JPH0766007A - 高温用サーミスタ - Google Patents

高温用サーミスタ

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JPH0766007A
JPH0766007A JP20914993A JP20914993A JPH0766007A JP H0766007 A JPH0766007 A JP H0766007A JP 20914993 A JP20914993 A JP 20914993A JP 20914993 A JP20914993 A JP 20914993A JP H0766007 A JPH0766007 A JP H0766007A
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利文 倉原
Tsutomu Tamori
勉 田守
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OOIZUMI SEISAKUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温焼成が可能であり、特性のバラツキが小
さく、400〜550℃の温度領域において、抵抗変化
率が小さく、寿命特性に優れたサーミスタ素子を得る。 【構成】 マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛の酸化
物固溶体粉末と、スピネル化合物又はペロブスカイト化
合物の内、どちらか1種類の化合物粉末との混合焼結体
からなっている。550℃における抵抗変化率は、図1
のとおりである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス火炎温度,自動車
の排ガス温度測定などに用いる高温用サーミスタに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガス給湯器等のガス火炎温度,自動車の
排ガス温度測定等に用いられる高温用サーミスタ素子
は、Al,Zr,Mg,Cr等を主成分とし、1500
〜1650℃の温度で焼成されたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高温用サーミスタ素子は、Al,Zr,Mg,Cr等を
主成分とする焼結体であるために、1500〜1650
℃というかなりの高温で焼結しなければならず、また、
高温の環境のもとで使用されるため、使用状況によって
は雰囲気等環境からの影響を受けて組成が変化し、特性
のバラツキが大きく、使用時の安定性に欠けるという問
題があった。
【0004】本発明の目的は、1300℃の焼成温度で
十分に焼結が可能であり、特性のバラツキが小さく、4
00〜550℃の温度領域において、素子自体の抵抗変
化率が小さく、寿命特性に優れた高温用サーミスタを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による高温用サーミスタにおいては、酸化物
固溶体粉末と化合物粉体との混合焼結体よりなる高温用
サーミスタであって、酸化物固溶体粉末は、マンガン,
ニッケル,コバルト,亜鉛の酸化物固溶体であり、化合
物粉体は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合物粉
体の内のいずれか一方の化合物の1種類を選択的に含む
ものである。
【0006】また、酸化物固溶体粉末と化合物粉体との
混合焼結体よりなる高温用サーミスタであって、酸化物
固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛の
酸化物固溶体であり、化合物粉体は、スピネル化合物又
はペロブスカイト化合物の内から選ばれた2種類又はそ
れ以上の化合物である。
【0007】また、酸化物固溶体粉末と化合物粉体との
混合焼結体よりなる高温用サーミスタであって、酸化物
固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛
と、アルミナ,マグネシウム,ジルコニア,スズの内か
ら選ばれた1種類との酸化物固溶体であり、化合物粉体
は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合物の内のい
ずれか一方から選ばれた1種類の化合物である。
【0008】また、酸化物固溶体粉末と化合物粉体との
混合焼結体よりなる高温用サーミスタであって、酸化物
固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛
と、アルミナ,マグネシウム,ジルコニア,スズの内か
ら選ばれた1種類との酸化物固溶体であり、化合物粉体
は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合物の内から
選ばれた2種類又はそれ以上の化合物である。
【0009】
【作用】酸化物固溶体粉末に、マンガン,ニッケル,
コバルト,亜鉛を用いるときには、Mnを5〜70モル
%,Niを5〜70モル%,Coを1〜40モル%,Z
nを1〜40モル%を含む金属元素を混合し、その混合
モル比が100%になるように調整する。
【0010】マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛の
ほかに、アルミナ,マグネシウム,ジルコニア,スズの
内から選ばれた1種類の酸化物固溶体を添加するときに
は、Mnを5〜70モル%,Niを5〜70モル%,C
oを1〜40モル%,Znを1〜40モル%と、Al,
Mg,Zr,Snの中から選ばれた1種類の成分を1〜
40モル%含む5種類の金属元素を混合し、その混合モ
ル比が100%になるように調整する。
【0011】スピネル化合物粉末は、SnAl24,M
nAl24,MnCr24,MnTi24,ZnCr2
4,ZnAl24,ZnTi24,ZnFe24,C
rAl24,MgTi24,MgAl24,MgMn2
4,MgCr24,FeAl24,FeCr24,F
eCo24,CoFe24,CoAl24,CoCr2
4,NiCr24,NiAl24になるように調整さ
れたものである。
【0012】ペロブスカイト化合物粉末は、LaY
3,LaAlO3,YCrO3,YFeO3,CaTiO
3,CaSnO3,MgCeO3,BaCeO3,CeAl
3,CeCrO3,CeFeO3,LaTiO3,LaN
iO3に調整されたものである。
【0013】スピネル化合物粉末又はペロブスカイト化
合物粉末は、その1種類又は2種類以上が選択的に酸化
物固溶体粉末に添加され、混合焼成体として焼成され
る。スピネル化合物粉末又はペロブスカイト化合物粉末
の内の1種類の化合物粉末を前記の酸化物固溶体粉末
に添加するときの添加量は、重量比で1.0〜60重量
%であり、また、前記の酸化物固溶体粉末に2種類以
上の化合物粉末を添加するときの添加量は、重量比で
1.0〜60重量%である。
【0014】マンガン,ニッケル,コバルト,亜鉛及び
アルミナ,マグネシウム,ジルコニア,スズの酸化物固
溶体は、250℃で低抵抗を示し、焼結性に優れてい
る。また、前記スピネル化合物は、250℃で高抵抗を
示し、前記ペロブスカイト化合物は、低抵抗を示す材料
である。
【0015】本発明によるサーミスタは、上記特性を有
する材料を選択的に組合せた混合焼結体であり、高温材
料としてはかなり低い1300℃の焼結温度で十分に焼
結され、バラツキが小さい任意の抵抗値と抵抗温度係数
を有するサーミスタが得られる。
【0016】サーミスタ素子は、ペースト状に混練した
成分を白金線の対間に塗布して粒状に加工するビード形
のほか、焼成体のブロックから切り出したチップをガラ
ス封入したものであっても同じ性能が得られ、素子の製
造方法は何等の制約を受けるものではない。
【0017】本発明においては、特にZn,Al,M
g,Zr,Snは1〜40モル%の範囲内に調整するこ
とが重要である。1モル%以下の場合には、高温耐熱性
に劣り、40モル%以上の場合には焼結性が低下し、抵
抗値のバラツキが大きくなると同時に高温耐熱性も劣化
する現象がみられるようになる。一方、スピネル及びペ
ロブスカイト化合物の添加量は1〜60重量%の範囲内
に調整することが重要である。
【0018】添加量が1重量%以下の場合は、スピネル
又はペロブスカイト化合物の添加効果が顕著に現れず本
目的である高温耐熱の向上がみられず、逆に添加量が6
0重量%以上を超えた場合は、焼結性が低下し、抵抗値
が異常に高くなったり、高温耐熱性が劣化する現象がみ
られる。
【0019】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。
【0020】(実施例1)炭酸マンガン,炭酸ニッケ
ル,炭酸コバルト,炭酸亜鉛の各粉末を秤量し、各々を
ボールミルに投入し、24時間混合した。これを乾燥
後、約1000℃で16時間仮焼し、その粉末をさらに
ボールミルで混合粉砕後、乾燥させて酸化物固溶体粉末
を得た。
【0021】一方、スピネル化合物には、AB24,ペ
ロブスカイト化合物にはABO3という化学式で示され
る化合物を用いた。スピネル化合物の場合は、金属モル
比でA:B=1:2,ペロブスカイト化合物の場合は、
金属モル比でA:B=1:1になるように配合し、10
00〜1100℃で仮焼後、粉砕を行い、各々スピネル
及びペロブスカイト化合物粉末を得た。
【0022】この酸化物固溶体と、スピネルもしくはペ
ロブスカイト化合物粉末を1〜60重量%の範囲内で湿
式混合後、乾燥させたものに4wt%のポリビニールア
ルコール溶液を適宜添加してペースト状に混練した。
【0023】得られたペーストを250ミクロンの間隔
を開けて張った直径80ミクロンの白金線の対に塗布
し、粒状にして乾燥後1250〜1300℃で1〜3時
間焼成を行い、ビード形のサーミスタを形成した。
【0024】このようにして製造されたサーミスタの代
表例を表1,2に示し、550℃における抵抗値経時変
化率を図1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】(実施例2)実施例1に使用した酸化物固
溶体粉末にスピネル化合物、もしくはペロブスカイト化
合物として調整された化合物粉末の内、2種類もしくは
それ以上の化合物粉末を合計で1〜60重量%の範囲内
で湿式混合後、乾燥させたものに4wt%のポリビニー
ルアルコール溶液を適量添加してペースト状に混練し
た。
【0028】得られたペーストを250ミクロンの間隔
を開けて張った直径80ミクロンの白金線の対に塗布し
粒状にして乾燥後、1250〜1300℃で1〜3時間
焼成を行い、ビード形のサーミスタを形成した。
【0029】このようにして製造されたサーミスタの代
表例を表3,4に示し、550℃における抵抗値経時変
化率を図3,4に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】(実施例3)炭酸マンガン,炭酸ニッケ
ル,炭酸コバルト,炭酸亜鉛と、酸化アルミニウム,炭
酸マグネシウム,酸化ジルコニウム,酸化スズの中か選
ばれた1種類との材料を秤量し、ボールミルで24時間
混合した。これを乾燥後、約1000℃で16時間仮焼
し、その粉末をさらにボールミルで混合粉砕後、乾燥さ
せて酸化物固溶体粉末を得た。
【0033】この酸化物固溶体粉末に、実施例1で調整
したスピネル若しくはペロブスカイト化合物粉末の内、
どちらか1種類を1〜60重量%の範囲内で湿式混合
後、乾燥させたものに4wt%のポリビニールアルコー
ル溶液を適量添加してペースト状に混練した。
【0034】得られたペーストを250ミクロンの間隔
を開けて張った直径80ミクロンの白金線上に塗布し、
粒状にして乾燥後1250〜1300℃で1〜3時間焼
成を行い、ビード形のサーミスタを形成した。
【0035】このようにして製造されたサーミスタの代
表例を表5に示し、550℃における抵抗値経時変化率
を図5に示す。
【0036】
【表5】
【0037】(実施例4)実施例3で調整された酸化物
固溶体粉末に、実施例1で調整したスピネル若しくはペ
ロブスカイト化合物の内、2種類もしくはそれ以上の化
合物粉末を合計で1〜60重量%の範囲内で湿式混合
後、乾燥させたものに4wt%のポリビニールアルコー
ル溶液を適量添加してペースト状に混練した。
【0038】得られたペーストを250ミクロンの間隔
を開けて張った直径80ミクロンの白金線の対に塗布
し、粒状にして乾燥後1250〜1300℃で1〜3時
間焼成を行い、ビード形のサーミスタを形成した。
【0039】このようにして製造されたサーミスタの代
表例を表6に示し、550℃における抵抗値経時変化率
を図6に示す。
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明は、250℃で低抵
抗を示し、焼結性に優れたマンガン,ニッケル,コバル
ト,亜鉛及び必要により添加されたアルミナ,マグネシ
ウム,ジルコニア,スズの酸化物固溶体粉末と、250
℃で高抵抗を示すスピネル化合物及び/又は低抵抗を示
すペロブスカイト化合物粉体との混合焼結体からなり、
比較的低い温度で焼結が可能であり、バラツキが小さ
く、任意の抵抗値と、抵抗温度係数が得られ、特に40
0〜550℃の温度領域で使用するガス火炎温度,自動
車の排ガス温度、その他の温度測定用サーミスタとして
抵抗変化率が小さく、寿命特性に優れた効果を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における抵抗値の経時変化率を示す図
である。
【図2】実施例1における抵抗値の経時変化率を示す図
である。
【図3】実施例2における抵抗値の経時変化率を示す図
である。
【図4】実施例2における抵抗値の経時変化率を示す図
である。
【図5】実施例3における抵抗値の経時変化率を示す図
である。
【図6】実施例4における抵抗値の経時変化率を示す図
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物固溶体粉末と化合物粉体との混合
    焼結体よりなる高温用サーミスタであって、 酸化物固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,
    亜鉛の酸化物固溶体であり、 化合物粉体は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合
    物粉体の内のいずれか一方の化合物の1種類を選択的に
    含むものであることを特徴とする高温用サーミスタ。
  2. 【請求項2】 酸化物固溶体粉末と化合物粉体との混合
    焼結体よりなる高温用サーミスタであって、 酸化物固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,
    亜鉛の酸化物固溶体であり、 化合物粉体は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合
    物の内から選ばれた2種類又はそれ以上の化合物である
    ことを特徴とする高温用サーミスタ。
  3. 【請求項3】 酸化物固溶体粉末と化合物粉体との混合
    焼結体よりなる高温用サーミスタであって、 酸化物固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,
    亜鉛と、アルミナ,マグネシウム,ジルコニア,スズの
    内から選ばれた1種類との酸化物固溶体であり、 化合物粉体は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合
    物の内のいずれか一方から選ばれた1種類の化合物であ
    ることを特徴とする高温用サーミスタ。
  4. 【請求項4】 酸化物固溶体粉末と化合物粉体との混合
    焼結体よりなる高温用サーミスタであって、 酸化物固溶体粉末は、マンガン,ニッケル,コバルト,
    亜鉛と、アルミナ,マグネシウム,ジルコニア,スズの
    内から選ばれた1種類との酸化物固溶体であり、 化合物粉体は、スピネル化合物又はペロブスカイト化合
    物の内から選ばれた2種類又はそれ以上の化合物である
    ことを特徴とする高温用サーミスタ。
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