JP7473753B1 - 温度センサ素子および温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】強い還元性雰囲気における使用を長時間続けても、感熱体の還元反応を抑制できる温度センサ素子を提供すること。【解決手段】本発明の温度センサ素子1は、温度によって電気抵抗が変化する感熱体11と、感熱体11の周囲を覆う第一被覆層20と、感熱体11に接続されるとともに、第一被覆層20を貫通して後端側に向けて引き出される一対の引出線15,15と、第一被覆層20を貫通して引き出される一対の引出線15,15の周囲を覆う第二被覆層25,27と、第一被覆層20および第二被覆層25,27の周囲を覆う第三被覆層30と、を備える。引出線15、第二被覆層25,27および第三被覆層30のそれぞれの線膨張係数をα15、α25およびα30とすると、α15<α30<α25の関係が成り立つ。

Description

本発明は、温度変化に応じて電気的特性が変化するサーミスタなどの感熱体を備える温度センサ素子に関する。
温度センサ素子としては、例えば導電性酸化物焼結体からなるサーミスタと、サーミスタの周囲を被覆する被覆層と、サーミスタに接続されるとともに被覆層を貫通して引き出される一対の引出線と、を備える。
被覆層は、サーミスタを機械的・熱的な耐久性の向上のためや、温度センサ素子の性能を低下させるおそれのある異物が外部からサーミスタ部分へ侵入するのを防止するために用いられる。
温度センサ素子は、低温状態よりも高温状態でより雰囲気温度の影響を受けやすくなるため、被覆層も高温状態で安定なものを用いる必要がある。高温用被覆材としては、温度が800℃までであればガラスによる被覆を用いることが可能であるが、それ以上の例えば900℃以上の高温ではガラスも使用することができない。
以上の課題に対して、特許文献1は、複数の金属酸化物の組み合わせと導電性増強作用を有する焼結促進材とから組成された平面状焼結体の上下両面に電極を形成したサーミスタチップの、上記両面にそれぞれリード線を接合してなるサーミスタ素子を提案する。この提案において、サーミスタチップの部分を、上記組み合わせとほぼ等しい材料比率を有する上記複数の金属酸化物と導電性増強作用を有しない焼結促進材とから組成された被覆材によって被覆して焼成することで、高温に耐えるサーミスタを提供することができることが述べられている。
特開2006-54258号公報
しかし、特許文献1に開示されるサーミスタ素子を、例えば、900℃以上の高温雰囲気において長時間にわたって使用し続けると、その電気抵抗値が変化してしまい、所望する性能を維持できないことがわかった。この特許文献1に示されるサーミスタ素子は、サーミスタチップと、被覆層と、リード線とは、材質が異なるため、それぞれの線膨張係数も異なる。発明者の知見によると、線膨張係数が異なるため、高温雰囲気下に長時間晒すと、リード線と保護層との間に隙間が生じるおそれがあるとともに、高温雰囲気下では気中に存在する水分等が蒸発等して還元性ガスを発生する。この還元性ガスが被覆層と引出線との界面を通じてサーミスタチップまで侵入してしまう。サーミスタは酸化物であるから、侵入してきた還元性ガスにより還元されてしまい、温度センサ素子としての温度検出精度が低下することがある、と推察される。
そこで、本発明は、引出線と引出線を取り囲む被覆層との界面の隙間を軽減することを通じて、強い還元性雰囲気における使用を長時間続けても、感熱体の還元反応を抑制できる温度センサ素子を提供することを目的とする。
本発明は、温度によって電気抵抗が変化する感熱体と、感熱体の周囲を覆う第一被覆層と、感熱体に接続されるとともに、第一被覆層を貫通して後端側に向けて引き出される一対の引出線と、第一被覆層を貫通して引き出される一対の引出線の周囲を覆う第二被覆層と、第一被覆層および第二被覆層の周囲を覆う第三被覆層と、を備える。
本発明において、引出線、第二被覆層および第三被覆層30のそれぞれの線膨張係数をα15、α25およびα30とすると、α15<α30<α25の関係が成り立つ。
さらに本発明において、好ましくは、第一被覆層は、第一酸化物粉末、または、第一酸化物粉末とガラスの混合物から構成され、第二被覆層は、第二酸化物粉末とガラスとの混合物から構成され、第三被覆層は、第三酸化物粉末とガラスとの混合物から構成される。
そして、これら第一酸化物粉末、第二酸化物粉末および第三酸化物粉末のそれぞれの線膨張係数をβ20、β25およびβ30とすると、β20<β30<β25の関係が成り立つ。
さらに本発明において、好ましくは、第一酸化物粉末が、感熱体を構成するサーミスタの粉末からなり、第二酸化物粉末は、ZrO、CaOおよびMgOの一種又は二種以上の粉末からなる。
さらに本発明において、好ましくは、第二被覆層は、第一被覆層を貫通して引き出される一対の引出線の周囲を覆うとともに、第一被覆層と第三被覆層の間において、第一被覆層を覆う。
さらに本発明において、好ましくは、第二被覆層は、第一被覆層を貫通して引き出される一対の引出線の周囲を限定して覆い、第一被覆層と第三被覆層が直に接する。
さらに本発明において、好ましくは、第二被覆層および第三被覆層の厚さをそれぞれt25、t30とすると、t25<t30が成り立つ。
さらに本発明において、好ましくは、第一被覆層は、第一酸化物粉末が、P1804の請求項1を加える。
さらに本発明によれば、以上で説明した温度センサ素子を備える温度センサが提供される。
本発明においては、引出線、第二被覆層および第三被覆層のそれぞれの線膨張係数をα15、α25およびα30とすると、α15<α30<α25の関係が成り立つ。この関係が成り立つことにより、引出線と引出線を取り囲む第1被覆層との界面の隙間が軽減されることにより、強い還元性雰囲気における使用を長時間続けても、感熱体の還元反応が抑制される。
第1実施形態に係る温度センサ素子の概略構成を示す縦断面図である。 (a)は図1の引出線15の周りの横断面図であり、(b)は図1のサーミスタ素子の引出線、中間層および外層被覆の膨張の様子を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る温度センサ素子の製造手順を示すフロー図である。 第1実施形態に係る温度センサ素子を製造する手順を示す図である。 図4に引き続き、第1実施形態に係る温度センサ素子を製造する手順を示す図である。 第2実施形態に係る温度センサ素子の概略構成を示す縦断面図である。 図4に引き続き、第2実施形態に係る温度センサ素子を製造する手順を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る温度センサ素子1について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る温度センサ素子1は、図1に示すように、サーミスタ素子3と被覆層5と、を備えている。サーミスタ素子3は、温度によって電気的特性、例えば電気抵抗値が変化する感熱体11と、感熱体11の対向する表裏のそれぞれの面に形成される一対の電極13,13と、電極13,13のそれぞれに接続される一対の引出線15,15と、電極13,13と引出線15,15を電気的に接続する接続電極17,17と、を備える。また、被覆層5は、引出線15,15の一部とともに感熱体11を覆う第一被覆層20と、第一被覆層20の外側を覆う第三被覆層30と、第一被覆層20と第三被覆層30の間に介在する第二被覆層25と、を備える。
温度センサ素子1は、第一被覆層20と第三被覆層30の間に第二被覆層25を設けるが、この第二被覆層25に詳しくは後述する締め付け効果を担わせる。温度センサ素子1は、高温の還元性雰囲気、例えば水素を含む雰囲気下において、感熱体11の電気抵抗値の変化率を小さく抑えることができる。
なお、ここでは具体的な記載を省略するが、温度センサ素子1は、ステンレス鋼、Ni超合金などの耐熱性および耐酸化性に優れた金属製の保護管の内部に収容されて温度センサを構成することがある。
以下、温度センサ素子1の各要素について説明したのちに、温度センサ素子1の作用および効果について説明する。
[感熱体11]
感熱体11には、サーミスタ焼結体が好適に用いられる。サーミスタはthermally sensitive resistorの略称であり、温度によって電気抵抗値が変化することを利用して温度を測定する金属酸化物である。
サーミスタは、NTC(negative temperature coefficient)サーミスタとPTC(positive temperature coefficient)サーミスタに区分されるが、本発明はいずれのサーミスタをも使用できる。
NTCサーミスタとして典型的なスピネル構造を有する酸化マンガン(Mn)を基本組成とする酸化物焼結体を感熱体11に用いることができる。この基本組成にM元素(Ni、Co、Fe、Cu、Al及びCrの1種又は2種以上)を加えたMxMn3-xの組成を有する酸化物焼結体を感熱体11に用いることができる。さらに、V、B、Ba、Bi、Ca、La、Sb、Sr、Ti及びZrの1種又は2種以上を加えることができる。
また、NTCサーミスタとして典型的なペロブスカイト構造を有する複合酸化物、例えばYCrOを基本構成とする酸化物焼結体を感熱体11に用いることができる。このNTCサーミスタとしては、Y相と、Y(CrMn)O相、YCrO相およびYMnO相の中の少なくとも1種とを備えている、焼結体が最も典型的である。
[サーミスタ焼結体の製造方法]
サーミスタ焼結体からなる感熱体11は、原料粉末の秤量、原料粉末の混合、原料粉末の乾燥、仮焼き、仮焼き後の混合・粉砕、乾燥・造粒、成形および焼結の工程を経ることにより製造される。以下、Y相とY(CrMn)O相を備えるサーミスタ焼結体を例にして各工程を説明する。
[原料粉末の秤量]
酸化イットリウム(Y)粉末、酸化クロム(Cr)粉末、酸化マンガン(MnO,Mn,Mn等)粉末および炭酸カルシウム(CaCO)粉末を含む原料粉末を、上述した化学組成となるように秤量する。
なお、本実施形態において、粉末とは複数の粒子から構成されるものである。
粉末はY相の生成に寄与し、Y粉末、Cr粉末および酸化マンガン粉末(Mn粉末)はY(CrMn)O相の生成に寄与する。CaCO粉末は、焼結助剤として機能するのに加えて、Y(CrMn)O相にCaとなって固溶し、B定数を低くするのに寄与する。
原料粉末は、高い特性のサーミスタ焼結体を得るために、98%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは99.9%以上の純度の粉末を用いる。
また、原料粉末の粒径は、仮焼が進行する限り限定されないが、粒径(d50)で0.1~6.0μmの範囲で選択することができる。
[原料粉末の混合・ボールミル]
所定量だけ秤量されたY粉末、Cr粉末、Mn粉末およびCaCO粉末を混合する。混合は、例えば、混合粉末に水を加えたスラリー状としてボールミルによって行うことができる。混合には、ボールミル以外の混合機を用いることもできる。
[原料粉末の乾燥]
混合後のスラリーをスプレードライヤ、その他の機器によって乾燥・造粒して、仮焼用の混合粉末とすることが好ましい。
[仮焼き]
乾燥後の仮焼用の混合粉末を仮焼きする。仮焼きすることにより、Y粉末、Cr粉末、Mn粉末およびCaCO粉末から、Y相とY(CrMn)O相の複合組織を有する仮焼結体を得る。
仮焼きは、仮焼用の混合粉末を例えば坩堝に投入し、大気中で800~1300℃の温度範囲で保持することで行われる。仮焼きの温度が800℃未満では複合組織の生成が不十分であり、また、1300℃を超えると焼結密度の低下や抵抗値の安定性の低下を招く恐れがある。そこで仮焼の保持温度は、800~1300℃の範囲とする。
仮焼きにおける保持時間は、保持温度に応じて適宜設定されるべきであるが、上記温度範囲であれば、0.5~100時間程度の保持時間で仮焼の目的を達成できる。
[混合・粉砕・ボールミル]
仮焼後の粉末を混合および粉砕する。混合・粉砕は仮焼き前と同様に、水を加えてスラリー状とし、ボールミルを用いて行うことができる。
[乾燥・造粒]
粉砕後の粉末は、スプレードライヤ、その他の機器によって乾燥・造粒することが好ましい。
[成形]
仮焼後の造粒粉を所定の形状に成形する。
成形は、金型を用いたプレス成形のほかに、冷間静水圧プレス(CIP:Cold Isostatic Press)を用いることができる。
成形体の密度が高いほど、高い密度の焼結体を得るのが容易であるから、可能な限り成形体の密度を高くしたい。そのためには高い密度を得ることができるCIPを用いることが好ましい。
[焼結]
次に、得られた成形体を焼結する。
焼結は、大気中で1400~1650℃の温度範囲で保持することで行われる。焼結の温度が1400℃未満では複合組織の生成が不十分であり、また、1650℃を超えると焼結体が融解したり焼結用の坩堝等との反応が生じたりする。焼結における保持時間は、保持温度に応じて適宜設定されるべきであるが、上記温度範囲であれば、0.5~200時間程度の保持時間で緻密な焼結体を得ることができる。
得られたサーミスタ焼結体は、そのサーミスタ特性を安定化させるために、アニール(annealing:焼き鈍し)を施すことが好ましい。アニールは、例えば大気中、1000℃で保持することにより行われる。
[電極13,13および接続電極17,17]
電極13,13は、図1に示すように、板状をなす感熱体11の表裏両面の全域に、それぞれ膜状に形成されている。電極13,13は、例えば白金(Pt)、その他の貴金属から構成される。
電極13,13は、厚膜又は薄膜として形成される。厚膜の電極13,13は、白金粉末に有機バインダを混合して作製したペーストをサーミスタ焼結体の表裏両面に塗布し、乾燥した後に焼結して形成される。また、薄膜電極は、真空蒸着またはスパッタリングによって形成することができる。
電極13,13が形成された感熱体11は、所定の寸法に加工される。
接続電極17,17は、それぞれ電極13,13の表面に形成される金属膜から構成される。接続電極17,17も、好ましくは白金(Pt)、その他の貴金属から構成される。
[引出線15,15]
引出線15,15は、図1に示すように、一端側が接続電極17,17を介して電極13,13に電気的および機械的に接続される。引出線15,15は、他端側が外部の図示を省略する検出回路と接続される。引出線15,15は、耐熱性を有する、例えば白金または白金とイリジウム(Ir)の合金からなる線材から構成される。
引出線15,15は、以下のようにして電極13,13に接続される。
引出線15,15のそれぞれの一端側に予め接続電極17,17をなす白金粉末を含むペーストを塗布しておく。引出線15,15のそれぞれの白金ペーストが塗布された側を電極13,13に接触させた状態で白金ペーストを乾燥させ、その後、白金粉末を焼結する。
[第一被覆層20]
次に、第一被覆層20について説明する。
第一被覆層20は、第三被覆層30の熱膨張に伴って生じる応力が感熱体11に直に加わるのを緩和する緩衝材となることを主たる機能として備える。換言すれば、第一被覆層20は、第三被覆層30による熱応力を受け止める。
また、第一被覆層20は、感熱体11と引出線15,15の接続部を固定することにより、安定した電気的および機械的な接続を実現する。
本実施形態に係る第一被覆層20は、二つの好ましい形態を含む。
第一形態はガラスと酸化物粉末(第一酸化物粉末)との混合物からなり、第二形態は第一酸化物粉末の集合体からなる。第一形態および第二形態において、第一酸化物粉末の他に第二酸化物粉末、第三酸化物粉末の表記が用いられるが、これはあくまで第一被覆層20、第二被覆層25、第三被覆層30を区別するためのものである。したがって、例えば第一酸化物粉末と第三酸化物粉末として同じ酸化物粉末が適用されることを妨げない。
第一形態の第一被覆層20において、ガラスは酸化物粉末同士を結合して第一被覆層20に形状を維持させる結合剤として機能する。
ガラスと酸化物粉末の比率は、所望する線膨脹係数が得られかつ結合剤として機能する限り限定されない。
第一被覆層20を構成するガラスは、結晶質ガラスおよび非晶質ガラスの一方または双方を用いることができるが、高温で安定な結晶化ガラスを用いることが好ましい。結晶化ガラスとしては、例えば、酸化ケイ素(SiO):30~60重量%、酸化カルシウム(CaO):10~30重量%、酸化マグネシウム(MgO):5~25重量%、酸化アルミニウム(Al):0~15重量%の範囲で合計100質量%からなる組成を適用できる。
第一被覆層20を構成する酸化物粉末としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)などが挙げられる。また、この酸化物粉末の好ましい形態としては、サーミスタ粉末を用いることができる。
サーミスタ粉末としては、感熱体11を構成するサーミスタ焼結体と同等の組成を有する粉末を用いることができる。同等の組成とは、感熱体11および第1内層形態に含まれるサーミスタ粉末の両方が、例えば上述した酸素を除くCr,Mn,CaおよびYの化学組成が、Cr:3~15モル%,Mn:5~15モル%,Ca:0.5~8モル%の組成範囲に含まれることをいう。サーミスタ粉末と感熱体11を構成するサーミスタ焼結体が同じ組成である場合を含む。
第一被覆層20の第二形態は、酸化物粉末(第一酸化物粉末)の集合体により構成される。この第一被覆層20は、ガラスを含まないことから、熱応力を受け止める機能が強化される。酸化物粉末の集合体によりなる第一被覆層20は、ガラスを含んでいるものとは、熱応力を受け止める作用が相違する。つまり、ガラスを含んでいる第一形態に係る第一被覆層20はその剛性を確保することにより熱応力を受け止めるが、ガラスを含まない酸化物粉末からなる第一被覆層20は酸化物粉末を構成する粒子が相互に位置ずれをおこすことにより熱応力を受け止める。
ガラスを含まない第二形態に係る第一被覆層20は、それ自体で形状を維持するのが困難であるため、専ら第三被覆層30が形状の維持を担う。つまり、第一被覆層20の周囲には第二被覆層25を間に挟んで第三被覆層30が形成されており、外力が加わらない状態においては、第三被覆層30が第一被覆層20を保持することによって、ガラスを含まなくても、その形状が維持され得る。
また、第三被覆層30の焼成の際に第一被覆層20を構成する粒子が隣接する粒子との間で元素が拡散することにより接合される部分もある。この接合部分が、第三被覆層30による保持に加えて、第一被覆層20の維持に寄与できる。ただし、この隣接する粒子同士の接合は強固である必要はない。第一被覆層20による応力緩和の作用からすると、むしろ隣接する粒子同士の接合は脆弱であることが好ましい。
[第三被覆層30]
次に、第三被覆層30について説明する。
第三被覆層30は、周囲の雰囲気から感熱体11を気密に封止する気密性をもたらすことを主たる機能とする。また、第三被覆層30は、感熱体11を外力から保護する機械的な強度を付与する。
第三被覆層30は、第一被覆層20と同様のガラスと酸化物粉末(第三酸化物粉末)との混合物から構成することもできる。酸化物粉末としては、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化イットリウム(Y)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化チタン(TiO)および酸化ランタン(La)の1種または2種以上を用いることができる。
本実施形態に係る第三被覆層30は、第一被覆層20と同様のガラスと酸化物粉末との混合物からなる。ただし、第一被覆層20に比べて、第三被覆層30はガラスを多く含む。これは後述する線膨脹係数の関係を充たすためである。
第三被覆層30は、1回の形成による1層の第三被覆層30により必要な厚さおよび状態を得ることができるが、第三被覆層30を複数層とすることもできる。第三被覆層30を複数層とする場合、各層は厚さが均等であってもよいし、不均等であってもよい。
[第二被覆層25]
次に、第二被覆層25について説明する。
第二被覆層25は、図1および図2(a)に示すように、第一被覆層20と第三被覆層30の間に設けられ、第一被覆層20を覆うのに加えて、第一被覆層20から引き出される引出線15の外周面を覆う。引出線15を覆っている第二被覆層25の周囲は、第三被覆層30に覆われている。
第二被覆層25は、第一被覆層20と同様のガラスと酸化物粉末(第二酸化物粉末)との混合物から構成することが好ましい。
第二被覆層25は、温度センサ素子1が高温度域で使用されている最中に、引出線15に圧縮応力σ1を加えることで、引出線15との境界面を密に接触させるものと解される。この圧縮応力σ1の印加により、引出線15と第二被覆層25との間の微小な隙間を減少させることで、温度センサ素子1の耐還元性が向上される。
[第二被覆層25による圧縮応力]
温度センサ素子1は、例えば室温から1050℃の温度範囲において、水素を含む還元性雰囲気で使用されることがある。第二被覆層25は、温度センサ素子1の還元性雰囲気における感熱体11の還元反応を抑制すること、つまり耐還元性を温度センサ素子1に付与することを目的として設けられる。本発明者らの検討によると、第二被覆層25による耐還元性の付与は、温度センサ素子1を高温で使用する際に、第二被覆層25から引出線15に向けて圧縮応力σ1が作用するためと推測している。つまり、この圧縮応力σ1は、引出線15および第三被覆層30と第二被覆層25との線膨張係数の大小関係で生じるものと認められる。以下、図2を参照して説明する。
第二被覆層25の周りの構造について、図2(a)に示すように、第二被覆層25は、引出線15の外周面に接するとともに引出線15の周囲を取り囲んでいる。引出線15の側からいうと、引出線15、第二被覆層25および第三被覆層30の順に配置されている。
次に、引出線15、第二被覆層25および第三被覆層30の線膨張係数α15,α25およびα30の関係は、以下の式(1)の通りであり、三つの要素の中で第二被覆層25の線膨張係数α25が最も大きい。
α15<α30<α25 … (1)
引出線15、第二被覆層25および第三被覆層30を含む温度センサ素子1が高温環境下に曝されると、いずれも径方向(D)に膨張しようとする。引出線15、第二被覆層25および第三被覆層30が式(1)の関係を有しているので、引出線15と第三被覆層30の間に挟まれる第二被覆層25は、引出線15および第三被覆層30の膨張の影響を受ける。そこで、引出線15と第二被覆層25の関係についてみると、引出線15よりも第二被覆層25の線膨張係数が大きいので、引出線15と第二被覆層25は、互いに拘束されることなく、それぞれが径方向Dの外側に膨張EX.が生じる。一方、第二被覆層25と第三被覆層30の関係についてみると、第二被覆層25よりも第三被覆層30の線膨張係数が小さいので、第二被覆層25の径方向(D)の外側に向けた膨張EX.が拘束される。その結果、第二被覆層25から引出線15に対して、径方向(D)の内側に向けて圧縮応力σ1が発生する。この圧縮応力σ1によって引出線15と第二被覆層25との境界には隙間が生じにくく、かつ、強固に接する。こうして第1実施形態に係る温度センサ素子1によれば、引出線15と第二被覆層25との境界から水素を含む還元性ガスが侵入するのが抑制される。
以上の作用を生ずると解される第二被覆層25は、線膨張係数の大きい酸化物粉末(第二酸化物粉末)、例えば、ZrO粉末、MgO粉末およびCaO粉末の一種または二種以上が適用される。第三被覆層30と同様にガラスが、酸化物粉末の他の構成要素となる。
[第2被覆層25と第3被覆層30の厚さの関係]
第2被覆層25の厚さをt25とし、第3被覆層30の厚さをt30とすると、t25≦t30の関係を有することが好ましく、t25<t30であることがより好ましい。この範囲の中で、第2被覆層25による締め付け効果を得るうえで、t25が小さいことが望ましい。具体的なt25およびt30については、以下の範囲から選択される。なお、単位はmmである。
t25:0.03~0.3,0.05~0.2,0.07~0.15
t30:0.20~2.0,0.3~1.25,0.45~1.0
[感熱体11に対する圧縮応力σ2]
温度センサ素子1が、例えば室温から1000℃の温度範囲において曝される過程において、感熱体11に加わる圧縮応力σ2を低く抑えることが好ましい。感熱体11の電気的特性、特に抵抗値の変化を抑えるためである。
この要求を満たすために、感熱体11、引出線15、第一被覆層20および第三被覆層30の線膨脹係数の調整を図りたい。つまり、第一被覆層20の線膨張係数α20を感熱体11の線膨張係数α11に近付け、第三被覆層30の線膨張係数α30を引出線15の線膨張係数α15に近付けることが望まれる。具体的には、線膨張係数α20と線膨張係数α11の差、および、線膨張係数α30と線膨張係数α15の差を、好ましくは5×10-7/K以下、より好ましくは3×10-7/K以下にする。
感熱体11を構成するサーミスタ焼結体、引出線15を構成する例えば白金、および、種々の酸化物の25-900℃における線膨脹係数は以下の表1に示す通りである。これらの値を踏まえ、第一被覆層20が感熱体11の線膨脹係数α11に近づくように、ガラスと酸化物粉末との比率を設定することが推奨される。また、第三被覆層30が引出線15の線膨脹係数α15に近づくように、ガラスと酸化物粉末の比率を設定することが推奨される。
Figure 0007473753000001
[温度センサ素子1の製造方法]
次に、温度センサ素子1の製造方法を、図3、図4および図5を参照して説明する。
温度センサ素子1は、図3に示すように、感熱体11と引出線15,15を接合するステップ(図3 S100,図4(a))と、接合された感熱体11に第一被覆層20を形成するステップ(図3 S200,図4(b))と、第一被覆層20の周囲に第二被覆層25を形成するステップ(図3 S300,図5(a))と、第一被覆層20および第二被覆層25の周囲に第三被覆層30を形成するステップ(図3 S400,図5(b))と、を経て製造される。
[第一被覆層20形成(図3 S200,図4(b))]
第一被覆層20について、例えば、前述した酸化物粉末、好ましくはサーミスタ粉末と結晶化ガラス粉末を溶剤と混合してペーストを用意する。このペーストを感熱体11の表面に塗布した後に、乾燥、ガラス成分の焼成処理をすることで、第一被覆層20が形成される。
ペーストを感熱体11の表面に塗布するのは、当該ペーストの中に感熱体11の側から引出線15の所定の範囲まで浸漬したのちに、ペーストから引き揚げる、ディッピングが好適に適用される。第二被覆層25、第三被覆層30も同様である。
第一被覆層20が複数の層から形成される場合、ディッピングを複数回行ってから、乾燥、焼成処理が行われる。また、第一被覆層20が複数の層から形成される場合、隣接する被覆層同士の境界は目視により視認できるが、第一被覆層20としての機能を担保できる程度の力で隣接する被覆層は接合されている。これについても、第二被覆層25、第三被覆層30に同様に適用される。
[第二被覆層形成(図3 S300,図5(a)]
第二被覆層25について、例えば、前述した線膨張係数が第三被覆層30に含まれる酸化物粉末より大きい酸化物粉末、好ましくはZrO、CaOおよびMgOの一種又は二種以上の粉末と結晶化ガラス粉末を溶剤と混合してペーストを用意する。このペーストを第一被覆層20の上に形成した後に、乾燥、ガラス成分の焼成処理をすることで、第二被覆層25が形成される。
[第三被覆層形成(図3 S400,図5(b))]
さらに、第三被覆層30についても、上記と同様に酸化物粉末、ガラス粉末と溶剤を混合して用意された外層用ガラスペーストを用いて、第二被覆層25の上に第三被覆層30が形成される。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態にかかる温度センサ素子2を、図6を参照して説明する。
温度センサ素子2を温度センサ素子1と対比して説明すると、第二被覆層27が第一被覆層20を覆っておらず、引出線15,15の周囲を覆う。つまり、温度センサ素子2は、第一被覆層20と第三被覆層30が直に接触しており、第二被覆層27は引出線15,15の周囲だけを覆っている。したがって、第二被覆層27が設けられている部位の横断面は、第1実施形態の図2(a)と同様に、引出線15、第二被覆層27および第三被覆層30の順に内側または中心から配列される構造を有している。
引出線15の周りが以上の横断面構造を有する温度センサ素子2は、第1実施形態の温度センサ素子1と同様に、第二被覆層27が引出線15に対して圧縮応力σ1が付与されることで、耐還元性が向上される。
また、温度センサ素子2は、第一被覆層20を覆わずに、第一被覆層20と第三被覆層30が直に接するともに、第三被覆層30の周囲は開かれているので、第三被覆層30の熱膨張を拘束する部材は存在しない。第一被覆層20と第三被覆層30のそれぞれの線膨張係数α20、α30の関係は以下の式(2)の通りであるから、温度センサ素子2が高温度域で使用されている最中に、第一被覆層20および第一被覆層20の内部に設けられる感熱体11は、第三被覆層30から理論上は圧縮応力σ2を受けない。
α20<α30 … 式(2)
第二被覆層27は、ディッピングにより形成することは困難であるが、例えば、ディスペンサと称される定量液体吐出装置によりペーストを当該領域に塗布し、乾燥、焼成処理を施すことにより、第二被覆層27は形成される。
[第1実施例]
次に、具体的な実施例に基づいて本発明の一例を説明する。
以下で説明する第一被覆層20、第二被覆層25および第三被覆層30を備える温度センサ素子1を製造して、抵抗値の変化率を測定した。
[感熱体11の製造]
以下の粒径(d50)を有する原料粉末を以下に示す混合比率として原料粉末を用意し、上述した工程にしたがって感熱体11を製造した。仮焼きは1300℃×24時間、焼結は1500℃×24時間の条件とし、いずれも大気中で行った。
:79.5mol% 粒径:0.1μm
Cr:8.5mol% 粒径:2.0μm
CaCO:3.5mol% 粒径:2.0μm
Mn:8.5mol% 粒径:5.0μm
電極13,引出線15,接続電極17はいずれも白金(Pt)からなり、実施形態で説明した手順でサーミスタ素子3を作製した。
[被覆層の形成]
以上のサーミスタ素子3に、第一被覆層20、第二被覆層25および第三被覆層30を形成した。
第一被覆層20は、ガラスとして結晶質ガラスおよび感熱体11と同じ組成のサーミスタ粉末を用いた。結晶質ガラスとサーミスタ粉末との質量比率は20:80である。また、バインダとして有機バインダを用いて第一被覆層20用のペーストとし、ディッピングにより1層の前駆層を形成した。その後、乾燥、焼成用の熱処理を行って実施例に係る第一被覆層20を形成した。第一被覆層20の線膨張係数をα20とする。
第二被覆層25は、結晶質ガラスと酸化物粉末としてのZrO粉末、MgO粉末、CaO粉末を用いた。結晶質ガラスと酸化物粉末(ZrO粉末、MgO粉末、CaO粉末)の質量比率は90:10である。ただし、MgO粉末については、結晶質ガラスとMgO粉末の質量比率は80:20の試料も作製した。第二被覆層25の線膨張係数をα25とする。
第三被覆層30は、結晶質ガラスと酸化物粉末としてのYを用いた。結晶質ガラスと酸化物粉末のYの質量比率は80:20である。第三被覆層30の線膨張係数をα30とする。
以上説明した感熱体11、引出線15、第一被覆層20、第二被覆層25および第三被覆層30の線膨張係数を表2に示す。表2において、結晶質ガラスと酸化物粉末の混合物である第一被覆層20、第二被覆層25および第三被覆層30の線膨張係数は、結晶質ガラスと酸化物粉末の質量比率(%)から算出した。
なお、第2被覆層25の厚さt25および第3被覆層30の厚さt30は以下の通りである。
t25=0.1mm , t30=0.6mm
Figure 0007473753000002
[第1実施例:第1測定条件]
表3に示す4種類の温度センサ素子(試料No.1~4)を用いて、以下の条件による電気抵抗値の変化率を測定した。測定結果を表3に示す。
保持温度:900℃
雰囲気:水素5vol.%+窒素95vol.%
保持時間:10時間
抵抗値測定温度:25℃
Figure 0007473753000003
[第1実施例:第2測定条件]
保持温度を1050℃とする以外は第1測定条件と同じ第2測定条件で、電気抵抗値の変化率を測定した。測定結果を表4に示す。なお、第二被覆層25を設けることなく、第一被覆層20の直上に第三被覆層30を形成した試料も作製した。これは表4に試料No.9と表記され、また、表5の試料No.16も同様である。
Figure 0007473753000004
[第1実施例:第3測定条件]
次に、室温(25℃)から1050℃まで昇温した後に、1050℃から室温まで降温するというサイクルを2000サイクル繰り返した後に、電気抵抗率を測定する以外は、第1測定条件と同様にして、電気抵抗率の変化率を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0007473753000005
[第2実施例]
次に、第2実施例を説明する。第2実施例は、ガラスを含むことなく、感熱体11と同じ組成のサーミスタ粉末だけから第一被覆層20を構成した。この第一被覆層20はサーミスタ粉末と有機バインダとの液状混合物に感熱体11をディッピングした後に、溶剤を揮発させて乾燥させる。そうすると、第一被覆層20を構成する粒子がバインダにより結合された第一被覆層20の前駆体が得られる。以後は、第1実施例と同様にして、第一被覆層20の上に第二被覆層25、第三被覆層30を順に形成する。
以上により得られた試料を用いて、第1実施例の第1測定条件(900℃保持)、第2測定条件(1050℃保持)および第3測定条件(室温-1050℃サイクル)で電気抵抗率の変化率を測定した。第1測定条件、第2測定条件および第3測定条件の測定結果をそれぞれ表6、表7および表8に示す。
Figure 0007473753000006
Figure 0007473753000007
Figure 0007473753000008
なお、第1実施例および第2実施例の測定値において、CaOについては、保持温度が900℃の場合よりも1050℃の場合の方が好適な結果が得られた。このことから、より高温雰囲気下において連続使用される場合には、第二被覆層25における酸化物粉末としてCaOが好ましいといえる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に置き換えたりすることができる。
例えば、図1および図5(b)では、第二被覆層25と第三被覆層30の引出線15の延長方向において引出線15を取り囲む範囲がほぼ一致しているが、これはあくまで好ましい一例にすぎない。例えば、図5(b)に一点鎖線で示すように、第二被覆層25の方が第三被覆層30よりも突出していてもよい。図示は省略されるが、これとは逆に、第二被覆層25よりも第三被覆層30の方が突出していてもよい。
1,2 温度センサ素子
3 サーミスタ素子
5 被覆層
11 感熱体
13 電極
15 引出線
17 接続電極
20 第一被覆層
25,27 第二被覆層
30 第三被覆層

Claims (7)

  1. 温度によって電気抵抗が変化する感熱体と、
    前記感熱体の周囲を覆う第一被覆層と、
    前記感熱体に接続されるとともに、前記第一被覆層を貫通して引き出される一対の引出線と、
    前記第一被覆層および前記第一被覆層を貫通して引き出される一対の前記引出線の周囲を覆う第二被覆層と、
    前記第一被覆層および前記第二被覆層の周囲を覆う第三被覆層と、を備え、
    前記引出線、前記第二被覆層および前記第三被覆層のそれぞれの線膨張係数をα15、α25およびα30とすると、
    α15<α30<α25の関係が成り立ち、
    前記第一被覆層は、第一酸化物粉末、または、前記第一酸化物粉末とガラスの混合物から構成され、
    前記第二被覆層は、第二酸化物粉末とガラスとの混合物から構成され、
    前記第三被覆層は、第三酸化物粉末とガラスとの混合物から構成される、
    ことを特徴とする温度センサ素子。
  2. 前記第一酸化物粉末、前記第二酸化物粉末および前記第三酸化物粉末のそれぞれの線膨張係数をβ20、β25およびβ30とすると、
    β20<β30<β25の関係が成り立つ、
    請求項1に記載の温度センサ素子。
  3. 前記第一酸化物粉末は、前記感熱体を構成するサーミスタ粉末からなり、
    前記第二酸化物粉末は、ZrO、CaOおよびMgOの一種又は二種以上の粉末からなる、
    請求項2に記載の温度センサ素子。
  4. 前記第二被覆層は、
    前記第一被覆層を貫通して引き出される一対の前記引出線の周囲を覆うとともに、前記第一被覆層と前記第三被覆層の間において、前記第一被覆層を覆う、
    請求項1に記載の温度センサ素子。
  5. 前記第二被覆層は、前記第一被覆層を貫通して引き出される一対の前記引出線の周囲を限定して覆い、
    前記第一被覆層と前記第三被覆層が直に接している、
    請求項1に記載の温度センサ素子。
  6. 前記第二被覆層および前記第三被覆層の厚さをそれぞれt25、t30とすると、t25<t30が成り立つ、
    請求項1に記載の温度センサ素子。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の温度センサ素子を備えること、
    を特徴とする温度センサ。
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