JP2954636B2 - コーティング用樹脂組成物 - Google Patents
コーティング用樹脂組成物Info
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Description
ーティング用樹脂組成物に関するものである。
−238111号、238115号及び米国特許第4754009号に記載
されているように、ヘキサフルオロベンゼン、パーフル
オロ2−ブチルテトラヒドロフランといった特定の溶媒
に可溶でコーティング可能であり、しかも結晶性が低い
ために透明性の高い塗膜を与えることが知られている。
さらにこれらのポリマーから得られる塗膜は、フッ素樹
脂としての特徴である、低屈折率、低誘電率、低吸水
性、耐薬品性といった特徴を有しているために、これら
特殊物性を要求される各種保護膜に適している。
溶解度が低く、15%以上の、濃度にすることは困難であ
ったため、溶液を塗布し溶媒を乾燥してコーティング膜
を得ようとした際に発泡が起こる、あるいはいわゆる柚
肌が生成して均一な塗膜が得られない、といった問題が
あった。
中の大部分を占める溶媒が、比較的速い速度で蒸発する
ために、塗膜形成時に内部応力が発生し易くなり、半導
体チップ表面に悪影響を与える可能性があった。
るポリマーを主成分とするコーティング組成物に認めら
れる欠点を解消し、平滑で内部応力の少ない塗膜を与え
る含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーを主成分とす
るコーティング用樹脂組成物を新規に提供することを目
的とするものである。
を重ねた結果、特定の沸点範囲を有する溶媒を用いた含
フッ素脂肪族環構造を有するポリマーの溶液が平滑で内
部応力の少ないコーティング膜を与える組成物として極
めて有利であることを新規に見いだすに至った。
のであり、含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーのコ
ーティング用樹脂組成物であって、沸点が180℃以上で
ある溶剤を、該ポリマーに対し重量で3倍量以上含んで
なるコーティング用樹脂組成物を新規に提供するもので
ある。
マーとしては、従来より公知ないし周知のものを含めて
広範囲にわたって例示され得る。而して、本発明に於い
ては、主鎖に上記特定の環構造を有する含フッ素ポリマ
ーが好適に採用される。
内、次のごとき環構造を有するポリマーが代表的であ
る。但し、本発明の内容はこれらのみに限定されるもの
ではない。
但し、これら製造法に限定されるものではない。
ーを例示したが、本発明に於いては、上記例示のフッ素
原子の一部が他の水素原子や有機基で置換されたもの、
あるいはメタセシス重合で得られる のごとき環構造を有するものも挙げられる。
ーは、上記のごとき環化重合により円滑かつ有利に得ら
れるが、特に、分子内に重合性の異なる二つの重合性基
を有し且つこれらの二つの重合性基を連結する連結鎖の
直鎖部分の原子数が2〜7個であるモノマーを用いるこ
とにより、超高圧条件や大希釈条件を採用しなくても、
ゲル化の副生を抑えて円滑有利に環化重合を進行せしめ
得るものである。
ず第一に、重合性の異なる炭素−炭素多重結合を二つ有
することが望ましい。通常は炭素−炭素二重結合が採用
される。例えば、左右対称構造でない二つの多重結合を
有する含フッ素単量体、ビニル基とアリル基、ビニルエ
ーテル基とビニル基、含フッ素多重結合と炭化水素多重
結合、パーフルオロ多重結合と部分フッ素化多重結合の
ごときが挙げられる。第二に、これら二つの炭素−炭素
多重結合を連結する連結鎖の直線部分の原子数が2〜7
であることが望ましい。連結鎖の直線部分の原子数が0
〜1の場合には環化重合が生起し難く、また8以上の場
合にも同様である。通常好ましくは、この原子数が2か
ら5の場合である。又、連結鎖は直線状に限られず、側
鎖構造あるいは環構造を有していてもよく、更に構成原
子は炭素原子に限られず、O,S,Nのごときヘテロ原子を
含んでいても良い。第三に、フッ素含有率が10重量%以
上のものが望ましい。フッ素含有率が余りに少ない場合
には、フッ素原子の有する特異性が発揮され難くなる。
当然の事であるが、パーフルオロ単量体が好適に採用さ
れる。
を一つ有するものが重合反応性、環化重合性、ゲル化抑
制等の点で好ましく採用され、特に、パーフルオロアリ
ルビニルエーテル(CF2=CFOCF2CF=CF2)およびパーフ
ルオロブテニルビニルエーテル(CF2=CFOCF2CF2CF=CF
2)が好適な例として挙げられる。
採用され得ると共に、さらにはこれらの成分の本質を損
なわない程度に他の共重合成分と併用して共重合しても
何ら差し仕えがないし、必要ならば何らかの方法でポリ
マーを架橋しても良い。
を有するモノマーであれば特に限定されずに含フッ素
系、炭化水素系その他が広範囲にわたって例示され得
る。当然の事であるが、これら他の単量体は一種単独で
前記特定の環構造を導入し得るモノマーとラジカル共重
合せしめても良く、あるいは適宜の2種類以上併用して
上記共重合反応を行わせても良い。本発明に於いては、
通常は他の単量体としてフルオロオレフィン、フルオロ
ビニルエーテルなどの含フッ素モノマーを選定すること
が望ましい。例えば、テトラフルオロエチレン、パーフ
ルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビ
ニルエーテル、あるいはカルボン酸基やスルホン酸基の
ごとき官能基を含有するパーフルオロビニルエーテルな
どは好適な具体例であり、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニル、クロロトリフルオロエチレンなども例示される。
ッ素脂肪族環構造の特性を生かすために、環状構造の組
成が20%以上であることが好ましく、更に好ましくは40
%以上である。
は、通常行われている方法などを適宜用いることができ
る。例えば、架橋部位を持つ単量体を共重合させて架橋
せしめたり、架橋剤を添加して架橋せしめたり、あるい
は放射線などを用いて架橋せしめることができる。
さくする、開始剤の濃度を大きくする、連鎖移動剤を加
える等の方法により適宜好ましい範囲に調節することが
できる。
性を向上させるために、酸化防止剤、紫外線安定剤など
の各種添加剤を添加することも可能である。
の重量の沸点が180℃以上である溶剤を含んで成ること
が重要である。かかる溶剤が特定量含まれているため、
乾燥時に発泡が起こりにくく、広がり性も良好で平滑性
のよいコーティング膜が得られるのである。かかる溶剤
としては、上記ポリマーを溶解するものが好ましく採用
される。具体的には、パーフルオロトリブチルアミン、
パーフルオロトリペンチルアミン、ヘキサフルオロプロ
ピレンオキサイドオリゴマー、などのフッ素系溶剤が例
示される。又、かかる溶剤は1種または2種以上の混合
で使用してもよい。又、沸点が180℃以上である溶剤
は、上記ポリマーに対して、3倍量以上の重量が必要で
ある。この割合より低いと平滑性のよいコーティング膜
が得られ難い。
以上である溶剤の他に、他の液状媒体が含まれていても
よい。液状媒体が含まれていると塗装作業性などが向上
する。但し、余りに多量に含まれていると、厚い膜が一
度で得られなくなるために好ましくない。好ましくは、
前記ポリマーの濃度が0.01〜25wt%特に0.1〜20wt%と
なるよう調整する。かかる液状媒体としては、前記ポリ
マーを溶解するものであっても溶解しないものであって
もよく、前記溶剤と相溶性のあるものであっても相溶性
の無いものであってもよい。
毛塗り、ドクターブレード、バーコーターを用いた塗
布、スプレーコート、スピンコートといった通常のあら
ゆる塗布方法が採用可能である。特に平滑性を必要とす
る際には、スピンコートを用いることが好ましい。半導
体チップの保護膜のように、小さい面積に比較的厚い膜
を形成したい場合には、高濃度の溶液を直接滴下する方
法による塗布が好ましい。
が、この説明が本発明を限定するものでないことは勿論
である。
トリフルオロエタン(以下、R113と略記する)の5g,イ
オン交換水の150g,メタノールの20g及び重合開始剤とし
て(C3F7COO)2の35mgを、内容積200mlの耐圧ガラス製
オートクレーブに入れた。
行った。その結果、重合体(以下、重合体Aという)を
28g得た。
ろ、モノマーに存在した二重結合に起因する1600cm-1,1
840cm-1付近の吸収は観測されなかった。また、この重
合体をパーフルオロベンゼンに溶解し19FのNMRスペクト
ルを測定したところ以下の繰り返し構造を示すスペクト
ルが得られた。
−75(商品名:3M社製のパーフルオロ(2−ブチルテト
ラヒドロフラン)を主成分とする液体、以下FC−75と略
記する)、中30℃で0.30であった。重合体のガラス転移
点は69℃であり、室温ではタフで透明なガラス状の重合
体であった。また10%熱分解温度は462℃であった。
g,イオン交換水の150g,メタノールの20g及び重合開始剤
としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートの90mg
を、内容積200mlの耐圧ガラス製オートクレーブに入れ
た。
を行った。その結果、重合体(以下、重合体Bという)
を28g得た。
ろ、モノマーに存在した二重結合に起因する1660cm-1,1
840cm-1付近の吸収はなかった。さらに、19FのNMRスペ
クトルを測定したところ合成例1と同様、環構造に相当
するスペクトルが得られた。
であった。重合体のガラス転移点は110℃であり、室温
ではタフで透明なガラス状の重合体であった。また10%
熱分解温度は465℃であった。吸水率は0.01%以下、室
温での誘電率は2.2(60Hz〜1MHz)、体積抵抗は1017Ωc
m以上であった。
溶媒に溶解し、第1表に示した組成物を得た。ついで、
得られた組成物を用いて、ガラス板上に500rpmでスピン
コートを行った。コーティング時の糸曳、180℃での乾
燥(2℃/min.で昇温、180℃で1時間保持)時の発泡の
有無を第1表に示した。なお、表中の数字は、重量部を
表す。
調製し、同様の評価を行った。なお、表中の数字は、重
量部を表す。
沸点が180℃以上のフッ素系溶媒を必須構成成分とする
ことを特徴とするコーティング用樹脂組成物は、溶媒乾
燥時の発泡が起こりにくく、広がり性も良好で、平滑性
の良いコーティング膜が得られるという効果を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーの
コーティング用樹脂組成物であって、沸点が180℃以上
である溶剤を、該ポリマーに対し重量で3倍量以上含ん
でなるコーティング用樹脂組成物。 - 【請求項2】含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーが
主鎖に環構造を有するポリマーである請求項1に記載の
コーティング用樹脂組成物。 - 【請求項3】含フッ素脂肪族環構造を有するポリマーが
環化重合によって得られる主鎖に環構造を有するポリマ
ーである請求項1に記載のコーティング用樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4955890A JP2954636B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | コーティング用樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4955890A JP2954636B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | コーティング用樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03252475A JPH03252475A (ja) | 1991-11-11 |
JP2954636B2 true JP2954636B2 (ja) | 1999-09-27 |
Family
ID=12834534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4955890A Expired - Lifetime JP2954636B2 (ja) | 1990-03-02 | 1990-03-02 | コーティング用樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2954636B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3421561A4 (en) * | 2016-02-24 | 2020-01-29 | Agc Inc. | LIQUID COATING COMPOSITION AND METHOD FOR MANUFACTURING AN OBJECT HAVING A FILM USING THE SAME |
-
1990
- 1990-03-02 JP JP4955890A patent/JP2954636B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3421561A4 (en) * | 2016-02-24 | 2020-01-29 | Agc Inc. | LIQUID COATING COMPOSITION AND METHOD FOR MANUFACTURING AN OBJECT HAVING A FILM USING THE SAME |
TWI730052B (zh) * | 2016-02-24 | 2021-06-11 | 日商Agc股份有限公司 | 塗佈液組成物及附有使用該組成物而成之膜之物品製造方法 |
US11732153B2 (en) | 2016-02-24 | 2023-08-22 | AGC Inc. | Coating liquid composition and process for producing article provided with film using it |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03252475A (ja) | 1991-11-11 |
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