JP2951445B2 - パネル取付構造 - Google Patents

パネル取付構造

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JP2951445B2
JP2951445B2 JP24659191A JP24659191A JP2951445B2 JP 2951445 B2 JP2951445 B2 JP 2951445B2 JP 24659191 A JP24659191 A JP 24659191A JP 24659191 A JP24659191 A JP 24659191A JP 2951445 B2 JP2951445 B2 JP 2951445B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パネル取付構造に関
し、特に、石材等のパネル体を乾式施工法で施工壁面等
に固定せしめるパネル取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のパネル取付構造として、
特開平1−214659号公報に開示されたものが知ら
れている。
【0003】同公報に示すパネル取付構造は、石材等の
パネル体(石材やタイル、あるいは石膏ボード等の表面
に石材またはタイル等を積層して複合材としたものを含
む)の裏面に内向きに傾斜した引き留め溝を形成すると
ともに、周縁には当該引き留め溝に対して係合可能な内
向きの縁部を有するとともに中心部にはアンカーボルト
を備えた引き留め金具を接着剤を併用して係合固定せし
め、同引き留め金具のアンカーボルトを建物側に固定す
るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のパネル
取付構造においては、次のような課題があった。引き留
め金具をパネル体に係合せしめるときに、十分な強度を
得るためには接着剤で固定しなければならず、接着剤が
乾燥するまで待たなければならない等、湿式施工法の不
具合が解消されていない。
【0005】また、引き留め金具とパネル体とが剛体連
結されているため、相対変位が不可能であり、地震など
によって施工壁面に歪みが生じたときに引き留め金具と
パネル体との固定部位が破損し、パネル体が脱落する可
能性がある。
【0006】本発明は、上記課題にかんがみてなされた
もので、接着剤を使わずに十分な固定強度が得られると
ともに、必要時には微少変動を許容して地震の発生時に
パネル体の脱落を防止することが可能なパネル取付構造
の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、石材等のパネル体の裏面
側で所定の取付金具にて当該パネル体を施工壁面等に固
定せしめるパネル体取付構造であって、上記パネル体に
はその裏面に、所定高さだけ厚み方向に突出し、周面に
は軸心を中心とした反対の側にそれぞれ所定の角度にわ
たって突出方向側で径が大となる抜け止め円周壁面を形
成するとともに各抜け止め円周壁面の間には当該抜け止
め円周壁面の径よりも小なる円周面を基準として当該円
周面より周方向側に突出しない逃げ壁面とを形成した係
合凸部を設けるとともに、上記取付金具は、所定幅を有
する板状体の両端を上記係合凸部方向内側に向けて屈曲
せしめ、上記係合凸部における抜け止め円周壁面に沿っ
て係合しつつ回転摺動可能であるとともに上記逃げ壁面
に沿っては係合することなく当該係合凸部の厚み方向に
近接及び離反可能にし、かつ、両端の屈曲部位を接続す
る基部には上記係合凸部側と逆方向に突出するように断
面略コの字状に屈曲せしめるとともに当該突出部位には
その屈曲幅方向に締め付ける締め付け機構を備えた係合
部材と、一端にて上記施工壁面等に固定されるとともに
他端にて当該係合部材に固定される装着腕とを備えた構
成としてある。
【0008】また、請求項2にかかる発明は、石材等の
パネル体の裏面側で所定の取付金具にて当該パネル体を
施工壁面等に固定せしめるパネル体取付構造であって、
上記パネル体にはその裏面に、所定高さだけ厚み方向に
突出し、周面には突出方向側で径が大となる複数の抜け
止め円周壁面を形成するとともに各抜け止め円周壁面の
間には当該抜け止め円周壁面の径よりも小なる円周面を
基準として当該円周面より周方向側に突出しない逃げ壁
面とを形成した係合凸部を設けるとともに、上記取付金
具は、板状体における上記係合凸部の抜け止め円周壁面
に対応する端部を上記係合凸部方向内側に向けて屈曲せ
しめ、上記係合凸部における抜け止め円周壁面に沿って
係合しつつ回転摺動可能であるとともに上記逃げ壁面に
沿っては係合することなく当該係合凸部の厚み方向に近
接及び離反可能にし、かつ、当該板状体の中程の基部に
は上記係合凸部側と逆方向に突出するように断面略コの
字状に屈曲せしめるとともに当該突出部位の両側部には
案内窓を形成した係合部材と、帯板状体の短手方向中央
部を基壁とするととともにその両側部を同一方向に屈曲
せしめて側壁とし、上記係合部材における案内窓内に挿
通可能な長尺体に形成され、一端にて上記施工壁面等に
固定されるとともに他端側の基壁には上記係合部材の案
内窓に挿通せしめたときに両案内窓の枠部に係合して抜
け止めを図る立て爪を形成した装着腕とを備えた構成と
してある。
【0009】さらに、請求項3にかかる発明は、石材等
のパネル体の裏面側で所定の取付金具にて当該パネル体
を施工壁面等に固定せしめるパネル体取付構造であっ
て、上記パネル体にはその裏面に、所定高さだけ厚み方
向に突出し、周面には突出方向側で径が大となる複数の
抜け止め円周壁面を形成するとともに各抜け止め円周壁
面の間には当該抜け止め円周壁面の径よりも小なる円周
面を基準として当該円周面より周方向側に突出しない逃
げ壁面とを形成した係合凸部を設けるとともに、上記取
付金具は、板状体における上記係合凸部の抜け止め円周
壁面に対応する端部を上記係合凸部方向内側に向けて屈
曲せしめ、上記係合凸部における抜け止め円周壁面に沿
って係合しつつ回転摺動可能であるとともに上記逃げ壁
面に沿っては係合することなく当該係合凸部の厚み方向
に近接及び離反可能にし、かつ、当該板状体の中程には
上記係合凸部側と逆方向に突出するように断面略コの字
状に屈曲せしめるとともに当該突出部位の両側部には案
内窓を形成した係合部材と、帯板状体の短手方向中央部
を基壁とするととともにその両側部を同一方向に屈曲せ
しめて側壁として上記係合部材における案内窓内に挿通
可能な長尺体に形成されるとともに、一端には上記係合
部材の案内窓に挿通せしめたときに両案内窓の枠部に係
合して抜け止めを図る係合機構を形成し、他端の基壁に
は上記施工壁面側に突出する所定高さの凸部を形成した
装着腕とを備えた構成としてある。
【0010】そして、請求項4にかかる発明は、請求項
3に記載のパネル取付構造において、上記装着腕におけ
る凸部を、固定された高さの第一凸部と、高さの調整可
能な第二凸部とを有する構成としてある。
【0011】
【作用】上記のように構成した請求項1〜4にかかる発
明においては、取付金具における係合部材の屈曲部位を
パネル体の裏面の係合凸部における逃げ壁面に合わせて
当該係合部材をパネル体側に向けて押し込み、さらに、
係合部材を回転せしめると上記屈曲部位は係合凸部にお
ける抜け止め円周壁面に沿って摺動しつつ係合する。
【0012】その後、係合部材における突出部位に装着
腕を固定するとともに当該装着腕の他端を施工壁面に固
定するとパネル体は取付金具を介して施工壁面に固定さ
れる。
【0013】すなわち、係合部材は回転操作によってパ
ネル体の係合凸部に凹凸係合し、抜け止めが図られるの
で、当該係合部材と係合凸部とは十分な強度で係合され
る。また、このときに抜け止めは図られても回転を禁止
するものではなく、さらに、係合部材と施工壁面との間
は長尺体に形成された装着腕で支持されているので、わ
ずかなずれや歪みを許容し、地震時などにおける取付金
具とパネル体との固定部位の破損を未然に防ぐ。
【0014】また、特に請求項1にかかる発明では、締
め付け機構が断面略コの字状に屈曲された突出部位をそ
の屈曲幅方向に締め付けることにより、両端の屈曲部位
にてより強く係合凸部における抜け止め円周壁面を締め
付け、係合強度を強化する。
【0015】一方、請求項2にかかる発明では、係合部
材における断面略コの字形をなす突出部位の両側部に形
成された案内窓内に、長尺体に形成された装着腕を挿通
すると、当該装着腕の基壁に形成された係合機構が両案
内窓の枠部に係合して装着腕と係合部材との抜け止めを
図る。
【0016】さらに、請求項3にかかる発明では、係合
部材における断面略コの字状に屈曲された突出部位の両
側部には案内窓が形成され、当該案内窓内に断面コの字
状の長尺体に形成された装着腕を挿通すると、当該装着
腕に形成された立て爪が両案内窓の枠部に係合して装着
腕と係合部材とが固定され、この状態で取付金具を平坦
な壁面に近接していくと係合部材における突出部位と装
着腕の凸部が当該壁面に当接し、当該装着腕にて支持さ
れているパネル体は上記壁面に対して上記凸部の高さに
応じた所望の角度に固定される。
【0017】そして、請求項4にかかる発明では、請求
項3に記載のパネル取付構造において、壁面が平坦な場
合には装着腕における固定された高さの第一凸部が壁面
に当接するが、壁面が平坦でない場合には高さの調整可
能な第二凸部が壁面に当接し、その高さ調整によって装
着腕を壁面に対して所望の角度とする。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、接着剤な
どを使用することなく完全な乾式施工法でパネル体を施
工壁面等に固定することができ、かつ、金具とパネル体
との固定部位においてわずかな相対変位を許容し、当該
固定部位の破損を防止することが可能なパネル取付構造
を提供することができる。
【0019】また、請求項1に記載の発明は、パネル体
と取付金具との係合強度を強化することが容易となる。
【0020】さらに、請求項2に記載の発明は、係合部
材と装着腕とからなる取付金具の組立が容易となるとと
もに、装着腕については一対の立て爪を装着腕の基壁に
形成するだけであり、製造が容易である。
【0021】そして、請求項3及び請求項4に記載の発
明は、平坦な壁面に取付金具を固定する場合にパネル体
を壁面に対して所望の角度で固定せしめることが容易と
なる。
【0022】
【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を説
明する。図1は、本発明の一実施例にかかるパネル取付
構造の構成を示す斜視図である。本実施例にいては、パ
ネル体として略正方形の石材を使用し、その裏面の四隅
にて取付金具を介して施工壁面に取り付けられるものと
する。
【0023】同図において、石材10の裏面(建築物に
おける石材の施工壁面側)にはドーナツ状の溝を掘っ
て、中心部に島状の金具装着部(係合凸部)11を形成
している。
【0024】金具装着部11は、図2にその上面を示す
ように、略円柱体に形成されており、一定の径の円周を
形成する逃げ壁面11a(11a1,11a2)と、裏
面側に向かって徐々に径の大きくなるテーパー状の抜け
止め円周壁面11b(11b1,11b2)とがそれぞ
れ一対づつ交互に形成されている。
【0025】取付金具20は、上記金具装着部11に係
合する金具本体(係合部材)21を有している。金具本
体21は略小判形をなす帯板状の鋼板を屈曲して形成さ
れており、中央部には断面コの字形に屈曲された突出部
21aが形成されるとともに両端にはこの突出部(突出
部位)21aの突出方向と反対の側で円弧を描きつつや
や内向きに屈曲された係止縁(屈曲部位)21b(21
b1,21b2)が形成されている。
【0026】この係止縁21bは概ね上記抜け止め円周
壁面11bに沿う形状となっているが、係止縁21bの
方が角度が急になっており、両者の係合時に係止縁21
bの先端が金具装着部11に接触し、係止縁21bの根
元と金具装着部11における裏面側の周縁角部とが接触
しないようにしている。また、この係止縁21bの幅は
少なくとも金具装着部11における逃げ壁面11aの幅
よりも短いものとなっている。
【0027】突出部21aは側部21a1,21a2と
これらの両側部21a1,21a2とを接続する基部2
1a3とからなり、両側部21a1,21a2にはその
幅方向における中央部分であって互いに対面する位置に
矩形の係合窓(案内窓)22(22a,22b)が形成
されており、各係合窓22a,22bは図3及び図4に
示すように側部21a1,21a2上で基部21a3側
に偏った位置に形成されている。
【0028】また、各係合窓22a,22bの両側には
それぞれ二組のボルト23a(23a1,23a2)と
ナット23b(23b1,23b2)とからなる締結具
23にて貫通される孔21c1,21c2と孔21d
1,21d2(図示せず)が形成されている。
【0029】取付金具20は、上記金具本体21を固定
する装着腕24を有しており、当該装着腕24は長矩形
をなす帯板状の鋼板をその短手方向にて断面コの字形と
なるように屈曲せしめて形成されており、かつ、外形は
上記金具本体21の係合窓22内に対して挿通されて緩
嵌合可能な形状となっている。
【0030】装着腕24は断面コの字状に屈曲されて基
壁24aの両側辺に側壁24b1,24b2が接続され
た形となっており、基壁24a上には当該装着腕24を
上記係合窓22内に挿通したときに当該係合窓22a,
22bの枠に対してそれぞれ外側から向かい合って係合
する立て爪24a1,24a2が切り出し及び隆起され
ている。
【0031】また、基壁24a上における上記立て爪2
4a1,24a2が形成された側と反対の側には外方に
向けて上記金具本体21における鋼板の厚み分だけ押し
出し形成されるとともに中心に貫通孔24a3が形成さ
れた円形の高さ合わせ部24a4が設けられ、さらに当
該高さ合わせ部24a4と基壁24aの端面との間には
ネジ孔24a5が形成されて当該ネジ孔24a5内には
装着腕24の内側から外側に向けて突き出たネジ25が
螺合されている。
【0032】次に、上記構成からなる本実施例の使用方
法を説明する。まず、金具本体21における係止縁21
b1,21b2を石材10の金具装着部11における逃
げ壁面11a1,11a2に合わせ、当該金具本体21
を金具装着部11に向けて押し込む。係止縁21bの先
端が金具装着部11の根元まで押し込まれたら、金具本
体21の突出部21aを把持して約90度回転せしめ
る。
【0033】係止縁21bの先端は内側に向けて傾斜し
ており、抜け止め円周壁面11b1,11b2は突出方
向に向けて徐々に径が大となるテーパー状となっている
ため、このようにして金具本体21を90度回転せしめ
たときには両係止縁21b1,21b2が上記抜け止め
円周壁面11b1,11b2をくわえ込む形となり、金
具本体21と金具装着部11は互いに係合固定される。
なお、このときに係止縁21bの根元と金具装着部11
における裏面側の周縁角部とが接触しないようにしてお
り、もろく破損しやすい同角部が係止縁21bに接触し
て破損してしまうことを防止している。
【0034】この後、装着腕24における上記立て爪2
4a1,24a2を形成した側の端部より当該装着腕2
4を上記突出部21aに設けた係合窓22a,22b内
に挿入していく。挿入時に一方の立て爪24a2は係合
窓22aの枠によって装着腕24の内側に押し込まれ、
さらに挿入するともう一方の立て爪24a1が係合窓2
2aの枠に当接するとともに、上記立て爪24a2は反
対側の係合窓22bから外側に出てきてその枠に当接す
る。
【0035】すなわち、装着腕24が突出部21aの係
合窓22a,22bを貫通した状態で当該装着腕24の
基壁24a上にて互いに内向きに形成された立て爪24
a1,24a2がそれぞれ係合窓22a,22bの枠に
係合して挟み込むため、ガタがない状態で両者は係合固
定され、装着腕24の軸方向への抜け止めが図られる。
【0036】次に、ボルト23a1,23a2を突出部
21aにおける側部21a1の孔21c1,21c2に
挿入し、反対側の側部21a2の孔21c1,21c2
より突出せしめ、それぞれナット23b1,23b2に
螺合せしめる。
【0037】ただし、ボルト23aとナット23bを締
結する前に取付金具20と石材10との角度を調整す
る。図5は、施工壁面上で隣合う石材10を示してお
り、同一寸法に形成されたパネル状の石材10の裏面に
て同一位置に金具装着部11を形成する関係上、装着腕
24を鉛直とせず、同図に示すように斜めとする。な
お、この角度については金具装着部11に予め切り込み
などのマークを付けておいてもよい。そして、角度を調
整したら、締結具23のボルト23aとナット23bと
を締め付ける。
【0038】以上を、石材10の裏面に設けた四隅の金
具装着部11に対して行なう。
【0039】施工壁面30では、図6に示すように、予
め断面上向きコの字形の胴縁31と断面L字形の金具3
2とを溶接固定するとともに、金具32を施工壁面30
に対してボルト33によって固定する。
【0040】胴縁31に対して装着腕24の端部に設け
た高さ合わせ部24a4を位置合わせし、当該高さ合わ
せ部24a4の中心に形成した貫通孔24a3を介し固
定用ボルト34によって胴縁31に締結する。
【0041】石材10の取付工程が終了したら、隣合う
石材10の間の目地部分に弾性シーリングを充填するこ
とにより、壁面が完成する。
【0042】上述した実施例においては、施工壁面30
から浮かして保持された胴縁31に対して装着腕24を
固定しているが、施工壁面30の仕上がりが良好なもの
においては、胴縁31を使用することなく、直に装着腕
24を施工壁面30に固定することもできる。
【0043】このとき、図8に示すように、突出部21
aは基部21a3の表面にて施工壁面30に当接する
が、当該基部21a3の厚みだけ装着腕24における基
壁24aが同施工壁面30から浮いた状態となる。しか
るに、当該装着腕24における上記立て爪24a1,2
4a2を設けた側と反対の側の端部には高さ合わせ部2
4a4が施工壁面30の側に突出しており、施工壁面3
0が平坦であれば当該高さ合わせ部24a4が施工壁面
30に当接することによって装着腕24を鉛直に固定す
ることができる。
【0044】ただし、図8においては、この施工壁面3
0がわずかに傾斜しており、高さ合わせ部24a4が施
工壁面30に当接するだけでは装着腕24を鉛直に固定
することができなかった場合を示している。このため、
当該高さ合わせ部24a4より更に端部側に設けたネジ
孔24a5に対して装着腕24の内側よりネジ25を螺
合し、同ネジ25を基壁24aから外側に向けて突出せ
しめて基壁24aと施工壁面30との間隔を調整してい
る。
【0045】これにより、施工壁面30の状態にかかわ
らず装着腕24を鉛直に固定することが可能となる。
【0046】なお、この高さ合わせ部24a4について
は、図9に示すような、二重ネジ26を構成し、外側の
ネジ26aで高さ合わせを行ない、内側のネジ26bで
当該取付金具20を施工壁面30に取り付けるようにし
てもよい。
【0047】以上説明したように、本実施例によれば、
作業現場において接着剤などを使用することなく、金具
本体21を石材10の裏面に形成された金具装着部11
に覆蓋せしめて回転させるだけで金具本体21と金具装
着部11との固定作業が完了する。また、金具本体21
に装着腕24を差し込んで両者を固定し、同装着腕24
を施工壁面30に固定したときには、金具本体21と金
具装着部11との間で小量の回転が許容され、装着腕2
4においてはその剛性に応じた若干の微振動も許容され
るので、地震などによって施工壁面30に歪みが生じた
としても当該取付金具20によって吸収される。従っ
て、金具装着部11の破損を防ぎ、石材10の脱落の可
能性を低下させる。
【0048】上述した本実施例においては、突出部21
aを締結具23で締め付けるようにしているが、取り付
けるパネル体がさほど重くない場合にはかかる締結具2
3を使用しなくても十分な取付強度が得られる。また、
一つのパネル体を取り付けるのに使用する取付金具20
の数は、必要な取付強度に応じて調整すればよい。さら
に、取り付ける数によっては装着腕24を斜めに延ばす
のでなく、位置をずらしてまっすぐに延ばすようにする
ことも可能である。
【0049】立て爪24a1,24a2については、基
壁24a上に設けているが、側壁24b1,24b2に
設けてもよい。ただし、基壁24a上に設けると一つの
壁面に形成することになるので隆起作業などが容易とな
りやすい。
【0050】また、高さ合わせ部24a4については、
直に施工壁面30へ取り付けない場合には省略すること
ができる。
【0051】金具装着部11における抜け止め円周壁面
11bと逃げ壁面11aとの配置についても上述した例
に限定されず、金具本体21の回転操作によって金具装
着部11に対して固定されうる他の配置や数(例えば、
図10に示すようなもの)とすることができる。また、
両者が係合する形状についても上述した傾斜面どうしに
限らず、抜け止め円周壁面11bについてはその外周方
向に延設されるフランジを形成し、係止縁21bについ
ては当該フランジに係合する断面コの字形としてもよ
い。
【0052】また、目地部分を作らず、図11に示すよ
うに石材10の上部側と下部側の端面に所定深さの孔4
1a(41a1,41a2),41b(41b1,41
b2)を形成し、上下に配置される石材10の上部側端
面と下部側端面との孔41a,41bを位置合わせする
とともに両者内に接続軸42を挿入してずれを規制する
ようにしてもよい。なお、装着腕24を金具本体21に
取り付けるために、本例ではナット23によったが突出
部21aの側部21a2にネジ孔を設けてこれらを廃止
する事も可能である。また、突出部21aの上部21a
3は図1に表れるものより幅広に形成されることがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかるパネル取付構造の構
成を示す斜視図である。
【図2】金具装着部を示す正面図である。
【図3】金具装着部と金具本体の係合作業を示す断面図
である。
【図4】金具装着部と金具本体の係合作業を示す断面図
である。
【図5】石材の配置状態を示す正面図である。
【図6】石材の施工壁面に対する取付状態を示す斜視図
である。
【図7】石材の施工壁面に対する取付状態を示す断面図
である。
【図8】施工壁面に対して直に取付金具を取り付ける場
合の断面図である。
【図9】高さ合わせ部の変形例を示す断面図である。
【図10】金具装着部と金具本体の変形例を示す正面図
である。
【図11】目地部分を作らない場合の施工法を示す正面
図である。
【符号の説明】
10…石材 11…金具装着部 11a1,11a2…逃げ壁面 11b1,11b2…抜け止め円周壁面 20…取付金具 21…金具本体 21a…突出部 21a1,21a2…側部 21a3…基部 21b1,21b2…係止縁 22a,22b…係合窓 23…締結具 24…装着腕 24a…基壁 24a1,24a2…立て爪 24a4…高さ合わせ部 24a5…ネジ孔 24b1,24b2…側壁 25…ネジ 26…二重ネジ 26a…ネジ 26b…ネジ 30…施工壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 哲也 三重県四日市市住吉町15番2号 チヨダ ウーテ株式会社内 (72)発明者 中野 宏一 三重県四日市市住吉町15番2号 チヨダ ウーテ株式会社内 (72)発明者 浅井 良太 名古屋市昭和区広路本町5丁目29番地 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04F 13/08 - 13/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石材等のパネル体の裏面側で所定の取付
    金具にて当該パネル体を施工壁面等に固定せしめるパネ
    ル体取付構造であって、 上記パネル体にはその裏面に、所定高さだけ厚み方向に
    突出し、周面には軸心を中心とした反対の側にそれぞれ
    所定の角度にわたって突出方向側で径が大となる抜け止
    め円周壁面を形成するとともに各抜け止め円周壁面の間
    には当該抜け止め円周壁面の径よりも小なる円周面を基
    準として当該円周面より周方向側に突出しない逃げ壁面
    とを形成した係合凸部を設けるとともに、 上記取付金具は、 所定幅を有する板状体の両端を上記係合凸部方向内側に
    向けて屈曲せしめ、上記係合凸部における抜け止め円周
    壁面に沿って係合しつつ回転摺動可能であるとともに上
    記逃げ壁面に沿っては係合することなく当該係合凸部の
    厚み方向に近接及び離反可能にし、かつ、両端の屈曲部
    位を接続する基部には上記係合凸部側と逆方向に突出す
    るように断面略コの字状に屈曲せしめるとともに当該突
    出部位にはその屈曲幅方向に締め付ける締め付け機構を
    備えた係合部材と、 一端にて上記施工壁面等に固定されるとともに他端にて
    当該係合部材に固定される装着腕とを備えた構成とした
    ことを特徴とするパネル取付構造。
  2. 【請求項2】 石材等のパネル体の裏面側で所定の取付
    金具にて当該パネル体を施工壁面等に固定せしめるパネ
    ル体取付構造であって、 上記パネル体にはその裏面に、所定高さだけ厚み方向に
    突出し、周面には突出方向側で径が大となる複数の抜け
    止め円周壁面を形成するとともに各抜け止め円周壁面の
    間には当該抜け止め円周壁面の径よりも小なる円周面を
    基準として当該円周面より周方向側に突出しない逃げ壁
    面とを形成した係合凸部を設けるとともに、 上記取付金具は、 板状体における上記係合凸部の抜け止め円周壁面に対応
    する端部を上記係合凸部方向内側に向けて屈曲せしめ、
    上記係合凸部における抜け止め円周壁面に沿って係合し
    つつ回転摺動可能であるとともに上記逃げ壁面に沿って
    は係合することなく当該係合凸部の厚み方向に近接及び
    離反可能にし、かつ、当該板状体の中程の基部には上記
    係合凸部側と逆方向に突出するように断面略コの字状に
    屈曲せしめるとともに当該突出部位の両側部には案内窓
    を形成した係合部材と、 帯板状体の短手方向中央部を基壁とするととともにその
    両側部を同一方向に屈曲せしめて側壁とし、上記係合部
    材における案内窓内に挿通可能な長尺体に形成され、一
    端にて上記施工壁面等に固定されるとともに他端側の基
    壁には上記係合部材の案内窓に挿通せしめたときに両案
    内窓の枠部に係合して抜け止めを図る立て爪を形成した
    装着腕とを備えた構成としたことを特徴とするパネル取
    付構造。
  3. 【請求項3】 石材等のパネル体の裏面側で所定の取付
    金具にて当該パネル体を施工壁面等に固定せしめるパネ
    ル体取付構造であって、 上記パネル体にはその裏面に、所定高さだけ厚み方向に
    突出し、周面には突出方向側で径が大となる複数の抜け
    止め円周壁面を形成するとともに各抜け止め円周壁面の
    間には当該抜け止め円周壁面の径よりも小なる円周面を
    基準として当該円周面より周方向側に突出しない逃げ壁
    面とを形成した係合凸部を設けるとともに、 上記取付金具は、 板状体における上記係合凸部の抜け止め円周壁面に対応
    する端部を上記係合凸部方向内側に向けて屈曲せしめ、
    上記係合凸部における抜け止め円周壁面に沿って係合し
    つつ回転摺動可能であるとともに上記逃げ壁面に沿って
    は係合することなく当該係合凸部の厚み方向に近接及び
    離反可能にし、かつ、当該板状体の中程には上記係合凸
    部側と逆方向に突出するように断面略コの字状に屈曲せ
    しめるとともに当該突出部位の両側部には案内窓を形成
    した係合部材と、 帯板状体の短手方向中央部を基壁とするととともにその
    両側部を同一方向に屈曲せしめて側壁として上記係合部
    材における案内窓内に挿通可能な長尺体に形成されると
    ともに、一端には上記係合部材の案内窓に挿通せしめた
    ときに両案内窓の枠部に係合して抜け止めを図る係合機
    構を形成し、他端の基壁には上記施工壁面側に突出する
    所定高さの凸部を形成した装着腕とを備えた構成とした
    ことを特徴とするパネル取付構造。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載のパネル取付構造に
    おいて、上記装着腕における凸部を、固定された高さの
    第一凸部と、高さの調整可能な第二凸部とを有する構成
    としたことを特徴とするパネル取付構造。
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