JP2734686B2 - サーミスタ用酸化物半導体 - Google Patents

サーミスタ用酸化物半導体

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勝夫 長野
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、例えば温度センサとして利用できるところ
の負の抵抗温度係数を持ち、一般にABO(A,Bは金属元
素、Oは酸素元素を表し、AはAサイト、BはBサイト
を表す。)で表されるスピネル型結晶構造で構成されて
いるサーミスタ用酸化物半導体に関するものである。
従来の技術 従来、この種のサーミスタ用酸化物半導体は、金属元
素としてMn,Coを主元素とし、これにアクセプター元素
であるNi,Cu等を添加した主にスピネル型結晶構造を有
する酸化物固溶体から成り、その結晶構造は正方晶系ス
ピネル型結晶構造、または正方晶系と立方晶系スピネル
型結晶構造の混合晶で構成されていた。
発明が解決しようとする課題 このような構成から成るマンガンを主成分とする酸化
物半導体では、焼結後、電気特性を引き出すための電極
焼付、あるいはアニール処理等の熱処理、またガラス封
入によってその電気特性が著しく変化することから、電
気特性バラツキの小さな高精度温度センサを大量にしか
も安価に供給することが困難であった。
課題を解決するための手段 本発明者らは、種々検討の結果上述した著しい電気特
性変化が結晶変態に基づくものであることを突き止め、
この結晶変態をなくそうとした。すなわち、マンガンを
主成分の一つとする酸化物固溶体において、その結晶構
造が使用温度範囲内で立方晶系スピネル構造となるよう
に、スピネル構造Bサイト中のMn(III)イオンの存在
比率を、Ni,Cr及びAlを固溶させることにより50%以下
としたものである。
作用 この構成により、本サーミスタ用酸化物半導体は焼結
後の熱処理に対しても電気特性は著しく変化することな
く、従って電気特性バラツキの小さい高精度温度センサ
を大量にしかも安価に提供することができることとな
る。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1) 市販の原料MnCO3,NiO,Cr2O3,Al2O3を後述する表に示
す組成になるように配合した。これをボールミルで混合
後乾燥させ、900℃で仮焼した。これを再びボールミル
で粉砕し、得られたスラリーを乾燥した。乾燥後、ポリ
ビニルアルコールをバインダとして添加混合し、所要量
とって12mmφ×1.5mm tのディスク状に加圧成形し、こ
れを空気中1300℃の温度で2時間焼成した。その後、こ
の焼結体に印刷法により銀電極を設け、抵抗値を測定
し、これにより比抵抗値及びサーミスタ定数を求めた。
その後、このディスクサーミスタを窒素ガス雰囲気中、
500℃で1時間の熱処理を行い、抵抗値変化率を算出し
た。これらの数値を第1表にまとめて示した。
この結果から、本発明によるサーミスタ用酸化物半導
体は、焼結体を作製したそのの熱処理に対しても電気特
性が著しく変化することはないことがわかる。
次に焼成後の焼結体を粉末にして測定したX線回折パ
ターンを、試料番号1および3を代表として第1図
(a)および(b)に、またそれに相当する焼結体の熱
膨張率曲線を第2図(a)および(b)に示す。これよ
り、試料番号1は立方晶系スピネル構造からなり、結晶
構造変態点も存在しないが、一方試料番号3は立方晶系
と正方晶系スピネル構造の混合相となっており、約500
℃〜700℃に結晶構造変態点が存在することがわかる。
このことは、33at%≧(Ni)×2+(Cr)+(Al)の組
成比の場合に該当する。一方、(Ni)×2+(Cr)+
(Al)≧66at%の場合には、Bサイト位置から過剰とな
った。NiO,Cr2O3,Al2O3が析出し、熱処理により抵抗値
変化率が高くなるものと考えられる。
尚、今回の試料はディスク状サーミスタとしたが、焼
成後スライスしてウエハを得、これを角型チップ状に切
断し、ガラス封入サーミスタとして用いても良い。
(実施例2) 市販の原料MnCO3,NiO,CoCO3およびAl2O3あるいはCr2O
3を第2表に示す組成となるように配合した。これをボ
ールミルで粉砕し、得られたスラリーを乾燥する。この
スラリーを乾燥後、ポリビニルアルコールをバインダと
して添加混合し、所要量採って12mmφ×1.5mm tのディ
スク状に加圧成形し、これを空気中1250℃の温度で2時
間焼成した。その後、この焼結体に銀電極を形成した。
このようにして作製したディスク状酸化物半導体の各組
成比についての25℃における比抵抗値及びサーミスタ定
数を第2表に示す。その後、このディスク状酸化物半導
体を窒素ガス雰囲気中、500℃で1時間の熱処理を行
い、25℃における抵抗値変化率を測定した。この結果も
第2表に併せて示した。
この結果から、本発明によればサーミスタ用酸化物半
導体は、焼結体を作製したその後の熱処理に対しても電
気特性が著しく変化することがないことがわかる。
次に焼成後の焼結体を粉末にして測定したX線回折パ
ターンを、試料番号13および14を代表として第1図
(c)および(d)に、またそれに相当する焼結体の熱
膨張率曲線を第2図(c)および(d)に示す。これよ
り、試料番号13は立方晶系スピネル構造からなり、結晶
構造変態点も存在しないが、一方試料番号14は立方晶系
と正方晶系スピネル構造の混合相となっており、約500
℃〜800℃に結晶構造変態点が存在することがわかる。
このことは既に実施例1で述べた場合と一致する。Coの
添加効果は、抵抗値範囲の拡大を可能とするが、33at%
を超えて多量に含有する場合には、窒素ガスでの熱処理
によりNaCl型のCoOが析出し、抵抗値変化率が大きくな
ると考えられる。
尚、今回の試料はディスク状サーミスタとしたが、焼
成後スライスしてウエハを得、これを角型チップ状に切
断し、ガラス封入サーミスタとして用いても良い。
発明の効果 以上のように本発明によれば、マンガンを主成分の一
つとするスピネル型結晶構造を有する酸化物固溶体にお
いて、そのBサイト中のMn3+イオン存在割合をNi,Al,Cr
あるいはCoおよびこれらを固溶させることにより立方晶
系スピネル構造を有する酸化物固溶体を得ることがで
き、これにより種々の適当な熱処理を施してもその電気
特性が著しく変化することはないという効果が得られ
た。
このことは、ガラス封入処理等での抵抗値の工程変化
を抑制し、しかもそのバラツキが抑制されることを示唆
しており、安価でしかも高精度な温度センサ用酸化物半
導体として多大の貢献ができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例におけるサーミスタ用酸化物
半導体の粉末X線回折パターン及び比較用試料のX線回
折パターンを示す図、第2図は本実施例のサーミスタ用
酸化物半導体の熱膨張率曲線及び比較用試料の熱膨張率
曲線を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 畑 拓興 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−33801(JP,A) 特開 平1−253204(JP,A) 特開 昭59−67603(JP,A) 特開 昭62−291002(JP,A) 特開 昭57−92801(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンガンを主成分の一つとするスピネル型
    結晶構造を有する酸化物固溶体であって、且つ陽イオン
    の周囲を酸素イオンが8配位しているBサイト中のMn
    (III)イオンの比率を、他の陽イオンを固溶させるこ
    とにより50%以下としたことを特徴とするサーミスタ用
    酸化物半導体。
  2. 【請求項2】スピネル型結晶構造を有する酸化物固溶体
    への固溶金属元素がニッケル(Ni)及びクロム(Cr)で
    あり、そのBサイトへの置換量が金属元素比として、 33at%≦(Ni)×2+(Cr)≦66at% となる組成としたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のサーミスタ用酸化物半導体。
  3. 【請求項3】スピネル型結晶構造を有する酸化物固溶体
    への固溶金属元素がニッケル(Ni)及びアルミニウム
    (Al)であり、そのBサイトへの置換量が金属元素とし
    て、 33at%≦(Ni)×2+(Al)≦66at% 但し、9.1at%≦(Al)≦9.9at% となる組成としたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のサーミスタ用酸化物半導体。
  4. 【請求項4】スピネル型結晶構造を有する酸化物固溶体
    への固溶金属元素がニッケル(Ni),クロム(Cr)及び
    アルミニウム(Al)であり、そのBサイトへの置換量が
    金属元素比として、 33at%≦(Ni)×2+(Cr)+(Al)≦66at% となる組成としたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のサーミスタ用酸化物半導体。
  5. 【請求項5】スピネル型結晶構造を有する酸化物固溶体
    への固溶金属元素がニッケル(Ni)、クロム(Cr)及び
    コバルト(Co)であり、そのBサイトへの置換量が金属
    元素比として、 33at%≦(Ni)×2+(Cr)≦66at% であり、0.1at%≦(Co)≦33at% となる組成としたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のサーミスタ用酸化物半導体。
  6. 【請求項6】スピネル型結晶構造を有する酸化物固溶体
    への固溶金属元素がニッケル(Ni)、アルミニウム(A
    l)及びコバルト(Co)であり、そのBサイトへの置換
    量が金属元素比として、 33at%≦(Ni)×2+(Al)≦66at% であり、0.1at%≦(Co)≦33at% となる組成としたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のサーミスタ用酸化物半導体。
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