JP3201477B2 - サーミスタ用組成物 - Google Patents
サーミスタ用組成物Info
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- JP3201477B2 JP3201477B2 JP00993690A JP993690A JP3201477B2 JP 3201477 B2 JP3201477 B2 JP 3201477B2 JP 00993690 A JP00993690 A JP 00993690A JP 993690 A JP993690 A JP 993690A JP 3201477 B2 JP3201477 B2 JP 3201477B2
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- Japan
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- thermistor
- composition
- mol
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Thermistors And Varistors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば家庭用電気機器や自動車分野に使用
される温度検知用NTC(Negative Temperature Coeffici
ent)サーミスタ用組成物に係り、特に変動係数が小さ
く高信頼性のサーミスタを実現するためのサーミスタ用
組成物に関する。
される温度検知用NTC(Negative Temperature Coeffici
ent)サーミスタ用組成物に係り、特に変動係数が小さ
く高信頼性のサーミスタを実現するためのサーミスタ用
組成物に関する。
従来のNTCサーミスタ用組成物は、マンガン、ニッケ
ル、コバルトの2〜3種の金属元素の混合モル比合計が
100%になるよう選ばれた上記金属元素の酸化物を使用
していた。
ル、コバルトの2〜3種の金属元素の混合モル比合計が
100%になるよう選ばれた上記金属元素の酸化物を使用
していた。
ところが従来の組成物をサーミスタ素子に適用した場
合、特性の汎用性はあるが、長時間使用すると、抵抗値
の変化率が大きくなる経時変化が大きいという欠点を有
していた。
合、特性の汎用性はあるが、長時間使用すると、抵抗値
の変化率が大きくなる経時変化が大きいという欠点を有
していた。
また、使用温度領域の拡大化に伴い、抵抗値変化率の
小さい高信頼性サーミスタ組成物が要求されていたが、
従来の組成物ではこの点でも高信頼性を確保することは
出来なかった。
小さい高信頼性サーミスタ組成物が要求されていたが、
従来の組成物ではこの点でも高信頼性を確保することは
出来なかった。
従って本発明の目的は、変動係数が小さく、また長時
間の使用や使用温度領域が広い場合でも、抵抗値変化率
が少なく、安定した特性を発揮するサーミスタ用組成物
を提供するものである。
間の使用や使用温度領域が広い場合でも、抵抗値変化率
が少なく、安定した特性を発揮するサーミスタ用組成物
を提供するものである。
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意研究の結
果、サーミスタ用組成物としてマンガン15〜85モル%、
ニッケル0〜80モル%、コバルト5〜85モル%のうちか
らマンガン及びコバルトを含む2種または3種の金属元
素を混合して、その混合モル比合計が100%になるよう
選ばれた上記金属元素の酸化物に、 酸化クロム:0.01〜30.0重量% 酸化鉄 :0.01〜60.0重量% をそれぞれ添加したものが適当であることを見出した。
果、サーミスタ用組成物としてマンガン15〜85モル%、
ニッケル0〜80モル%、コバルト5〜85モル%のうちか
らマンガン及びコバルトを含む2種または3種の金属元
素を混合して、その混合モル比合計が100%になるよう
選ばれた上記金属元素の酸化物に、 酸化クロム:0.01〜30.0重量% 酸化鉄 :0.01〜60.0重量% をそれぞれ添加したものが適当であることを見出した。
これにより、変動係数の小さい高信頼性を有するサー
ミスタ用組成物を得ることができた。
ミスタ用組成物を得ることができた。
本発明の一実施例を詳細に説明する。
本発明の組成物の主成分であるマンガン、ニッケル、
コバルトの各々の元素比率を変えることにより、サーミ
スタの比抵抗及びサーミスタ定数(B定数)を広範囲に
コントロール出来るが、サーミスタの回路とのマッチン
グや焼結性、製造上のバラツキが小さいこと、即ち変動
係数が3%以下であることなどの条件を考慮すると、そ
の組成範囲は限定される。
コバルトの各々の元素比率を変えることにより、サーミ
スタの比抵抗及びサーミスタ定数(B定数)を広範囲に
コントロール出来るが、サーミスタの回路とのマッチン
グや焼結性、製造上のバラツキが小さいこと、即ち変動
係数が3%以下であることなどの条件を考慮すると、そ
の組成範囲は限定される。
第1表に主成分の組成比を変化させたサーミスタ用組
成物の諸特性を示す。
成物の諸特性を示す。
マンガンが15モル%未満になると、第1表より明らか
なように、変動係数が大きくなる(試料No.8参照)。ま
た85モル%をこえると、変動係数は3%以下であるが、
焼結性が悪くなる。
なように、変動係数が大きくなる(試料No.8参照)。ま
た85モル%をこえると、変動係数は3%以下であるが、
焼結性が悪くなる。
第1表より明らかなように、ニッケルが80モル%をこ
えると変動係数が3%をこえる(試料No.7参照)。
えると変動係数が3%をこえる(試料No.7参照)。
コバルトは5%未満になると変動係数が大きくなり
(試料No.7参照)、85モル%をこえると、焼結性が悪く
なる。
(試料No.7参照)、85モル%をこえると、焼結性が悪く
なる。
従って、焼結が可能で製造上バラツキの小さい組成範
囲は下記のようになる。
囲は下記のようになる。
マンガン 15〜85モル% ニッケル 0〜80モル% コバルト 5〜85モル% 第1表のような組成のサーミスタ用組成物を用いて第
1図に示す如き構成のガラス封止型のNTCサーミスタ素
子を形成する場合について説明する。
1図に示す如き構成のガラス封止型のNTCサーミスタ素
子を形成する場合について説明する。
第1図において、1はサーミスタ抵抗体、2は電極、
3はリード線(ジュメット線)、4は封止ガラスを示
す。
3はリード線(ジュメット線)、4は封止ガラスを示
す。
出発材料として、高純度の四三酸化マンガン、酸化ニ
ッケル、酸化コバルトのうちから2〜3種と、酸化クロ
ム、酸化鉄を最終組成が第2表に示す如き組成となるよ
うに所定の量配合し、ボールミルによって20時間湿式混
合をする。
ッケル、酸化コバルトのうちから2〜3種と、酸化クロ
ム、酸化鉄を最終組成が第2表に示す如き組成となるよ
うに所定の量配合し、ボールミルによって20時間湿式混
合をする。
これを100〜200℃で乾燥させた後、800〜1000℃で2
時間仮焼成し、この焼成物を粉砕機により微粉末とす
る。
時間仮焼成し、この焼成物を粉砕機により微粉末とす
る。
この仮焼成粉末に、純水、PVA(ポリビニルアルコー
ル)等の適当なバインダを加えて混合し、例えば直径55
mm、厚さ20mm前後のディスク状に加圧成形し1200〜1400
℃で本焼成する。
ル)等の適当なバインダを加えて混合し、例えば直径55
mm、厚さ20mm前後のディスク状に加圧成形し1200〜1400
℃で本焼成する。
本焼成したインゴット焼結体をスライス加工し、ウェ
ハ状に切り出す。ウェハをラップ処理し所定の厚み、例
えば0.25mmに仕上げる。
ハ状に切り出す。ウェハをラップ処理し所定の厚み、例
えば0.25mmに仕上げる。
このサーミスタ抵抗体のウェハ1に電極2、2を形成
後、ダイシングソーにて、例えば0.40mm/口のサイズで
チップ化する。
後、ダイシングソーにて、例えば0.40mm/口のサイズで
チップ化する。
そのサーミスタチップをガラスチューブ内に収め両側
からスラグリード3、3で挟持し加熱することにより熱
封着し、ガラス容器4で封止されたガラス封止型のNTC
サーミスタを得る。
からスラグリード3、3で挟持し加熱することにより熱
封着し、ガラス容器4で封止されたガラス封止型のNTC
サーミスタを得る。
このようにして得られたNTCサーミスタ素子の比抵抗
や、25℃と85℃における抵抗値を測定し、この温度間の
B定数を算出した。また高温保管条件例えば300℃で200
0時間保管後の抵抗値変化率も測定し、第2表の如き結
果を得た。
や、25℃と85℃における抵抗値を測定し、この温度間の
B定数を算出した。また高温保管条件例えば300℃で200
0時間保管後の抵抗値変化率も測定し、第2表の如き結
果を得た。
第2表において、添加物のFe2O3、Cr2O3の純度は99.9
%以上であり、変動係数、抵抗値変化率は次式で与えら
れる。
%以上であり、変動係数、抵抗値変化率は次式で与えら
れる。
変動係数=(標準偏差値/平均値)×100% 抵抗値変化率=(Rt−Ro)/Ro×100% 但し Rt:t時間後の抵抗値 Ro:初期抵抗値 第2表から明らかな如く、添加物を全く含まない組成
物は変動係数は小さいが、その抵抗値変化率は10%を超
え、経時変化が大きい(試料No.2−1、5−1、7−
1、11−1参照)。
物は変動係数は小さいが、その抵抗値変化率は10%を超
え、経時変化が大きい(試料No.2−1、5−1、7−
1、11−1参照)。
一方、酸化クロム、酸化鉄が0.01重量%以上添加され
ると、変動係数が3%以下で抵抗値変化率も8%以下で
抵抗値の経時変化の小さい非常に信頼性の高いサーミス
タ素子を得ることができる。
ると、変動係数が3%以下で抵抗値変化率も8%以下で
抵抗値の経時変化の小さい非常に信頼性の高いサーミス
タ素子を得ることができる。
しかし、酸化クロムの添加量が30重量%を超えると、
または酸化鉄の添加量が60重量%を超えると、変動係数
が3%を超えるものとなる。
または酸化鉄の添加量が60重量%を超えると、変動係数
が3%を超えるものとなる。
なお、前記実施例ではガラス封止型サーミスタ素子と
して第1図の如き構造のものについて説明したが、本発
明はこれに限られず、第2図に示す如くリード線23、23
が同一方向のものでもよいことは云うまでもない。
して第1図の如き構造のものについて説明したが、本発
明はこれに限られず、第2図に示す如くリード線23、23
が同一方向のものでもよいことは云うまでもない。
第2表からも明らかな如く、本発明のサーミスタ用組
成物を用いて得られるサーミスタ素子は汎用特性が容易
に得られ、且つ、300℃で2000時間保管後の抵抗値の変
化率が4%以下と、経時変化が大変少ない上、変動係数
も3.0%以下という小さな信頼性の高いサーミスタを得
ることができる。
成物を用いて得られるサーミスタ素子は汎用特性が容易
に得られ、且つ、300℃で2000時間保管後の抵抗値の変
化率が4%以下と、経時変化が大変少ない上、変動係数
も3.0%以下という小さな信頼性の高いサーミスタを得
ることができる。
第1図はガラス封止型サーミスタの構造説明図、 第2図は他のガラス封止型サーミスタの構造説明図であ
る。 1……サーミスタ抵抗体、 2……電極、 3……リード線、 4……封止ガラス。
る。 1……サーミスタ抵抗体、 2……電極、 3……リード線、 4……封止ガラス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−85802(JP,A) 特開 昭62−291002(JP,A) 特開 昭62−291003(JP,A) 特開 昭62−293701(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/04 C04B 35/495
Claims (1)
- 【請求項1】マンガン15〜85モル%、ニッケル0〜80モ
ル%、コバルト5〜85モル%のうちからマンガン及びコ
バルトを含む2種または3種の金属元素を混合して、そ
の混合モル比合計が100%になるように選択された上記
金属元素の酸化物に、 酸化クロム:0.01〜30.0重量% 酸化鉄 :0.01〜60.0重量% をそれぞれ添加したことを特徴とするサーミスタ用組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00993690A JP3201477B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | サーミスタ用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00993690A JP3201477B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | サーミスタ用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03214702A JPH03214702A (ja) | 1991-09-19 |
JP3201477B2 true JP3201477B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=11733911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00993690A Expired - Lifetime JP3201477B2 (ja) | 1990-01-19 | 1990-01-19 | サーミスタ用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3201477B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6099164A (en) * | 1995-06-07 | 2000-08-08 | Thermometrics, Inc. | Sensors incorporating nickel-manganese oxide single crystals |
WO1997048644A1 (en) * | 1996-06-17 | 1997-12-24 | Thermometrics, Inc. | Growth of nickel-cobalt-manganese oxide single crystals |
US6125529A (en) * | 1996-06-17 | 2000-10-03 | Thermometrics, Inc. | Method of making wafer based sensors and wafer chip sensors |
US5936513A (en) * | 1996-08-23 | 1999-08-10 | Thermometrics, Inc. | Nickel-iron-manganese oxide single crystals |
CN110317045A (zh) * | 2019-06-14 | 2019-10-11 | 山东格仑特电动科技有限公司 | 一种锰镍铁钴基ntc热敏电阻材料及其制备方法 |
-
1990
- 1990-01-19 JP JP00993690A patent/JP3201477B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03214702A (ja) | 1991-09-19 |
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