JP4969954B2 - 外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。より詳しくは、主として、高強度鋼板を基材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、そのめっき後の外観が従来の合金化溶融亜鉛めっき鋼板よりも均一美麗で、また、塗装後の外観にも優れ、自動車用等に用いることができる、外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関するものである。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶接性や塗装性、塗装後耐食性などに優れることから、自動車、家電製品、建材等に多用されている。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、鋼板を溶融亜鉛めっきした後、加熱処理し、鋼中のFeとめっき中のZnを拡散させ、合金化反応を生じさせることで鋼材表面に鉄−亜鉛合金層を形成させたものである。この合金化反応は鋼の結晶粒界から優先的に生じるが、鋼板の表面結晶粒径が粗大である場合は、粒径が微細である場合に比べて結晶の総粒界長さが短いため、鋼板全体としての合金化反応速度に差異を生じる。すなわち、結晶が粗大である鋼板の合金化は、結晶が微細である鋼板よりも合金化が遅くなり、めっきが薄くなる。従って、粗大粒と微細粒が混ざっている鋼板では、局所的な合金化速度差を生じることでめっきの凹凸を生み、外観不良となる。
また、Pなどの粒界に偏析しやすい元素が多く含まれる場合は、さらにその合金化反応速度差を助長させる働きがあり、めっきの外観不良は一層悪化する。
このため、鋼板の表層の結晶粒径を均一化させることによるめっきの外観向上策が種々、提案されている。例えば、特許文献1では、鋼板上のある一点における最表面の平均フェライト粒径d1と、その点から10mm以上離れた点における最表面の平均フェライト粒径d2の比R(=d1/d2が、0.9以上1.1以下とすることで、外観品位が向上するとしている。しかしながら、Rが0.9以上1.1以下であっても、フェライト粒径が粗大である場合(d1、d2が大きい場合)は、めっき外観が均一とならない。
特許文献2では、鋼表面に等軸結晶粒と延伸結晶粒からなる混合結晶粒組織帯を10%以下または90%以上とすることで外観が向上するとしている。しかしながら、その混合結晶粒組織帯が10%以下または90%以上であっても、等軸結晶粒と延伸結晶粒の分布に偏りがある場合や、鋼がC、Pなどの合金化遅延元素を多く含む場合においては、めっき外観が向上しない。
特許文献3では、めっき原板となる熱延板の表層組織を、15μm以下のフェライト結晶が400μmの視野において面積率で70%以下とすることで、めっき外観が向上するとしている。しかしながら、15μm以下のフェライト結晶粒が70%以下の面積率を占めていても、その分布に偏りがある場合や、100μmを超えるような著しく粗大な結晶が存在する場合は、めっきの外観が劣る。
また、特許文献4では、熱間圧延の仕上げ圧延終了温度を1000℃ないし、(Ar3変態点+20℃)の範囲にし、次いで700〜820℃の範囲で捲取、その後冷間圧延、焼鈍、溶融亜鉛めっきをすることで、外観品位の優れた溶融亜鉛めっき鋼板が製造できるとしている。しかしながら、仕上げ圧延温度を上記の範囲にすると、未再結晶部の存在に起因するめっき外観不良は抑制できるものの、組織の不均一性(粗大粒と微細粒の混粒組織)に起因するめっき外観不良を解消することは困難である。
さらに、特許文献5では、Ti含有鋼における鋼表面のフェライト粒径を8μm以上とすることで、微細組織起因のめっき外観不良を抑制できるとしている。しかしながら、表層フェライト粒径を8μm以上にしても、局所的に著しく粗大な結晶がある場合など、粒径にばらつきがある場合には、めっき外観は向上しない。
特開平7−228944号公報 特開平8−20852号公報 特開2001−316763号公報 特開2001−342522号公報 特開平2−38550号公報
以上のように、外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板、またその製造方法が種々提案されているが、いずれも、近年の、需要家からの厳しい外観品位の要求に対しては、十分に応えられるものではない。また、PやMn等を含む高強度鋼板を下地とした場合、焼鈍後の結晶粒径が不均一となりやすく、その結果として、そのめっき外観は悪化し易いが、これらの鋼板に対しても従来提案されている方法では改善の効果が小さい。
そこで本発明は、このような、従来提案されている方法よりも改善効果が大きく、また、外観不良となりやすい、PやMn等を含む高強度鋼板においても適用できる、外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板、およびその製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明者らは、Pを0.02%〜0.2%含む鋼板を基材とした合金化溶融亜鉛めっき鋼板で、外観にむらが発生した鋼板、外観にむらが発生しなかった鋼板について、基材である地鉄の結晶組織を詳細に調べた。その結果、外観にむらが発生した鋼板の地鉄表面は、粗大なフェライト粒が多く存在し、またそのばらつきも大きく、一方、外観にむらが発生しなかった鋼板の地鉄表面は、約15μm以下のフェライト粒が大部分を占め、粗大粒はほとんど存在しないことが分かった。また、PやMnを多く含む鋼板においても、特定の方法でこれを製造することで、焼鈍後の結晶組織が均一かつ微細となり、めっき、合金化後の外観が美麗になることが分かった。つまり、焼鈍後の鋼板表面のフェライト粒径を制御することで外観をコンロトールできることを見出した。 本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)質量%で、
C;0.001%以上0.01%以下、
Si;0.001%以上0.2%以下、
Mn;0.01%以上2%以下、
P;0.02%以上0.2%
S;0.001%以上0.03%以下、
Al;0.005%以上0.1%以下、
Ti;0.001%以上0.05%以下、
Nb;0.001%以上0.05%以下、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板の表面に、鉄−亜鉛合金被覆を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、その地鉄表面から深さ方向20μm以内の地鉄表層部が、500μm×500μmの観察視野において、平均結晶粒径15μm以下、かつ、結晶粒径の標準偏差が8μm以下を満たすフェライト粒からなることを特徴とする外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
(2) 質量%で、
C;0.001%以上0.01%以下、
Si;0.001%以上0.2%以下、
Mn;0.01%以上2%以下、
P;0.02%以上0.2%以下、
S;0.001%以上0.03%以下、
Al;0.005%以上0.1%以下、
Ti;0.001%以上0.05%以下、
Nb;0.001%以上0.05%以下、
残部がFeおよび不可避的不純物からなる低炭素鋼スラブを熱間圧延した後、酸洗し、さらに冷間圧延、焼鈍、溶融亜鉛めっき、加熱合金化処理を施して、鉄−亜鉛合金被覆を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、板幅、圧延方向のいずれの方向においても、仕上げ圧延終了温度が、Ar3点以上、(Ar3点+20℃)未満の範囲で熱間延し、その後750℃まで25℃/秒以上の速度で冷却することを特徴とする請求項1記載の外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板、また本発明の製造法を経た合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、外観品位に優れ、また、摺動性、密着性にも優れる。このため、自動車や家電製品、建材等に用いることができ、産業上の価値は極めて大きい。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の鋼成分の限定理由について説明する。
P;0.02%以上0.2%以下
Pは鋼の強度増加を目的に鋼中に添加される。Pは鋼加熱時に結晶粒界に濃化し易いため、その濃化度にむらがあると、めっきの合金化速度差を生じ、外観不良となる。Pが0.02%未満であれば、通常の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法においては、その濃化度のむらは小さく、合金化速度差も生じにくいため、そもそも外観不良と成り難い。一方、Pを過剰に添加すると脆化し易くなる。このため、本発明におけるPは、質量%で、を0.02%以上0.2%以下とする。
C;0.001%以上0.01%以下
Cは鋼の強化に必要な元素である。しかし、C量が0.001%未満であれば強度が不足し、また0.01%を超えると脆化しやすくなるため、C量は0.001%以上0.01%以下とする。
Si;0.001%以上0.2%以下
Siは鋼の強化、脱酸の効果を有する元素である。しかし、過剰に添加すると脆化しやすくなる。また、溶融亜鉛めっき時にめっきの濡れ性を阻害し、まためっき密着性も劣化させる。一方、過度に低減しても製造コストを増大させるたけで、なんらメリットをもたらさない。このため、Siは0.001%以上0.2%以下とする。
Mn;0.01%以上2%以下
Mnも鋼の強化、脱酸の効果を有する元素である。しかし、過剰に添加すると脆化しやすくなる。また、溶融亜鉛めっき時にめっきの濡れ性を阻害し、まためっき密着性も劣化させる。一方、過度に低減しても製造コストを増大させるだけである。このため、Mnは0.01%以上2%以下とする。
S;0.001%以上0.03%以下
Sは不純物であり、加工性や熱間脆性を劣化させるため少ないほうが望ましい。但し、過度に低減することは製造コストの増大を招く。このためSは0.001%以上0.03%以下とする。
Al;0.005%以上0.1%以下
Alは脱酸の効果がある。また、鋼中のNとの親和力が強く、固溶しているNを析出物として固定し加工性を向上させる効果がある。しかし、多すぎると逆に加工性を劣化させる。このためAlは0.005%以上0.1%以下とする。
Ti;0.001%以上0.05%以下
TiはC、Nを固定し、鋼の加工性を向上させる効果がある。しかし、多すぎると逆に加工性を劣化させる。このため、Tiは0.001%以上0.05%以下とする。
Nb;0.001%以上0.05%以下
NbはCを固定し、鋼の加工性を向上させる効果がある。しかし、多すぎると逆に加工性を劣化させる。このため、Nbは0.001%以上0.05%以下とする。
次に鉄−亜鉛合金被覆について説明する。鉄−亜鉛合金被覆中のZn含有率は85%以上とすることが望ましい。85%未満であれば、塗装性と溶接性に劣る。また、鉄−亜鉛合金被覆の付着量の偏差は±7g/m以下であることが望ましい。標準偏差が±7g/mを超える場合、外観上のむら(濃淡)が助長されて、外観不良となりやすい。付着量の偏差は、めっき後に、めっき付着量を制御するワイピングの吹きつけガスが板幅、および板の長手方向に均一に当たるようにすればよい。
この鉄−亜鉛合金被覆の付着量は特に規定するものではないが、耐食性および加工性の観点から、20〜100g/mであることが望ましい。
次に、地鉄組織について説明する。本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の地鉄表層の組織は、その地鉄表層から20μm以内で500μm×500μmの観察視野において、平均結晶粒径15μm以下、かつ、結晶粒径の標準偏差が8μm以下を満たすフェライト粒からなるものとする。平均結晶粒径が15μmを超える場合、粒径のばらつきが小さくとも、フェライト粒界とフェライト粒内の合金化速度差によってめっきの外観が不良となる場合がある。結晶粒径の標準偏差が8μmを超える場合、粒径の小さい部分と大きい部分との合金化速度差が顕著になり、めっき後の外観が不良となる。このため、平均結晶粒径を15μm以下、かつ、結晶粒径の標準偏差を8μm以下とする必要がある。平均結晶粒径、また、その標準偏差は小さければ小さいほど外観は良好であり、特に他の弊害を生じることがないため、平均結晶粒径、また、その標準偏差の下限値は規定しない。なお、ここでいう平均結晶粒径とは、各々の結晶の円相当径(各々の結晶と同一面積を有する円の直径)の平均値である。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、低炭素鋼スラブを熱間圧延した後、酸洗し、さらに冷間圧延、焼鈍、溶融亜鉛めっき、加熱合金化処理を施して、製造する。スラブ加熱条件や熱間圧延条件は、特に規定するものでなく、一般的な鋼板を製造する条件であればなんら問題ないが、熱間圧延時の仕上げ圧延温度は、板幅および圧延方向のいずれの方向においてもAr3点以上、(Ar3点+20℃)未満とする必要がある。なお、ここで言うAr3点とは、冷却過程におけるγ→α変態温度のことであり、次式から求められるものである。
Ar3=896−509×(C%)+26.7×(Si%)−63.5×(Mn%)+229×(P%)
また、仕上げ圧延後は、板幅および圧延方向のいずれにおいても、750℃まで25℃/秒以上の速度で冷却する必要がある。この条件で熱間圧延することで、その後の冷間圧延、焼鈍条件との組み合わせで、本発明の鋼板表面のフェライト粒径が微細で均一な、外観美麗な合金化溶融亜鉛めっき鋼板を実現できる。仕上げ圧延温度がAr3点よりも低い場合は、焼鈍後のフェライト粒径が不均一かつ著しい粗大粒となり、溶融亜鉛めっき、加熱合金化処理後の外観品位に著しく劣る。一方、仕上げ圧延温度が(Ar3点+20℃)以上となる場合は、焼鈍後の組織が粗大となり、溶融亜鉛めっき、加熱合金化処理後の外観品位にむらが生じ易い。好ましい範囲は、(Ar3+5℃)以上、(Ar3点+10℃)以下である。
図1は、仕上げ圧延温度と平均結晶粒径、および標準偏差の関係である。仕上げ圧延温度を、Ar3点以上、(Ar3点+20℃)未満とすることで、鋼板表面組織が、平均結晶粒径15μm以下、かつ、結晶粒径の標準偏差が8μm以下を満たすフェライト粒からなる本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板を達成できることが分かる。
仕上げ圧延後、750℃までの冷却速度が、25℃/秒に満たない場合は、熱延後の鋼板結晶組織が不均一かつ粗大となり、その後の冷間圧延、焼鈍においても、均一な組織は得られ難い。750℃より低温まで25℃/秒で冷却した場合は、粒径は微細となるが、鋼板表面に、Pなどのめっき外観不良を引き起こす元素が濃化しやすくなるため好ましくない。好ましい冷却速度は、30℃/秒以上である。なお、極度に冷却速度を増大させると材質の脆化を招くため、その上限値は100℃/秒とする。
また、コイル捲取に際しては、一般的な温度、例えば、550℃以上750℃未満の温度、でコイルに捲取れば良いが、巻き取った後は、コイル最外層部の表面温度が300℃以下となるまで0.8℃/秒以下の緩やかな速度で冷却することが好ましい。このように、捲取後に徐冷することで、Pなどの外観不良を引き起こす元素をスケール中に取り込ませ、鋼板表面の濃化を抑制し、下地組織を均一・微細化する効果と相まって、従来は困難であったPを含む高強度鋼板のめっき後の外観を著しく向上することができる。
熱間圧延後は酸洗し、熱間圧延時に生成したスケールを除去する。酸洗条件は、従来から行われている方法で実施すればよく、例えば、50℃以上の塩酸中に鋼板を浸漬する。酸洗後は冷間圧延するが、その圧下率は80%以上とすることが好ましい。80%未満では焼鈍後のフェライト粒径が15μmよりも粗大になり易い。冷間圧延後は750℃以上850℃以下の均熱温度で30秒以上150秒以内加熱することが好ましい。この範囲を外れる場合、再結晶が不完全で粒径が不均一かつ粗大となる場合がある。焼鈍後は、溶融亜鉛めっき、加熱合金化処理を行う。亜鉛めっき浴の温度は440℃〜500℃、加熱合金化温度は480〜560℃とすることが望ましい。
以上のような条件で製造することで、本発明の外観品位に優れた溶融亜鉛合金めっき鋼板を実現できる。
表1に示す組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造してスラブとした。そのスラブを1200℃で1時間加熱後、熱間圧延して板厚4mmの熱延鋼板とした。熱延時の仕上げ温度はAr3点未満、(Ar3点以上Ar3点+20℃)未満、Ar3点+20℃以上の3水準とした。また仕上げ圧延後、750℃に至るまでの冷却速度を、25℃/秒未満、25℃/秒以上の2水準とした。捲取温度は700℃とし、300℃になるまで約1℃/秒の速度で冷却した。得られた熱延鋼板を10%塩酸中で酸洗した後、冷間圧延して板厚1mmの冷延鋼板とした。その冷延鋼板を、連続溶融めっき設備を用い、均熱温度800℃、均熱時間120秒を標準条件として焼鈍し、冷却速度20℃/秒で465℃まで冷却した後、浴温460℃のZn−0.13%Alめっき浴に3秒間浸漬し、ワイピングで付着量が45g/mとなるように調整し、その後、鋼種に応じた温度で加熱合金化処理し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。
Figure 0004969954
作製した合金化溶融亜鉛めっき鋼板は下記の評価をした。
(1)外観
目視観察し、外観むらの程度に応じてグレード1から5まで、1刻みで5段階に分類した。3以下であれば合格である。
(2)地鉄フェライト粒径観察
10%塩酸でめっきを溶解し、SEMで地鉄表層を観察し、500×500μm視野における最表層における平均結晶粒径、および結晶粒の標準偏差を求めた。用いたSEMは、日立製S−2460Nである。
(3)鉄−亜鉛合金被覆層の付着量
鉄−亜鉛合金被覆の付着量を求め、その偏差および組成を測定した。測定は、板幅方向、長手方向の任意の位置から数箇所選び、10%塩酸で鉄−亜鉛合金被覆を溶解し、ICPで分析した。
各評価結果を表2に示す。
Figure 0004969954
No.1からNo.6、およびNo.13からNo.16は、鋼Aの熱間圧延の仕上げ温度、平均結晶粒径、標準偏差を変えた場合である。仕上げ温度が本発明の範囲を下回る場合(No.1〜No.6)、地鉄表層に著しく粗大な結晶粒が存在するため、平均結晶粒および標準偏差ともに本発明の範囲外となり、めっき後の外観に劣る。また、仕上げ圧延温度が本発明の範囲を上回る場合(No.13〜No.16)も、結晶成長が促進されるために粗大粒となり、本発明の範囲外となるため、めっき後の外観に劣る。仕上げ温度および平均結晶粒径、標準偏差が本発明の範囲内の場合(No.7〜No.12)は、めっき後の外観は均一で美麗である。特に、仕上げ圧延温度が、(Ar3+5℃)以上、(Ar3点+10℃)以下の範囲にある、No.8〜No.10は特に外観が良好である。
No.17からNo.19は、鋼Bの熱間圧延の仕上げ温度、平均結晶粒径、標準偏差を変えた場合である。仕上げ圧延温度、結晶粒径、標準偏差が本発明の範囲外である場合(No.17およびNo.19)は、めっき後の外観が不均一となる。一方、仕上げ圧延温度、結晶粒径、標準偏差が本発明の範囲内である場合(No.18)は、めっき後の外観が均一、美麗である。
No.20からNo.22は、鋼Cの熱間圧延の仕上げ温度、平均結晶粒径、標準偏差を変えた場合である。仕上げ圧延温度、結晶粒径、標準偏差が本発明の範囲外である場合(No.20およびNo.22)は、めっき後の外観が不均一となる。一方、仕上げ圧延温度、結晶粒径、標準偏差が本発明の範囲内である場合(No.21)は、めっき後の外観が均一、美麗である。
No.23から25は、鋼Aの熱間圧延時の仕上げ圧延後の冷却速度を15℃/秒とした場合である。いずれの仕上げ圧延温度においても、結晶粒径、標準偏差が本発明の範囲外となり、めっき後の外観に劣る。
No.26は鋼Aを、No.7と同じ条件で製造したものである。但し、熱間圧延後のコイル巻取りに際しては、650℃で巻取り、300℃以下となるまで0.8℃/秒の速度で冷却した。下地組織が均一・微細となることに加え、鋼板表面のP濃度が低減したことによって、No.7よりも良好な外観となった。
仕上げ圧延温度と平均結晶粒径、および標準偏差の関係である。

Claims (2)

  1. 質量%で、
    C;0.001%以上0.01%以下、
    Si;0.001%以上0.2%以下、
    Mn;0.01%以上2%以下、
    P;0.02%以上0.2%以下、
    S;0.001%以上0.03%以下、
    Al;0.005%以上0.1%以下、
    Ti;0.001%以上0.05%以下、
    Nb;0.001%以上0.05%以下、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼板の表面に、鉄−亜鉛合金被覆を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、その地鉄表面から深さ方向20μm以内の地鉄表層部が、500μm×500μmの観察視野において、平均結晶粒径15μm以下、かつ、結晶粒径の標準偏差が8μm以下を満たすフェライト粒からなることを特徴とする外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 質量%で、
    C;0.001%以上0.01%以下、
    Si;0.001%以上0.2%以下、
    Mn;0.01%以上2%以下、
    P;0.02%以上0.2%以下、
    S;0.001%以上0.03%以下、
    Al;0.005%以上0.1%以下、
    Ti;0.001%以上0.05%以下、
    Nb;0.001%以上0.05%以下、
    残部がFeおよび不可避的不純物からなる低炭素鋼スラブを熱間圧延した後、酸洗し、さらに冷間圧延、焼鈍、溶融亜鉛めっき、加熱合金化処理を施して、鉄−亜鉛合金被覆を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、板幅、圧延方向のいずれの方向においても、仕上げ圧延終了温度が、Ar3点以上、(Ar3点+20℃)未満の範囲で熱間圧延し、その後750℃まで25℃/秒以上の速度で冷却することを特徴とする請求項1記載の外観品位に優れる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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