JP2954340B2 - 連続浸炭・浸窒炉及び浸炭・浸窒方法 - Google Patents

連続浸炭・浸窒炉及び浸炭・浸窒方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋼帯を連続的に浸炭及び/又は浸窒する連
続浸炭・浸窒炉及び浸炭・浸窒方法に関する。
〔従来の技術〕
従来から、プレス加工用鋼板は、C≧0.01%の低C−
リムド鋼や低C−Alキルド鋼を箱焼鈍することにより製
造されていたが、最近の省エネルギーならびに製造納期
の短縮要求にかんがみ、連続焼鈍への変換が積極的に進
められている。
この連続焼鈍法では、加熱及び均熱時間が短いので、
絞り性を確保するために種々対策が講じられている。即
ち、絞り性を箱焼鈍材並みにするために、低炭素鋼の熱
延巻取り温度及び焼鈍温度を箱焼鈍法より高温にする等
の対策が採られている。さらに、連続焼鈍法は、箱焼鈍
法に比べ冷却時間も極端に短いため、過時効処理を施す
ことにより焼鈍中に固溶した炭素を析出させているが、
固溶炭素が依然として残留するために、加工性はともか
く常温遅時効性を得ることは困難であった。そこで、箱
焼鈍された低C−Alキルド鋼と同等の耐時効性と、それ
以上の高加工性を得る手段として、極低炭素鋼(C≦0.
01%、Al≦0.20%を含有)を用い、必要に応じてTi,Nb,
B等の炭化物形成元素を添加することが行われ、現状で
は広くプレス加工用鋼板として採用されている。
しかしこのような極低炭素鋼は、純鉄に近い組成であ
り、表面の清浄度が高いので、プレス成形後、塗装下地
処理として施されるリン酸亜鉛処理において、反応性が
従来の低C−リムド鋼,低C−Alキルド鋼と比較して幾
分劣り、生成したリン酸亜鉛鉄結晶の細かさ、化成処理
条件の変動時安定性が不利であった。
そして、溶接性に対しては、極低炭素鋼の場合熱影響
部(HAZ)の組織が粗大化し、溶着部や母材よりも強度
が低下し易いため、溶接部の強度及び疲労特性の点で低
C−Alキルド鋼より不利であった。
さらに、極低炭素鋼は延性に富み、非常に粘り強いた
め、低C−Alキルド鋼と同一の条件で打ち抜きや剪断を
行うと、その端面にバリが発生し、このバリが後のプレ
ス工程で脱落すると星目欠陥を誘発する等の問題があ
り、極低炭素鋼の打ち抜き性改善が強く望まれていた。
また、加工性の向上のためには、必然的に不純物元素
の低減を伴うため、焼鈍中の鋼中元素の表面濃化量が制
御され、鋼板の表面硬化の低下を引き起こす。そのた
め、プレス成形を施した場合に、潤滑が十分でないと鋼
板表面とプレス型とが接触時に噛りあい、鋼板の表面キ
ズ欠陥が誘発されるばかりでなく、極端な場合にはプレ
ス割れさえ伴うという問題もあった。
そこで、前記問題に対する有効な解決策として、鋼帯
の表層部のみに浸炭・浸窒を行って表層の物性を変える
技術が特公平1−42331号、特開昭63−38556号及び特開
平2−133561号等で提案されているが、連続して鋼帯を
浸炭・浸窒するものではなかった。
そして、連続的に鋼帯の連続浸炭・浸窒処理装置とし
ては、特開昭47−29230号により開示されているよう
に、個別部品を対象としたものは存在するが、低炭素
鋼、極低炭素鋼の鋼帯を連続的に効率良く高精度で浸炭
・浸窒処理する装置及び方法については、未だ提案され
ていない。
また、特開昭50−70275号及び特公昭56−26708号に開
示されているように、水平パス方式による高炭素鋼薄帯
の連続浸炭装置が存在するが、この装置は、低炭素鋼及
び極低炭素鋼の鋼帯表層部の浸炭・浸窒処理には適して
いない。
〔発明が解決しようとする課題〕 鋼板表面に連続して浸炭することにより、鋼板表面層
のみに固溶Cを所望量、且つ、所望深さで存在させるた
めには、鋼板を短時間(数十秒以内)で浸炭する必要が
ある。
実際に冷延鋼板の製造現場で浸炭・浸窒を行うには、
連続焼鈍ラインの加熱帯から冷却帯の間で適当な温度域
に浸炭・浸窒炉を挿入して処理するのが最も効率的であ
る。この場合、通板速度は鋼板本体の熱処理条件で決定
されるので、浸炭・浸窒炉の条件をこれに適合させる必
要がある。さらに、鋼板の材質規格と寸法等の条件変更
により通板速度の変更が常に起こるのでこれにも対応す
る必要がある。また、浸炭・浸窒処理自体も異なる製造
仕様に対応する必要がある。
短時間の浸炭においては、炭素の固溶は表面反応律速
であるため、連続焼鈍に際しての鋼板の通板速度の変化
に伴う浸炭処理時間の変化が浸炭濃度や浸炭深さに大き
な影響を与えることになる。
そこで、この発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、鋼帯を連続的に浸炭及び/又は浸窒処
理する際に、鋼帯の通板速度が変更しても浸炭・浸窒性
雰囲気を迅速、且つ、高精度で変更可能な連続浸炭・浸
窒炉及び浸炭・浸窒方法を提供することを目的とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
この目的を達成するために本発明は、浸炭及び/又は
浸窒雰囲気を維持する炉と、当該炉内を浸炭・浸窒温度
に加熱保持する手段と、を備え、連続的に送給される鋼
帯を浸炭及び/又は浸窒する連続浸炭・浸窒炉におい
て、前記炉内を複数のゾーンに分割し、当該ゾーン毎に
浸炭・浸窒性雰囲気及び/又は浸炭・浸窒温度を制御す
る制御手段が設けられてなる連続浸炭・浸窒炉であるこ
とを特徴とするものである。
そして、炉内に連続的に送給される鋼帯を連続的に浸
体及び/又は浸窒する連続浸炭・浸窒方法において、前
記炉内を複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎に浸炭・浸
窒性雰囲気及び/又は浸炭・浸窒温度を制御する連続浸
炭・浸窒方法であることを特徴とするものである。
さらに、前記複数のゾーンの少なくとも1つを、浸炭
・浸窒性ガスを導入しないように制御し、有効浸炭・浸
窒炉長を変更する連続浸炭・浸窒方法であることを特徴
とするものである。
〔作用〕
この発明によれば、連続浸炭・浸窒炉内を複数のゾー
ンに分割し、各ゾーン毎に浸炭・浸窒性雰囲気及び/又
は浸炭・浸窒温度を制御することで、浸炭・浸窒性雰囲
気及び/又は浸炭・浸窒温度の変更を迅速、且つ、高精
度に行える。
そして、浸炭・浸窒性ガスを流通しないゾーンを形成
することにより、浸炭・浸窒炉の有効炉長を変更(短
く)することができる。
従って、いずれの場合も、鋼帯の通板速度が減少ない
しは増加した場合でも、過浸炭・浸窒又はその逆の浸炭
・浸窒不足を防ぐことができる。
〔実施例〕
次に、本発明の一実施例を添付の図面に基づいて説明
する。
第1図は、鋼帯を連続的に浸炭する連続浸炭炉の構成
を示すもので、第1図(2)は第1図(1)のA−A断
面図である。
第1図に示すように、本発明に係る連続浸炭炉4は、
熱を遮断する仕切壁18により4つのゾーン(第1ゾーン
11ないし第4ゾーン14)に分割されており、各ゾーン毎
の鋼帯17の出入口には、隣接するゾーンとの浸炭性雰囲
気ガスの流通及び各ゾーン内温度が隣接するゾーン内の
温度に影響を及ぼさないように、シール部材40がそれぞ
れ設けられ、ゾーン毎に隔離された状態となっている。
また、各ゾーンには、それぞれ雰囲気ガス入口19及び雰
囲気ガス出口20が設けられている。さらに、各ゾーンに
は、ゾーン内を所望の温度にするため、図示されていな
いヒータが備付けられており、このヒータは、供給され
る電流を調整することによりゾーン内の温度を制御可能
である。そして、各ゾーンの雰囲気ガス入口19には、図
示しないが、雰囲気ガス流量制御弁及び雰囲気ガス流量
計を備えた雰囲気ガス供給管が連設され、さらにこの雰
囲気ガス供給管は分岐して、雰囲気ガスの各々の成分ガ
ス源(CO,CO2,H2,N2)に連設される。そして、この各成
分ガス源のガス出口には、成分ガス流量制御弁および成
分ガス流量計が備付けられている。尚、16は、鋼帯17を
誘導するハースロールを示す。
本実施例における連続浸炭炉4内の各ゾーン毎に浸炭
性雰囲気の制御は、前記ヒータの温度制御,雰囲気ガス
の流量制御,雰囲気ガスの組成(Cポテンシャル)の制
御の少なくとも1つにより行われる。
この浸炭性雰囲気制御は、各ゾーン毎に実行するた
め、浸炭帯全体の雰囲気を制御する場合に比較して、浸
炭性雰囲気制御を迅速,確実に実行することを可能とす
る。
この制御に際しては、鋼帯の通板速度を常時モニタ
し、マイクロコンピュータに予め設定された記憶テーブ
ルに基づいて各ゾーン内の温度,雰囲気ガス流量,雰囲
気ガス組成をフィードバック制御すること等により、前
記制御を自動化することも可能である。
次に、前記連続浸炭炉を連続焼鈍炉に組み込み、鋼帯
を連続焼鈍しながら連続的に浸炭を行う方法について図
面に基づいて説明する。
第2図は、鋼帯を連続的に焼鈍する竪型連続焼鈍炉の
加熱帯と冷却帯との間に前記第1図の連続浸炭炉を設け
た連続焼鈍炉の構成を示すもので、この連続焼鈍炉は順
に、コイル巻戻し機,溶接機,洗浄機等を有する図示し
ない入側設置,予熱帯1,加熱帯2、均熱帯3、連続浸炭
炉4、第1冷却帯5、第2冷却帯6、せん断機,巻取り
機等の図示しない出側設備からなる。
極低炭素の鋼帯17は、入側設備から連続的に送給され
た後、予熱帯1、加熱帯2、均熱帯3を通過し、連続浸
炭炉4に到る。この連続浸炭炉4に供給された鋼帯17
は、ハースロール16により、第1ゾーン11ないし第4ゾ
ーン14を通過した後、第1・第2冷却帯5,6を順に通過
して最終的には常温まで冷却される。
入側設備から連続的に送給された鋼帯17は、予熱帯1
で予熱され、次いで、加熱帯2に到る。この加熱帯2で
当該鋼帯17は、再結晶温度以上(具体的には炉内温度が
900〜950℃で、鋼帯17の温度が700〜800℃)になるよう
に加熱される。そして、加熱された前記鋼帯17は、均熱
帯3に送給され、次いで浸炭炉4に到る。
この連続浸炭炉4は、設備面積の低減の要求から竪型
にて形成される。そして、連続浸炭炉4は、鋼帯表面の
極薄い部分(0.5μm〜100μm以下)にC≧0.01%の浸
炭層を形成するために、650〜900℃の炉内温度に制御さ
れる。前記鋼帯温度が650℃未満であると、浸炭速度が
低下して熱処理生産性が低下する。一方、炉内温度が90
0℃を越えると、固溶Cが拡散し表面層にのみ固溶Cを
固定することができない。
この連続浸炭炉内温度分布は、鋼帯表面へのスーティ
ングを防止するため、浸炭炉内温度差は50℃以内である
ことが望ましい。鋼帯の表面に遊離Cが付着すると化成
処理性の劣化等、品質低下及び後工程の弊害要因とな
る。
連続浸炭炉4内に供給される浸炭性ガスの組成とし
て、例えば、CO=5〜10vol%,H2=2〜4vol%,CO/CO2
=15〜20、残部としてN2が挙げられる。
この連続浸炭炉4では、前記鋼帯17の通板速度に応じ
て浸炭性雰囲気及び/又は浸炭温度が制御される。
例えば、鋼帯の通板速度が通常の通板速度より減少し
た場合は、当該鋼帯が浸炭炉内に滞在する時間が長くな
り、その時の浸炭条件を維持すると過浸炭となり、プレ
ス成形性が劣る等、鋼帯の品質が低下する。そこで、こ
の過浸炭を避ける方法として、以下の制御を行うことが
有効である。
即ち、雰囲気ガス流量制御弁を全閉し、雰囲気ガスを
供給しないゾーンを作り、実質炉長を短くすることで、
鋼帯が炉内に滞在する時間を短くし、過浸炭を避ける。
又は、雰囲気ガス流量制御弁を閉方向に絞り1つ又は2
つ以上のゾーン内に供給する雰囲気ガス流量を減少する
ことで過浸炭を避ける。又は、各成分ガスの流量制御弁
を閉方向に絞り雰囲気ガス組成を変更し、1つ又は2つ
以上のゾーンに供給される該雰囲気ガスのCポテンシャ
ルを下げることで過浸炭を避ける。又は、ヒータに供給
する電流を調整し、1つ又は2つ以上のゾーン内温度を
下げることで過浸炭を避ける。これらのうち少なくとも
1つ、又は、2つ以上を組み合わせて実行することで、
鋼帯の通板速度が変化しても常に一定した濃度,深さの
浸炭層を形成することができる。尚、前記浸炭性雰囲気
の制御は、通板速度の変化に対応して行う他、鋼帯の厚
さ,幅,素材等の他の連続焼鈍条件の変化にも対応して
行うことができる。
次いで、連続浸炭炉4を出た鋼帯17は、前記第1冷却
帯5に到る。この第1冷却帯5では、鋼帯17の表面の極
薄い範囲にのみ固溶Cを固定するため、浸炭後の鋼帯17
の温度が600℃以下、好ましくは、500〜400℃程度にな
るまで、20℃/sec.以上の冷却速度で急冷する。第1冷
却帯5内では、この冷却条件が達成できるように、冷却
帯内を搬送される鋼帯17へ吹きつけられる冷却ガス流
量,流速及び冷却ロール温度,巻付け角等が制御され
る。
この第1冷却帯5を出た鋼帯17は、次いで第2冷却帯
6に到る。この第2冷却帯では、鋼帯17温度が250〜200
℃程度になるまでガス冷却が行われる。
このようにして最終的には、表面層にのみ固溶Cが存
在する極低炭素のプレス成形用鋼帯を得ることができ
る。このプレス成形用鋼帯は、特公平1−42331号にも
記載されているように、プレス成形性及び化成処理性に
優れたものとなる。そして、このようなプレス加工用鋼
帯は、溶接性、打ち抜き性、及び摺動性等各種の特性に
も優れたものとなる。
次に具体的な実施例について説明する。
鋼帯中にCを20ppm含有しているスラブを、転炉出鋼
後RHガス及び連続鋳造法により作成した。該スラブを12
00℃に加熱後、仕上げ温度890℃で熱間圧延し、540℃で
巻取り熱延コイルとした。次いで、この熱延コイルを巻
き戻して酸洗後圧下率75%で冷間圧延を施し、厚さ0.9m
m,板幅1200mmの鋼帯コイルとした。
このような鋼帯コイルを前記第2図の連続焼鈍・浸炭
炉にて第3図に示す温度履歴による連続焼鈍を行った。
この第3図は、第2図の焼鈍プロセスにおける鋼帯の温
度履歴を示したものであり、第3図の(a),(b),
(c),(d)は、それぞれ第2図の(a),(b),
(c),(d)の各点における鋼帯温度に対応する。第
3図の(a)は浸炭炉内温度領域、(b)は浸炭炉出側
温度領域、(c)は第1冷却帯内温度領域、(d)は第
1冷却帯出側温度領域をそれぞれ示す。
この連続焼鈍において、前記鋼帯の通板速度を400〜2
00m/minの範囲で変化させるとその変化に伴い連続浸炭
炉4内の浸炭性雰囲気は、以下のように制御される。
鋼帯の通板速度が400m/minの時は、第1ゾーン11ない
し第4ゾーン14の4ゾーン全て浸炭性ガスを流す。
鋼帯の通板速度が400m/minから300m/minに変化した時
は、前記4ゾーンのうちの3ゾーンに浸炭性ガスを流
す。この時、浸炭性ガスを流さないゾーンには、NHガス
を流す。
鋼帯の通板速度が400m/minから200m/minに変化した時
は、前記4ゾーンのうちの2ゾーンに浸炭性ガスを流
す。この時、浸炭性ガスを流さないゾーンには、NHガス
を流す。
このように、浸炭性ガスを流さないゾーンを設けるこ
とで、有効炉長を短くすることができるため、鋼帯の通
板速度が減少しても、当該鋼帯が浸炭可能ゾーン内に滞
在する時間を一定にすることができる。この結果、常に
一定した浸炭濃度及び深さとなる浸炭を行うことができ
る。
鋼帯の通板速度が400m/minから350m/minに変化した時
は、全てのゾーンの浸炭性ガスのCポテンシャルを下げ
る、又は4つのゾーンのうち選択したゾーンの浸炭性ガ
スのCポテンシャルを下げる。
尚、前記連続浸炭炉4における浸炭性ガス組成は、CO
=5.0vol%,H2=3.0vol%,H2O=0.1vol%,残部N2
し、ガス流量を1000Nm3/hr,浸炭温度780℃,浸炭炉内圧
力200mmAgとした。
次いで、連続浸炭炉4を出た鋼帯は、第1冷却帯にお
ける冷却速度が20℃/sec.、出側温度が500℃になる迄冷
却された。
その後、鋼帯は、第2冷却帯6に到り、250℃になる
迄ガス冷却された。
このように、通板速度を変化して、表層面にのみ固溶
Cが存在する極低炭素のプレス成形用鋼帯を4種類作成
した。
この4種類のプレス成形用鋼帯の表層部のC濃度を各
々測定したところ、通板速度を前記実施例のように変更
しても、表層部のC濃度のバラツキはCの平均濃度が10
0ppmの時、9ppmであった。
次に、比較例として、前記実施例と同じスラブを用
い、第2図に示す連続焼鈍炉と同様の装置で、連続浸炭
炉4が分解されていない連続焼鈍炉を使用して前記実施
例と同条件で、それぞれの通板速度を変化させた4種類
のプレス成形用鋼帯を作成した。
この4種類のプレス成形用鋼帯の表層部のC濃度を各
々測定したところ、表層部のC濃度のバラツキはCの平
均濃度が100ppmの時、37ppmであった。
このように、有効炉長の変更、或いは浸炭性雰囲気を
制御して浸炭を行った鋼帯は、その表層部のC濃度のバ
ラツキが極めて少なく、安定した浸炭品を得ることがで
きた。
尚、前記実施例では、連続焼鈍しながら連続的に浸炭
を行う場合について説明したが、連続浸炭のみを行って
も同様な効果が得られることは、勿論である。
前記実施例では、4つのゾーンを有する連続浸炭炉に
ついて説明したが、これに限らずゾーンの数は任意に決
定して良い。
また、前記実施例では、通板速度が減少した時の浸炭
性雰囲気の制御について説明したが、通板速度が増加し
た際にも、前記とは逆の制御を行うことにより同様の効
果が得られることは勿論である。
そして、前記実施例では、浸炭の場合について説明し
たが、連続浸炭炉に変えて浸窒を行う連続浸窒炉を設け
ても良い。また、雰囲気を変えることにより同一炉を浸
炭と浸窒に使い分けることもできる。浸窒性雰囲気とし
ては、例えば、NH3を含有する(N2+H2)ガスや、その
他の混合ガスを用いれば充分である。尚、本発明の連続
浸炭炉は、浸炭ばかりでなく浸炭窒化を行うものであっ
ても良い。
また、前記実施例では、極低炭素鋼の鋼帯の連続焼鈍
について説明したが、これに限定されず低C−リムド
鋼,低C−Alキルド鋼等の低炭素鋼等他の鋼種に対して
も適用できる。
そしてまた、前記実施例では厚さ0.9mm,幅1200mmの鋼
帯を使用したが、鋼帯の使用目的に応じて鋼帯厚及び鋼
帯幅共、任意に決定して良い。
また、前記実施例では均熱帯と第1冷却帯との間に連
続浸炭炉が設けられているが、均熱帯と連続浸炭炉とを
同一炉で形成すること、均熱帯を省略して加熱帯と第1
冷却帯との間に連続浸炭炉を設けること,均熱帯のあと
連続浸炭炉の前段に第1冷却帯を設け、この第1冷却帯
により、均熱後の鋼帯を浸炭に適当な温度まで調整して
浸炭後さらに第2冷却帯により冷却すること、連続浸炭
炉と第1冷却帯との間に浸炭深さを調整するための拡散
帯を設けること、等もそれぞれ可能である。
そしてまた、二つある冷却帯を一つの冷却帯にするこ
ともできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、連続浸炭・浸
窒炉内を複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎に浸炭・浸
窒性雰囲気及び/又は浸炭・浸窒温度を制御すること
で、浸炭・浸窒炉をゾーン分割しない場合に比較して、
浸炭・浸窒性雰囲気及び/又は浸炭・浸窒温度の変更を
迅速、且つ、高精度に行える。従って、例えば、鋼帯の
通板速度が変更しても過浸炭・浸窒又はその逆の浸炭・
浸窒不足を生じることなく、鋼帯の材質仕様を満足させ
ながら表層浸炭・浸窒濃度及び深さが常に所望の値とな
る安定した品質を有する鋼帯を連続して効率良く提供す
ることである。
そして、浸炭・浸窒性ガスを流数しないゾーンを形成
することにより、浸炭・浸窒炉の有効炉長を変更(短
く)することで、鋼帯の通板速度が大幅に減少した場合
でも前記効果をより確実に達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る連続浸炭炉の構成図、第2図
は、第1図の連続浸炭炉を利用した連続焼鈍プロセスの
構成図、第3図は、連続焼鈍される鋼帯の温度履歴を示
すグラフである。 図中、2は加熱帯、4は連続浸炭炉、5,6は冷却帯、11
は第1ゾーン、12は第2ゾーン、13は第3ゾーン、14は
第4ゾーン、17は鋼帯、18は仕切壁、19は雰囲気ガス入
口、20は雰囲気ガス出口を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−193863(JP,A) 特開 昭60−141863(JP,A) 特開 昭60−24981(JP,A) 特開 平4−202650(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 8/22,8/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸炭及び/又は浸窒雰囲気を維持する炉
    と、当該炉内を浸炭・浸窒温度に加熱保持する手段と、
    を備え、連続的に送給される鋼帯を浸炭及び/又は浸窒
    する連続浸炭・浸窒炉において、前記炉内を複数のゾー
    ンに分割し、当該ゾーン毎に浸炭・浸窒性雰囲気及び/
    又は浸炭・浸窒温度を制御する制御手段が設けられてな
    ることを特徴とする連続浸炭・浸窒炉。
  2. 【請求項2】炉内に連続的に送給される鋼帯を連続的に
    浸炭及び/又は浸窒する連続浸炭・浸窒方法において、
    前記炉内を複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎に浸炭・
    浸窒性雰囲気及び/又は浸炭・浸窒温度を制御すること
    を特徴とする連続浸炭・浸窒方法。
  3. 【請求項3】前記複数のゾーンの少なくとも1つを、浸
    炭・浸窒性ガスを導入しないように制御し、有効浸炭・
    浸窒炉長を変更することを特徴とする請求項(2)記載
    の連続浸炭・浸窒方法。
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