JP2951510B2 - クメンヒドロペルオキシドの二段階分解 - Google Patents

クメンヒドロペルオキシドの二段階分解

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JP2951510B2 JP5222977A JP22297793A JP2951510B2 JP 2951510 B2 JP2951510 B2 JP 2951510B2 JP 5222977 A JP5222977 A JP 5222977A JP 22297793 A JP22297793 A JP 22297793A JP 2951510 B2 JP2951510 B2 JP 2951510B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1段階において
クメンヒドロペルオキシド(CHP)を分解し、そして
前記第1段階の生成物を第2段階における水素化にかけ
ることを含むクメンヒドロペルオキシドからフェノール
及びアセトンを製造するための改良された2段階方法で
あり、この方法において残留クメンヒドロペルオキシド
を、アセトン及び/又は第1段階に戻る第2段階の流出
物の一部の再循環を伴って又は伴わないで第2段階にお
いて分解させることができクメンも望ましいことに再
循環される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】クメン
の酸化及びその結果生成するクメンヒドロペルオキシド
の触媒的開裂によりフェノールを製造する方法は良く知
られており、そしてベンゼンの塩素化又はスルホン化に
基づくフェノール方法のほとんどが置き換えられてき
た。1年当たり5ビリオンポンド以上のフェノールがこ
の技術に基づいて世界中で現在利用されている。
【0003】典型的な方法は、クメン酸化セクション、
CHP濃縮操作、完全逆混合反応器において一般的に行
なわれる酸触媒される開裂反応及び生成物の中和及び回
収セクションから成る。
【0004】生成物の収率及び純度を高めるための多く
の改良が、特許文献に開示されている。また、多くの開
示された方法には、環境規制のために現在あまり望まし
くない硫酸又は他の無機酸に取って代わるために不均質
触媒の使用を記載されている。いくらかの改良がまた、
廃棄物からのフェノール、クメン及びα−メチルスチレ
ン(AMS)の回収において行なわれて来た。
【0005】種々の酸触媒を用いる方法は、アメリカ特
許第2,718,172号;第2,626,281号;
第3,187,052号;第3,376,352号;第
4,016,213号;第4,209,465号;第
4,267,380号;第4,743,573号:第
4,870,217号;第4,849,387号;第
4,490,565号;第4,490,566号;第
4,898,987号;及び第4,898,995号に
記載されている。不均質触媒による開裂は、固定層反応
器又は逆混合スラリー反応器のいづれかで行なわれるべ
きである。開裂反応の高い発熱性及びその比較的高い反
応速度の結果として、この反応のためには固定層反応器
の使用はかなり困難である。他方、逆混合(back−mix)
スラリー反応器の使用は、それ自体の問題、すなわち触
媒回収及び再循環、触媒磨砕及び高い転化率での物質移
動の限界を有する。さらに、触媒不活性化が、無制御反
応を導びきうる反応器における不安定レベルのCHPを
誘導する。
【0006】反応収率を最大にするための改良は、主に
副生成物AMSの反応に関係してきた。AMSは、一般
的に酸化段階の最も多量に生成する副生成物であるジメ
チルベンジルアルコール(DMBA)の脱水から開裂反
応器内で形成される。AMSはフェノール及びアセトン
から分離された後、生成物として回収されるか又はクメ
ンに水素化される。他の主な副生成物は、通常回収され
ないアセトフェノンである。アセトフェノンが通常の開
裂条件下で不活性である場合、AMSはそれ自体で反応
して、二量体又はポリマーを形成するか、又はそれはフ
ェノールと反応して、クミルフェノールを形成すること
ができる。
【0007】AMSの高い収率が所望される場合、AM
Sの副反応を最低限に抑えながら、DMBA転化率を最
大限に高めることによって、AMSの収率は最大限に高
められる。AMSの収率を高めるための(副反応を最低
限に抑えるための)方法は、AMSを希釈するために溶
媒としてアセトンを添加するか、又は他の反応器形態を
用いることを含む。それらの方法のいくつかは、アメリ
カ特許第2,663,735号;第2,957,921
号;第2,757,209号;第2,748,172
号;第3,376,352号;第3,626,281
号;第3,187,052号;第4,310,712
号;及び第4,207,264号に記載されている。そ
れらの副反応が連続的であり、そして "所望する" 生成
物AMSが直接の生成物である場合、AMSの収率を最
大限に高めるために選択される反応器は、その低い保持
値のためにプラグ流反応器である。これは、一定の低い
CHP濃度及び高い保持値での操作が所望される場合、
理想的なCHP開裂反応器と釣り合わない。
【0008】それらを考慮して、アメリカ特許第2,7
57,209号及び第4,358,618号に記載され
るような2段階分解反応器の概念が誘導された。それら
の工程においては、CHPは第1段階逆混合反応器にお
いて不完全に転化される。それらの条件下で、DMBA
は、AMS濃度が低く維持され、そしてその副反応が最
低限に抑えられるように、AMSに単に部分的に脱水さ
れる。また、未反応CHPはDMBAと縮合し、ジクミ
ルペルオキシド(DiCup)を形成する。第2段階反
応器は、理想的なプラグ流反応器として実質的に作用す
る管状反応器から成る。この反応器において、残留CH
Pはフェノール及びアセトンに分解され、DiCupは
フェノール、アセトン及びAMSに分解され、そして残
留DMBAはAMSに脱水される。プラグ流反応器の動
力学の結果として、より高い収率のAMSが得られる。
しかしながら、その反応器は、AMS収率を最大限に高
めるために最適滞留時間に適するよう正確に設計される
べきである。滞留時間が短か過ぎると未転化DMBA及
びDiCupが導かれ、そして滞留時間が長過ぎると、
追加のAMSの重い物質へのより高い転化率がもたらさ
れるであろう。
【0009】副生成物を除去するため、及びクメン酸化
から生成されるアセトン及びフェノールを精製するため
の多くの方法がこれまで開示されている。いくつかのそ
のような方法は、アメリカ特許第2,748,172
号;第2,663,735号;第2,790,549
号;第3,043,883号;第3,140,318
号;第3,155,734号;第3,187,052
号;第3,376,352号;第3,965,187
号;第4,480,134号;第4,626,600
号;及び第4,722,769号に記載されている。そ
れらの方法は、アセトンからのベンゼンの除去及びフェ
ノールからアセトール、メチルオキシド及び他の可能性
ある色素の分離に主に関係する。
【0010】アメリカ特許第2,715,145号及び
第4,960,958号は、多量の最終物からフェノー
ル、クメン及びAMSの回収における改良点を報告して
いる。アメリカ特許第3,441,618号は、フェノ
ール蒸留残留物が、良好な品質のフェノール、たとえば
塩素化される場合に、脱色に対して良好な安定性を有す
るフェノールを生成するために、選択的に水素化する方
法を開示している。この方法において、AMSは再循環
のためにクメンに水素化される。
【0011】それらの改良点の個々に関して、CHP開
裂方法の基本概念が同じように存在する。その目的は、
AMSが別々の生成物として回収されるか、又はクメン
に水素化され、そして再循環されるかのいづれにかかわ
らずAMSの収率を最大限に高めることである。最大の
AMS収率は、開裂段階への供給物中のDMBAに基づ
いて70〜80%の範囲内である。
【0012】本発明は、高いフェノール収率、少ないエ
ネルギー消費量、容易な生成物の精製、良好な生成物品
質、及び廃水を含む廃棄生成物の削減を提供することに
よってクメン方法の既知問題の多くを回避する。
【0013】
【課題を解決するための手段】酸化副生物としてジメチ
ルベンジルアルコール(DMBA)を含むクメンヒドロ
ペルオキシドの触媒的分解を実施するための本発明の改
良された方法は、一態様において、ジメチルベンジルア
ルコール(DMBA)を含むクメンヒドロペルオキシド
(CHP)からフェノール及びアセトンを製造するため
の方法であって、第1段階反応体積を有する第1段階反
応領域にジメチルベンジルアルコール(DMBA)を含
むクメンヒドロペルオキシド(CHP)を供給し、それ
と反応体 積1リットル当たり約5ミリ当量以下の有効量
の水素イオンを提供する酸触媒とを接触させることによ
って前記第1段階反応領域においてクメンヒドロペルオ
キシド(CHP)の少なくとも95%を分解させ、それ
によって(a)フェノール、(b)アセトン、(c)前
記第1段階反応体積の内容量に基づいて約1.2重量%
以下の、ジメチルベンジルアルコール(DMBA)の脱
水によるα−メチルスチレン(AMS)、(d)残留ジ
メチルベンジルアルコール(DMBA)、(e)クメン
ヒドロペルオキシド(CHP)とジメチルベンジルアル
コール(DMBA)の化合によるジクミルペルオキシド
(DiCup)、及び(f)残留クメンヒドロペルオキ
シド(CHP)を含む第1段階反応混合物を生成させ、
第2段階反応領域において前記第1段階反応混合物と水
素とを水素化触媒の存在下で接触させてα−メチルスチ
レン(AMS)をクメンに水素化し、それと同時に又は
その後に前記第1段階反応混合物と酸触媒とを接触させ
て残留クメンヒドロペルオキシド(CHP)をフェノー
ル及びアセトンに分解させ、残留ジメチルベンジルアル
コール(DMBA)をα−メチルスチレン(AMS)に
脱水させ、そしてジクミルペルオキシドをアセトン、フ
ェノール及びα−メチルスチレンに分解させ、前記第2
段階反応領域の生成物からフェノール及びアセトンを回
収することを含んで成る。この態様において、前記第1
段階反応混合物中の硫酸濃度は好ましくは約30〜50
体積百万分率(ppm)であり、前記第1段階反応領域
における酸濃度は好ましくは第1段階反応混合物1リッ
トル当たり約0.5〜約1.0ミリ当量の水素イオンを
提供する濃度である。前記硫酸濃度がクメンヒドロペル
オキシド供給物1リットル当たり約3〜約7ミリ当量の
水素イオンを提供する量である場合も好ましい。前記第
1段階反応領域における滞留時間は好ましくは約10〜
約20分である。もう1つの態様において、本発明の方
法は、クメンの酸化により製造されるクメンヒドロペル
オキシド(CHP)からフェノール及びアセトンを製造
するための方法であって、クメンの酸化により製造され
たクメンヒドロペルオキシド(CHP)供給物を第1段
階反応領域に供給し、前記第1段階反応領域において前
記クメンヒドロペルオキシド(CHP)と有効量の酸触
媒とを接触させることによって前記クメンヒドロペルオ
キシド(CHP)をフェノール及びアセトンに分解
せ、α−メチルスチレン及び残留クメンヒドロペルオキ
シド(CHP)を含む前記第1段階反応領域からの生成
物流と水素とを第2段階反応領域において酸性担体上に
担持された水素化触媒の存在下で接触させ、それによっ
て第2段階反応領域においてα−メチルスチレンをクメ
ンに水素化し、そして残留クメンヒドロペルオキシド
(CHP)をアセトン及びフェノールに分解させ、前記
第2段階反応領域の反応生成物の一部を前記第1段階反
応領域に再循環させ、前記第2段階反応領域からフェノ
ール及びアセトンを回収することを含んで成る。この態
様において、前記第2段階反応領域の反応生成物は、好
ましくはその少なくとも約50%が前記第1段階反応領
域に再循環され、より好ましくはその約66〜75%が
前記第1段階反応領域に再循環される。前記水素化触媒
は好ましくはパラジウムである。好ましい一態様におい
て、本発明の方法は、(a)反応器の含有物の約1.2
重量%以上の量でAMSを製造するために約25重量%
以下のDMBAをα−メチルスチレンに転化させると同
時に、十分に混合された反応器、好ましくは(従来の)
逆混合反応器において、CHPの少なくとも95%(典
型的には約95%〜約99%)をフェノール及びアセト
ンに分解させるのに十分な時間を要し、約76.7〜8
7.8℃(約170〜190°F)の温度で前記反応器
を作動させ、クメンヒドロペルオキシドを酸触媒(反応
体積1リットル当たり約5ミリ当量以下の水素イオン)
と混合する工程;(b)水素化触媒を含む第2段階反応
器において、第1段階反応器(前記(a)工程において
使用される反応器)からの生成物を反応せしめ、そして
好ましくは約65.6〜121.1℃(約150〜25
0°F)の温度、第1段階反応器への元のCHP供給物
中に含まれるDMBAのモル流量の1〜4倍に等しい水
素のモル流量及び50〜150psigの水素圧で第2段階
反応器を作動させ、フェノール及びアセトンへの残留C
HPの実質的に完全な分解及びDMBA及びDiCup
の95%以上の消失をもたらし、そしてクメンへのAM
S(第2段階反応器(固定層反応器)への供給物中に存
在するAMS及びDMBA及びDiCupの反応から形
成されるAMSの両者)の実質的に完全な水素化をもた
らすために第2段階反応器において十分に接触させる工
程。この方法は、逆混合反応器へのアセトン生成物の一
部の再循環を伴って又は伴わないで、及び逆混合反応器
への固定層反応器からの生成物の一部の再循環を伴って
又は伴わないで、残留CHPの水素化及び分解を同時に
又は順に達成するために行なうことができ、クメンも再
循環させることができる。
【0014】これらの態様において、開裂反応からの重
い副生成物の主要源であるAMSの濃度は常に最低限に
維持され、そして最終反応生成物から実質的に除去され
る。反応器内に存在するAMSの量を減少させることに
よって、生成するAMSポリマー及びクミルフェノール
の量は実質的に減少する。AMSの水素化から形成され
るクメンは回収され、そして酸化反応器に再循環され、
それにより全収率が増加する。
【0015】本発明に使用されるCHP供給物は、クメ
ンの酸化により製造され、そして典型的には、CHP約
83〜約89重量%、クメン約7〜10重量%、DMB
A約3.5〜5.5重量%及びアセトフェノン約0.5
〜1.5重量%を含む。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、単一段階CHP開裂に基
づく従来のフェノール方法のフローシート又は略図であ
る。CHPは、酸化反応器1においてクメン(ライン2
8を通して供給される)の部分酸化(ライン29からの
酸素による)により生成する。いくらかのDMBA及び
アセトフェノンを含むCHPは、逆混合開裂反応器4に
入口2を通じて供給される。酸触媒、たとえば硫酸は、
入口3を通じて反応器4に供給される。CHPの開裂が
進行するにつれて、その開裂反応から生成するアセトン
生成物のいくらかを沸騰させる熱が発生する。このアセ
トンは、凝縮器5において凝縮され、そして開裂反応器
4に還流される。開裂反応器4からの流出液は酸中和器
6を通り、そしてスプリッターカラム7に送ばれ、粗ア
セトンとフェノール生成物に分離される。
【0017】スプリッターカラム7において分離された
粗アセトンは、まずアセトントッピングカラム8に通さ
れ、ここでアセトンの一部が分離され、そしてライン2
1を通って開裂反応器4に再循環される。これは開裂反
応器4において生成するAMSの希釈を提供し、それに
よって、生成するAMS副生成物の量が減少する。次
に、粗アセトンはカラム9においてさらに精製され、ラ
イン10において最終アセトン生成物を生成する。カラ
ム9の底部はクメン及びAMSを含む。この流れは、A
MSからクメンを分離するカラム11に通される。ほと
んどの従来のフェノールプラントは、精製された生成物
としてAMSを回収するか、又はクメンへのAMSの水
素化のいづれかのための及びクメンの再循環のための設
備を有する。往々にして、両設備が存在する。従って、
いくらかのAMSをカラム11においてクメンと共に上
方に蒸留することができる。次に、上方への流れは、水
素化反応器12にライン22を通じて送られ、ここでそ
れは好ましくは固定層において水素化触媒上でライン3
0からの水と接触させられる。供給物中のAMSはクメ
ンに転化され、そして流出クメン流は酸化反応器1に再
循環される。カラム11の底部からの粗AMS流はカラ
ム13に通され、ここでそれは生成物AMS14に精製
される。カラム13からの重い物質は、燃料として燃や
すためにライン23に運ばれる。
【0018】粗フェノールはカラム16に通され、ここ
でそれは多量の重い副生成物から分離される。カラム1
6からの上方フェノール流24はカラム17及び18に
通され、ここでそれは精製されたフェノール生成物19
に精製される。前記重い物質はクラッキングユニット2
0にカラム16から送られ、ここで追加のフェノール及
びAMSが得られる。それらはライン32によりスプリ
ッター7に再循環され得る。クラッキングユニット20
からの残留物はライン31における燃料に送られ;ライ
ン25,26及び27はパージである。
【0019】本発明者が発見したことは、触媒及び条件
の適切な選択により、通常、従来の方法の一部である、
AMSのクメンへの水素化がアセトン及びフェノール生
成物からのAMSの分離の前、選択的に達成できること
である。選択的にとは、アセトン又はフェノール生成物
のいづれも有意に水素化させずにAMSを水素化できる
ことを意味する。本発明の方法は、実質的に二段階CH
P開裂方法であり、ここで第1段階はAMSの形成を最
低限に抑えるような態様で操作され、一方、第2段階
は、AMSが第2段階に導入されるやいなや及び/又は
AMSが第2段階において形成されるやいなやできるだ
け速くクメンにAMSを転化させるように操作される水
素化反応器でもある。この態様において、両分解段階に
おけるAMSの濃度は常に低く、そして結果として、A
MS副生成物(AMSポリマー及びクミルフェノール)
の形成がまた最少で維持される。
【0020】本発明の二段階フェノール方法のフローシ
ート又は略図が図2に示される。ここでも、いくらかの
DMBAを含むCHPは、ライン29aからの酸素と共
にライン28aを通じて導入されるクメンを部分酸化す
ることによって反応器1aにおいて生成する。CHPは
入口2aを通じて反応器4aに供給され、ここでそれは
入口3aを通じて供給される酸と混合される。反応熱
は、熱交換体5aにおいて凝縮され、そして反応器に還
流されるアセトン生成物を部分的に沸騰させることによ
って除去される。この点までは、この装置(但し工程で
はない)は従来の分解技法と同一であるが;しかしなが
ら、分解反応器4aは、図1の従来の技法におけるその
対応する反応器4よりもより低い酸濃度で操作される。
図1の従来の反応器4のための典型的な条件は、76.
7〜87.8℃(170〜190°F)の温度、反応体
積1リットル当たり20〜40ミリ当量の水素イオンの
酸濃度及び10〜20分の滞留時間である。本発明の二
段階方法の第1段階反応器4aのための典型的な条件
は、65.6〜87.8℃(150〜190°F)の温
度、反応体積1リットル当たり約0.5(又は他の有効
量)〜5ミリ当量及び好ましくは約0.5〜1ミリ当量
の水素イオンの酸濃度及び10〜20分の滞留時間であ
る。従って、本発明の二段階方法の第1段階は、従来の
単一段階開裂反応器と同程度又はより低い酸濃度で実施
される。95%〜99%のCHPがフェノール及びアセ
トンに転化されるが、それらの条件下でCHP転化は不
完全であることがアメリカ特許第4,358,618号
にこれまで示されている。本発明の方法の観点からの重
要な結果は、AMSへのDMBAの非常に僅かな脱水が
生じることである。それらの条件下で、供給物中の約1
0%〜20%以下(一般的に25%以下)のDMBAが
AMSに転化される。70%ほどのDMBAがジクミル
ペルオキシド(DiCup)を形成するためにCHPと
化合し、そしていくらかのDMBAが未反応のまま残存
する。もう1つの重要な結果は、ほんの少量の重い物質
(AMSポリマー及びクミルフェノール)が形成される
ことである
【0021】硫酸の場合、適切な水素イオン濃度は約2
5ppm 〜約250ppm の硫酸(重量に基づく)により供
給される。他の均質触媒、一般的には酸に関して、それ
らの強さはそれらのイオン化定数により計算できる。
【0022】第1段階反応器4aからの生成物は、充填
型ベッド反応器である第2段階反応器6aにポンプで送
られる。ここで粗生成物はライン30aからの水素の存
在下で水素化触媒と接触させられる。未反応CHPは即
座にフェノール及びアセトンに分解する。第1段階反応
器において生成した少量のAMSは、それが更に反応し
て重い物質を形成するのに十分な時間が経過する前に、
すばやくクメンに転化される。第1段階反応器において
形成されたDiCupは、AMS、フェノール及びアセ
トンを形成するために容器1aからの反応生成物中で酸
の作用により分解される。追加の酸(図2におけるライ
ン6b)が第1及び第2段階の間で添加され、DiCu
pの分解速度が高められる。このようにして形成される
AMSはまた、重い物質を形成するのに十分な時間が経
過前に、水素化触媒の作用によりクメンに急速に転化さ
れる。この態様において、AMS濃度、及びAMSポリ
マー及びクミルフェノールの形成のための駆動力は最低
限に維持される。
【0023】場合によっては、第2段階反応器6aから
の生成物流の一部は反応器4aにおいてAMSを希釈す
るためにライン6dを通じて再循環され得る。
【0024】図2の残りは、本発明の方法が下流工程及
び生成物の回収をいかに単純にできるかを示す。図1の
従来の方法におけるように、粗生成物は追加の加工の前
に容器6cにおいて中和されるべきである。これは、酸
濃度がかなり低いので、2段階方法においてひじょうに
単純化され得る。本発明の方法における酸の濃度は、中
和された粗生成物が酸抽出又は相分離を伴わないで直接
的に蒸留に送られ、酸抽出の後で通常得られるよりも多
くない塩生成物をもたらすように十分に低い。中和の
後、粗フェノール及びアセトン生成物はスプリッターカ
ラム7aにおいてスプリットされる。本発明のもう1つ
の利点は、それがこれまでの方法よりも相当に少ないア
セトール(1−ヒドロキシ−2−プロパノン、又はヒド
ロキシアセトン)を生成し、従来のシステムに比較し
て、スプリッターカラム7aの大きさを小さくできるこ
とである。第1段階反応器へのアセトン再循環はもはや
必要とはされないので、アセトントッピングカラム(図
1におけるカラム8)はもはや必要ではない。アセトン
はカラム9aにおいて純粋な生成物に精製され、そして
ライン10aにおいて回収される。そのいくらかは、反
応器4aにおけるAMSの濃度を低下させるために、ラ
イン10bを通して再循環させることができる。カラム
9aからの底部流はクメン及びいくらかの重い物質を含
む。その重い物質はカラム11aにおいてクメンから分
離され、そしてクメン再循環流12aは酸化反応器1a
に再循環される。AMS生成物カラム(図1におけるカ
ラム13)はもはや、必要とはされない。カラム7aか
らの粗フェノール流はカラム13aに送られ、ここで多
量の重い物質がライン31aにおいて除去される。AM
Sポリマー及びクミルフェノールの量は従来の方法にお
けるよりもより少ないので、重い最終物質のクラッキン
グ(図1におけるクラッキングユニット20)は経済的
理由に依存して任意であるように思われる。従来の方法
におけるように、粗フェノールはカラム14a及び15
aにおいてさらに精製され、純粋なフェノール生成物が
16aで得られる。従って、2段階分解方法は、他の利
点の中で、2つの蒸留カラム及び生成物回収領域におけ
る重い最終物質のクラッキングの排除をもたらし、そし
て酸抽出を減じ又は排除し、そしてスプリッターカラム
の縮小をもたらす。
【0025】従来の方法に比べて比較的穏やかな反応条
件下で作動することによって、そしてまた、第2段階反
応器における水素化段階の結果として、他の副生成物、
たとえばアセトール及び色素が非常に減少する。これに
よって、図2に示される精製段階が単純化され、そして
純粋な生成物の回収ができる。
【0026】他の2段階方法と区別できる本発明の2段
階方法の特徴は、第2段階反応器におけるAMSの水素
化である。本発明の方法の成功の1つの手掛かりは、所
望する生成物、すなわちアセトン及びフェノールを水素
化させることなく、反応器内でクメンとなるAMSの実
質的に全てをすばやく水素化することである。比較的容
易にAMSは水素化されるために、AMSの選択的水素
化はかなり広範囲の条件にわたって達成できる。一定の
水素化触媒に関しては、これらの条件は適切な実験によ
り決定できる。本発明の方法の成功への第2の手掛かり
は、AMSが水素化される速度とAMSがDMBAの脱
水及びDiCupの分解から形成される速度との間の適
切な釣合いを維持することである。AMSが水素化され
る速度は、多量のAMS副生成物の形成を導びく第2段
階反応器におけるAMSの発生を妨げるために、AMS
が形成される速度に少なくとも等しいか、及び好ましく
はその速度よりも速くあるべきである。しかしながら、
一定条件下でDiCupを第2段階反応器において水素
化できることが見出された。
【0027】DiCupが水素化される場合、それは2
モルのDMBAを形成する。その2モルのDMBAは続
いて2モルのクメンに水素化される2モルのAMSを形
成するために脱水される。この態様において、1モルの
DiCupが2モルのクメンに転化される。DiCup
がCHPとDMBAを化合させることによって形成され
る第1段階反応を考慮する場合、DiCupの水素化の
全効果は元のCHP供給物からの1モルのDMBA及び
1モルのCHPの2モルのクメンへの転化である。DM
BAをクメンに転化させることが望ましい一方で、CH
Pをクメンに転化させることは望ましくない。本発明の
方法の全収率に影響を及ぼさない場合、それは余分な水
素利用及び追加のクメンの回収及び再循環に関するエネ
ルギー費用に関して本発明の方法に追加の費用を提供す
る。従って、DiCupの水素化を最低限に抑えなが
ら、第2段階反応器においてできるだけ低くAMSの濃
度を維持することが望ましい。
【0028】第2段階反応器6aにおけるDiCupの
水素化は、その工程のパラメーターを適切に調節し、D
iCupの酸触媒される分解速度とこの分解から生成す
るAMSの水素化速度との間での望ましいバランスを付
与することによって、最低限に抑えることができる。高
い水素化活性はDiCupの実質的な水素化を導びく
が、低い水素化活性が第2段階反応器において高いレベ
ルのAMSを導びき、それによって、多量の重い物質が
形成される。水素化活性は、使用される水素化触媒の種
類及び量、担体材料、水素流量及び圧力、及び温度、並
びに水素濃度及び圧力を変えることによって調節でき
る。DiCupの酸触媒される分解速度は、使用される
酸触媒の種類及び量並びに温度を変えることによって調
節できる。酸触媒の量は、DiCupの分解速度を早め
るために段階間で追加の酸触媒(図2におけるライン6
b)を添加することによって変えることができる。分解
速度を増加させるもう1つの手段は、水素化触媒のため
の酸性担体(たとえば超酸、樹脂又はシリカ/アルミ
ナ)を用いることによってである。これは、粗生成物中
の均質な酸の濃度を非常に低く維持することの追加の利
点を有する。このことは下流の処理に対して都合よい。
"超酸" とは、濃硫酸よりも強い酸システムとして一般
的に文献に記載されているような "超酸" 触媒を意味す
る。担体の酸度が高まるにつれて、DiCupの分解速
度は増加するであろう。結果として、AMSの水素化速
度は、AMSの増加した生成速度と歩調を合わせるため
に増加されるべきである。
【0029】実際、AMSの水素化速度とDiCupの
分解速度との間の釣合いは、DMBA及びDMBA由来
の副生成物(すなわちAMSポリマー、クミルフェノー
ル及びクメン)の質量均衡をモニターすることによって
モニターされる。第1段階反応器4aへのCHP供給物
2aは、CHP供給物により入るDMBAの合計モル流
量を決定するために液体クロマトグラフィーにより分析
される。第2段階反応器6aからの流出液は、この反応
器を出るAMSポリマー、クミルフェノール及びクメン
の合計モル流量を決定するためにガスクロマトグラフィ
ーにより分析される。DMBAの相当するモル流量は、
それらの3種の成分の個々のモル流量を加えることによ
って決定される。AMSポリマーのモル流量は、2モル
のDMBAが1モルのポリマー(ポリマーは主に二量体
から成る)を形成するために必要とされるので、2倍で
ある。望ましい操作条件下で、AMS及びDiCup
は、第2段階反応器からの流出液中のDMBAの相当す
るモル流量がCHP供給物中のDMBAのモル流量に等
しいように実質的に完全に転化される。水素化速度がD
iCupの分解速度に比較して遅い場合、これは第2段
階反応器6aにおけるAMSの発生を導びき、そして第
2段階反応器からの流出液中の多量のAMSポリマー及
びクミルフェノールをもたらすであろう。他方、水素化
の速度がDiCupの分解速度に対して速過ぎる場合、
いくらかのDiCupが水素化され、追加のDMBAが
形成される。従って、第2段階反応器からの流出液にお
いて測定されるDMBAの相当するモル流量は、第1段
階反応器へのCHP供給物中のDMBAよりも多いであ
ろう。それらのモル流量の差異は、水素化されたDiC
upの量の測定値である。上記のように、適切な工程パ
ラメーターは、所望の生成物の収率(すなわち重い物質
の最少化)とDiCupの水素化からの余分なクメンの
形成との間で望ましい釣合いを維持するように調節でき
る。その最適な釣合いは、経済的問題の関数(すなわち
再循環する余分なクメンの費用及び余分な水素消化の費
用に対する追加の収率の値)である。
【0030】硫酸は従来の分解反応器に使用するための
最も一般的な触媒であり、そして本発明者もまたそれを
好む。しかしながら、アメリカ特許第4,358,61
8号に教示されているように、二酸化硫黄、過塩素酸、
トルエンスルホン酸及びルイス酸、たとえば三弗化硼素
又は塩化アルミニウムのような他の触媒が第1段階反応
器において同じ又は類似する結果を得るために使用でき
る。不均質酸触媒でさえも、第1段階反応器に使用する
ことができる。同じ結果により、CHPのフェノール及
びアセトンへの95〜99%の転化率が示され、そして
DMBAのAMSへの25%以下の転化率が示される。
特定の酸の強度は、それらの結果を達成するために必要
とされる酸の量を決定するであろう。個々の酸に関して
は、これは適切な実験により決定できる。
【0031】パラジウム触媒は、第2段階反応器におい
て十分に作用することが見出されてるが、しかし他の水
素化触媒、たとえば白金、ルテニウム及び銅も同様に使
用できる。上記に概略したように、一定の触媒に関して
は、工程パラメーターは、AMS水素化とDiCup分
解との間で望ましい釣合いを得るために調節されるべき
である。パラジウム触媒は、次の範囲の条件に対して良
く作用した:65.6〜121.1℃(150〜250
°F)の温度、5〜10リットル/時/リットル触媒の
1時間当たりの液体空間速度(LHSV)、50〜15
0psigの水素圧及び第1段階反応器4aへの元の供給物
中のDMBAのモル流量の1〜4倍の水素モル流量。他
の水素化触媒に関しては、本発明の方法の条件は、適切
な実験により決定できるが、しかしパラジウムについて
の条件とはひじょうに異なることが予測され得ない。
【0032】DiCupが反応スキームから完全に排除
される操作のもう1つの態様も発見された。この操作態
様によれば、第1段階反応器は、第1段階においてCH
Pの実質的に完全な分解をもたらすために高い最終酸濃
度範囲(0.5〜1ミリ当量の代わりに反応体積1リッ
トル当たり3〜5ミリ当量の水素イオン)で操作され
る。硫酸に関しては、その濃度は、約83〜約89%の
CHP、約7〜約10%のクメン、約3.5〜約5.5
%のDMBA及び約0.5〜約1.5%のアセトフェノ
ンを含むCHP供給物に基づいて約100ppm 〜約20
0ppm である。比較的高い酸濃度のそれらの条件下で、
DiCupは形成されない。通常、このタイプの操作
は、多量のAMS形成の結果として第1段階において多
量の重い物質の形成を導びく。しかしながら、形成され
たAMSが希釈され、それゆえに重い物質の形成が、第
2段階反応器からの流出液の一部を第1段階反応器に再
循環させて戻すことによって最低限に抑えられる。すべ
てのAMSは第2段階においてクメンに転化されるの
で、再循環流はAMSを含まない。この手段において、
第1段階におけるAMSはより低い濃度に希釈され、従
って形成される重い物質の量が減少する。この態様での
操作により、CHPの分解及びAMSの水素化は完全に
分離される(すなわち、すべてのCHPは第1段階にお
いて分解され、そしてすべてのAMSは第2段階におい
て水素化される)。CHP又はDiCupは第2段階に
送られないので、CHP又はDiCupの水素化は完全
に排除される。この最適な再循環操作態様は、図2の流
れ6dにより例示され、点線として示される。
【0033】重い物質の形成を更に減少させることは、
第2段階に酸性支持体を使用し、そして上記再循環態様
で操作することにより達成できる。酸性担体の使用によ
って、少量のCHPが未反応のまま残存し、そして少量
のDiCupが形成されるであろう、酸濃度範囲の下限
での第1段階の操作が可能になる。第2段階における条
件の最適な調節(すなわち上記のような水素化及び酸性
活性の釣合いをとること)によって、第2段階における
DiCupのクメン、フェノール及びアセトンへの選択
的転化をもたらされる。2つの段階における条件の適切
な釣合いは、最少の重い物質の形成を導びく酸濃度及び
AMSの最少の組合せを導びく。反応器条件の釣合いを
とるための方法は、上記(すなわちDMBAの釣合いを
とることに基づく)と同じである。
【0034】本発明を次の例により例示する:装置:2
段階開裂/水素化方法の卓上規模変法を実験室で設定し
た。ここで図2の部材2a,3a,4a,5a,6a,
6b,6c及び30aが包含される。この装置は、第1
段階にCHPを送出するための供給タンク及びポンプ、
第1段階に硫酸触媒を送出するための供給ビュレット及
びポンプ、第1段階のための一体型アセトン凝縮器を有
する100mlのジャケット付き逆混合反応器、段階間で
のトランスファーポンプ、第2段階のためのジャケット
付き直径1/2インチの反応器及び第2反応器のための
水素送出システムから構成した。第1段階反応器を加熱
するために水槽を使用し、そして第2段階反応器を加熱
するために油槽を使用した。温度を調節するために第1
段階反応器に真空コントローラーを装着した、そして水
素圧を調節するために第2段階反応器に圧力コントロー
ラーを装着した。個々の反応器からの流出液を収集し、
そしてサンプリングするために収集容器を装着した。
【0035】
【実施例】例1 第1段階反応器を、次の条件下で操作した: 温度 80.6℃(177°F) 滞留時間 12分 酸濃度 0.1重量% 再循環アセトン 供給 これらの条件は、単一段階の従来のCHP分解反応器を
操作するための最適条件を表わす。従って、この試験の
結果は、2段階方法の利点を判断する基本を確立するよ
うに思われた。前記試験によって、実験室用反応器と十
分な規模のプラント反応器との間でよい一致が示され
た。
【0036】種々の操作態様の結果を比較するための便
利な方法は、フェノール生成物100ポンド当たりに生
成される廃棄生成物のポンドを計算することである。そ
の結果は、AMS(AMS二量体及びクミルフェノー
ル)、他の軽い物質(DMBAよりも軽い)及びAMS
には直接的に関係しない他の重い物質(DMBAよりも
重い)に直接的に関連する廃棄物に分けられるであろ
う。さらに、アセトールは、それがフェノール精製にお
いて重要な役割を演じるので、別々に列挙されるであろ
う。
【0037】基本ケースについての結果を以下に示す: 廃棄物 フェノール100ポンド当たりのポンド AMS二量体 1.53 クミルフェノール 1.50 アセトール 0.31 他の軽い物質 0.17 他の重い物質 1.98 合計 5.49
【0038】例2 例1と同じ装置を用いて、第2段階反応器を、炭素顆粒
(20〜70メッシュ)上0.5%Pdを含んで成る水素
化触媒60ml(34.6g)により充填した。この触媒
はEnglehardから得られる市販入手可能な触媒
である。触媒は、90℃及び100psigで数時間、触媒
上に水素を流すことによって還元された。
【0039】第1段階反応器を次の条件で作動させた:
1atm 、87.2℃(189°F)、31ppm の硫酸、
供給物中、11.1重量%のアセトン及び15分の滞留
時間。第2段階反応器における条件は次の通りであっ
た:92psigの水素圧、93.3℃(200°F)、
4.2l/時/l触媒LHSV、及び442sccmの水素
流。
【0040】定常状態の結果を基本試験との比較のため
に以下に示す: 廃棄物 フェノール100ポンド当たりのポンド AMS二量体 0.37 クミルフェノール 0.77 アセトール 0.16 他の軽い物質 0.34 他の重い物質 2.11 合計 3.75 CHPからのクメン 4.33
【0041】合計の廃棄生成物における30%以上の還
元は、第2段階反応器においてAMSを水素化すること
によってもたらされたことが見出された。AMS二量体
及びクミルフェノールを、基本実験において得られる量
の約1/3に減少した。
【0042】第1段階反応器からの未反応CHPの水素
化から得られるクメンの量も上記結果に列挙した。これ
は、それが余分な水素消費を必要とするために2段階方
法に追加の費用がかかることを示している。この値は、
2段階方法間の比較の際に追加の点として使用されるで
あろう。
【0043】例3 第2段階反応器を、1/16インチのアルミナ球体上、
0.5重量%のPdから成る水素化触媒50ml(45.8
g)により充填した。この触媒はCalsicatから
得られる市販入手可能な触媒である。触媒を水素と共に
150℃及び100psigで一晩還元した。
【0044】第1段階反応器は、次の条件で作動させ
た:1atm 、87.2℃(189°F)、25ppm の硫
酸、供給物における11.1重量%のアセトン及び15
分の滞留時間。第2段階反応器における条件は次の通り
である:105psigの水素圧、120℃(248°
F)、5.0リットル/時/リットル触媒LHSV、及
び286sccmの水素流量。
【0045】定常状態結果を以下に示す: 廃棄物 100ポンドフェノール当たりのポンド AMS二量体 0.29 クミルフェノール 0.46 アセトール 0.13 他の軽い物質 0.65 他の重い物質 1.59 合計 3.12 CHPからのクメン 6.40
【0046】43%の合計廃棄生成物における減少が達
成され、そしてAMS二量体及びクミルフェノールが基
本の場合の1/4に減少した。しかしながら、CHPの
クメンへの転化率は、炭素担体上に担持されたPdにより
得られた転化率よりも高かった。
【0047】例4 この試験は、例3の触媒と同じ触媒により行なわれた。
第1段階の条件は次の通りであった:1atm 、86.9
℃(188.4°F)、17ppm の硫酸、供給物にはア
セトンは存在しない及び15分の滞留時間。第2段階に
おける条件は次の通りであった:100psigの水素圧、
121.7℃(251.0°F)、5.0リットル/時
/リットル触媒LHSV及び286sccmの水素流量。
【0048】定常状態の結果を以下に示す: 廃棄物 100ポンドのフェノール当たりのポンド AMS二量体 0.39 クミルフェノール 0.80 アセトール 0.16 他の軽い物質 0.55 他の重い物質 1.34 合計 3.24 CHPからのクメン 4.78
【0049】廃棄生成物の合計量は、例3におけるのと
ほぼ同じであった。しかしながら、供給物でのアセトン
希釈なしに操作することによって、AMS二量体及び特
にクミルフェノールが例3におけるそれらのレベルから
高まった。CHPのクメンへの水素化は、例3に比較し
て著しく減少した。
【0050】例5 この試験は、例3の触媒と同じ触媒により行った。第1
段階の条件は次の通りであった:1atm 、87.5℃
(189.5°F)、62ppm の硫酸、供給物における
11.1重量%のアセトン及び15分の滞留時間。第2
段階における条件は次の通りであった:100psigの水
素圧、117.2℃(243°F)、7.6リットル/
時/リットル触媒LHSV及び290sccmの水素流量。
【0051】定常状態の結果を以下に示す: 廃棄物 100ポンドのフェノール当たりのポンド AMS二量体 0.35 クミルフェノール 0.64 アセトール 0.19 他の軽い物質 0.88 他の重い物質 1.07 合計 3.13 CHPからのクメン 3.48
【0052】廃棄生成物における低下は例3のものとほ
ぼ同じであった。しかしながら、第1段階におけるより
高い酸濃度及び第2段階におけるより短い滞留時間で操
作することによって、CHPのクメンへの水素化は、例
3で得られた水素化からほぼ1/2にさらに減少した。
【0053】例6 これまで述べた例は、いくらかのCHPの追加のクメン
への水素化を犠牲にして、従来の単一段階技法からの廃
棄生成物の実質的な低下を示す。AMS水素化の速度と
CHP分解の速度とを適切に釣合いをとることによっ
て、CHPのクメンへの転化を減少させることができ
る。これを達成できる1つの手段は、酸性担体上に水素
化触媒を担持することによる。
【0054】そのような触媒は、 "超酸" 担体を用いて
実験室において調製した。その担体材料は、硫酸と酸化
ジルコニウムとを反応させ、そして次に600℃以上の
温度で焼成することによって調製した。次にこの材料を
1重量%のPdに含浸した。第2段階反応器に、この触媒
41.5ml(56g)を充填した。この触媒は、150
℃及び100psigで水素により一晩還元された。
【0055】第1段階反応器は次の条件で操作した:1
atm 、85.8℃(186.5°F)、46ppm の硫
酸、供給物における11.1重量%のアセトン、及び1
3.3分の滞留時間。第2段階の条件は次の通りであっ
た:100psigの水素圧、82.2℃(180°F)、
4.8リットル/時/リットル触媒LHSV及び75sc
cmの水素流量。
【0056】定常状態の結果を以下に示す: 廃棄物 100ポンドのフェノール当たりのポンド AMS二量体 0.47 クミルフェノール 0.80 アセトール 0.14 他の軽い物質 0.27 他の重い物質 1.67 合計 3.37 CHPからのクメン 0.88
【0057】廃棄生成物の量は、例3で得られた量より
もわずかに多い。しかしながら、CHPのクメンへの水
素化は、例3で得られた水素化の僅か14%に減少し、
そしてそれは通常経済的影響はほとんど受けないほど十
分に低い値である。
【0058】例7 上記例において、廃棄生成物の低下は、第1段階反応器
におけるAMS濃度を最低限に抑えることによって達成
された。しかしながら、これは、第2段階反応器におい
てクメンに一部水素化されるCHPの不完全な転換をも
たらした。CHPのクメンへの転換を完全に排除するた
めの手段は、実質的にすべてのCHPがこの段階におい
て反応される条件下で第1段階反応器を操作することで
ある。しかしながら、これは通常、AMSの高い濃度、
そして続いて廃棄生成物の高い収率を導びくであろう。
【0059】両方の目的(廃棄物の削減及びCHP水素
化の排除)を達成するために第2段階反応器からの出口
の一部を、第1段階反応器においてAMS濃度を希釈す
るために、その第1段階反応器に再循環させることがで
きる。これは図2(ライン6d)に例示される。第1段
階反応器への供給速度よりもより速い処理量で第2段階
反応器を操作することによって、第1段階反応器におけ
るAMSの望ましい希釈が達成できる。この態様におい
ては、AMS濃度は、CHPの転化の程度に関係なく低
下する。従って、CHPの実質的に完全な転化を付与す
るのに十分な条件下で第1段階反応器を操作できる。
【0060】第2段階反応器に、例3の触媒と同じ触媒
を充填した。第1段階反応器は次の条件下で操作した:
1atm 、86.2℃(187.1°F)、150ppm の
硫酸、供給物における11.1重量%のアセトン及び1
5分の滞留時間(供給物の流量に基づく)。第2段階反
応器は次の条件下で作動された:90psigの水素圧、8
3.4℃(182.1°F)、16リットル/時/リッ
トル触媒LHSV、及び184sccmの水素流量。これら
の条件下で、第2段階を通しての流量は、第1段階への
新鮮な供給物の流量の2倍であった。
【0061】定常状態の結果を以下に示す: 廃棄物 100ポンドのフェノール当たりのポンド AMS二量体 0.55 クミルフェノール 0.91 アセトール 0.13 他の軽い物質 0.26 他の重い物質 1.62 合計 3.50 CHPからのクメン 0.00
【0062】第1段階反応器における条件下で、実質的
にすべてのCHPが転化された。結果として、第2段階
においてCHPのクメンへの水素化は存在しなかった。
第2段階からの流れを再循環させることによって第1段
階でのAMSの希釈は、廃棄生成物の実質的な減少をも
たらしたが、但し廃棄物の量は例3におけるよりもわず
かに多いだけであった。
【0063】例8 例6においては "二重機能" 触媒を、第2段階における
DiCupの分解速度とAMSの水素化速度との間で釣
合いをとるために使用した。この釣合いをとるための他
の手段は、より多くの酸を添加することによって第2段
階反応器における酸濃度を調節することである(図2の
ライン6b)。いくらかのAMSが第1段階において形
成されるので、酸添加の前、このAMSをクメンに水素
化することが望ましい。他方、第2段階における高い酸
濃度は、このAMSの重い物質への過剰の転化をもたら
す。これは、ベッド間への酸の添加により触媒の2つの
ベッドに第2段階を分割することによって行うことがで
きる。第1ベッドは小さく、そして第1段階からのAM
Sを水素化するために十分な接触時間を提供する。無視
できる量のDiCupがこのベッドにおいて転化され
る。多くの酸触媒が、ベッド間に添加され、この第2ベ
ッドにおけるDiCupの分解速度が増加する。
【0064】このスキームによって、2種の触媒ベッド
は、0.5重量%のアルミナ上に担持されたPd触媒によ
り充填した。これは、例3で使用された同じ触媒であ
る。第1ベッドは、10ml(8.41g)の触媒を含
み、そして第2ベッドは72.5ml(67.33g)の
触媒を含んでいた。連結細管を有する圧縮された供給タ
ンクを、2種のベッドの触媒間に酸を添加するために使
用した。
【0065】第1段階の条件は次の通りであった:1at
m 、86.1℃(187°F)、53ppm の硫酸、供給
物における11.1重量%のアセトン、及び13.3分
の滞留時間。第2段階の条件は次の通りであった:10
0psigの水素圧、90℃(194°F)、第2触媒ベッ
ドにおいて1150ppm の硫酸、第1触媒ベッドにおい
て40/時のLHSV、第2触媒ベッドにおいて5.5
/時のLHSV及び75sccmの水素流量。
【0066】定常状態の結果を以下に示す: 廃棄物 100ポンドのフェノール当たりのポンド AMS二量体 0.25 クミルフェノール 0.71 アセトール 0.17 他の軽い物質 0.43 他の重い物質 1.59 合計 3.15 CHPからのクメン 1.16
【0067】その結果は、例6における "二重機能" 触
媒により得られた結果に匹敵する。ベッド間に添加され
る酸の量は、Pd触媒の水素化活性が時間の経過と共に変
化するにつれて調節できる。しかしながら、DiCup
を分解するために第2触媒ベッドにおいて必要とされる
酸濃度は、典型的な単一段階CHP分解のために必要と
される濃度とほぼ同じ濃度である。
【図面の簡単な説明】
【図1】これは単一段階CHP分解に基づく従来のフェ
ノール工程のフローシートである。
【図2】これは本発明の二段階フェノール工程のフロー
シートである。
【符号の説明】
1…酸化反応器 4…逆混合開裂反応器 6…酸中和器 7…スプリッターカラム 8…アセトントッピングカラム 20…クラッキングユニット 4a…反応器 6a…第2段階反応器 6c…容器 7a…スプリッターカラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 31/02 103 B01J 31/02 103X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭58−32831(JP,A) 米国特許2757209(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 39/04 C07C 27/00 310 C07C 37/08

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジメチルベンジルアルコール(DMB
    A)を含むクメンヒドロペルオキシド(CHP)からフ
    ェノール及びアセトンを製造するための方法であって、
    第1段階反応体積を有する第1段階反応領域にジメチル
    ベンジルアルコール(DMBA)を含むクメンヒドロペ
    ルオキシド(CHP)を供給し、それと反応体積1リッ
    トル当たり約5ミリ当量以下の有効量の水素イオンを提
    供する酸触媒とを接触させることによって前記第1段階
    反応領域においてクメンヒドロペルオキシド(CHP)
    の少なくとも95%を分解させ、それによって(a)フ
    ェノール、(b)アセトン、(c)前記第1段階反応体
    積の内容量に基づいて約1.2重量%以下の、ジメチル
    ベンジルアルコール(DMBA)の脱水によるα−メチ
    ルスチレン(AMS)、(d)残留ジメチルベンジルア
    ルコール(DMBA)、(e)クメンヒドロペルオキシ
    ド(CHP)とジメチルベンジルアルコール(DMB
    A)の化合によるジクミルペルオキシド(DiCu
    p)、及び(f)残留クメンヒドロペルオキシド(CH
    P)を含む第1段階反応混合物を生成させ、第2段階反
    応領域において前記第1段階反応混合物と水素とを水素
    化触媒の存在下で接触させてα−メチルスチレン(AM
    S)をクメンに水素化し、それと同時に又はその後に前
    記第1段階反応混合物と酸触媒とを接触させて残留クメ
    ンヒドロペルオキシド(CHP)をフェノール及びアセ
    トンに分解させ、残留ジメチルベンジルアルコール(D
    MBA)をα−メチルスチレン(AMS)に脱水させ、
    そしてジクミルペルオキシドをアセトン、フェノール及
    びα−メチルスチレンに分解させ、前記第2段階反応領
    域の生成物からフェノール及びアセトンを回収すること
    を含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記酸触媒が硫酸である請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記酸触媒が二酸化硫黄である請求項1
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記酸触媒が過塩素酸である請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 前記酸触媒がトルエンスルホン酸である
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記酸触媒がルイス酸である請求項1記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 前記水素化触媒が担持されたパラジウム
    触媒である請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記水素化触媒のための担体が酸性であ
    る請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記水素化触媒のための担体が炭素であ
    る請求項7記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記水素化触媒のための担体がアルミ
    ナである請求項7記載の方法。
  11. 【請求項11】 水素が、前記第1段階反応領域へのク
    メンヒドロペルオキシド(CHP)供給物におけるジメ
    チルベンジルアルコール(DMBA)のモル流量の約1
    〜4倍の割合で前記第2段階反応領域に添加される請求
    項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記第1段階反応混合物における硫酸
    濃度が約30〜50体積百万分率(ppm)である請求項2
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記第1段階反応領域における酸濃度
    が第1段階反応混合物1リットル当たり約0.5〜約
    1.0ミリ当量の水素イオンを提供する請求項1記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 前記硫酸の濃度が、クメンヒドロペル
    オキシド供給物1リットル当たり約3〜約7ミリ当量の
    水素イオンを提供する請求項2記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記第1段階反応領域における滞留時
    間が約10〜約20分である請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記第2段階反応領域の前記生成物か
    ら回収されるアセトンの少なくとも一部が前記第1段階
    反応領域に再循環される請求項1記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記第2段階反応領域の生成物からク
    メンを分離し、クメンヒドロペルオキシドを製造するた
    めに酸化領域に前記クメンを再循環させ、前記第1段階
    反応領域に前記クメンヒドロペルオキシドを供給するこ
    とを含む請求項1記載の方法。
  18. 【請求項18】 クメンの酸化により製造されるクメン
    ヒドロペルオキシド(CHP)からフェノール及びアセ
    トンを製造するための方法であって、クメンの酸化によ
    り製造されたクメンヒドロペルオキシド(CHP)供給
    物を第1段階反応領域に供給し、前記第1段階反応領域
    において前記クメンヒドロペルオキシド(CHP)と有
    効量の酸触媒とを接触させることによって前記クメンヒ
    ドロペルオキシド(CHP)をフェノール及びアセトン
    に分解させ、α−メチルスチレン及び残留クメンヒドロ
    ペルオキシド(CHP)を含む前記第1段階反応領域か
    らの生成物流と水素とを第2段階反応領域において酸性
    担体上に担持された水素化触媒の存在下で接触させ、そ
    れによって第2段階反応領域においてα−メチルスチレ
    ンをクメンに水素化し、そして残留クメンヒドロペルオ
    キシド(CHP)をアセトン及びフェノールに分解さ
    せ、前記第2段階反応領域の反応生成物の一部を前記第
    段階反応領域に再循環させ、前記第2段階反応領域か
    らフェノール及びアセトンを回収することを含んで成る
    方法。
  19. 【請求項19】 前記第2段階反応領域の前記反応生成
    物の少なくとも約50%が前記第1段階反応領域に再循
    環される請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記第2段階反応領域の前記反応生成
    物の約66〜約75%が前記第1段階反応領域に再循環
    される請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記水素化触媒がパラジウムである請
    求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記クメンヒドロペルオキシド(CH
    P)供給物が、クメンヒドロペルオキシド(CHP)約
    83〜約89重量%、クメン約7〜約10重量%、ジメ
    チルベンジルアルコール(DMBA)約3.5〜約5.
    5重量%及びアセトフェノン約0.5〜約1.5重量%
    を含んで成る請求項18記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記水素が、前記クメンヒドロペルオ
    キシド(CHP)供給物におけるジメチルベンジルアル
    コール(DMBA)濃度の約1〜4倍の濃度で前記第2
    段階反応領域に維持される請求項18記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記酸触媒が硫酸である請求項18記
    載の方法。
  25. 【請求項25】 前記硫酸が維持される請求項24記載
    の方法。
  26. 【請求項26】 クメンの酸化により製造されるクメン
    ヒドロペルオキシド(CHP)からフェノール及びアセ
    トンを製造するための方法であって、クメンヒドロペル
    オキシド(CHP)約83〜約89重量%、クメン約7
    〜約10重量%、ジメチルベンジルアルコール(DMB
    A)約3.5〜約5.5重量%及びアセトフェノン約
    0.5〜約1.5重量%を含むクメンの酸化により製造
    されたクメンヒドロペルオキシド(CHP)供給物を第
    段階反応領域に供給し、前記第1段階反応領域におい
    て前記クメンヒドロペルオキシド(CHP)とクメンヒ
    ドロペルオキシド(CHP)供給量に基づいて約50pp
    m 〜約250ppm の硫酸とを接触させることによって前
    記クメンヒドロペルオキシド(CHP)をフェノール及
    びアセトンに分解させ、α−メチルスチレン及び約1.
    2重量%以下のクメンヒドロペルオキシド(CHP)を
    含む前記第1段階反応領域からの生成物流と水素とを第
    段階反応領域において酸性担体上に担持された水素化
    触媒の存在下で接触させ、それによって第2段階反応領
    域においてα−メチルスチレンをクメンに水素化し、そ
    れと同時に残留クメンヒドロペルオキシド(CHP)を
    フェノール及びアセトンに分解させ、前記第2段階反応
    領域からフェノール及びアセトンを回収することを含ん
    で成る方法。
  27. 【請求項27】 フェノール及びアセトンの製造方法で
    あって、クメンヒドロペルオキシドをフェノール及びア
    セトンに分解させるために、クメンヒドロペルオキシド
    とクメンヒドロペルオキシド1リットル当たり約7ミリ
    当量以下の量の水素イオン触媒とを接触させ、それによ
    って第1段階反応混合物を形成させ、その後、前記第1
    段階反応混合物と水素とを水素化触媒の存在下で接触さ
    せて、第2反応混合物を形成し、前記第2段階反応混合
    物からフェノール及びアセトンを回収することを含んで
    成る方法。
  28. 【請求項28】 前記水素イオン触媒が硫酸により提供
    される請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記第2段階反応混合物が、残留クメ
    ンヒドロペルオキシドを分解するために酸触媒によりさ
    らに処理される請求項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記水素イオン触媒が流体酸により供
    給される請求項27記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記水素化触媒がパラジウムであり、
    そして水素が前記クメンヒドロペルオキシド(CHP)
    におけるジメチルベンジルアルコール(DMBA)のモ
    ル数の1〜4倍のモル量で前記第2段階反応混合物に存
    在する請求項27記載の方法。
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