JP2950696B2 - 光学活性ムスコンの製造方法 - Google Patents

光学活性ムスコンの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香料として有用な
(R)−(−)−ムスコン等の光学活性ムスコンの製造
方法に関し、さらに詳細には、ルテニウム−光学活性ホ
スフィン錯体を触媒として用いることを特徴とする3−
メチル−2−シクロペンタデセン−1−オンからの光学
活性ムスコンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ムスコンは高価で貴重なじゃ香の重要な
香気成分であり、種々の合成法が報告されており(H.
Suginomeら、Tetrahedron Let
t.、28巻、1987 p3963〜3966;R.W.
Thiesら、J. Org.Chem.、52巻、19
87 p3798〜3806等)、また、合成ラセミ体
ムスコンは従来より市販されている。
【0003】一方、ムスコンの光学活性体である(R)
−(−)−体及び(S)−(+)−体は共に香料として
有用であるが、(R)−(−)−体は(S)−(+)−
体と比べてより強く、より豊かなムスク香気を有してお
り、例えば、(S)−(+)−体の閾値が223ppb
であるのに対し、(R)−(−)−体の閾値は61pp
bであって、(R)−(−)−体がより優れたものであ
ることが報告されている( W. Pickenhage
nら、ACSシンポジウム SER.388Flavor
Chemistry、1989 p151)。
【0004】よって、香料原料等としてムスコンを使用
する場合、ラセミ体ムスコン以上に(R)−(−)−体
ムスコン等の光学活性ムスコンの需要が高まってきてい
るが、天然に得られる光学活性体には限りがあり、ま
た、現実的な光学活性体ムスコンの合成法がないのが実
情であった。すなわち、現在知られている(R)−
(−)−ムスコンの合成法としては、出発物質として光
学活性体を用いる方法、例えば、(S)−ヒドロキシイ
ソ酪酸を用いる方法( Q.Brancaら、Helv.
Chim. Acta.、60巻、1977 p925〜
944)、(+)−シトロネラ−ルまたは(R)−シト
ロネロールを用いる方法( V.R. Mamdapur
ら、Tetrahedron、20巻、1964 p2
601〜2604および K.Utimotoら、Tet
rahedron Lett.、26巻、1978 p
2301〜2304)、(S)−4−ブロモ−3−メチ
ルブタンニトリルを用いる方法( Zhuo−Feng
Xieら、J. Chem. Soc.,Chem. Comm
un., 1988 p1638〜1639)、(R)−
(+)−3−メチル−N−フェニルグルタミン酸を用い
る方法(D.Terunumaら、J. Org. Che
m., 52巻、1987 p1630〜1632)などが
報告されているが、いずれも多行程を要し、大量に合成
することは難しかった。
【0005】また、(E)−2−シクロペンタデセン−
1−オンに触媒の存在下、不斉マイケル反応させてメチ
ル基を導入する方法(K. Tanakaら、J. Che
m.Soc., Chem. Commun., 1990 p7
95〜797、同 1991p101〜102、同 19
91 p1632〜1634、J. Chem. Soc.,
Perkin Trans, 1991 p1445〜14
52、同 1992p1193〜1194等)が報告さ
れている。しかし、この方法も、触媒として使用する光
学活性化合物の使用量が、出発物質である2−シクロペ
ンタデセン−1−オンに対して約2倍モル量であり、こ
の光学活性化合物の合成も複雑で、さらに−78℃もの
低温反応である等、工業化にあたってはなお課題があっ
た。
【0006】一方、ルテニウム−光学活性ホスフィン錯
体を用いたエノン化合物の不斉水素化反応もいくつか知
られており、これを用いた(R)−(−)−体ムスコン
の合成も想定することは可能である。 例えば、2−ア
ルキリデンシクロペンタノンを不斉水素化して光学活性
な2−アルキルシクロペンタノンを合成する方法(Te
trahedron Lett., 33巻、1992 p
635〜638)や2−アルキリデン環状ケトンを不斉
水素化して光学活性な環状ケトンを合成する方法(特開
平3−48634号公報)が報告されている。 しか
し、これらの反応においてはいずれも基質がエキソ形オ
レフィンであり、他方、α,β−不飽和ケトンにおい
て、その還元される二重結合が環内にあるタイプ(エン
ド形)においては従来満足できる結果は得られなかっ
た。
【0007】例えば、イソホロン( 3,5,5−トリメ
チル−2−シクロヘキセン−1−オン)の場合、光学純
度62%ee、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−
オンの場合、22%ee、2−メチル−2−シクロヘキ
セン−1−オンの場合、26%ee、3−メチル−2−
シクロペンテン−1−オンの場合、4.5%eeの光学
純度のものしか得られなかった(V. Massonne
auら、Tetra−hedron Lett., 27
巻, 1986 p5497〜5498)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、簡便な操作で
光学純度の良い光学活性ムスコンを現実的に大量合成す
ることのできる方法の開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような実情におい
て、本発明者らは、ルテニウム−光学活性ホスフィン錯
体を触媒とする光学活性ムスコンの製造法について鋭意
研究を行った結果、出発原料として大環状エンド形不飽
和ケトンである3−メチル−2−シクロペンタデセン−
1−オンを採用し、ルテニウム−光学活性ホスフィン錯
体を触媒として不斉水素化を行なえば上記課題が解決で
きることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は3−メチル−2−シク
ロペンタデセン−1−オンをルテニウム−光学活性ホス
フィン錯体を触媒として不斉水素化することを特徴とす
る光学活性ムスコンの製造方法である。
【0011】本発明の出発原料である3−メチル−2−
シクロペンタデセン−1−オンには、(E)−体または
(Z)−体が存在するが、本発明においてはそのいずれ
を用いてもよく、例えば次のようにして合成することも
できる。
【0012】3−メチル−2−シクロペンタデセン−1
−オンの合成は、例えば、1,10−ジブロモデカンと
アセチル酢酸エステルの縮合、脱炭酸反応することによ
るか、あるいは、8−オキソノナン酸の電解を行うこと
により2,15−ヘキサデカジオンを得、これを分子内
アルド−ル反応させて3−ヒドロキシ−3−メチルシク
ロヘキサデカノンを得、次いでこれを脱水することによ
り得ることができる(Helv. Chim. Acta、
1947 p2019〜2023、Bull.Chem.
Soc. Jpn、53巻、1980 p1417〜14
20、特開昭55−85536号公報、特開昭59−1
57047号公報、特開平3−81242号公報)。
【0013】本発明で触媒として使用するルテニウム−
光学活性ホスフィン錯体の例としては、次の一般式
(I)および一般式(II)で表されるものが挙げられ
る。 Ru2Cl4(R1−BINAP)2(NEt3) (I) Ru(R1−BINAP)(OAc)2 (II) [式中、Etはエチル基を、Acはアセチル基を示し、
1−BINAPは次の式
【化2】 (ここで、R1 は水素原子、メチル基又はtert−ブ
チル基を示す)で示される光学活性三級ホスフィン化合
物を示す]
【0014】前記のルテニウム−光学活性ホスフィン錯
体のうち、一般式(I)で表わされるものは、例えばJ.
Chem. Soc., Chem. Commun., 19
85p922〜944および特開昭61−63690号
公報に記載の方法により得ることが出来る。 すなわ
ち、ルテニウムクロライドとシクロオクタ−1,5−ジ
エン(以下、CODという)をエタノ−ル溶媒中で反応
させることにより得られる[RuCl2(COD)]n
とR1−BINAPを、トリエチルアミンの存在下、ト
ルエン又はエタノ−ル等の溶媒中で加熱反応させること
により製造できる。
【0015】一般式(I)のルテニウム−光学活性ホス
フィン錯体の例としては次のものが挙げられる。 Ru2Cl4(BINAP)2(NEt3) (ここで、BINAPは2,2'−ビス(ジフェニルホス
フィノ)−1,1'−ビナフチルを示す) Ru2Cl4(Tol−BINAP)2(NEt3) (ここで、Tol−BINAPは2,2'−ビス(ジ−p
−トリルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルを示す) Ru2Cl4(t−Bu−BINAP)2(NEt3) (ここで、t−Bu−BINAPは2,2'−ビス(ジ−
p−tert−ブチルフェニルホスフィノ)−1,1'−
ビナフチルを示す)
【0016】また、前記一般式(II)で表されるルテニ
ウム−光学活性ホスフィン錯体は、例えば、野依らの方
法( Modern Synthetic Method
s、5、1989 p136)により得ることができ
る。すなわち、一般式(I)のルテニウム−光学活性ホ
スフィン錯体を、無水酢酸ナトリウムおよびtert−
ブタノ−ルの溶媒中で加熱反応させることにより製造で
きる。
【0017】一般式(II)のルテニウム−光学活性ホス
フィン錯体の例としては次のものが挙げられる。 Ru(BINAP)(OAc)2 (ここで、BINAPは2,2'−ビス(ジフェニルホス
フィノ)−1,1'−ビナフチルを示す) Ru(Tol−BINAP)(OAc)2 (ここで、Tol−BINAPは2,2'−ビス(ジ−p
−トリルホスフィノ)−1,1'−ビナフチルを示す) Ru(t−Bu−BINAP)(OAc)2 (ここで、t−Bu−BINAPは2,2'−ビス(ジ−
p−tert−ブチルフェニルホスフィノ)−1,1'−
ビナフチルを示す)
【0018】上述のようなルテニウム−光学活性ホスフ
ィン錯体には(R)−体および(S)−体が存在する。
従って、(R)−(−)−ムスコンを得るために、出発
物質として3−メチル−2−シクロペンタデセン−1−
オンの(E)−体を用いる場合には、ルテニウム−光学
活性ホスフィン錯体は(S)−体を使用すればよい。逆
に、出発物質として3−メチル−2−シクロペンタデセ
ン−1−オンの(Z)−体を用いる場合には、ルテニウ
ム−光学活性ホスフィン錯体は(R)−体を使用すれば
よい。
【0019】本発明方法を実施するには、あらかじめ窒
素置換したオ−トクレ−ブに、触媒であるルテニウム−
光学活性ホスフィン錯体、これに対して、50〜50,
000倍モル、好ましくは100〜20,000倍モル
の3−メチル−2−シクロペンタデセン−1−オン及び
溶媒を取り、均一溶媒とした後、水素圧5〜100at
m、好ましくは10〜50atmで水素化すれば良い。
【0020】溶媒としては、メタノ−ルのようなアルコ
−ル又は塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素が挙
げられ、これらは単独または混合して用いられる。この
水素化は、10〜120℃、好ましくは25〜80℃の
反応温度で、5〜72時間、好ましくは8〜36時間反
応させることにより行うことができる。
【0021】
【発明の効果】本発明方法により、(R)−(−)−ム
スコンをはじめとする光学活性ムスコンを高光学純度で
大量に合成することが可能となった。 また、それのみ
ならず、複雑な工程を要さずに、簡便な操作で光学活性
ムスコンを合成することができるものである。従って、
本発明方法は、香料として有用な(R)−(−)−ムス
コン等光学活性ムスコンを工業的に製造することのでき
るきわめて有利な方法である。
【0022】
【実施例】以下、参考例および実施例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0023】参 考 例 1 2,15−ヘキサデカンジオンの合成:コンデンサ−、
温度計、滴下ロ−トおよび攪拌装置のついた1リットル
の4口フラスコに、水素化ナトリウム 31.7g(1.
32モル)およびテトラハイドロフラン(THF)50
0ミリリットルを加えた。 これを攪拌しながらアセト
酢酸エチル 172g(1.32モル)を3時間かけて滴
下した。
【0024】次いで、還流下に1,10−ジブロモデカ
ン 100g(0.33モル)を4時間かけて滴下し、そ
の後、12時間攪拌して反応終了とした。 反応液を室
温まで下げて、5%塩酸溶液400ミリリットルを加
え、有機層と水層とを分離した。 得られた有機層を飽
和食塩水で2回水洗分液を行い、この有機層を減圧下エ
バポレ−タ−でTHFを留去して濃縮油160gを得
た。
【0025】この濃縮油160gと10%水酸化ナトリ
ウム水溶液528gを冷却器をつけたフラスコに入れ、
室温下で攪拌した。同温度で8時間攪拌した後、50%
硫酸溶液129gを加え還流を行った。3時間攪拌して
反応終了とし、反応液を室温にした。 反応液をブフナ
−ロ−トで濾過を行い粗結晶40gを得た。 この粗結
晶をエタノ−ルで再結晶を行い、2,15−ヘキサデカ
ンジオン 38g(0.15モル)を理論量の45%の収
率で得た。 この物質の融点は、83〜84℃であっ
た。
【0026】参考例 2 (E)−および(Z)−3−メチル−2−シクロペンタ
デセン−1−オンの合成: コンデンサー、温度計、滴下ロートおよび撹拌装置のつ
いた2リットルの4口フラスコを窒素置換した後、TH
F400ミリリットル及びフェノール8.2g(88ミ
リモル)を加え、0℃に冷却した後、1Mのジイソブチ
ルアルミニウムハイドライドのヘキサン溶液80ミリリ
ットル(80ミリモル)を滴下した。滴下後室温にして
ピリジン7.6g(96ミリモル)及びn−ヘキサン
1.6リットルを加えた後、65℃に昇温し還流させ
た。
【0027】次いで、参考例1で得られた2,15−ヘ
キサデカンジオン 5g(20ミリモル)のTHF 40
0ミリリットル及びn−ヘキサン 400ミリリットル
の混合溶液を還流下、11時間かけて滴下し、滴下終了
後、さらに2時間攪拌した。反応終了後、室温に戻し、
3N−塩酸を加えて有機層と水層を分離した後、有機層
を5%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄し、飽和食塩水で
2回水洗分液を行い、得られた有機層を減圧下エバポレ
−タ−でTHFを留去して濃縮油を得た。
【0028】この濃縮油をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製したところ3−メチル−2−シクロペン
タデセン−1−オン、(E)−および(Z)−3−メチ
−2−シクロペンタデセン−1−オンのアルドール混
合物2.7g(11.4ミリモル)を得た。このアルド
ール混合物を更にシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製することにより(E)−3−メチル−2−シクロ
ペンタデセン−1−オン0.7g(3.0ミリモル)を
得た。また、硝酸銀にて被覆したシリカゲルによるカラ
ムクロマトグラフィーで精製することにより(Z)−3
−メチル−2−シクロペンタデセン−1−オン0.5g
(2.1ミリモル)を得た。
【0029】実 施 例 1 (R)−(−)−ムスコンの合成(1):100ミリリ
ットルのオ−トクレ−ブを窒素置換した後、参考例2の
方法により得られた(E)−3−メチル−2−シクロペ
ンタデセン−1−オン 2.3g(9.7ミリモル)、R
2Cl4[(S)−Tol−BINAP]2NEt3
mg(0.005ミリモル)及びメタノ−ル 10ミリリ
ットルを入れ、水素圧 50atm、25℃で24時間
反応させた。 反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(ヘキサン:酢酸エチル=20:1(容量比))にて精
製し、(R)−(−)−ムスコンを2.2g(収率95
%)得た。
【0030】得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋
光度は[α] 25―12.0゜(C=1.20,メタ
ノール)であった。文献記載(Helv.Chim.A
cta,60巻、1977 p925)の(R)−
(−)−ムスコンの比旋光度が[α] 25 −11.7
°(C=0.80、メタノール)であることより、上記
合成された(R)−(−)−ムスコンの光学純度は非常
に高いものであることが理解される。
【0031】実 施 例 2 (R)−(−)−ムスコンの合成(2):100ミリリ
ットルのオ−トクレ−ブを窒素置換した後、参考例2の
方法により得られた(Z)−3−メチル−2−シクロペ
ンタデセン−1−オン 2.3g(9.7ミリモル)、R
2Cl4[(R)−Tol−BINAP]2NEt3
mg(0.005ミリモル)及びメタノ−ル 10ミリリ
ットルを入れ、水素圧 50atm、25℃で24時間
反応させた。 反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得ら
れた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(ヘキサン:酢酸エチル=20:1(容量比))にて精
製し、(R)−(−)−ムスコンを2.2g(収率95
%)得た。 得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋光度は、
[α]D 25 −11.9° (C=1.10,メタノ−ル)であった。
【0032】実 施 例 3 (R)−(−)−ムスコンの合成(3):100ミリリ
ットルのオ−トクレ−ブを窒素置換した後、参考例2の
方法により得られた(Z)−3−メチル−2−シクロペ
ンタデセン−1−オン 2.3g(9.7ミリモル)、R
2Cl4[(R)−BINAP]2NEt3 0.9mg
(0.0005ミリモル)及びメタノ−ル 10ミリリッ
トルを入れ、水素圧 50atm、75℃で30時間反
応させた。 反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘ
キサン:酢酸エチル=20:1(容量比))にて精製
し、(R)−(−)−ムスコンを2.2g(収率95
%)得た。 得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋光度は、
[α]D 25 −11.7° (C=1.10,メタノ−ル)であった。
【0033】実 施 例 4 (R)−(−)−ムスコンの合成(4):100ミリリ
ットルのオ−トクレ−ブを窒素置換した後、参考例2の
方法により得られた(Z)−3−メチル−2−シクロペ
ンタデセン−1−オン 2.3g(9.7ミリモル)、R
u(OAc)2[(R)−BINAP]0.8mg(0.
0009ミリモル)及び塩化メチレン 10ミリリット
ルを入れ、水素圧 30atm、50℃で36時間反応
させた。 反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキ
サン:酢酸エチル=20:1(容量比))にて精製し、
(R)−(−)−ムスコンを2.1g(収率91%)得
た。 得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋光度は、
[α]D 25 −8.6°(C=1.20,メタノ−ル)であ
った。
【0034】実 施 例 5 (R)−(−)−ムスコンの合成(5):100ミリリ
ットルのオ−トクレ−ブを窒素置換した後、参考例2の
方法で得られた(E)−3−メチル−2−シクロペンタ
デセン−1−オン 2.3g(9.7ミリモル)、Ru
(OAc)2[(S)−Tol−BINAP]8.4mg
(0.0094ミリモル)及びメタノ−ル 10ミリリッ
トルを入れ、水素圧 50atm、25℃で24時間反
応させた。 反応終了後、溶媒を減圧下留去し、得られ
た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘ
キサン:酢酸エチル=20:1(容量比))にて精製
し、(R)−(−)−ムスコンを2.2g(収率95
%)得た。得られた(R)−(−)−ムスコンの比旋光
度は、[α]D 25 −9.8°(C=1.15,メタノ−
ル)であった。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 49/385 B01J 35/02 C07C 45/62 C07B 53/00 C07B 61/00 300 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3−メチル−2−シクロペンタデセン−
    1−オンを次の一般式(I)または(II) RuCl(R−BINAP)(NEt) (I) Ru(R1−BINAP)(OAc) (II) [式中、Etはエチル基を、Acはアセチル基を示し、
    −BINAPは次の式 【化1】 (ここで、Rは水素原子、メチル基又はtert−ブ
    チル基を示す)で示される光学活性三級ホスフィン化合
    物を示す]で表されるルテニウム−光学活性ホスフィン
    錯体を触媒として不斉水素化することを特徴とする光学
    活性ムスコンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が
    (S)−体であり、3−メチル−2−シクロペンタデセ
    ン−1−オンが(E)−体であり、得られるムスコンが
    (R)− (−)−体である請求項1記載の光学活性
    スコンの製造方法。
  3. 【請求項3】 ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体が
    (R)−体であり、3−メチル−2−シクロペンタデセ
    ン−1−オンが(Z)−体であり、得られる ムスコンが
    (R)− (−)−体である請求項1記載の光学活性
    スコンの製造方法。
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