JP2948934B2 - サ−ミスタ用組成物 - Google Patents
サ−ミスタ用組成物Info
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- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
スタ用組成物に係り、特に抵抗値の経時変化が小さい高
信頼性サーミスタを実現化するためのサーミスタ用組成
物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の温度検知用NTCサーミスタは、
マンガン、ニッケル、コバルト等の2〜3種の遷移金属
元素の混合モル比合計が100%になるように選ばれた
金属酸化物を用いた組成物を用いたり、マンガン、ニッ
ケル、コバルトの酸化物のうちの1種と、鉄、シリコ
ン、アルミニウムの酸化物のうちの1種とモリブデンの
酸化物から成る複合酸化物を用いている(例えば特公昭
59−27741号公報参照)。また、高温度で使用す
るサーミスタ用としてマンガン、ニッケル、コバルト、
鉄、アルミニウムの酸化物から成るスピネル型構造の固
溶体から成る組成物が提案されている(例えば、特公昭
57−88702号公報参照)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの組
成物は特性の汎用性はあるが、高比抵抗、高サーミスタ
定数(以下B定数という)特性を有するサーミスタを得
ることが出来なかったり、抵抗値の経時変化が大きいと
いう問題点を有する。 【0004】特にサーミスタの使用温度領域の拡大化に
伴ない、高比抵抗・高B定数特性を具備したサーミスタ
が要求されるとともに、それらの抵抗値の経時変化、即
ち抵抗変化率の小さい高信頼性サーミスタ用組成物が要
求されるようになり、従来の組成物ではそれらを満足す
ることは出来ない。 【0005】特に従来のマンガン、ニッケル、コバル
ト、鉄、シリコン、アルミニウム等の金属酸化物から成
る組成物では比抵抗が小さく、抵抗値変化率も150℃
という低温での経時変化は実用的であるが、300℃と
いう高温では経時変化が大きい。 【0006】また、マンガン、ニッケル、コバルト、
鉄、アルミニウムの酸化物から成る組成物は高温用とし
て使用できるものであるが、しかしながら−50℃とい
う低温度範囲では実用的でなく、高温の場合に3000
時間という長い時間における経時変化特性が満足出来る
ものではなかった。 【0007】従って、本発明の目的は広い使用温度領域
において、抵抗値変化率の小さい安定した特性を有する
高比抵抗・定B定数特性を具備するサーミスタ用組成物
を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者等は鋭意研究の結果、マンガン:10〜9
0モル%、コバルト:0.01〜80モル%、アルミニウ
ム:0.01〜50モル%を含む三種の金属元素を混合し
て、その混合モル比合計が100%となる金属酸化物
に、 酸化クロム:0.01〜30.0重量% 酸化鉄 :0.01〜60.0重量% をそれぞれ添加した組成物が、高比抵抗・高B定数特性
を具備し、抵抗値変化率の小さい高信頼性のサーミスタ
を得ることが出来ることを見出した。 【0009】 【作用】本発明の組成のサーミスタ用組成物を用いるこ
とにより、サーミスタの使用温度領域(−50〜+50
0℃)で必要とされるサーミスタ特性、即ち、比抵抗値
として102 〜109 Ω・cm程度の値およびB定数とし
て3000〜6000Kの値が得られた。 【0010】さらに、本発明の組成のサーミスタ用組成
物はセラミック焼成が可能で素地抵抗バラツキが、変動
係数3%以下と大変小さい上、サーミスタの抵抗値の経
時変化である300℃で3000時間経過後の抵抗値変
化率が小さい。 【0011】 【実施例】本発明の実施例の説明に先立ち、主成分の金
属元素の組成について説明する。 【0012】一般にマンガン、コバルト、アルミニウム
系サーミスタは各々の元素比率を変えることにより、比
抵抗及びB定数を広範囲にコントロールすることができ
る。 【0013】しかし、サーミスタの使用温度領域(例え
ば−50℃〜+500℃)でのサーミスタの特性値及び
使用回路との適合性を考えると、使用可能な組成範囲は
限定される。 【0014】即ち、サーミスタ使用温度領域での比抵抗
として102〜106 Ω・cm、B定数として3000〜
6000Kが得られること、セラミック焼成が可能で素
地抵抗バラツキが小さく変動係数が3%以下であるこ
と、サーミスタの抵抗値の経時変化が小さく、高信頼性
であることが要求される。 【0015】表1にマンガン、コバルト、アルミニウム
の組成とその組成物から成るサーミスタの電気的特性と
して、25℃の比抵抗、B定数および変動係数を示す。 【0016】 【表1】【0017】なお変動係数=(標準偏差値/平均値)×
100(%)である。 【0018】次に本発明の実施例を説明する。出発原料
として、高純度の四三酸化マンガン、酸化コバルト、酸
化アルミニウム、酸化クロム、酸化鉄を焼成後の組成が
後掲の、表2に示す組成になるように各々秤量する。 【0019】 【表2】【0020】前記秤量した出発原料をボールミル中で2
0時間湿式混合する。この湿式混合した出発原料を10
0〜200℃で乾燥させた後、900〜1100℃で2
時間仮焼成し、この焼成物を粉砕機により微粉末とす
る。 【0021】この微粉末に、純水またはPVA(ポリビ
ニルアルコール)等の適当なバインダーを加えて混合造
粒し、顆粒を作製する。その顆粒を直径55mm、厚さ2
0mm前後のディスク状に成型機にて加圧成形した成形体
を1200〜1500℃の温度で本焼成する。 【0022】本焼成したインゴット焼結体をスライス加
工し、ウェハー状に切り出す。ウェハーをラップ研磨
し、例えば0.25mmの厚みに仕上げる。 【0023】このウェハーにAu,Ag,Pd−Ag等
の貴金属ペーストなどで電極を形成した後、ダイシング
ソーによって切断し、例えば□0.40mmのチップにする。 【0024】このサーミスタチップをガラスチューブ内
に収め、両側からスラグリードで挟持し、ガラス封止機
により封着し、ガラス封止型のNTCサーミスタを得
る。 【0025】このようにして得られた各サーミスタ素子
の電気的特性を測定する。即ち、25℃における比抵抗
(ρ25)と、25℃、85℃における抵抗値から算出
したこれらの温度間のB定数である。 【0026】さらにサーミスタ素子の経時変化を調べる
ために、高温保管条件:300℃で3000時間保持し
た後の抵抗値変化率も測定する。 【0027】その結果を表2に示す。表2において試料
No. は表1のものと共通であり、同一の番号は同一の組
成である。 【0028】また×印を付した試料No. は本発明の実施
例以外の組成範囲のものであり、本発明のものと比較の
ために示している。 【0029】なお、表2において、酸化鉄Fe2 O3 、
酸化クロムCr2 O3 の純度は4Nである。 抵抗値変化率=(Rt−Ro)/Ro×100(%) ただし、Rt:t時間後の抵抗値 Ro:初期抵抗値 【0030】表2から明らかな如く、本発明のサーミス
タ素子は比抵抗値が102 〜109Ω・cm、B定数が3
000〜6000Kと高比抵抗、高B定数のものが得ら
れる上、サーミスタ抵抗値の経時変化率も、酸化クロム
や酸化鉄の添加物を添加することにより格段に低下す
る。 【0031】次に本発明の組成の限定理由について説明
する。 【0032】マンガンが10モル%未満、コバルトが0.
01モル%未満、アルミニウムが0.01モル%未満である
と、抵抗値の経時変化が大きくなる。 【0033】一方、マンガンが90モル%、コバルトが
80モル%、アルミニウムが50モル%をそれぞれ越え
ると、必要とするサーミスタ特性を満足せず、素地抵抗
バラツキが大きくなり、変動係数が3%をこえる。 【0034】また酸化鉄の添加量が0.01重量%未満であ
ると抵抗値変化率が著しく悪化する(例えば表2の試料
No. 3,4,7,9参照)。 【0035】酸化鉄の添加量が60.0重量%を越えると、
形成した素子の特性、即ち、25℃における比抵抗、B
定数、抵抗値変化率は本発明の範囲内の組成のものと変
わらないが、素地の焼結性が悪化し、素地抵抗バラツキ
が大きくなり、変動係数が大きくなるため、製造した素
子の歩留りが悪くなる(例えば表2の試料No. 3−6,
4−6,7−6,9−6参照)。 【0036】酸化クロムの添加量が0.01重量%未満であ
ると、サーミスタの抵抗値の経時変化が悪化し、抵抗値
変化率が大きくなる(例えば表2の試料No. 3,4,
7,9参照)。 【0037】酸化クロムの添加量が30.0重量%を越える
と、形成した素子の特性、即ち、25℃における比抵
抗、B定数、抵抗値変化率は本発明の範囲内の組成もの
と変わらないが、素地の焼結性が悪化し、素地抵抗バラ
ツキが大きくなり、変動係数が大きくなるため、製造し
た素子の歩留りが悪くなる(例えば表2の試料No. 3−
6,4−6,7−6,9−6参照)。 【0038】 【発明の効果】本発明によるサーミスタ用組成物は、高
比抵抗・高B定数のサーミスタを−50℃〜+500℃
という広い使用温度領域で容易に得ることができる。ま
たサーミスタの抵抗値の経時変化が小さく、添加物を添
加することにより、300℃で3000時間経過後の抵
抗値変化率を低く押えることが出来る。 【0039】従って、本発明の組成物を用いて形成した
サーミスタはその電気的特性がよいとともに信頼性が高
く、特に家庭電化製品、自動車分野に使用される温度検
知用NTCサーミスタ等に利用出来るのみならず、各方
面に広く使用されるものを提供することができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 マンガン10〜90モル%、コバルト0.01〜80モル
%、アルミニウム0.01〜50モル%を含む三種の金属元
素を混合して、その混合モル比合計が100%の金属酸
化物に、 酸化クロム:0.01〜30.0重量% 酸化鉄 :0.01〜60.0重量% をそれぞれ添加したことを特徴とするサーミスタ用組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3073927A JP2948934B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | サ−ミスタ用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3073927A JP2948934B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | サ−ミスタ用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04285048A JPH04285048A (ja) | 1992-10-09 |
JP2948934B2 true JP2948934B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=13532264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3073927A Expired - Lifetime JP2948934B2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | サ−ミスタ用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2948934B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69500411T2 (de) * | 1994-04-27 | 1997-10-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Temperatursensor |
-
1991
- 1991-03-13 JP JP3073927A patent/JP2948934B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04285048A (ja) | 1992-10-09 |
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