JP2949780B2 - 光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は投影テレビジョンのスクリーンを構成するレ
ンチキュラーレンズやフレネルレンズ等の平面状の光学
素子、光ディスク信号読み取り用のピックアップレン
ズ、ビデオカメラ、スチルカメラ等のカメラ用レンズ、
CRT表面の乱反射防止用光学素など、基材上に樹脂硬化
物からなる成形層を設けた構造の光学素子等に用いられ
る光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に関する。
(従来の技術) 光学機器の小型軽量化、高性能化に伴い、微細で複雑
な凹凸表面形状を有する光学素子や、超高精度の平面あ
るいは非球面の表面形状をしたレンズ、プリズム、鏡の
必要性が高まっている。
通常、このような光学素子は長時間の使用に耐えるた
めに、高温から低温にわたる温度変化を与えるヒートサ
イクル試験や高温多湿の雰囲気に放置される耐湿性試験
において、表面形状寸法精度、屈折率、透過率、基材と
樹脂層の接着強度に長時間にわたって変化がなく、亀裂
等が発生しないという耐久性が要求され、このような要
求に答える光学素子としては、特定のウレタン変性ポリ
エステル(メタ)アクリレートオリゴマーと3官能(メ
タ)アクリレートと単官能(メタ)アクリレートとを含
有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物をガラス等の
基材上に紫外線等の活性エネルギー線で硬化させた硬化
樹脂層を設けてなる光学素子が知られている(特開昭62
−258401号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記光学素子は耐久性の点で改善されている
ものの、長時間の使用に耐えるためにはなお不十分であ
る。特に、有害な反射光線を除去し、光学性能を向上さ
せるために金属酸化物、ハロゲン化物等を蒸着させて成
る反射防止層を硬化樹脂層の上に設けた光学素子の場合
には、該耐久性の不足が著しいという欠点があり、より
耐久性の優れた光学素子が得られる活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物の出現が望まれている。
本発明は上記課題に鑑み、光学性能が高く、優れた耐
久性を有する光学素子が得られる光学用活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究した結
果、特定の化学構造を有する反応性オリゴマーと、分子
中に重合性不飽和結合を2個有するモノマーと、分子中
に重合性不飽和結合を3個以上有するモノマーとからな
る活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を用いると、上記
目的が達成できることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
すなわち、本発明は、 (A)ポリエステル構造と2個以上の重合性不飽和結合
とを有する反応性オリゴマーと、 (B)重合性不飽和結合を2個有するモノマーと、 (C)重合性不飽和結合を3個以上有するモノマー とを含有するものであって、前記反応性オリゴマー
(A)が水酸基、カルボキシル基、グリシジル基のいず
れか1種以上の官能基を複数有するポリエステルオリゴ
マーと、該官能基との反応性を有する基と重合性不飽和
結合を有する化合物とから得られるものであることを特
徴とする光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提
供するものである。
本発明の光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が
用いて得られる光学素子について、以下に説明する。
本発明の光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が
用いて得られる光学素子の基材には、平板状あるいは予
め賦形型されたガラス、セラミック、金属、プラスチッ
ク、鉱物結晶等が使用される。
本発明の光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が
用いられる光学素子の製造方法は、所望する形状をもつ
ガラス、セラミック、金属、プラスチック、鉱物結晶等
からなる材質の金型上に本発明の光学用活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物を所定量流し込み、適切な間隙を介
して上記基材を重ねて基材と金型からなる該間隙に泡や
空隙の無いように該樹脂組成物を保持した後、熱線、紫
外線、電子線等の活性エネルギー線を照射して該樹脂組
成物を硬化させ、かかる後脱型するという方法がとられ
る。もちろん、基材上に該樹脂組成物を滴下し、この上
に金型を重ねる方法でもよいし、スピンコート等により
金型を用いないで基材上に該樹脂組成物を塗布し、硬化
させる方法をとっても良い。
紫外線を用いて該樹脂組成物を硬化させるときは、金
型あるいは基材のいずれかをガラス、石英、ポリカーボ
ネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリ4−メチル−1−ペンテン等の透明物
質を使用する必要がある。
また、シランカップリング剤、チタネートカップリン
グ剤、硝酸等の酸化剤、アルカリにより基材の表面を処
理して基材と本発明の光学用活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物との接着性を向上させる方法や、金型を離型剤
で処理して脱型を容易にする方法をとってもよい。
さらに上記方法によって得られた光学素子の樹脂硬化
物表面上に酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、
酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム等の金属の酸化
物および金属のフッ化物を加熱あるいは無加熱条件で真
空蒸着させ、反射防止膜等を設けてもよい。
なお、紫外線を用いる場合、紫外線の光源としては、
メタルハライドランプ、高圧水銀灯、ブラックライト等
が使用される。
次に、本発明の光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物を構成する(A)成分、(B)成分および(C)成
分について以下に説明する。
上記(A)成分としては、分子中に複数のエステル結
合からなるポリエステル構造を有し、かつ重合性不飽和
結合を2個以上含む反応性オリゴマーであって、水酸
基、カルボキシル基、グリシジル基のいずれか1種以上
の官能基を複数有するポリエステルオリゴマーと、該官
能基との反応性を有する基と重合性不飽和結合を有する
化合物とから得られるものがいずれも使用でき、通常分
子量200〜100,000の反応性オリゴマーを用いるが、なか
でも分子量が500〜15,000で重合性不飽和結合を平均2
〜3.5個含む反応性オリゴマーが好ましい。
これらのオリゴマーのうちで好ましいものとしては、
例えば水酸基をもつポリエステルオリゴマーにカルボキ
シル基、エステル基、酸クロリド基をもつ(メタ)アク
リレートを反応させてエステル結合とした化学構造のポ
リエステルポリ(メタ)アクリレート;カルボキシル基
をもつポリエステルオリゴマーにグリシジル基をもつ
(メタ)アクリレートを反応させた化学構造あるいは分
子末端にグリシジル基を有するポリエステルオリゴマー
に(メタ)アクリル酸を反応させた化学構造のポリエス
テルポリ(メタ)アクリレートオリゴマー;および水酸
基をもつポリエステルオリゴマーにポリイソシアネート
のイソシアネート基を、該オリゴマー1分子に対してお
よそ1個となる割合で反応させてウレタン結合とし、さ
らに該ポリイソシアネートの残りのイソシアネート基に
分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレートの水酸基
を反応させて同様にウレタン結合とした構造を有するウ
レタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレートオリ
ゴマーが挙げられ、なかでも強靭な光学素子が得られる
点でウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレー
トオリゴマーが特に好ましい。
上記ポリエステル構造を有するポリエステルオリゴマ
ーとしては、例えば多価アルコールと多塩基酸の重縮合
反応で得られる化学構造のものと、ラクトンの開環重合
で得られる化学構造のものがある。
ここで用いる多価アルコールとしては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレ
ンオキシド付加物、水添ビスフェノールA、ポリメチレ
ングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジ
ペンタエリスリトール、トリメチロールアルカン、トリ
ヒドロキシエチルイソシアヌール酸、トリヒドロキシプ
ロピルイソシアヌール酸等が挙げられる。また、多塩基
酸としては、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フ
マル酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメ
リット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。前記ラ
クトンとしては、分子中に水酸基とカルボキシ基を各々
1個以上もつヒドロキシカルボン酸が分子内縮合した構
造を有するものならばいずれでもよく、例えばγ−ブチ
ロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクト
ン、ε−カプロラクトン、D−グルコノ−1,4−ラクト
ン、1,10−フェナントレンカルボラクトン、4−ペンテ
ン−5−オリド、12−ドデカノリド等が挙げられる。も
ちろん、前記ポリエステルポリオールは、ヒドロキシカ
ルボン酸を直接重縮合して得られたものでもよい。前記
ラクトンのなかでは、ε−カプロラクトンの開環重合反
応によって得られるポリエステルポリオールが粘度が低
く、耐熱性、耐加水分解性、低温特性に優れるので好ま
しい。
ラクトンの開環重合時に開始剤として使用する含水酸
基化合物の官能基数により多数の水酸基をもつ分岐ポリ
エステルポリオールが得られるが、前記ポリエステルポ
リオールは該分岐構造のものでも構わない。
前記ウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)アクリレ
ートを合成するのに使用するポリイソシアネートとして
は、例えばトリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、水添4,4′−ジフェニル
メタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、水添キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシク
ロヘキサン1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシア
ネート、テトレメチルキシレンジイソシアネート、リジ
ンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカント
リイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソ
シアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレント
リイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート等が挙げられる。これらのなかでは、脂肪族ポ
リイソシアネートが黄変が少ない点で好ましく、イソホ
ロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
トが特に好ましい。
同様に、前記ウレタン変性ポリエステルポリ(メタ)
アクリレートオリゴマーを合成するのに使用する分子中
に水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例え
ば2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシ
エチルフタル酸、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、3−アクリロイルオキシグリセリンモノ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロ
キシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、グリセリン
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ポリε−カプロラクトンモノ
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(B)成分としては、分子中に重合性不飽和結合を2
個有するモノマーであればいずれも使用できるが、なか
でも水酸基を2個以上有する化合物に(メタ)アクリル
酸が2分子エステル結合したものが好ましく、例えば2,
2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アク
リレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールの
ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノ
ールAのプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリ
レート、2,2′−ジ(ヒドロキシプロポキシフェニル)
プロパンのジ(メタ)アクリレート、2,2′−ジ(ヒド
ロキシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリ
レート、トリシクロデカンジメチロールのジ(メタ)ア
クリレート、2,2′−ジ(グリシジルオキシフェニル)
プロパンの(メタ)アクリル酸付加物、3,9−ビス(1,1
−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テト
ラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンのジ(メタ)アクリ
レート、5−エチル−5−ヒドロキシメチル−2−ヒド
ロキシイソブチル−1,3−ジオキサンのジ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。これらのうちでも単独重合に
よりガラス転位点(Tg)が60〜300℃の重合物を形成す
るモノマー、例えばヒドロキシピバリン酸ネオペンチル
グリコールのジ(メタ)アクリレート、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒド
ロキシプロピオネートのジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカン
ジメチロールのジ(メタ)アクリレート、3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンのジ(メタ)
アクリレート、5−エチル−5−ヒドロキシメチル−2
−ヒドロキシイソブチル−1,3−ジオキサンのジ(メ
タ)アクルレート、水添ビスフェノールAのジ(メタ)
アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート等が特に好ましい。
(C)成分としては、分子中に重合性不飽和結合を3
個以上有するモノマーであればいずれも使用できるが、
水酸基を含む化合物に(メタ)アクリル酸がエステル化
反応で3個以上、なかでも3〜6個結合した構造のモノ
マーが好ましく、例えばトリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス
(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メ
タ)アクリレート、トリメリット酸のトリ(メタ)アク
リレート等が挙げられる。また、トリアリルトリメリッ
ト酸、トリアリルイソシアヌレート等のアリル化合物も
使用できる。これらのなかでは、金属酸化物、金属ハロ
ゲン化物で硬化樹脂表面に反射防止膜を設けた場合であ
っても、該反射防止膜と該硬化樹脂の接着性を増し、ヒ
ートサイクル試験や耐湿性試験における反射防止膜の欠
損が少なく、耐久性に優れる点で、水酸基を有する化合
物が好ましく、強靭性に優れ、剛性率の温度依存性が小
さく、ヒートサイクル試験や耐湿性試験における硬化樹
脂表面の変形が少なく、より耐久性に優れる点で、イソ
シアヌール酸の骨格を有する化合物が特に好ましい。
また、紫外線により本発明の活性エネルギー線硬化型
樹脂組成物を硬化させる場合には、上記(A),
(B),(C)成分以外に光開始剤等の増感剤を加える
必要がある。該増感剤としては、例えば4−ジメチルア
ミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、
アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケター
ル、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、ベン
ゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノ
フェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジル誘導体、ベ
ンゾインおよびベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキル
エーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チ
オキサントンおよびチオキサントン誘導体、2,4,6−ト
リメチルベンゾイルジフェノイルフォスフィンオキシド
等が挙げられる。
前記反応性オリゴマー(A)は、活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物からなる硬化樹脂層に強靭性を与え、衝
撃、振動、高湿、高温等の条件下でも該硬化樹脂層に亀
裂や変形を生じさせないようにして、耐久性を向上させ
るための成分で、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物中
に通常10〜90重量%含有させるが、なかでも粘度が低
く、成形作業性に優れ、硬化樹脂層が強靭となる点で20
〜70重量%が好ましい。
また(B)成分は、硬化物の剛性率の温度依存性を大
きくしないで、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘
度を低下させるための成分で、通常活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物中に10〜60重量%含有させる。
(C)成分は、膨張率、剛性率等の機械的物性の温度
依存性を小さくし、高温やヒートサイクルの条件下にお
いても硬化樹脂層が充分な強度を保ち、耐久性を向上さ
せるための成分で、該樹脂組成物中での含有率が2〜70
重量%となる範囲で通常使用するが、なかでも硬化時の
収縮や亀裂の発生、面精度の低下等が防止できる点で20
〜60重量%となる範囲が好ましい。
また、紫外線を用いて活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物を硬化させるのに必要な増感剤は、照射された紫外
線を吸収して重合を開始する能力を有する活性種を生成
する化合物で、該樹脂組成物中に通常0.5〜10重量%含
有させることが紫外線硬化樹脂層の諸物性を低下させず
良好な硬化速度が得られるので適切である。
さらに、本発明の紫外線硬化樹脂層を形成する活性エ
ネルギー線硬化型樹脂組成物には、上記(A)、
(B)、(C)および増感剤以外に、単官能(メタ)ア
クリレート等の様な分子中に重合性不飽和結合を1個有
するモノマー;ヒドロキノン、メトキノン等の重合禁止
剤;ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤;ヒンダー
ドアミン系等の黄変防止剤;燐酸エステル系等の脱色
剤;消泡剤、離型剤、レベリング剤等を添加しても構わ
ない。
この様にして得られる本発明の光学用活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物は、上記(B)、(C)のモノマ
ー、更に必要によりその他のモノマーを用いて粘度を通
常500〜50,000センチポイズ、好ましくは2,000〜20,000
センチポイズに調整して使用する。
この様に調製された本発明の光学用活性エネルギー線
硬化型樹脂組成物としては、なかでも硬化物の23℃にお
けるの剛性率を100℃における剛性率で割った値τが、
1〜100、特に5〜50の範囲にあるものは、剛性率等の
物性の温度依存性が小さく、特に耐久性の優れた光学素
子を与えるので好ましい。
(実施例) 次に、本発明を製造例および実施例によってさらに具
体的に説明する。なお、例中の部はすべて重量基準であ
る。
製造例1 コンデンサ、温度計および攪拌機を取り付けた4つ口
フラスコに、ジエチレングリコールとトリメチロールプ
ロパンとアジピン酸を縮合して得たポリエステルポリオ
ール(分子量2,500、水酸基価59.6mgKOH/g、平均官能基
数2.7)1883g、イソホロンジイソシアネート444g、ハイ
ドロキノン5gおよびヒドロキシエチルアクリレート232g
を入れ、70〜80℃に加温後、攪拌を開始し、フラスコ内
容物のイソシアネート基含有率が0.1重量%以下になる
なで攪拌して反応を終了し、ウレタン変性ポリエステル
ポリアクリレートオリゴマー(A−1)を得た。
なお、フラスコ内容物のイソシアネート基含有率は、
赤外線吸収スペクトルを測定して得た。
製造例2 コンデンサ、温度計、攪拌機および分留管を取り付け
た4つ口フラスコに、ε−カプロラクトンを重合して得
られたポリエステルポリオール(分子量850、水酸基価1
35mgKOH/g、平均官能基数2.0)831g、アクリル酸メチル
334g、ヒドロキノン20gおよびパラトルエンスルホン酸1
0gを入れ、加熱し、蒸気の温度が62〜63℃に下がるまで
還流させ、メタノールとアクリル酸メチルの共沸混合物
を分留管を通して系外へ除去し、次いで過剰のアクリル
酸メチルを減圧で除去してポリエステルポリアクリレー
トオリゴマー(A−2)を得た。
製造例3 コンデンサ、温度計および攪拌機を取り付けた4つ口
フラスコに、エチレングリコールおよびアジピン酸から
なるポリエステルグリコールとエピクロルヒドリンとか
ら得たポリエステルグリコールジグリシジルエーテル
(エポキシ当量340、平均官能基数2.0)340gとアクリル
酸72g、ハイドロキノン200ppmおよびトリメチルアンモ
ニウムクロリド4,000ppmを入れ、120℃で5時間加温攪
拌し、酸価が8以下になるまで反応させてポリエステル
ポリアクリレートオリゴマー(A−3)を得た。
実施例1〜5および比較例1 上記製造例1〜3で合成した反応性オリゴマー(A−
1)〜(A−3)に反応性希釈剤および光開始剤を第1
表に示す割合で配合し、均一に混合した後、1ミクロン
のカートリッジフィルターで濾過し、本発明および比較
用の光学用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
また厚さ2mm、直径10mmで球面状に研磨したBK7製のガ
ラス基材の凹部に、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランの2重量%メタノール溶液をスプレーで塗
布し、60℃で30分間乾燥して、シラン処理したガラス基
材を得た。
次いでこの基材をトレイ上に保持し、上記各組成物を
それぞれ0.3gずつ基材のシラン処理した面に滴下した
後、非球面の凸部を持つニッケル製の金型を基材から0.
1mmの距離に固定し、基材と金型の間に各組成物を保持
した。次いで基材側からメタルハライドランプで800ミ
リジュール/cm2の紫外線を照射して各組成物を硬化させ
た後、脱型して非球面のレンズを得た。
更に実施例1、3、4および比較例1で得たレンズに
ついては、酸化ジルコニウム、フッ化マグネシウムから
なる厚さ約0.5ミクロンの反射防止膜を蒸着法により組
成物の硬化物表面に形成させた。
上記レンズを60℃、相対湿度95重量%の雰囲気で600
時間放置する耐湿性試験と、−30℃〜70℃の温度に渡る
温度サイクルを20回与えるヒートサイクル試験に供し、
試験後のレンズの基材と硬化樹脂層間の状態、および硬
化樹脂層表面の状態を観察した。この結果を第1表に併
せて示す。ただし、基材と硬化樹脂層間の状態は、ルー
ぺ観察で剥離が認められるものおよび亀裂を生じたもの
を×、無いものを○とした。また、硬化樹脂層表面の状
態は、しわ、亀裂の発生および金型面の基準面より2ミ
クロン以上の寸法差がある時を×、その他を○とした。
なお、第1表には硬化樹脂の剛性率を併記したが、こ
の剛性率は幅4〜5mm、厚さ0.2〜0.4mmの硬化物を23mm
のスパン長で2個のチャック間に固定し、0.1%の引っ
張り歪を3.5Hzの周期で与え、3℃/minの昇温速度で昇
温したときの剛性率を示している。また、上記剛性率の
測定で同時に得られる散逸率が極大値を示す温度をTgと
して第1表に併記した。
*1)モノマー(B−1):ヒドロキシピバリン酸ネオ
ペンチルグリコールのジアクリレート *2)モノマー(B−2):5−エチル−5−ヒドロキシ
メチル−2−ヒドロキシイソブチル−1,3−ジオキサジ
ンのジアクリレート *3)モノマー(B−3):2,2−ジ(ヒドロキシフェニ
ル)プロパンのジアクリレート *4)モノマー(B−4):ネオペンチルグリコールの
ジアクリレート *5)モノマー(C−1):トリス(2−ヒドロキシエ
チル)イソシアヌレートのトリアクリレート *6)モノマー(C−2):ペンタエリスリトールトリ
アクリレート *7)モノマー(C−3):ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート *8)1官能性モノマー:ジシクロペンテニルオキシエ
チルメタクリレート (発明の効果) 以上説明したように、本発明によればヒートサイクル
や耐湿テストにおいても表面の変形、基材からの剥離の
ない樹脂硬化物の成形層が得られ、高精度の平面、球
面、非球面及び複雑な凹凸形状等の表面形状をもち、か
つ高い耐久性を有する光学素子を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 299/00 - 299/08 G02B 1/00 - 1/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリエステル構造と2個以上の重合
    性不飽和結合とを有する反応性オリゴマーと、 (B)重合性不飽和結合を2個有するモノマーと、 (C)重合性不飽和結合を3個以上有するモノマー とを含有するものであって、 前記反応性オリゴマー(A)が水酸基、カルボキシル
    基、グリシジル基のいずれか1種以上の官能基を複数有
    するポリエステルオリゴマーと、該官能基との反応性を
    有する基と重合性不飽和結合を有する化合物とから得ら
    れるものであることを特徴とする光学用活性エネルギー
    線硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】反応性オリゴマー(A)が、ポリエステル
    ポリ(メタ)アクリレート系オリゴマーである請求項1
    記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】反応性オリゴマー(A)が、ウレタン変性
    ポリエステルポリ(メタ)アクリレート系オリゴマーで
    ある請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】反応性オリゴマー(A)が、水酸基をもつ
    ポリエステルオリゴマーにポリイソシアネートの一つの
    イソシアネート基を反応させてウレタン結合とし、さら
    に該ポリイソシアネートの残りのイソシアネート基に分
    子中に水酸基を持つ(メタ)アクリレートの水酸基を反
    応させて同様にウレタン結合とした構造を有するオリゴ
    マーである請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】重合性不飽和結合を2個有するモノマー
    が、水酸基を2個以上有する化合物に(メタ)アクリル
    酸が2個エステル結合した構造のモノマーである請求項
    1、2、3又は4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】重合性不飽和結合を2個有するモノマー
    が、単独重合によりガラス転位点60〜300℃の重合物を
    形成するモノマーである請求項1、2、3又は4記載の
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】重合性不飽和結合を3個以上有するモノマ
    ー(C)が、重合性不飽和結合を3〜6個有するモノマ
    ーを含有するものである請求項1、5又は6記載の樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】重合性不飽和結合を3〜6個有するモノマ
    ーが、イソシアヌール酸の骨格又は水酸基を有するモノ
    マーである請求項7記載の樹脂組成物。
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