料棒相当本数で相対的
に多くなっている。
布が上下二領域で異なり、下部1/2の領域で毒物量が相
対的に多くなっており、しかも第1タイプのものに比べ
て第2タイプでは可燃性毒物が燃料棒相当本数で相対的
に多くなっている。
これら2タイプの燃料集合体は新燃料の取替燃料とし
て同時に用いられ、両者の装荷割合を、所期の計画運転
サイクル、前サイクルの中途での停止の場合、あるいは
ストレッチ運転の場合等に応じて適切に選択することに
より、次サイクルの余剰反応度の変化に対応した炉心構
成のフレキシビリティーが確保されると共に、下部1/2
領域での部分長の毒物配置によって燃焼初期のボトムピ
ークの発生も有効に抑制することができるようになる。
また全長に毒物を配置した第2タイプの燃料集合体によ
る設計では上部の毒物濃度を低く、逆に下部の毒物濃度
を高くすることにより燃焼中期のボトムピークの発生を
抑制することが可能である。
て同時に用いられ、両者の装荷割合を、所期の計画運転
サイクル、前サイクルの中途での停止の場合、あるいは
ストレッチ運転の場合等に応じて適切に選択することに
より、次サイクルの余剰反応度の変化に対応した炉心構
成のフレキシビリティーが確保されると共に、下部1/2
領域での部分長の毒物配置によって燃焼初期のボトムピ
ークの発生も有効に抑制することができるようになる。
また全長に毒物を配置した第2タイプの燃料集合体によ
る設計では上部の毒物濃度を低く、逆に下部の毒物濃度
を高くすることにより燃焼中期のボトムピークの発生を
抑制することが可能である。
尚、請求項2に記載の発明で前記第1タイプの燃料集
合体に含まれる前記第2種類の可燃性毒物入り燃料棒の
本数を複数本としているのは、1本では第1および第2
タイプの燃料集合体のガドリニアによる反応度差が小さ
すぎるため本発明の目的とする効果が充分でなくなるた
めである。後述する実施例によれば、第1タイプの燃料
集合体に少なくとも2本の第2種類のガドリニア入燃料
棒を配置して、全長換算で1本分の毒物配置とした場合
に充分な効果が得られることが確認されており、実用的
な観点からは、2本以上4本以下とするのが現実的であ
るといえる。
合体に含まれる前記第2種類の可燃性毒物入り燃料棒の
本数を複数本としているのは、1本では第1および第2
タイプの燃料集合体のガドリニアによる反応度差が小さ
すぎるため本発明の目的とする効果が充分でなくなるた
めである。後述する実施例によれば、第1タイプの燃料
集合体に少なくとも2本の第2種類のガドリニア入燃料
棒を配置して、全長換算で1本分の毒物配置とした場合
に充分な効果が得られることが確認されており、実用的
な観点からは、2本以上4本以下とするのが現実的であ
るといえる。
本発明の特徴と利点を理解し易くするため、以下に本
発明の好適な実施例を説明する。
発明の好適な実施例を説明する。
[実施例] 第1a図および第1b図に示す2タイプの燃料集合体は本
発明の原子炉の基本構成要素である。この場合、両者と
も9本のガドリニア入り燃料棒を用いているが、第1a図
の第1タイプの燃料Aでは2種類のガドリニア入り燃料
棒G1,G2を用い、そのうちの一方の燃料棒G1は7本、他
方の燃料棒G2は2本である。燃料棒G1は、第2a図に示す
ように上部1/2が低濃度a(本実施例で約4wt%)、下部
1/2が高濃度b(本実施例で約5wt%)のガドリニアを含
有する全長ガドリニア入り燃料棒であり、一方、燃料棒
G2は、第2b図に示すように燃料棒下部の約1/2の長さ領
域のみをガドリニア入り燃料領域とし、上部1/2は毒物
を含まない通常の二酸化ウラン燃料領域とした部分長ガ
ドリニア入り燃料棒である。
発明の原子炉の基本構成要素である。この場合、両者と
も9本のガドリニア入り燃料棒を用いているが、第1a図
の第1タイプの燃料Aでは2種類のガドリニア入り燃料
棒G1,G2を用い、そのうちの一方の燃料棒G1は7本、他
方の燃料棒G2は2本である。燃料棒G1は、第2a図に示す
ように上部1/2が低濃度a(本実施例で約4wt%)、下部
1/2が高濃度b(本実施例で約5wt%)のガドリニアを含
有する全長ガドリニア入り燃料棒であり、一方、燃料棒
G2は、第2b図に示すように燃料棒下部の約1/2の長さ領
域のみをガドリニア入り燃料領域とし、上部1/2は毒物
を含まない通常の二酸化ウラン燃料領域とした部分長ガ
ドリニア入り燃料棒である。
また第1b図に示す第2タイプの燃料集合体Bは、9本
のガドリニア入り燃料棒が全て第2a図に示した全長ガド
リニア入り燃料棒G1からなる点で第1タイプの燃料集合
体Aと異なっている。尚、これら燃料棒G1,G2の上下端
のそれぞれ約15cmの領域には天然ウラン燃料ペレットを
装填し、ガドリニアは用いていない。また、ガドリニア
の入っていない通常の燃料棒81の上下端15cmの領域も同
様に天然ウラン領域である。
のガドリニア入り燃料棒が全て第2a図に示した全長ガド
リニア入り燃料棒G1からなる点で第1タイプの燃料集合
体Aと異なっている。尚、これら燃料棒G1,G2の上下端
のそれぞれ約15cmの領域には天然ウラン燃料ペレットを
装填し、ガドリニアは用いていない。また、ガドリニア
の入っていない通常の燃料棒81の上下端15cmの領域も同
様に天然ウラン領域である。
上記の構成の2タイプの燃料A,Bを新燃料の取替燃料
として同時に用いる。
として同時に用いる。
装荷割合は、計画的な通常の運転サイクルで全炉心燃
料の約1/3であり、2タイプの燃料の装荷割合は約半数
ずつとする。
料の約1/3であり、2タイプの燃料の装荷割合は約半数
ずつとする。
前サイクルがトラブル又は定検工程の都合によりサイ
クルの中途で停止された場合、又は引延し運転(ストレ
ッチ運転)を行った場合は、次サイクルの炉心構成につ
いて2タイプの燃料の装荷割合を適切に選ぶことによっ
て対応する。即ち、前サイクル中途停止の場合は、次サ
イクルの新燃料の装荷体数は少なくても済むが、余剰反
応度が高くなり、原子炉停止余裕も厳しくなるため、第
1b図の第2タイプ燃料Bを優先して装荷する。
クルの中途で停止された場合、又は引延し運転(ストレ
ッチ運転)を行った場合は、次サイクルの炉心構成につ
いて2タイプの燃料の装荷割合を適切に選ぶことによっ
て対応する。即ち、前サイクル中途停止の場合は、次サ
イクルの新燃料の装荷体数は少なくても済むが、余剰反
応度が高くなり、原子炉停止余裕も厳しくなるため、第
1b図の第2タイプ燃料Bを優先して装荷する。
一方、前記サイクルストレッチ運転の場合、次サイク
ルの新燃料の装荷体数を増加させる必要があるが、この
とき第1a図の第1タイプ燃料Aを優先して装荷する。
ルの新燃料の装荷体数を増加させる必要があるが、この
とき第1a図の第1タイプ燃料Aを優先して装荷する。
このように、第1タイプと第2タイプの燃料ではガド
リニア入り燃料棒の燃料棒相当本数(第1タイプ燃料A
は8本、第2タイプ燃料Bは9本)が異なるため、前サ
イクルの計画変更による次サイクル余剰反応度の変化に
対応して炉心構成のフレキシビリティーが確保される。
さらに第1タイプ燃料Aは、ガドリニア入り燃料棒の設
計に部分長ガドリニアを採用していることにより、燃焼
初期のボドムピーキングを有効に抑制できる。又、全長
ガドリニア(上下端を除く)燃料棒G1の設計でも、上部
を低濃度、下部を高濃度にしていることにより、燃焼中
期のボトムピーキングの発生を抑制できる。
リニア入り燃料棒の燃料棒相当本数(第1タイプ燃料A
は8本、第2タイプ燃料Bは9本)が異なるため、前サ
イクルの計画変更による次サイクル余剰反応度の変化に
対応して炉心構成のフレキシビリティーが確保される。
さらに第1タイプ燃料Aは、ガドリニア入り燃料棒の設
計に部分長ガドリニアを採用していることにより、燃焼
初期のボドムピーキングを有効に抑制できる。又、全長
ガドリニア(上下端を除く)燃料棒G1の設計でも、上部
を低濃度、下部を高濃度にしていることにより、燃焼中
期のボトムピーキングの発生を抑制できる。
第1表に燃料構成による原子炉解析例を示す。
第1表から解る通り、本発明に係る燃料・炉心構成を
用いた原子炉は、前サイクルのサイクル長さの計画外変
動に対して、当該サイクルの燃料・炉心構成を無理な
く、容易に達成し得る。
用いた原子炉は、前サイクルのサイクル長さの計画外変
動に対して、当該サイクルの燃料・炉心構成を無理な
く、容易に達成し得る。
また、標準的な連続運転月数(本解析例で13月)に対
し、±2ケ月のサイクル長さの不測の変動を想定した場
合、第2タイプ燃料Bは常に128体、第1タイプ燃料A
は最大148体であり、第1タイプ燃料Aの予備として
は、最大数と最小数の差、即ち、148−112=36体を準備
しておけばよいことがわかる。
し、±2ケ月のサイクル長さの不測の変動を想定した場
合、第2タイプ燃料Bは常に128体、第1タイプ燃料A
は最大148体であり、第1タイプ燃料Aの予備として
は、最大数と最小数の差、即ち、148−112=36体を準備
しておけばよいことがわかる。
従来は、不測のサイクル変動に対して次サイクルの炉
心構成が困難となるため、サイクル長さの調整を行う必
要が生じる恐れがあったが、本発明では少ない予備燃料
体数で十分対応できる。
心構成が困難となるため、サイクル長さの調整を行う必
要が生じる恐れがあったが、本発明では少ない予備燃料
体数で十分対応できる。
[発明の効果] 以上に述べたように、本発明の燃料炉心構成によれ
ば、原子炉プラントのトラブル等によりサイクル長さの
変動が生じた場合でも、次のサイクルの運転を無理なく
構成しうる原子炉を提供することができ、少ない予備燃
料体数で原子炉の計画的運転を行うことができるので、
原子炉運転の経済性並びに安全性が向上するものであ
る。
ば、原子炉プラントのトラブル等によりサイクル長さの
変動が生じた場合でも、次のサイクルの運転を無理なく
構成しうる原子炉を提供することができ、少ない予備燃
料体数で原子炉の計画的運転を行うことができるので、
原子炉運転の経済性並びに安全性が向上するものであ
る。
第1a図と第1b図は本発明の原子炉の要部を構成するガド
リニア入り燃料棒の組み合せによる2タイプの燃料集合
体の構成を示す模式断面図、第2a図は第1種類のガドリ
ニア入り燃料棒の軸方向構成を示す模式図、第2b図は第
2種類のガドリニア入り燃料棒の軸方向構成を示す模式
図、第3図は一般的な原子炉装荷状態の燃料集合体の断
面図、第4図は燃料集合体の外観を示す部分切欠斜視
図、第5図は燃料棒の内部構造を示す部分断面図、第6
図は従来の原子炉における燃料集合体内のガドリニア入
り燃料棒の配置例を示す模式断面図、第7図は可燃性毒
物の余剰反応度抑制効果を示す特性線図、第8図は典型
的な燃料集合体の無限増倍係数の燃焼特性を示す線図で
ある。 (主要部分の符号の説明) A:第1タイプの燃料集合体、B:第2タイプの燃料集合
体、G1:第1種類のガドリニア入り燃料棒、G2:第2種類
のガドリニア入り燃料棒、1:制御棒、10:チャンネルボ
ックス。
リニア入り燃料棒の組み合せによる2タイプの燃料集合
体の構成を示す模式断面図、第2a図は第1種類のガドリ
ニア入り燃料棒の軸方向構成を示す模式図、第2b図は第
2種類のガドリニア入り燃料棒の軸方向構成を示す模式
図、第3図は一般的な原子炉装荷状態の燃料集合体の断
面図、第4図は燃料集合体の外観を示す部分切欠斜視
図、第5図は燃料棒の内部構造を示す部分断面図、第6
図は従来の原子炉における燃料集合体内のガドリニア入
り燃料棒の配置例を示す模式断面図、第7図は可燃性毒
物の余剰反応度抑制効果を示す特性線図、第8図は典型
的な燃料集合体の無限増倍係数の燃焼特性を示す線図で
ある。 (主要部分の符号の説明) A:第1タイプの燃料集合体、B:第2タイプの燃料集合
体、G1:第1種類のガドリニア入り燃料棒、G2:第2種類
のガドリニア入り燃料棒、1:制御棒、10:チャンネルボ
ックス。
Claims (2)
- 【請求項1】複数の燃料棒を正方格子状に配置してなる
燃料集合体を装荷した沸騰水型原子炉において、 前記燃料集合体が第1タイプと第2タイプとの2タイプ
の燃料集合体からなり、 前記第1タイプの燃料集合体は第1と第2の2種類の可
燃性毒物入り燃料棒を含み、第1種類の可燃性毒物入り
燃料棒には上下端を除く大部分において可燃性毒物入り
酸化物燃料が装填されており、第2種類の可燃性毒物入
り燃料棒には下端を除く燃料棒下部約1/2の長さの領域
にのみ可燃性毒物入り酸化物燃料が装填されており、前
記第2タイプの燃料集合体は、前記第1種類の可燃性毒
物入り燃料棒と同様の1種類の可燃性毒物入り燃料棒
を、前記第1タイプの燃料集合体よりも燃料棒相当本数
にして相対的に多い本数で複数本含んでいることを特徴
とする沸騰水型原子炉。 - 【請求項2】前記第1タイプおよび第2タイプの燃料集
合体に含まれる第1種類の可燃性毒物入り燃料棒がその
長さの約1/2を境界として上下2領域に分けられてお
り、上部は下部にくらべて低濃度の可燃性毒物を含有す
るとともに、前記第1タイプの燃料集合体に含まれる前
記第2種類の可燃性毒物入り燃料棒の本数が複数本であ
ることを特徴とする請求項1に記載の沸騰水型原子炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2064346A JP2739515B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 沸騰水型原子炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2064346A JP2739515B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 沸騰水型原子炉 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03267795A JPH03267795A (ja) | 1991-11-28 |
JP2739515B2 true JP2739515B2 (ja) | 1998-04-15 |
Family
ID=13255586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2064346A Expired - Fee Related JP2739515B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 沸騰水型原子炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2739515B2 (ja) |
-
1990
- 1990-03-16 JP JP2064346A patent/JP2739515B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03267795A (ja) | 1991-11-28 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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